JP3261473B2 - 低鉛高純度金属ニッケルの製造法 - Google Patents

低鉛高純度金属ニッケルの製造法

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浩二 続木
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐蝕性耐熱鋼あるいは
原子力放射性物質を扱う容器に用いる高純度金属ニッケ
ルの製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】高純度金属ニッケルの製造法として、湿
式による方法が一般的である。湿式法では、ニッケルの
硫酸塩あるいは塩化物溶液に塩素ガスなどの酸化剤を吹
き込みpH、ORPを調整し、溶液中に共存するコバル
ト、鉄、鉛、を水酸化物として除去した後、その液を電
気分解する事により高純度金属ニッケルを得ている。こ
の場合、電気分解に供する溶液中には数ppmの鉛が存
在し、この鉛はニッケルよりもイオン化傾向が小さいた
め電着は避けられず、このため金属ニッケル中には数1
0重量ppmの鉛を含む。従って、耐熱鋼や原子力放射
線物質を扱う容器用の高純度金属ニッケル中の鉛含有量
を1ppm以下に低下せしめるためには電気分解に供す
る溶液中の鉛を0.1ppm以下まで除去することが必
要になる。溶液の鉛含有量は、鉛の除去操作を繰り返す
ことで徐々に低下できるが、操作を繰り返すためには、
設備が大きくなり、またかなりの作業時間を要すること
など非効率的である。また、近年溶媒抽出法での鉛除去
も提案されているが、これも同様に工程の繰り返しが必
要である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述するように、従来
の湿式法により鉛含有量が1重量ppm以下の高純度金
属ニッケルを得るには、電気分解に供する溶液中の鉛含
有量を下げるために多大の費用がかかり、また作業時間
が長くかかり、ニッケルの収率も低くなるという問題点
がある。本発明は鉛含有量がきわめて少ない高純度金属
ニッケルの製造法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は鉛含有量が10
0重量ppm以下の金属ニッケルを、真空あるいは不活
性ガス雰囲気下で溶解した後、硫黄あるいはアルカリ土
類金属の単体又はニッケルと硫黄あるいはアルカリ土類
金属の合金を、硫黄純分あるいはアルカリ土類金属純分
で鉛量の10〜100倍量添加し鉛を分離除去する点に
特徴がある。
【0005】
【作用】本発明において、低鉛高純度金属ニッケルを製
造するための原料として用いる金属ニッケルの鉛含有量
を、100重量ppm以下とするのは、100重量pp
mを超えると、真空あるいは不活性ガス雰囲気下で溶解
した金属ニッケル中に硫黄あるいはアルカリ土類金属を
添加しても金属ニッケル中の鉛を90%以上の効率で分
離除去することができなくなるからである。
【0006】また雰囲気調整が可能な熔解炉を用いて金
属ニッケルを溶解したり、硫黄、アルカリ土類金属を単
独あるいは合金で添加したりする際に、真空あるいは不
活性ガス雰囲気にするのは、金属ニッケルの酸化と硫
黄、アルカリ土類金属の酸化燃焼による損失を防ぎ鉛の
分離除去を効率よく行うためである。硫黄による鉛の除
去は、鉛が低沸点で揮発性の高い鉛硫化物を形成し14
00〜1600℃の温度範囲で揮発することにより行わ
れる。一方、アルカリ土類金属による鉛の除去は、鉛が
アルカリ土類金属との化合により高融点で揮発が困難な
金属間化合物を形成し、1450〜1600℃の温度範
囲で熔体表面に浮上した金属間化合物を掻き出すことに
より行われる。不活性ガスとしてアルゴンが好ましく、
またアルカリ土類金属としてマグネシウムが好ましい。
【0007】本発明において、鉛含有量が100重量p
pmの金属ニッケルに硫黄、アルカリ土類金属を単独に
添加する場合、添加物は熔体表面が高温であるため一部
が揮発し、損失になるので金属ニッケル中の鉛含有量に
対して50〜100倍量添加することが好ましく、50
倍量未満では鉛除去率が90%以下と低くなり、100
倍量を超えても鉛除去率は変らない。一方、硫黄、アル
カリ土類金属をニッケルとの合金として添加する場合、
単独添加する場合に比べ添加物の揮発損失が少なくなる
ので金属ニッケル中の鉛含有量に対して10〜30倍量
添加することが好ましく、10倍量未満では、鉛除去率
が低くなり30倍量を超えても鉛除去率は変らない。鉛
含有量が100重量ppm以下の金属ニッケルでは、添
加物の添加倍率を図1、図2に示すように金属ニッケル
中の鉛含有量により、10〜100倍量の範囲で調整す
れば高い鉛除去率が得られる。
【0008】
【実施例】
(実施例−1)高周波熔解炉内の傾転可能な高周波コイ
ルにアルミナルツボをセットし、金属ニッケル(鉛含有
量10ppm)1200.0gをアルミナルツボ内に装
入し、炉内に付属している追加装入用のルツボ上方から
傾転できるバスケットに硫黄が鉛に対して40倍量にな
るように硫黄フレーク0.48gを装入した。アルゴン
雰囲気下で発振機の出力調整つまみにより1500℃ま
で昇温し、金属ニッケルが熔解したのを確認した後、バ
スケットから硫黄を装入し、30分保持し、その後、高
周波コイルを傾転させ、鉄製鋳型に鋳込み冷却して取り
出した。このインゴットの重量は1190gであり、収
率は99.2%であり分析した結果、鉛含有量1ppm
以下(定量限界以下)の低鉛高純度金属ニッケルが得ら
れた。鉛除去率は90%以上であった。 (実施例−2)実施例−1と同様な処理方法で、金属ニ
ッケル(鉛含有量10ppm)1200.0gに硫黄が
鉛に対して10倍量になるように硫黄フレーク0.12
gを装入した後、30分保持した。このインゴットの重
量は1187gであり、収率は98.9%であり分析し
た結果、鉛含有量1ppmの低鉛高純度金属ニッケルが
得られた。鉛除去率は90%であった。 (実施例−3)実施例−1と同様な処理方法において、
炉内を真空雰囲気(10-4Torr)とし、金属ニッケ
ル(鉛含有量50ppm)1200.0gに硫黄が鉛に
対して50倍量になるように硫黄フレークを3.0g装
入した後、10分保持した。このインゴットの重量は1
165gであり、収率は97.1%であり分析した結
果、鉛含有量1ppm以下(定量限界以下)の低鉛高純
度金属ニッケルが得られた。鉛除去率は98%以上であ
った。 (実施例−4)実施例−1と同様な処理方法で、金属ニ
ッケル(鉛含有量100ppm)1200.0gに硫黄
が鉛に対して83倍量になるように硫黄フレーク10g
を装入した後、30分保持した。このインゴットの重量
は1175gであり、収率は97.9%であり分析した
結果、鉛含有量1ppm以下(定量限界以下)の低鉛高
純度金属ニッケルが得られた。鉛除去率は99%以上で
あった。 (実施例−5)実施例−1と同様な処理方法において金
属ニッケル(鉛含有量10ppm)1200.0gに温
度1600℃で硫黄が鉛に対して20倍量になるように
硫黄−ニッケル合金(硫黄10wt%)を2.4g装入
した後、30分保持した。このインゴットの重量は11
80gであり、収率は98.3%であり分析した結果、
鉛含有量1ppm以下(定量限界以下)の低鉛高純度金
属ニッケルが得られた。鉛除去率は90%以上であっ
た。 (実施例−6)実施例−5と同様な処理方法で、金属ニ
ッケル(鉛含有量10ppm)に硫黄が鉛に対して10
倍量となるように硫黄−ニッケル合金(硫黄10wt
%)1.2gを装入した後、30分保持した。このイン
ゴットの重量は1175gであり、収率は97.9%で
あり分析した結果、鉛含有量1ppmの低鉛高純度金属
ニッケルが得られた。鉛除去率は90%であった。 (実施例−7)実施例−1と同様な処理方法において金
属ニッケル(鉛含有量10ppm)1200.0gにマ
グネシウムが鉛に対して20倍量になるようにニッケル
−マグネシウム合金(マグネシウム10wt%)2.4
g装入した後、30分保持した。このインゴットの重量
は1188gであり、収率は99.0%であった。分析
した結果、鉛含有量1ppm以下(定量限界以下)の低
鉛高純度金属ニッケルが得られた。鉛除去率は90%以
上であった。 (実施例−8)実施例−5と同様な処理方法で、金属ニ
ッケル(鉛含有量100ppm)1200.0gに硫黄
が鉛に対して30倍量となるように硫黄−ニッケル合金
(硫黄10wt%)36.0gを装入した後、30分保
持した。このインゴットの重量は1182gであり、収
率は98.5%であった。分析した結果、鉛含有量1p
pm以下(定量限界以下)の低鉛高純度金属ニッケルが
得られた。鉛除去率は99%以上であった。
【0009】(比較例−1)実施例−1の処理方法にお
いて、金属ニッケル(鉛含有量10ppm)1200.
0gのみを熔解し、30分保持した。このインゴットの
重量は1180gであり、収率は98.3%であった
が、分析した結果、鉛含有量9ppmであり、鉛除去率
は10%であった。 (比較例−2)実施例−3の処理方法において、金属ニ
ッケル(鉛含有量50ppm)1200.0gのみを熔
解し、60分保持した。このインゴットの重量は118
0gであり、収率は98.3%であったが、分析した結
果、鉛含有量48ppmであり、鉛除去率は4%であっ
た。 (比較例−3)実施例−1と同様な処理方法で、金属ニ
ッケル(鉛含有量100ppm)に硫黄が鉛に対して2
0倍量になるように硫黄フレーク2.4gを装入した
後、30分保持した。このインゴットの重量は1176
gであり、収率は98.0%であったが、分析した結
果、鉛含有量55ppmであり、鉛除去率は45%であ
った。 (比較例−4)実施例−1と同様な処理方法で、金属ニ
ッケル(鉛含有量200ppm)に硫黄が鉛に対して1
00倍量になるように硫黄フレーク24gを装入した
後、30分保持した。このインゴットの重量は1175
gであり、収率は97.9%であったが、分析した結
果、鉛含有量52ppmであり、鉛除去率は74%であ
った。 (比較例−5)実施例−1と同様な処理方法で、金属ニ
ッケル(鉛含有量500ppm)に硫黄が鉛に対して1
00倍量になるように硫黄フレーク60gを装入した
後、30分保持した。このインゴットの重量は1167
gであり、収率は97.3%であったが、分析した結
果、鉛含有量327ppmであり、鉛除去率は35%で
あった。 (比較例−6)実施例−5と同様な処理方法で、金属ニ
ッケル(鉛含有量200ppm)に硫黄が鉛に対して3
0倍量になるように硫黄−ニッケル合金(硫黄10wt
%)72gを装入した後、30分保持した。このインゴ
ットの重量は1176gであり、収率は98.0%であ
ったが、分析した結果、鉛含有量48ppmであり、鉛
除去率は76%であった。
【0010】実施例1〜4及び比較例1〜5の結果にも
とづいて、図1に、金属ニッケル中の鉛に対して硫黄の
添加倍率と鉛の除去率との関係を図示し、また実施例5
〜8及び比較例6の結果にもとづいて、図2に金属ニッ
ケル中の鉛に対してニッケル母合金中の硫黄純分、マグ
ネシア純分の添加倍率と鉛の除去率との関係を図示し
た。図1及び図2より、金属ニッケル中の鉛含有量が1
0重量ppmから高くなるにしたがって添加物の添加倍
率が同じ場合には鉛の除去率が低下し、一方添加物の添
加倍率を上げるにしたがって鉛の除去率は高くなる傾向
を示すが金属ニッケル中の鉛含有量が100重量ppm
以下では90%以上の鉛の除去率を維持できることが判
る。マグネシウム以外のアルカリ土類金属も同様の結果
であった。
【0011】
【発明の効果】本発明の方法によれば、鉛を含有する金
属ニッケルから鉛を短時間に効率良く除去でき、低鉛高
純度金属ニッケルを収率良く得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】硫黄の添加倍率と金属ニッケル中の鉛の除去率
との関係を示す図である。
【図2】ニッケルと硫黄、アルカリ土類金属の合金中の
硫黄純分、アルカリ土類金属純分の添加倍率と金属ニッ
ケル中の鉛の除去率との関係を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C22B 23/06 C22B 9/04 C22B 9/10 101 C22C 1/06

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉛含有量が100重量ppm以下の金属
    ニッケルを、真空あるいは不活性ガス雰囲気下で溶解し
    た後、硫黄あるいはアルカリ土類金属の単体又はニッケ
    ルと硫黄あるいはアルカリ土類金属の合金を、硫黄純分
    あるいはアルカリ土類金属純分で鉛量の10〜100倍
    量添加し、鉛を分離除去することを特徴とする低鉛高純
    度金属ニッケルの製造法。
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