JP3205410B2 - 熱交換器用高強度高耐食性アルミニウム合金ブレージングシート - Google Patents
熱交換器用高強度高耐食性アルミニウム合金ブレージングシートInfo
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- JP3205410B2 JP3205410B2 JP35548292A JP35548292A JP3205410B2 JP 3205410 B2 JP3205410 B2 JP 3205410B2 JP 35548292 A JP35548292 A JP 35548292A JP 35548292 A JP35548292 A JP 35548292A JP 3205410 B2 JP3205410 B2 JP 3205410B2
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Description
【０００１】
【産業上の利用分野】この発明は、自動車などの熱交換
器のろう付けに使用される高強度高耐食性Ａｌ合金ブレ
ージングシートに関するものである。
器のろう付けに使用される高強度高耐食性Ａｌ合金ブレ
ージングシートに関するものである。
【０００２】
【従来の技術】一般に、自動車などに用いられているア
ルミニウム合金製の熱交換器は、その多くが真空ろう付
やフッ化物等を用いたフラックスろう付により製造され
ている。これらのろう付では、ＪＩＳ Ｚ ３２６３に定
めれているように、ＢＡ４３４３、ＢＡ４０４５に代表
されるＡl−Ｓi 合金や、ＢＡ４００４、ＢＡ４００５
に代表されるＡl−Ｍg−Ｓi 系のろう材をＡl 合金製芯
材にクラッドしたブレージングシートが使用されてい
る。そして、ろう付に際しては、これら材料を、ろう材
の固相線と液相線との間の温度に相当する５９０〜６１
５℃の温度に加熱して、ろうを適度に流動させた状態で
接合している。
ルミニウム合金製の熱交換器は、その多くが真空ろう付
やフッ化物等を用いたフラックスろう付により製造され
ている。これらのろう付では、ＪＩＳ Ｚ ３２６３に定
めれているように、ＢＡ４３４３、ＢＡ４０４５に代表
されるＡl−Ｓi 合金や、ＢＡ４００４、ＢＡ４００５
に代表されるＡl−Ｍg−Ｓi 系のろう材をＡl 合金製芯
材にクラッドしたブレージングシートが使用されてい
る。そして、ろう付に際しては、これら材料を、ろう材
の固相線と液相線との間の温度に相当する５９０〜６１
５℃の温度に加熱して、ろうを適度に流動させた状態で
接合している。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年の材料
の薄肉化要求に伴って、高強度化の要求が高まってお
り、材料強度を高めるために犠牲材中に、Ｍg、Ｓi 等
の元素を添加して、さらに芯材に拡散させる方法が提案
されている。しかし、これらの元素の含有量が多くなる
と、芯材および犠牲陽極材の強度は向上するものの、犠
牲材やろう材からのＭg およびＳi の拡散流入により、
芯材の融点（固相線温度）が低下し、上述したようなろ
う付温度では芯材の局部溶融や座屈が生じるという問題
がある。これに対処するために、ろう付温度の低いろう
材を使用することも考えられるが、このようなろう材
は、Ｃuを多く含んでおり（数ｗｔ％程度）、自動車用
熱交換器などのように苛酷な腐食環境下で使用される材
料としては、非常に耐食性に劣るため、使用に耐え得な
いものである。
の薄肉化要求に伴って、高強度化の要求が高まってお
り、材料強度を高めるために犠牲材中に、Ｍg、Ｓi 等
の元素を添加して、さらに芯材に拡散させる方法が提案
されている。しかし、これらの元素の含有量が多くなる
と、芯材および犠牲陽極材の強度は向上するものの、犠
牲材やろう材からのＭg およびＳi の拡散流入により、
芯材の融点（固相線温度）が低下し、上述したようなろ
う付温度では芯材の局部溶融や座屈が生じるという問題
がある。これに対処するために、ろう付温度の低いろう
材を使用することも考えられるが、このようなろう材
は、Ｃuを多く含んでおり（数ｗｔ％程度）、自動車用
熱交換器などのように苛酷な腐食環境下で使用される材
料としては、非常に耐食性に劣るため、使用に耐え得な
いものである。
【０００４】
【課題を解決するための手段】本発明者らはこのような
観点から、きわめて高い強度を有し、かつろう付が可能
で、さらに非常に耐食性に優れたブレージングシートを
開発すべく検討を重ねた。その結果、 (1)芯材には、基本的にＭn、Ｓi、Ｃu等を含有し、強度
に優れた合金を用いる。 (2)犠牲陽極皮材には、基本的にＭgを多く添加し、耐食
性を向上させるとともに芯材に拡散させて強度を向上さ
せる。 (3)ろう材には基本的にＳiを５〜１５％含み、Ｃu およ
びＺn を適正量含む合金を用いることにより固相線を適
度に下げ、耐食性を大幅に向上させる。 これら構成を基に、各種成分を規制することにより、上
記開発目的を達成できることを見いだし、本発明をする
に至った。
観点から、きわめて高い強度を有し、かつろう付が可能
で、さらに非常に耐食性に優れたブレージングシートを
開発すべく検討を重ねた。その結果、 (1)芯材には、基本的にＭn、Ｓi、Ｃu等を含有し、強度
に優れた合金を用いる。 (2)犠牲陽極皮材には、基本的にＭgを多く添加し、耐食
性を向上させるとともに芯材に拡散させて強度を向上さ
せる。 (3)ろう材には基本的にＳiを５〜１５％含み、Ｃu およ
びＺn を適正量含む合金を用いることにより固相線を適
度に下げ、耐食性を大幅に向上させる。 これら構成を基に、各種成分を規制することにより、上
記開発目的を達成できることを見いだし、本発明をする
に至った。
【０００５】すなわち、本願発明の熱交換器用高強度高
耐食性アルミニウム合金ブレージングシートは、下記に
それぞれ組成を限定する芯材の片面に犠牲陽極皮材をク
ラッドし、他の片面にろう材をクラッドしたことを特徴
とする。芯材は、重量％で、Ｍn ：０．５〜１．５％、
Ｓi ：０．５〜１．５％、Ｃu：０．３〜０．８％を含
有し、さらに所望により、Ｍg ：０．０５〜３％、Ｚ
r：０．０５〜０．２５％、Ｃr ：０．０５〜０．２５
％、Ｔi ：０．０５〜０．２５％、Ｖ：０．０５〜０．
２５％の１種以上を含有し、残部がＡl と不可避不純物
からなる。
耐食性アルミニウム合金ブレージングシートは、下記に
それぞれ組成を限定する芯材の片面に犠牲陽極皮材をク
ラッドし、他の片面にろう材をクラッドしたことを特徴
とする。芯材は、重量％で、Ｍn ：０．５〜１．５％、
Ｓi ：０．５〜１．５％、Ｃu：０．３〜０．８％を含
有し、さらに所望により、Ｍg ：０．０５〜３％、Ｚ
r：０．０５〜０．２５％、Ｃr ：０．０５〜０．２５
％、Ｔi ：０．０５〜０．２５％、Ｖ：０．０５〜０．
２５％の１種以上を含有し、残部がＡl と不可避不純物
からなる。
【０００６】犠牲陽極皮材は、重量％で、Ｍg ：１〜５
％を含有し、所望により、Ｍn ：０．２〜１．５％、Ｓ
i ：０．２〜１．５％の１種または２種、又は／及び、
Ｉn：０．００５〜０．０５％、Ｓn ：０．０５〜０．
２％、Ｐb ：０．００５〜０．２％、Ｇa ：０．００５
〜０．２％の１種以上を含有し、残部がＡl および不可
避不純物からなる。
％を含有し、所望により、Ｍn ：０．２〜１．５％、Ｓ
i ：０．２〜１．５％の１種または２種、又は／及び、
Ｉn：０．００５〜０．０５％、Ｓn ：０．０５〜０．
２％、Ｐb ：０．００５〜０．２％、Ｇa ：０．００５
〜０．２％の１種以上を含有し、残部がＡl および不可
避不純物からなる。
【０００７】ろう材は、重量％で、Ｓi ：５〜１５％、
Ｃu ：０．１〜１％、Ｚn ：０．５〜８％を含有し、所
望により、Ｍg ：０．２〜２％、又は／及び、Ｂi ：
０．０１〜０．２％、Ｂe ：０．０００２〜０．００１
５％の１種または２種、又は／及び、Ｉn ：０．００５
〜０．１％、Ｓn ：０．０５〜０．２％、Ｐb ：０．０
０５〜０．２％、Ｇa ：０．００５〜０．２％の１種以
上、又は／及び、Ｎa ：０．００５〜０．２％、Ｋ：
０．００５〜０．２％、Ｃa ：０．００５〜０．２％、
Ｓr ：０．００５〜０．２％の１種以上を含有し、残部
がＡl と不可避不純物からなる。
Ｃu ：０．１〜１％、Ｚn ：０．５〜８％を含有し、所
望により、Ｍg ：０．２〜２％、又は／及び、Ｂi ：
０．０１〜０．２％、Ｂe ：０．０００２〜０．００１
５％の１種または２種、又は／及び、Ｉn ：０．００５
〜０．１％、Ｓn ：０．０５〜０．２％、Ｐb ：０．０
０５〜０．２％、Ｇa ：０．００５〜０．２％の１種以
上、又は／及び、Ｎa ：０．００５〜０．２％、Ｋ：
０．００５〜０．２％、Ｃa ：０．００５〜０．２％、
Ｓr ：０．００５〜０．２％の１種以上を含有し、残部
がＡl と不可避不純物からなる。
【０００８】
【作用】すなわち、本願発明のブレージングシートによ
れば、ろう材の融点を適度に下げることができ、融点が
低い高強度の芯材および犠牲陽極皮材のろう付を良好に
行うことができる。しかも、ブレージングシートはＣu
とＺn との適正量の組合わせにより、従来材と比べても
非常に優れた耐食性を有しており、腐食環境の厳しい用
途での使用に非常に好適である。次に、本願発明のブレ
ージングシートの成分限定理由を説明する。
れば、ろう材の融点を適度に下げることができ、融点が
低い高強度の芯材および犠牲陽極皮材のろう付を良好に
行うことができる。しかも、ブレージングシートはＣu
とＺn との適正量の組合わせにより、従来材と比べても
非常に優れた耐食性を有しており、腐食環境の厳しい用
途での使用に非常に好適である。次に、本願発明のブレ
ージングシートの成分限定理由を説明する。
【０００９】（芯材）Ｍn ：０．５〜１．５％ Ｍn は、Ａl−Ｍn 系、Ａl−Ｍn−Ｓi 系化合物として
析出して耐孔食性を向上させるとともに強度を向上させ
る。Ｍn の含有量が０．５％未満であると、その効果は
不十分であり、一方、１．５％を超えると加工性が低下
するので上記範囲とする。Ｓi ：０．５〜１．５％ Ａl−Ｍn−Ｓi 系化合物として析出し、また素地中に固
溶して強度を向上させる。０．５％未満であると、強度
の向上が不十分であり、また。１．５％を超えると耐食
性を低下させるので上記範囲とする。Ｃu ：０．３〜０．８％ 素地中に固溶して強度を向上させるとともに、電位を貴
にして耐孔食性を向上させる。０．３％未満では上記効
果は十分に得られず、また０．８％を超えると貴になり
すぎて、周辺の部材の耐食性を低下させるので上記範囲
とする。
析出して耐孔食性を向上させるとともに強度を向上させ
る。Ｍn の含有量が０．５％未満であると、その効果は
不十分であり、一方、１．５％を超えると加工性が低下
するので上記範囲とする。Ｓi ：０．５〜１．５％ Ａl−Ｍn−Ｓi 系化合物として析出し、また素地中に固
溶して強度を向上させる。０．５％未満であると、強度
の向上が不十分であり、また。１．５％を超えると耐食
性を低下させるので上記範囲とする。Ｃu ：０．３〜０．８％ 素地中に固溶して強度を向上させるとともに、電位を貴
にして耐孔食性を向上させる。０．３％未満では上記効
果は十分に得られず、また０．８％を超えると貴になり
すぎて、周辺の部材の耐食性を低下させるので上記範囲
とする。
【００１０】 Ｍg ：０．０５〜３％、Ｚr ：０．０５〜０．２５％ Ｃr ：０．０５〜０．２５％、Ｔi ：０．０５〜０．２５％Ｖ：０．０５〜０．２５％ Ｍg は、Ｓi との共存下でＭg2Ｓiとして析出し、Ｃr、
Ｚr、Ｖは、Ａl と化合物を形成して強度を向上させ
る。また、Ｔi は耐食性を向上させるので、これらを選
択的に１種以上添加する。これらが下限未満であると、
それぞれの効果が不十分であり、また、上限を超える
と、Ｍg では耐食性の低下、その他の元素では加工性が
低下するので、上記範囲とする。
Ｚr、Ｖは、Ａl と化合物を形成して強度を向上させ
る。また、Ｔi は耐食性を向上させるので、これらを選
択的に１種以上添加する。これらが下限未満であると、
それぞれの効果が不十分であり、また、上限を超える
と、Ｍg では耐食性の低下、その他の元素では加工性が
低下するので、上記範囲とする。
【００１１】（犠牲陽極皮材）Ｍg ：１〜５％ Ｍg は、犠牲陽極皮材の耐食性および強度を向上させる
とともに、芯材に拡散して芯材の強度を向上させる。１
％未満であると、その作用は不十分であり、５％を超え
ると、耐食性が低下するので、上記範囲とする。Ｍn ：０．２〜１．５％、Ｓi ：０．２〜１．５％ Ｍn は、熱水中で表面に水和酸化皮膜が生成するのを防
止し、電位が上昇するのを防止する。下限未満ではその
作用が不十分であり、上限を超えると素地への固溶量が
増えかえって電位が上昇するので上記範囲とする。Ｓi
は、Ｍg とともにろう付時に芯材に拡散して、Ｍg2Ｓi
として析出し、犠牲陽極皮材および芯材の強度を向上さ
せる。 Ｉn ：０．００５〜０．０５％、Ｓn ：０．０５〜０．２％Ｐb ：０．００５〜０．２％、Ｇa ：０．００５〜０．２％ これら元素は、電位を卑にして犠牲陽極性を向上させ
る。それぞれ下限未満では作用が不十分であり、上限を
超えると、自己腐食が激しくなるので上記範囲とする。
とともに、芯材に拡散して芯材の強度を向上させる。１
％未満であると、その作用は不十分であり、５％を超え
ると、耐食性が低下するので、上記範囲とする。Ｍn ：０．２〜１．５％、Ｓi ：０．２〜１．５％ Ｍn は、熱水中で表面に水和酸化皮膜が生成するのを防
止し、電位が上昇するのを防止する。下限未満ではその
作用が不十分であり、上限を超えると素地への固溶量が
増えかえって電位が上昇するので上記範囲とする。Ｓi
は、Ｍg とともにろう付時に芯材に拡散して、Ｍg2Ｓi
として析出し、犠牲陽極皮材および芯材の強度を向上さ
せる。 Ｉn ：０．００５〜０．０５％、Ｓn ：０．０５〜０．２％Ｐb ：０．００５〜０．２％、Ｇa ：０．００５〜０．２％ これら元素は、電位を卑にして犠牲陽極性を向上させ
る。それぞれ下限未満では作用が不十分であり、上限を
超えると、自己腐食が激しくなるので上記範囲とする。
【００１２】（ろう材）Ｓi ：５〜１５％ Ｓi は、Ａl の液相線温度を低くし、溶融時の流動性を
高めるために添加される。ただし、Ｓi 含有量が５％未
満であると、ろう材の液相線温度が高すぎ、溶融時の流
動性が低くなる。また１５％を超えると、共晶点を超え
ることにより、Ｓi 量の増加にともない液相線温度が上
昇し、Ｓi 量が不足する場合と同様に流動性が低下する
ので上記範囲とする。また、同様の理由で７〜１１％と
するのが望ましい。Ｃu ：０．１〜１％ Ｃu は、Ａl−Ｓi 合金の固相線温度を低下させるため
に添加する。０．１％未満の含有量ではその効果は不十
分であり、自己腐食速度も大きくなりすぎる。また、１
％を超えるとろう材の耐孔食性が低下するとともに電位
が貴になり、ろう付品の耐食性を損なうので上記範囲と
する。Ｚn ：０．５〜８％ Ｚn は、Ｃu とともに、ろう材の固相線温度を低下させ
るために添加する。また、Ｚn はろう材自身の腐食形態
を全面腐食形態にするとともに、電位を卑側にして一層
耐食性を向上させる。しかも、電位を卑にするＺn と、
電位を貴にするＣu との適切な組合わせによってバラン
スがとられ、ろう材自身および周りの部材の耐食性が著
しく向上する。また、犠牲材から拡散してきたＭg と芯
材内でＭgＺn2として析出し、強度を一層向上させる効
果もある。ただし、Ｚn の含有量が０．５％未満である
と、上記作用が不十分であり、またろう材の耐孔食性が
低下する。さらにろう材の電位が貴になるので周りの部
材の耐食性が低下し、腐食が進行する。一方、８％を超
えると、ろう材の自己腐食が大きくなりすぎるので上記
範囲とする。同様の理由で、３〜６％とするのが望まし
い。
高めるために添加される。ただし、Ｓi 含有量が５％未
満であると、ろう材の液相線温度が高すぎ、溶融時の流
動性が低くなる。また１５％を超えると、共晶点を超え
ることにより、Ｓi 量の増加にともない液相線温度が上
昇し、Ｓi 量が不足する場合と同様に流動性が低下する
ので上記範囲とする。また、同様の理由で７〜１１％と
するのが望ましい。Ｃu ：０．１〜１％ Ｃu は、Ａl−Ｓi 合金の固相線温度を低下させるため
に添加する。０．１％未満の含有量ではその効果は不十
分であり、自己腐食速度も大きくなりすぎる。また、１
％を超えるとろう材の耐孔食性が低下するとともに電位
が貴になり、ろう付品の耐食性を損なうので上記範囲と
する。Ｚn ：０．５〜８％ Ｚn は、Ｃu とともに、ろう材の固相線温度を低下させ
るために添加する。また、Ｚn はろう材自身の腐食形態
を全面腐食形態にするとともに、電位を卑側にして一層
耐食性を向上させる。しかも、電位を卑にするＺn と、
電位を貴にするＣu との適切な組合わせによってバラン
スがとられ、ろう材自身および周りの部材の耐食性が著
しく向上する。また、犠牲材から拡散してきたＭg と芯
材内でＭgＺn2として析出し、強度を一層向上させる効
果もある。ただし、Ｚn の含有量が０．５％未満である
と、上記作用が不十分であり、またろう材の耐孔食性が
低下する。さらにろう材の電位が貴になるので周りの部
材の耐食性が低下し、腐食が進行する。一方、８％を超
えると、ろう材の自己腐食が大きくなりすぎるので上記
範囲とする。同様の理由で、３〜６％とするのが望まし
い。
【００１３】Ｍg ：０．２〜２％ Ｍg は、真空ろう付の際、材料から炉中に蒸発し、炉中
の酸化性ガスと反応して材料の酸化を防止し、ろう付性
を向上させるので、真空ろう付の場合に添加する。０．
２％未満では上記効果が不十分であり、２％を超えると
一層の効果が望めないのみならず、炉の汚染が著しくな
るので上記範囲とする。Ｂi ：０．０１〜０．２％、Ｂe ：０．０００２〜０．００１５％ それぞれ、真空ろう付においてろうの流動性や充填性を
良好にしてろう付性を向上させるので、Ｍg を含有させ
るろう材において選択的に添加する。それぞれ下限未満
では、上記効果が不十分であり、また上限を超えると、
芯材に侵食するので上記範囲とする。
の酸化性ガスと反応して材料の酸化を防止し、ろう付性
を向上させるので、真空ろう付の場合に添加する。０．
２％未満では上記効果が不十分であり、２％を超えると
一層の効果が望めないのみならず、炉の汚染が著しくな
るので上記範囲とする。Ｂi ：０．０１〜０．２％、Ｂe ：０．０００２〜０．００１５％ それぞれ、真空ろう付においてろうの流動性や充填性を
良好にしてろう付性を向上させるので、Ｍg を含有させ
るろう材において選択的に添加する。それぞれ下限未満
では、上記効果が不十分であり、また上限を超えると、
芯材に侵食するので上記範囲とする。
【００１４】 Ｉn ：０．００５〜０．１％、Ｓn ：０．０５〜０．２％Ｐb ：０．００５〜０．２％、Ｇa ：０．００５〜０．２％ それぞれろう材の電位を卑にし、犠牲陽極性を付与して
ろう付品の耐食性を向上させる。それぞれの含有量が下
限未満であると、その効果が不十分であり、また上限を
超えると、自己腐食が激しくなるので上記範囲とする。 Ｎa ：０．００５〜０．２％、Ｋ：０．００５〜０．２％Ｃa ：０．００５〜０．２％、Ｓr ：０．００５〜０．２％ それぞれ、組織を微細化して流動性を良好にし、ろう付
性を向上させるために選択的に１種以上添加する。それ
ぞれ下限未満では効果が不十分であり、上限を超えても
より一層の効果は望めないので上記範囲とする。
ろう付品の耐食性を向上させる。それぞれの含有量が下
限未満であると、その効果が不十分であり、また上限を
超えると、自己腐食が激しくなるので上記範囲とする。 Ｎa ：０．００５〜０．２％、Ｋ：０．００５〜０．２％Ｃa ：０．００５〜０．２％、Ｓr ：０．００５〜０．２％ それぞれ、組織を微細化して流動性を良好にし、ろう付
性を向上させるために選択的に１種以上添加する。それ
ぞれ下限未満では効果が不十分であり、上限を超えても
より一層の効果は望めないので上記範囲とする。
【００１５】
【実施例】表１に示す組成の芯材の片面に、表２に示す
犠牲陽極皮材、他面に表３に示すろう材をそれぞれ１０
％の厚さでクラッドして、板厚０．５ｍｍのブレージン
グシートを得た。このブレージングシート１（５０ｍｍ
×２５ｍｍ）をそれぞれ、図１に示すように板厚２ｍｍ
のＪＩＳ Ａ ３００３合金板２上に垂直に立て、その当
接部の一端に直径２ｍｍのＳＵＳ ３０４線３を配置し
て、ブレージングシート１を僅かに傾斜させた状態で、
合金板２とＴ字型に組み付けた。
犠牲陽極皮材、他面に表３に示すろう材をそれぞれ１０
％の厚さでクラッドして、板厚０．５ｍｍのブレージン
グシートを得た。このブレージングシート１（５０ｍｍ
×２５ｍｍ）をそれぞれ、図１に示すように板厚２ｍｍ
のＪＩＳ Ａ ３００３合金板２上に垂直に立て、その当
接部の一端に直径２ｍｍのＳＵＳ ３０４線３を配置し
て、ブレージングシート１を僅かに傾斜させた状態で、
合金板２とＴ字型に組み付けた。
【００１６】そして、ろう材中にＭg を含有しないブレ
ージングシートについては、フッ化物系フラックスを塗
布してＮ2雰囲気で、ろう材中にＭg を含有するブレー
ジングシートについては１０-4ｔｏｒｒの真空中で、そ
れぞれ所定の温度で５分間保持するろう付を行って、ブ
レージングシート１と合金板２との隙間におけるろう４
の充填長さを測定することによりろう付性を評価した。
なお、加熱温度は各ろう材の固相線と液相線との間の温
度とした。また、各ブレージングシートは、発明材およ
び比較材Ｎｏ．１１について５７５℃、比較材Ｎｏ．１
０について６００℃で５分間の加熱を行った後、強度測
定を行い、さらにろう材面は１０００時間の塩水噴霧試
験、犠牲材面は１ｐｐｍのＣu2+イオンを添加した水道
中で２週間の浸漬試験（４０℃）に供して孔食深さを測
定した。
ージングシートについては、フッ化物系フラックスを塗
布してＮ2雰囲気で、ろう材中にＭg を含有するブレー
ジングシートについては１０-4ｔｏｒｒの真空中で、そ
れぞれ所定の温度で５分間保持するろう付を行って、ブ
レージングシート１と合金板２との隙間におけるろう４
の充填長さを測定することによりろう付性を評価した。
なお、加熱温度は各ろう材の固相線と液相線との間の温
度とした。また、各ブレージングシートは、発明材およ
び比較材Ｎｏ．１１について５７５℃、比較材Ｎｏ．１
０について６００℃で５分間の加熱を行った後、強度測
定を行い、さらにろう材面は１０００時間の塩水噴霧試
験、犠牲材面は１ｐｐｍのＣu2+イオンを添加した水道
中で２週間の浸漬試験（４０℃）に供して孔食深さを測
定した。
【００１７】これらの測定結果は表４に示した。表から
明らかなように発明材は、ろう付性に優れており、さら
に耐食性は非常に優れている。なお、比較材Ｎｏ．９
は、ろう付温度が低すぎてろうが溶融せず、また、比較
材Ｎｏ．１０は、芯材が局部的に溶融したためろうが芯
材中に侵食し、ろう付不良となった。またろう侵食部で
は耐食性が著しく低下した。
明らかなように発明材は、ろう付性に優れており、さら
に耐食性は非常に優れている。なお、比較材Ｎｏ．９
は、ろう付温度が低すぎてろうが溶融せず、また、比較
材Ｎｏ．１０は、芯材が局部的に溶融したためろうが芯
材中に侵食し、ろう付不良となった。またろう侵食部で
は耐食性が著しく低下した。
【００１８】
【表１】
【００１９】
【表２】
【００２０】
【表３】
【００２１】
【表４】
【００２２】
【発明の効果】以上説明したように本願発明の熱交換器
用高強度高耐食性Ａｌ合金ブレージングシートによれ
ば、高強度の芯材の片面に、基本的にＭg を多く含有す
る犠牲陽極皮材をクラッドし、他面に、適正量のＳi 、
Ｃu 、Ｚn またはＭg を基本成分とするろう材をクラッ
ドしたので、融点が適度に下がり、高強度のＡl 合金に
おいても、局部溶解などが生じることなく良好に接合で
きる。しかもブレージングシートは耐食性に非常に優れ
ており、厳しい腐食環境の用途に好適である。
用高強度高耐食性Ａｌ合金ブレージングシートによれ
ば、高強度の芯材の片面に、基本的にＭg を多く含有す
る犠牲陽極皮材をクラッドし、他面に、適正量のＳi 、
Ｃu 、Ｚn またはＭg を基本成分とするろう材をクラッ
ドしたので、融点が適度に下がり、高強度のＡl 合金に
おいても、局部溶解などが生じることなく良好に接合で
きる。しかもブレージングシートは耐食性に非常に優れ
ており、厳しい腐食環境の用途に好適である。
【図１】図１は、この発明の実施例におけるブレージン
グシートのろう付特性試験を示す正面図である。
グシートのろう付特性試験を示す正面図である。
１ ブレージングシート ２ Ａl 合金板 ４ ろう
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) C22C 21/00 - 21/18 B23K 35/22 310
Claims (8)
- 【請求項１】 重量％で、Ｍn ：０．５〜１．５％、Ｓ
i ：０．５〜１．５％、Ｃu ：０．３〜０．８％を含有
し、残部がＡl と不可避不純物とからなる芯材の片面
に、重量％で、Ｍg ：１〜５％を含有し、残部がＡl と
不可避不純物とからなる犠牲陽極皮材をクラッドし、他
の片面に、重量％で、Ｓi ：５〜１５％、Ｃu ：０．１
〜１％、Ｚn ：０．５〜８％を含有し、残部がＡl と不
可避不純物とからなるろう材をクラッドしたことを特徴
とする熱交換器用高強度高耐食性アルミニウム合金ブレ
ージングシート - 【請求項２】 芯材の成分としてさらに、重量％で、Ｍ
g ：０．０５〜３％、Ｚr ：０．０５〜０．２５％、Ｃ
r ：０．０５〜０．２５％、Ｔi ：０．０５〜０．２５
％、Ｖ：０．０５〜０．２５％の１種以上を含有する請
求項１記載の熱交換器用高強度高耐食性アルミニウム合
金ブレージングシート - 【請求項３】 犠牲陽極皮材成分としてさらに、Ｍn ：
０．２〜１．５％、Ｓi ：０．２〜１．５％の１種また
は２種を含有する請求項１または２記載の熱交換器用高
強度高耐食性アルミニウム合金ブレージングシート - 【請求項４】 犠牲陽極皮材成分としてさらに、重量％
で、Ｉn ：０．００５〜０．０５％、Ｓn ：０．０５〜
０．２％、Ｐb ：０．００５〜０．２％、Ｇa ：０．０
０５〜０．２％の１種以上を含有する請求項１〜３のい
ずれかに記載の熱交換器用高強度高耐食性アルミニウム
合金ブレージングシート - 【請求項５】 ろう材成分としてさらに、重量％でＭg
：０．２〜２％を含有する請求項１〜４のいずれかに
記載の熱交換器用高強度高耐食性アルミニウム合金ブレ
ージングシート - 【請求項６】 ろう材成分としてさらに、重量％で、Ｂ
i ：０．０１〜０．２％、Ｂe ：０．０００２〜０．０
０１５％の１種または２種を含有する請求項５記載の熱
交換器用高強度高耐食性アルミニウム合金ブレージング
シート - 【請求項７】 ろう材成分としてさらに、重量％で、Ｉ
n ：０．００５〜０．１％、Ｓn ：０．０５〜０．２
％、Ｐb ：０．００５〜０．２％、Ｇa ：０．００５〜
０．２％の１種以上を含有する請求項１〜６のいずれか
に記載の熱交換器用高強度高耐食性アルミニウム合金ブ
レージングシート - 【請求項８】 ろう材成分としてさらに、重量％で、Ｎ
a ：０．００５〜０．２％、Ｋ：０．００５〜０．２
％、Ｃa ：０．００５〜０．２％、Ｓr ：０．００５〜
０．２％の１種以上を含有する請求項１〜７のいずれか
に記載の熱交換器用高強度高耐食性アルミニウム合金ブ
レージングシート
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|---|---|---|---|
| JP35548292A JP3205410B2 (ja) | 1992-12-21 | 1992-12-21 | 熱交換器用高強度高耐食性アルミニウム合金ブレージングシート |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP35548292A JP3205410B2 (ja) | 1992-12-21 | 1992-12-21 | 熱交換器用高強度高耐食性アルミニウム合金ブレージングシート |
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| JPH06184686A JPH06184686A (ja) | 1994-07-05 |
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-
1992
- 1992-12-21 JP JP35548292A patent/JP3205410B2/ja not_active Expired - Fee Related
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