JP4497666B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は電子写真方式あるいは静電記録方式を用いた転写式画像形成装置にかかわり、特に、像担持体としてアモルファスシリコン系感光体を用い、この感光体の帯電処理手段として磁気ブラシ接触帯電装置を用いて画像形成を行うものにかかわる。
【0002】
【従来の技術】
転写式電子写真画像形成装置に用いられる感光体としては有機感光体やアモルファスシリコン系感光体(以下、a−Si系感光体と記す)等がよく用いられているが、a−Si系感光体は、表面硬度が高く、半導体レーザーなどに高い感度を示し、しかも繰返し使用による劣化もはとんど認められないことから、高速複写機やレーザービームプリンタ(LBP)などの電子写真用感光体として用いられている。
【0003】
また、感光体の帯電処理手段としては、従来から放電現象を利用したコロナ帯電装置が実用化されている。しかし、a−Si系感光体は比誘電率が11〜12と有機感光体に比べ大きいため、静電容量が大きくなり、それに伴い帯電能の低下、放電による潜像の流れに起因する画像流れ等が発生しやすくなる。
【0004】
これに対して、導電性ローラやファーブラシローラ、磁性粒子を担持したマグネットローラ等を用いた接触帯電部材によってa−Si系感光体を帯電すると、a−Si系感光体表面が109 〜1014Ωcmの材質からなる層により形成されていることにより、接触帯電部材に印加したバイアスのうちの直流成分とほぼ同等の帯電電位を感光体表面に得ることが可能である。
【0005】
このような帯電方法は、放電を用いずに、電荷を直接感光体に注入し帯電を行うため「注入帯電」と称する。この注入帯電を用いれば、感光体への帯電がコロナ帯電装置を用いて行われるような放電現象を利用しないので完全なオゾンレスかつ、低電力消費型帯電が可能となり注目されてきている。また、帯電能の低下や画像流れが防止できるとともに、印加した電圧近傍に帯電されるため電位の制御を行うことも容易となる。
【0006】
注入帯電方式の一種である磁気ブラシ方式の接触帯電装置では、導電性の磁性粒子(キャリア)を直接マグネット、あるいはマグネットを内包するスリーブ上に磁気ブラシとして磁気的に拘束させ、その磁気ブラシを停止、あるいは回転しながら感光体に接触させ、これに電圧を印加することによって帯電が開始される。
【0007】
図2は磁気ブラシ接触帯電装置30の一例の概略構成を示した横断面模型図である。本例の磁気ブラシ接触帯電装置はスリーブ回転タイプである。
【0008】
1は被帯電体としての回転ドラム型の電子写真感光体であり、矢印の時計方向に所定の周速度(プロセススピード)例えば150mm/secで回転駆動される。
【0009】
帯電装置30において、305はハウジング、303は磁気ブラシ担持部材としての非磁性スリーブ(帯電スリーブ)であり、その下面側を外部に露呈させてハウジング305内に回転自在に配設してある。
【0010】
302は磁界発生部材としてのマグネットローラ(永久磁石ローラ)であり、上記の非磁性スリーブ305内に挿入内包させてある。このマグネットローラ302は固定の中心軸306に支持させた非回転の固定部材である。上記の固定の中心軸306の両端側に非磁性スリーブ303の両端側を回転自在に軸受け支持させてあり、非磁性スリーブ303は固定のマグネットローラ302の外回りを同軸に不図示の駆動系により矢印の時計方向に所定の周速度例えば150mm/secで感光体1に対しカウンター方向に回転駆動される。
【0011】
304はハウジング305内に貯留させた帯電用磁性粒子(キャリア)、301はハウジング305の開口部に非磁性スリーブ303に対して所定の隙間を開けて配設した磁性粒子規制手段としての規制ブレードである。ハウジング305内の帯電用磁性粒子304は非磁性スリーブ303の外面にスリーブ内部のマグレットローラ302の磁界により磁気ブラシとして磁気拘束されて担持され、非磁性スリーブ303の回転に伴い回転搬送され、非磁性スリーブ303と規制ブレード301との隙間を通ることで層厚が所定に規制されてハウジング305の外側に持ち出される。305aはその磁気ブラシである。
【0012】
非磁性スリーブ303は感光体1に対して上記の層厚規制された磁気ブラシ305aの層厚よりも小さい隙間を開けて対向配設してある。従って、規制ブレード301で層厚が規制され、引き続く非磁性スリーブ303の回転で非磁性スリーブ303と感光体1との対向隙間部に搬送された磁気ブラシ305aは感光体1面に対して幅をもって接触し、感光体1面の移動方向とは逆方向に移動して感光体1面を摺擦する。nはその磁気ブラシ接触ニップ部(帯電ニップ部)である。このニップ部幅は1〜10mmになるように調整することが望ましい。
【0013】
非磁性スリーブ303と感光体1との対向隙間部を通過した磁気ブラシ305aは引き続く非磁性スリーブ303の回転でハウジング305内に戻し搬送されて循環的に繰り返して使用される。
【0014】
そして非磁性スリーブ303が回転され、この非磁性スリーブ303に帯電バイアス印加電源Sから所定の帯電電圧が印加されることにより、帯電ニップ部nにおいて磁気ブラシ305aを構成している帯電用磁性粒子から電荷が感光体1上に与えられ、印加帯電電圧に対応した電位に近い値に回転感光ドラム面が接触帯電される。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記a−Si系感光体を用いた画像形成装置においては、画像露光時の光メモリーにより、感光体帯電後の電位に差が生じ、これが画像となって現れるという現象が生じていた。これを解決する手段として、一般にはクリーナーと帯電部材との間に、感光体上を均一に露光する、帯電前露光装置(前露光工程)を設ける。これにより感光体上の前回分の光メモリーを消去する。
【0016】
上記のa−Si系感光体を用いた画像形成装置における光メモリーについて今少し詳しく説明する。
【0017】
a−Si系感光体を帯電し、像露光を行うと、光キャリアが生成され帯電電位を減衰させ静電潜像が形成される。この時、a−Si系感光体に多く存在するタングリングボンド(未結合手)が局在準位となり、光キャリアの一部を捕捉してその走行性を低下させ、あるいは光生成キャリアの再結合確率を低下させる。従って、画像形成プロセスにおいて、露光によって生成された光キャリアの一部は、次工程の帯電時にa−Si系感光体に電界がかかると同時に局在準位から開放され、露光部と非露光部とでa−Si系感光体の表面電位に差が生じて、光メモリーとなり、これが最終的に現像時に濃度差となって現れる。
【0018】
そこで、前露光工程において均一露光を行うことにより、a−Si系感光体内部に潜在する光キャリアを過多にし、全面で均一になるようにして、光メモリーを消去することが一般的である。この時、帯電前露光装置から発する前露光の光量を増やしたり、前露光の波長をa−Si系感光体の分光感度ピーク(約680〜700nm)に近づけることにより、より効果的に光メモリー(ゴースト)を消去することが可能である。
【0019】
しかし、上記のような磁気ブラシ接触帯電装置を用いた系においては、この帯電前露光装置を用いると、帯電装置に使われている帯電用磁性粒子が感光体上に付着する、いわゆるキャリア付着が発生した。
【0020】
この感光体上に付着した帯電用磁性粒子は、感光体回転方向下流側に位置する現像装置(現像器)に混入して、トナー像現像を阻害したり、あるいはさらに下流の転写部において、画像転写時に一緒に転写材上に転写され、画像不良となって現れるといった不具合が発生した。
【0021】
この現象は、帯電前露光装置を必要とするa−Si系感光体と磁気ブラシ帯電装置を組み合わせた場合に特有のもので、他の接触帯電部材あるいは有機感光体と組み合わせた場合等には発生しない。
【0022】
また、磁気ブラシ接触帯電装置を用いた場合のキャリア付着は、ほぼその帯電部材に印加される印加電圧と感光体の帯電電位との電位差に比例し、例えば、この電位差が常に発生するAC帯電の様な帯電方式では、磁気ブラシの帯電ニップ部の長手全面からキャリア付着が発生する。ここで、長手方向とは感光体移動方向に対して垂直な方向であり、以下、特別な断りがない限り長手方向はこの方向を示す。従って、帯電前露光装置が無い場合には、上記注入帯電の様に帯電部材印加電圧と感光体帯電電位がはぼ等しくなるような帯電方式を用いればキャリア付着は防止できる。
【0023】
磁気ブラシ接触帯電装置を用いた注入帯電方式は、感光体に対して直接接触している部分に電荷を注入し、感光体電位を帯電部材印加電圧とほぼ同電位にまで帯電する。従って、感光体に対して接触する機会が増えるほど感光体表面は帯電され、帯電部材印加電圧に近づいていくため、磁気ブラシの帯電磁性粒子を密にし、さらに磁気ブラシと感光体をカウンター方向(その接触面移動方向が逆方向になるよう)に回転駆動させている。
【0024】
しかしながら、図3に示すとおり、磁気ブラシ304aの内包マグネット302が切れる両端部においては、磁束密度が粗になることと、長手外側の帯電磁性粒子がない部分に圧が逃げる(矢印A)ことから、磁気ブラシ304aの穂が粗になりやすく、従って、感光体1との接触回数が減り、磁気ブラシ接触帯電装置30の帯電能力が低下する。
【0025】
さらに、帯電前露光装置を用いた場合には、磁気ブラシ304aの穂が粗になった帯電ニップn内に露光光が入り込み、帯電されている感光体表面電位を下げてしまうので、結果的に磁気ブラシ端部の感光体表面との電位差が大きくなり、キャリア付着が発生する。
【0026】
以上の理由で、上記のように光メモリーを消去するために感光体上を露光する帯電前露光と磁気ブラシ接触帯電装置を組み合わせた場合には、磁気ブラシ接触帯電装置の長手端部において、感光体電位と磁気ブラシ印加電圧との間に大きな電位差が生じ、この電位差を埋めるょぅに帯電用磁性粒子が電荷を保持したまま感光体上へ移ることによってキャリア付着が生じていた。
【0027】
そこで、本発明では、アモルファスシリコン系の感光体と磁気ブラシ接触帯電装置を用いた画像形成装置において、画像露光時の光メモリーを防止し、且つ、帯電部からのキャリア付着を減少して、良好な画像形成が行えるようにすることを目的とする。
【0028】
【課題を解決するための手段】
本発明は下記の手段構成を特徴とする画像形成装置である。
【0029】
(1)回転可能なアモルファスシリコンを含む感光体と、磁性粒子を前記感光体に接触させて前記感光体を帯電する磁気ブラシ帯電装置とを備える画像形成装置において、
前記感光体の回転方向の上流側に設けられ前記感光体を露光する帯電前露光装置を備え、
前記磁性粒子と前記感光体とが接触する前記感光体の長手方向の幅を磁気ブラシ幅、前記帯電前露光装置が前記感光体を露光する前記感光体の長手方向の幅を帯電前露光幅としたとき、前記帯電前露光幅は、前記磁気ブラシ幅より狭く、
前記帯電前露光装置は、光源と、前記光源と前記感光体との間に設けられ前記感光体の長手方向に沿って設けられた半透明の拡散板と、前記光源からの光を前記感光体の長手方向に広がるのを押さえる端部側板と、を備え、
前記端部側板は、前記感光体の長手方向において前記磁気ブラシ幅の端部よりも内側にあり、
前記端部側板は、前記拡散板から照射される光が前記磁気ブラシ幅の端部方向に広がらないようにするために前記拡散板よりも前記感光体の表面方向に突出していることを特徴とする画像形成装置。
【0030】
(2)前記(1)に記載の画像形成装置において、該帯電前露光装置の露光光が、該磁気ブラシ接触帯電装置と感光体の接触部分に掛からないことを特徴とする画像形成装置。
【0031】
(3)前記(1)または(2)に記載の画像形成装置において、該帯電前露光装置の長手露光幅が画像形成の露光幅よりも長いことを特徴とする画像形成装置。
【0032】
(4)前記(1)から(3)の何れかに記載の画像形成装置において、転写部材の長手帯電幅が該磁気ブラシ接触帯電装置の長手帯電幅より狭いことを特徴とする画像形成装置。
【0033】
〔作 用〕
磁気ブラシ接触帯電装置の長手端部において、感光体上が露光されずに帯電部に到達するため、不必要な電位差が生じることなく、キャリア付着を減少することができる。
【0034】
さらに、画像形成の露光幅より広い範囲が均一に露光されているため、画像露光の光メモリーによる画像不良は防止することができる。
【0035】
【発明の実施の形態】
〔実施例〕
図1は本発明に従う画像形成装置例の概略構成図である。本例の画像形成装置は、転写式電子写真プロセス利用のレーザービームプリンターである。
【0036】
Iはレーザービームプリンター、IIはこのプリンターの上に搭載した画像読み取り装置(イメージスキャナー)である。
【0037】
画像読み取り装置IIにおいて、8は装置上面に固定配設した原稿台ガラスであり、この原稿台ガラスの上面に原稿Gを複写すべき面を下向きにして載置し、その上に不図示の原稿圧着板を被せてセットする。
【0038】
9は原稿照射用ランプ・短焦点レンズアレイ・CCDセンサー等を配設した画像読み取りユニットである。このユニット9は作動信号に基づいて、原稿台ガラス8の下側において該ガラスの左辺側の実線示のホームポジションから右辺側にガラス下面に沿って往動駆動され、所定の往動終点に達すると復動駆動されて始めの実線示のホームポジションに戻される。
【0039】
該ユニット9の往動駆動過程において、原稿台ガラス8上の載置セット原稿Gの下向き画像面がユニット9の原稿照射用ランプにより左辺側から右辺側にかけて順次に照明走査され、その照明走査光の原稿面反射光が短焦点レンズアレイによってCCDセンサーに結像入射する。
【0040】
CCDセンサーは受光部、転送部、出力部より構成されている。CCD受光部において光信号が電荷信号に変えられ、転送部でクロックパルスに同期して順次出力部へ転送され、出力部において電荷信号を電圧信号に変換し、増幅、低インピーダンス化して出力する。このようにして得られたアナログ信号を周知の画像処理を行なってデジタル信号に変換してプリンターIに送る。
【0041】
即ち、画像読み取り装置IIにより原稿Gの画像情報が時系列電気デジタル画素信号(画像信号)として光電読み取りされる。
【0042】
プリンターIにおいて、1は像担持体としての回転可能な回転ドラム型の電子写真感光体である。本例の感光体1はA−Si系感光体(アモルファスシリコンを含む感光体)であり、中心支軸を中心に矢印の時計方向に所定の周速度をもって回転駆動される。
【0043】
10は帯電前露光装置、30はこの帯電前露光装置よりも感光体回転方向下流側に配設の磁気ブラシ接触帯電装置である。感光体1はその回転過程で、帯電前露光装置10により帯電前露光(全面均一露光)Laを受けて光メモリーが消去され、次いで磁気ブラシ接触帯電装置30により所定の極性・電位に一様に帯電処理される。
【0044】
そしてその回転感光体1の一様帯電面に対して画像露光装置2による画像露光がなされる。本例の画像露光装置2はレーザー露光手段(レーザースキャナー)であり、これから出力される、画像読み取り装置IIからプリンターI側に送られた画像信号に対応して変調されたレーザー光Lによる走査露光がなされることで、回転する感光体1面には画像読み取り装置IIにより光電読み取りされた原稿Gの画像情報に対応した静電潜像が順次に形成されていく。
【0045】
その静電潜像が現像装置4により順次にトナー像として現像される。現像装置4は、例えば、トナー粒子とキャリア粒子を有するいわゆる2成分現像剤を収容した、接触現像方式、反転現像タイプの装置である。
【0046】
一方、給紙カセット11内に収納の記録媒体としての転写材Pが給紙ローラ12により一枚宛繰り出されてシートパス13・レジストローラ対14・シートパス15の経路から所定の制御タイミングにて転写ベルトタイプの転写装置7に給紙され、転写部Tに給送される。71は無端状の転写ベルトであり、駆動ローラ72と従動ローラ73間に懸回張設してあり、感光体1の回転方向に順方向に感光体1の回転周速度とほぼ同じ周速度で回動される。74は転写ベルト71の内側に配設した転写帯電ブレードであり、転写ベルト71の上行側ベルト部分を感光体1に加圧して転写ニップ部Tを形成するとともに、不図示の転写バイアス印加電源から転写バイアスが印加されることで、転写材Pの裏面からトナーと逆極性の帯電を行なう。これにより転写部Tを通る転写材Pの面に回転ドラム1側のトナー像が順次に静電転写されていく。
【0047】
転写部Tを通りトナー像の転写を受けた転写材Pは感光体1の面から順次に分離されて転写ベルト71により定着装置6へ搬送され、トナー像の熱定着を受けて排紙ローラ16から排紙トレイ部17にコピーもしくはプリントとして出力される。
【0048】
また転写材分離後の回転感光体1面はクリーナー5により転写残トナー等の付着汚染物の除去を受けて繰り返し画像形成に使用される。
【0049】
磁気ブラシ接触帯電装置30は前述した図2・図3のスリーブ回転タイプと同様の装置であるので再度の説明は省略する。
【0050】
図4は、a−Si感光体1上の磁気ブラシ接触帯電装置30の前後の位置関係が判るよう、帯電装置30を中心にして、感光体1を上部から眺めた展開俯瞰図である。
【0051】
磁気ブラシ接触帯電装置30は磁気ブラシの長手端部が判るよう透視して示したものである。感光体1に接している磁気ブラシ幅は、非磁性スリーブ303に内包のマグネット302の幅にほぼ等しく、点線D−D’で示される長手方向幅となる。
【0052】
磁気ブラシ接触帯電装置30の感光体移動方向Xの上流側には、帯電前露光装置10があり、a−Si感光体1上を前露光Laしている。
【0053】
磁気ブラシ接触帯電装置30の感光体移動方向Xの下流側には、画像露光装置2が配置され、感光体1上を画像情報の時系列電気デジタル画素信号に対応してON−OFF変調されたレーザー光Lによって露光している。この時の静電潜像形成範囲はレーザー光Lの長手方向のスキャン範囲であり、図では点線F−F’の幅となる。
【0054】
この画像露光装置2で露光された感光体1上を、帯電前に帯電前露光装置10によって一様に露光Laすることで光メモリーを防止することが可能となる。
【0055】
帯電前露光装置10について図4・図5を用いて詳しく説明する。図5は、帯電前露光装置10の長手端部を感光体1表面に垂直な方向で切った部分断面図である。
【0056】
本実施例で用いた帯電前露光装置10は、基盤101上長手方向に複数個配線固定されている光源であるチューブランプ102に不図示の電源により通電することで発光し、感光体1上を露光Laする。
【0057】
チューブランプ102の発光光は長手方向に延びる側板103と、長手方向端部にある端部側板104で遮られ、図4において感光体1表面の領域Cの範囲内を部分的に露光する。
【0058】
105は、チューブランプ102の前に設けられた半透明の拡散板で、複数のチューブランプ102から発する光の長手方向のムラを軽減する。
端部側板104は、図4のように、感光体1の長手方向において磁気ブラシ幅D−D’よりも内側にある。り、また、端部側板104は、図5のように、拡散板105よりも観光体1の表面方向に突出している。
【0059】
ここで、従来の帯電前露光装置では、長手端部の露光範囲についてはあまり考慮されておらず、磁気ブラシ接触帯電装置30の磁気ブラシ幅(長手帯電幅)D−D’より広くなってしまい、磁気ブラシ304aの端部から帯電磁性粒子304が感光体1上に付着するキャリア付着を起こしていた。
【0060】
本実施例では、帯電前露光装置10の長手幅(長手露光幅)E−E’を磁気ブラシ接触帯電装置30の磁気ブラシ幅D−D’より狭くし、さらに、帯電前露光装置10の両端部に側板104・104を設け、この端部側板104を感光体表面方向に延ばし近づけることで、端部の露光光の広がりを図5の円内Bのように押さえることができ、磁気ブラシ端部に対する感光体1上の不要な電位差を防止し、さらにはキャリア付着を防止することが可能となる。
【0061】
ここで、帯電前露光幅E−E’は、その光メモリー防止効果を損ねることなく、磁気ブラシ接触帯電装置30のキャリア付着を防止できるような幅にすることが望ましく、具体的には、
幅F−F’<幅E−E’<幅D−D’
の範囲であることが必要である。
【0062】
また、同様に感光体1表面の電位を落とす要因として、転写部材も合わせて考慮する必要があり、本実施例では、転写部材としての転写帯電ブレード74の幅G−G’を上記の長手露光幅E−E’と同じ長手幅範囲に合わせ込んでいる。
【0063】
このような配置・構成で帯電前露光Laを行い、画像形成を行うことにより、磁気ブラシ接触帯電装置30の端部からのキャリア付着と、a−Si感光体1を用いた際の光メモリーを同時に防止できる画像形成装置を提供することができた。
【0064】
〔参考例〕
本参考例では、実施例で示した帯電前露光装置10の他の形態を図6・図7に示す。図6は図4と同方向から見た帯電前露光装置100の形態及び配置図を示す図である。また図7は帯電前露光装置10の横断面模型図である。
【0065】
本参考例の帯電前露光装置100はLED発光素子アレイとシリンドリカルレンズを用いて構成したものである。即ち、横長基盤101上にLED発光素子アレイ106・107を取り付け、このLED発光素子アレイの発光面上にかまぼこ型のシリンドリカルレンズ108を張り付けて構成されている。LED発光素子アレイは横断面コ字型の横長チャンネル部材106の内底面に長手に沿って複数個のLED発光素子107を並べた構成のものである。
【0066】
LED発光素子107に不図示の電源から電圧を印加し、発光した光をシリンドリカルレンズ108によって集光し、感光体1の表面を均一露光La(帯電前露光)する。この露光する範囲Cはシリンドリカルレンズ108の効果により感光体1の回転方向(周方向)には広がらないため、図4の様に磁気ブラシ接触帯電装置30の端部以外のニップ部に露光光Laが当たることが無く、さらにキャリア付着を減少させることができる。即ち、帯電前露光装置100の露光光Laが、磁気ブラシ接触帯電装置100と感光体1の接触部分に掛からないことで、さらにキャリア付着を減少させることができる。
【0067】
帯電前露光装置10の長手端部には露光光Laの漏れを防止する端部側板104が配置され、磁気ブラシ端部のキャリア付着を防止している。
【0068】
また、帯電前露光装置10の長手幅(帯電前露光幅)E−Eの構成は、本発明の特徴である、
画像露光幅F−F’<帯電前露光幅E−E’<磁気ブラシ帯電幅D−D’
の関係を満足している。
【0069】
以上のように、本参考例の帯電前露光装置10を用いることにより、a−Si感光体1の光メモリーと磁気ブラシ接触帯電装置30の端部からのキャリア付着との両方を同時に防止することができ、さらには磁気ブラシ接触帯電装置30の長手全面のキャリア付着をも減少させることが可能となった。
【0070】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、帯電前露光幅を、磁気ブラシ幅より狭くすることにより、磁気ブラシ帯電装置の端部位置に対応する感光体の電位は、帯電前露光により下げられない。そのため、磁気ブラシ帯電装置の端部位置において、感光体と磁気ブラシ帯電装置との間の電位差が大きくなるのを避けることができ、磁性粒子の感光体への付着を抑制することができる。
また、帯電前露光装置は、光源、拡散板、端部側板を備えている。拡散板は光源からの光を長手方向にムラなく光を照射するためのものである。帯電前露光装置の端部側板は、感光体の長手方向において磁気ブラシ幅の端部よりも内側に存在している。さらに、端部側板は、拡散板よりも感光体の表面方向に突出しているように構成している。このようにすることで、拡散板により長手方向に拡散される光を端部側板により広がることを防ぎ、磁気ブラシ帯電装置端部における磁性粒子の感光体への付着を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例における画像形成装置の概略構成模型図
【図2】磁気ブラシ接触帯電装置の拡大横断面模型図
【図3】磁気ブラシ端部におけるキャリア付着の説明図
【図4】磁気ブラシ接触帯電装置と帯電前露光装置の構成模型図、及び画像露光幅、磁帯電前露光幅、磁気ブラシ帯電幅の相互関係図
【図5】帯電前露光装置の一端部側の拡大縦断面模型図
【図6】 参考例における磁気ブラシ接触帯電装置と帯電前露光装置の構成模型図、及び画像露光幅、磁帯電前露光幅、磁気ブラシ帯電幅の相互関係図
【図7】帯電前露光装置の拡大横断面模型図
【符号の説明】
I レーザービームプリンター
II 画像読み取り装置(イメージスキャナー)
1 a−Si系感光体
10 帯電前露光装置
30 磁気ブラシ接触帯電装置
2 画像露光装置
4 現像装置
5 クリーナー
6 定着装置
7 転写装置
8 原稿台ガラス
9 CCDセンサーユニット
G 原稿
L レーザー露光(画像露光)
La 帯電前露光
Claims (4)
- 回転可能なアモルファスシリコンを含む感光体と、磁性粒子を前記感光体に接触させて前記感光体を帯電する磁気ブラシ帯電装置とを備える画像形成装置において、
前記感光体の回転方向の上流側に設けられ前記感光体を露光する帯電前露光装置を備え、
前記磁性粒子と前記感光体とが接触する前記感光体の長手方向の幅を磁気ブラシ幅、前記帯電前露光装置が前記感光体を露光する前記感光体の長手方向の幅を帯電前露光幅としたとき、前記帯電前露光幅は、前記磁気ブラシ幅より狭く、
前記帯電前露光装置は、光源と、前記光源と前記感光体との間に設けられ前記感光体の長手方向に沿って設けられた半透明の拡散板と、前記光源からの光を前記感光体の長手方向に広がるのを押さえる端部側板と、を備え、
前記端部側板は、前記感光体の長手方向において前記磁気ブラシ幅の端部よりも内側にあり、
前記端部側板は、前記拡散板から照射される光が前記磁気ブラシ幅の端部方向に広がらないようにするために前記拡散板よりも前記感光体の表面方向に突出していることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1に記載の画像形成装置において、該帯電前露光装置の露光光が、該磁気ブラシ接触帯電装置と感光体の接触部分に掛からないことを特徴とする画像形成装置。
- 請求項1または2に記載の画像形成装置において、該帯電前露光装置の長手露光幅が画像形成の露光幅よりも長いことを特徴とする画像形成装置。
- 請求項1から3の何れかに記載の画像形成装置において、転写部材の長手帯電幅が該磁気ブラシ接触帯電装置の長手帯電幅より狭いことを特徴とする画像形成装置。
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