JP3262509B2 - 画像形成装置及びプロセスカートリッジ - Google Patents

画像形成装置及びプロセスカートリッジ

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JP3262509B2 JP03614097A JP3614097A JP3262509B2 JP 3262509 B2 JP3262509 B2 JP 3262509B2 JP 03614097 A JP03614097 A JP 03614097A JP 3614097 A JP3614097 A JP 3614097A JP 3262509 B2 JP3262509 B2 JP 3262509B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子写真・静電記録
等の作像プロセスを利用した複写機・プリンター・ファ
クシミリ等の画像形成装置、及び該画像形成装置に着脱
可能なプロセスカートリッジに関する。
【0002】より詳しくは、電子写真感光体・静電記録
誘電体等の像担持体に、一様帯電工程、静電潜像形成工
程、現像工程を含む作像プロセスを適用して目的の画像
情報に対応したトナー像を形成担持させ、そのトナー像
を転写器により記録材に転写させ、転写後の像担持体は
繰り返して作像に供する転写方式であって、かつ記録材
に対するトナー像転写後の像担持体面の残留トナー(転
写残トナー)を、専用のクリーニング装置(クリーナ)
を具備させずに、現像工程装置をクリーニング手段に兼
用させて現像同時クリーニングして除去するクリーナレ
スシステムの画像形成装置、及び該画像形成装置に着脱
可能なプロセスカートリッジに適用するのが良い。
【0003】
【従来の技術】転写方式・クリーナレスシステムの画像
形成装置として、電子写真装置において、像担持体とし
ての感光体の帯電工程装置を磁気ブラシ帯電器を用いた
接触帯電装置にし、記録材に対するトナー像転写後の感
光体面の転写残トナーを除去する独立した専用のクリー
ニング装置は具備させず、記録材に対するトナー像転写
後の感光体面の転写残トナーは現像器で回収させる構成
のものが提案されている。
【0004】磁気ブラシ部で回収されずに帯電領域を通
過した感光体上のトナー、及び帯電領域を通過して磁気
ブラシ部から感光体上に一部排出(吐き出し)されたト
ナーは、感光体の引き続く移動で現像装置に持ち運ばれ
て該現像装置に回収される(現像同時クリーニング;上
記トナーを次工程以後の現像時に現像装置に印加する直
流電圧と感光体の表面電位間の電位差であるかぶり取り
電位差Vbackにより回収)。
【0005】磁気ブラシ帯電器は、給電電極を兼ねる回
転或は非回転の支持部材に磁気拘束して担持させた帯電
磁性粒子(導電性磁性粒子)の磁気ブラシ部を有し、該
磁気ブラシ部を像担持体に接触させ、支持部材に所定の
帯電バイアスを印加することで被帯電体を所定の極性・
電位に一様に接触帯電処理するものである。
【0006】また特に転写残トナーを磁気ブラシ帯電器
の磁気ブラシ部に一時的に回収させるようにすると、転
写部で帯電極性が反転したトナーも正規の帯電極性に整
えられ、また転写残トナーパターンが掻き消されて、該
転写残トナーパターンのゴースト像の発生が防止され
る。
【0007】上記のような画像形成装置は、記録材に対
するトナー像転写後の感光体面の転写残トナーを除去す
る独立した専用のクリーニング装置を具備していないの
でスペース的利点が大きく装置の大幅な小型化が可能で
あり、また転写残トナーは最終的には現像工程装置に回
収されて次工程以後に用いられるため廃トナーをなくす
ことができエコロジーの観点等からも好ましい。
【0008】また、画像形成装置において、像担持体の
帯電工程手段としては、コロナ帯電器を像担持体に非接
触に対向配設し、高圧を印加したコロナ帯電器から発生
するコロナシャワーに像担持体面をさらすことで像担持
体面を所定の極性・電位に帯電させるコロナ帯電装置が
主に用いられてきたが、最近ではエコロジーの観点等か
ら、放電によるオゾン生成物が少ない、低圧・低電力で
ある等の利点がある、接触帯電装置が主流になりつつあ
る。これは、像担持体に、所定の帯電バイアスを印加し
た導電性部材(接触帯電部材;帯電ローラ、帯電ブレー
ド、磁気ブラシ、ファーブラシ等)を当接させて像担持
体面を所定の極性・電位に帯電させるものである。
【0009】上述例のクリーナレスシステムの画像形成
装置も像担持体の帯電装置として磁気ブラシ帯電器を用
いた接触帯電装置を利用しており、エコロジーの観点等
からも好ましい。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述例のよう
なクリーナレスシステムの画像形成装置において、像担
持体面の形成潜像をトナー像として可視化する現像装置
が、現像キャリア(磁性)とトナー(非磁性)からなる
2成分現像剤で静電潜像をトナー像として可視化する現
像器である場合に、現像部において像担持体に現像キャ
リアが付着してそれが磁気ブラシ帯電器まで持ち運ばれ
て磁気ブラシ部に混入することがある。そして画像形成
装置が長期使用される内には磁気ブラシ帯電器の磁気ブ
ラシ部にかなりの量の現像キャリアが混入蓄積した状態
になる。
【0011】トナーは磁気ブラシ帯電器の磁気ブラシ部
を構成している帯電磁性粒子よりも高抵抗であるけれど
も、帯電磁性粒子と比べて非常に粒径が小さいこと、1
個当たりの磁気拘束力も小さいことから、転写残トナー
が磁気ブラシ帯電器の磁気ブラシ部に混入しても逐次に
吐き出されていくことで磁気ブラシ部に蓄積する量が比
較的少なくて磁気ブラシ帯電器の帯電性能を実質的に阻
害することは比較的少ないのであるが、現像キャリアは
帯電磁性粒子よりも高抵抗である上、粒径も帯電磁性粒
子と同程度に大きく、1個当たりの磁気拘束力も大きい
ので吐き出されにくく、磁気ブラシ帯電器の磁気ブラシ
部に対する混入蓄積量が逐次に増大していき、それに伴
い磁気ブラシ部全体の抵抗値が上昇していき磁気ブラシ
帯電器の帯電性能が低下し、これに起因して出力画像品
位が低下(画質不良)していくという問題があった。
【0012】因に、転写装置と磁気ブラシ帯電器との間
に、転写装置における記録材に対するトナー像転写後の
感光体面の転写残トナーを除去する独立した専用のクリ
ーニング装置を具備させた画像形成装置の場合には、現
像部において感光体に現像キャリアが付着したとしても
磁気ブラシ帯電器に至る前にクリーニング装置で感光体
面から除去されるので、現像キャリアが磁気ブラシ帯電
器の磁気ブラシ部に混入・蓄積して帯電性能が低下する
という現象は生じない。
【0013】本発明の目的は、現像キャリアが帯電手段
の磁性粒子に混入することによる帯電性能の低下を防止
する画像形成装置及びプロセスカートリッジを提供する
ことである。
【0014】本発明の他の目的は、現像キャリアが帯電
手段の磁性粒子から排出されやすい画像形成装置及びプ
ロセスカートリッジを提供することである。
【0015】本発明の他の目的は、現像キャリアが帯電
手段の磁性粒子に混入することによる画像品質の低下を
防止する画像形成装置及びプロセスカートリッジを提供
することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は、像担持体と、
前記像担持体を帯電する帯電手段であって、磁界発生手
段と、この磁界発生手段によって磁気的に拘束され前記
像担持体に帯電位置で接触可能な磁性粒子と、を備える
帯電手段と、前記帯電手段を用いて前記像担持体に形成
された静電像を、トナーとキャリアとを備える現像剤で
現像する現像手段と、前記像担持体から記録材へトナー
像を転写する転写手段と、を有し、前記現像手段は、前
記像担持体から残留トナーを回収可能であり、前記キャ
リアの抵抗が前記磁性粒子の抵抗よりも大きい画像形成
装置において、前記帯電位置での前記磁界発生手段によ
る磁界のもとで前記磁性粒子に対して働く磁気拘束力が
前記キャリアに対して働く磁気拘束力よりも大きくなる
ように、前記磁性粒子の1個当たりの飽和磁化を前記キ
ャリアの1個当たりの飽和磁化よりも大きくしたことを
特徴とする画像形成装置である。
【0017】また、本発明は、画像形成装置に着脱可能
なプロセスカートリッジであって、像担持体と、前記像
担持体を帯電する帯電手段であって、磁界発生手段と、
この磁界発生手段によって磁気的に拘束され前記像担持
体に帯電位置で接触可能な磁性粒子と、を備える帯電手
段と、前記帯電手段を用いて前記像担持体に形成された
静電像を、トナーとキャリアとを備える現像剤で現像す
る現像手段と、を有し、前記現像手段は、前記像担持体
から残留トナーを回収可能であり、前記キャリアの抵抗
が前記磁性粒子の抵抗よりも大きいプロセスカートリッ
ジにおいて、前記帯電位置での前記磁界発生手段による
磁界のもとで前記磁性粒子に対して働く磁気拘束力が前
記キャリアに対して働く磁気拘束力よりも大きくなるよ
うに、前記磁性粒子の1個当たりの飽和磁化を前記キャ
リアの1個当たりの飽和磁化よりも大きくしたことを特
徴とするプロセスカートリッジである。
【0018】
【発明の実施の形態】
〈第1の実施形態例〉 (1)画像形成装置例の概略構成 図1は本発明に従う画像形成装置例の概略構成図であ
る。
【0019】本例の画像形成装置は、転写式電子写真プ
ロセス利用、プロセスカートリッジ着脱式のレーザービ
ームプリンターである。
【0020】また、像担持体(感光体)の帯電装置が磁
気ブラシ帯電器を用いた接触帯電装置であり、現像装置
が現像キャリアとトナーからなる2成分現像剤を含み像
担持体から残留トナーを回収も行なうクリーナレスシス
テムの装置である。
【0021】Aはレーザービームプリンター、Bはこの
プリンターの上に搭載した画像読み取り装置(イメージ
スキャナー)である。
【0022】a.画像読み取り装置B 画像読み取り装置Bにおいて、10は装置上面に固定配
設した原稿台ガラスであり、この原稿台ガラスの上面に
原稿Gを複写すべき面を下側にして載置し、その上に不
図示の原稿圧着板を被せてセットする。
【0023】9は原稿照射用ランプ9a・短焦点レンズ
アレイ9b・CCDセンサー9c等を配設した画像読み
取りユニットである。このユニット9は、不図示のコピ
ーボタンが押されることで、原稿台ガラス10の下側に
おいて該ガラスの右辺側の実線示のホームポジションか
ら左辺側にガラス下面に沿って往動駆動され、所定の往
動終点に達すると復動駆動されて始めの実線示のホーム
ポジションに戻される。
【0024】該ユニット9の往動駆動過程において、原
稿台ガラス10上の載置セット原稿Gの下向き画像面が
ユニット9の原稿照射用ランプ9aにより右辺側から左
辺側にかけて順次に照明走査され、その照明走査光の原
稿面反射光が短焦点レンズアレイ9bによってCCDセ
ンサー9cに結像入射する。
【0025】CCDセンサー9cは受光部、転送部、出
力部より構成されている。CCD受光部において光信号
が電荷信号に変えられ、転送部でクロックパルスに同期
して順次出力部へ転送され、出力部において電荷信号を
電圧信号に変換し、増幅、低インピーダンス化して出力
する。このようにして得られたアナログ信号を周知の画
像処理を行なってデジタル信号に変換してプリンターA
に送る。
【0026】即ち、画像読み取り装置Bにより原稿Gの
画像情報が時系列電気デジタル画素信号(画像信号)と
して光電読み取りされる。
【0027】b.プリンターA プリンターAにおいて、1は像担持体としての回転ドラ
ム型の電子写真感光体(以下、感光ドラムと記す)であ
る。この感光ドラム1は中心支軸を中心に所定の周速度
(プロセススピード)、本例では回転速度150mm/
sをもって矢示の時計方向aに回転駆動され、その回転
過程において、前露光ランプ2による除電露光を受け、
次いで磁気ブラシ帯電器3により本例の場合は負極性の
一様な帯電処理を受ける。
【0028】そして該回転感光ドラム1の一様帯電面に
対して、レーザー走査部(レーザースキャナー)100
から出力される、画像読み取り装置BからプリンターA
側に送られた画像信号に対応して変調されたレーザー光
による走査露光Lがなされることで、回転感光ドラム1
面には画像読み取り装置Bにより光電読み取りされた原
稿Gの画像情報に対応した静電潜像が順次に形成されて
いく。
【0029】その回転感光ドラム1面の形成静電潜像が
現像器4により順次にトナー像として本例の場合は高電
位部と低電位部を備える潜像のうち露光された低電位部
が現像される反転現像方式である。
【0030】一方、給紙カセット11内に収納の記録材
(転写材)Pが給紙ローラー12により一枚宛繰り出さ
れてプリンターA内に給送され、レジストローラー13
により所定の制御タイミングにて感光ドラム1と転写手
段としての転写ローラー5との接触ニップ部である転写
部5aに給紙される。転写ローラー5には転写バイアス
印加電源S3からトナーと逆極性の転写バイアスが所定
の制御タイミングで印加され、転写部5aに給紙された
記録材Pの面に感光ドラム1面側のトナー像が静電転写
される。
【0031】転写部5aを通りトナー像の転写を受けた
記録材Pは感光ドラム1の面から順次に分離されて搬送
装置14で定着装置6へ搬送され、トナー像の熱定着を
受けてコピーもしくはプリントとして出力される。
【0032】記録材Pに対するトナー像転写後の回転感
光ドラム1面に残留した転写残トナーは感光ドラム1の
引き続く回転で磁気ブラシ帯電器3の部位へ運ばれて磁
気ブラシ部に一時的に回収される(帯電同時クリーニン
グ)。また磁気ブラシ帯電器3を残留トナーが通過する
と共にまた磁気ブラシ帯電器3から感光ドラム1へトナ
ーが排出されると共に感光ドラム1は帯電器3で帯電さ
れる。トナーが存在する感光ドラム1の領域は、像露光
され、静電潜像が形成された後、現像器4で現像同時ク
リーニングされる。現像同時クリーニングは、現像器4
の現像スリーブに静電潜像の高電位部と低電位部との間
のバイアス電圧が印加され、現像スリーブから低電位部
へ現像が行なわれるのと同時に高電位部から現像スリー
ブへトナーの回収(クリーニング)が行なわれる。
【0033】(2)プロセスカートリッジ101 101はプリンター本体内の所定の部位に対して着脱自
在に装着されるプロセスカートリッジである。本例のも
のは、像担持体としての感光ドラム1と、磁気ブラシ帯
電器3と、現像器4の3つのプロセス機器を所定の相互
配設関係をもって一体的にカートリッジ筐体内に組み付
けてプロセスカートリッジとしてある。
【0034】このプロセスカートリッジ101をプリン
ター本体内の所定の部位に対して装着することで、該プ
ロセスカートリッジ100とプリンター本体側とが機械
的・電気的に所定に結合状態になり、プリンターが画像
形成動作可能状態になる。102・102はプロセスカ
ートリッジ101の着脱ガイド部材兼保持部材である。
なおカートリッジ101は、感光ドラム1と、帯電器
3、現像器4のうちの少なくとも1つと、を備えていれ
ば良い。
【0035】(3)感光ドラム1 像担持体としての感光ドラム1としては、通常用いられ
ている有機感光体(OPC)を用いることができるが、
望ましくは、最表面に低抵抗の電荷注入層を持つ感光体
や、アモルファスシリコン感光体など、表面層の抵抗が
109 〜1014Ω・cmの感光ドラムが良い。これによ
り電荷注入帯電が実現でき、オゾン発生の防止に効果が
あり、帯電性を向上させることが可能となる。
【0036】そこで本例では感光体1として、有機感光
体の表面に、電荷注入層として導電性粒子(SnO2
が分散され、表面抵抗が1013Ω・cm程度のものを用
いた。
【0037】具体的には、本例の感光ドラム1は表面に
電荷注入層を設けた負帯電のOPC感光体であり、φ3
0mmのアルミニウム製ドラム基体上に下記の5つの機
能層を設けたものである。図2はその層構成模型図であ
る。
【0038】即ち、アルミニウム製ドラム基体11 側か
ら順に、第1層としての下引き層12 、第2層としての
正電荷注入防止層13 、第3層としての電荷発生層1
4 、第4層としての電荷輸送層15 、第5層としての電
荷注入層16 からなる。第1層から第4層までは通常用
いられる機能分離型のOPC感光体である。これを単層
型のOPC、ZnO、セレン、アモルファスシリコン等
の感光体にすることも可能である。
【0039】第5層(表面層)としての電荷注入層16
は、本例は、バインダ樹脂としての光硬化型のアクリル
樹脂に、導電性粒子(導電性フィラー)としてのSnO
2 超微粒子16 aを分散したものである。具体的には、
アンチモンをドーピングし、低抵抗化した平均粒径約
0.03μmのSnO2 粒子を樹脂に対する重量比で
5:3の割合で分散したものである。さらに、磁気ブラ
シ帯電器3の磁気ブラシ層を構成する帯電磁性粒子やト
ナーの離型性を向上させるために4フッ化エチレン樹脂
(PTFE;商品名テフロン、デュポン社)の微粒子
(平均粒径0.3μm)を総量の33重量%分散させて
いる。このようにして調合した塗工液をディッピング塗
工等の適当な塗工法にて厚さ約3μmに塗工して電荷注
入層16 とした。
【0040】実際には導電性であるSnO26 aの分
散量で電荷注入層16 の体積抵抗値は変化し、画像流れ
をおこさない条件を満足するために、電荷注入層16
抵抗値は1×108 Ωcm以上であるのが良い。
【0041】電荷注入層16 の抵抗値は、絶縁性のシー
ト上に電荷注入層を塗布し、これをHP(ヒューレット
パッカード)社の高抵抗計4329Aで印加電圧100
Vにて表面抵抗を測定したものである。本例では電荷注
入層16 の体積抵抗値が1×1012Ωcmのものを用い
た。
【0042】(4)磁気ブラシ帯電器3 図3は磁気ブラシ帯電器3部分の構成模型図である。こ
の磁気ブラシ帯電器3はスリーブ回転タイプのものであ
り、外径20mmの非磁性・導電性のスリーブ(帯電ス
リーブ)3aと、このスリーブ内に固定配置された磁界
発生手段としてのマグネットローラー3bと、帯電スリ
ーブ3aの外周面に内部のマグネットローラー3bの磁
力で磁気吸着保持させた帯電磁性粒子(導電性磁性粒
子)の磁気ブラシ部3c等からなり、磁気ブラシ部3c
を感光ドラム1面に所定幅で接触させて帯電部(帯電ニ
ップ部、帯電領域)nを形成させて配設してある。
【0043】帯電スリーブ3aは感光ドラム1との接触
部nにおいて感光ドラム1の回転方向aとはカウンター
方向bに、感光ドラム1の150mm/secの回転速
度に対して225mm/secの回転速度で回転され、
この帯電スリーブ3aの回転に伴い磁気ブラシ部3cも
回転搬送されて感光ドラム1面を摺擦する。
【0044】感光ドラム1と帯電スリーブ3aの最近接
位置での帯電スリーブ表面の磁束密度は1000ガウス
である。磁気ブラシ部3cの付着幅300mmで、磁気
ブラシ部3cを構成する帯電磁性粒子量は約40gで、
帯電スリーブ3aと感光ドラム1とのニップでのギャッ
プは500μmである。
【0045】磁気ブラシ帯電器3の帯電スリーブ3aに
は帯電バイアス電源S1から所定の帯電バイアスが印加
されることにより、磁気ブラシ部3cを介して帯電部n
において感光ドラム1に給電され、感光ドラム1面が本
例の場合は印加帯電バイアスの直流電圧成分(DCバイ
アス成分)にほぼ対応した極性・電位に電荷注入帯電方
式で一様に接触帯電処理される。
【0046】帯電スリーブ3aの回転速度については速
いほど帯電均一性が良好になる傾向がある。
【0047】電荷注入帯電方式の場合は、例えば、磁気
ブラシ帯電器3に印加する帯電バイアス直流電圧−70
0Vで、感光ドラム電位−700Vが得られる。転写残
トナーが磁気ブラシ部3cに混入する本画像形成装置に
おいては、上記の直流電圧−700Vに、さらに交番電
圧(ACバイアス)、例えば周波数Vf=1000H
z、振幅(ピーク間電圧)Vpp=ピーク間電圧100
0Vを重畳した、DC+ACの帯電バイアスを磁気ブラ
シ帯電器3に印加することにより、より良好な帯電性を
得ることができた。なお、磁気ブラシ帯電器3に印加す
る帯電バイアスは上記例に限られるものではなく任意で
ある。
【0048】使用できる帯電磁性粒子の粒径は、帯電均
一性の観点からはできるだけ小さくすることが好ましい
が、磁気力と粒径の関係により感光ドラム1への帯電磁
性粒子付着が生じてくる。かかる観点から、使用できる
帯電磁性粒子はその個数平均粒径としては10〜100
μmの範囲のものを使用することができ、さらには個数
平均粒径が10〜50μmの範囲であることが帯電均一
性の観点からより好適であり、また、個数平均粒径が1
5〜50μmの範囲であることがより帯電が均一で、か
つ、帯電磁性粒子付着防止の観点から好適である。帯電
磁性粒子粒径が100μmを越えると磁気ブラシが感光
ドラムを摺擦する比表面積が減少し十分な帯電ができ
ず、帯電磁性粒子の磁気ブラシによる掃き目むらも生じ
るために帯電均一性の観点から好適でない。また、15
μmより小さくなると帯電磁性粒子1個の持つ磁気力が
小さくなるために帯電磁性粒子付着を生じやすくなる。
使用する磁性粒子粉体の粒径測定方法については後述す
る。
【0049】磁性粒子の抵抗値としては、高すぎると感
光ドラムに電荷が均一に注入できず、微小な帯電不良に
よるカブリ画像となってしまう。低すぎると感光ドラム
表面にピンホールがあったとき、ピンホールに電流が集
中して帯電電圧が降下し感光ドラム表面を帯電すること
ができず、帯電ニップ状の帯電不良となる。よって磁性
粒子の抵抗値としては、1×105 〜1×108 Ω・c
mが望ましい。磁性粒子の抵抗値は、電圧が印加できる
金属セル(底面積228mm2 )に磁性粒子を2g入れ
た後6.6kg/cm2 で加重し、電圧を100V印加
して測定した。
【0050】本例においては、帯電磁性粒子として平均
粒径 30μm、1000ガウスでの飽和磁化 280
emu/cm3、抵抗 6×107 Ω・cmのフェライ
ト粒子を用いた。
【0051】電荷注入帯電は、中抵抗の接触帯電部材で
中抵抗の表面抵抗を持つ被帯電体(感光体)表面に電荷
注入(最表面層の電子準位に電荷を直接注入)を行なう
のが良く、本例においては感光体表面材質の持つトラッ
プ電位に電荷を注入するものではなく、電荷注入層16
の導電性粒子(SnO2 )16 aに電荷を充電して帯電
を行なう方式であり、電荷輸送層15 を誘電体とし、ア
ルミニウム製ドラム基体11 と、電荷注入層16 内の導
電性粒子16 aを両電極板とする微小なコンデンサーに
対して、接触帯電部材3で電荷を充電する理論に基づく
ものである。この際、導電性粒子16 aは互いに電気的
に独立であり、一種の微小なフロート電極を形成してい
る。このため、マクロ的には感光体表面は均一電位に充
電、帯電されているように見えるが、実際には微小な無
数の充電された導電性粒子であるSnO2 が感光体表面
を覆っているような状況となっている。このため、画像
露光Lを行なっても、露光暗部ではそれぞれのSnO2
粒子16 aは電気的に独立なため、静電潜像を保持する
ことが可能になる。
【0052】(5)現像器4 図4は本例で用いた2成分接触現像方式(2成分磁気ブ
ラシ現像)の現像器4の概略図である。
【0053】41は現像容器、42は現像担持体として
の現像スリーブ、43はこの現像スリーブ42内に固定
配置された磁界発生手段としてのマグネットローラー、
44は現像スリーブ表面に現像剤の薄層を形成するため
の現像剤層厚規制ブレード、45は現像剤撹拌搬送スク
リュー、46は現像容器41内に収容した2成分現像剤
であり、非磁性のトナー粒子tと磁性キャリア粒子(現
像キャリア)cを混合したものである。47はトナー補
給部である。
【0054】現像スリーブ42は少なくとも現像時にお
いては感光ドラム1に対し最近接距離(隙間)が約50
0μmになるように配置され、該現像スリーブ42の外
面に担持させた現像剤磁気ブラシ薄層46aが感光ドラ
ム1の面に接触するように設定されている。この現像剤
磁気ブラシ薄層46aと感光ドラム1の接触部が現像部
(現像領域)である。
【0055】現像スリーブ42は固定配設のマグネット
ローラー43の外回りを矢示の反時計方向に所定の回転
速度で駆動され、現像容器41内においてスリーブ外面
にマグネットローラー43の磁力により現像剤46の磁
気ブラシが形成される。その現像剤磁気ブラシはスリー
ブ42の回転とともに搬送され、ブレード44により層
厚規制を受けて所定層厚の現像剤磁気ブラシ薄層46a
として現像容器外に持ち出されて現像部へ搬送されて感
光ドラム1面に接触し、引き続くスリーブ42の回転で
再び現像容器41内に戻し搬送される。
【0056】現像スリーブ42と感光ドラム1の導電性
ドラム基体との間には現像バイアス印加電源S42によ
り直流電圧及び交番電圧の現像バイアスが印加される。
【0057】本例では、 直流電圧;−1500V 交番電圧;振幅Vpp=1500V、周波数Vf=20
00Hz の現像バイアスが印加され、現像部において現像スリー
ブ42側の現像剤磁気ブラシ薄層46a中のトナーtが
感光ドラム1側の静電潜像に選択的に付着して静電潜像
がトナー像として現像されていく。
【0058】一般に2成分現像法においては交番電圧を
印加すると現像効率が増し、画像は高品位になるが、逆
にかぶりが発生しやすくなるという危険も生じる。この
ため、通常、現像器4に印加する直流電圧と感光ドラム
1の表面電位間に電位差を設けることによって、かぶり
を防止することを実現している。
【0059】現像容器41内の現像剤46のトナー濃度
(キャリアとの混合割合)はトナー分が静電潜像の現像
に消費されて逐次減少していく。現像容器41内の現像
剤46のトナー濃度は不図示の検知手段により検知され
て所定の許容下限濃度まで低下するとトナー補給部47
から現像容器41内の現像剤46にトナー補給がなされ
て現像容器41内の現像剤46のトナー濃度を常に所定
の許容範囲内に保つようにトナー補給制御される。
【0060】上記の現像器4における現像剤の循環系に
ついて説明する。先ず、現像スリーブ42の回転に伴い
マグネットローラー43のN3 極で汲み上げられた現像
剤46はS2 極→N1 極と搬送される過程において、現
像スリーブ42に対して垂直に配置された規制ブレード
44によって規制されて、現像スリーブ42上に現像剤
46の薄層46aが形成される。薄層形成された現像剤
層46aが現像部の現像主極S1 に搬送されてくると磁
気力によって穂立ちが形成される。この穂状に形成され
た現像剤層46aによって感光ドラム1の静電潜像がト
ナー像として現像されると共に、前画像形成工程で転写
残りとして感光ドラム1上に残留して接触帯電部材とし
ての磁気ブラシ帯電器3の磁気ブラシ部3cによって一
時的に回収されて正規帯電化(ネガ化)され、再び帯電
器3からドラム1へ排出されたトナーが現像スリーブ4
2上の現像剤層46aに回収される。その後、N2 極と
3 極の反発磁界によって、現像スリーブ42上の現像
剤は現像容器41内に戻される。
【0061】本例において用いた2成分現像剤46は トナー粒子t;粉砕法によって製造された平均粒径6μ
mのネガ帯電トナーに対して平均粒径20nmの酸化チ
タンを重量比1%外添したもの キャリアc;1000ガウスでの飽和磁化が130em
u/cm3 の平均粒径30μmの磁性キャリア を重量比7対93に混合したものである。
【0062】ここで、トナー粒度分布の測定方法を説明
する。
【0063】測定装置としては、コールターカウンター
TA−2型(コールター社製)を用い、個数平均分布、
体積平均分布を出力するインターフェイス(日科機製)
及びCX−1パーソナルコンピュータ(キヤノン製)を
接続し、電解液は一級塩化ナトリウムを用いて1%Na
Cl水溶液を調整する。
【0064】測定法としては、前記電解水溶液100〜
150ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくは、
アルキルベンゼンスルホン酸塩を、0.1〜5ml加
え、更に測定試料を0.5〜50mg加える。
【0065】試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で
約1〜3分間分散処理を行ない、前記コールターカウン
ターTA−2型により、アパーチャーとして100μア
パーチャーを用いて2〜40μmの粒子の粒度分布を測
定して、体積平均分布を求める。これらの求めた体積平
均分布より体積平均粒径を得る。
【0066】(6)転写器7 本例において、転写手段は転写ローラー7であり、感光
ドラム1に所定に接触させて転写部7aとしての圧接ニ
ップ部を形成させてある。
【0067】本例の転写ローラー7は、外径8φの金属
等の導電性剛性材料からなる芯金に、ウレタン・EPD
M(エチレンプロピレンジエンゴム)等にカーボン等の
導電性材料を分散させて、抵抗値を105 〜1010Ω・
cm、アスカーC硬度にて20〜50度程度に調整した
発砲弾性体で形成された導電性弾性層から構成され、外
径は16φであり、感光ドラム1に対して従動、又は等
速回転駆動される。転写時には転写ローラー7の芯金に
対して転写バイアス印加電源S3から転写バイアスとし
て直流電圧で約+4kV程度印加され、感光ドラム1と
転写ローラー7間に、トナー像を形成するネガ極性のト
ナー粒子が記録材Pに転写される方向の転写電界が形成
されることによって静電転写される。
【0068】(7)帯電磁性粒子と現像キャリア a)記録材Pに対するトナー像転写後の感光ドラム1の
面には転写残トナーが残留しており、その転写残トナー
は前述したように、磁気ブラシ帯電器3の磁気ブラシ部
3cを通過又は一時的に回収され(帯電同時クリーニン
グ)、また該磁気ブラシ部3cにから排出されたトナー
が現像器4で回収される(現像同時クリーニング)。
【0069】b)一方、現像部において、現像器4の現
像キャリアが感光ドラム1面に付着して感光ドラム1の
回転に伴い磁気ブラシ帯電器3まで持ち運ばれて磁気ブ
ラシ部3cに混入する場合がある。
【0070】2成分現像剤の現像キャリアはトナーと現
像器内で摩擦することによりトナーを本例の場合は負に
帯電するため、現像キャリア自身は正に帯電する。その
ため現像部で感光体1に付着した現像キャリアは正に帯
電しており、転写部において、負の帯電トナーを記録材
Pに静電転写するために転写ローラー7に印加した正の
転写バイアスによる転写電界では記録材P側にほとんど
転写されず、感光ドラム1に付着したまま磁気ブラシ帯
電器3へ運ばれて磁気ブラシ部3cに混入してしまう。
【0071】c)現像キャリアはトナーに積極的に摩擦
帯電で電荷を与えるために帯電磁性粒子よりも高抵抗で
あり、その高抵抗の現像キャリアが磁気ブラシ帯電器3
の磁気ブラシ部3cに混入し蓄積すると、帯電性能を悪
化させてしまう。
【0072】d)そこで本例では、磁気ブラシ帯電器3
の磁気ブラシ部3cに現像キャリアが混入しても、その
混入現像キャリアを磁気ブラシ部3cから排出させるべ
く、磁気ブラシ部3cを構成させる帯電磁性粒子と、現
像キャリアをそれぞれ下記の特性のものにした。
【0073】.帯電磁性粒子 平均粒径 30μm 体積抵抗値 6×107 Ωcm 1000ガウスでの飽和磁化 280emu/cm3 (比重 5.2g/cm3 ) フェライト粒子 .現像キャリア 平均粒径 30μm 体積抵抗値 9×1013Ωcm 1000ガウスでの飽和磁化 130emu/cm3 (比重 3.5g/cm3 ) 樹脂キャリア
【0074】帯電磁性粒子、現像キャリアそれぞれに
は、マグネットローラー3bの磁界により帯電スリーブ
3aへ向かおうとする磁気拘束力と、感光ドラム1に付
着しようとする静電気力が働くのであるが、静電気力は
装置まわりの温湿度などの環境や、長期使用時の劣化に
応じて大きく変動してしまう。そこで、本件では、静電
気力のようには変動しない常に安定している磁気拘束力
に差を付けることで、装置使用時に少なくとも現像キャ
リアが帯電磁気ブラシから排出されるように構成したも
のである。
【0075】具体的に、本件の構成の中での帯電スリー
ブに向かう方向(帯電スリーブの中心を原点とした極座
標で考えた場合のr方向)磁気拘束力Frは、
【0076】
【外1】 M=粒子1個の磁化=σv・4/3・π・d3 σv=単位体積あたりの磁化(本構成では1000ガウ
ス下の飽和磁化と同等) d=粒子の粒径
【0077】
【外2】 で表される。
【0078】帯電領域nでの磁気ブラシの表面近傍で
は、帯電磁性粒子に働く外部磁場も現像キャリアに働く
外部磁場もほぼ同じなので、磁気拘束力に差を付ける1
つの手段としては、粒子1個あたりの磁化に差を持たせ
ることが効果的である。これにより、静電気力に変動が
あったとしても、常に帯電磁性粒子の磁気拘束力は、現
像キャリアのそれよりも大きくなっているので、長期に
装置を使用した場合において、現像キャリアは帯電磁気
ブラシから感光ドラム上に排出される傾向にあり、結果
的に磁気ブラシに蓄積する現像キャリアの量は少なくな
り、帯電磁気ブラシは安定した帯電性能を維持すること
が出来る。
【0079】ここで、本実施例で使用している帯電磁性
粒子の粒子1個あたりの磁化は4.0×10-6emu、
現像キャリアの磁化は、1.8×10-6emuである。
【0080】磁気ブラシ部3cから感光ドラム1に排出
された現像キャリアは感光ドラム1の引き続く回転に伴
い現像器4へ運ばれて現像スリーブ42内のマグネット
ローラー43の磁界で現像スリーブ42側に磁気拘束さ
れて回収される。
【0081】即ち、混入現像キャリアは磁気ブラシ部3
cから排出され、現像器4で回収されることで、磁気ブ
ラシ部3cに蓄積していくことが防止される。
【0082】実際に、1万枚の画像形成において、磁気
ブラシ帯電器3の磁気ブラシ部3cに対する現像キャリ
アの蓄積による帯電不良はなく、良好な画像が継続して
得られた。
【0083】e)比較例として、帯電磁性粒子と現像キ
ャリアとして、帯電領域nにおける磁界下での粒子1個
あたりの飽和磁化の大きさが両者共ほぼ同じである点だ
けがと異なっている。下記・のものを用いて、
画像形成を行なったところ、5000枚画像形成で、磁
気ブラシ帯電器3の磁気ブラシ部3cに対する現像キャ
リアの蓄積による帯電不良に起因する画像不良が現れ
た。
【0084】.帯電磁性粒子 平均粒径 30μm 体積抵抗値 6×107 Ωcm 1000ガウスでの飽和磁化 280emu/cm3 フェライト粒子 .現像キャリア 平均粒径 30μm 体積抵抗値 9×1013Ωcm 1000ガウスでの飽和磁化 280emu/cm3 コートキャリア
【0085】f)帯電磁性粒子と現像キャリアの磁気拘
束力の差の確認実験 非磁性平板の上に、同量(約1g)の帯電磁性粒子と現
像キャリアを置き、擬似的に帯電領域nに近い外部磁場
を作ったマグネットを帯電領域nの磁場になるまで近づ
けていって、離したときに粒子が付着するかしないか
で、磁気拘束力の差を確認したところ、帯電磁性粒子は
ほとんどが帯電領域の磁場になる前にマグネットの方に
付着したが、現像キャリアは10%程度しかマグネット
の方に付着せず、残り90%は、平板上に残ったままで
あった。ここでの%は、重量で評価した。
【0086】このような現像キャリアであっても、現像
器内では多量のトナーが存在するため、トナーによって
ドラム1へ静電気的な付着がおき、現像キャリアがドラ
ム1へ付着することは少ない。まれに、トナー消費量が
多い画像が続いた場合に、トナーが少なくなり現像キャ
リアがドラム1へ付着することが有る。
【0087】g)ここで、帯電磁性粒子や現像キャリア
粒子の平均粒径、抵抗値、磁気特性の測定方法を説明す
る。
【0088】.平均粒径 光学顕微鏡または走査型電子顕微鏡により、ランダムに
100個以上の粒子を抽出し、水平方向最大弦長をもっ
て体積粒度分布を算出し、その50%平均粒径をもって
平均粒径とする。また、レーザー回折式粒度分布測定装
置HEROS(日本電子製)を用いて、0.05μm〜
200μmの範囲を32分割して測定し、体積分布の5
0%平均粒径をもって平均粒径としてもよい。
【0089】.抵抗値 粒子の抵抗値は、低面積227mm2 の筒状の容器に粒
子を2g充填して6.6kg/cm2 加圧し、上下から
100Vの電圧を印加して、これに流れる電流から算出
し、正規化したもので定義した。
【0090】.磁気特性 粒子の磁気特性測定には理研電子株式会社の直流磁化B
−H特性自動記録装置BH−50を用いることができ
る。この際、直径(内径)6.5mm、高さ10mmの
円柱状の容器に粒子を荷重約2g重程度で充填し、容器
内で粒子が動かないようにしてそのB−Hカーブから飽
和磁化を測定する。
【0091】特に帯電領域nでの磁性粒子の磁化を測定
するために、帯電領域と同等の外部磁場まで発生させて
測定を行なった。本実施例における帯電領域での磁場は
1000ガウスであるため1000ガウスでの飽和磁化
を用いている。
【0092】h)このように、帯電磁性粒子の飽和磁化
を現像キャリアの飽和磁化より大きくすることで現像キ
ャリアの帯電領域内の磁界での磁気拘束力を帯電磁性粒
子より小さくして、磁気ブラシ帯電器3の磁気ブラシ部
3cに混入した現像キャリアが該磁気ブラシ部より排出
され易くなる。よって、専用のクリーニング装置がな
く、転写残トナーを磁気ブラシ帯電器3と2成分現像器
4で回収する画像形成装置を長期に使用しても、現像キ
ャリアが磁気ブラシ帯電器3の磁気ブラシ3cに蓄積し
ていくことがないので、良好な帯電性を維持することが
出来る。よって、小型で、画質の良い画像形成装置を提
供することができる。
【0093】〈第2の実施形態例〉本例では、現像キャ
リアの平均粒径を、帯電磁性粒子の平均粒径より小さく
する点だけが第1実施例と異なる。これにより磁気ブラ
シ帯電器3の磁気ブラシ部3cに現像キャリアが混入し
てもその混入現像キャリアが磁気ブラシ部3cから排出
されるようにしたものである。
【0094】本例において使用の帯電磁性粒子と現像キ
ャリアはそれぞれ下記の特性のものにした。
【0095】.帯電磁性粒子 平均粒径 30μm 体積抵抗値 6×107 Ωcm 1000ガウスでの飽和磁化 280emu/cm3 フェライト粒子 .現像キャリア 平均粒径 20μm 体積抵抗値 9×1013Ωcm 1000ガウスでの飽和磁化 280emu/cm3 コートキャリア
【0096】上記の帯電磁性粒子と現像キャリア以外の
装置構成、設定条件等は第1の実施形態例と同じである
から、再度の説明は省略する。
【0097】実際に、2万枚の画像形成において、磁気
ブラシ帯電器3の磁気ブラシ部3cに対する現像キャリ
アの蓄積による帯電不良はなく、良好な画像が接続して
得られた。
【0098】本例で用いた上記の帯電磁性粒子と現像キ
ャリアを第1の実施形態例で述べた付着量測定方法で測
定したところ、帯電磁性粒子はほとんどマグネットに付
着したのに対し、現像キャリアは7重量%しか付着せ
ず、93重量%残留した。
【0099】磁気拘束力は粒子の体積に比例するので、
現像キャリアの粒径を30μmから20μmにすること
で磁気拘束力は30%となり、磁気ブラシ帯電器3の磁
気ブラシ部3cに混入した現像キャリアは非常に排出さ
れやすくなる。
【0100】このように、現像キャリアの平均粒径を帯
電磁性粒子の平均粒径より小さくすることで現像キャリ
アの帯電領域内の磁界での磁気拘束力が帯電磁性粒子よ
り小さくなるので、磁気ブラシ帯電器3の磁気ブラシ部
3cに混入した現像キャリアが該磁気ブラシ部より排出
され易くなる。よって、クリーニング装置がなく、転写
残トナーを磁気ブラシ帯電器3と2成分現像器4で回収
する画像形成装置を長期に使用しても、現像キャリアが
磁気ブラシ帯電器3の磁気ブラシ3cに蓄積していくこ
とがないので、良好な帯電性を維持することができる。
よって、小型で、画質の良い画像形成装置を提供するこ
とができる。
【0101】また、現像キャリアの平均粒径は帯電磁性
粒子の平均粒径より小さいので、磁気ブラシ帯電器から
感光ドラムに排出された現像キャリアが画像露光位置で
画像露光を遮る面積が減り、良好な潜像が得られる。よ
って、小型で、画質の良い画像形成装置を提供すること
ができる。
【0102】本例では、感光ドラム−負帯電、反転現像
方式の画像形成装置において述べたが、この限りではな
い。
【0103】〈その他〉 1)磁気ブラシ帯電器3は、実施形態例のようなスリー
ブ回転タイプのもの以外にも、マグネットローラー3b
が回転するものや、マグネットローラー3bの表面に給
電用電極としての導電処理をしてその面に直接に帯電磁
性粒子を磁気拘束させて磁気ブラシ部を形成保持させ、
該マグネットローラーを回転させる構成のもの等にする
こともできる。回転しないタイプの磁気ブラシ帯電器に
することもできる。
【0104】2)磁気ブラシ帯電器3に印加する帯電バ
イアスは、直流電圧のみであってもよいし(DC印加方
式)直流電圧と交番電圧の重畳電圧であってもよい(A
C印加方式)。
【0105】AC印加方式または現像器4に印加する交
番電圧の波形としては、正弦波、矩形波、三角波等適宜
使用可能である。また、直流電源を周期的にオン/オフ
することによって形成された矩形波であってもよい。こ
のように交番電圧の波形としては周期的にその電圧値が
変化するようなバイアスが使用できる。
【0106】3)像担持体の磁気ブラシ帯電器による接
触帯電は、実施形態例の電荷注入帯電方式に限らず、放
電現象が支配的な接触帯電系であってもよい。
【0107】4)静電潜像形成のための画像露光手段と
しては、実施形態例の様にデジタル的な潜像を形成する
レーザー走査露光手段に限定されるものではなく、通常
のアナログ的な画像露光やLEDなどの他の発光素子で
も構わないし、蛍光燈等の発光素子と液晶シャッター等
の組み合わせによるものなど、画像情報に対応した静電
潜像を形成するものであるなら構わない。
【0108】また像担持体は静電記録誘電体などであっ
てもよい、この場合は、該誘電体面を所定の極性・電位
に一様に一次帯電した後、除電針ヘッド、電子銃等の除
電手段で選択的に除電して目的の静電潜像を書き込み形
成する。
【0109】5)現像器4は2成分非接触現像方式のも
のであってもよい。また正規現像方式であっても勿論よ
い。
【0110】6)転写器7は実施形態例のようなローラ
ー転写だけでなく、ブレード転写やその他の接触転写帯
電方式、更に転写ドラムや転写ベルトや中間転写体など
を用いて、単色画像形成ばかりでなく多重転写等により
多色、フルカラー画像を形成する画像形成装置にも適応
可能な事は言うまでもない。
【0111】7)プロセスカートリッジ101は実施形
態例のものに限らず、任意の作像プロセス機器の組み合
わせをもって構成することができる。
【0112】8)また、像担持体としての電子写真感光
体や静電記録誘電体を回動ベルト型にし、これに帯電・
潜像形成・現像の工程手段により所要の画像情報に対応
したトナー像を形成させ、そのトナー像形成部を閲読表
示部に位置させて画像表示させ、像担持体は繰り返して
表示画像の形成に使用する画像表示装置もある。本発明
の画像形成装置にはこのような画像表示装置も含む。
【0113】
【発明の効果】本発明によれば、帯電手段の磁性粒子に
現像キャリアが混入することによる帯電性能の低下を防
止することができた。従って、磁性粒子を備える帯電手
段の帯電性能を安定させ、出力画像の品位を長期にわた
り良好に維持させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態例1におけるクリーナーレスシステム
の画像形成装置の概略構成図。
【図2】像担持体としての感光ドラムの層構成模型図。
【図3】磁気ブラシ帯電器の構成模型図。
【図4】現像器の構成模型図。
【符号の説明】
A プリンター本体 B 画像読み取り装置(イメージスキャナー) 1 像担持体(感光ドラム) 3 磁気ブラシ帯電器 4 現像器(2成分磁気ブラシ現像装置) 7 転写ローラー 101 プロセスカートリッジ

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 像担持体と、前記像担持体を帯電する帯
    電手段であって、磁界発生手段と、この磁界発生手段に
    よって磁気的に拘束され前記像担持体に帯電位置で接触
    可能な磁性粒子と、を備える帯電手段と、前記帯電手段
    を用いて前記像担持体に形成された静電像をトナーとキ
    ャリアとを備える現像剤で現像する現像手段と、前記像
    担持体から記録材へトナー像を転写する転写手段と、を
    有し、前記現像手段は、前記像担持体から残留トナーを
    回収可能であり、前記キャリアの抵抗が前記磁性粒子の
    抵抗よりも大きい画像形成装置において、 前記帯電位置での前記磁界発生手段による磁界のもとで
    前記磁性粒子に対して働く磁気拘束力が前記キャリアに
    対して働く磁気拘束力よりも大きくなるように、前記磁
    性粒子の1個当たりの飽和磁化を前記キャリアの1個当
    たりの飽和磁化よりも大きくしたことを特徴とする画像
    形成装置。
  2. 【請求項2】 前記磁性粒子の単位体積当たりの飽和磁
    化は、前記キャリアの単位体積当たりの飽和磁化よりも
    大きいことを特徴とする請求項1の画像形成装置。
  3. 【請求項3】 前記磁性粒子の平均粒径は、前記キャリ
    アの平均粒径よりも大きいことを特徴とする請求項1の
    画像形成装置。
  4. 【請求項4】 前記帯電手段は、AC電圧なしのDC電
    圧が印加されることを特徴とする請求項1乃至3のいず
    れかの画像形成装置。
  5. 【請求項5】 前記帯電手段は、AC電圧とDC電圧の
    重畳電圧が印加されることを特徴とする請求項1乃至3
    のいずれかの画像形成装置。
  6. 【請求項6】 前記像担持体はその表面に109〜10
    14Ωcmの表面層を備えることを特徴とする請求項1乃
    至5のいずれかの画像形成装置。
  7. 【請求項7】 前記像担持体は、前記表面層の内側に電
    子写真感光層を備えることを特徴とする請求項6の画像
    形成装置。
  8. 【請求項8】 画像形成装置に着脱可能なプロセスカー
    トリッジであって、 像担持体と、前記像担持体を帯電する帯電手段であっ
    て、磁界発生手段と、この磁界発生手段によって磁気的
    に拘束され前記像担持体に帯電位置で接触可能な磁性粒
    子と、を備える帯電手段と、前記帯電手段を用いて前記
    像担持体に形成された静電像をトナーとキャリアとを備
    える現像剤で現像する現像手段と、を有し、前記現像手
    段は、前記像担持体から残留トナーを回収可能であり、
    前記キャリアの抵抗が前記磁性粒子の抵抗よりも大きい
    プロセスカートリッジにおいて、 前記帯電位置での前記磁界発生手段による磁界のもとで
    前記磁性粒子に対して働く磁気拘束力が前記キャリアに
    対して働く磁気拘束力よりも大きくなるように、前記磁
    性粒子の1個当たりの飽和磁化を前記キャリアの1個当
    たりの飽和磁化よりも大きくしたことを特徴とするプロ
    セスカートリッジ。
  9. 【請求項9】 前記磁性粒子の単位体積当たりの飽和磁
    化は、前記キャリアの単位体積当たりの飽和磁化よりも
    大きいことを特徴とする請求項8のプロセスカートリッ
    ジ。
  10. 【請求項10】 前記磁性粒子の平均粒径は、前記キャ
    リアの平均粒径よりも大きいことを特徴とする請求項8
    のプロセスカートリッジ。
  11. 【請求項11】 前記帯電手段は、AC電圧なしのDC
    電圧が印加されることを特徴とする請求項8乃至10の
    いずれかのプロセスカートリッジ。
  12. 【請求項12】 前記帯電手段は、AC電圧とDC電圧
    の重畳電圧が印加されることを特徴とする請求項8乃至
    10のいずれかのプロセスカートリッジ。
  13. 【請求項13】 前記像担持体はその表面に109〜1
    14Ωcmの表面層を備えることを特徴とする請求項8
    乃至12のいずれかのプロセスカートリッジ。
  14. 【請求項14】 前記像担持体は、前記表面層の内側に
    電子写真感光層を備えることを特徴とする請求項13の
    プロセスカートリッジ。
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