JP3265966B2 - 形鋼の冷却方法及びその装置 - Google Patents

形鋼の冷却方法及びその装置

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JP3265966B2 JP01530996A JP1530996A JP3265966B2 JP 3265966 B2 JP3265966 B2 JP 3265966B2 JP 01530996 A JP01530996 A JP 01530996A JP 1530996 A JP1530996 A JP 1530996A JP 3265966 B2 JP3265966 B2 JP 3265966B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、形鋼の冷却方法及
びその装置に係り、さらに詳しくは、H形鋼、山形鋼、
溝形鋼などのように冷却面を立てて冷却する場合に有効
な形鋼の冷却方法及びその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】H形鋼、特にウェブ厚みに対してフラン
ジ厚みの比が大きいH形鋼や、ウェブ厚みが極端に薄い
H形鋼では、圧延過程においてウェブとフランジの肉厚
差による熱容量の差、表面積比の差に基づく放熱量の差
などによって生ずる冷却速度の相違により、被圧延材が
最終製品に近くなった場合、ウェブとフランジとの間に
大きな温度差を生じ、H形鋼の冷却時においてウェブの
冷却がほぼ終了したのち、引続いてフランジが冷却収縮
するため、フランジの収縮応力がウェブに多大の影響を
及ぼし、製品H形鋼のウェブに波打ちを生じてH形鋼の
形状に劣化を生じることは避けられなかった。
【0003】これに対して、従来はフランジ外面に冷却
材を吹きつけることによってフランジを冷却し、ウェブ
とフランジの温度差を少なくする提案が試みられていた
(特公昭41−20336号公報)。しかしながら、通
常、H形鋼などの形鋼を製造する工場のラインでは、1
つのラインで様々なサイズの形鋼を製造するため、フラ
ンジの冷却装置はH形鋼のフランジ幅に合わせて冷却幅
を変更する必要があった。このようなフランジ幅の変更
に際して冷却幅を変更する技術として、特開昭62−2
48507号公報に記載された方法がある。この方法
は、フランジ冷却用のスプレーノズルより噴射されてい
る冷却水流に対して、フランジ幅に合わせて上部からマ
スキングプレートを懸垂させ、このマスキングプレート
により噴射されている冷却水を遮ることによって、フラ
ンジの冷却幅を制御するようにしたものである。
【0004】しかしながら、上記のような冷却方法にお
いては、フランジの上部と下部を上下対称に冷却しない
と冷却後にH形鋼に上下曲がりを生じ、冷却後に形状矯
正を行う必要がある。また、前後の圧延中にフランジの
上部と下部に温度偏差が発生して上下曲がりを生じ、こ
の場合も冷却後に形状矯正を行う必要があった。
【0005】そこで、各フランジサイズ毎にフランジの
上下を上下対称に冷却する方法、さらに、フランジの上
下に温度差が生じた場合に、それを打ち消すために冷却
を上下に制御する方法として多段ノズルが提案された。
しかし、この方法は、冷却水が直接フランジに衝突する
部分と、衝突後の冷却水がフランジに沿って流下する流
下水部分とで冷却能力(熱伝達率)に違いがあり、フラ
ンジ面で均一な冷却をするためには複雑なロジックが必
要であるため、各段のノズルの冷却水量を予測して制御
する方法が提案されている(特開平5−305328号
公報、特公平5−30523号公報)。しかしながら、
実際の冷却にあたっては、様々なフランジ幅、フランジ
厚みによって冷却能を変更し、かつ、それぞれの部位の
冷却水量を制御することが難しく、結果として製品H形
鋼の曲がりの発生が避けられなかった。
【0006】そこで、フランジに沿って流下する流下水
の影響を少なくする試みとして、特開平5−31794
8号公報に示すような多段ノズルの配置に関する発明が
ある。この発明は、0〜5mmの狭い間隔で複数個の冷
却水ノズルを縦に並べることにより流下水の影響をなく
するようにしたもので、フランジ断面の冷却分布を細か
く変更することが可能であり、フランジ幅変更の際に
は、冷却水を噴射するノズルの個数を変えることにより
対応可能であるとしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述の特開平5−31
7948号公報に記載された発明においては、上下のノ
ズル間の間隙を0mm以上5mm以下に保たなければ冷
却能に段差が生じてしまう。しかしながら、実機におい
てノズル間の間隙を0〜5mmの範囲内に維持管理する
ことは不可能であり、長い間にはノズル間隙に微妙なず
れを生じる。このため、筋状の低温領域(低温帯)や高
温領域(高温帯)が生じてしまい、焼きの入った部分と
冷却されなかった部分とで機械的性質(例えば、降伏応
力や硬度)にばらつきが生じるため、フランジの均質性
に問題がある。
【0008】本発明は、上記の課題を解決するためにな
されたもので、形鋼、特にH形鋼のフランジ幅変更時に
おいて、多段に配置したスプレーノズル間の干渉を少な
くし、かつ、スプレーノズルの上下の間隔にばらつきが
あってもフランジの高さ方向に段差のない均一な冷却を
行うことのできる形鋼の冷却方法及びその装置を得るこ
とを目的したものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】(1) 本発明に係る形
鋼の冷却方法は、上下に少なくとも2段に設置されたス
プレーノズルから冷却水を噴射して形鋼のフランジ外面
を冷却するにあたり、前記スプレーノズルから噴射した
冷却水を分散板を通過させると共に、上段のスプレーノ
ズルからの冷却水の前記フランジ外面への衝突位置の下
端と、下段のスプレーノズルからの冷却水の前記フラン
ジ外面への衝突位置の上端との重なり部分をスプレーノ
ズルの噴射角度を調整することにより、0mmを超えか
つ25mm以下としたものである。
【0010】(2) 上記(1)の形鋼の冷却方法にお
いて、スプレーノズルを上下方向に傾斜移動させて冷却
する形鋼のフランジ幅の広範囲の変化に対応しうるよう
にしたものである。
【0011】(3) また、本発明に係る形鋼の冷却装
置は、形鋼の搬送ラインの両側に設置され、長手方向に
所定の間隔で窓が設けられて該窓に多数の小孔を有する
分散板が配設されたサイドガイドと、該サイドガイドの
両側に設置されてそれぞれ独立して水量が制御される少
なくとも2段のヘッダ管、前記サイドガイドの窓に対向
してそれぞれヘッダ管に接続された導管、及び該導管の
先端部に噴射角度を変えうるように設けられたスプレー
ノズルからなる冷却装置とを備え、該冷却装置と前記サ
イドガイドとを一体に連結して前記形鋼の搬送ラインと
直交する方向に移動しうるように構成したものである。
【0012】(4) 上記(1)のヘッダ管を上下方向
に斜行移動しうるように構成したものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
実施形態1.図1は本発明の第1の実施形態を模式的に
示した斜視図、図2はそのA−A断面図である。図にお
いて、1はウェブ2及びフランジ3,3からなり、フラ
ンジ3,3を冷却する被圧延材であるH形鋼で、搬送ラ
イン4上を矢印a方向に搬送される。5はH形鋼1のフ
ランジ3,3に沿って設置された冷却装置で、図には説
明を簡単にするため片側の冷却装置5だけを示してある
が、実際には搬送ライン4の両側にフランジ3,3に沿
って設けられている。
【0014】冷却装置5において、冷却水を送る複数の
導管6の先端部には、スプレーパターンが楕円形の市販
のスプレーノズル7がそれぞれ取付けられており、この
スプレーノズル7は、H形鋼1のフランジ3の幅方向
(上下方向)に5段、長手方向に1mのピッチで設置さ
れている。そして、それぞれの段のスプレーノズル7は
導管6を介して上下方向に並設された5本のヘッダー管
8に噴射角度を変えうるように回動可能に接続され、各
ヘッダ管8の水量はそれぞれ独立して制御がなされる構
造となっている。
【0015】10はH形鋼1のフランジ3,3と冷却装
置5との間において、圧延機の入口及び出口に設けられ
たサイドガイドで、本実施形態では冷却装置5はフレー
ム9によりこのサイドガイド10に取付けられており、
圧延中のH形鋼1をウェブ2の高さに応じてセンタに合
わせる際、サイドガイド10の動きに合わせて左右(H
形鋼1の搬送方向と直交する方向)に移動しうるように
なっている。11は冷却装置5のスプレーノズル7の位
置に対応してサイドガイド10に設けた窓で、サイドガ
イド10を設けたことにより、圧延中のH形鋼1がスプ
レーノズル7に接触することがない。
【0016】12はサイドガイド10の窓11に冷却水
を分散するために取付けられた分散板である。本実施形
態では、分散板12には、図3(a)に示すようなエク
スパンドメタルと呼ばれる市販の金網で、目のサイズが
縦2mm、横4mmのものを使用した。なお、ここで用
いる分散板12は、冷却水を透過してその一部がこの網
目に接触し、結果として分散板12を通り抜ける際に冷
却水が広い範囲に分散される機能を有するものであれば
よく、特に、上記のエクスパンドメタルに限るものでは
ない。すなわち、図3(b)に示すように細線を編んで
作られた布状の金網、図3(c)に示すように細かい穴
が多数あけられた多孔板(パンチングメタル)、あるい
は図3(d)に示すように細い板や細線を重ねたブライ
ンドなどを用いてもよい。
【0017】スプレーノズル7からH形鋼1のフランジ
3の外面に到達するまでの冷却水の流れを模式的に図4
に示す。スプレーノズル7から噴射された冷却水は、微
細な液滴となって分散板12に到達する。この液滴の大
部分は分散板12の目を通過し、一部は分散板12を構
成する部材に衝突して跳ね返えるが、部材との衝突、後
続の液滴との衝突及び合体による干渉によってほとんど
は分散板12を通過する。そして、液滴速度は低下する
ものの上下方向に角度が広がってフランジ外面に衝突す
る。
【0018】図5は本実施形態において2段のスプレー
ノズル7から冷却水を噴射させたときの水流の様相を示
す線図、図6は本実施形態と同様の構成であるが分散板
12が設けられていない冷却装置の水流の様相を示す線
図であり、さらに、図5、図6には、初期温度一定のH
形鋼のフランジを、上記2段のスプレーノズル7で冷却
した場合の、冷却直後の表面温度分布を赤外線表面温度
計で計測した結果を示してある。
【0019】また、図5(a)及び図6(a)は、フラ
ンジ外面への上段のスプレーノズルの冷却水の衝突位置
(以下スプレーパターンという)の下端と、下段のスプ
レーノズルの冷却水のスプレーパターンの上端とをほぼ
一致させた場合を示し、図5(b)と図6(b)は、フ
ランジ外面への上段のスプレーノズルの冷却水のスプレ
ーパターンの下端と、下段のスプレーノズルの冷却水の
スプレーパターンの上端とを互いに20mmオーバーラ
ップさせた場合を示す。
【0020】2つのスプレーノズルから噴射された冷却
水がオーバーラップした領域の水量密度は、分散板12
がない場合(図6(b))においては単独のスプレーノ
ズル領域の水量密度(図6(a))より大きくなってい
るため、この部分の温度が低くなっている。このため、
冷却水のオーバーラップ部での冷却が他の部分よりも強
く、フランジ外面に筋状の低温部が生じる。
【0021】一方、分散板12を設けた場合は、冷却水
の分散効果によって液滴が分散する結果、図5(b)に
示すように、冷却水のオーバーラップ部分でもその水量
密度は単独のスプレーノズル領域の水量密度(図5
(a))とほぼ等しく、熱伝達率がスプレーノズル間で
一定していることが明らかである。上記の場合におい
て、種々実験の結果、分散板12を設けた場合は、冷却
水のオーバーラップ部分の長さが0mmを超えかつ25
mm以下であれば、2つのスプレーノズルのスプレーパ
ターンの中間領域の熱伝達率が他の部分の熱伝達率とほ
ぼ等しく、フランジ外面を一様に冷却することができ
た。以下、本実施形態の実施例について説明する。な
お、以下の実施例ではスプレーパターンのオーバーラッ
プを20mmとした。
【0022】(実施例1)この圧延機で製造されている
ウェブ高さH=500mm、フランジ幅B=150m
m、ウェブ厚みtw =6mm、フランジ厚みtf =12
mmのH形鋼を冷却した。冷却にあたっては、スプレー
ノズル7は下2段を使用し、冷却水量はそれぞれ500
l/min で、合計1000l/min 、搬送速度1m/s
とした。冷却の結果、冷却前と冷却後のフランジ幅方向
の表面温度差は図7のようになり、ほぼ均一冷却が行わ
れた。得られたH形鋼を圧延後に自然放冷してフランジ
外面の硬度分布を調べた結果、ビッカース硬さでHv=
200〜225と材質が均一であった。
【0023】(実施例2)次に、ウェブ高さH=562
mm、フランジ幅B=300mm、ウェブ厚みtw =1
6mm、フランジ厚みtf =22mmのH形鋼を冷却し
た。冷却にあたっては、スプレーノズル7は全5段を使
用した。冷却水量は各段700l/min で、合計3,5
00l/min 、H形鋼の搬送速度を0.8m/sとし
た。冷却の結果は、図8に示すようにほぼ均一冷却が行
われた。また、得られたH形鋼1を圧延後に自然放冷し
てフランジ外面の硬度分布を調べた結果、ビッカース硬
さでHv=190〜210と材質が均一であった。
【0024】(実施例3)さらに、上記実施例1のH形
鋼1と同じサイズで、サイドガイド10の入側のフラン
ジ3の外面の温度が、図9のAに示すように、フランジ
3の上下とほぼ中心部とで約25℃の温度差があるH形
鋼1を冷却した。その際、スプレーノズル7は全5段を
使用し、冷却水量は下2段は700l/min 、上2段は
550l/min 、中段は700l/min に調整し、搬送
速度を0.8m/sで行った。冷却の結果は、図9のB
に示すようにほぼ均一冷却が行われた。また、このとき
のフランジ外面の硬度分布を調べた結果、ビッカース硬
さでHv=190〜210と材質が均一であった。
【0025】実施形態2.図10は本発明の第2の実施
形態を模式的に示した断面図で、第1の実施形態と同じ
部分にはことれ同じ符号が付してある。なお、本実施形
態は、仕上げ圧延機の後段の冷却装置へ本発明を実施し
た例を示す。15はフレーム9によりサイドガイド10
に取付けられたほぼ直角三角形状の冷却装置駆動装置
で、その傾斜面16にはヘッダ管8が2段に、かつ、H
形鋼1のフランジ幅に応じて傾斜面16に沿って斜め上
下方向に移動しうるように構成されている。冷却水を送
る導管6の先端部にはスプレーパターンが楕円形の市販
のスプレーノズル7が取付けられており、導管6は上下
のヘッダ管8の長手方向に0.3mのピッチで回動可能
に取付けられている。そして、各段のスプレーノズル
は、それぞれ独立に弁の開閉及び流量制御が行なわれる
構造になっている(図示せず)。なお、サイドガイド1
0は、第1の実施形態の場合と同様に、圧延中のH形鋼
1のウェブ2の高さに応じて、冷却装置5及び冷却装置
駆動装置15と共に左右に動く構造になっている。
【0026】この冷却装置5は、異なるフランジ幅のH
形鋼1のフランジ外面を冷却する場合は、冷却装置駆動
装置15の傾斜面16に沿って斜め上下方向に移動して
冷却幅を変更するが、フランジ外面に上下の温度差があ
る場合は、上下段のスプレーノズル7の冷却水量を調整
し、温度偏差を解消するように冷却調整を行う。また、
サイドガイド10の窓11には、図6(b)に示すよう
に細線を編んで布状に作られた金網からなる冷却水の分
散板12が取付けられている。
【0027】(実施例1)この仕上げ圧延機で圧延され
るウェブ高さH=500mm、フランジ幅=150m
m、ウェブ厚みtw =6mm、フランジ厚みtf =12
mmのH形鋼1を冷却した。冷却にあたってはスプレー
ノズル7は上下2段を使用し、冷却水量は各段とも45
00l/min 、搬送速度2.4m/sで行った。なお、
上下のスプレーノズル7のスプレーパターンの上下の重
なりを20mmとした。冷却後、フランジ外面の硬度分
布を調べた結果、ビッカース硬さでHv=240〜25
0と材質が均一であった。
【0028】(実施例2)次に、ウェブ高さH=562
mm、フランジ幅B=300mm、ウェブ厚みtw =1
6mm、フランジ厚みtf =22mmで、サイドガイド
10の入側のフランジ外面の温度が上下フランジ中心部
で約30℃の温度差があるH形鋼を冷却した。冷却にあ
たってはスプレーノズル7を上下2段使用し、冷却水量
は上段のスプレーノズルは9000l/min 、下段のス
プレーノズルは12600l/minとし、搬送速度を2
m/sとした。冷却後、フランジ外面の硬度分布を調べ
た結果、ビッカース硬さHv=230〜240と材質が
均一であった。
【0029】本実施形態と比較するため、図10の冷却
装置により分散板12を設けないで実施例2と同様の実
験を行い、冷却後のフランジ表面の硬度分布を調べた。
なお、このとき、お互いのスプレーノズルのスプレーパ
ターンのオーバーラップが、図6(b)に示すように、
20mmになるように各スプレーノズルの間隔を調整し
た。その結果、フランジ外面の硬度分布はビッカース硬
さでHv=240〜290と、硬度に不均一な部分がみ
られた。このHvが高くなる部分は、2つのスプレーノ
ズルのスプレーパターンがオーバーラップした部分に対
応しており、この材質の不均一は、冷却の不均一から生
じていることが明らかになった。
【0030】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、次のような効果を得ることができる。 (1) 本発明に係る形鋼の冷却方法は、形鋼のフラン
ジを冷却するスプレーノズルを上下に少なくとも2段に
設置し、スプレーノズルから噴射した冷却水を分散板を
通過させると共に、上段のスプレーノズルからの冷却水
のフランジ外面への衝突位置の下端と、下段のスプレー
ノズルからの冷却水の前記フランジ外面への衝突位置の
上端との重なり部分をスプレーノズルの噴射角度を調整
することにより、0mmを超えかつ25mm以下とした
ので、スプレーノズルを多段に配置した際にスプレーノ
ズル間の干渉が少なくなり、かつ、スプレーノズルの上
下の間隔にばらつきがあってもフランジの高さ方向に段
差のない均一な冷却を施すことができ、均一な材質の形
鋼を得ることができる。
【0031】(2) 上記(1)のスプレーノズルを上
下方向に傾斜移動させて冷却する形鋼のフランジ幅の広
範囲の変化に対応しうるようにしたので、上記(1)と
同様の効果を得ることができる。
【0032】(3) また本発明に係る形鋼の冷却装置
は、形鋼の搬送ラインの両側に立設され、長手方向に所
定の間隔で窓が設けられて該窓に多数の小孔を有する分
散板が配設されたサイドガイドと、該サイドガイドの両
側に配置されてそれぞれ独立して水量が制御される少な
くとも2段のヘッダ管、前記サイドガイドの窓に対向し
てそれぞれヘッダ管に接続された導管、及び該導管の先
端部に噴射角度を変えうるように設けられたスプレーノ
ズルからなる冷却装置とを備え、該冷却装置と前記サイ
ドガイドとを一体に連結して前記形鋼の搬送ラインと直
交する方向に移動しうるように構成したので、上記
(1)の効果が得られると共に、冷却する形鋼のウェブ
高さが広範囲に変化しても、サイドガイドと冷却装置を
一体に形鋼の搬送ラインと直交する方向に移動させ、あ
るいはスプレーノズルの噴射角度を変えることにより、
容易にこれに対応することができる。
【0033】(4) 上記(3)のヘッダを上下方向に
斜行移動しうるように構成したので、上記(3)の効果
が得られると共に、少ないノズル数でフランジ幅の広範
囲の変化に対して容易に対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を模式的に示した斜視
図である。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】図2の分散板の説明図である。
【図4】第1の実施形態の作用説明図である。
【図5】第1の実施形態の作用説明図である。
【図6】従来のフランジの冷却方法の説明図である。
【図7】第1の実施形態の実施例1の作用説明図であ
る。
【図8】第1の実施形態の実施例2の作用説明図であ
る。
【図9】第1の実施形態の実施例3の作用説明図であ
る。
【図10】本発明の第2の実施形態を模式的に示した断
面図である。
【符号の説明】
1 H形鋼 2 ウェブ 3 フランジ 4 搬送ライン 5 冷却装置 6 導管 7 スプレーノズル 8 ヘッダ管 9 フレーム 10 サイドガイド 11 窓 12 分散板 15 冷却装置駆動装置 16 傾斜面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 片岡 直樹 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (72)発明者 小松原 実 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (56)参考文献 特開 平4−52020(JP,A) 特開 昭62−124014(JP,A) 特開 平7−195112(JP,A) 実開 平2−16209(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B21B 45/02 320 C21D 9/00 102

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上下に少なくとも2段に設置されたスプ
    レーノズルから冷却水を噴射して形鋼のフランジ外面を
    冷却するにあたり、 前記スプレーノズルから噴射した冷却水を分散板を通過
    させると共に、上段のスプレーノズルからの冷却水の前
    記フランジ外面への衝突位置の下端と、下段のスプレー
    ノズルからの冷却水の前記フランジ外面への衝突位置の
    上端との重なり部分をスプレーノズルの噴射角度を調整
    することにより、0mmを超えかつ25mm以下とした
    ことを特徴とする形鋼の冷却方法。
  2. 【請求項2】 スプレーノズルを上下方向に傾斜移動さ
    せて冷却する形鋼のフランジ幅の広範囲の変化に対応し
    うるようにしたことを特徴とする請求項1記載の形鋼の
    冷却方法。
  3. 【請求項3】 形鋼の搬送ラインの両側に設置され、長
    手方向に所定の間隔で窓が設けられて該窓に多数の小孔
    を有する分散板が配設されたサイドガイドと、 該サイドガイドの両側に設置されてそれぞれ独立して水
    量が制御される少なくとも2段のヘッダ管、前記サイド
    ガイドの窓に対向してそれぞれヘッダ管に接続された導
    管、及び該導管の先端部に噴射角度を変えうるように
    けられたスプレーノズルからなる冷却装置とを備え、 該冷却装置と前記サイドガイドとを一体に連結して前記
    形鋼の搬送ラインと直交する方向に移動しうるように構
    成したことを特徴とする形鋼の冷却装置。
  4. 【請求項4】 ヘッダ管を上下方向に斜行移動しうるよ
    うに構成したことを特徴とする請求項3記載の形鋼の冷
    却装置。
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