JP3096141B2 - 液晶性ポリエステル樹脂組成物 - Google Patents

液晶性ポリエステル樹脂組成物

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は液晶性ポリエステル樹脂
組成物に関する。更に詳しくは、成形後のエッチング処
理性に優れ、成形品に効率良くメッキを付与することの
でき、耐熱性、成形加工性にも優れた液晶性ポリエステ
ル樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】液晶性
ポリエステルは、一般に知られている熱可塑性ポリエス
テル、例えばポリブチレンテレフタレート、ポリエチレ
ンテレフタレートと異なり、剛直な高分子よりなり、溶
融状態でも分子鎖は折れ曲がり難く棒状を保っているた
め、溶融時に分子の絡み合いが少なく、僅かな剪断応力
を受けるだけで一方向に配向し、液状でも結晶性を示
し、いわゆる液晶性を示す。斯かる液晶性ポリエステル
についても一般に行われている射出成形加工法を適用す
ることができ、成形加工性、耐熱性、寸法安定性等に優
れる利点を有するが、成形された成形品の表面は強い配
向のため表層部が剥離し毛羽立ちを生じ易く、そのまま
ではメッキ等の表面加工ができない。そこで、従来一般
の樹脂に用いられている様な薬品による表面粗面化処理
を行うことが考えられるが、液晶性ポリエステル樹脂成
形品の表面は化学的には極めて不活性で、親和性のある
適切な溶剤がなく、表層の配向層を取り除き表面を粗面
化することができない。そこで、液晶性ポリエステル樹
脂の強い配向性を弱めるための無機充填物や易溶出性添
加剤等を加えて強酸や強アルカリ溶液により表面を粗化
することが考えられる。しかしながら、この方法では、
使用目的によっては金属膜と素材との密着強度が不十分
である。一方、液晶性ポリエステルは、一般金属に匹敵
する低い線膨張係数を示し、耐熱的には 260℃のハンダ
浴に10秒間浸漬しても異常を生じない等の特徴を有し、
この特性を生かして、耐熱性のメッキを付与することの
できる樹脂組成物が求められていたが、未だ満足のいく
ものは知られていない。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、この様な
液晶性ポリエステルの熱的に有益な特徴を生かし、物理
的・化学的性質を損なうことなしに剥離し易い表層を発
生させず、表面に高い密着強度の金属膜の形成が可能な
液晶性ポリエステル樹脂組成物について鋭意研究した結
果、コロイダルシリカで表面処理した無機充填材を含有
する液晶性ポリエステル樹脂組成物を成形した成形品
は、成形後のエッチング処理性に優れており、エッチン
グ処理を施した後、例えば両性界面活性剤で表面処理
し、次いで無電解メッキ後に電解メッキを施すことによ
り、極めて強固な密着力を持つ金属膜の形成ができるこ
とを見出し、本発明を完成するに到った。即ち本発明
は、コロイダルシリカで表面処理した無機充填材を含有
せしめてなる、成形後のエッチング処理性に優れた液晶
性ポリエステル樹脂組成物に関する。
【0004】本発明で用いられるコロイダルシリカと
は、無水ケイ酸10〜50%の超微粒子をコロイド溶液とし
たものである。主成分はSiO2・xH2Oであり、その粒子径
は特に限定されないが、10〜20nm程度が好ましい。本発
明では、このコロイダルシリカで無機充填材を表面処理
したものを用いることにより、その相乗効果によって成
形品のエッチング処理後にアンカー効果が現れ、メッキ
の密着力が強くなる。コロイダルシリカによる無機充填
材の表面の処理手段は特に限定されず、例えば無機充填
材の表面積に対して適量のコロイダルシリカを、水やイ
ソプロピルアルコール等の溶媒にて希釈したものを無機
充填材と混練後、加熱乾燥することにより処理を行えば
よい。
【0005】本発明で用いられる無機充填材とは、ガラ
スビーズ、ガラスバルーン、ガラス粉、又は周期律表II
族元素及びその酸化物、硫酸塩、リン酸塩、珪酸塩、炭
酸塩、又はアルミニウム、珪素、スズ、鉛、アンチモ
ン、ビスマスの元素及びその酸化物からなる群より選ば
れた1種又は2種以上であり、特にガラスビーズ、又は
周期律表II族元素の酸化物、硫酸塩、リン酸塩、珪酸塩
からなる群より選ばれた1種又は2種以上のものが好ま
しい。周期律表II族の元素の酸化物とは、酸化マグネシ
ウム、酸化カルシウム、酸化バリウム、酸化亜鉛等の如
き化合物であり、リン酸塩とはリン酸マグネシウム、リ
ン酸カルシウム、リン酸バリウム、リン酸亜鉛、ピロリ
ン酸マグネシウム、ピロリン酸カルシウム等の如き化合
物であり、硫酸塩とは硫酸マグネシウム、硫酸カルシウ
ム、硫酸バリウム等の化合物であり、珪酸塩とは珪酸マ
グネシウム、珪酸カルシウム、珪酸アルミニウム、カオ
リン、タルク、クレー、珪藻土、ウォラストナイト等の
化合物であり、炭酸塩とは炭酸カルシウム、炭酸マグネ
シウム、炭酸バリウム、炭酸亜鉛等の化合物である。特
にリン酸塩が好適である。又、上記の他にアルミニウ
ム、珪素、スズ、鉛、アンチモン、ビスマス等の両性金
属元素、又はその元素の酸化物からなる群より選ばれた
1種又は2種以上も好ましく、特に亜鉛、アルミニウ
ム、スズ、鉛等の両性金属元素及びその酸化物が好まし
い。これら微粉状無機充填材の粒径は、平均粒径0.01〜
100μm の範囲、好ましくは0.1 〜30μm 、更に好まし
くは0.5 〜10μm が適当である。0.01μm 未満では分散
不良により成形品表面に凝集塊が生じ易く、 100μm を
超えると成形品の平滑性が悪くなり、良い外観が得られ
ない。
【0006】又、無機充填材として繊維状無機物も好ま
しく、繊維状無機物単独で、若しくは上記微粉状無機充
填材と組み合わせて使用される。繊維状無機物として
は、ガラス繊維、ミルドガラスファイバー、炭素繊維、
アスベスト繊維、シリカ繊維、シリカ・アルミナ繊維、
アルミナ繊維、ジルコニア繊維、窒化ホウ素繊維、窒化
珪素繊維、ホウ素繊維、チタン酸カリウム繊維、更にス
テンレス、アルミニウム、チタン、銅、真鍮等の金属の
繊維状物等の無機繊維状物質が挙げられる。特にガラス
ビーズ、ミルドガラスフアイバーが好ましい。これら繊
維状無機物の形状は、直径1〜30μm 、長さ5μm 〜1m
m 、特に10〜100μm の範囲にあるものが好ましい。
【0007】上記微粉状無機充填材の配合量は液晶性ポ
リエステル樹脂組成物全量に対して5〜80重量%、好ま
しくは20〜70重量%である。5重量%未満では成形品表
面に不均質な流れマークが発生し、又表面処理品はエッ
チングのムラを生じる。一方、 80 重量%を超えると樹
脂の流動性が低下し、表面の良好な成形品が得られず、
それと同時に成形品の機械的強度も低下してしまい好ま
しくない。又、繊維状無機物の配合量は液晶性ポリエス
テル樹脂組成物全量に対して1〜60重量%、好ましくは
5〜40重量%である。但し、前記微粉状無機充填材と繊
維状無機物との総配合量が組成物全量の85重量%を超え
ることは成形加工性及び各種の物性面から好ましくな
い。
【0008】コロイダルシリカにて表面処理された無機
充填材を液晶性ポリエステル中に配合する方法として
は、種々の方法が用いられるが、望ましくは押出機によ
る溶融混練方法で成形に先立って均一に混練、分散させ
ることが好ましい。
【0009】成形後のエッチング処理は、酸、アルカ
リ、アルコール、水から選ばれた1種又は2種以上の均
一な混合液により行われ、用いた無機充填材の種類に合
わせ、適当なエッチング処理液が選択される。酸性溶液
としては、例えば硫酸単独、又は重クロム酸、無水クロ
ム酸、リン酸、p−トルエンスルホン酸、ピロリン酸、
過マンガン酸カリウム水溶液等から選ばれた1種又は2
種以上と硫酸との複合系の水溶液等が挙げられる。又、
アルカリ性溶液としては、アルカリ金属の水酸化物又は
アルカリ土類金属の水酸化物を主成分とする水溶液、並
びにこれらにアルコールその他の溶剤を添加した複合液
等が挙げられる。かかる処理液で液晶性ポリエステル成
形品をエッチング処理するに当たり、エッチング液への
浸漬処理条件はエッチング液の組成に応じ適宜最適条件
が探索、選択される。一般的な処理条件は酸性溶液の場
合、80〜98重量%硫酸水溶液を用い、40〜80℃で3〜 1
20分の範囲である。好ましくは90〜98重量%水溶液を用
い、60〜70℃で10〜30分である。特に好ましい処理条件
例を示せば95重量%硫酸水溶液で60℃×30分程度の処理
が適当である。又、アルカリ性溶液の場合、アルカリ金
属若しくはアルカリ土類金属の水酸化物20〜60重量%の
水溶液を用い、30〜80℃で3〜 120分の範囲である。好
ましくは水酸化物40〜50重量%水溶液を用い、40〜60℃
で10〜30分である。特に好ましい処理条件例を示せば水
酸化カリウムの約45重量%溶液で、60℃×30分程度の処
理が適当である。
【0010】本発明における液晶性ポリエステルとは、
溶融加工性ポリエステルで、溶融状態でポリマー分子鎖
が規則的な平行配列をとる性質を有している。分子がこ
のように配列した状態をしばしば液晶状態または液晶性
物質のネマチック相という。このようなポリマー分子
は、一般に細長く、偏平で、分子の長軸に沿ってかなり
剛性が高く、普通は同軸または平行のいずれかの関係に
ある複数の連鎖伸長結合を有しているようなポリマーか
らなる。異方性溶融相の性質は、直交偏光子を利用した
慣用の偏光検査法により確認することができる。より具
体的には、異方性溶融相の確認は、Leitz 偏光顕微鏡を
使用し、Leitz ホットステージにのせた溶融試料を窒素
雰囲気下で40倍の倍率で観察することにより実施でき
る。上記ポリマーは光学的に異方性である。すなわち、
直交偏光子の間で検査したときに光を透過させる。試料
が光学的に異方性であると、たとえ静止状態であっても
偏光は透過する。上記の如き異方性溶融相を形成するポ
リマーの構成成分としては 芳香族ジカルボン酸、脂環族ジカルボン酸の1つま
たはそれ以上からなるもの 芳香族ジオール、脂環族ジオール、脂肪族ジオール
の1つまたはそれ以上からなるもの 芳香族ヒドロキシカルボン酸の1つまたはそれ以上
からなるもの 芳香族チオールカルボン酸の1つまたはそれ以上か
らなるもの 芳香族ジチオール、芳香族チオールフェノールの1
つまたはそれ以上からなるもの 芳香族ヒドロキシアミン、芳香族ジアミンの1つま
たはそれ以上からなるもの 等から選ばれ、異方性溶融相を形成するポリマーは I) とからなるポリエステル II) だけからなるポリエステル III) ととからなるポリエステル IV) だけからなるポリチオールエステル V) とからなるポリチオールエステル VI) ととからなるポリチオールエステル VII) ととからなるポリエステルアミド VIII)とととからなるポリエステルアミド 等の組み合わせから構成される異方性溶融相を形成する
ポリエステルである。更に上記の成分の組み合わせの範
疇には含まれないが、異方性溶融相を形成するポリマー
には芳香族ポリアゾメチンが含まれ、かかるポリマーの
具体例としては、ポリ(ニトリロ−2−メチル−1,4 −
フェニレンニトリロエチリジン−1,4−フェニレンエチ
リジン);ポリ(ニトリロ−2−メチル−1,4 −フェニ
レンニトリロメチリジン−1,4 −フェニレンメチリジ
ン);およびポリ(ニトリロ−2−クロロ−1,4 −フェ
ニレンニトリロメチリジン−1,4 −フェニレンメチリジ
ン)が挙げられる。更に上記の成分の組み合わせの範疇
には含まれないが、異方性溶融相を形成するポリマーと
してポリエステルカーボネートが含まれる。これは本質
的に4−オキシベンゾイル単位、ジオキシフェニル単
位、ジオキシカルボニル単位及びテレフタロイル単位か
らなるものがある。
【0011】本発明で用いるのに好適な異方性溶融相を
形成するポリマーである上記 I)、II)、 III)のポリ
エステル及びVIII)のポリエステルアミドは、縮合によ
り所要の反復単位を形成する官能基を有している有機モ
ノマー化合物同士を反応させることのできる多様なエス
テル形成法により生成させることができる。たとえば、
これらの有機モノマー化合物の官能基はカルボン酸基、
ヒドロキシル基、エステル基、アシルオキシ基、酸ハロ
ゲン化物、アミン基などでよい。上記有機モノマー化合
物は、溶融アシドリシス法により熱交換流体を存在させ
ずに反応させることができる。この方法ではモノマーを
まず一緒に加熱して反応物質の溶融溶液を形成する。反
応を続けていくと固体のポリマー粒子が液中に懸濁する
ようになる。縮合の最終段階で副生した揮発物(例、酢
酸または水)の除去を容易にするために真空を適用して
もよい。また、スラリー重合法も本発明に用いるのに好
適な液晶性ポリエステルの形成に採用できる。この方法
では、固体生成物は熱交換媒質中に懸濁した状態で得ら
れる。本発明に使用するのに適した液晶性ポリマーは、
一般溶剤には実質的に不溶である傾向を示し、したがっ
て溶液加工には不向きである。しかし、既に述べたよう
に、これらのポリマーは普通の溶融加工法により容易に
加工することができる。本発明で用いるのに好適な液晶
性ポリエステルは一般に重量平均分子量が約2,000 〜20
0,000 、好ましくは約10,000〜50,000、特に好ましくは
約20,000〜25,000である。一方、好適な完全芳香族ポリ
エステルアミドは一般に分子量が約 5,000 〜50,000、
好ましくは約10,000〜30,000、例えば15,000〜17,000で
ある。かかる分子量の測定は、ゲルパーミエーションク
ロマトグラフィーならびにその他のポリマーの溶液形成
を伴わない標準的測定法、たとえば圧縮成形フィルムに
ついて赤外分光法により末端基を定量することにより実
施できる。また、ペンタフルオロフェノール溶液にして
光散乱法を用いて分子量を測定することもできる。
【0012】本発明で用いられる異方性溶融相を示すポ
リマーは、芳香族ポリエステル及び芳香族ポリエステル
アミドが好ましく、芳香族ポリエステル及び芳香族ポリ
エステルアミドを同一分子鎖中に部分的に含むポリエス
テルも好ましい例である。それらを構成する化合物の好
ましい例は、2,6 −ナフタレンジカルボン酸、2,6 −ジ
ヒドロキシナフタレン、1,4 −ジヒドロキシナフタレン
及び6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸等のナフタレン化
合物、4,4'−ジフェニルジカルボン酸、4,4'−ジヒドロ
キシビフェニル等のビフェニル化合物、下記一般式
(I)、(II)又は(III)で表わされる化合物:
【0013】
【化1】
【0014】(但し、X:アルキレン(C1〜C4) 、アルキ
リデン、-O- 、-SO-、-SO2- 、-S- 、-CO-より選ばれる
基 Y:-(CH2)n- (n=1〜4)、-O(CH2)nO- (n=1 〜4)より選ば
れる基) p−ヒドロキシ安息香酸、テレフタル酸、ハイドロキノ
ン、p−アミノフェノール及びp−フェニレンジアミン
等のパラ位置換のベンゼン化合物及びそれらの核置換ベ
ンゼン化合物(置換基は塩素、臭素、メチル、フェニ
ル、1−フェニルエチルより選ばれる)、イソフタル
酸、レゾルシン等のメタ位置換のベンゼン化合物であ
る。又、本発明に使用される液晶性ポリエステルは、上
述の構成成分の他に同一分子鎖中に部分的に異方性溶融
相を示さないポリアルキレンテレフタレートであっても
よい。この場合のアルキル基の炭素数は2乃至4であ
る。上述の構成成分の内、ナフタレン化合物、ビフェニ
ル化合物、パラ位置換ベンゼン化合物より選ばれる1種
若しくは2種以上の化合物を必須の構成成分として含む
ものが更に好ましい例である。又、p−位置換ベンゼン
化合物の内、p−ヒドロキシ安息香酸、メチルハイドロ
キノン及び1−フェニルエチルハイドロキノンは特に好
ましい例である。本発明で用いられるのに特に好ましい
異方性溶融相を形成するポリエステルは、6−ヒドロキ
シ−2−ナフトイル、2,6 −ジヒドロキシナフタレン及
び2,6 −ジカルボキシナフタレン等のナフタレン部分含
有反復単位を約10モル%以上の量で含有するものであ
る。好ましいポリエステルアミドは上述ナフタレン部分
と4−アミノフェノール又は1,4 −フェニレンジアミン
よりなる部分との反復単位を含有するものである。尚、
上記 I) 〜VIII) の構成成分となる化合物の具体例及び
本発明で用いられるのに好ましい異方性溶融相を形成す
るポリエステルの具体例については特開昭61−698
66号公報に記載されている。
【0015】本発明の液晶性ポリエステル樹脂組成物
は、通常の成形方法、例えば射出成形、押出成形、圧縮
成形等の成形手段により成形品とすることができ、その
後、必要に応じ脱脂され、前記エッチング処理された
後、通常のメッキ処理が施される。即ち、エッチング処
理後、中和、湿潤化等の後、無電解メッキ、電気メッキ
等の処理が行われ、完成品であるメッキ処理された成形
品となる。
【0016】
【発明の効果】以上述べた様に、本発明の液晶性ポリエ
ステル樹脂組成物は、成形後のエッチング処理性に優れ
ており、樹脂の表層剥離を起こさず、均一で緻密な表面
構造を持ち、メッキとの密着力が強く、外装部品はもと
より、プリント配線基板を対象とした用途への展開が可
能となった。
【0017】
【実施例】以下、実施例及び比較例をもって本発明の処
理法を更に具体的に説明するが、本発明はこれに限定さ
れるものではない。 実施例1〜10、比較例1〜7 後述の液晶性ポリエステル樹脂と表1〜2に示した充填
材(重量%は組成物全量に対する値を示す)とを押出機
による溶融混練方法により混練分散させペレット化し、
140℃で3時間乾燥した後、射出成形機により温調され
た金型を用いて120 ×120 ×3mmの平板を成形した。成
形した平板を脱脂した後、アルカリ浴を用いて表に示す
条件で平板表面のエッチングを行い、水洗し、残アルカ
リ分を中和するため希塩酸溶液に浸漬し、水洗後、両性
界面活性剤に浸漬し表面処理を行った後、無電解銅メッ
キを行った。そのままではピーリング強さが測定できな
いため、処理後直ちに電気銅メッキを実施し、膜厚30〜
40μm に形成させた後、10mm幅の帯状になるようにナイ
フでカットし、ピーリング強さを引張試験機により測定
した。引き剥がし速度は50mm/minとした。尚、実施例1
〜10で使用したコロイダルシリカ処理ガラスビーズA、
B及びコロイダルシリカ処理ミルドファイバーグラス
は、常法によりガラスビーズA、B及びミルドファイバ
ーグラスの表面をコロイダルシリカで処理したものであ
る。具体的には、コロイダルシリカを固形分として3%
含む、分散媒としてメタノールを用いたゾル1kgを各無
機充填材10kgに加え、ジャケット付攪拌機で常温で10分
間撹拌した後、80℃で4時間乾燥し、表面処理を行い、
各コロイダルシリカ処理無機充填材を調製して、使用し
た。結果を表1〜2に示す。尚、実施例で使用した液晶
性ポリエステルは下記の構成単位を有するものである。
【0018】
【化2】
【0019】
【表1】
【0020】
【表2】

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コロイダルシリカで表面処理した無機充
    填材を含有せしめてなる、成形後のエッチング処理性に
    優れた液晶性ポリエステル樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 エッチング処理が、酸、アルカリ、アル
    コール、水から選ばれた1種又は2種以上の均一な混合
    液によるエッチング処理である請求項1記載の液晶性ポ
    リエステル樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 無機充填材が、ガラスビーズ、ガラスバ
    ルーン、ガラス粉、又は周期律表II族元素及びその酸化
    物、硫酸塩、リン酸塩、珪酸塩、炭酸塩、又はアルミニ
    ウム、珪素、スズ、鉛、アンチモン、ビスマスの元素及
    びその酸化物からなる群より選ばれた1種又は2種以上
    の微粉状無機充填材であり、その配合量が組成物全重量
    に対して5〜80重量%である請求項1記載の液晶性ポリ
    エステル樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 微粉状無機充填材が平均粒径0.01〜 100
    μm の範囲にある請求項3記載の液晶性ポリエステル樹
    脂組成物。
  5. 【請求項5】 無機充填材が直径が1〜30μm 、長さ5
    μm 〜1mmの範囲にある繊維状無機物であり、その配合
    量が組成物全重量に対して1〜60重量%である請求項1
    記載の液晶性ポリエステル樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 無機充填材が、ガラスビーズ、ガラスバ
    ルーン、ガラス粉、又は周期律表II族元素及びその酸化
    物、硫酸塩、リン酸塩、珪酸塩、炭酸塩、又はアルミニ
    ウム、珪素、スズ、鉛、アンチモン、ビスマスの元素及
    びその酸化物からなる群より選ばれた1種又は2種以上
    の微粉状無機充填材と繊維状無機物とを併用したもので
    あり、その総配合量が組成物全重量に対して5〜80重量
    %である請求項1記載の液晶性ポリエステル樹脂組成
    物。
  7. 【請求項7】 繊維状無機物が、ガラス繊維、ミルドガ
    ラスファイバー又はチタン酸カリウム繊維である請求項
    5又は6記載の液晶性ポリエステル樹脂組成物。
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