JP3262118B2 - 板ばねを用いた鍵盤装置 - Google Patents

板ばねを用いた鍵盤装置

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JP3262118B2
JP3262118B2 JP2000150041A JP2000150041A JP3262118B2 JP 3262118 B2 JP3262118 B2 JP 3262118B2 JP 2000150041 A JP2000150041 A JP 2000150041A JP 2000150041 A JP2000150041 A JP 2000150041A JP 3262118 B2 JP3262118 B2 JP 3262118B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、長手方向に圧縮力
を加えて両端を一対の支持部材にそれぞれ支持させてな
り、両支持部材を長手方向外側にそれぞれ付勢するよう
にした長手状の板ばねを用いた鍵盤装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、図1,7に示すように、長手
方向に圧縮力を加えて両端を一対の支持部材2,3にそ
れぞれ支持させて、両支持部材2,3を長手方向外側に
それぞれ付勢するために板ばね1を用いることは知られ
ており、この場合、板ばね1は、その両端が節N1,N
2になるとともにその中間部が腹になるようにC字型に
変形されている。例えば、特開昭63−103298号
公報には、この種の板ばねを、鍵盤装置の鍵と揺動レバ
ーをフレームに押し付けるようにした例が示されてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の装
置にあっては、図7に2点鎖線で示すように、圧延ロー
ル加工及びコイル状に巻いてあったことによる平板材の
反り、プレス加工による反りのために、板ばね1は自由
状態にて反っている場合がある。この自由状態における
板ばね1の反りの方向が板ばね1を圧縮して支持部材
2,3に支持させた状態と同一方向であれば、支持部材
2,3に対する付勢力P1,P2(P1=P2)は減少
し、同付勢力P1,P2は板ばね1の自由状態の反りが
大きいほど小さい。また、自由状態の板ばね1の反りの
方向が板ばね1を圧縮して支持部材2,3に支持させた
状態と逆方向であれば、前記付勢力P1,P2は増加
し、同付勢力P1,P2は板ばね1の自由状態の反りが
大きいほど大きい。
【0004】
【発明の概略】本発明は上記の問題に対処するためにな
されたもので、その目的は、鍵盤装置において同鍵盤装
置に用いた長手状の板ばねが自由状態にて反っていて
も、同反りの影響を受けないようにして良好な鍵タッチ
感が均一に得られるようにすることにある。
【0005】上記の目的を達成するため、本発明の構成
上の特徴は、フレームと、該フレームに組み付けられて
同組み付け位置を支点として前記フレームに対して上下
方向に揺動可能な鍵と、前記フレームの所定位置に組み
付けられて同組み付け位置を支点として前記フレームに
対して上下方向に揺動可能な揺動レバーとを備え、前記
鍵と前記揺動レバーを係合させて構成した鍵盤装置にお
いて、長手方向の圧縮力を加えた状態でその両端を前記
鍵と前記揺動レバーに支持されて組み付けられ、前記両
端及び長手方向の中間部の一位置がそれぞれ節になるよ
うにS字状に変形されて、前記鍵をそのフレーム側支点
部へ付勢し一方前記揺動レバーをそのフレーム側支点部
へ付勢する長手状の板ばねを設け,該板ばねの長手方向
の中間部の一位置近傍にて前記フレームに変位規制部を
設けて,該変位規制部により前記板ばねの中間部の一位
置の板面に対する垂直方向の変位が規制されて、同一位
置に節が形成されるようにしたことにある。
【0006】上記の構成によれば、前記板ばねをS字状
に変形させて組み付けたことにより、自由状態における
板ばねの反りとは無関係に鍵及び揺動レバーに一定の付
勢力が付与されて、各鍵毎の鍵タッチ感を均一にするこ
とができ、また鍵盤装置の板ばねに起因した製造コスト
を低減できる。また、前記板ばねの組み付け構成におい
ては、板ばねの主に鍵を前方へ付勢して上方へ付勢する
力は小さいので、押鍵操作時における反力は揺動レバー
の慣性モーメントに主に関係し、良好な鍵タッチ感が得
られる。さらに、前記板ばねの中間部の板面に対する垂
直方向の変位が前記変位規制部により規制されて、同中
間部の一位置に必ず節が形成されると共に、同板ばねの
S字状の変形が安定して確保される。
【0007】また、本発明の他の特徴は、フレームと、
該フレームの後方部分に後方への変位を規制して組み付
けられて同組み付け位置を支点として前記フレームに対
して上下方向に揺動可能な鍵と、同鍵の前記組み付け位
置より手前側に位置する前記フレームの前方部分に手前
側への変位を規制して組み付けられて同組み付け位置を
支点として前記フレームに対して上下方向に揺動可能な
揺動レバーとを備え、前記鍵と前記揺動レバーを係合さ
せて構成した鍵盤装置において、長手方向の圧縮力を加
えた状態でその両端を前記鍵の組み付け位置近傍と前記
揺動レバーの組み付け位置近傍にて前記鍵と前記揺動レ
バーに支持して組み付けられ、前記両端及び長手方向中
間部の一位置がそれぞれ節になるとともに前記両端と前
記長手方向中間部の一位置の間がそれぞれ腹になるよう
にS字状に変形されて、前記鍵を前記フレームの後方へ
付勢するとともに前記揺動レバーを手前方向に付勢する
長手状板ばねを設け,該板ばねの長手方向の中間部の一
位置近傍にて前記フレームに変位規制部を設けて,該変
位規制部により前記板ばねの中間部の一位置の板面に対
する垂直方向の変位が規制されて、同一位置に節が形成
されるようにしたことにある。
【0008】
【発明の実施の形態】a.本発明の基本的な構成例 本発明の実施の形態に係る基本的な構成例について図面
を説明すると、図1は自然状態にある板ばね1を斜視図
により示している。板ばね1は、長方形状であって長尺
状に形成されており、長手方向の長さL、幅方向の長さ
B、厚さtに設定されている。
【0009】図2,3は、この板ばね1の両端に長手方
向に圧縮力を加えるとともにS字状に変形させて、その
両端を支持部材2,3に支持させた状態を示している。
この状態では、板ばね1の両端及び長手方向中間部の一
位置はそれぞれ節N1〜N3を形成し、板ばね1の節N
1,N3間の部分1aは上方に反り返って腹を形成し、
かつ節N2,N3間の部分1bは下方に反り返って腹を
形成している。この場合、板ばね1が自然状態にて反っ
ていなければ、節N3は、図2に示すように節N1,N
2の中央に位置する。また、板ばね1が図3にて2点鎖
線で示すように下方に反っていれば、節N3は前記中央
位置から節N2側に移動する。逆に、板ばね1が上方に
反っていれば、節N3は前記中央位置から節N1側に移
動する。これらの図2,3に示す状態では、板ばね1
は、同ばね1の縮み量δとは無関係に、等しい力P1,
P2(P1=P2)で支持部材2,3を長手方向外側に
付勢している。
【0010】これらの場合、前記付勢力P1,P2は、
上方に反り返った部分1aと下方に反り返った部分1b
が各反りにより独立して長手方向外側に付勢力P1,P
2を発生しているものと考えることができる。そして、
自然状態における板ばね1に反りがある場合には、図3
に示すように、自然状態の反りと反対方向に反り返った
部分1a(上方に反り返った部分1a)は、長手方向の
長さを図2の場合よりも長くすることにより、自然状態
の反りと反対方向に反ったために図2の付勢力P1より
も大きくなろうとする付勢力を減少させるように作用す
る。また、自然状態の反りと同一方向に反り返った部分
1b(下方に反り返った部分1b)は、長手方向の長さ
を図2の場合よりも短くすることにより、自然状態の反
りと同一方向に反ったために図2の付勢力P2よりも小
さくなろうとする付勢力を増大させるように作用する。
したがって、板ばね1をS字状に変形させた場合には、
同ばね1に自然状態における反りがあっても、節N3が
移動して前記自然状態における反りの影響がなくなる。
なお、このことは、種々の反りを有する板ばねを用いた
実験によっても確認されている。
【0011】また、前記のような自由状態にある板ばね
1の反りは、圧延ロール加工及びコイル状に巻いてあっ
たことによる平板材の反り、プレス加工による反りに起
因しているために、必ず下方又は上方にのみ円弧状であ
って、それ以外の複雑な形状のものではない。したがっ
て、前記実施の形態で示したようにS字状に変形させた
板ばね1及び同板ばね1の組み付け方法においては、板
ばね1が自由状態にて反りを有していても、その両端に
は長手方向外側に常に一定の付勢力P1,P2(P1=
P2)が発生して前記反りの影響を受けない。
【0012】さらに、前記S字状に変形した板ばね1の
両端における付勢力P1,P2は、長手方向の長さL/
2の板ばねを圧縮してC字状に形成した場合の長手方向
の外側への付勢力と等しく、オイラーの公式より下記数
1のように表される。
【0013】
【数1】P1=P2=π2EBt3/12(L/2)2=π2
EBt3/3L2 一方、図7に示す従来の例のように、長手方向の長さL
の板ばねを圧縮してC字状に形成した場合の長手方向の
外側への付勢力P1,P2は下記数2のように表され
る。
【0014】
【数2】P1=P2=π2EBt3/12L2 この数1,2により、本発明の実施の形態に係る板ばね
1で従来の板ばね1と同じ付勢力を得ようとする場合、
板ばね1の厚さtを従来の板ばねの厚さtの(1/4)
1/3(=0.63)倍で済ますことができる。したがっ
て、前記実施の形態のようにS字状に変形した板ばね1
及び同板ばね1の組み付け方法によれば、従来のように
C字状に変形した板ばねを用いるのに比べて、板ばね1
の原材料を63%に済ますことができて同板ばね1の製
造コストを低減できる。
【0015】また、図4に示すように、板ばね1をS字
状に変形した前記実施の形態において、板ばね1のほぼ
中央位置に上下に所定の隙間を隔てて変位規制部材4
a,4bを設けるようにしてもよい。これによれば、板
ばね1のほぼ中央位置の板面に対する垂直方向の変位
が、変位規制部材4a,4bにより規制されて、同ほぼ
中央位置に節N3が必ず形成されるとともに、同板ばね
1のS字状の変形が安定して確保される。
【0016】なお、上記実施の形態においては、板ばね
1を長方形状であって長尺状に形成したが、図5,6に
示すように、板ばね1を2つのひし形からなる長尺状に
形成したり、一端側を二股に形成するようにしてもよ
い。さらに、板ばね1は長尺状であれば、種々の形状に
変形できるものである。b.S字状に変形させた板ばね
を用いた鍵盤装置次に、前記実施形態に係る板ばねを用
いた鍵盤装置について図面を用いて説明すると、図8は
右端の一部の鍵及び同鍵に関係した各部品を取り外した
状態を示す楽器用鍵盤装置の斜視図である。この鍵盤装
置は、合成樹脂により一体成形したフレーム10を備え
ている。フレーム10上には複数の鍵20が横方向に並
設されているとともに、各鍵20の下方にはフレーム1
0に組み付けた揺動レバー30がそれぞれ設けられてい
る。
【0017】鍵20は、図8,9に示すように、下方を
開放させて断面コ字状に合成樹脂により一体成形され、
後端部21にてフレーム10に上下方向に揺動可能に支
持されるとともに板ばね41により後方に付勢されてい
る。鍵20の後端部21は図10,11に詳細に示すよ
うに方形状に形成され、その一側面21aは後ろ半分を
切り欠いて後端に向かうにしたがって幅狭となる傾斜面
を形成しており、同傾斜面の上下方向の中央付近には外
周面を球面状に形成した突起21bが形成されている。
後端部21の他側面21cは上下方向を軸とする円柱状
に形成されて水平断面は上端面から下端面にわたって一
様な円弧状になっている。後端部21の近傍手前側の鍵
20の下面からは台形状の突出片21dが突出してい
て、突出片21dは、フレーム10の一部を構成し鍵2
0の後部下方に水平に延設した水平板11に設けた貫通
窓11aを貫通している。
【0018】鍵20の後端部21の端面に対向したフレ
ーム10の後端部には、上方及び前方を開放させ水平断
面コ字状に形成された複数の枠体12がそれぞれ立設し
ている。各枠体12は鍵20の各後端部21を収容する
もので、突起21bに対向する一側部には上端面を前方
に向けて斜め下方向に切り欠いた切欠き12aが設けら
れるとともに、同一側部の内周面上には前端面中央部か
ら後方に向けて突起21bが嵌合する嵌合溝12bが形
成されている。
【0019】鍵20の手前側の前端部22は、図8,9
に示すように、フレーム10の前端水平部13に立設さ
れた鍵ガイド42により、同鍵20の押鍵時に垂直に案
内されるようになっている。また、前端水平部13上に
はフェルト等を重ねた長尺の鍵ストッパ43も鍵盤横方
向に延設されて固着され、同ストッパ43は鍵20の下
方への変位を規制する。なお、黒鍵20に関しては、フ
レーム10の水平板11に立設された鍵ガイド44によ
り同鍵20の押鍵時に垂直に案内されるようになってい
るとともに、水平板11上にフェルト等を重ねて鍵盤横
方向に延設された長尺の鍵ストッパ45により同鍵20
の下方への変位が規制される。ただし、これらの鍵スト
ッパ43,45は演奏による通常の押鍵時に各鍵20の
下方への変位を規制するものではなく、同通常の押鍵時
には鍵20の下端面は鍵ストッパ43,45の上面から
離間した状態にある。一方、鍵20の上に子供が乗った
り、重い物を置いたりした場合などのように、非常に大
きな下方への力が鍵20に加わった場合には、鍵ストッ
パ43,45が鍵20の下方への変位を規制して鍵20
の異常な変形による破壊を防止する。
【0020】鍵20の前端部22近傍の前部分下面に
は、同下面からほぼ垂直下方に延設した駆動部23が一
体的に形成されている。駆動部23は、図9,12,1
3に示すように、後方を開放させて水平断面コ字状に形
成され、下端には後方に突出した薄肉の係合片24が一
体的に形成されている。係合片24の中央部には方形状
の貫通穴24aが形成されており、同穴24aには弾性
部材25が固定されている。弾性部材25は、半円柱状
に形成されて半円弧状側面を上方及び下方にそれぞれ向
けて係合片24の厚さにほぼ等しい距離を隔てて対向さ
せてなる第1及び第2摺動部25a,25bと、両摺動
部25a,25bを連結する方形状の連結部25cとに
より一体的に形成され、第1及び第2摺動部25a,2
5bの両軸線方向を横方向に向けて係合片24に貫通穴
24aを介して嵌合されている。弾性部材25、少なく
とも第1及び第2摺動部25a,25bの円弧状外周面
は滑り易い合成樹脂等の材料を用いるとともに滑り易く
表面加工されており、必要に応じてグリスなどの潤滑剤
が塗布されている。また、弾性部材25の連結部25c
は、必要に応じて接着剤により係合片24に接着固定さ
れる。
【0021】なお、黒鍵20に関しては、駆動部23
は、鍵20の前端部の下面からほぼ垂直下方に延設する
とともに前方に曲げて延設したL字状の駆動部が一体的
に形成されている。黒鍵20に関する駆動部23の構成
は白鍵20と同じである。
【0022】揺動レバー30は、図8,9,14に示す
ように、合成樹脂製のレバー基部31と金属製の錘32
とにより構成されている。レバー基部31は長尺状かつ
平板状に成形されて、長手方向を前後方向にかつ板面を
垂直に鍵20の前部分下方に配置されている。レバー基
部31は下面中央部にて切り欠いた鍵盤横方向を軸線と
する円筒部31aを有し、同円筒部31aは軸線方向に
厚肉に成形されている。この円筒部31aは前方斜め下
方にて開放されていて、フレーム10の前方下端位置か
ら後方斜め上方に延設された傾斜板14の上端部に設け
た回動支持部15に組み付けられている。回動支持部1
5は鍵盤横方向を軸線として円柱状に形成され、円筒部
31aは回動支持部15の外周上に回動可能に嵌合され
ている。また、回動支持部15の外周上には環状溝15
aが形成されているとともに、円筒部31aの内周面上
には小突起31a1が形成されており、回動支持部15
に対する円筒部31aの組み付け状態にて、小突起31
a1が環状溝15aに回動可能に嵌合してレバー基部3
1の鍵盤横方向への変位が規制される。
【0023】この揺動レバー30は板ばね41により前
方(手前側)に付勢されている。板ばね41は、図15
に示すように、前部分にて二股に成形された一対の脚部
41a,41aを有し、同脚部41a,41aはレバー
基部31の薄肉部を挟んで前方に延設されて、前端にて
揺動レバー31の円筒部31aの外周上に当接するとと
もにレバー基部31に適宜設けた厚肉部に係止されてい
る。板ばね41の中間位置には両側に突出した一対の突
起片41b,41bが形成されていて、同板ばね41の
突起片41b,41bより後方部分を水平板11に設け
た貫通窓11bを下方から上方に貫通させるようにして
いる。貫通窓11bの後部分は板ばね41の幅より若干
広く設定されており、同後部分を下面にて横切るように
係合バー11cが設けられているとともに、同バー11
cの若干手前側位置には水平板11から下方へ突出した
突起部11dが設けられている。これらの係合バー11
c及び突起部11dは変位規制部を構成するもので、同
バー11cは板ばね41の中央付近の下方への変位を規
制するとともに、突起部11dは板ばね41の中央付近
の上方への変位を規制して、板ばね41のS字状の変形
を安定して確保するものである。
【0024】レバー基部31の前端部(手前側部分)に
は、所定の隙間を隔てて上下方向に二股に分けた一対の
脚部31b,31cが形成され、上方に位置する脚部3
1bは下方に位置する脚部31cより短く設定されてい
る。両脚部31b,31cの間には鍵20の駆動部23
の各下端に設けた係合片24が進入し、各係合片24に
組み付けた弾性部材24が両脚部31b,31cに当接
している。これにより、駆動部23の各下端部は、両脚
部31b,31cに揺動レバー30の長手方向へ摺動可
能かつ上下方向に相互に力が伝達可能にそれぞれ係合さ
れる。
【0025】レバー基部31の下面には、円筒部31a
と脚部31cとの間にて、下方に突出したスイッチ駆動
部31dが形成されている。スイッチ駆動部31dは、
傾斜板14に設けた貫通窓14aを介してプリント基盤
50上に組み付けた一対のゴム接点スイッチ51,51
に対向している。プリント基盤50は傾斜板14の下面
に同板14とほぼ平行に組み付けられており、一対のゴ
ム接点スイッチ51,51は各鍵20毎に設けられて鍵
盤横方向に2列に配列されている。スイッチ駆動部31
dは前後に一対の脚を備えており、同一対の脚は、各鍵
20の押鍵時に一対のゴム接点スイッチ51,51をプ
リント基盤50に対してほぼ直角に押圧するように設定
されている。
【0026】錘32は棒状に成形され、その前部外周上
にレバー基部31をアウトサート成形することによりレ
バー基部31に一体的に組み付けられている。錘32の
後部は織り曲げて重ね合わされており、この折り曲げ部
分の長さを変更することにより錘32の重さを調節でき
るようになっている。
【0027】また、フレーム10の後端部に位置する下
面板16の上面には、フェルト等を重ね合わせて構成し
た長尺のストッパ46が上方を向けて鍵盤横方向に延設
して固着されている。また、フレーム10の後端部に位
置する上面板17の下面には、フェルト等を重ね合わせ
て構成した長尺のストッパ47が下方を向けて鍵盤横方
向に延設して固着されている。これにより、揺動レバー
30の錘32の後端部の下方及び上方への各変位がそれ
ぞれ規制されるとともに、各鍵20の前端部の上方及び
下方への各変位も間接的に規制される。
【0028】上記のように構成した鍵盤装置の組み付け
においては、揺動レバー30を円筒部31aにて回動支
持部15に嵌合させる。次に、板ばね41をその両脚部
41a,41aがレバー基部31の薄肉部の両側に位置
するように同基部31に組み付けるとともに、脚部41
a,41aの前端をレバー基部31の円筒部31aの外
周上に当接させる。この状態で、板ばね41の後端部分
を下方から上方に向けて貫通窓11bを貫通させるとと
もに、同板ばね41の突起片41b,41bの後端を係
合バー11cに当接させる。一方、突起片41b,41
bの上面は突起部11dに当接し、板ばね41の突起片
41b,41bより前方部分は下方に湾曲する。したが
って、揺動レバー30は回動支持部15上に後方から押
し付けられるので、同レバー30は回動支持部15上に
離脱しないように簡単に組み付けられる。
【0029】次に、板ばね41の後端を鍵20の後端部
21の内端面に当接させて、同ばね41をS字状に変形
させる。これにより、鍵20は後方へ板ばね41により
付勢される。この付勢状態にて、駆動部23の係合片2
4を揺動レバー30の脚部31b,31cの間に挿入す
るようにして弾性部材25を脚部31b,31c間に嵌
合させるとともに、鍵ガイド42を鍵20の前端部内側
に進入させ、鍵20の後端部21を枠体12内に上方か
ら押し込む。これにより、後端部21の突起21bは切
欠き12aの傾斜した上端面上を滑りながら斜め下方向
前方に向かって変位する。後端部21をさらに下方に押
すと、突起21aの後端面(平面)が枠体12の一側部
前端面上を下方に変位して嵌合溝12bの位置まで来る
と、突起21bが嵌合溝12b内を後方に摺動しなが
ら、後端部21は枠体12内に組み付けられる。この場
合、後端部21の他側面21cは円筒状に形成されてい
て同他側面21cは枠体12の平らな内側平面上を摺動
するので、鍵20の後端部はフレーム10の枠体12に
容易に組み付けられる。
【0030】なお、この鍵20のフレーム10に対する
組み付け状態では、後端部21の一側面21aは枠体1
2の嵌合溝12bを設けた内側面とは離間されるととも
に、各後端部21の後端面も枠体12の後内側面とは離
間している。
【0031】上記のようにして組み立てた鍵盤装置にお
いては、フレーム10の水平板11に設けた係合バー1
1c及び突起部11dが板ばね41の中間部における板
面に垂直方向の変位を規制するので、これらの係合バー
11c及び突起部11dの近傍に節が必ず形成されて板
ばね41はS字上に変形されるとともに、同板ばね41
のS字状の変形は安定した確保される。また、板ばね4
1の手前側を二股に形成して、同二股に形成した脚部4
1a,41aで揺動レバー11cのレバー基部31を挟
むようにしたので、板ばね41の組付けが簡単になると
ともに安定する。
【0032】次に、上記のようにして組み立てた鍵盤装
置の動作を説明する。鍵20のいずれも押鍵操作しない
状態では、揺動レバー30の錘32の後端部はその自重
によりストッパ46に当接しており、揺動レバー30、
鍵20は図9の実線に示した状態にある。この状態で、
鍵20を各前端部22近傍位置にて押圧すると、鍵20
は揺動レバー30の錘32の自重に対抗して後端部21
を支点に図9にて反時計回りに揺動し始める。そして、
鍵20が所定の深さまで押鍵されると、錘32の後端部
が図9にて2点鎖線で示すようにストッパ47に当接し
て鍵20の前端部22の下方への変位が規制される。そ
して、鍵20を離鍵すれば、錘32の後端がストッパ4
6に当接するまで、錘32の自重により揺動レバー30
は回動支持部15を支点に図9にて時計方向に揺動して
原点位置に復帰する。
【0033】上記のように組み立てられかつ動作する鍵
盤装置においては、板ばね41をS字状に変形させて利
用するようにしたので、本発明の基本的な構成例の項で
説明したように、自由状態における板ばね41の反りと
は無関係に鍵20及び揺動レバー30に一定の付勢力が
付与されて、各鍵20毎の鍵タッチ感を均一にすること
ができ、また鍵盤装置の板ばね41に起因した製造コス
トを低減できる。また、フレーム10の回動支持部15
に対する揺動レバー30の組み付け位置である円筒部3
1aは、フレーム10の後端部に対する鍵20の後端部
21の組み付け位置より低く設定されているので、鍵2
0は上方へ付勢される。しかし、この付勢力は小さく、
板ばね41は主に鍵20を後方へ付勢している。したが
って、押鍵操作時における反力は揺動レバー30の慣性
モーメントに主に関係し、良好な鍵タッチ感が得られ
る。
【0034】なお、上記鍵盤装置においては、板ばね4
1の脚部41a,41aの前端をレバー基部31の円筒
部31aの外周上の一箇所に当接させるようにしたが、
図16に示すように、円筒部31aの外周上に径方向外
側に複数の突起31a2を周方向に沿って設け、各突起
部31a2の間に選択的に板ばね41の脚部41a,4
1aの前端を当接させるようにしてもよい。これらの突
起部31a2及びそれらの間に形成された溝は、高さの
異なる複数の係止部を構成するもので、これにより、板
ばね41の脚部41a,41aの前端の高さを種々に選
択できるようになる。その結果、小さな力ではあるが、
板ばね41が鍵20を上方に付勢する力を選択できるの
で、鍵タッチ感の微調整が可能となる。また、前記突起
31a2に代えて、円筒部31aに複数の係止部を構成
するための複数の溝を設けるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係り自然状態にある板
ばねの斜視図である。
【図2】 同実施の形態に係り板ばねをS字状に変形し
て支持部材に支持させた状態を示す図である。
【図3】 自然状態にて反りを有する板ばねをS字状に
変形して支持部材に支持させた状態を示す図である。
【図4】 板ばねの中央付近に規制部材を設けるように
した図2の実施の形態の変形例を示す図である。
【図5】 前記板ばねの形状を変形させた前記実施の形
態の変形例に係る板ばねの平面図である。
【図6】 前記板ばねの形状を変形させた前記実施の形
態の他の変形例に係る板ばねの平面図である。
【図7】 従来の板ばねの組み付け例を示す図である。
【図8】 本発明の実施の形態に係り一部の鍵及び同鍵
に関する部品を外した状態にある鍵盤装置の斜視図であ
る。
【図9】 図8の縦断側面図である。
【図10】 鍵後端部のフレームへの組付け前の状態を
示す拡大斜視図である。
【図11】 鍵後端部のフレームへの組付状態を示す拡
大平面図である。
【図12】 弾性部材を組み付ける前の状態を示す鍵駆
動部の拡大分解斜視図である。
【図13】 弾性部材を組み付けた状態を示す鍵駆動部
の拡大縦断側面図である。
【図14】 (A)は揺動レバーの平面図であり、(B)は
揺動レバーの側面図である。
【図15】 板ばねの平面図である。
【図16】 鍵盤装置の変形例に係り図9の一部を拡大
して示す拡大図である。
【符号の説明】
1…板ばね、2,3…支持部材、4a,4b…変位規制
部材、10…フレーム、11…水平板、11b…貫通
窓、11c…係合バー、11d…突起部、12…枠体、
13…前端水平部、14…傾斜板、15…回動支持部、
16…下面板、17…上面板、20…鍵、21…後端
部、21b…突起、23…駆動部、24…係合片、25
…弾性部材、30…揺動レバー、31…レバー基部、3
1a…円筒部、31a2…突起、31b,31c…脚
部、32…錘、41…板ばね、42,44…鍵ガイド、
46,47…ストッパ。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−110678(JP,A) 特開 昭57−110836(JP,A) 実開 昭57−89040(JP,U) 実開 昭60−142330(JP,U) 特公 平5−49239(JP,B2) 実公 平6−41273(JP,Y2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G10H 1/34 G10B 3/12

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フレームと、該フレームに組み付けられ
    て同組み付け位置を支点として前記フレームに対して上
    下方向に揺動可能な鍵と、前記フレームの所定位置に組
    み付けられて同組み付け位置を支点として前記フレーム
    に対して上下方向に揺動可能な揺動レバーとを備え、前
    記鍵と前記揺動レバーを係合させて構成した鍵盤装置に
    おいて、 長手方向の圧縮力を加えた状態でその両端を前記鍵と前
    記揺動レバーに支持されて組み付けられ、前記両端及び
    長手方向の中間部の一位置がそれぞれ節になるようにS
    字状に変形されて、前記鍵をそのフレーム側支点部へ付
    勢し一方前記揺動レバーをそのフレーム側支点部へ付勢
    する長手状の板ばねを設け,該板ばねの長手方向の中間
    部の一位置近傍にて前記フレームに変位規制部を設け
    て,該変位規制部により前記板ばねの中間部の一位置の
    板面に対する垂直方向の変位が規制されて、同一位置に
    節が形成されるようにしたことを特徴とする鍵盤装置。
  2. 【請求項2】 フレームと、該フレームの後方部分に後
    方への変位を規制して組み付けられて同組み付け位置を
    支点として前記フレームに対して上下方向に揺動可能な
    鍵と、同鍵の前記組み付け位置より手前側に位置する前
    記フレームの前方部分に手前側への変位を規制して組み
    付けられて同組み付け位置を支点として前記フレームに
    対して上下方向に揺動可能な揺動レバーとを備え、前記
    鍵と前記揺動レバーを係合させて構成した鍵盤装置にお
    いて、 長手方向の圧縮力を加えた状態でその両端を前記鍵の組
    み付け位置近傍と前記揺動レバーの組み付け位置近傍に
    て前記鍵と前記揺動レバーに支持して組み付けられ、前
    記両端及び長手方向中間部の一位置がそれぞれ節になる
    とともに前記両端と前記長手方向中間部の一位置の間が
    それぞれ腹になるようにS字状に変形されて、前記鍵を
    前記フレームの後方へ付勢するとともに前記揺動レバー
    を手前方向に付勢する長手状板ばねを設け,該板ばねの
    長手方向の中間部の一位置近傍にて前記フレームに変位
    規制部を設けて,該変位規制部により前記板ばねの中間
    部の一位置の板面に対する垂直方向の変位が規制され
    て、同一位置に節が形成されるようにしたことを特徴と
    する鍵盤装置。
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