JP2000019818A - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

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JP2000019818A
JP2000019818A JP10201116A JP20111698A JP2000019818A JP 2000019818 A JP2000019818 A JP 2000019818A JP 10201116 A JP10201116 A JP 10201116A JP 20111698 A JP20111698 A JP 20111698A JP 2000019818 A JP2000019818 A JP 2000019818A
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Atsushi Takeda
篤志 竹田
Koichi Hashimoto
浩一 橋本
Yoshiyuki Komiya
義行 小宮
Fumimitsu Gomi
史光 五味
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 接触帯電装置を用いた画像形成装置につい
て、接触帯電部材の許容以上の汚染(劣化)進行に伴う
帯電不良等に起因する画像不良等の発生、特には磁気ブ
ラシ接触帯電部材の汚染(劣化)が許容以上に進行した
場合のキャリア付着等に起因する上述のような重大トラ
ブルが発生することを防止すること。 【解決手段】 被帯電体1に電圧を印加した帯電部材を
接触させて被帯電体を帯電する接触帯電装置2を用いた
画像形成装置において、被帯電体1の帯電電位と帯電部
材に印加した電圧との差分を検知する手段を有し、該手
段の検知信号に応じて、少なくとも画像部に画像情報以
外の像を形成すること。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被帯電体に電圧を
印加した帯電部材を接触させて被帯電体を帯電する接触
帯電装置を用いた画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図10は画像形成装置の従来例としての
転写式電子写真装置(複写機・プリンター・ファクシミ
リ等)の一例の構成略図である。
【0003】101は像担持体としての回転ドラム型の
電子写真感光体(以下、感光ドラムと記す)であり、矢
印の反時計方向に所定の周速度をもって回転駆動され
る。
【0004】感光ドラム101はその回転過程におい
て、前露光器(イレーサーランプ)102による全面前
露光を受けて前の作像過程で残った電気的メモリの消去
がなされ、次いで帯電手段としてのコロナ帯電器103
による所定の極性・電位の一様な帯電処理を受け、次い
で不図示の像露光手段(原稿画像の投影結像露光手段、
レーザー光走査露光手段等)による像露光Lを受けるこ
とにより露光像パターンに対応して一様帯電面が選択的
に除電(あるいは電位減衰)して静電潜像が形成され
る。そしてその形成静電潜像が現像手段としてのトナー
現像装置104によりトナー像として現像される。
【0005】一方、不図示の給紙機構から記録媒体とし
ての転写材(転写紙)Pが感光ドラム101と転写手段
としての転写コロナ帯電器105との間に所定の制御タ
イミングで給紙され、該転写材Pの裏面がトナーと逆極
性に帯電されることで、感光ドラム101面側のトナー
像が転写材Pの表面側に静電転写されていく。
【0006】次いで転写材Pは分離コロナ帯電器106
によって回転感光ドラム101面から静電分離され、不
図示の定着装置に導入されてトナー像の定着処理を受け
て画像形成物(コピー、プリント)として出力される。
【0007】転写材Pに対するトナー像転写後の感光ド
ラム101面はクリーニング装置(クリーナー)107
によって転写残トナーの除去を受けて清掃され、繰り返
して画像形成に使用される。
【0008】上記において、像担持体としての感光体、
帯電・露光・現像・転写・定着・クリーニング等の作像
プロセスの各手段・機器としては種々の構成・方式のも
のがある。
【0009】例えば、帯電手段103としては、従来よ
りコロナ帯電器が広く利用されてきた。これは感光ドラ
ムにコロナ帯電器を非接触に対向配設して、コロナ帯電
器から放出されるコロナに感光ドラム面をさらして感光
ドラム面を所定の極性・電位に帯電させるものである。
【0010】近時は、非接触タイプの上記コロナ帯電器
による場合に比べて低オゾン・低電力等の利点を有する
ことから接触タイプの帯電装置が実用化されている。こ
れは、被帯電体としての感光ドラムに電圧を印加した帯
電部材を当接させて感光ドラム面を所定の極性・電位に
帯電させるものである。
【0011】接触帯電部材(接触帯電器)としては、磁
性体粒子(キャリア)を磁気拘束させた磁気ブラシ部を
有し、該磁気ブラシ部を感光ドラムに接触させる磁気ブ
ラシ接触帯電部材が帯電接触の安定性という点から好ま
しく用いられている。
【0012】磁気ブラシ接触帯電部材(磁気ブラシ帯電
器)は、導電性の磁性体粒子を直接にマグネットに、あ
るいはマグネットを内包するスリーブ上に磁気的に拘束
させて磁気ブラシ部を形成具備させたものであり、停止
あるいは回転させて磁気ブラシ部を感光ドラムに接触さ
せ、これに電圧を印加することによって感光ドラムの帯
電を開始させる。
【0013】また、導電性の繊維をブラシ状に形成具備
させたもの(ファーブラシ接触帯電部材)、あるいは導
電性ゴムをロール状にした導電ゴムローラ(帯電ロー
ラ)も接触帯電部材として好ましく用いられている。
【0014】特に、このような接触帯電部材を用い、被
帯電体としての感光ドラムの感光体に、通常の有機感光
体上に導電性微粒子を分散させた表層(電荷注入層)を
有するものや、アモルファスシリコン感光体などを用い
ると、接触帯電部材に印加したバイアスのうちの直流成
分と略同等の帯電電位を感光体表面に得ることが可能で
ある(特開平6−3921号公報)。
【0015】このような帯電方法(電荷の直接注入によ
る被帯電体の帯電)のことを「注入帯電」と称する。こ
の注入帯電を用いれば、被帯電体の帯電が、コロナ帯電
器を用いて行われるような放電現象を利用しないので、
完全なオゾンレスかつ低電力消費型帯電が可能となり、
注目されてきている。
【0016】また近年、このような画像形成装置の小型
化が進んできたが、前記したように帯電・露光・現像・
転写・定着・クリーニング等の作像プロセスの各手段・
機器が夫々小型になるだけでは画像形成装置の全体的な
小型化には限界があった。
【0017】前記したように転写後の感光ドラム101
上の転写残トナーはクリーナー107によって回収され
て廃トナーとなるが、この廃トナーは環境保護の面から
も出ないことが好ましい。そこで、上記のクリーナー1
07を取りはずし、感光ドラム101上の転写残トナー
は現像装置104によって「現像同時クリーニング」で
感光ドラム101上から除去し現像装置104に回収・
再用する装置構成にした「クリーナーレスシステム」の
画像形成装置も出現している。
【0018】現像同時クリーニングとは、転写後に感光
ドラム101上に若干残留したトナーを次工程以後の現
像時にかぶり取りバイアス(現像装置に印加する直流電
圧と感光ドラムの表面電位間の電位差であるかぶり取り
電位差Vback)によって回収する方法である。この方法
によれば、転写残トナーは現像装置104に回収されて
次工程以後用いられているため、廃トナーをなくし、メ
ンテンナンスに手を煩わせることも少なくすることがで
きる。またクリーナーレスであることでスペース面での
利点も大きく、画像形成装置を大幅に小型化できるよう
になる。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】接触帯電装置における
問題点の1つとして、被帯電体に接触させている接触帯
電部材が被帯電体面側の汚れや異物を拾ってその蓄積で
汚染状態になり易く(接触帯電部材の劣化)、許容以上
の汚染状態になると、被帯電体を所望の電位まで帯電で
きなくなったり、帯電むらが生じたりして、帯電能が低
下してしまうことが挙げられる。
【0020】感光体等の像担持体の帯電手段として接触
帯電装置を用いた画像形成装置にあっては、転写後の像
担持体上の転写残トナーを除去する専用のクリーナーを
有する画像形成装置であっても、画像形成が繰り返えさ
れるうちには、クリーナーを多少ともすり抜けてしまう
トナー粒子や現像剤に含まれるシリカ等いわゆる外添剤
等が引き続く像担持体の移動で接触帯電部材の位置に持
ち運ばれて接触帯電部材に付着・混入することで蓄積し
て接触帯電部材が汚染状態になり易い。
【0021】通常、トナー粒子やシリカ等の電気抵抗は
比較的高いから、接触帯電部材にそのようなトナー粒子
やシリカ等が付着・混入して許容以上の汚染状態になる
と、接触帯電部材の全体あるいは一部の抵抗が上昇して
しまい、像担持体を所望の電位にまで帯電できなくなっ
たり、帯電むらが生じたりしてしまい、画像不良が発生
してしまう。
【0022】このような接触帯電部材のトナー汚染と、
それによる画像不良の発生は、感光体の帯電手段として
接触帯電手段を用い、転写後の像担持体上の転写残トナ
ーを除去する専用のクリーナーを具備させていない、前
述のような「クリーナーレスシステム」の画像形成装置
においては特に顕著である。
【0023】また、接触帯電部材として磁性体粒子(キ
ャリア)を用いる磁気ブラシ接触帯電部材の場合は、汚
染状態が進むと、帯電不良のみならず、磁気ブラシ接触
帯電部材の磁性体粒子が被帯電体に付着する所謂「キャ
リア付着」が発生する。
【0024】キャリア付着が発生すると、例えば、現像
器がこのキャリアを回収してしまい、現像剤の特性を変
化させて画像不良を引き起こしたり、攪拌や現像剤担持
体の駆動トルクを上昇させ、駆動径に故障を発生させる
ことが考えられる。
【0025】また転写装置や定着装置にキャリアがいく
と、高圧電源のリークの原因や、例えば定着装置にロー
ラーを用いる場合、ローラー表面を傷つける等、非常に
大きなダメージを与えることになりかねない。
【0026】そこで本発明は、接触帯電装置を用いた画
像形成装置について、接触帯電部材の許容以上の汚染
(劣化)進行に伴う帯電不良等に起因する画像不良等の
発生、特には磁気ブラシ接触帯電部材の汚染(劣化)が
許容以上に進行した場合のキャリア付着等に起因する上
述のような重大トラブルが発生することを防止すること
を目的とする。
【0027】
【課題を解決するための手段】本発明は下記の構成を特
徴とする接触帯電装置及び画像形成装置である。
【0028】(1)被帯電体に電圧を印加した帯電部材
を接触させて被帯電体を帯電する接触帯電装置を用いた
画像形成装置において、被帯電体の帯電電位と帯電部材
に印加した電圧との差分を検知する手段を有し、該手段
の検知信号に応じて、少なくとも画像部に画像情報以外
の像を形成することを特徴とする画像形成装置。
【0029】(2)被帯電体の帯電電位検知手段が、帯
電部材を流れる電流値を検知する手段であることを特徴
とする(1)に記載の画像形成装置。
【0030】(3)被帯電体に電圧を印加した帯電部材
を接触させて被帯電体を帯電する接触帯電装置を用いた
画像形成装置において、接触帯電装置の劣化を予測する
手段を有し、該手段からの信号に応じて、接触帯電装置
に印加するバイアスと現像器へ印加する電圧の少なくと
も一方が変化し、画像部に画像情報以外の像が形成され
ることを特徴とする画像形成装置。
【0031】(4)接触帯電装置の劣化予測手段が、被
帯電体に静電潜像を形成するための画像情報書き込み手
段で書き込む画像情報をカウントする手段、画像形成枚
数をカウントする手段であることを特徴とする(3)に
記載の画像形成装置。
【0032】(5)像担持体に電圧を印加した帯電部材
を接触させて該像担持体を帯電する帯電手段と、該像担
持体の帯電処理面に目的の画像情報に対応した静電潜像
を形成する画像情報書き込み手段と、該静電潜像を現像
剤によって顕画化する現像手段と、該現像剤像を記録媒
体に転写する転写手段を含む作像プロセス手段にて画像
形成がなされ、前記現像手段が、前記転写手段によって
現像剤像を記録媒体に転写した後に像担持体上に残留す
る転写残現像剤を回収する手段を兼ねていることを特徴
とする(1)から(4)の何れか1つに記載の画像形成
装置。
【0033】〈作 用〉即ち本発明は、接触帯電部材に
印加するバイアス条件を接触帯電部材の劣化に伴い被帯
電体の電位が所望の値になる様に変化させる系におい
て、変化させるべき値がある値を越える場合には接触帯
電部材の劣化が許容を越えるものとして意図的に少なく
とも画像部に画像情報以外の像を形成する即ち画像不良
を発生させることで、実際に接触帯電部材の劣化が過度
に進行して帯電不良等に起因する画像不良等の発生、特
には磁気ブラシ接触帯電部材の劣化進行による過度のキ
ャリア付着等に起因する重大トラブルが発生する前に、
使用者に該接触帯電部材のメンテナンスもしくは交換を
うながすことを可能とするものである。
【0034】
【発明の実施の形態】(1)画像形成装置例の概略構成
(図1) 図1は本発明に従う画像形成装置例の概略構成図であ
る。本例の画像形成装置は、転写式電子写真プロセス利
用のレーザービームプリンターである。
【0035】Aはレーザービームプリンター、Bはこの
プリンターの上に搭載した画像読み取り装置(イメージ
スキャナー)である。
【0036】a)画像読み取り装置B 画像読み取り装置Bにおいて、31は装置上面に固定配
設した原稿台ガラスであり、この原稿台ガラスの上面に
原稿Gを複写すべき面を下向きにして載置し、その上に
不図示の原稿圧着板を被せてセットする。
【0037】32は原稿照射用ランプ32a・短焦点レ
ンズアレイ32b・CCDセンサー32c等を配設した
画像読み取りユニットである。このユニット32は、不
図示のコピーボタンが押されることで、原稿台ガラス3
1の下側において該ガラスの左辺側の実線示のホームポ
ジションから右辺側にガラス下面に沿って往動駆動さ
れ、所定の往動終点に達すると復動駆動されて始めの実
線示のホームポジションに戻される。
【0038】該ユニット32の往動駆動過程において、
原稿台ガラス31上の載置セット原稿Gの下向き画像面
がユニット32の原稿照射用ランプ32aにより左辺側
から右辺側にかけて順次に照明走査され、その照明走査
光の原稿面反射光が短焦点レンズアレイ32bによって
CCDセンサー32cに結像入射する。
【0039】CCDセンサー32cは受光部、転送部、
出力部より構成されている。CCD受光部において光信
号が電荷信号に変えられ、転送部でクロックパルスに同
期して順次出力部へ転送され、出力部において電荷信号
を電圧信号に変換し、増幅、低インピーダンス化して出
力する。このようにして得られたアナログ信号を周知の
画像処理を行なってデジタル信号に変換してプリンター
Aに送る。
【0040】即ち、画像読み取り装置Bにより原稿Gの
画像情報が時系列電気デジタル画素信号(画像信号)と
して光電読み取りされる。
【0041】b)プリンターA プリンターAにおいて、1は像担持体としての回転ドラ
ム型の電子写真感光体(感光ドラム)である。本例の感
光ドラム1は表面に電荷注入層を有する、負帯電性のO
PC感光体である。この感光体1については後記(2)
項で詳述する。
【0042】感光ドラム1は中心支軸を中心に矢印の反
時計方向に所定の周速度、本例では回転速度100mm
/secをもって回転駆動され、その回転過程におい
て、帯電手段2により本例の場合は負極性の一様な帯電
処理を受ける。
【0043】本例における帯電手段2は接触帯電方式の
磁気ブラシ帯電装置である。この帯電装置2については
後記(3)項で詳述する。
【0044】そして該回転感光ドラム1の一様帯電面に
対して、レーザー走査部(レーザースキャナー)3から
出力される、画像読み取り装置BからプリンターA側に
送られた画像信号に対応して変調されたレーザー光によ
る走査露光Lがなされることで、回転感光ドラム1面に
は画像読み取り装置Bにより光電読み取りされた原稿G
の画像情報に対応した静電潜像が順次に形成されてい
く。
【0045】レーザー走査部3は、発光信号発生器、固
体レーザー素子、コリメーターレンズ系、回転多面鏡
(ポリゴンミラー)等からなる。
【0046】このレーザー走査部3により回転感光ドラ
ム面をレーザー走査露光Lする場合には、まず入力され
た画像信号に基づき発光信号発生器により、固体レーザ
ー素子を所定タイミングで明滅(ON/OFF)させ
る。そして固体レーザー素子から放射されたレーザー光
は、コリメーターレンズ系により略平行な光束に変換さ
れ、更に矢印の反時計方向に高速回転する回転多面鏡に
より矢印方向に走査されると共にfθレンズ群により感
光ドラム面1にスポット状に結像される。この様なレー
ザー光走査により感光ドラム面1には画像一走査分の露
光分布が形成され、更に感光ドラム1の回転により各走
査毎に感光ドラム面が前記走査方向とは垂直に所定量だ
けスクロールされ、回転感光ドラム面上に画像信号に応
じた露光分布が得られる。
【0047】回転感光ドラム1面の形成静電潜像が現像
装置4により順次にトナー像として本例の場合は反転現
像されていく。本例の現像装置4は2成分接触現像方式
の装置である。この現像装置4については後記(4)項
で詳述する。
【0048】一方、給紙カセット5内に収納の記録媒体
としての転写材Pが給紙ローラ5aにより一枚宛繰り出
されてプリンターA内に給送され、レジストローラ5b
により所定の制御タイミングにて感光ドラム1と転写手
段としての転写ベルト型転写装置6との接触ニップ部で
ある転写部Tに給紙される。
【0049】転写部Tに給紙された転写材Pの面に回転
感光ドラム1面側のトナー像が転写ベルト6の内側に配
設した転写帯電ブレード6dにより順次に静電転写され
る。この転写装置6については後記(5)項で詳述す
る。
【0050】転写部Tを通りトナー像の転写を受けた転
写材Pは感光ドラム1の面から順次に分離されて搬送装
置7で定着装置8へ搬送され、トナー像の熱定着を受け
てコピーもしくはプリントとして出力される。
【0051】また転写材分離後の回転感光ドラム1面は
クリーニング装置9により転写残トナーの除去を受け
て、繰り返して作像に供される。
【0052】(2)感光ドラム1(図2) 像担持体としての感光ドラム(感光体)1としては、通
常用いられている有機感光体等を用いることができる。
また、CdSやSi、Seなど無機物半導体を用いた感
光体も使用可能である。望ましくは、有機感光体上にそ
の抵抗が109〜1014Ω・cmの材質を有する表面層
を持つものや、アモルファスシリコン感光体どを用いる
と、電荷注入帯電を実現でき、オゾン発生の防止、なら
びに消費電力の低減に効果がある。また、帯電性につい
ても向上させることが可能となる。
【0053】本例において使用の感光ドラム1は、表面
に電荷注入層を設けた、負帯電の有機感光体であり、直
径30mmのアルミニウム製のドラム基体(以下、アル
ミ基体と記す)上に下記の第1〜第5の5つの層を下か
ら順に設けたものである。図2はその層構成模型図であ
る。
【0054】第1層12;下引き層であり、アルミ基体
11の欠陥等をならすために設けられている厚さ20μ
mの導電層である。
【0055】第2層13;正電荷注入防止層であり、ア
ルミ基体11から注入された正電荷が感光体表面に帯電
された負電荷を打ち消すのを防止する役割を果たし、ア
ミラン樹脂とメトキシメチル化ナイロンによって1×1
6 Ω・cm程度に抵抗調整された厚さ1μmの中抵抗
層である。
【0056】第3層14;電荷発生層であり、ジスアゾ
系の顔料を樹脂に分散した厚さ約0.3μmの層であ
り、露光を受けることによって正負の電荷対を発生す
る。
【0057】第4層15;電荷輸送層であり、ポリカー
ボネイト樹脂にヒドラゾンを分散したものであり、P型
半導体である。従って、感光体表面に帯電された負電荷
はこの層を移動することができず、電荷発生層14で発
生した正電荷のみを感光体表面に輸送することができ
る。
【0058】第5層16;電荷注入層であり、絶縁性樹
脂のバインダーに導電性粒子16aとしてのSnO2
微粒子を分散した材料の塗工層である。具体的には絶縁
性樹脂に光透過性の絶縁フィラーであるアンチモンをド
ーピングして低抵抗化(導電化)した粒径約0.03μ
mのSnO2 粒子を樹脂に対して70重量パーセント分
散した材料の塗工層である。
【0059】このように調合した塗工液をディッピング
塗工法、スプレー塗工法、ロール塗工法、ビーム塗工法
等の適当な塗工法にて厚さ約3μmに塗工して電荷注入
層とした。
【0060】表面抵抗は1013Ω・cmである。表面抵
抗をこのようにコントロールすることにより直接帯電性
が向上し高品位な画像を得ることができる。感光体はO
PCに限らずa−Siドラムでも実現でき、さらに高耐
久化を実現できる。
【0061】ここで、表面層の体積抵抗は、金属の電極
を200μmの間隔で配し、その間に表面層の調合液を
流入して成膜させ、電極間に電圧を100V印加して測
定した値である。測定は温度23℃、湿度50%RHの
条件下で測定した値である。 (3)帯電装置2(図3) 本例における帯電装置2は接触帯電方式の磁気ブラシ帯
電装置である。図3はその概略構成図である。20は感
光ドラム1に接触させて配設する接触帯電部材としての
磁気ブラシ帯電器である。
【0062】本例の磁気ブラシ帯電器20は回転スリー
ブタイプのものであり、非回転に固定支持させたマグネ
ットロール21と、このマグネットロールの外回りに同
心に回転自由に外嵌させた、外径16mmの非磁性スリ
ーブ(非磁性・導電性・帯電用電極スリーブ)22と、
この非磁性スリーブ22の外周面にスリーブ内部のマグ
ネットロール21の磁力により吸着保持させて形成させ
た導電磁性粒子(帯電用磁性キャリア)の磁気ブラシ部
23等からなる。
【0063】この磁気ブラシ帯電器20を、磁気ブラシ
部23を感光ドラム1面に接触させて感光ドラム1と略
並行にして配設してある。この場合、磁気ブラシ帯電器
20を、感光ドラム1に対して形成される磁気ブラシ部
23の接触ニップ幅(帯電領域)nが約5mmになるよ
うに調整して配設した。
【0064】磁気ブラシ部23を構成させる帯電用磁性
粒子としては、平均粒径が10〜100μm、飽和磁化
が20〜250emu/cm3 、抵抗が1×102 〜1×10
10Ω・cmのものが好ましい。感光ドラム1にピンホー
ルのような絶縁欠陥が存在することを考慮すると、抵抗
が1×106 Ω・cm以上のものを用いることが好まし
い。帯電性能を良くするにはできるだけ抵抗の小さいも
のを用いる方がよいので、本例においては、平均粒径2
5μm、飽和磁化200emu/cm3 、抵抗が5×106 Ω
・cmの磁性粒子を用いた。
【0065】磁性粒子の抵抗値は、底面積が228mm
2 の金属セルに磁性粒子を2g入れた後、6.6kg/
cm2 で加重し、100Vの電圧を印加して測定してい
る。
【0066】磁性粒子の平均粒径は、水平方向最大弦長
で示し、測定法は顕微鏡法により、粒子300個以上を
ランダムに選び、その径を実測して算術平均をとること
によって算出した。
【0067】磁性粒子の磁気特性測定には理研電子株式
会社の直流磁化B−H特性自動記録装置BHH−50を
用いることができる。この際、直径(内径)6.5m
m、高さ10mmの円柱状の容器に磁性粒子を荷重約2
g重程度で充填し、容器内で粒子が動かないようにして
そのB−Hカーブから飽和磁化を測定する。
【0068】磁性粒子としては、樹脂中に磁性材料とし
てマグネタイトを分散し、導電化、及び抵抗調整のため
にカーボンブラックを分散して形成した樹脂キャリア、
あるいは、フェライト等のマグネタイト単体表面を酸
化、還元処理して抵抗調整を行なったもの、あるいはフ
ェライト等のマグネタイト単体表面を樹脂でコーティン
グし抵抗調整を行なったもの等が用いられ得る。本例に
おいてはフェライト表面を酸化、還元処理して抵抗調整
を行なったものを用いている。
【0069】磁気ブラシ帯電器20の非磁性スリーブ2
2は帯電領域nにおいて感光ドラム1の回転方向とは逆
方向(カウンター方向)となる矢印の反時計方向に感光
ドラム1の回転周速度100mm/secに対して15
0mm/secで回転させた。
【0070】非磁性スリーブ22には帯電バイアス印加
電源S1から所定の帯電バイアスを印加した。
【0071】本例では、帯電条件として、−550Vの
定電圧制御で直流バイアスを印加した。
【0072】非磁性スリーブ22の回転に伴い、磁気ブ
ラシ部23が同方向に回転して帯電領域nにおいて感光
ドラム1面を摺擦し、磁気ブラシ部23を構成する帯電
用磁性粒子から電荷が感光ドラム1上に与えられ、感光
ドラム1面が所定の極性・電位に一様に接触帯電され
る。
【0073】本例の場合は前述したように感光ドラム1
はその表面に電荷注入層16を具備させたものであるか
ら、電荷注入帯電により感光ドラム1の帯電処理がなさ
れる。即ち、非磁性スリーブ22に所定の帯電バイアス
電圧を印加することにより、磁気ブラシ部23を構成し
ている磁性粒子から電荷が感光ドラム1上に与えられ、
感光ドラム1面が帯電バイアス電圧に対応した電位に帯
電される。非磁性スリーブ22は回転速度が速いほど帯
電均一性が良好になる傾向にある。
【0074】24〜28は、接触帯電部材としての磁気
ブラシ帯電器20に流れる電流値を検知し、該検知信号
に応じて、該磁気ブラシ帯電器20に印加する電圧値を
変化させる、バイアス制御系である。これについては
(6)項で詳述する。
【0075】(4)現像装置4(図4) 静電潜像のトナー現像方法としては、一般に次のa〜d
の4種類に大別される。
【0076】a.非磁性トナーについてはブレード等で
スリーブ上にコーティングし、磁性トナーは磁気力によ
ってコーティングして搬送し感光体に対して非接触状態
で現像する方法(1成分非接触現像) b.上記のようにしてコーティングしたトナーを感光体
に対して接触状態で現像する方法(1成分接触現像) c.トナー粒子に対して磁性のキャリアを混合したもの
を現像剤として用いて磁気力によって搬送し感光体に対
して接触状態で現像する方法(2成分接触現像) d.上記の2成分現像剤を非接触状態にして現像する方
法(2成分非接触現像) このなかで、画像の高画質化や高安定性の面から、cの
2成分接触現像法が多く用いられている。
【0077】図4は本例で用いた現像装置4の概略構成
を示すものである。本例の現像装置4は、非磁性のトナ
ー粒子と磁性のキャリア粒子を混合したものを現像剤と
して用い、該現像剤を現像剤担持体に磁気力によって磁
気ブラシ層として保持させて現像部に搬送し感光ドラム
1面に接触させて静電潜像をトナー像として現像する2
成分磁気ブラシ接触現像方式の装置である。
【0078】41は現像容器、42は現像剤担持体とし
ての現像スリーブ、43はこの現像スリーブ42内に固
定配置された磁界発生手段としてのマグネットローラ、
44は現像スリーブ表面に現像剤の薄層を形成するため
の現像剤層厚規制ブレード、45は現像剤攪拌搬送スク
リュー、46は現像容器41内に収容した2成分現像剤
であり、非磁性のトナー粒子tと磁性のキャリア粒子c
を混合したものである。
【0079】現像スリーブ42は少なくとも現像時にお
いては、感光ドラム1に対し最近接距離(隙間)が約5
00μmになるように配置され、該現像スリーブ42の
外面に担持させた現像剤磁気ブラシ薄層46aが感光ド
ラム1の面に接触するように設定されている。この現像
剤磁気ブラシ層46aと感光ドラム1の接触ニップ部m
が現像領域(現像部)である。
【0080】現像スリーブ42は固定配設のマグネット
ローラ43の外回りを矢示の反時計方向に所定の回転速
度で駆動され、現像容器41内においてスリーブ外面に
マグネットローラ43の磁力により現像剤46の磁気ブ
ラシが形成される。その現像剤磁気ブラシはスリーブ4
2の回転とともに搬送され、ブレード44により層厚規
制を受けて所定層厚の現像剤磁気ブラシ薄層46aとし
て現像容器外に持ち出されて現像部へ搬送されて感光ド
ラム1面に接触し、引き続くスリーブ42の回転で再び
現像容器41内に戻し搬送される。
【0081】即ち、先ず、現像スリーブ42の回転に伴
いマグネットローラ43のN3 極で汲み上げられた現像
剤46はS2 極→N1 極と搬送される過程において、現
像スリーブ42に対して垂直に配置された規制ブレード
44によって規制されて、現像スリーブ42上に現像剤
46の薄層46aが形成される。薄層形成された現像剤
層46aが現像部の現像主極S1 に搬送されてくると磁
気力によって穂立ちが形成される。この穂状に形成され
た現像剤層46aによって感光ドラム1の静電潜像がト
ナー像として現像され、その後N3 極・N2 極の反発磁
界によって現像スリーブ42上の現像剤は現像容器41
内に戻される。
【0082】現像スリーブ42と感光ドラム1の導電性
ドラム基体との間には現像バイアス印加電源S2により
直流電圧(DC)及び交番電圧(AC、交流電圧)の現
像バイアスが印加される。
【0083】本例では、 直流電圧;−400V 交番電圧;振幅Vpp=1500V、周波数Vf=30
00Hz の現像バイアスが印加され、現像部において現像スリー
ブ42側の現像剤磁気ブラシ薄層46a中のトナーtが
感光ドラム1側の静電潜像に選択的に付着して静電潜像
がトナー像として現像されていく。
【0084】一般に2成分現像法においては交番電圧を
印加すると現像効率が増し、画像は高品位になるが、逆
にかぶりが発生しやすくなるという危険も生じる。この
ため、通常、現像装置4に印加する直流電圧と感光ドラ
ム1の表面電位間に電位差を設けることによって、かぶ
りを防止することを実現している。
【0085】このかぶり防止のための電位差をかぶり取
り電位(Vback)と呼ぶが、この電位差によって現像時
に感光ドラム1の非画像領域にトナーが付くのを防止す
る。
【0086】現像容器41内の現像剤46のトナー濃度
(キャリアとの混合割合)はトナー分が静電潜像の現像
に消費されて逐次減少していく。現像容器41内の現像
剤46のトナー濃度は不図示の検知手段により検知され
て所定の許容下限濃度まで低下するとトナー補給部47
から現像容器内の現像剤46にトナーtの補給がなされ
て現像容器41内の現像剤46のトナー濃度を常に所定
の許容範囲内に保つようにトナー補給制御される。
【0087】本例において用いた2成分現像剤46は トナー粒子t;平均粒径6μmのネガ帯電トナーに対し
て平均粒径20nmの酸化チタンを重量比1%外添した
もの キャリアc ;飽和磁化が205emu/cm3 の平均
粒径35μmの磁性キャリア を重量比6対94に混合したものである。
【0088】トナーの体積平均粒径は例えば下記測定法
で測定されたものを使用する。
【0089】測定装置としてはコールターカウンターT
A−II型(コールター社製)を用い、個数平均分布、体
積平均分布を出力するインターフェイス(日科機製)及
びCX−iパーソナルコンピュータ(キヤノン製)を接
続し、電解液は一級塩化ナトリウムを用いて1%NaC
l水溶液を調整する。
【0090】測定法としては、前記電解水溶液100〜
150ml中に分散剤として界面活性剤(好ましくはア
ルキルベンゼンスルホン酸塩)を0.1〜5ml加えさ
らに測定試料0.5〜50mgを加える。
【0091】試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で
約1〜3分間分散処理を行ない、前記コールターカウン
ターTA−II型によりアパチャーとして100μmアパ
チャーを用いて2〜40μmの粒子の粒度分布を測定し
体積分布を求める。これら求めた体積分布により、サン
プルの体積平均粒径が得られる。
【0092】(5)転写装置6 転写装置6(図1)は本例では前述のように転写ベルト
タイプである。6aは無端状の転写ベルトであり、駆動
ローラ6bと従動ローラ6c間に懸回張設してあり、感
光ドラム1の回転方向に順方向に感光ドラム1の回転周
速度とほぼ同じ周速度で回動される。6dは転写ベルト
6aの内側に配設した転写帯電ブレードであり、転写ベ
ルト6aの上行側ベルト部分を感光ドラム1に加圧して
転写ニップ部Tを形成するとともに、転写バイアス印加
電源S3から転写バイアスが印加されることで、転写材
Pの裏面からトナーと逆極性の帯電を行なう。これによ
り転写部Tを通る転写材Pの面に回転ドラム1側のトナ
ー像が順次に静電転写されていく。
【0093】本例においてはベルト6aとして膜厚75
μmのポリイミド樹脂からなるものを用いた。
【0094】ベルト6aの材質としてはポリイミド樹脂
に限定されるものではなく、ポリカーボネイト樹脂や、
ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリフッ化ビニリデ
ン樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリエーテル
エーテルケトン樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂、ポ
リウレタン樹脂などのプラスチックや、フッ素系、シリ
コン系のゴムを好適に用いることができる。厚みについ
ても75μmに限定されるわけではなく、大略25〜2
000μm、好ましくは50〜150μmのものが好適
に用いられ得る。
【0095】さらに転写帯電ブレード6dとしては、抵
抗が1×105 〜1×107 Ωで、板厚が2mm、長さ
306mmのものを用いた。この転写帯電ブレード6d
に+15μAのバイアスを定電流制御により印加して転
写を行った。
【0096】(6)接触帯電部材に対する印加バイアス
制御 a)前述したように接触帯電装置は被帯電体に接触させ
ている接触帯電部材が被帯電体面側の汚れや異物を拾っ
てその蓄積で汚染状態になり易く、許容以上の汚染状態
になると、被帯電体を所望の電位まで帯電できなくなっ
たり、帯電むらが生じたりして、帯電能が低下してしま
う。
【0097】接触帯電装置を用いた画像形成装置にあっ
ては、転写後の像担持体上の転写残トナーを除去する専
用のクリーニング装置を有する画像形成装置であって
も、画像形成が繰り返えされるうちには、クリーニング
装置で除去しきれなかった、即ちクリーニング装置を多
少ともすり抜けてしまうトナー粒子や現像剤に含まれる
シリカ等いわゆる外添剤等が引き続く像担持体の移動で
接触帯電部材の位置に持ち運ばれて接触帯電部材に付着
・混入することで蓄積して接触帯電部材が徐々に汚染さ
れる。
【0098】そして、接触帯電部材の汚染が許容以上に
なると、接触帯電部材の全体あるいは一部の抵抗が上昇
してしまい、像担持体を所望の電位にまで帯電できなく
なったり、帯電むらが生じたりしてしまい、画像不良が
発生してしまうのである。
【0099】図5に、本例において接触帯電部材である
磁気ブラシ帯電器20の磁気ブラシ部23を構成してい
る磁性キャリア(磁性粒子)の重量に対して該磁気ブラ
シ部23に混入したトナーの重量比が変化した場合の被
帯電体である感光ドラム1の帯電電位を破線で、また磁
気ブラシ帯電器20に流れたDC電流値を実線で示し
た。
【0100】これより混入したトナーの重量比に応じて
帯電電位と電流値が相関をもって変化することがわか
る。
【0101】但し、この測定は、被帯電体である感光ド
ラム1を略0電位とした後、接触帯電器である磁気ブラ
シ帯電器20に−550Vを印加した場合に感光ドラム
1回転の間に行ったものである。感光ドラム1を略0電
位とするには、磁気ブラシ帯電器20のスリーブ22を
回転させ、DCバイアス値を0Vとし、感光ドラム1を
回転させることにより行った。これは、注入帯電の特徴
である接触帯電器に印加したDCバイアス値とほぼ同等
の帯電電位を被帯電体表面に得られ、接触帯電器に除電
能力があることによる。したがって、本例では新たな電
荷除去手段はかならずしも必要とならない。また、帯電
電位安定化のためには、接触帯電器に印加するDCバイ
アスは定電圧電源がよい。
【0102】図6に感光ドラム1を略0電位とした後、
磁気ブラシ帯電器20に−17μAの電流が流れるよう
にした場合の感光ドラム1の1回転の帯電電位を示し
た。これより、該磁気ブラシ帯電器20の磁気ブラシ部
23を構成している磁性キャリアの重量に対して該該磁
気ブラシ部23に混入したトナーの重量比によらず、帯
電電位が一定であることがわかる。
【0103】したがって、本例では、例えば作像に先立
ち感光ドラム1及び磁気ブラシ帯電器20のスリーブ2
3を回転させ、磁気ブラシ帯電器20に0Vを印加して
感光ドラム1の表面電位を略0Vにする。
【0104】次に、感光ドラム1が0Vとなっている場
所に対してたとえば−500V、−600Vのように、
複数の異なるDCバイアスを印加し、そのDC電流値を
電流計24(図3)で検知し、A/D変換器25を介し
てCPU26に取り込む。
【0105】CPU26は、取り込んだ検知DC電流値
に応じて、所望の帯電電位が得られるよう基準の電流値
が流れるように磁気ブラシ帯電器20に印加するDCバ
イアス値を演算し決定するとともに、帯電バイアス印加
電源S1から磁気ブラシ帯電器20にその演算し決定し
たDCバイアスが印加されるように電源S1のドライバ
28をD/A変換器27を介して制御する。
【0106】これにより、接触帯電器である磁気ブラシ
帯電器20の磁気ブラシ部23がトナー等の付着・混入
・蓄積で汚染状態になって帯電性が低下しても、磁気ブ
ラシ帯電器20に対する印加帯電電圧値が適切に補正さ
れることで、電位センサーレスで被帯電体である感光ド
ラム1の所望の帯電電位が保証される。
【0107】即ち、キャリアを用いた帯電器20、特に
は、被帯電体としての感光体に電荷を注入する帯電器は
耐久によってキャリアの抵抗が高くなり、帯電性が低下
する。本例では電位センサーレスで、帯電電位を保証す
る。上述のように注入帯電器20を用い感光体を除電
し、所定の電圧を印加して、DC電流値を検知する。所
定の電流値になる様に、注入帯電器DC値へフィードバ
ックし、作像時に定電圧で印加する。
【0108】なお、接触帯電器である磁気ブラシ帯電器
20に対する印加帯電電圧にACバイアスが重畳されて
いても同様である。
【0109】また、複数の異なるDCバイアスを印加す
る際毎回被帯電体としての感光ドラム1の除電を行って
もよい。
【0110】さらに、被帯電体としての感光ドラム1が
略0Vとなっている場所に対して基準の電流値を流し、
その時のDCバイアス値を作像時に用いてもよい。
【0111】b)次に、磁気ブラシ帯電器20に例えば
現像剤の外添剤であるシリカを意図的に混入させて劣化
状態にし、シリカ量を変化させて劣化状態を変化させた
場合の、帯電部材としての磁気ブラシ帯電器20に印加
したバイアス(DC値)と被帯電体としての感光ドラム
1の帯電電位との差分ΔVを横軸にとり、磁気ブラシ帯
電器20から感光ドラム1に付着したキャリア量(A4
サイズ1枚プリントにおいて)を縦軸にとった関係図を
図7に示した。
【0112】これにより、ΔVが大きくなると、付着キ
ャリア量が増加することがわかる。またA4サイズ1枚
プリントあたりの付着キャリア量の許容値は、用いる現
像装置、転写装置、定着装置等によって異なるが、10
0mg程度が適度である。本実施例の場合、現像剤に2
成分現像剤を用いているが、付着キャリアを回収してし
まい、現像剤容量が増加し、100枚程度で現像器の駆
動トルクが大きく上昇した。また、さらにキャリア付着
量が増加すると、現像器での回収が不能となり、転写装
置や定着装置までに付着キャリアが達してしまい、高圧
電源のリーク等が発生した。
【0113】図7より、A4サイズ1枚プリントあたり
の付着キャリア量の許容値を100mgとすると、ΔV
の許容値は150Vであることがわかる。
【0114】一方、上述した様に所望の被帯電体電位は
帯電部材に流れる電流値により分かる。例えば、所望の
電位を−550Vとすると−15μAであり、帯電部材
に流れる電流値が−15μAの場合の印加電圧が−70
0V以上であると、付着キャリア量の許容値であること
が分かる。
【0115】この場合、所望の感光体電位である−55
0Vと現像器への印加バイアス−400Vとの電位差で
いわゆるトナーかぶり(画像不良)を防止しているので
あるが、例えば、現像器への印加バイアスを−450V
とし意図的にかぶる設定とする。もしくは、所望の電位
が−500Vとしても構わない。この設定変更は画像部
に相当する位置での設定とすることが望ましい。
【0116】かくして本実施例においては、前記のよう
に被帯電体としての感光体の帯電電位は帯電部材を流れ
る電流値を電位センサーレスでCPU26により検出
し、その帯電電位と帯電部材に印加したDCバイアス値
との差分があらかじめ決められた値を越える場合に、C
PU26によって、作像条件が少なくとも画像形成部に
おいて画像情報以外の像としてのかぶりが発生する作像
条件に変更されることにより意図的に画像不良を発生さ
せ、実際に接触帯電部材の劣化が過度に進行して帯電不
良等に起因する画像不良等の発生、特には磁気ブラシ接
触帯電部材の劣化進行による過度のキャリア付着等に起
因する重大トラブルが発生する前に、使用者に該接触帯
電部材のメンテナンスもしくは交換をうながすものであ
る。
【0117】したがって、そのかぶりの発生をサインと
して接触帯電部材のメンテナンスもしくは交換を行なう
ことで、劣化した接触帯電部材による画像不良等の発生
や過度のキャリア付着等に起因する重大事故の発生を回
避することができる。
【0118】c)本実施例の画像形成装置は転写残トナ
ーをクリーニング装置9で除去する方式の画像形成装置
の場合であるが、本発明は、図8のような、クリーニン
グ装置を用いず、転写残トナーを現像装置4で回収する
クリーナーレスシステムの画像形成装置の場合にも同様
に適用できる。
【0119】d)また電位センサーレスの系で説明した
が、被帯電体電位を直接電位センサーで検出して帯電部
材に印加した電圧との差分をCPU26演算させても同
様である。
【0120】e)また、本実施例では、被帯電体の帯電
電位を検知する手段と帯電部材に印加するバイアス値を
用いて帯電部材に印加するバイアスもしくは現像バイア
スを変化させるいわゆるフィードバック系での説明を行
ったが、帯電部材の劣化を、プリント積算枚数あるいは
画像情報量をカウントするいわゆるビデオカウント積算
値により予想し、少なくとも1つの信号に応じて帯電部
材印加バイアス及び現像バイアスを決めるいわゆるフィ
ードフォワード系でも可能である。
【0121】図9にこの例を示す。横軸は、A4サイズ
ベタ画像(画像域すべてにMax濃度となる画像)とな
る画像情報量を1とした場合のビデオカウンタト積算値
である(但し積算は帯電部材の交換信号によりリセット
される)。実線が帯電部材印加DCバイアス値、破線が
現像バイアスDC値である。この場合、2.5K分のベ
タ画像で帯電部材に印加するDCバイアスと被帯電体の
帯電電位との差分ΔVが150Vになると予想し、それ
以降は意図的にかぶらせるため帯電部材印加DCバイア
スを50V変化させているのである。
【0122】この場合も、そのかぶりの発生をサインと
して接触帯電部材のメンテナンスもしくは交換を行なう
ことで、劣化した接触帯電部材による画像不良等の発生
や過度のキャリア付着等に起因する重大事故の発生を回
避することができる。
【0123】(7)その他 1)本発明において接触帯電部材は、磁気ブラシ帯電器
に限らず、ファーブラシ帯電器、導電性ゴムや導電性ス
ポンジを用いた帯電ローラ等であってもよいし、回転し
ない構成の接触帯電部材等であってもよい。
【0124】2)また、被帯電体(像担持体)としての
感光体についても、表面抵抗が109 〜1014Ω・cm
の低抵抗層を持つことが、電荷注入帯電を実現でき、オ
ゾンの発生防止の面から望ましいが、上記以外の有機感
光体等でもよい。即ち接触帯電は、実施形態例の電荷注
入帯電方式に限らず、放電現象が支配的な接触帯電系で
あっても良い。
【0125】3)また現像装置としては2成分現像法に
ついてのみ述べたが、他の現像方法でもよい。好ましく
は、現像剤を感光体に対して接触させて潜像を現像する
1成分接触現像や2成分接触現像がより現像剤の同時回
収効果を高めるのに効果がある。
【0126】また、現像剤中のトナー粒子として重合ト
ナーを用いた場合には、上記の1成分接触現像や2成分
接触現像はもちろん1成分非接触現像や2成分非接触現
像など他の現像方法においても充分な回収効果が得られ
る。
【0127】4)接触帯電部材に印加する帯電バイアス
は直流電圧のみであってもよい。
【0128】5)交番電圧(交流電圧)の波形として
は、正弦波、矩形波、三角波等適宜使用可能である。ま
た、直流電源を周期的にオン/オフすることによって形
成された矩形はあっても良い。このように交番電圧の波
形としては周期的にその電圧値が変化するようなバイア
スが使用できる。
【0129】6)静電潜像形成のための画像露光手段と
しては、実施形態例の様にデジタル的な潜像を形成する
レーザー走査露光手段に限定されるものではなく、通常
のアナログ的な画像露光やLEDなどの他の発光素子で
も構わないし、蛍光燈等の発光素子と液晶シャッター等
の組み合わせによるものなど、画像情報に対応した静電
潜像を形成できるものであるなら構わない。
【0130】像担持体は静電記録誘電体等であっても良
い。この場合は、該誘電体面を所定の極性・電位に一様
に一次帯電した後、除電針ヘッド、電子銃等の除電手段
で選択的に除電して目的の静電潜像を書き込み形成す
る。
【0131】7)像担持体からトナー画像の転写を受け
る記録媒体は転写ドラム等の中間転写体であってもよ
い。
【0132】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、接
触帯電装置を用いた画像形成装置について、接触帯電部
材の許容以上の汚染(劣化)進行に伴う帯電不良等に起
因する画像不良等の発生、特には磁気ブラシ接触帯電部
材の汚染(劣化)が許容以上に進行した場合のキャリア
付着等に起因する重大トラブルが発生することを防止す
ることができ、所期の目的がよく達せられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の画像形成装置の概略図
【図2】感光体の層構成模型図
【図3】磁気ブラシ帯電器部分とその制御系の構成模型
【図4】現像装置部分の構成模型図
【図5】磁気ブラシ帯電器の劣化と帯電電位及び帯電器
電流値の関係を説明するための図(その1)
【図6】同上図(その2)
【図7】磁気ブラシ帯電器のキャリア付着条件を説明す
るための図
【図8】クリーナーレスシステムの画像形成装置例の概
略図
【図9】フィードフォワード系での実施例を説明するた
めの図
【図10】画像形成装置側の構成略図
【符号の説明】
A レーザービームプリンター B 画像読み取り装置(イメージスキャナー) 1 被帯電体(像担持体、感光ドラム) 2 接触帯電手段 20 磁気ブラシ帯電器(接触帯電部材) 3 レーザー走査部(レーザースキャナー) 4 現像装置 5 給紙カセット 6 転写装置 8 定着装置 9 クリーニング装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小宮 義行 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 五味 史光 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2H003 AA11 BB11 CC05 DD06 DD08 EE12 2H027 DA01 DA02 DA41 DA45 DB01 EA01 EA05 EC06 ED03 ED08 ED09 ED27 FB05 HB02 HB05 HB06 HB19 ZA07

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被帯電体に電圧を印加した帯電部材を接
    触させて被帯電体を帯電する接触帯電装置を用いた画像
    形成装置において、 被帯電体の帯電電位と帯電部材に印加した電圧との差分
    を検知する手段を有し、該手段の検知信号に応じて、少
    なくとも画像部に画像情報以外の像を形成することを特
    徴とする画像形成装置。
  2. 【請求項2】 被帯電体の帯電電位検知手段が、帯電部
    材を流れる電流値を検知する手段であることを特徴とす
    る請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 【請求項3】 被帯電体に電圧を印加した帯電部材を接
    触させて被帯電体を帯電する接触帯電装置を用いた画像
    形成装置において、 接触帯電装置の劣化を予測する手段を有し、該手段から
    の信号に応じて、接触帯電装置に印加するバイアスと現
    像器へ印加する電圧の少なくとも一方が変化し、画像部
    に画像情報以外の像が形成されることを特徴とする画像
    形成装置。
  4. 【請求項4】 接触帯電装置の劣化予測手段が、被帯電
    体に静電潜像を形成するための画像情報書き込み手段で
    書き込む画像情報をカウントする手段、画像形成枚数を
    カウントする手段であることを特徴とする請求項3に記
    載の画像形成装置。
  5. 【請求項5】 像担持体に電圧を印加した帯電部材を接
    触させて該像担持体を帯電する帯電手段と、該像担持体
    の帯電処理面に目的の画像情報に対応した静電潜像を形
    成する画像情報書き込み手段と、該静電潜像を現像剤に
    よって顕画化する現像手段と、該現像剤像を記録媒体に
    転写する転写手段を含む作像プロセス手段にて画像形成
    がなされ、前記現像手段が、前記転写手段によって現像
    剤像を記録媒体に転写した後に像担持体上に残留する転
    写残現像剤を回収する手段を兼ねていることを特徴とす
    る請求項1から4の何れか1つに記載の画像形成装置。
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