JPH05311281A - 銅合金添加用Cu−Fe合金及びその製造方法 - Google Patents

銅合金添加用Cu−Fe合金及びその製造方法

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JPH05311281A
JPH05311281A JP11752092A JP11752092A JPH05311281A JP H05311281 A JPH05311281 A JP H05311281A JP 11752092 A JP11752092 A JP 11752092A JP 11752092 A JP11752092 A JP 11752092A JP H05311281 A JPH05311281 A JP H05311281A
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JP
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iron
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copper
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JP11752092A
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Inventor
Shuhei Mori
周平 森
Yasuhiro Nakajima
安啓 中島
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Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 母相に固溶しないFe粒子が微細であると共
に、その量自体が少ない高品質の鉄含有銅合金を低コス
トで製造するための鉄原料として好的の銅合金添加用C
u−Fe合金及びその製造方法を提供する。 【構成】 この銅合金添加用Cu−Fe合金は、Feを
5〜20重量%含有し、このFe含有量をaとした場合
に、Cを(a/600)重量%未満、Siを(a/480)重
量%未満含有し、残部が実質的にCu及び不可避的不純
物である。この合金は、C含有量が0.17重量%未満、S
i含有量が0.21重量%未満で残部が実質的にFe及び不
可避的不純物である粒子径が50μm〜2mmの鉄粉を原料
として製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高品質な鉄含有銅合金
の製造に供することができる銅合金添加用Cu−Fe合
金及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及びその問題点】鉄を含む銅合金の鉄原料
としては、Cu−Fe合金が多く用いられている。この
Cu−Fe合金としては、Feを10重量%程度含有する
ものが使われている。しかし、例えば、このCu−Fe
合金を使用してCu−2.4重量%Fe−0.03重量%P合
金を造塊すると、母相に固溶しない寸法10μm以上のF
e粒子が大量に発生する。このFe粒子は、状態図から
判断すると、この組成では発生しないと考えられるもの
である。これらのFe粒子は、造塊後の熱間圧延及び焼
鈍工程を経た冷延材でもその寸法・形態を変えずに残存
し、冷延材の延性の低下及びスタンピング工具の寿命低
下等の問題を発生させる。
【0003】一方、銅合金に添加するためのCu−Fe
合金の製造方法としては、従来、溶解炉で溶融させた銅
の溶湯に屑鉄又は帯鉄等の鉄片を添加して溶解し、得ら
れた溶湯を鋳造する方法がとられている。しかし、Fe
の融点は1534℃で、銅より400℃以上高いため、体積が
大きい鉄屑又は帯鉄等の鉄片を添加すると、溶解に時間
がかかる。また、鉄を5重量%以上含む中間合金を速や
かに溶解するには、溶湯温度を1400〜1500℃まで高くす
る必要があり、これが製造コストを高くする要因とな
る。更に、溶湯温度が高くなり、又は溶解時間が長くな
ると、炉材寿命の低下及び添加したFeの滅失等の問題
も生じる。
【0004】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
のであって、母相に固溶しないFe粒子が微細であると
共に、その量自体が少ない高品質な鉄含有銅銅金を低コ
ストで製造でき、この鉄含有銅合金を製造するための鉄
原料として好的の銅合金添加用Cu−Fe合金及びその
製造方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明に係る銅合金添加
用Cu−Fe合金は、Feを5〜20重量%含有し、更に
このFe含有量をaとした場合に、Cを(a/600)重
量%未満、Siを(a/480)重量%未満含有し、残部
が実質的にCu及び不可避的不純物であることを特徴と
する。
【0006】本発明に係る銅合金添加用Cu−Fe合金
の製造方法は、C含有量が0.17重量%未満、Si含有量
が0.21重量%未満で残部が実質的にFe及び不可避的不
純物である粒子径50μm〜2mmの鉄粉を原料として、前
述の組成のCu−Fe合金を製造することを特徴とす
る。
【0007】
【作用】本発明のCu−Fe合金を鉄原料として鉄を銅
合金中に添加してこれを溶解鋳造すると、晶出Fe粒子
が微細で且つその量自体が少ない高品質な鉄含有銅合金
を低コストで製造することができる。
【0008】以下に、本発明について更に具体的に説明
する。従来のCu−10重量%Fe合金を鉄原料として使
用して、例えばCu−2.4重量%Fe−0.03重量%P合
金を溶解し、この溶湯を連続鋳造すると、母相に固溶し
ないFe粒子が鋳塊中に大量に発生する。そこで、本願
発明者らは、種々の鉄原料を使ってCu−2.4重量%F
e−0.03重量%P合金を造塊し、鋳塊中に発生するFe
粒子の生成機構について詳細に検討した。その結果、F
e粒子の形成には溶湯中の不純物と溶湯の冷却速度が影
響することを見いだした。
【0009】溶湯の冷却速度の影響 本願発明者らの実験研究の結果によると、1300℃のCu
−2.4重量%Fe−0.03重量%P合金溶湯を種々の冷却
速度で凝固させると、100℃/秒以上の冷却速度ではF
e粒子は発生しないが、冷却速度が100℃/秒より小さ
くなるとFe粒子が発生する。また、冷却速度が遅くな
ると、発生するFe粒子の寸法が急激に大きくなってい
る。これらの事実より、鋳塊中のFe粒子は晶出物であ
ると考えられる。
【0010】溶湯中の不純物の影響 本願発明者らが溶湯中の不純物の影響について実験研究
を繰り返した結果、溶湯中のC及び/又はSi量が増加
するにつれて、鋳塊中のFe粒子数が増加し、その寸法
が大きくなることを見いだした。この原因を調査した結
果、銅合金溶湯のC及び/又はSiの量が増加すると、
溶湯中に鉄濃度が濃い領域が形成されやすくなり、この
領域が核となって冷却時に成長することにより、粗大な
鉄粒子が形成されるものと考えられる。晶出鉄粒子数が
増加し、その粗大化が始まる溶湯中のC及びSi濃度
は、Cu−2.4重量%Fe−0.03重量%P合金の連続鋳
造鋳塊の冷却速度において、夫々40ppm及び50ppmであ
る。
【0011】以上の知見より、通常の連続鋳造法によっ
て、晶出Fe粒子が微細で且つその数が少ない高品質な
鉄含有銅合金を製造するためには、溶湯中のC及びSi
量を制限する必要があることが明らかである。C及びS
iは、合金配合時の原料、炉材、溶湯被覆木炭などから
溶湯に侵入する。これらの侵入源のうち最も大きな影響
を与えるのはFe原料として添加するCu−Fe合金で
ある。従って、鉄を含む銅合金に添加する鉄原料として
のCu−Fe合金は、鉄原料として銅合金溶湯に添加し
たときに銅溶湯のC又は/及びSi含有量が前述の値よ
り小さくなるものを使用する必要がある。
【0012】なお、Cu−Fe合金のFe含有量が5重
量%より少ないと、鉄原料として配合するCu−Fe合
金の量が増加し、原料コストと溶解コストを上昇させ
る。一方、Cu−Fe二元系状態図によると、Cu−F
e合金の融点はFe含有量の増加に伴って上昇し、Fe
含有量が20重量%を超えると、その融点が1400℃以上に
なる。このため、20重量%以上のFeを含有するCu−
Fe合金を造塊するためには、溶解温度を1400℃以上に
する必要がある。また、鉄原料として配合した場合にも
溶解に時間がかかる。従って、Cu−Fe合金中のFe
含有量は5乃至20重量%にする。
【0013】Cu−Fe合金のC,Si濃度の制限理
Cu−Fe合金を鉄原料として銅合金溶湯に添加する
と、Cu−Fe合金に含まれるCとSiはそのまま溶湯
に持ち込まれるので、5〜20重量%のFeを含む銅合金
の鉄原料として使用するCu−Fe合金のC及びSi量
は、aをCu−Fe合金中のFeの含有量(重量%)と
すると、夫々(a/600)重量%未満及び(a/480)重
量%未満にする必要がある。
【0014】Cu−Fe合金の原料としての鉄粉の成
分と、粒子径の限定理由 C含有量が0.17重量%以上、Si含有量が0.21重量%以
上の鉄粉を原料として使用すると、製造したCu−Fe
合金のC及びSi含有量が前述の制限値を超える。従っ
て、原料として使用する鉄粉は、C含有量が0.17重量%
未満、Si含有量が0.21重量%未満であり、残部が実質
的にFe及び不可避的不純物の組成であることが必要で
ある。
【0015】前述のようにC及びSiの含有量を規制し
た鉄粉を使用しても、鉄粉の粒子径が2mm以上になる
と、Cu−Fe合金を製造する際に、鉄を速やかに且つ
完全に溶解するには溶湯温度を1400℃〜1500℃まで高く
し、長時間保持する必要がある。このように、高温且つ
長時間の溶解処理は、Cu−Fe合金の製造コストを高
くする要因となる。
【0016】一方、鉄粉の粒子径が50μm未満では、銅
溶湯に添加するときの急激な酸化反応で粉塵爆発を起こ
す可能性があると共に、添加滅失及びのろの発生が多く
なる。また、鉄粉のコストが高くなるので、Cu−Fe
合金の製造コストを上昇させる要因となる。
【0017】従って、Cu−Fe合金を製造するための
原料としては、C含有量が0.17重量%未満、Si含有量
が0.21重量%未満で、残部が実質的に鉄及び不可避的不
純物からなる粒子径が50μm〜2mmの鉄粉を使用する。
【0018】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。
【0019】電気銅と、下記表1に示す化学組成及び寸
法を有するアトマイズ鉄粉とをアルミナるつぼに装入し
た後、硼砂で被覆して溶解し、Cu−5〜20重量%Fe
合金を作製した。作製したCu−Fe合金の化学組成を
下記表2に示す。
【0020】
【表1】
【0021】
【表2】
【0022】電気銅、Cu−15重量%P合金及び表2の
Cu−Fe合金を原料として、Cu−2.4重量%Fe−
0.03重量%P合金を作製した。アルミナ被覆した黒鉛る
つぼに電気銅を装入し、木炭で溶湯表面を覆って溶解
し、表2のCu−Fe合金A5〜D20を添加し、1300℃
で30分間保持した。次いで、Cu−Fe合金の溶解を確
認した後、Cu−15重量%P合金を添加して脱酸し、脱
酸後の溶湯を金型に鋳造して6kgの鋳塊を作製した。
【0023】次いで、鋳塊中心部から20mm×20mmの試料
を切断し、光学顕微鏡で晶出鉄粒子を観察した。作製し
た合金の化学組成と観察結果を下記表3に示す。この表
3から明らかなように、本発明の実施例に係るCu−F
e合金を添加した鋳塊では、C及びSi含有量が制限値
より少なくなるので、10μm以上の晶出鉄粒子が全く存
在しない健全な鋳塊が得られた。一方、比較例の中間合
金C10、D20を添加すると、C10添加材ではCが、D20
添加材ではSiが夫々制限値より多くなるため、合金の
ミクロ組織上において、10μm以上の晶出鉄粒子が大量
に発生する。
【0024】
【表3】
【0025】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のCu−F
e合金を鉄原料として使用して鉄を含む銅合金を溶解鋳
造すると、晶出鉄粒子が微細であると共にその量自体が
低減された高品質な鉄含有銅合金を低コストで製造する
ことができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Feを5〜20重量%含有し、更にこのF
    e含有量をaとした場合に、Cを(a/600)重量%未
    満、Siを(a/480)重量%未満含有し、残部が実質
    的にCu及び不可避的不純物であることを特徴とする銅
    合金添加用Cu−Fe合金。
  2. 【請求項2】 C含有量が0.17重量%未満、Si含有量
    が0.21重量%未満で残部が実質的にFe及び不可避的不
    純物である粒子径50μm〜2mmの鉄粉を原料として、前
    記請求項1に記載の組成のCu−Fe合金を製造するこ
    とを特徴とする銅合金添加用Cu−Fe合金の製造方
    法。
JP11752092A 1992-05-11 1992-05-11 銅合金添加用Cu−Fe合金及びその製造方法 Pending JPH05311281A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013071155A (ja) * 2011-09-28 2013-04-22 Hitachi Cable Ltd 銅合金鋳塊、銅合金板及び銅合金鋳塊の製造方法
CN105400988A (zh) * 2015-11-10 2016-03-16 太仓捷公精密金属材料有限公司 一种铜合金金属材料

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