JP2511224B2 - 銅又は銅合金屑中の不純物の除去方法 - Google Patents
銅又は銅合金屑中の不純物の除去方法Info
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- copper
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- copper alloy
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- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P10/00—Technologies related to metal processing
- Y02P10/20—Recycling
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- Manufacture And Refinement Of Metals (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、S及びPb等を不純物
として含む銅又は銅合金屑を原料の一部又は全部とし、
この原料を溶解し前記不純物を除去して電子機器産業等
の分野で利用可能の銅又は銅合金を得る銅又は銅合金屑
中の不純物の除去方法に関する。
として含む銅又は銅合金屑を原料の一部又は全部とし、
この原料を溶解し前記不純物を除去して電子機器産業等
の分野で利用可能の銅又は銅合金を得る銅又は銅合金屑
中の不純物の除去方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、銅及び銅合金の展伸材の利用分野
は拡大しており、特に電子機器産業においては、銅はそ
の導電性が優れている等の性質を有することから、銅及
び銅合金の利用量が著しく増加している。ところで、電
子機器産業にて使用される部品の大部分はプレス等の機
械加工で形成される。また、これらの部品は、組み立て
工程ではんだ付けされることが多い。従って、プレス時
に発生した銅又は銅合金屑及び電子部品から回収した銅
又は銅合金屑には、プレス油に含まれるS及びはんだに
含まれるPb等の元素が不純物として混入している。
は拡大しており、特に電子機器産業においては、銅はそ
の導電性が優れている等の性質を有することから、銅及
び銅合金の利用量が著しく増加している。ところで、電
子機器産業にて使用される部品の大部分はプレス等の機
械加工で形成される。また、これらの部品は、組み立て
工程ではんだ付けされることが多い。従って、プレス時
に発生した銅又は銅合金屑及び電子部品から回収した銅
又は銅合金屑には、プレス油に含まれるS及びはんだに
含まれるPb等の元素が不純物として混入している。
【0003】SはCuとの硫化物を生成しやすいため、
Cu中に残留しやすい。また、Pbも、熱力学的特性が
Cuと類似しているため、Cu中に残留しやすく、除去
が困難である。従って、プレス時に発生する銅又は銅合
金屑及び電子部品から回収した銅又は銅合金屑を再利用
する場合に、銅又は銅合金中にS及びPb等の不純物が
混入することを回避することは極めて困難である。この
ため、従来は、使用目的に応じて、原料中の銅又は銅合
金屑の割合を調整している。
Cu中に残留しやすい。また、Pbも、熱力学的特性が
Cuと類似しているため、Cu中に残留しやすく、除去
が困難である。従って、プレス時に発生する銅又は銅合
金屑及び電子部品から回収した銅又は銅合金屑を再利用
する場合に、銅又は銅合金中にS及びPb等の不純物が
混入することを回避することは極めて困難である。この
ため、従来は、使用目的に応じて、原料中の銅又は銅合
金屑の割合を調整している。
【0004】なお、銅又は銅合金の熱間加工性並びに製
品の品質及び特性を維持する必要上、電子機器産業等に
使用される銅又は銅合金は、そのS含有量が10ppm 以
下、Pb含有量が100ppm以下であることが必要であると
されている。
品の品質及び特性を維持する必要上、電子機器産業等に
使用される銅又は銅合金は、そのS含有量が10ppm 以
下、Pb含有量が100ppm以下であることが必要であると
されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、使用目
的に応じて原料中の銅又は銅合金屑の割合を調整するこ
とは極めて煩雑である。従って、銅又は銅合金屑を含む
原料から容易にS及びPbを除去する方法の開発が要望
されている。
的に応じて原料中の銅又は銅合金屑の割合を調整するこ
とは極めて煩雑である。従って、銅又は銅合金屑を含む
原料から容易にS及びPbを除去する方法の開発が要望
されている。
【0006】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
のであって、銅又は銅合金屑を含む原料からS及びPb
等の不純物を容易に除去することができる銅又は銅合金
屑中の不純物の除去方法を提供することを目的とする。
のであって、銅又は銅合金屑を含む原料からS及びPb
等の不純物を容易に除去することができる銅又は銅合金
屑中の不純物の除去方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本願の第1発明に係る銅
又は銅合金屑中の不純物の除去方法は、銅又は銅合金屑
を含む原料を溶解し溶湯を得る工程と、この溶湯に脱酸
剤を添加して溶湯中のO2 濃度を50ppm 以下にすると共
に0.005 重量%以上のAlを添加し溶湯中に不純物とし
て含まれるSをAlの硫化物とする工程と、この硫化物
を吸着剤に吸着させてその結果生成された鉱滓を除去す
る工程と、溶湯に対して脱酸処理を施す工程と、を有す
ることを特徴とする。
又は銅合金屑中の不純物の除去方法は、銅又は銅合金屑
を含む原料を溶解し溶湯を得る工程と、この溶湯に脱酸
剤を添加して溶湯中のO2 濃度を50ppm 以下にすると共
に0.005 重量%以上のAlを添加し溶湯中に不純物とし
て含まれるSをAlの硫化物とする工程と、この硫化物
を吸着剤に吸着させてその結果生成された鉱滓を除去す
る工程と、溶湯に対して脱酸処理を施す工程と、を有す
ることを特徴とする。
【0008】本願の第2発明に係る銅又は銅合金屑中の
不純物の除去方法は、銅又は銅合金屑を含む原料を溶解
し溶湯を得る工程と、この溶湯に脱酸剤を添加して溶湯
中のO2 濃度を50ppm 以下にすると共に0.005 重量%以
上のAlを添加し溶湯中に不純物として含まれるSをA
lの硫化物とする工程と、この硫化物を吸着剤に吸着さ
せてその結果生成された鉱滓を除去する工程と、溶湯中
にMn酸化物(又は、Fe酸化物)を添加して溶湯中の
O2 濃度を1000ppm 以上としMn(又は、Fe)と溶湯
中に不純物として含まれるPbとの複合酸化物を形成す
る工程と、この複合酸化物を吸着剤に吸着させてその結
果生成された鉱滓を除去する工程と、溶湯に対して脱酸
処理を施す工程と、を有することを特徴とする。
不純物の除去方法は、銅又は銅合金屑を含む原料を溶解
し溶湯を得る工程と、この溶湯に脱酸剤を添加して溶湯
中のO2 濃度を50ppm 以下にすると共に0.005 重量%以
上のAlを添加し溶湯中に不純物として含まれるSをA
lの硫化物とする工程と、この硫化物を吸着剤に吸着さ
せてその結果生成された鉱滓を除去する工程と、溶湯中
にMn酸化物(又は、Fe酸化物)を添加して溶湯中の
O2 濃度を1000ppm 以上としMn(又は、Fe)と溶湯
中に不純物として含まれるPbとの複合酸化物を形成す
る工程と、この複合酸化物を吸着剤に吸着させてその結
果生成された鉱滓を除去する工程と、溶湯に対して脱酸
処理を施す工程と、を有することを特徴とする。
【0009】
【作用】SはCuと結合しやすく、CuS又はCuSO
4 として銅又は銅合金屑中に存在する。このSを含む銅
又は銅合金屑を溶解して得た溶湯中にAlを添加する
と、Alは硫化物の標準生成自由エネルギーがCuより
も低いため、AlとSとが反応してAl硫化物(Al2
S3 )が生成される。Al2 S3 は、その比重が 2.03
と銅の1/4以下であるため、溶湯表面に浮上し、フラ
ックス及び木炭等の吸着剤に吸着されて鉱滓が生成され
る。本発明においては、このようにして、銅又は銅合金
中に不純物として含まれるSを鉱滓として除去する。
4 として銅又は銅合金屑中に存在する。このSを含む銅
又は銅合金屑を溶解して得た溶湯中にAlを添加する
と、Alは硫化物の標準生成自由エネルギーがCuより
も低いため、AlとSとが反応してAl硫化物(Al2
S3 )が生成される。Al2 S3 は、その比重が 2.03
と銅の1/4以下であるため、溶湯表面に浮上し、フラ
ックス及び木炭等の吸着剤に吸着されて鉱滓が生成され
る。本発明においては、このようにして、銅又は銅合金
中に不純物として含まれるSを鉱滓として除去する。
【0010】但し、Al硫化物を形成するためには、溶
湯中のO2 濃度が50ppm 以下であることが必要である。
このため、Alを添加するときには、脱酸剤により溶湯
中の酸素濃度を50ppm 以下にする。また、Al添加量が
0.005 重量%未満の場合は、Al硫化物が十分に形成さ
れず、Sを十分に除去することができない。従って、A
l添加量は0.005 重量%以上であることが必要である。
湯中のO2 濃度が50ppm 以下であることが必要である。
このため、Alを添加するときには、脱酸剤により溶湯
中の酸素濃度を50ppm 以下にする。また、Al添加量が
0.005 重量%未満の場合は、Al硫化物が十分に形成さ
れず、Sを十分に除去することができない。従って、A
l添加量は0.005 重量%以上であることが必要である。
【0011】また、Pbを含む溶湯中にMn酸化物(M
nO2 )又はFe酸化物(Fe2 O3 )を添加すると、
溶湯中においてMn酸化物及びFe酸化物は下記化学式
1,2に示すようにO2 を発生するため、溶湯中のO2
濃度が高くなる。
nO2 )又はFe酸化物(Fe2 O3 )を添加すると、
溶湯中においてMn酸化物及びFe酸化物は下記化学式
1,2に示すようにO2 を発生するため、溶湯中のO2
濃度が高くなる。
【0012】
【化1】2MnO2 →2MnO+O2
【0013】
【化2】2Fe2 O3 →4FeO+O2
【0014】このようにして溶湯中のO2 濃度が高くな
ると、溶湯中に不純物として含まれるPbはMn又はF
eとの複合酸化物を形成する。この複合酸化物は、比重
が銅よりも小さいため溶湯表面に浮上し、フラックス及
び木炭等の吸着剤に吸着されて鉱滓が生成される。この
ようにして、本発明においては、銅又は銅合金中に不純
物として含まれるPbを鉱滓として溶湯から除去する。
この場合に、溶湯中のO2 濃度が1000ppm 未満の場合
は、複合酸化物の形成が十分でなく、Pbを十分に除去
することができない。従って、Pbを除去するときの溶
湯中のO2 濃度は1000ppm 以上であることが必要であ
る。
ると、溶湯中に不純物として含まれるPbはMn又はF
eとの複合酸化物を形成する。この複合酸化物は、比重
が銅よりも小さいため溶湯表面に浮上し、フラックス及
び木炭等の吸着剤に吸着されて鉱滓が生成される。この
ようにして、本発明においては、銅又は銅合金中に不純
物として含まれるPbを鉱滓として溶湯から除去する。
この場合に、溶湯中のO2 濃度が1000ppm 未満の場合
は、複合酸化物の形成が十分でなく、Pbを十分に除去
することができない。従って、Pbを除去するときの溶
湯中のO2 濃度は1000ppm 以上であることが必要であ
る。
【0015】なお、銅及び銅合金屑原料中のPb含有量
に応じて、MnO2 又はFe2 O3の添加工程及び鉱滓
除去工程を数回繰り返すことにより、Pb濃度を十分に
低減することができる。
に応じて、MnO2 又はFe2 O3の添加工程及び鉱滓
除去工程を数回繰り返すことにより、Pb濃度を十分に
低減することができる。
【0016】
【実施例】次に、本発明方法に係る実施例について、そ
の特許請求の範囲から外れる比較例と比較して説明す
る。
の特許請求の範囲から外れる比較例と比較して説明す
る。
【0017】実施例1 先ず、原料として50ppm のSを含有する銅屑を使用し、
高周波溶解炉を用いてこの銅屑を大気中で溶解して10k
gの溶湯を得た。この溶湯を1200℃の温度に維持し、S
iで脱酸してO2 濃度を40ppm とした。次に、溶湯に0.
02重量%のAlを添加して撹拌し、20分間経過した後、
溶湯表面に浮上したAl硫化物(Al2S3 )を木炭及
びフラックス(硼砂+氷晶石+NaCl)に吸着させて
鉱滓とした。そして、溶湯表面からこの鉱滓を除去した
後、溶湯に対して脱酸処理を施した。次いで、この溶湯
を金型鋳型に鋳込んで鋳造し、鋳塊を得た。
高周波溶解炉を用いてこの銅屑を大気中で溶解して10k
gの溶湯を得た。この溶湯を1200℃の温度に維持し、S
iで脱酸してO2 濃度を40ppm とした。次に、溶湯に0.
02重量%のAlを添加して撹拌し、20分間経過した後、
溶湯表面に浮上したAl硫化物(Al2S3 )を木炭及
びフラックス(硼砂+氷晶石+NaCl)に吸着させて
鉱滓とした。そして、溶湯表面からこの鉱滓を除去した
後、溶湯に対して脱酸処理を施した。次いで、この溶湯
を金型鋳型に鋳込んで鋳造し、鋳塊を得た。
【0018】実施例2,3 先ず、原料として50ppm のS及び1100ppm のPbを含有
する銅屑を使用し、高周波溶解炉を用いてこの銅屑を大
気中で溶解して10kgの溶湯を得た。この溶湯を1200℃
の温度に維持し、Siで脱酸してO2 濃度を40ppm とし
た。次に、溶湯に0.02重量%のAlを添加して撹拌し、
20分間経過後、溶湯表面に浮上したAl硫化物(Al2
S3 )を木炭及びフラックス(硼砂+氷晶石+NaC
l)に吸着させて鉱滓とした。そして、溶湯表面からこ
の鉱滓を除去した。
する銅屑を使用し、高周波溶解炉を用いてこの銅屑を大
気中で溶解して10kgの溶湯を得た。この溶湯を1200℃
の温度に維持し、Siで脱酸してO2 濃度を40ppm とし
た。次に、溶湯に0.02重量%のAlを添加して撹拌し、
20分間経過後、溶湯表面に浮上したAl硫化物(Al2
S3 )を木炭及びフラックス(硼砂+氷晶石+NaC
l)に吸着させて鉱滓とした。そして、溶湯表面からこ
の鉱滓を除去した。
【0019】次に、溶湯中のO2 濃度が5000ppm になる
までMnO2 を添加し撹拌して、20分間経過した後、溶
湯表面に浮上したPbとMnとの複合酸化物を木炭及び
フラックス(硼砂+氷晶石+NaCl)に吸着させて鉱
滓とした。そして、溶湯表面からこの鉱滓を除去した
後、溶湯に対して脱酸処理を施した。次いで、この溶湯
を金型鋳型に鋳込んで鋳造し、鋳塊を得た。
までMnO2 を添加し撹拌して、20分間経過した後、溶
湯表面に浮上したPbとMnとの複合酸化物を木炭及び
フラックス(硼砂+氷晶石+NaCl)に吸着させて鉱
滓とした。そして、溶湯表面からこの鉱滓を除去した
後、溶湯に対して脱酸処理を施した。次いで、この溶湯
を金型鋳型に鋳込んで鋳造し、鋳塊を得た。
【0020】なお、MnO2 添加から鉱滓除去までの作
業を1回だけ行なったものを実施例2とし、3回繰り返
し実施したものを実施例3とした。
業を1回だけ行なったものを実施例2とし、3回繰り返
し実施したものを実施例3とした。
【0021】実施例4,5 先ず、原料として50ppm のS及び1000ppm のPbを含有
する銅屑を使用し、高周波溶解炉を用いてこの銅屑を大
気中で溶解して10kgの溶湯を得た。この溶湯を1200℃
の温度に維持し、Siで脱酸してO2 濃度を40ppm とし
た。次に、溶湯に0.02重量%のAlを添加して撹拌し、
20分間経過した後、溶湯表面に浮上した硫化アルミニウ
ム(Al2 S3 )を木炭及びフラックス(硼砂+氷晶石
+NaCl)に吸着させて鉱滓とした。そして、溶湯表
面からこの鉱滓を除去した。
する銅屑を使用し、高周波溶解炉を用いてこの銅屑を大
気中で溶解して10kgの溶湯を得た。この溶湯を1200℃
の温度に維持し、Siで脱酸してO2 濃度を40ppm とし
た。次に、溶湯に0.02重量%のAlを添加して撹拌し、
20分間経過した後、溶湯表面に浮上した硫化アルミニウ
ム(Al2 S3 )を木炭及びフラックス(硼砂+氷晶石
+NaCl)に吸着させて鉱滓とした。そして、溶湯表
面からこの鉱滓を除去した。
【0022】次に、溶湯中のO2 濃度が5000ppm になる
までFe2 O3 を添加し撹拌して、20分間経過した後、
溶湯表面に浮上したPbとFeとの複合酸化物を木炭及
びフラックス(硼砂+氷晶石+NaCl)に吸着させて
鉱滓とした。そして、溶湯表面からこの鉱滓を除去した
後、溶湯に対して脱酸処理を施した。次いで、この溶湯
を金型鋳型に鋳込んで鋳造し、鋳塊を得た。
までFe2 O3 を添加し撹拌して、20分間経過した後、
溶湯表面に浮上したPbとFeとの複合酸化物を木炭及
びフラックス(硼砂+氷晶石+NaCl)に吸着させて
鉱滓とした。そして、溶湯表面からこの鉱滓を除去した
後、溶湯に対して脱酸処理を施した。次いで、この溶湯
を金型鋳型に鋳込んで鋳造し、鋳塊を得た。
【0023】なお、Fe2 O3 添加から鉱滓除去までの
作業を1回だけ行なったものを実施例4とし、3回繰り
返したものを実施例5とした。
作業を1回だけ行なったものを実施例4とし、3回繰り
返したものを実施例5とした。
【0024】比較例1,2 比較例1として、15ppm のS及び1100ppm のPbを含有
する銅屑を使用し、この銅屑を溶解した後、溶湯の温度
を1200℃、O2 含有量を3500ppm にして20分間保持し
た。その後、溶湯に対して脱酸処理を施し、鋳造を行な
って鋳塊を得た。また、比較例2として、50ppm のS及
び1100ppm のPbを含有する銅屑を使用し、この銅屑を
溶解した後、溶湯の温度を1200℃、O2 含有量を3500pp
m にして20分間保持した。その後、溶湯に対して脱酸処
理を施し、鋳造を行なって鋳塊を得た。
する銅屑を使用し、この銅屑を溶解した後、溶湯の温度
を1200℃、O2 含有量を3500ppm にして20分間保持し
た。その後、溶湯に対して脱酸処理を施し、鋳造を行な
って鋳塊を得た。また、比較例2として、50ppm のS及
び1100ppm のPbを含有する銅屑を使用し、この銅屑を
溶解した後、溶湯の温度を1200℃、O2 含有量を3500pp
m にして20分間保持した。その後、溶湯に対して脱酸処
理を施し、鋳造を行なって鋳塊を得た。
【0025】実施例1乃至5のPb及びS含有量並びに
銅溶湯中へのAl、MnO2 及びFe2 O3 添加量を下
記表1にまとめて示す。但し、単位は重量%である。
銅溶湯中へのAl、MnO2 及びFe2 O3 添加量を下
記表1にまとめて示す。但し、単位は重量%である。
【0026】
【表1】
【0027】実施例1乃至5及び比較例1,2の鋳塊の
化学成分を湿式分析した。その結果を下記表2に示す。
化学成分を湿式分析した。その結果を下記表2に示す。
【0028】
【表2】
【0029】この表2から明らかなように、実施例1に
ついてはS含有量が減少し、実施例2乃至5については
S含有量及びPb含有量が減少した。これらの実施例1
乃至5の鋳塊は、S含有量及びPb含有量が十分に少な
いため、電子機器産業等において使用することが可能で
ある。一方、溶湯中のO2 含有量を増加しただけの比較
例1,2においては、不純物であるPb及びSを殆ど除
去することができなかった。
ついてはS含有量が減少し、実施例2乃至5については
S含有量及びPb含有量が減少した。これらの実施例1
乃至5の鋳塊は、S含有量及びPb含有量が十分に少な
いため、電子機器産業等において使用することが可能で
ある。一方、溶湯中のO2 含有量を増加しただけの比較
例1,2においては、不純物であるPb及びSを殆ど除
去することができなかった。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように本発明方法によれ
ば、銅又は銅合金屑を溶解し、O2 濃度を所定量以下と
した溶湯中にAlを添加し、不純物としてのSをAl硫
化物に変えて除去する。また、この溶湯にMn酸化物又
はFe酸化物を添加して不純物としてのPbをMn又は
Feとの複合酸化物に変えて除去する。従って、本発明
方法により、銅又は銅合金屑の再利用が容易になり、銅
又は銅合金屑を有効に利用することができるという効果
を奏する。
ば、銅又は銅合金屑を溶解し、O2 濃度を所定量以下と
した溶湯中にAlを添加し、不純物としてのSをAl硫
化物に変えて除去する。また、この溶湯にMn酸化物又
はFe酸化物を添加して不純物としてのPbをMn又は
Feとの複合酸化物に変えて除去する。従って、本発明
方法により、銅又は銅合金屑の再利用が容易になり、銅
又は銅合金屑を有効に利用することができるという効果
を奏する。
Claims (3)
- 【請求項1】 銅又は銅合金屑を含む原料を溶解し溶湯
を得る工程と、この溶湯に脱酸剤を添加して溶湯中のO
2濃度を50ppm以下にすると共に0.005重量%
以上のAlを添加し溶湯中に不純物として含まれるSを
Alの硫化物とする工程と、この硫化物を吸着剤に吸着
させてその結果生成された鉱滓を除去する工程と、を有
することを特徴とする銅又は銅合金屑中の不純物の除去
方法。 - 【請求項2】 銅又は銅合金屑を含む原料を溶解し溶湯
を得る工程と、この溶湯に脱酸剤を添加して溶湯中のO
2濃度を50ppm以下にすると共に0.005重量%
以上のAlを添加し溶湯中に不純物として含まれるSを
Alの硫化物とする工程と、この硫化物を吸着剤に吸着
させてその結果生成された鉱滓を除去する工程と、溶湯
中にMn酸化物を添加して溶湯中のO2濃度を1000
ppm以上としMnと溶湯中に不純物として含まれるP
bとの複合酸化物を形成する工程と、この複合酸化物を
吸着剤に吸着させてその結果生成された鉱滓を除去する
工程と、溶湯に対して脱酸処理を施す工程と、を有する
ことを特徴とする銅又は銅合金屑中の不純物の除去方
法。 - 【請求項3】 銅又は銅合金屑を含む原料を溶解し溶湯
を得る工程と、この溶湯に脱酸剤を添加して溶湯中のO
2濃度を50ppm以下にすると共に0.005重量%
以上のAlを添加し溶湯中に不純物として含まれるSを
Alの硫化物とする工程と、この硫化物を吸着剤に吸着
させてその結果生成された鉱滓を除去する工程と、溶湯
中にFe酸化物を添加して溶湯中のO2濃度を1000
ppm以上としFeと溶湯中に不純物として含まれるP
bとの複合酸化物を形成する工程と、この複合酸化物を
吸着剤に吸着させてその結果生成された鉱滓を除去する
工程と、溶湯に対して脱酸処理を施す工程と、を有する
ことを特徴とする銅又は銅合金屑中の不純物の除去方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5394492A JP2511224B2 (ja) | 1992-03-12 | 1992-03-12 | 銅又は銅合金屑中の不純物の除去方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5394492A JP2511224B2 (ja) | 1992-03-12 | 1992-03-12 | 銅又は銅合金屑中の不純物の除去方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05255769A JPH05255769A (ja) | 1993-10-05 |
JP2511224B2 true JP2511224B2 (ja) | 1996-06-26 |
Family
ID=12956841
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5394492A Expired - Fee Related JP2511224B2 (ja) | 1992-03-12 | 1992-03-12 | 銅又は銅合金屑中の不純物の除去方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2511224B2 (ja) |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH01263230A (ja) * | 1988-04-13 | 1989-10-19 | Hitachi Cable Ltd | 電子通信機器配線用無酸素銅の製造方法 |
-
1992
- 1992-03-12 JP JP5394492A patent/JP2511224B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05255769A (ja) | 1993-10-05 |
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