JPH10140254A - 黄銅中の鉛の除去方法 - Google Patents
黄銅中の鉛の除去方法Info
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- JPH10140254A JPH10140254A JP29264896A JP29264896A JPH10140254A JP H10140254 A JPH10140254 A JP H10140254A JP 29264896 A JP29264896 A JP 29264896A JP 29264896 A JP29264896 A JP 29264896A JP H10140254 A JPH10140254 A JP H10140254A
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-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
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- Y02P10/00—Technologies related to metal processing
- Y02P10/20—Recycling
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- Manufacture And Refinement Of Metals (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 黄銅溶湯中に鉛が含まれている場合、亜鉛の
含有量を殆ど減らすことなく、鉛の含有量のみを少なく
とも不純物以下に低減し得る黄銅中の鉛の除去方法を提
供する。 【解決手段】 鉛を含む黄銅溶湯中に金属元素カルシウ
ム及び/又は銅−カルシウム合金を添加し、鉛をカルシ
ウムとの化合物にして除去する。
含有量を殆ど減らすことなく、鉛の含有量のみを少なく
とも不純物以下に低減し得る黄銅中の鉛の除去方法を提
供する。 【解決手段】 鉛を含む黄銅溶湯中に金属元素カルシウ
ム及び/又は銅−カルシウム合金を添加し、鉛をカルシ
ウムとの化合物にして除去する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、少なくとも鉛を含
む黄銅溶湯中から鉛を除去する方法に関し、詳細には、
鉛を除去して黄銅としてリサイクルする黄銅中の鉛の除
去方法に関するものである。
む黄銅溶湯中から鉛を除去する方法に関し、詳細には、
鉛を除去して黄銅としてリサイクルする黄銅中の鉛の除
去方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】一般
に、銅合金は熱および電気伝導に優れ、良好な加工性な
どの優れた特性を有することから熱交換器や電気・電子
部品用材料として広く、且つ、多量に使用されてきてい
る。そして、このような優れた特性を有する銅合金は、
省資源・省エネルギーの観点から、加工過程で発生する
屑または使用済み後の銅屑を回収しリサイクルすること
が行なわれている。しかし、これら銅屑には異種材料、
ハンダ、めっき、絶縁物等が混入しているので、溶解前
に人手により選別が行なわれている。
に、銅合金は熱および電気伝導に優れ、良好な加工性な
どの優れた特性を有することから熱交換器や電気・電子
部品用材料として広く、且つ、多量に使用されてきてい
る。そして、このような優れた特性を有する銅合金は、
省資源・省エネルギーの観点から、加工過程で発生する
屑または使用済み後の銅屑を回収しリサイクルすること
が行なわれている。しかし、これら銅屑には異種材料、
ハンダ、めっき、絶縁物等が混入しているので、溶解前
に人手により選別が行なわれている。
【0003】一方、銅屑の中には黄銅屑があり、表面の
色が黄色であることから比較的容易に選別できる。黄銅
は亜鉛を多量に含有しており、この屑から亜鉛を除去し
て銅合金とするには亜鉛の省資源及び除去するエネルギ
ーを考慮したとき不経済であり、そのまま黄銅溶湯とし
て溶解再利用するのが最も経済的である。
色が黄色であることから比較的容易に選別できる。黄銅
は亜鉛を多量に含有しており、この屑から亜鉛を除去し
て銅合金とするには亜鉛の省資源及び除去するエネルギ
ーを考慮したとき不経済であり、そのまま黄銅溶湯とし
て溶解再利用するのが最も経済的である。
【0004】しかしながら、周知のように黄銅には、切
削性向上を目的として鉛を含む鉛入り黄銅及び鉛を含ま
ない黄銅が存在する。このため、これらのスクラップを
利用するには、この合金系が混入しないように、溶解以
前に分別する必要がある。しかし、大量の黄銅スクラッ
プに鉛入り黄銅が混入した場合、これを分別することは
殆ど困難である。また、溶解後に鉛を酸化させ酸化鉛と
して浮上除去する方法が考えられるが、この酸化による
方法では亜鉛も酸化除去されてしまい、鉛のみの除去は
難しい。
削性向上を目的として鉛を含む鉛入り黄銅及び鉛を含ま
ない黄銅が存在する。このため、これらのスクラップを
利用するには、この合金系が混入しないように、溶解以
前に分別する必要がある。しかし、大量の黄銅スクラッ
プに鉛入り黄銅が混入した場合、これを分別することは
殆ど困難である。また、溶解後に鉛を酸化させ酸化鉛と
して浮上除去する方法が考えられるが、この酸化による
方法では亜鉛も酸化除去されてしまい、鉛のみの除去は
難しい。
【0005】そこで、本発明は、上述の如き事情に着目
してなしたものであって、その目的は、黄銅溶湯中に鉛
が含まれている場合、亜鉛の含有量を殆ど減らすことな
く、鉛の含有量のみを少なくとも不純物以下に低減し得
る黄銅中の鉛の除去方法を提供するものである。
してなしたものであって、その目的は、黄銅溶湯中に鉛
が含まれている場合、亜鉛の含有量を殆ど減らすことな
く、鉛の含有量のみを少なくとも不純物以下に低減し得
る黄銅中の鉛の除去方法を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、黄銅溶湯
中から鉛のみを酸化させて除去することが難しいことが
判明した後、何らかの金属元素と結合させ、固体の化合
物を黄銅溶湯中に生成させ、これを溶湯から分離するこ
とにより鉛を除去する方法を考え検討した。その結果、
金属元素カルシウムが鉛と化合物を作りやすいことが判
明し、また鉛とカルシウムの状態図から、黄銅が溶融開
始する温度(亜鉛の含有量により約 900℃〜1083℃と異
なる)以上では溶融しない鉛−カルシウム化合物が存在
することが明らかとなる一方、亜鉛とカルシウムの状態
図からは、亜鉛とカルシウムは化合物を生成することが
ないことが明らかとなった。また更に実験により、黄銅
溶湯中に、ある濃度以上のカルシウムを添加すると、鉛
−カルシウム化合物が生成し、亜鉛の含有量は殆ど変化
の無いことが確かめられ本発明を完成したものであっ
て、その要旨は、鉛を含む黄銅溶湯中に金属元素カルシ
ウム及び/又は銅−カルシウム合金を添加し、鉛をカル
シウムとの化合物にして除去する黄銅中の鉛の除去方法
とするものである。
中から鉛のみを酸化させて除去することが難しいことが
判明した後、何らかの金属元素と結合させ、固体の化合
物を黄銅溶湯中に生成させ、これを溶湯から分離するこ
とにより鉛を除去する方法を考え検討した。その結果、
金属元素カルシウムが鉛と化合物を作りやすいことが判
明し、また鉛とカルシウムの状態図から、黄銅が溶融開
始する温度(亜鉛の含有量により約 900℃〜1083℃と異
なる)以上では溶融しない鉛−カルシウム化合物が存在
することが明らかとなる一方、亜鉛とカルシウムの状態
図からは、亜鉛とカルシウムは化合物を生成することが
ないことが明らかとなった。また更に実験により、黄銅
溶湯中に、ある濃度以上のカルシウムを添加すると、鉛
−カルシウム化合物が生成し、亜鉛の含有量は殆ど変化
の無いことが確かめられ本発明を完成したものであっ
て、その要旨は、鉛を含む黄銅溶湯中に金属元素カルシ
ウム及び/又は銅−カルシウム合金を添加し、鉛をカル
シウムとの化合物にして除去する黄銅中の鉛の除去方法
とするものである。
【0007】そして、上記黄銅中の鉛の除去方法におい
ては、カルシウムは、黄銅溶湯中のカルシウム濃度が0.
05mass%以上となるように添加することが好ましく、添
加量が0.05mass%未満では鉛との化合物が殆ど生成され
ず鉛の除去効果が無いためである。またその添加量の上
限は特に限定するものではないが、 5mass%程度が好ま
しく、その理由は、黄銅屑の中に混在して溶解される鉛
の量は多くても 1.0mass%前後と見られ、その量を除去
するには 5mass%もあれば十分である。しかし7mass%
を超えて添加するとCuとの化合物が生成する可能性があ
り好ましくない。
ては、カルシウムは、黄銅溶湯中のカルシウム濃度が0.
05mass%以上となるように添加することが好ましく、添
加量が0.05mass%未満では鉛との化合物が殆ど生成され
ず鉛の除去効果が無いためである。またその添加量の上
限は特に限定するものではないが、 5mass%程度が好ま
しく、その理由は、黄銅屑の中に混在して溶解される鉛
の量は多くても 1.0mass%前後と見られ、その量を除去
するには 5mass%もあれば十分である。しかし7mass%
を超えて添加するとCuとの化合物が生成する可能性があ
り好ましくない。
【0008】また、カルシウムを添加する黄銅溶湯の温
度は、1200℃以下であることが好ましい。その理由は、
1203℃を超えると黄銅溶湯中に生成した鉛とカルシウム
の化合物(Ca2Pb)が溶解しはじめ鉛の除去効果が薄れる
ためである。
度は、1200℃以下であることが好ましい。その理由は、
1203℃を超えると黄銅溶湯中に生成した鉛とカルシウム
の化合物(Ca2Pb)が溶解しはじめ鉛の除去効果が薄れる
ためである。
【0009】また、黄銅溶湯中に生成した鉛とカルシウ
ムの化合物の除去は、黄銅溶湯上に浮上分離させてもよ
いが、化合物の大きさが数ミクロン程度でしかなく、浮
上分離するには黄銅溶湯を静置する必要があるため、溶
湯をフィルタ処理することが好ましく、短時間で且つ除
去効率の向上も期待できる。
ムの化合物の除去は、黄銅溶湯上に浮上分離させてもよ
いが、化合物の大きさが数ミクロン程度でしかなく、浮
上分離するには黄銅溶湯を静置する必要があるため、溶
湯をフィルタ処理することが好ましく、短時間で且つ除
去効率の向上も期待できる。
【0010】また、本発明者等は、実験により黄銅溶湯
中へのカルシウム添加と鉛の除去との関係を調査した。
中へのカルシウム添加と鉛の除去との関係を調査した。
【0011】〔実験例1〕 試験条件 (1) 合金品種:JIS H3100 C2680 相当合金 鉛含有量:1.00mass% 原料重量: 300kg 脱鉛剤 :銅−10mass%カルシウム合金 (2) 溶融条件 溶解炉:誘導溶解、大気溶解:温度1050℃(溶湯表面木
炭張り) るつぼ形状:内径 250mmφ× 300mm カルシウムは溶湯中のカルシウム濃度が0.01%から 2%
となるように添加した。添加後30分間温度を保持した
後、溶湯をサンプリングし、鉛濃度を分析し、EPMA
にて凝固サンプル中にカルシウム−鉛化合物が存在する
かを確認した。さらに、その溶湯を(株)神戸製鋼所製
アクトサーミックフィルターを用いてろ過し、鉛の濃
度を分析した。表1に、添加カルシウム濃度と共に溶湯
サンプルの鉛濃度、ろ過後の溶湯中の鉛濃度及びカルシ
ウム−鉛化合物の存在についての結果を示す。
炭張り) るつぼ形状:内径 250mmφ× 300mm カルシウムは溶湯中のカルシウム濃度が0.01%から 2%
となるように添加した。添加後30分間温度を保持した
後、溶湯をサンプリングし、鉛濃度を分析し、EPMA
にて凝固サンプル中にカルシウム−鉛化合物が存在する
かを確認した。さらに、その溶湯を(株)神戸製鋼所製
アクトサーミックフィルターを用いてろ過し、鉛の濃
度を分析した。表1に、添加カルシウム濃度と共に溶湯
サンプルの鉛濃度、ろ過後の溶湯中の鉛濃度及びカルシ
ウム−鉛化合物の存在についての結果を示す。
【0012】
【表1】
【0013】〔実験例2〕鉛の含有量を0.10mass%、脱
鉛剤を金属カルシウムとした外は上記実験例1と同じ条
件で同様の実験を行なった。表2に、表1と同様、添加
カルシウム濃度と共に溶湯サンプルの鉛濃度、ろ過後の
溶湯中の鉛濃度及びカルシウム−鉛化合物の存在につい
ての結果を示す。
鉛剤を金属カルシウムとした外は上記実験例1と同じ条
件で同様の実験を行なった。表2に、表1と同様、添加
カルシウム濃度と共に溶湯サンプルの鉛濃度、ろ過後の
溶湯中の鉛濃度及びカルシウム−鉛化合物の存在につい
ての結果を示す。
【0014】
【表2】
【0015】〔実験例3〕また、合金品種をJIS H3100
C2100 相当合金を用いた外は上記実験例1と同じ条件で
同様の実験を行なった。表3に、表1と同様、添加カル
シウム濃度と共に溶湯サンプルの鉛濃度、ろ過後の溶湯
中の鉛濃度及びカルシウム−鉛化合物の存在についての
結果を示す。
C2100 相当合金を用いた外は上記実験例1と同じ条件で
同様の実験を行なった。表3に、表1と同様、添加カル
シウム濃度と共に溶湯サンプルの鉛濃度、ろ過後の溶湯
中の鉛濃度及びカルシウム−鉛化合物の存在についての
結果を示す。
【0016】
【表3】
【0017】〔実験例4〕また更に、合金品種をJIS H3
100 C2100 相当合金を用いた外は上記実験例2と同じ条
件で同様の実験を行なった。表4に、表2と同様、添加
カルシウム濃度と共に溶湯サンプルの鉛濃度、ろ過後の
溶湯中の鉛濃度及びカルシウム−鉛化合物の存在につい
ての結果を示す。
100 C2100 相当合金を用いた外は上記実験例2と同じ条
件で同様の実験を行なった。表4に、表2と同様、添加
カルシウム濃度と共に溶湯サンプルの鉛濃度、ろ過後の
溶湯中の鉛濃度及びカルシウム−鉛化合物の存在につい
ての結果を示す。
【0018】
【表4】
【0019】上記表1乃至表4から明らかなように、添
加するカルシウムの量が0.05mass%程度より黄銅溶湯中
に含まれる鉛の除去効果が現れ、添加するカルシウムの
量が多くなる程その除去量も多くなることが分かる。ま
た、この除去効果の傾向は黄銅中の亜鉛(Zn)の濃度が
変化(実験例1と実験例3、実験例2と実験例4との対
比)しても変わらないことが分かる。
加するカルシウムの量が0.05mass%程度より黄銅溶湯中
に含まれる鉛の除去効果が現れ、添加するカルシウムの
量が多くなる程その除去量も多くなることが分かる。ま
た、この除去効果の傾向は黄銅中の亜鉛(Zn)の濃度が
変化(実験例1と実験例3、実験例2と実験例4との対
比)しても変わらないことが分かる。
【0020】なお、溶湯温度を1200℃と高くし、その外
は実験例1と同じ条件でも実験したが、その結果は実験
例1と殆ど同じであって、溶湯温度の差によるカルシウ
ムの鉛に対する除去効果に明らかな差は認められなかっ
た。
は実験例1と同じ条件でも実験したが、その結果は実験
例1と殆ど同じであって、溶湯温度の差によるカルシウ
ムの鉛に対する除去効果に明らかな差は認められなかっ
た。
【0021】
【発明の実施の形態】黄銅屑を誘導溶解炉を用いて溶解
し、その溶湯の表面に木炭張りを施すと共に溶湯温度
(亜鉛の含有量により異なるが 900℃〜1200℃の範囲
内)に保持し、更に成分分析により得た溶湯中に含有す
る鉛を除去し得る量の金属元素カルシウム及び/又は銅
−カルシウム合金を前記溶湯中に添加し、その後、静置
し、成分分析を行ない鉛の含有量が黄銅として使用しう
る範囲に除去されていることを確認し、浮上したノロを
除去して鋳造に供する。
し、その溶湯の表面に木炭張りを施すと共に溶湯温度
(亜鉛の含有量により異なるが 900℃〜1200℃の範囲
内)に保持し、更に成分分析により得た溶湯中に含有す
る鉛を除去し得る量の金属元素カルシウム及び/又は銅
−カルシウム合金を前記溶湯中に添加し、その後、静置
し、成分分析を行ない鉛の含有量が黄銅として使用しう
る範囲に除去されていることを確認し、浮上したノロを
除去して鋳造に供する。
【0022】
〔実施例1〕上記段落番号〔0011〕で説明したと同
じ誘導溶解炉を用いて黄銅屑 300kgを溶解し、溶湯温度
を1050℃(溶湯表面木炭張り)に保持し、その溶湯の成
分分析を行なった。分析の結果、鉛が0.25mass%認めら
れたので、金属カルシウムを300g(溶湯中の濃度で1.00
mass%程度)添加し、添加後30分間溶湯温度1050℃に保
持した後、溶湯をサンプリングし、鉛濃度の分析を行な
った結果、鉛が0.04mass%と低い値で黄銅として十分使
用し得た。なお、この時の亜鉛は殆ど低下しておらず追
加の必要性も無かった。
じ誘導溶解炉を用いて黄銅屑 300kgを溶解し、溶湯温度
を1050℃(溶湯表面木炭張り)に保持し、その溶湯の成
分分析を行なった。分析の結果、鉛が0.25mass%認めら
れたので、金属カルシウムを300g(溶湯中の濃度で1.00
mass%程度)添加し、添加後30分間溶湯温度1050℃に保
持した後、溶湯をサンプリングし、鉛濃度の分析を行な
った結果、鉛が0.04mass%と低い値で黄銅として十分使
用し得た。なお、この時の亜鉛は殆ど低下しておらず追
加の必要性も無かった。
【0023】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る黄銅
中の鉛の除去方法によれば、黄銅屑を再利用する場合に
おいて、黄銅屑の中より鉛入りの黄銅を分別することな
く、そのまま黄銅屑を溶解し、亜鉛の含有量を殆ど減ら
すことなく鉛を除去して、鉛を含まない黄銅として再利
用することができる。
中の鉛の除去方法によれば、黄銅屑を再利用する場合に
おいて、黄銅屑の中より鉛入りの黄銅を分別することな
く、そのまま黄銅屑を溶解し、亜鉛の含有量を殆ど減ら
すことなく鉛を除去して、鉛を含まない黄銅として再利
用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡田 裕文 山口県下関市長府港町14番1号 株式会社 神戸製鋼所長府製造所内 (72)発明者 吉田 栄次 山口県下関市長府港町14番1号 株式会社 神戸製鋼所長府製造所内 (72)発明者 益田 穣司 山口県下関市長府港町14番1号 株式会社 神戸製鋼所長府製造所内
Claims (4)
- 【請求項1】 鉛を含む黄銅溶湯中に金属元素カルシウ
ム及び/又は銅−カルシウム合金を添加し、鉛をカルシ
ウムとの化合物にして除去することを特徴とする黄銅中
の鉛の除去方法。 - 【請求項2】 請求項1記載の黄銅中の鉛の除去方法に
おいて、カルシウムを、黄銅溶湯中のカルシウム濃度が
0.05mass%以上となるように添加する黄銅中の鉛の除去
方法。 - 【請求項3】 請求項1又は2記載の黄銅中の鉛の除去
方法において、カルシウムを添加する黄銅溶湯の温度
が、1200℃以下である黄銅中の鉛の除去方法。 - 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれか1項記載の黄
銅中の鉛の除去方法において、黄銅溶湯中に生成した鉛
とカルシウムの化合物をフィルタに通して除去する黄銅
中の鉛の除去方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29264896A JPH10140254A (ja) | 1996-11-05 | 1996-11-05 | 黄銅中の鉛の除去方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29264896A JPH10140254A (ja) | 1996-11-05 | 1996-11-05 | 黄銅中の鉛の除去方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10140254A true JPH10140254A (ja) | 1998-05-26 |
Family
ID=17784512
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP29264896A Withdrawn JPH10140254A (ja) | 1996-11-05 | 1996-11-05 | 黄銅中の鉛の除去方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10140254A (ja) |
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CN109518024A (zh) * | 2018-11-19 | 2019-03-26 | 北京科技大学 | 一种降低复杂多元黄铜合金杂质元素锡的方法 |
-
1996
- 1996-11-05 JP JP29264896A patent/JPH10140254A/ja not_active Withdrawn
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