JP3535772B2 - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

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JP3535772B2
JP3535772B2 JP19151599A JP19151599A JP3535772B2 JP 3535772 B2 JP3535772 B2 JP 3535772B2 JP 19151599 A JP19151599 A JP 19151599A JP 19151599 A JP19151599 A JP 19151599A JP 3535772 B2 JP3535772 B2 JP 3535772B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真方式、静
電記録方式等によって像担持体上に形成された静電潜像
を現像して可視画像を形成する複写機、プリンタ、記録
画像表示装置、ファクシミリ等の画像形成装置に関す
る。 【0002】特に、像担持体の帯電装置が、帯電磁性キ
ャリア粒子を磁気拘束して構成させた磁気ブラシ部を有
する磁気ブラシ帯電部材の磁気ブラシ部を像担持体に当
接させ、帯電バイアスを該磁気ブラシ帯電部材に印加す
ることで該像担持体の帯電を行う磁気ブラシ帯電装置で
あり、現像装置が、トナー粒子と現像磁性キャリア粒子
から成る二成分現像剤を用いた現像装置である画像形成
装置に関する。 【0003】 【従来の技術】(A)現像装置 一般に、電子写真方式や静電記録方式の画像形成装置が
具備する現像装置(現像器)には、トナー粒子と現像磁
性キャリア粒子(以下、現像キャリアと称す)を主成分
とした二成分現像剤が用いられている。特に、電子写真
方式によりフルカラーやマルチカラー画像を形成するカ
ラー画像形成装置には、画像の色味などの観点から、殆
どの現像装置が二成分現像剤を使用している。 【0004】周知のように、この二成分現像剤のトナー
濃度(即ち、現像キャリア粒子及びトナー粒子の合計重
量に対するトナー重量の割合)は画像品質を安定化させ
る上で極めて重要な要素になっている。現像剤中のトナ
ー粒子は現像時に消費され、現像剤のトナー濃度は変化
する。このため、現像剤濃度制御装置(ATR)を使用
して適時現像剤のトナー濃度を正確に検出し、その変化
に応じてトナー補給を行ない、トナー濃度を常に一定に
制御し(T/D比制御)、画像の品位を保持する必要が
ある。 【0005】このように現像により現像装置の現像容器
内の現像剤濃度が変化するのを補正するために、即ち、
現像剤に補給するトナー量を制御するために、現像容器
中の現像剤のトナー濃度の検知及び濃度制御装置は従来
さまざまな方式の物が提案され実用化されている。 【0006】例えば、(a)現像剤担持体(一般に現像
スリーブが用いられる場合が多いので以下の説明は「現
像スリーブ」と称す)、あるいは現像容器の現像剤搬送
経路に近接し、現像スリーブ上に搬送された現像剤ある
いは現像容器内の現像剤に光を当てたときの反射率がト
ナー濃度により異なることを利用してトナー濃度を検知
し制御する現像剤濃度制御装置、あるいは(b)現像装
置の側壁に磁性の現像キャリアと非磁性のトナー粒子の
混合比率による見かけの透磁率を検知して電気信号に変
換するインダクタンスヘッド(センサー)を設置し、こ
のインダクタンスヘッドからの検出信号によって現像容
器内の現像剤の実際のトナー濃度を検知し、基準値との
比較によりトナーを補給するようにしたインダクタンス
検知方式の現像剤濃度制御装置が使用されている。 【0007】また、(c)像担持体(一般に感光体ドラ
ムが用いられる場合が多いので以下の説明では「感光体
ドラム」と称す)上に形成したパッチ画像濃度を、その
表面に対向した位置に設けた光源及びその反射光を受け
るセンサーにより読みとり、アナログーデジタル変換器
デジタル信号に変換した後CPUに送り、CPUで初
期設定値と比較し、初期設定値より濃度が高い場合、初
期設定値に戻るまでトナー補給が停止され、初期設定値
より濃度が低い場合、初期設定値に戻るまで強制的にト
ナーが補給され、その結果トナー濃度が間接的に所望の
値に維持される方式などがある。 【0008】しかし、上記(a)の現像スリーブ上に搬
送された現像剤あるいは現像容器内の現像剤に光を当て
たときの反射率からトナー濃度を検知する方式は、トナ
ー飛散等により検知手段が汚れてまった場合に正確にト
ナー濃度を検知できない等の問題がある。また(c)の
パッチ画像濃度から間接的にトナー濃度を制御する方式
は、複写機、或いは画像形成装置の小型化に伴い、パッ
チ画像を形成するスペースや検知手段を設置するスペー
スが確保できない等の問題があるこれに対し、(b)の
インダクタンス検知方式は、センサー単体のコストも安
価な事に加え、上記のようなスペースの問題、トナー飛
散による汚れの問題の影響を受けないため、低コスト、
小スペースの複写機、或いは画像形成装置において、最
適なトナー濃度検知方式といえる。 【0009】上記インダクタンス検知方式の現像剤濃度
制御装置(インダクタンス検知方式ATR)は、例えば
現像剤の見かけの透磁率が大きいと検知された場合、一
定体積内で現像剤中の現像キャリアが占める割合が多く
なりトナー濃度が低くなったことを意味するのでトナー
補給を開始する、逆に見かけの透磁率が小さくなった場
合、一定体積内で現像剤中の現像キャリアが占める割合
が少なくなりトナー濃度が高くなったことを意味するの
でトナー補給を停止する、というような制御に基づきト
ナー濃度を制御することになる。 【0010】(B)磁気ブラシ帯電装置 また、電子写真方式や静電記録方式の画像形成装置が具
備する電子写真感光体・静電記録誘電体などの像担持体
の帯電処理手段としては、一般にコロナ帯電器が使用さ
れてきた。 【0011】近年は、低オゾン・低電力等の利点を有す
ることから、接触帯電装置、即ち被帯電体に電圧を印加
した帯電部材を当接させて被帯電体の帯電を行う方式の
装置の実用化がなされてきている。特に、帯電部材とし
て導電ローラを用いたローラ帯電方式の装置が帯電の安
定性という点から好ましく用いられている。 【0012】しかし、上述のローラ帯電方式では、帯電
が帯電部材から被帯電体への放電により行われるため、
環境の変化による帯電ローラおよび電子写真感光体の電
気抵抗の変動により感光体の表面電位も変動する。 【0013】そこで、最近、環境変動の少ない帯電方式
として、導電性の接触帯電部材(帯電ファーブラシ、帯
電磁気ブラシ、帯電ローラ等)に電圧を印加し、トラッ
プ準位となる導電粉(SnO2 等)を分散させた電荷注
入層を表面に持つ感光体に感光体電位と同極の電荷を注
入して接触帯電を行う方法が開示されている。 【0014】この注入帯電方式は、環境依存性が少ない
だけでなく、放電を用いないため、印加電圧は感光体電
位と同程度で充分であり、また感光体の寿命を縮めるオ
ゾンを発生しない利点がある。 【0015】また、放電を用いた接触帯電では被帯電体
に所望の帯電電位Vsを得るために、その所望の帯電電
位Vsに放電開始電圧Vth(接触帯電部材に直流電圧
を印加して被帯電体の帯電が開始するときの接触帯電部
材の印加電圧)を上乗せした直流バイアスVs+Vth
を帯電部材に印加する必要があるが、電荷注入帯電では
帯電部材に印加した直流バイアスとほぼ同じ帯電電位V
sが得られるため、帯電用の電源のコストダウンも可能
になる。 【0016】このような電荷注入方式の場合の接触帯電
部材としては、帯電、接触の安定性などの点から、磁気
ブラシ帯電部材やファーブラシ帯電部材が好ましく用い
られる。 【0017】磁気ブラシ帯電部材は、給電電極を兼ねる
担持体に磁気拘束して形成保持させた導電性で磁性を有
する帯電磁性キャリア粒子(以下、帯電キャリアと称
す)の磁気ブラシ部を有し、該磁気ブラシを被帯電体に
接触させ、担持体に給電するものである。 【0018】より具体的には、帯電キャリアを直接マグ
ネット、あるいはマグネットを内包するスリーブ上に磁
気ブラシとして磁気的に拘束させて保持させ、該磁気ブ
ラシ帯電部材を停止あるいは回転させながら磁気ブラシ
部を被帯電体に接触させ、かつ電圧を印加する事によっ
て被帯電体を帯電処理するものである。 【0019】ファーブラシ帯電部材は、給電電極を兼ね
る担持体に担持させた導電性繊維のブラシ部(ファーブ
ラシ部)を有し、該導電性繊維ブラシ部を被帯電体に接
触させ、担持体に給電するものである。 【0020】磁気ブラシ帯電部材とファーブラシ帯電部
材との対比においては、ファーブラシ帯電部材は、長期
使用、長期放置による毛倒れが生じた場合に帯電性が悪
化してしまい、また帯電の均一性がブラシ径の制約等か
ら不均一になりやすいのに対し、磁気ブラシ帯電部材で
はそのような現象は起きず、均一で安定した帯電を行う
ことが可能となる。 【0021】(C)クリーナーレスシステム また、最近は、転写方式の画像形成装置について、装置
の小型化、簡易化、あるいはエコロジーの観点から廃ト
ナーを出さないなどの目的で、磁気ブラシ帯電装置で感
光体ドラム上に残留した転写残トナーを現像装置でいっ
たん回収するクリーナーレスシステムが実用化されてい
る。 【0022】これはトナーが磁気ブラシの帯電キャリア
との接触により感光体電位と同極の電荷を付与さている
と、印加電圧と感光体表面電位間の電位差△Vによって
生じる電界で、磁気ブラシに混入のトナーは磁気ブラシ
中から感光体表面に吐き出される。感光体上に吐き出さ
れたトナーは、再び現像装置によって回収される。 【0023】 【発明が解決しようとする課題】しかし、上記のような
磁気ブラシ帯電部材を用いた磁気ブラシ帯電装置におけ
る問題点として、磁気ブラシを構成している帯電キャリ
アの像担持体表面への付着、流出が起こることがある。
それが現像装置に回収されると、インダクタンス検知方
式センサーを用いた現像装置では、画像的には特に問題
ない微量の帯電キャリア付着であっても、コピー枚数が
大量になるにつれ、現像装置内に蓄積されることで、二
成分現像剤の現像キャリアと帯電キャリアの透磁率が異
なる場合に現像剤全体の見かけの透磁率が変化し、イン
ダクタンス検知方式センサーによるトナー濃度制御に誤
差が生じることがある。 【0024】つまり、帯電キャリアの透磁率が現像キャ
リアの透磁率より大きい場合は、現像容器中の現像剤の
トナー濃度は一定なのに、帯電キャリアが現像剤中に混
入すると現像剤の平均透磁率は大きいとインダクタンス
検知センサーには検知され、これは一定体積内で現像剤
中のキャリア粒子が占める割合が多くなりトナー濃度が
低くなったことを意味するので、トナー補給を開始して
しまい、適正なトナー濃度より高い濃度制御をしてしま
う。 【0025】逆に、帯電キャリアの透磁率が現像キャリ
アの透磁率より小さい場合は、帯電キャリアが現像剤中
に混入すると、現像剤の平均透磁率は小さいとインダク
タンス検知センサーに検知され、これは一定体積内で現
像剤中のキャリアが占める割合が少なくなりトナー濃度
が高くなったことを意味するので、トナー補給を停止し
てしまい、適正なトナー濃度より低い濃度制御をしてし
まう。 【0026】上記前者の場合は、トナー過補給により画
像濃度が濃くなる問題や、トナー量増加に伴い現像剤量
が増加し、現像剤が現像容器から溢れてしまう問題、あ
るいは現像剤中のトナー比率の増加に伴うトナー帯電量
低下によりトナー飛散等の問題を引き起こす。また後者
の場合は、現像剤中のトナー量減少による画像劣化、画
像濃度薄、或いはトナー帯電量増加による画像濃度薄等
の問題を引き起こす。 【0027】また、上記の問題は特に画像形成動作、す
なわちコピー枚数が多くなっていくに従いその影響が増
大する可能性がある。 【0028】さらに、本発明者等の検討によれば、帯電
キャリアの感光体ドラムヘの付着は特に低湿環境下、厳
密には空気中の絶対水分量が少ないほど付着量が増加す
ることがわかっている。これは以下のように説明でき
る。 【0029】本来、磁気ブラシによる注入帯電は、図1
6のモデル図に示すように、磁気ブラシ帯電装置の帯電
スリーブ201上に担持した帯電キャリア202からな
る磁気ブラシを感光体ドラム200に接触させて帯電さ
せる画像形成装置において、抵抗RとコンデンサCの直
列回路と等価であると見ることができる。帯電キャリア
202による注入帯電での理想的な帯電プロセスでは、
感光体ドラム200表面のある点が帯電キャリア202
と接触している時間(帯電ニップ部Nの幅×感光体ドラ
ム200の周速)にコンデンサCが充電され、感光体ド
ラム200の表面電位が印加電圧とほぼ同電位になる。 【0030】従って、感光体ドラムに対する帯電キャリ
アの付着は、物理的な付着や、遠心力によるキャリア飛
散などを除いて、電位差からくる付着はないはずであ
る。ところが低湿環境下においては、帯電キャリア及び
感光体ドラムは共に抵抗が高くなっており、帯電キャリ
アによる感光体ドラムヘの電荷の注入効率が低下するた
めに、帯電装置に印加したバイアスよりも感光体ドラム
表面の帯電電位が低下してしまう。そのために帯電キャ
リアで構成される磁気ブラシの先端部と感光体ドラム表
面の間に電位差がつき、帯電キャリアが感光体ドラムに
付着すると考えられる。 【0031】特に、磁気ブラシ帯電部材(注入帯電器)
で転写残トナーを回収するクリーナーレスシステムの場
合においては、磁気ブラシにトナーが混入し、その電気
抵抗は次第に大きくなっていく。そのため、帯電ニップ
通過中に十分な電荷の移動が行われず、帯電ニップ通過
後の感光体表面電位は印加電圧より小さくなってしまう
(感光体表面電位と印加電圧との電位差を△V)。感光
体電位の低下は、表面電位を検知する手段がなく現像バ
イアスをコントロールする手段がない場合において、現
像で非画像部へのトナー付着、いわゆるカブリを引き起
こし、また△Vが大きい場合は磁気ブラシの帯電キャリ
アが感光体表面に付着し、磁気ブラシ部から流出し、帯
電不良を起こしてしまうと同時に流出した帯電キャリア
が現像装置で回収されてしまうい易い。 【0032】そこで本発明は、磁気ブラシ接触帯電方式
・二成分現像方式の画像形成装置について、磁気ブラシ
帯電装置側の帯電キャリアが現像装置側の二成分現像剤
に混入しても、現像装置のインダクタンス検知センサー
のトナ一濃度制御に生じる誤差を可及的に小さくするこ
とを目的とする。 【0033】 【課題を解決するための手段】本発明は下記の構成を特
徴とする磁気ブラシ接触帯電方式・二成分現像方式の画
像形成装置である。 【0034】(1)帯電用磁性キャリアより構成された
磁気ブラシにて像担持体を接触帯電する帯電手段と、帯
電後の前記像担持体を露光して静電潜像を形成する露光
手段と、前記像担持体上の静電潜像を非磁性トナー及び
透磁率が前記帯電用磁性キャリアと異なる現像用磁性キ
ャリアより構成された現像剤の磁気ブラシにて現像する
現像手段と、を有する画像形成装置において、前記現像
手段内のトナー濃度を検知するため現像剤の透磁率に対
した情報を出力する磁気センサと、前記磁気センサの
出力を基準値と比較することで前記現像手段へ補給する
トナー量を制御する制御手段と、雰囲気環境を検知する
環境センサと、前記環境センサの出力に基づいた前記現
像手段への前記帯電用磁性キャリアの混入量に応じて前
記基準値を補正する補正手段と、を有することを特徴と
する画像形成装置。 【0035】 【0036】 【0037】 【0038】 【0039】 【0040】 【0041】 【0042】 【0043】 【0044】 【0045】 【0046】 【0047】 【0048】〈作 用〉 本発明によれば、磁気ブラシ帯電に用いている帯電キャ
リアが、画像形成動作が繰り返されることで、像担持体
への帯電キャリア付着等により現像装置内へ持ち運ばれ
て二成分現像剤に混入して蓄積される場合において、環
境(温湿度)の相違により現像装置内への混入割合に相
違が生じ、その結果帯電キャリアと現像キャリアの透磁
率の相違により最適なトナー濃度である現像剤全体の平
均透磁率が変化する割合が温湿度の相違で異なっても、
現像手段へ補給するトナー量を制御する制御手段におい
て磁気センサの出力を比較する基準値を雰囲気環境を検
知する環境センサの出力に基づいた前記現像手段への前
記帯電用磁性キャリアの混入量に応じて補正手段で補正
することで、様々な環境下において画像形成動作が繰り
返されていっても、常にトナー補給が適切に行われるた
め、より誤差の少ないトナー濃度制御(T/D比制御)
が可能となる。すなわち、帯電用磁性キャリアの現像手
段への混入割合が環境に応じて変動することがあっても
トナー補給量を適性化することができる。 【0049】 【発明の実施の形態】〈実施例1〉 (1)画像形成装置例(図1) 図1は画像形成装置例の概略構成図である。本実施例の
画像形成装置は、転写式電子写真プロセス、磁気ブラシ
帯電方式、二成分現像方式、クリーナーレスプロセスの
レーザービームプリンタである。 【0050】1は像担持体としての回転ドラム型の電子
写真感光体(感光体ドラム)である。本実施例の感光体
ドラム1は負帯電性・電荷注入帯電性のOPC感光体
(有機光導電性感光体)であり、矢示の時計方向に15
0mm/sec.のプロセススピード(周速度)で回転
駆動される。 【0051】2は感光体ドラム1の面を所定の極性・電
位に一様に帯電処理する接触帯電装置としての磁気ブラ
シ帯電装置(帯電器)である。回転する感光体ドラム1
の面はこの磁気ブラシ帯電装置2によりほぼ−700V
に電荷注入帯電方式で一様に帯電処理される。 【0052】3は画像情報書き込み手段としてのレーザ
ービームスキャナーである。このレーザービームスキャ
ナー3は、半導体レーザー、ポリゴンミラー、F−θレ
ンズ等を有してなり、CCD等の光電変換素子を有する
原稿読み取り装置、電子計算機、ワードプロセッサー等
の不図示のホスト装置から入力する目的の画像情報の時
系列電気デジタル画素信号に対応して変調されたレーザ
ー光Lを射出して、回転感光体ドラム1の一様帯電処理
面をレーザー光走査露光する。このレーザー光走査露光
により回転感光体ドラム1の周面に目的の画像情報に対
応した静電潜像が形成される。 【0053】4は、非磁性トナーと、磁性キャリアを混
合した現像剤による二成分接触現像方式の現像装置(現
像器)であり、回転感光体ドラム1面の静電潜像をトナ
ー画像として反転現像する。 【0054】5は感光体ドラム1の下側に配設した転写
装置であり、本実施例の該転写装置は転写ベルトタイプ
である。5aは無端状の転写ベルト(例えば、膜厚75
μmのポリイミドのベルト)であり、駆動ローラ5bと
従動ローラ5c間に懸回張設されていて、感光体ドラム
1の回転方向に順方向に感光体ドラム1の回転周速度と
ほぼ同じ周速度で回動される。5dは転写ベルト51の
内側に配設した導電性ブレードであり、転写ベルト5a
の上行側ベルト部分を感光体ドラム1の下面部分に加圧
して転写部位としての転写ニップ部Tを形成させてい
る。 【0055】6は給紙カセットであり、紙などの転写材
Pを積載収納させてある。給紙ローラ61の駆動により
給紙カセット6内に積載収納の転写材Pが1枚分離給紙
され、搬送ローラ62等を含むシートパス63を通って
所定の制御タイミングにて回転感光体ドラム1と転写装
置5の転写ベルト5aとの間の転写ニップ部Tに給送さ
れる。 【0056】転写ニップ部Tに給送された転写材Pは回
転感光体ドラム1と転写ベルト5aの間を挟持搬送さ
れ、その間、導電性ブレード5dに転写バイアス印加電
源E3から所定の転写バイアスが印加されて、転写材P
の裏面からトナーと逆極性の帯電がなされる。これによ
り、転写ニップ部Tを通る転写材Pの表面側に回転感光
体ドラム1面側のトナー画像が順次に静電転写されてい
く。 【0057】転写ニップ部Tを通ってトナー画像の転写
を受けた転写材Pは回転感光体ドラム1面から順次に分
離されてシートパス64を通って定着装置(例えば熱ロ
ーラ定着装置)7に導入されてトナー画像の定着処理を
受けてプリントアウトされる。 【0058】本実施例のプリンタはクリーナーレスプロ
セスであり、転写ニップ部Tで転写材Pに転写されずに
回転感光体ドラム1の表面に残ったトナーを除去する専
用のクリーナーは配設していないが、転写残トナーは引
き続く感光体ドラム1の回転で、感光体ドラム1に接触
している導電性ブラシ8の位置を通って磁気ブラシ帯電
装置2の位置に至り、感光体ドラム1に接触している磁
気ブラシ帯電部材21の磁気ブラシ部に一時的に回収さ
れ、その回収トナーが再び感光体ドラム1面に吐き出さ
れて最終的に現像装置4に現像同時クリーニングで回収
され、感光体ドラム1は繰り返して作像に供される。 【0059】導電性ブラシ8は転写残トナーを除電また
は逆帯電させて磁気ブラシ帯電部材21での回収効率を
向上させるものであり、電源E4から、ACバイアス、
帯電と逆極性のDCバイアス、またはACを重畳した帯
電と逆極性のDCバイアスを印加してある。 【0060】現像同時クリーニングとは、転写後に感光
体上に若干残留したトナーを次工程以後の現像時にかぶ
り取りバイアス(現像手段に印加する直流電圧と感光体
の表面電位間の電位差であるかぶり取り電位差Vback)
によって回収する方法である。この方法によれば、転写
残トナーは現像手段に回収されて次工程以後用いられて
いるため、廃トナーをなくし、メンテンナンスに手を煩
わせることも少なくすることができる。またクリーナー
レスであることでスペース面での利点も大きく、画像形
成装置を大幅に小型化できるようになる。 【0061】(2)感光体ドラム1(図2) 本実施例の感光体ドラム1は前述したように負帯電性・
電荷注入帯電性のOPC感光体であり、図2に層構成模
型図を示したように、φ30mmのアルミニウム製のド
ラム基体11上に第1〜第5の機能層12〜16を下か
ら順に設けたものである。 【0062】第1層12;下引き層であり、アルミニウ
ムドラム基体11の欠陥などをならすため、またレーザ
ー露光の反射によるモアレの発生を防止するために設け
られている厚さ約20μmの導電層である。 【0063】第2層13;正電荷注入防止層であり、ア
ルミニウムドラム基体11から注入された正電荷が感光
体表面に帯電された負電荷を打ち消すのを防止する役割
を果たし、アミラン樹脂とメトキシメチル化ナイロンに
よって106 Ω・cm程度に抵抗調整された厚さ約1μ
mの中抵抗層である。 【0064】第3層14;電荷発生層であり、ジスアゾ
系の顔料を樹脂に分散した厚さ約0.3μmの層であ
り、レーザー露光を受けることによって正負の電荷対を
発生する。 【0065】第4層15;電荷輸送層であり、ポリカー
ボネイト樹脂にヒドラゾンを分散したものであり、P型
半導体である。従って、感光体表面に帯電された負電荷
はこの層を移動することはできず、電荷発生層14で発
生した正電荷のみを感光体表面に輸送することができ
る。 【0066】第5層16;電荷注入層であり、バインダ
ーとしての光硬化性のアクリル樹脂に光透過性の導電フ
ィラーであるアンチモンをドーピングして低抵抗化(導
電化)した粒径0.03μmの酸化錫SnO2 の超微粒
子17を樹脂に対して70重量パーセント分散した材料
の厚さ約3μmの塗工層である。この電荷注入層16の
電気抵抗値は、充分な帯電性と画像流れを起こさない条
件である1×1010〜1×1014Ω・cmである必要が
ある。本実施例では表面抵抗が1×1011Ω・cmの感
光体ドラムを用いた。 【0067】(3)磁気ブラシ帯電装置2(図3) 図3は磁気ブラシ帯電装置2の拡大横断面模型図であ
る。本実施例の磁気ブラシ帯電装置2は、大きく分け
て、磁気ブラシ帯電部材21、該磁気ブラシ帯電部材2
1と帯電キャリア(帯電磁性キャリア)caを収容させ
た容器(ハウジング)25、磁気ブラシ層厚規制ブレー
ド26、磁気ブラシ帯電部材21に対する帯電バイアス
印加電源E1等からなる。 【0068】磁気ブラシ帯電部材21は本実施例のもの
はスリーブ回転タイプであり、マグネットロール(磁
石)22と、このマグネットロールに外嵌させた非磁性
ステンレス製スリーブ(電極スリーブ、導電スリーブ、
帯電スリーブなどと称される)23と、該スリーブ23
の外周面にスリーブ内部のマグネットロール22の磁気
力で磁気拘束させて形成保持させた帯電キャリアcaの
磁気ブラシ部24からなる。 【0069】マグネットロール22は非回転の固定部材
であり、スリーブ23はこのマグネットロール22の外
回りを矢示の時計方向に不図示の駆動系により所定の周
速度、本実施例では225mm/sec.の周速で回転
駆動される。またスリーブ23は感光体ドラム1に対し
てスペーサコロ等の手段で500μm程度の隙間を保た
せて対向させて配設してある。 【0070】磁気ブラシ層厚規制ブレード26は容器2
5に取り付けた非磁性ステンレス製ブレードであり、ス
リーブ23表面とのギャップが900μmになるように
配置されている。 【0071】容器25内の帯電キャリアcaはその一部
がスリーブ23の外周面にスリーブ内部のマグネットロ
ール22の磁気力で磁気拘束されて磁気ブラシ部24と
して保持される。磁気ブラシ部24はスリーブ23の回
転駆動に伴い、スリーブ23と一緒にスリーブ23と同
方向に回転する。このとき磁気ブラシ部24の層厚はブ
レード26により均一厚さに規制される。そしてその磁
気ブラシ部24の規制層厚はスリーブ23と感光体ドラ
ム1との対向隙間部の間隔より大きいから、磁気ブラシ
部24はスリーブ23と感光体ドラム1との対向部にお
いて感光体ドラム1に対して所定幅のニップ部を形成し
て接触する。この接触ニップ部が帯電ニップ部Nであ
る。従って、回転感光体ドラム1は帯電ニップ部Nにお
いて磁気ブラシ帯電部材21のスリーブ23の回転に伴
ない回転する磁気ブラシ部24で摺擦される。この場
合、帯電ニップ部Nにおいて感光体ドラム1の移動方向
と磁気ブラシ部24の移動方向は逆方向となり、相対移
動速度は速くなる。 【0072】スリーブ23と磁気ブラシ層厚規制ブレー
ド26には電源E1から所定の帯電バイアスが印加され
る。 【0073】而して、感光体ドラム1が回転駆動され、
磁気ブラシ帯電部材21のスリーブ23が回転駆動さ
れ、電源E1から所定の帯電バイアスが印加されること
で、回転感光体ドラム1の周面が本実施例の場合は電荷
注入帯電方式で所定の極性・電位に一様に接触帯電処理
される。 【0074】スリーブ23内に固定配置されているマグ
ネットロール22は、スリーブ23と感光体ドラム1の
最近接位置gから感光体ドラム回転方向上流側10°の
位置に約900Gの磁極(主極)N1を配置してある。 【0075】この主極N1は、スリーブ23と感光体ド
ラム1の最近接位置gとの角度θを感光体ドラム回転方
向上流側20°から下流側10°の範囲に入るようにす
ることが望ましく、上流側15°〜0°であればさらに
良い。それより下流だと主極N1位置に帯電キャリアc
aが引きつけられ、帯電ニップ部Nの感光体ドラム回転
方向下流側に帯電キャリアcaの滞留が発生しやすくな
り、また上流すぎると、帯電ニップ部Nを通過した帯電
キャリアcaの搬送性が悪くなり、滞留が発生しやすく
なる。 【0076】また、帯電ニップ部Nに磁極がない場合に
は、帯電キャリアcaに働くスリーブ23への拘束力が
弱くなり、帯電キャリアcaが感光体ドラム1に付着し
やすくなるのは明らかである。 【0077】ここで述べている帯電ニップ部Nは、帯電
時に磁気ブラシ部24の帯電キャリアcaが感光体ドラ
ム1と接触している領域を示す。 【0078】帯電バイアスは電源E1によってスリーブ
23と規制ブレード26に印加される。本実施例ではD
C成分にAC成分が重畳しているバイアスを用いてい
る。 【0079】帯電ニップ部Nにおける、磁気ブラシ帯電
部材21の磁気ブラシ部24による感光体ドラム1面の
摺擦と、磁気ブラシ帯電部材21への帯電バイアスの印
加により、磁気ブラシ部24を構成している帯電キャリ
アcaから電荷が感光体ドラム1上に与えられ、感光体
ドラム1面が所定の極性・電位に一様に接触帯電され
る。本例の場合は前述したように感光体ドラム1はその
表面に電荷注入層16を具備させたものであるから、電
荷注入帯電により感光体ドラム1の帯電処理がなされ
る。即ち、感光体ドラム1面が帯電バイアスDC+AC
のDC成分に対応した電位に帯電される。スリーブ23
は回転速度が速いほど帯電均一性が良好になる傾向にあ
る。 【0080】帯電バイアスDC+ACにおいて、DC成
分は必要とされる感光体ドラム1の表面電位と同値、本
実施例では−700Vとした。 【0081】画像形成時(作像時)におけるAC成分
は、そのピーク間電圧Vppは、100V以上2000
V以下、特に300V以上1200V以下が好ましい。
ピーク間電圧Vppがそれ以下では、帯電均一性、電位
の立ち上がり性向上の効果が薄く、それ以上では、帯電
キャリアcaの滞留や感光体ドラムへの付着が悪化す
る。 【0082】周波数は100Hz以上5000Hz以
下、特に500Hz以上2000Hz以下が好ましい。
それ以下では、帯電キャリアcaの感光体ドラムへの付
着悪化や、帯電均一性、電位の立ち上がり性向上の効果
が薄くなり、それ以上でも帯電均一性、電位の立ち上が
り性向上の効果が得られにくくなる。 【0083】AC成分の波形は矩形波、三角波、sin
波などがよい。 【0084】磁気ブラシ部24を構成させる帯電キャリ
アcaは、本実施例では、燒結した強磁性体(フェライ
ト)を還元処理したものを用いたが、他に樹脂と強磁性
体粉を混練して粒子状に整形したもの、もしくはこれに
抵抗値調節のために導電性カーボン等を混ぜたものや、
表面処理を行ったものも同様に用いることができる。 【0085】磁気ブラシ部24の帯電キャリアcaは感
光体ドラム表面のトラップ順位に電荷を良好に注入する
役割と、感光体ドラム上に生じたピンホールなどの欠陥
に帯電電流が集中してしまうことに起因して生じる帯電
部材及び感光体ドラムの通電破壊を防止する役割を兼ね
備えていなければならない。 【0086】従って、磁気ブラシ帯電部材21の抵抗値
は1×104 Ω〜1×109 Ωであることが好ましく、
特には1×104 Ω〜1×107 Ωであることが好まし
い。磁気ブラシ帯電部材21の抵抗値が1×104 Ω未
満ではピンホールリークが生じやすくなる傾向があり、
1×109 Ωを越えると良好な電荷の注入がしにくくな
る傾向にある。また、抵抗値を上記範囲内に制御するた
めには、帯電キャリアcaの体積抵抗値は1×104 Ω
・cm〜1×109 Ω・cmであることが好ましく、特
には1×104 Ω・cm〜1×107 ・cmであること
が好ましい。 【0087】帯電キャリアcaの体積抵抗値は図4に示
す要領で測定した。すなわち、セル100に帯電キャリ
アcaを充填し、該充填帯電キャリアcaに接するよう
に主電極101及び上部電極102を配し、該電極10
1・102間に定電圧電源E5から電圧を印加し、その
とき流れる電流を電流計103で測定することにより求
めた。104は絶縁物、105は電圧計、106はガイ
ドリングを示す。 【0088】その測定条件は、23℃、65%の環境
で、充填帯電キャリアcaのセルとの接触面積S=2c
2 、厚みd=1mm、上部電極102の荷重10k
g、印加電圧100Vである。 【0089】帯電キャリアcaの平均粒径及び粒度分布
測定におけるピークは5〜100μmの範囲にあること
が、粒子表面の汚染による帯電劣化防止の観点から好ま
しい。帯電キャリアcaの平均粒径は、水平方向最大弦
長で示し、測定法は顕微鏡法により磁性粒子300個以
上をランダムに選び、その径を実測して算術平均をと
る。 【0090】本実施例で用いた帯電キャリアcaの透磁
率は270emu/cm2 であり、磁気ブラシ帯電部材
21の抵抗値は1×106 Ω・cmであり、帯電バイア
スのDC成分として−700Vを印加することで、感光
体ドラム1の表面電位も−700Vとなった。 【0091】(4)現像装置4(図5) 図5は現像装置4の拡大模型図である。現像装置4は感
光体ドラム1に対向して配置されており、その内部は垂
直方向に延在する隔壁41によって第1室(現像室)4
2と第2室(攪拌室)43とに区画されている。 【0092】第1室42には矢印の時計方向に回転する
現像剤担持体としての非磁性の現像スリーブ44が配置
されており、この現像スリーブ44内にマグネット45
が固定配置されている。 【0093】現像スリーブ44はブレード46によって
層厚規制された、現像キャリア(磁性現像キャリア)c
bと非磁性トナーtを含む二成分現像剤47の層を担持
搬送し、感光体ドラム1と対向する現像領域mで現像剤
を感光体ドラム1に供給して静電潜像をトナー画像とし
て現像する。本実施例では反転現像である。 【0094】現像効率、即ち潜橡へのトナーの付与率を
向上させるために、現像スリーブ44には電源E2から
直流電圧DCを交流電圧ACに重畳した現像バイアス電
圧が印加されている。 【0095】第1室42及び第2室43にはそれぞれ現
像剤攪拌スクリュー48及び49が配置されている。ス
クリュー48は第1室42中の二成分現像剤47(cb
+t)を攪拌搬送し、また、スクリュー49は、後述す
るトナー補給槽50(図1)のトナー排出口51から搬
送スクリュー52の回転によって供給されたトナーtと
既に現像装置内にある現像剤47とを攪拌搬送し、トナ
ー濃度を均一化する。 【0096】隔壁41には図5おける手前側と奥側の端
部において第1室42と第2室43とを相互に連通させ
る現像剤通路(図示せず)が形成されており、上記スク
リュー48・49の搬送力により、現像によってトナー
が消費されてトナー濃度の低下した第1室42内の現像
剤47が一方の通路から第2室43内へ移動し、第2室
43内でトナー濃度の回復した現像剤47が他方の通路
から第1室42内へ移動するように構成されている。 【0097】本実施例では、静電潜像の現像により現像
装置内の現像剤濃度(トナー濃度)が変化するのを補正
するために、即ち、現像装置4に補給するトナー量を制
御するために、現像装置4の第1室(現像室)42の底
壁にインダクタンスヘッド(インダクタンス検知センサ
ー)53が設置され、このインダクタンスヘッド53か
らの検出信号によって現像装置4内の現像剤47のトナ
ー濃度、より具体的には第1室42内の現像剤47の実
際のトナー濃度を検知し、基準値との比較によりトナー
を補給するようにしたインダクタンス検知方式ATRが
設けられている。 【0098】a)二成分現像剤47 .トナー粒子t:トナー粒子は、特に限定されるもの
ではなく、例えば球形重合トナーで、その製法は重合法
のモノマーに着色剤及び荷電制御剤を添加したモノマー
組成物を水系の媒体中で懸濁し重合させることで球形状
のトナー粒子を得た。この方法は安価に球形状のトナー
を作製するには好適である。また従来多く用いられてい
る粉砕法で作製したトナーを使用してもかまわない。 【0099】.現像キャリアcb:現像キャリアは、
低磁化キャリアが用いられており、上記球形重合トナー
tとの組み合わせで高画質化が達成される。 【0100】本発明者らの実験によると、現像剤担持体
(現像スリーブ44)と像担持体(感光体ドラム1)と
の距離(以下、S−Dgapと称す)が300〜100
0μm、単位面積当たりの現像剤担持体上の現像剤量
(以下、M/Sと称す)が20〜50mg/cm2 、ト
ナーtと現像キャリアの混合量比(T/D比)が5〜1
2%の範囲内では、現像キャリアcbの磁化の強さは、
磁場1キロエルステッドにおける磁化の強さ(σ100
0)が200emu/cm3 以下、好ましくは140e
mu/cm3 以下であれば、隣り合う磁気ブラシの磁気
的な相互作用が低磁化量のために小さく、その結果、磁
気ブラシの穂が緻密にかつ短くなることにより、磁気ブ
ラシが潜像上のトナー付着面をソフトにはくので、現像
トナーがかき取られる、いわゆるスキャベンジングを防
ぎ、画像として解像度の高いものを提供できる。本実施
例では現像キャリアcbの磁化の強さ(σ1000)は
135emu/cm3 である。 【0101】なお、上記した磁化特性は理研電子(株)
製の振動磁場型磁気特性自動記録装置BHV−30を用
いて測定した。キャリア粉体の磁気特性値は1キロエル
ステッドの外部磁場を作り、その時の磁化の強さを求め
る。キャリアは円筒状のプラスチック容器に十分密にな
るようなパッキングした状態に作製する。この状態で磁
化モーメントを測定し、試料を入れたときの実際の重量
を測定して、磁化の強さ(emu/g)を求める。つい
で、キャリア粒子の真比重を乾式自動密度計アキュピッ
ク1330(島津製作所(株)社製)により求め、磁化
の強さ(emu/g)に真比重をかけることで、単位体
積あたりの磁化の強さ(emu/cm3)を求めた。 【0102】本実施例で用いている、磁気ブラシ帯電装
置の帯電キャリアca及び二成分現像装置の現像キャリ
アcbはともに軟磁性体であり、1キロエルステッド程
度の磁場中までは磁化の強さは磁場の増加と共に線形的
に増加する。 【0103】従って透磁率は、図6に示す傾きtan
α、tanβに比例することになる。帯電キャリアca
は現像キャリアcbと比較して磁化の強さ(σ100
0)がほぼ2倍なので、透磁率も2倍になる。このこと
から同じトナー濃度であっても透磁率の異なる磁性キャ
リアであった場合、インダクタンス検知センサーの検知
出力信号は異なるものとなることがわかる。 【0104】b)インダクタンス検知方式ATR 上述したように、二成分現像剤47は磁性の現像キャリ
アcbと非磁性のトナーtを主成分としており、現像剤
47のトナー濃度(現像キャリア粒子及びトナー粒子の
合計重量に対するトナー粒子重量の割合)が変化する
と、現像キャリアcbとトナーtの混合比率による見か
けの透磁率が変化する。 【0105】この見かけの透磁率をインダクタンスヘッ
ド53によって検知して電気信号に変換すると、図7に
示すように、この電気信号はトナー濃度に応じてほぼ直
線的に変化する。即ち、インダクタンスヘッド53から
の出力電気信号は現像装置内の二成分現像剤47の実際
のトナー濃度に対応する。 【0106】このインダクタンスヘッド53からの出力
電気信号の処理を図8を用いて説明する。 【0107】インダクタンスヘッド53からの出力電気
信号を比較器54の一方の入力に供給する。この比較器
54の他方の入力には基準電圧信号源55から、現像剤
47の規定のトナー濃度(初期設定値におけるトナー濃
度)における見かけの透磁率に対応する基準電気信号が
入力されている。従って、比較器54は規定トナー濃度
と現像装置内の実際のトナー濃度とを比較することにな
るので、両人力信号の比較結果として、比較器54の検
出信号はCPU56に供給される。 【0108】CPU56は、比較器54からの検出信号
に基づいて、次回のトナー補給時間を補正するように制
御する。 【0109】例えば、インダクタンスヘッド53によっ
て検出された現像剤47の実際のトナー濃度が規定値よ
りも小である場合には、つまり、トナーが補給不足であ
る場合には、CPU56は不足分のトナーを現像装置4
に補給するようにトナー補給槽50の搬送スクリュー5
2を作動させる。即ち、比較器54からの検出信号に基
づいて、不足分のトナーを現像装置4に補給するに要す
るスクリュー回転時間を算出し、モータ駆動回路57を
制御してその時間だけモータMを回転駆動し、不足分の
トナーを現像装置4に補給する。 【0110】また、インダクタンスヘッド53によって
検出された現像剤47の実際のトナー濃度が規定値より
も大である場合には、つまり、トナーが過剰補給である
場合には、CPU56は比較器54からの検出信号に基
づいて現像剤中の過剰トナー量を算出する。そして、そ
の後の原稿による画像形成に際しては、この過剰トナー
量が無くなるようにトナーを補給させるか、或は過剰ト
ナー量が消費されるまでトナーを補給せずに画像を形成
させ、即ち、トナー無補給で画像を形成して過剰トナー
量を消費させ、過剰トナー量が消費されたらトナー補給
動作を前述の通り行なわせる等の制御を行なう。 【0111】次に、図9のフローチャートを参照して上
記インダクタンス検知方式ATRの動作についてさらに
説明する。 【0112】ブロック(ステップ)S501で画像形成
装置をスタートさせると、ブロックS502でトナー濃
度検出がスタートする。 【0113】ブロックS503にてインダクタンスヘッ
ド53からの検出電圧信号aを比較器54に入力し、ブ
ロックS504で比較器54にて基準電圧信号源55に
よる基準電圧信号bと比較され、ブロックS505にて
その検出信号差(a−b)をCPU56に送る。 【0114】ブロックS506ではCPU56において
(a−b)>0かどうかを判断し、トナー濃度が基準値
より低い場合(YES)、ブロックS507でトナー補
給時間が決定される。 【0115】ブロックS508でコピー動作が開始され
た後、ブロックS509でブロックS507で決定され
たトナー補給時間だけ像間でトナー補給が行われ、スタ
ートに戻る。 【0116】また、ブロックS506でトナー濃度が基
準値より高い場合(NO)、ブロックS510のコピー
動作が開始され、トナーが補給されないでスタートに戻
る。 【0117】なお、トナー濃度検出のタイミングはコピ
ー動作再開直前でも、コピー動作中でも構わない。例え
ば、画像形成装置動作1枚目はコピー動作再開直前、そ
れ以後はコピー動作中に検出しても構わない。 【0118】また本実施例に用いているインダクタンス
検知方式ATRにおいては、最適なトナー濃度(本実施
例では6%である。この値より高すぎるとトナーの飛散
等が生じ、低すぎると画像濃度が薄くなる等の問題が生
じることがある。)における検出信号の基準値を2.5
Vになるように調整しており、基準値よりセンサー53
の検出信号が大きければ(例えば3.0V)トナーを補
給し、センサー53の検出信号が小さければ(例えば
2.0V)トナー補給を停止することになっているが、
本発明は当然上記の信号処理に限定されるものではな
く、回路の構成を変更して基準値が2.5V以外の値で
あってもよく、またトナー濃度が最適値より低いときセ
ンサー53の基準値よりセンサー53の検出信号が小さ
くなるようにし、トナー濃度が最適値より高い時センサ
ー53の検出信号が大きくなるようにしても構わない。 【0119】c)検出信号基準値補正手段 さて上記のような構成においては、前記の[発明が解決
しようとする課題]の項で述べたように、磁気ブラシ帯
電装置2における問題点として、磁気ブラシ帯電部材2
1の磁気ブラシ部24を構成している帯電キャリアca
の感光体ドラム1表面への付着・流出が起こることがあ
る。これが二成分現像装置4に回収されると、インダク
タンス検知方式センサー53を用いた現像装置4では、
画像的には特に問題ない微量の帯電キャリア付着であっ
ても、コピー枚数が大量になるにつれ、その回収帯電キ
ャリアcaが現像装置4内に蓄積されることで、現像キ
ャリアcbと帯電キャリアcaの透磁率が異なる場合に
現像剤全体の見かけの透磁率が変化し、インダクタンス
検知方式センサー53によるトナー濃度制御に誤差が生
じることがある。 【0120】例えば、図10の(b)に示すように、現
像剤の最適なトナー濃度6%においてはインダクタンス
ヘッド53からの検出信号の初期値は2.5Vに設定さ
れている。しかし、画像形成動作が繰り返されるにつれ
て現像装置4内に帯電キャリアcaが徐々に蓄積されて
くると、帯電キャリアcaの透磁率が現像キャリアcb
の透磁率より大きい場合は、現像剤47の見かけの透磁
率は図10の(a)の点線(i)のように徐々に大きく
なっていき、帯電キャリアcaの透磁率が現像キャリア
cbの透磁率より小さい場合は点線(ii)のように徐々に
小さくなっていくことになる。 【0121】従って、もしトナー濃度が初期の6%に制
御されているとすると、その出力は、帯電キャリアca
の透磁率が現像キャリアcbの透磁率よりも大きい場合
は図10の(b)の点線(i)のように徐々に大きくな
っていき、帯電キャリアcaの透磁率が現像キャリアc
bの透磁率よりも小さい場合は点線(ii)のように徐々に
小さくなっていくことになる。 【0122】しかし実際はインダクタンス検知センサー
53ではあくまでも初期の基準値2.5Vになるように
(図10の(b)の(iii) )トナー補給がなされる結
果、図10の(c)に示すように、帯電キャリアcaの
透磁率が現像キャリアcbの透磁率よりも大きい場合は
図10の(c)の点線(i)のようにトナー濃度は徐々
に高くなってしまい、帯電キャリアcaの透磁率が現像
キャリアcbの透磁率よりも小さい場合は図10の
(c)の点線(ii)のようにトナー濃度が徐々に低くなっ
てしまうことになる。 【0123】上記では、帯電キャリアcaの透磁率が現
像キャリアcbの透磁率より大きい場合と小さい場合の
それぞれについてその現象を述べたが、以下には本実施
例に用いているように、帯電キャリアcaの透磁率が現
像キャリアcbの透磁率より大きい場合(約2倍)につ
いて、より具体的にのべることにする。ただし本発明は
帯電キャリアcaの透磁率が現像キャリアcbの透磁率
より大きい場合に限定されるものではなく、当然両者の
透磁率が異なれば適用することが可能である。 【0124】本発明者らの検討では、本実施例に示した
画像形成装置は、温湿度の異なる環境において画像形成
動作を50000回繰り返すと、帯電キャリアcaの現
像装置4への混入量は、その温湿度により異なることが
分かっている。具体的には図11に示すように、低湿に
なるほど、厳密には空気中の絶対水分量が少ないほど帯
電キャリアcaや感光体ドラム1の抵抗が高くなるた
め、前記に示した理由により帯電キャリアcaの感光体
ドラム1への付着及び現像装置4の二成分現像剤47へ
の混入が増加することになる。 【0125】例えば、25℃/50%の環境において、
帯電キャリアcaの現像装置4への混入量は約10g/
50000回程度であった。そこで最適なトナー濃度に
設定し、その時のインダクタンス検知センサー53の検
出信号を2.5Vに設定した場合に、その現像剤47に
強制的に帯電キャリアcaを10gを混入させると、現
像剤47の見かけの透磁率が大きくなるので、初期の最
適なトナー濃度を維持した場合のインダクタンス検知セ
ンサー53の検出信号は初期の基準値2.5Vから3.
0Vへ0.5V上昇してしまっていた。 【0126】従って、実際は検出信号が2.5Vになる
ようにトナー補給がなされるため、結果的にトナー補給
が過剰に行われ、本画像形成装置に用いたインダクタン
ス検知センサー53の感度は0.5V/%(図7)なの
で、画像形成動作を50000回繰り返した結果、最終
的にはトナー濃度が最適なトナー濃度6%から1%ずれ
てしまい、7%に制御されてしまった。 【0127】また同様に、23℃/5%の環境において
帯電キャリアcaの現像装置4への混入量は約20g程
度であった。そこで最適なトナー濃度に設定し、その時
のインダクタンス検知センサー53の検出信号を2.5
Vに設定した場合に、その現像剤47に強制的に帯電キ
ャリアcaを20gを混入させると、現像剤47の見か
けの透磁率が大きくなるので、初期の最適なトナー濃度
を維持した場合のインダクタンス検知センサー53の検
出信号は初期の基準値2.5Vから3.5Vへ1.0V
上昇してしまっていた。 【0128】従って、実際は検出信号が2.5Vになる
ようにトナー補給がなされるため、結果的にトナー補給
が過剰に行われ、本画像形成装置に用いたインダクタン
ス検知センサー53の感度は0.5V/%(図7)なの
で、画像形成動作を50000回繰り返した結果、最終
的にはトナー濃度が最適なトナー濃度6%から2%ずれ
てしまい、8%に制御されてしまった。 【0129】そこで本実施例では、帯電キャリアcaの
現像装置4内の現像剤47への混入によるインダクタン
ス検知方式ATRの誤検知を補正し、画像形成動作が大
量に繰り返されても、トナー濃度を所定の値に一定に保
つような検出信号基準値補正手段と、前記検出信号補正
量が環境センサーの情報から決定されることで、上記の
欠点を除去するものである。 【0130】図8のブロック回路図において、59は画
像形成装置に付属させ環境センサー(温湿度センサー)
である。 【0131】詳述すると次のようになる。本実施例にお
ける検出信号基準値補正手段は、インダクタンス検知セ
ンサー53の初期の基準値を、画像形成動作をある時間
又は回数繰り返した時に検出信号の基準値を設定し直す
ようにあらかじめCPU58(図8)に命令を設定して
おく。CPU58はそのタイミングになると基準電圧信
号源55から出力させる検出信号基準値を新たに設定す
る。 【0132】具体的には、環境が25℃/50%であり
インダクタンス検知センサー53の初期の基準値が2.
5Vであったものを、画像形成動作を25000回繰り
返した時、もし帯電キャリアcaの混入量が画像形成動
作に比例したとするとその量は10g/50000回な
ので、5g/25000回となる。インダクタンス検知
センサー53は帯電キャリアcaが10g混入するとそ
の値は0.5V変化するので、帯電キャリアcaが約5
g混入したときはその値は0.25V変化することにな
る。 【0133】したがって図9のフローチャートのブロッ
クS504における検出信号の基準値bを2.75Vに
設定し直すように、あらかじめCPU58に命令を設定
しておく。CPU58はそのタイミングになると基準電
圧信号源55から出力させる検出信号基準値を2.75
Vに設定し直す。検出信号が2.75Vになるまでトナ
ー補給が停止するため、それまでに生じていたトナー濃
度の誤差が解消され、初期のトナー濃度6%に制御し直
されることになる。 【0134】その結果、画像形成動作を50000回線
り返した時におけるトナー濃度は約6.5%程度と、検
出信号の補正をしない場合と比べてトナー濃度制御の誤
差を小さくすることができた(図12の(c)の
(i))。 【0135】ところが23℃/5%の環境においては帯
電キャリアcaの混入量は、画像形成動作を25000
回繰り返した時、実験から帯電キャリアcaの混入量は
20g/50000回なので10g/25000回とな
る。帯電キャリアcaが10g混入するとインダクタン
ス検知センサー53の出力は0.5V誤差が生じ、その
結果トナー濃度は7%になっている。しかし画像形成装
置を25000回繰り返した時、環境が25℃/50%
の時と同様に検出信号の基準値を2.75Vに設定し直
すと、検出信号が2.75Vになるまでトナー補給が停
止するが、それまでに生じていたトナー濃度の誤差は帯
電キャリアcaの10gの混入量によりインダクタンス
検知センサー53の出力変動0.5Vに相当する1%で
あり、0.25Vの補正ではトナー濃度は6.5%と初
期のトナー濃度6%にはならず、その結果画像形成動作
を50000回繰り返した時におけるトナー濃度は約
7.5%程度(図12の(c)の(ii))と、所望の値か
ら大きくずれることになってしまう。 【0136】そこである環境における帯電キャリアca
の混入量をあらかじめ予想し、その環境に対応して検出
信号の基準値の補正値を変えることで、上記のようなト
ナー濃度制御の誤差を軽減することが可能となる。上記
の23℃/5%の環境においては画像形成動作を250
00回繰り返した時に検出信号の基準値を3.0Vに設
定し直す(図12の(b)の(iii) )ことで、検出信号
が3.0Vになるまでトナー補給が停止するため、それ
までに生じていたトナー濃度の誤差が解消され、初期の
トナー濃度6%に制御し直されることになる(図12の
(c)の(iii))。その結果、画像形成動作を5000
0回線り返した時におけるトナー濃度は約7%程度と、
検出信号の補正を環境により変化させない場合と比べて
トナー濃度制御の誤差を小さくすることができた。 【0137】〈実施例2〉本実施例におけるトナー補給
制御補正手段は、図8による比較器54の検出信号によ
るトナー補給開始・停止を決定する基準値を、画像形成
動作をある時間又は回数繰り返した時に検出信号の基準
値を設定し直すようにあらかじめCPU56に命令を設
定しておく。CPU56はそのタイミングになると、比
較器54の検出信号によるトナー補給開始・停止を決定
する基準値を新たな基準値に設定する。 【0138】具体的には25℃/50%の環境におい
て、初期のトナー補給制御基準値(a−b)>0を、画
像形成動作を25000回繰り返した時に、図9のフロ
ーチャートのブロックS506においてトナー補給制御
基準値を(a−b)>0.25Vに設定し直すように、
あらかじめCPU56に命令を設定しておく。 【0139】CPU56はそのタイミングになると初期
のトナー補給制御基準値(a−b)>0を(a−b)>
0.25に設定し直す。検出信号が2.75Vになるま
でトナー補給が停止するため、それまでに生じていたト
ナー濃度の誤差が解消され初期のトナー濃度6%に制御
し直されることになる。 【0140】その結果、画像形成動作を50000回繰
り返した時におけるトナー濃度は約6.5%程度と、検
出信号の補正を環境により変化させない場合と比べてト
ナー濃度制御の誤差を小さくすることができた。 【0141】また実施例1でも述べたように環境の異な
った場合でも、上記トナー補給制御基準値の補正を各環
境に応じて変えることで、トナー濃度制御の誤差を小さ
くすることができる。 【0142】〈実施例3〉(図13) 実施例1における検出信号基準値補正手段によって新た
に設定された基準値b、あるいは実施例2におけるトナ
ー補給制御補正手段によって新たに設定された基準値
(a−b)を、図13の(b)に示すように各環境ごと
に段階的に新たに設定し直すことでより精度の高いトナ
ー濃度制御が可能となった(図13の(c))。 【0143】〈実施例4〉(図14) 実施例1における検出信号基準値補正手段によって新た
に設定された基準値b、あるいは実施例2におけるトナ
ー補給制御補正手段によって新たに設定された基準値
(a−b)を、図14の(b)に示すように各環境ごと
に線形的に新たに設定し直すことでより精度の高いトナ
ー濃度制御が可能となった(図14の(c))。 【0144】〈実施例5〉(図15) 帯電キャリアcaはその粒径の分布にある程度の広がり
を持っており、本発明者らの検討では微小な物から帯電
キャリア付着しやすいことが分かっている。そのような
微小帯電キャリアは特に画像形成動作の時間又は回数が
初期のうちにキャリア付着してしまい初期の現像剤47
の見かけの透磁率の変化は大きくなるものと考えられ
る。その後帯電装置2側で微小帯電キャリアが減少して
くると現像剤47の見かけの透磁率の変化は徐々に小さ
くなり、非線形的に変化していくことが考えられる(図
15の(a))。 【0145】従って、実施例1における検出信号基準値
補正手段によって新たに設定された基準値b、あるいは
実施例2におけるトナー補給制御補正手段によって新た
に設定された基準値(a−b)を、図15の(b)に示
すように各環境ごとに段階的に新たに設定し直すことで
より精度の高いトナー濃度制御が可能となった(図15
の(c))。 【0146】次に、上記実施例において検出信号基準値
補正手段によって新たに設定された基準値をb、あるい
は実施例2におけるトナー補給制御補正手段によって新
たに設定された基準値(a−b)を、どのタイミングで
新たに設定するかを決定するためにどのような制御をす
るかについて説明する。 【0147】帯電キャリア付着は帯電装置2及び感光体
ドラム1の動作時に起こるので、そのキャリア付着量を
知るには、主に画像形成枚数情報から制御を行えば比較
的簡単に類推することができる。 【0148】そこで、本発明においては、一例として検
出信号基準値補正手段によって新たに設定される基準値
bを、式(1)に示すように複写枚数情報をもとに決定
されることとし、例えば初期の検出信号基準値bが2.
5Vだったとすると複写が1000枚行われるごとに検
出信号基準値を0.01Vずつ大きくしていき、500
00枚で3.0Vになるようにする。 【0149】その結果、画像形成動作の時間又は回数が
増加していっても、誤差の少ないT/C比制御が可能と
なる。 【0150】 式(1)・・・ 検出信号基準値b=2.5+0.01×(複写枚数/1000) 同様にトナー補給制御補正手段によって新たに設定され
る基準値(a−b)を、式(2)に示すように複写枚数
情報をもとに決定されることとし、例えば初期のトナー
補給制御基準値(a−b)>0だったとすると複写が1
000枚行われるごとにトナー補給制御基準値を0.0
1Vずつ大きくしていき、50000枚で0.5Vにな
るようにする。 【0151】その結果、画像形成動作の時間又は回数が
増加していっても、誤差の少ないT/C比制御が可能と
なる。 【0152】 式(2)・・・ トナー補給制御基準値(a−b)=0.01×(複写枚数/1000) また他の一例として、帯電キャリア付着は帯電装置2又
は感光体ドラム1が駆動しているときに起こるので、検
出信号基準値補正手段によって新たに設定される基準値
bを、式(3)に示すように、帯電装置2又は感光体ド
ラム1の駆動時間からの変換テーブルにより算出された
値を持ち、それをもとに徐々に初期の検出信号基準値か
ら新たに基準値を設定する。 【0153】このような制御方法では、前記複写枚数情
報には含まれていない、複写紙サイズの違いによる帯電
装置又は感光体ドラムの駆動時間が異なるという情報が
加味されているため、画像形成動作の時間又は回数が増
加していっても、誤差の少ないT/C比制御が可能とな
る。 【0154】 式(3)・・・ 検出信号基準値b=2.5+0.01×(帯電装置または感光体ドラム の駆動時間から算出された値) また同様に、トナー補給制御基準値補正手段によって新
たに設定される基準値(a−b)を、式(4)に示すよ
うに、帯電装置2又は感光体ドラム1の駆動時間からの
変換テーブルにより算出された値を持ち、それをもとに
徐々に初期の検出信号基準値から新たに基準値を設定す
る。 【0155】このような制御方法では、前記複写枚数情
報には含まれていない、複写紙サイズの違いによる帯電
装置又は感光体ドラムの駆動時間が異なるという情報が
加味されているため、画像形成動作の時間又は回数が増
加していっても、誤差の少ないT/C比制御が可能とな
る。 【0156】 式(4)・・・ トナー補給制御基準値(a−b)=0.01×(帯電装置または感光体 ドラムの駆動時間から算出された値) ここで、温湿度環境が変らない場所で原稿をとることは
事実上なく通常温湿度は連続的に変化する。したがって
温湿度が一定で帯電キャリアの混入量を測定したのは、
あくまでも温湿度の違いで帯電キャリアの混入量が異な
ること、及びそれが枚数におおよそ比例することを実証
し、ある温湿度における画像形成動作一回あたりの帯電
キャリアの混入量を求めるためである。 【0157】具体的には図11のグラフから各温湿度に
おける画像形成動作一回あたりの帯電キャリア混入量が
求められるわけですから、23℃/5%の環境で100
00回、23℃/50%の環境で10000回、30℃
/80%の環境で10000回画像形成動作をしたとす
ると、その時点での帯電キャリア混入量は以下の式から
求められる。 【0158】(20/50000)×10000+(10/50000)×10000+(5
/50000)×10000=7g もちろん上記のような極端な環境変動はないとしてもあ
る温湿度環境における画像形成動作一回あたりの帯電キ
ャリア混入量を累積的にカウントしていくことで環境履
歴の問題はなくなると考えている。 【0159】〈その他〉 1)磁気ブラシ帯電部材は、スリーブ回転タイプに限ら
ず、マグネットロールが回転するものや、マグネットロ
ールの表面を必要に応じて給電用電極として導電性処理
して、該マグネットロールの外周面に直接に導電性磁性
粒子を磁気拘束させて磁気ブラシ部を形成させ、マグネ
ットロールを回転させる構成のもの等にすることもでき
る。回転しないタイプの磁気ブラシ帯電部材とすること
もできる。 【0160】2)像担持体としての感光体は表面抵抗が
109 〜1014Ω・cmの低抵抗層を持つことが、電荷
注入帯電を実現でき、オゾンの発生防止の面から望まし
いが、上記以外の有機感光体等でもよい。即ち接触帯電
は、実施例の電荷注入帯電方式に限らず、放電現象が支
配的な接触帯電系であっても良い。 【0161】3)二成分現像装置は現像剤を像担持体に
対して接触させて潜像を現像する接触式がクリ-ナー
ス方式においては転写残トナーの現像同時回収効果を高
めるのに効果がある。また、現像剤中のトナー粒子とし
て重合トナーを用いた場合には充分な回収効果が得られ
る。現像装置は反転現像方式でも、正規現像方式でもよ
い。 【0162】4)AC(交番電圧、交流電圧)の波形と
しては、正弦波、矩形波、三角波等適宜使用可能であ
る。また、直流電源を周期的にオン/オフすることによ
って形成された矩形はあっても良い。このように交番電
圧の波形としては周期的にその電圧値が変化するような
バイアスが使用できる。 【0163】5)画像形成装置の作像プロセスは実施例
に限らず任意である。また必要に応じて他の補助プロセ
ス機器を加えてもよい。 【0164】静電潜像形成のための画像露光手段として
は、実施形態例の様にデジタル的な潜像を形成するレー
ザー走査露光手段に限定されるものではなく、通常のア
ナログ的な画像露光やLEDなどの他の発光素子でも構
わないし、蛍光燈等の発光素子と液晶シャッター等の組
み合わせによるものなど、画像情報に対応した静電潜像
を形成できるものであるなら構わない。 【0165】像担持体は静電記録誘電体等であっても良
い。この場合は、該誘電体面を所定の極性・電位に一様
に一次帯電した後、除電針ヘッド、電子銃等の除電手段
で選択的に除電して目的の静電潜像を書き込み形成す
る。 【0166】6)像担持体からトナー画像の転写を受け
る転写材は転写ドラム等の中間転写体であってもよい。 【0167】7)転写手段は、実施形態例の転写ベルト
装置に限らず、コロナ放電転写、ローラ転写、ブレード
転写など任意である。 【0168】8)クリーナーレスではなく、像担持体面
の転写残トナーを除去する専用のクリーナーを具備させ
た画像形成装置であってもよい。 【0169】9)実施例の画像形成装置は白黒画像形成
(モノカラー)についてのものであるが、イエロー、マ
ゼンタ、シアン、ブラックの各色に対して感光体、帯電
装置、現像装置、露光装置を設け、各感光体上のトナー
像をベルトまたは筒状の転写材保持体の転写材に順次転
写することで、フルカラー画像を得ることができる。 【0170】すなわち、転写ドラムや転写ベルト等の中
間転写体などを用いて、単色画像形成ばかりでなく、多
重転写等により多色やフルカラー画像を形成する画像形
成装置にも適用できる。 【0171】10)像担持体1、帯電装置2、現像装置
4等の任意のプロセス機器を画像形成装置本体に対して
一括して着脱交換自在なプロセスカートリッジ着脱式の
装置構成にすることもできる。 【0172】11)像担持体としての電子写真感光体や
静電記録誘電体を回動ベルト型にし、これに帯電・静電
潜像形成・現像の工程手段により画像情報に対応したト
ナー像を形成させ、そのトナー像形成部を閲読表示部に
位置させて画像表示させ、像担持体は繰り返して表示画
像の形成に使用する画像表示装置もある。本発明におい
て画像形成装置にはこのような画像表示装置も含む。 【0173】12)本発明は画像の濃淡表現をデイザ法
で行なう画像形成装置にも適用できるし、また、原稿の
コピーではなく、コンピュータ等から出力された画像情
報信号によりトナー像を形成する画像形成装置にも本発
明は適用できる。 【0174】転写方式でなく、直接方式の画像形成装置
であってもよい。 【0175】さらに、画像形成装置や制御系の構成等に
ついて必要に応じて種々の変形及び変更がなし得ること
は言うまでもない。 【0176】 【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
帯電用磁性キャリアの現像手段への混入割合が環境に応
じて変動することがあってもトナー補給量を適性化する
ことができる。 【0177】
【図面の簡単な説明】 【図1】 一実施例の画像形成装置の全体的構成略図 【図2】 感光体の層構成模型図 【図3】 磁気ブラシ帯電装置の構成模型図 【図4】 磁性粒子の電気抵抗値の測定装置の構成略図 【図5】 二成分現像装置の構成略図 【図6】 帯電キャリアと現像キャリアの透磁率の違い
を説明する図 【図7】 現像剤のトナー濃度の変化によってインダク
タンスヘッドからの検出信号が変化する状態を示す特性
図 【図8】 トナー補給制御系のブロック図 【図9】 トナー補給制御系の基本動作のフローチャー
ト 【図10】 現像剤に帯電キャリアが混入、蓄積してい
った場合の、現像剤の見かけの透磁率の変化、インダク
タンス検知センサーの検出信号、現像剤のT/D比の関
係を簡便に表した図 【図11】 温湿度の違いにより帯電キャリアの混入量
が異なることを示した図 【図12】 実施例1、2における現像剤の見かけの透
磁率の変化、インダクタンス検知センサーの検出信号、
現像剤のT/D比の関係を簡便に表した図 【図13】 実施例3における現像剤の見かけの透磁率
の変化、インダクタンス検知センサーの検出信号、現像
剤のT/D比の関係を簡便に表した図 【図14】 実施例4における現像剤の見かけの透磁率
の変化、インダクタンス検知センサーの検出信号、現像
剤のT/D比の関係を簡便に表した図 【図15】 実施例5における現像剤の見かけの透磁率
の変化、インダクタンス検知センサーの検出信号、現像
剤のT/D比の関係を簡便に表した図 【図16】 磁気ブラシ帯電装置と感光体ドラム間の等
価回路を示す図 【符号の説明】 1・・感光体ドラム(像担持体)、2・・磁気ブラシ帯
電装置、3・・レーザースキャナ(画像情報書き込み手
段)、4・・二成分現像装置、5・・転写装置、6・・
給紙カセット、7・・定着装置、P・・転写材、21・
・磁気ブラシ帯電部材、24・・磁気ブラシ部、ca・
・帯電磁性キャリア(帯電キャリア)、44・・現像ス
リーブ、47・・二成分現像剤、cb・・現像磁性キャ
リア(現像キャリア)、t・・トナー、50・・トナー
補給槽、53・・インダクタンス検知センサー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 志田 昌規 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (56)参考文献 特開 平10−73976(JP,A) 特開 平9−134067(JP,A) 特開 平9−68849(JP,A) 特開 平11−109809(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 15/08 115 G03G 15/02 102 G03G 21/00 370

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 帯電用磁性キャリアより構成された磁気
    ブラシにて像担持体を接触帯電する帯電手段と、帯電後
    の前記像担持体を露光して静電潜像を形成する露光手段
    と、前記像担持体上の静電潜像を非磁性トナー及び透磁
    率が前記帯電用磁性キャリアと異なる現像用磁性キャリ
    アより構成された現像剤の磁気ブラシにて現像する現像
    手段と、を有する画像形成装置において、 前記現像手段内のトナー濃度を検知するため現像剤の
    磁率に対応した情報を出力する磁気センサと、前記磁気
    センサの出力を基準値と比較することで前記現像手段へ
    補給するトナー量を制御する制御手段と、雰囲気環境を
    検知する環境センサと、前記環境センサの出力に基づい
    た前記現像手段への前記帯電用磁性キャリアの混入量に
    応じて前記基準値を補正する補正手段と、を有すること
    を特徴とする画像形成装置。
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