JP3261815B2 - 熱交換器の作動流体通路形成用Ａｌ合金ブレージングシート材 - Google Patents
熱交換器の作動流体通路形成用Ａｌ合金ブレージングシート材Info
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Description
【０００１】
【産業上の利用分野】この発明は、熱交換器の作動流体
通路を形成する構造部材として用いた場合にすぐれた耐
孔食性を発揮するＡｌ合金ブレージングシート材に関す
るものである。
通路を形成する構造部材として用いた場合にすぐれた耐
孔食性を発揮するＡｌ合金ブレージングシート材に関す
るものである。
【０００２】
【従来の技術】一般に、ドロンカップ型熱交換器などの
熱交換器が、Ａｌ合金ブレージングシート材から所定の
形状を有する複数の構造部材を成形し、これを組立て、
真空ろう付け法やフラックスろう付け法にて、前記Ａｌ
合金ブレージングシート材にクラッドされたろう材でろ
う付け接合することにより製造されることは良く知られ
るところである。また、これら熱交換器の作動流体通路
を構成する構造部材の形成に、 （ａ） Ｍｎ：０．５〜１．５重量％を含有するＡｌ−
Ｍｎ系合金からなる芯材の片面に、Ｓｉ：５〜１５重量
％およびＺｎ：１〜３重量％を含有するＡｌ−Ｓｉ−Ｚ
ｎ系合金からなるろう材をクラッドしてなるＡｌ合金ブ
レージングシート材。 （ｂ） Ｍｎ：０．５〜１．５重量％を含有するＡｌ−
Ｍｎ系合金からなる芯材の両面に、Ｓｉ：５〜１５重量
％およびＺｎ：１〜３重量％を含有するＡｌ−Ｓｉ−Ｚ
ｎ系合金からなるろう材をクラッドしてなるＡｌ合金ブ
レージングシート材。 （ｃ） Ｍｎ：０．５〜１．５重量％を含有するＡｌ−
Ｍｎ系合金からなる芯材の一方面に、Ｓｉ：５〜１５重
量％およびＺｎ：１〜３重量％を含有するＡｌ−Ｓｉ−
Ｚｎ系合金からなるろう材を、また他方面に、Ｚｎ：
０．２〜２重量％を含有するＡｌ−Ｚｎ系合金からなる
皮材をそれぞれクラッドしてなるＡｌ合金ブレージング
シート材。 以上（ａ）〜（ｃ）のＡｌ合金ブレージングシート材が
用いられていることも知られている。
熱交換器が、Ａｌ合金ブレージングシート材から所定の
形状を有する複数の構造部材を成形し、これを組立て、
真空ろう付け法やフラックスろう付け法にて、前記Ａｌ
合金ブレージングシート材にクラッドされたろう材でろ
う付け接合することにより製造されることは良く知られ
るところである。また、これら熱交換器の作動流体通路
を構成する構造部材の形成に、 （ａ） Ｍｎ：０．５〜１．５重量％を含有するＡｌ−
Ｍｎ系合金からなる芯材の片面に、Ｓｉ：５〜１５重量
％およびＺｎ：１〜３重量％を含有するＡｌ−Ｓｉ−Ｚ
ｎ系合金からなるろう材をクラッドしてなるＡｌ合金ブ
レージングシート材。 （ｂ） Ｍｎ：０．５〜１．５重量％を含有するＡｌ−
Ｍｎ系合金からなる芯材の両面に、Ｓｉ：５〜１５重量
％およびＺｎ：１〜３重量％を含有するＡｌ−Ｓｉ−Ｚ
ｎ系合金からなるろう材をクラッドしてなるＡｌ合金ブ
レージングシート材。 （ｃ） Ｍｎ：０．５〜１．５重量％を含有するＡｌ−
Ｍｎ系合金からなる芯材の一方面に、Ｓｉ：５〜１５重
量％およびＺｎ：１〜３重量％を含有するＡｌ−Ｓｉ−
Ｚｎ系合金からなるろう材を、また他方面に、Ｚｎ：
０．２〜２重量％を含有するＡｌ−Ｚｎ系合金からなる
皮材をそれぞれクラッドしてなるＡｌ合金ブレージング
シート材。 以上（ａ）〜（ｃ）のＡｌ合金ブレージングシート材が
用いられていることも知られている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】一方、近年の熱交換器
の小型化および軽量化に対する要求は強く、これに伴な
い、これを構成する構造部材にも薄肉化が強く求められ
ているが、上記の従来Ａｌ合金ブレージングシート材を
用いて形成された構造部材、特に作動流体通路形成の構
造部材においては、これを薄肉化すると孔食が原因で比
較的短時間で使用寿命に至るのが現状である。
の小型化および軽量化に対する要求は強く、これに伴な
い、これを構成する構造部材にも薄肉化が強く求められ
ているが、上記の従来Ａｌ合金ブレージングシート材を
用いて形成された構造部材、特に作動流体通路形成の構
造部材においては、これを薄肉化すると孔食が原因で比
較的短時間で使用寿命に至るのが現状である。
【０００４】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者等は、
上述のような観点から、熱交換器の作動流体通路形成用
構造部材として用いられている上記の従来Ａｌ合金ブレ
ージングシート材に着目し、これの耐孔食性向上をはか
るべく研究を行なった結果、上記の従来Ａｌ合金ブレー
ジングシート材に、４２０〜５５０℃に１〜１２時間保
持の条件で熱処理を施し、芯材の少なくともろう材接合
面側に、ろう材中のＺｎを積極的に拡散させて、クラッ
ド時に形成されたろう材亜鉛拡散層に比して一段と厚い
ろう材亜鉛拡散層を形成すると、この結果の相対的に厚
さの厚いろう材亜鉛拡散層によって腐食が全面腐食型と
なり、薄肉化しても孔食の発生が著しく抑制されるよう
になるという研究結果を得たのである。
上述のような観点から、熱交換器の作動流体通路形成用
構造部材として用いられている上記の従来Ａｌ合金ブレ
ージングシート材に着目し、これの耐孔食性向上をはか
るべく研究を行なった結果、上記の従来Ａｌ合金ブレー
ジングシート材に、４２０〜５５０℃に１〜１２時間保
持の条件で熱処理を施し、芯材の少なくともろう材接合
面側に、ろう材中のＺｎを積極的に拡散させて、クラッ
ド時に形成されたろう材亜鉛拡散層に比して一段と厚い
ろう材亜鉛拡散層を形成すると、この結果の相対的に厚
さの厚いろう材亜鉛拡散層によって腐食が全面腐食型と
なり、薄肉化しても孔食の発生が著しく抑制されるよう
になるという研究結果を得たのである。
【０００５】この発明は、上記の研究結果にもとづいて
なされたものであって、 （ａ） Ｍｎ：０．５〜１．５重量％を含有するＡｌ−
Ｍｎ系合金からなる芯材の片面に、Ｓｉ：５〜１５重量
％およびＺｎ：１〜３重量％を含有するＡｌ−Ｓｉ−Ｚ
ｎ系合金からなるろう材をクラッドしてなるＡｌ合金ブ
レージングシート材。 （ｂ） Ｍｎ：０．５〜１．５重量％を含有するＡｌ−
Ｍｎ系合金からなる芯材の両面に、Ｓｉ：５〜１５重量
％およびＺｎ：１〜３重量％を含有するＡｌ−Ｓｉ−Ｚ
ｎ系合金からなるろう材をクラッドしてなるＡｌ合金ブ
レージングシート材。 （ｃ） Ｍｎ：０．５〜１．５重量％を含有するＡｌ−
Ｍｎ系合金からなる芯材の一方面に、Ｓｉ：５〜１５重
量％およびＺｎ：１〜３重量％を含有するＡｌ−Ｓｉ−
Ｚｎ系合金からなるろう材を、また他方面に、Ｚｎ：
０．２〜２重量％を含有するＡｌ−Ｚｎ系合金からなる
皮材をそれぞれクラッドしてなるＡｌ合金ブレージング
シート材。 以上（ａ）〜（ｃ）のいずれかのＡｌ合金ブレージング
シート材にして、上記芯材の少なくともろう材接合面側
に、芯材の厚さの１０〜４０％に相当する厚さに亘って
ろう材亜鉛拡散層を存在せしめてなる耐孔食性のすぐれ
た熱交換器の作動流体通路形成用Ａｌ合金ブレージング
シート材に特徴を有するものである。
なされたものであって、 （ａ） Ｍｎ：０．５〜１．５重量％を含有するＡｌ−
Ｍｎ系合金からなる芯材の片面に、Ｓｉ：５〜１５重量
％およびＺｎ：１〜３重量％を含有するＡｌ−Ｓｉ−Ｚ
ｎ系合金からなるろう材をクラッドしてなるＡｌ合金ブ
レージングシート材。 （ｂ） Ｍｎ：０．５〜１．５重量％を含有するＡｌ−
Ｍｎ系合金からなる芯材の両面に、Ｓｉ：５〜１５重量
％およびＺｎ：１〜３重量％を含有するＡｌ−Ｓｉ−Ｚ
ｎ系合金からなるろう材をクラッドしてなるＡｌ合金ブ
レージングシート材。 （ｃ） Ｍｎ：０．５〜１．５重量％を含有するＡｌ−
Ｍｎ系合金からなる芯材の一方面に、Ｓｉ：５〜１５重
量％およびＺｎ：１〜３重量％を含有するＡｌ−Ｓｉ−
Ｚｎ系合金からなるろう材を、また他方面に、Ｚｎ：
０．２〜２重量％を含有するＡｌ−Ｚｎ系合金からなる
皮材をそれぞれクラッドしてなるＡｌ合金ブレージング
シート材。 以上（ａ）〜（ｃ）のいずれかのＡｌ合金ブレージング
シート材にして、上記芯材の少なくともろう材接合面側
に、芯材の厚さの１０〜４０％に相当する厚さに亘って
ろう材亜鉛拡散層を存在せしめてなる耐孔食性のすぐれ
た熱交換器の作動流体通路形成用Ａｌ合金ブレージング
シート材に特徴を有するものである。
【０００６】つぎに、この発明のＡｌ合金ブレージング
シート材において、合金成分含有量およびろう材亜鉛拡
散層の厚さを上記の通りに限定した理由を説明する。 （１） 芯材のＭｎ含有量 Ｍｎ成分には芯材の強度を向上させる作用があるが、そ
の含有量が０．５重量％未満では所望の強度向上効果が
得られず、一方その含有量が１．５重量％を越えると、
耐孔食性が低下するようになることから、その含有量を
０．５〜１．５重量％と定めた。なお、芯材は、重量％
で、Ｍｎ：０．５〜１．５％、 Ｓｉ：０．３〜
０．５％、を含有し、さらに必要に応じて、Ｚｒ：０．
０５〜０．２５％、 Ｃｒ：０．０５〜０．２５％、
Ｔｉ：０．０５〜０．２５％、 Ｖ：０．０５〜０．
２５％、Ｍｇ：０．０５〜０．５％、のうちの１種また
は２種以上、を含有し、残りがＡｌと不可避不純物から
なるＡｌ合金で構成するのが望ましい。
シート材において、合金成分含有量およびろう材亜鉛拡
散層の厚さを上記の通りに限定した理由を説明する。 （１） 芯材のＭｎ含有量 Ｍｎ成分には芯材の強度を向上させる作用があるが、そ
の含有量が０．５重量％未満では所望の強度向上効果が
得られず、一方その含有量が１．５重量％を越えると、
耐孔食性が低下するようになることから、その含有量を
０．５〜１．５重量％と定めた。なお、芯材は、重量％
で、Ｍｎ：０．５〜１．５％、 Ｓｉ：０．３〜
０．５％、を含有し、さらに必要に応じて、Ｚｒ：０．
０５〜０．２５％、 Ｃｒ：０．０５〜０．２５％、
Ｔｉ：０．０５〜０．２５％、 Ｖ：０．０５〜０．
２５％、Ｍｇ：０．０５〜０．５％、のうちの１種また
は２種以上、を含有し、残りがＡｌと不可避不純物から
なるＡｌ合金で構成するのが望ましい。
【０００７】（２） ろう材のＳｉおよびＺｎ含有量 Ｓｉ成分には、融点を下げ、流動性を向上させてろう付
け性を可能ならしめる作用があるが、その含有量が５重
量％未満では前記作用に所望の効果が得られず、一方そ
の含有量が１５重量％を越えると流動性が一段と増すよ
うになり、かえってろう付け接合が困難になることか
ら、その含有量を５〜１５重量％と定めた。また、Ｚｎ
成分には、ろう材を電気化学的に卑にし、芯材に対して
犠牲陽極効果を発揮し、これを防食するほか、上記の通
りの条件での熱処理にて芯材の表面部に拡散してろう材
亜鉛拡散層を形成し、芯材の耐孔食性を向上させる作用
があるが、その含有量が１重量％未満では前記作用に所
望の効果が得られず、一方その含有量が３重量％を越え
ると腐食速度が速くなりすぎ、上記の作用を長期に亘っ
て発揮することができなくなることから、その含有量を
１〜３重量％と定めた。
け性を可能ならしめる作用があるが、その含有量が５重
量％未満では前記作用に所望の効果が得られず、一方そ
の含有量が１５重量％を越えると流動性が一段と増すよ
うになり、かえってろう付け接合が困難になることか
ら、その含有量を５〜１５重量％と定めた。また、Ｚｎ
成分には、ろう材を電気化学的に卑にし、芯材に対して
犠牲陽極効果を発揮し、これを防食するほか、上記の通
りの条件での熱処理にて芯材の表面部に拡散してろう材
亜鉛拡散層を形成し、芯材の耐孔食性を向上させる作用
があるが、その含有量が１重量％未満では前記作用に所
望の効果が得られず、一方その含有量が３重量％を越え
ると腐食速度が速くなりすぎ、上記の作用を長期に亘っ
て発揮することができなくなることから、その含有量を
１〜３重量％と定めた。
【０００８】（３） 皮材のＺｎ含有量 Ｚｎ成分には、同様に電位を下げて、皮材が芯材に対し
て犠牲陽極効果を発揮するようにする作用があるが、そ
の含有量が０．２重量％未満では前記作用に所望の効果
が得られず、一方その含有量が２重量％を越えると腐食
速度の進行が急激に増すようになることから、その含有
量を０．２〜２重量％と定めた。なお、Ａｌ合金ブレー
ジングシート材に皮材がクラッドされるのは、皮材クラ
ッド側も、特に腐食性のある作動流体の通路となる場合
であり、また特に皮材中にＺｎが１重量％を越えて含有
する場合には、上記の熱処理で皮材中のＺｎが芯材の表
面部にも拡散して、芯材の皮材との接合面側の表面部に
もクラッド時に形成された皮材亜鉛拡散層に比して相対
的に厚い皮材亜鉛拡散層が形成され、芯材の皮材クラッ
ド側における耐孔食性も一段と向上するようになること
は勿論である。
て犠牲陽極効果を発揮するようにする作用があるが、そ
の含有量が０．２重量％未満では前記作用に所望の効果
が得られず、一方その含有量が２重量％を越えると腐食
速度の進行が急激に増すようになることから、その含有
量を０．２〜２重量％と定めた。なお、Ａｌ合金ブレー
ジングシート材に皮材がクラッドされるのは、皮材クラ
ッド側も、特に腐食性のある作動流体の通路となる場合
であり、また特に皮材中にＺｎが１重量％を越えて含有
する場合には、上記の熱処理で皮材中のＺｎが芯材の表
面部にも拡散して、芯材の皮材との接合面側の表面部に
もクラッド時に形成された皮材亜鉛拡散層に比して相対
的に厚い皮材亜鉛拡散層が形成され、芯材の皮材クラッ
ド側における耐孔食性も一段と向上するようになること
は勿論である。
【０００９】（４） ろう材亜鉛拡散層の芯材厚さに対
する割合 その割合が１０％未満では、所望のすぐれた耐孔食性を
芯材に確保することができず、一方その割合が４０％を
越えると芯材のもつ高強度が損なわれるようになること
から、その割合を１０〜４０％と定めた。
する割合 その割合が１０％未満では、所望のすぐれた耐孔食性を
芯材に確保することができず、一方その割合が４０％を
越えると芯材のもつ高強度が損なわれるようになること
から、その割合を１０〜４０％と定めた。
【００１０】
【実施例】つぎに、この発明のＡｌ合金ブレージングシ
ート材を実施例により具体的に説明する。通常の溶解法
により表１，２に示される成分組成をもった芯材用Ａｌ
合金１〜１４、ろう材用Ａｌ合金Ａ〜Ｅ、および皮材用
Ａｌ合金ａ〜ｃをそれぞれ溶製し、鋳造して鋳塊とし、
以下いずれも通常の条件で、均質化熱処理を施した後、
熱間圧延にて板厚：８mmの熱延板とし、さらにろう材用
および皮材用熱延板に対しては冷間圧延を施して、片面
クラッドの場合は板厚：０．９mm、両面クラッドの場合
は板厚：１mmの冷延板とし、この状態で前記芯材用熱延
板、ろう材用冷延板、および皮材用冷延板を表３，４に
示される組み合せにしたがって重ね合わせ、熱間圧延に
てクラッドし、引続いて冷間圧延を施して板厚：０．５
mmのＡｌ合金ブレージングシート素材とし、これに１気
圧の窒素ガス雰囲気中、４２０〜５５０℃の範囲内の所
定温度に１〜１２時間の範囲内で所定時間保持の条件で
亜鉛拡散熱処理を施して同じく表３に示される厚さおよ
び厚さ割合のろう材亜鉛拡散層を形成することにより本
発明Ａｌ合金ブレージングシート材（以下、本発明複合
シート材という）１〜１４をそれぞれ製造した。また、
比較の目的で、表４に示される通り上記亜鉛拡散熱処理
を施す前のＡｌ合金ブレージングシート素材を従来Ａｌ
合金ブレージングシート材（以下、従来複合シート材と
いう）１〜１４とした。
ート材を実施例により具体的に説明する。通常の溶解法
により表１，２に示される成分組成をもった芯材用Ａｌ
合金１〜１４、ろう材用Ａｌ合金Ａ〜Ｅ、および皮材用
Ａｌ合金ａ〜ｃをそれぞれ溶製し、鋳造して鋳塊とし、
以下いずれも通常の条件で、均質化熱処理を施した後、
熱間圧延にて板厚：８mmの熱延板とし、さらにろう材用
および皮材用熱延板に対しては冷間圧延を施して、片面
クラッドの場合は板厚：０．９mm、両面クラッドの場合
は板厚：１mmの冷延板とし、この状態で前記芯材用熱延
板、ろう材用冷延板、および皮材用冷延板を表３，４に
示される組み合せにしたがって重ね合わせ、熱間圧延に
てクラッドし、引続いて冷間圧延を施して板厚：０．５
mmのＡｌ合金ブレージングシート素材とし、これに１気
圧の窒素ガス雰囲気中、４２０〜５５０℃の範囲内の所
定温度に１〜１２時間の範囲内で所定時間保持の条件で
亜鉛拡散熱処理を施して同じく表３に示される厚さおよ
び厚さ割合のろう材亜鉛拡散層を形成することにより本
発明Ａｌ合金ブレージングシート材（以下、本発明複合
シート材という）１〜１４をそれぞれ製造した。また、
比較の目的で、表４に示される通り上記亜鉛拡散熱処理
を施す前のＡｌ合金ブレージングシート素材を従来Ａｌ
合金ブレージングシート材（以下、従来複合シート材と
いう）１〜１４とした。
【００１１】
【表１】
【００１２】
【表２】
【００１３】
【表３】
【００１４】
【表４】
【００１５】つぎに、これら複合シート材から、５０mm
×８０mmの寸法をもった試験片を切り出し、これを真空
ろう付け処理に相当する１０-4torrの真空中、温度：６
００℃に３分間保持の条件で加熱し、芯材および皮材が
露出する場合には、これに絶縁塗料をぬった状態で、１
ppm のＣｕ2+を含有した４０℃の水道水中に３０日間浸
漬の水道水浸漬試験、並びにＪＩＳ・Ｚ・２３７１に則
した２０００時間の塩水噴霧を行ない、いずれの試験で
も最大孔食深さを測定した。これらの測定結果を表３，
４に引張強さの測定結果と共に示した。
×８０mmの寸法をもった試験片を切り出し、これを真空
ろう付け処理に相当する１０-4torrの真空中、温度：６
００℃に３分間保持の条件で加熱し、芯材および皮材が
露出する場合には、これに絶縁塗料をぬった状態で、１
ppm のＣｕ2+を含有した４０℃の水道水中に３０日間浸
漬の水道水浸漬試験、並びにＪＩＳ・Ｚ・２３７１に則
した２０００時間の塩水噴霧を行ない、いずれの試験で
も最大孔食深さを測定した。これらの測定結果を表３，
４に引張強さの測定結果と共に示した。
【００１６】
【発明の効果】表３，４に示される結果から、本発明複
合シート材１〜１４は、いずれも強度の低下がほとんど
ない状態で、芯材の表面部に積極的に形成されたろう材
亜鉛拡散層によって、これの形成（クラッド時）が僅か
な従来複合シート材１〜１４に比して一段とすぐれた耐
孔食性を示すことが明らかである。上述のように、この
発明のＡｌ合金ブレージングシート材は、薄肉化しても
少なくとも芯材のろう材接合面側に積極的に形成した相
対的に厚いろう材亜鉛拡散層によってすぐれた耐孔食性
を示すので、各種熱交換器の小型化および軽量化に大い
に寄与するものである。
合シート材１〜１４は、いずれも強度の低下がほとんど
ない状態で、芯材の表面部に積極的に形成されたろう材
亜鉛拡散層によって、これの形成（クラッド時）が僅か
な従来複合シート材１〜１４に比して一段とすぐれた耐
孔食性を示すことが明らかである。上述のように、この
発明のＡｌ合金ブレージングシート材は、薄肉化しても
少なくとも芯材のろう材接合面側に積極的に形成した相
対的に厚いろう材亜鉛拡散層によってすぐれた耐孔食性
を示すので、各種熱交換器の小型化および軽量化に大い
に寄与するものである。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) C22C 21/00 - 21/18 B23K 35/22 310
Claims (3)
- 【請求項１】 Ｍｎ：０．５〜１．５重量％を含有する
Ａｌ−Ｍｎ系合金からなる芯材の片面に、Ｓｉ：５〜１
５重量％およびＺｎ：１〜３重量％を含有するＡｌ−Ｓ
ｉ−Ｚｎ系合金からなるろう材をクラッドしてなるＡｌ
合金ブレージングシート材にして、 上記芯材のろう材接合面側に、芯材の厚さの１０〜４０
％に相当する厚さに亘ってろう材亜鉛拡散層が存在する
ことを特徴とする熱交換器の作動流体通路形成用Ａｌ合
金ブレージングシート材。 - 【請求項２】 Ｍｎ：０．５〜１．５重量％を含有する
Ａｌ−Ｍｎ系合金からなる芯材の両面に、Ｓｉ：５〜１
５重量％およびＺｎ：１〜３重量％を含有するＡｌ−Ｓ
ｉ−Ｚｎ系合金からなるろう材をクラッドしてなるＡｌ
合金ブレージングシート材にして、 上記芯材のろう材接合面両側に、それぞれ芯材の厚さの
１０〜４０％に相当する厚さに亘ってろう材亜鉛拡散層
が存在することを特徴とする熱交換器の作動流体通路形
成用Ａｌ合金ブレージングシート材。 - 【請求項３】 Ｍｎ：０．５〜１．５重量％を含有する
Ａｌ−Ｍｎ系合金からなる芯材の一方面に、Ｓｉ：５〜
１５重量％およびＺｎ：１〜３重量％を含有するＡｌ−
Ｓｉ−Ｚｎ系合金からなるろう材を、また他方面にＺ
ｎ：０．２〜２重量％を含有するＡｌ−Ｚｎ系合金から
なる皮材をそれぞれクラッドしてなるＡｌ合金ブレージ
ングシート材にして、 上記芯材の少なくともろう材接合面側に、芯材の厚さの
１０〜４０％に相当する厚さに亘ってろう材亜鉛拡散層
が存在することを特徴とする熱交換器の作動流体通路形
成用Ａｌ合金ブレージングシート材。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP20280293A JP3261815B2 (ja) | 1993-07-23 | 1993-07-23 | 熱交換器の作動流体通路形成用Ａｌ合金ブレージングシート材 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP20280293A JP3261815B2 (ja) | 1993-07-23 | 1993-07-23 | 熱交換器の作動流体通路形成用Ａｌ合金ブレージングシート材 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0741895A JPH0741895A (ja) | 1995-02-10 |
| JP3261815B2 true JP3261815B2 (ja) | 2002-03-04 |
Family
ID=16463443
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP20280293A Expired - Fee Related JP3261815B2 (ja) | 1993-07-23 | 1993-07-23 | 熱交換器の作動流体通路形成用Ａｌ合金ブレージングシート材 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3261815B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP3734302B2 (ja) * | 1996-04-02 | 2006-01-11 | 神鋼アルコア輸送機材株式会社 | ろう付熱交換器用アルミニウム合金製ブレージングシート |
| JP3713108B2 (ja) * | 1996-08-14 | 2005-11-02 | 富士写真フイルム株式会社 | ピロータイプ包装装置 |
| JP5704835B2 (ja) * | 2009-05-27 | 2015-04-22 | 株式会社神戸製鋼所 | 熱交換器用アルミニウム合金製ブレージングシート |
| JP5815325B2 (ja) | 2011-08-09 | 2015-11-17 | 三菱アルミニウム株式会社 | 熱交換器 |
-
1993
- 1993-07-23 JP JP20280293A patent/JP3261815B2/ja not_active Expired - Fee Related
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| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH0741895A (ja) | 1995-02-10 |
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