JP4253936B2 - アルミニウムの精製方法および得られたアルミニウムの用途 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、アルミニウムの精製方法および得られたアルミニウムの用途に関する。さらに詳しくは、アルミニウム中の不純物として、硼化アルミニウムより安定な硼化物を形成する元素(元素群M)、例えば、Ti、V、Zr、Hfを効率良く低減させることができるアルミニウムの精製方法および得られたアルミニウムを原料として用いる電解コンデンサー用アルミニウム箔に関する。
【0002】
【従来の技術】
前記元素群Mの中で、例えばTi、Vを低減させる方法として、硼素(B)を添加して難溶性の硼化物を形成させて、これを分離除去する所謂ボロン処理がある。例えば、「アルミニウム材料の基礎と工業技術」(社団法人 軽金属協会 1991年)第343頁には、「Ti、Vはアルミニウム溶湯中に硼弗化カリやAl−Bの形でBを投入しボライドを形成させ、沈降、除去することが多い(ボロン処理)」と記載されている。
【0003】
ところが、元素群Mの中でもボロン処理により安定な硼化物を形成しにくい等にて低減効率が悪い元素がある。例えば、特開昭59−104440号公報では、(Ti,V)B2錯体に対して融剤作用をなす物質の存在下に、溶存状態のTiおよびV不純物の少なくとも主要部分を不溶性(Ti,V)B2錯体粒子に変えるのに十分な量の硼素含有物質と接触させ、溶融アルミニウムを攪拌して、溶融アルミニウムから溶存TiおよびV不純物を除去する方法が示されているが、実施例の欄に記載のようにボロン処理後にVが10重量ppmも残留する場合があり、用途によってはさらに低量までVを低減させる必要がある。
【0004】
アルミニウム中のVなどの元素群Mの濃度の例として、例えば特開昭54−79462号公報には、電解コンデンサー陽極用アルミニウム合金箔用のアルミニウム中の不純物として、TiおよびVの少なくともいずれか一方の元素を0.00001〜0.001%(即ち、0.1〜10ppm)含むことと記載されている。また、特開平6−220561号公報には、エッチング後の折り曲げ強度が高い電解コンデンサ用アルミニウム合金箔用のアルミニウム中の不純物として、Vを0.5〜5ppm含むことと記載されている。さらに、特開平7−169657号公報には、電解コンデンサ陽極用アルミニウム合金箔に用いられるアルミニウム中の不純物として、Ti:0.1〜1ppm、V:0.1〜1ppmおよびZr:0.1〜1ppmのうちの1種または2種以上を含有することと記載されている。即ち、用途によっては、上記上限濃度以下までアルミニウム中の元素群Mを低減させる必要がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、アルミニウム中の元素群Mを効率良く低減させることができるアルミニウムの精製方法および得られたアルミニウムを原料として用いた電解コンデンサー用アルミニウム箔を提供することにある。なお、本発明において、元素群Mは硼化アルミニウムより安定な硼化物を形成する元素からなり(例えばTi、V、Zr、Hfなどの元素が挙げられる)、元素群αは元素群Mの中でTi、Hfから選ばれる元素、元素群βは元素群Mの中で元素群α以外の元素からなるものと定義する。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、元素群Mの中でVあるいはZrを含むアルミニウム溶湯に、特定量のTiあるいはHfを添加してボロン処理を行うと、アルミニウム中のVあるいはZrを効率よく低減させることができることを見出した。この時、同時に元素群αも効率よく低減させることができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0007】
すなわち、本発明は、以下の[1]〜[3]に関するものである。
[1]元素群Mは硼化アルミニウムより安定な硼化物を形成する元素からなり、元素群αは元素群Mの中でTi、Hfから選ばれる元素、元素群βは元素群Mの中で元素群α以外の元素からなるとし、元素群βの中から選ばれる元素を1種類以上、または更に元素群αの中から選ばれる元素を1種類以上含むアルミニウム溶湯に、元素群αを、X/Y(式中、Xは元素群αの添加総原子濃度、Yは元素群βの該溶湯中の総原子濃度を示す。)が0.2〜100となるように添加し、かつ該溶湯中の元素群Mが硼化物(MB2)を生成するのに必要な量以上となるようにBを添加し、生成させた硼化物を分離除去して元素群Mを低減させるアルミニウムの精製方法。
[2]上記[1]に記載のアルミニウムの精製方法を行なって得られたアルミニウムに対して、上記[1]に記載のアルミニウムの精製方法をさらに1回以上繰り返して行なうアルミニウムの精製方法。
[3]上記[1]または[2]のいずれかに記載のアルミニウムの精製方法により得られる、元素群Mの濃度がそれぞれ10重量ppm以下のアルミニウムを原料として用いる電解コンデンサー用アルミニウム箔。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について更に詳細に説明する。
本発明において、硼化アルミニウムより安定な硼化物を形成する元素(元素群M)とは、実用のアルミニウム溶解の温度範囲、すなわち、アルミニウムの液相線温度〜850℃において、LB2(Lは任意の元素)で表される硼化物の生成ギブス自由エネルギーが、AlB2のそれより小さい元素を表す。
【0009】
本発明においては、精製する原料であるアルミニウム、すなわち、元素群Mは硼化アルミニウムより安定な硼化物を形成する元素からなり、元素群αは元素群Mの中でTi、Hfから選ばれる元素、元素群βは元素群Mの中で元素群α以外の元素からなるとし、元素群βの中から選ばれる元素を1種類以上、または更に元素群αの中から選ばれる元素を1種類以上含むアルミニウム溶湯に、元素群αを、X/Y(式中、Xは元素群αの添加総原子濃度、Yは元素群βの該溶湯中の総原子濃度を示す。)が0.2〜100となるように添加する。なお、ここでいう総原子濃度の単位は原子ppmとする。1.0重量ppm未満の元素については、0重量ppmとみなして合計を計算するものとする。
X/Yが0.2未満であると、元素群βを効率良く低減させることが困難である。
また、X/Yが100を超えると、元素群βの低減効率がこれ以上上昇することはなく、またコスト高になり経済的メリットもない。
X/Yが1.0〜100となるように元素群αを添加すると、元素群βをさらに効率よく低減させることができる。
【0010】
X/Yが1.0〜100となるように元素群αを添加し、かつ元素群βの中でVに対した元素群αとしてTiおよび/またはHfを選択した場合、あるいは元素群βの中でZrに対した元素群αとしてHfを選択した場合、該元素群βの低減効率が高く、具体的には該元素群βの濃度を2重量ppm以下まで低減させることが容易となる。
【0011】
本発明においてはアルミニウム溶湯に元素群αを添加することになるが、本発明の実施例に示すとおり、添加した元素群αも同時に効率良く低減させることができる。
もともと元素群αが含まれるアルミニウム溶湯についても、本発明を適用することができる。例えば、(V+Ti)、あるいは(Zr+Ti)、あるいは(V+Zr+Ti)、あるいは(V+Hf)、あるいは(Zr+Hf)、あるいは(V+Zr+Hf)、あるいは(V+Zr+Ti+Hf)が含まれるアルミニウム溶湯などが挙げられる。
もともとアルミニウム溶湯に含まれる元素群αの総原子濃度(X’)については特に限定されないが、X’≦Yのアルミニウム溶湯において、本発明による精製方法で、元素群βの低減効率がより一層高いものとなる。
元素群αを添加する方法は特に限定はされないが、例えば元素群αを比較的多量に含むアルミニウムと混ぜ合わせる方法や、元素群αの金属単体、元素群αを含む化合物、またはAl−元素群α合金を添加する方法が挙げられる。
【0012】
さらに、本発明においては、添加した元素群αを含むアルミニウム溶湯中の元素群Mが難溶性の硼化物(MB2)を生成するに必要な量(=理論B量)以上となるようにBを添加する。 なお、ここでいう理論B量とは、該溶湯中の元素群MがそれぞれTiB2、VB2などの二硼化物を生成するのに必要なB量を表す。B添加量が理論B量未満であると、元素群Mを効率良く低減させることが困難である。B添加量の上限については特に限定されなく、B添加量が多いほど元素群Mの低減効率が高くなるが、同時に処理後残留するB濃度が高くなるので、処理後アルミニウム中に残留するB濃度が、アルミニウム用途の許容B濃度以下となるようにB添加量を制御することが好ましい。ただし、B処理と同時あるいは後にアルミニウムの偏析精製などを実施してBを低減できる場合は、この効果の分も考慮してBを添加することができる。あらかじめアルミニウムにBが含まれる場合、その含有量分も考慮してBを添加することができる。Bを添加する方法は特に限定されないが、例えば、Bを比較的多量に含むアルミニウムと混ぜ合わせる方法や、金属硼素、または硼弗化カリなどの硼素化合物、またはAl−B合金を添加する方法が挙げられる。
【0013】
本発明においては、元素群α、Bの添加条件は、添加した元素群α、Bがアルミニウム溶湯中に溶解する条件であれば特に限定はされないが、例えば、元素群αの中でTiの添加を例に取ると、Tiを100重量ppm〜10重量%含むアルミニウムを用いて680〜850℃の該溶湯に30分〜5時間かけて溶解させる方法、Bの添加はBを100重量ppm〜5重量%含むアルミニウムを用いて680℃〜850℃の該溶湯に30分〜5時間かけて溶解させる方法等が採用できる。元素群α、B添加後に該溶湯を機械的に攪拌することは、添加元素の溶解・拡散や硼化物形成が促進する効果があり、本発明において好ましい実施形態である。
【0014】
本発明においては、生成させた難溶性の硼化物を該アルミニウム溶湯から分離除去する時の溶湯温度は、実用のアルミニウム溶解温度範囲であれば特に限定はされないが、元素群Mをより効率良く低減させるために、溶湯温度を、該溶湯の液相線温度より高く、かつ800℃以下とするのが好ましい。溶湯温度が液相線温度未満であると、該溶湯中に凝固相が生じ、凝固相に硼化物が取り込まれるなど、生成させた難溶性の硼化物を分離除去できない場合がある。また、溶湯温度が800℃より高いと、元素群Mを効率良く低減させることが困難となる場合がある。生成させた難溶性の硼化物を該溶湯から分離除去する時の溶湯温度は、より好ましくは該溶湯の液相線温度より高く、かつ750℃以下、さらに好ましくは該溶湯の液相線温度より高く、かつ700℃以下である。
【0015】
本発明においては、元素群βは、元素群Mの中で元素群α以外の元素からなるが、その中でも元素周期表のIVa、Va、VIa族から選ばれる元素、特にV、Zrから選ばれる元素の場合、本発明による低減効率が大きい。
本発明は、元素群βの少なくとも1種類が単独で2重量ppm以上含まれるアルミニウム溶湯について適用することができる。
元素群βの濃度の上限は特に限定されないが、元素群βの少なくとも1種類が単独で30重量ppm以上含まれる場合には、本発明による方法を2回以上繰り返して実施すると、より微量まで元素群βを低減させることができる。すなわち、前記〔1〕に記載のアルミニウムの精製方法を行なって得られたアルミニウムに対して、〔1〕に記載のアルミニウムの精製方法をさらに1回以上繰り返して行なうことにより、より微量まで元素群βを低減させることができる。
この時、2回目以降の精製において、難溶性の硼化物を分離除去する時の溶湯温度を、それ以前の精製で実施した該溶湯温度より低く設定することが好ましい。
【0016】
次に、生じた難溶性の硼化物をアルミニウム溶湯から分離除去する方法は特に限定されないが、アルミニウム溶湯と比較すると生成された難溶性の硼化物は比重が大きいので、最も簡単には該溶湯の静置などによる該硼化物の自然沈降分離が採用できる。例えば、元素群αとBを添加・溶解後、アルミニウム溶湯を1〜100時間かけて沈静した後に該溶湯の上澄みを回収したり、またはアルミニウム溶湯を1〜100時間かけて沈静した後に一度該溶湯を凝固し硼化物が含まれる部分を切断等により除去する方法等が挙げられる。その他の該硼化物の分離除去方法として、遠心力を利用した遠心分離、アルミニウム溶湯中へのガス吹込みによる浮上分離、耐火性フィルターを用いたろ過分離、またはこれらを2種類以上を組み合わせて行う方法等が採用できる。
【0017】
また、本発明のアルミニウムの精製方法を、凝固アルミニウムとアルミニウム溶湯との間で相対速度を生じさせて行うようなアルミニウムの偏析精製法と組み合わせて実施しても、精製アルミニウムから難溶性の硼化物を分離除去することが可能である。
【0018】
本発明の方法により得られる元素群Mが低減されたアルミニウムは、通常の電解コンデンサー用箔、スパッタリングターゲット、ハードディスク基板、超電導安定化材、ボンディングワイヤー等の原料として使用できる。中でも電解コンデンサー用箔に好適に使用できる。
【0019】
本発明の方法により得られる元素群Mが低減されたアルミニウムは、例えば、電解コンデンサー用箔に用いる場合は、元素群Mがそれぞれ10重量ppm以下が好ましいとされ、さらに好ましくは元素群Mがそれぞれ5重量ppm以下、最も好ましくは元素群Mの中で元素群αおよびV、Zrがそれぞれ2重量ppm以下かつその他の元素群Mの濃度がそれぞれ5重量ppm以下であり、本発明の精製方法により容易に達成できる。
【0020】
電解コンデンサー用箔への加工方法は通常の方法に従えばよいが、例えば、「アルミニウム材料の基礎と工業技術」(社団法人 軽金属協会 1991年)の第347頁〜第350頁等に記載されているように、スラブ鋳造、熱間圧延、冷間圧延、箔圧延などの工程を経て電解コンデンサー用箔に加工する方法が採用できる。
【0021】
【実施例】
次に本発明の精製方法を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、本発明において、原料に用いたアルミニウム中の不純物分析は、GDMS(VG Microtrace(英国)製 VG9000)を用いて実施した。また、処理後のアルミニウム中の不純物分析は、Ti、V、Zr、B濃度は、発光分光分析装置(島津製作所(株)製 CQM−75)を用いて、Hf濃度はICP−AES[セイコー電子工業(株)製、SPS1200VR]を用いて実施した。
【0022】
実施例1〜5
表1に記載の不純物を含む原料アルミニウム2kgを、電気炉を用いて黒鉛るつぼ(内径100mmΦ)中で溶解した。雰囲気には4l/分でアルゴンガスを流した。溶湯温度750℃で元素群αが別表1記載の濃度となるように、TiあるいはHfを1000重量ppm程度含むアルミニウム母合金(5N Alベースで作製)を添加した。計算されたX/Y(式中、Xは元素群αの添加総原子濃度、Yは元素群βの該溶湯中の総原子濃度を示す。)は、0.3〜13であった(元素群Mの中で、<1.0重量ppmについては0重量ppmとみなして計算)。溶湯温度820℃で、Bを該溶湯中の元素群MがMB2を生成するに必要な量以上となるようにAl−4%B母合金を添加し、30分毎に黒鉛棒を用いて該溶湯を数回攪拌し、該溶湯温度で2時間かけて溶解した。その後、別表1記載の沈静温度まで溶湯温度を下げた後に15時間かけて沈静し、生成した硼化物粒子を沈降分離させた。沈静後の該溶湯を黒鉛るつぼごと炉外に取り出して、該溶湯を凝固させた。該溶湯を炉外に取り出して該溶湯が全部凝固するまで約5分間であった。沈静後凝固試料の底部から1cm上部で水平に切断し、その切断面にて元素分析を実施した。ボロン処理後の不純物量を表1に示すが、元素群Mは効率よく低減し、かつ残留量も10重量ppm以下であった。
【0023】
比較例1〜2
表1に記載の不純物を含む原料アルミニウム2kgを、電気炉を用いて黒鉛るつぼ(内径100mmΦ)中で溶解した。元素群αを添加しない以外は、実施例記載の方法でボロン処理を実施した。沈静後凝固試料の底部から1cm上部で水平に切断し、その切断面にて元素分析を実施した。ボロン処理後の不純物量を表1に示すが、元素群Mは低減しなかった、あるいは低減しても10重量ppm以上残留していた。
【0024】
以上の実施例、比較例の条件、得られた結果を表1に示す。なお、表中に記載のない元素群Mの濃度は全て1.0重量ppm未満である。
【0025】
【表1】
【0026】
これまで、アルミニウム中の不純物元素の中で、元素群Mの中には効率良く低減させるのが難しい元素があり、比較例1〜2に示すように、現在実施されているような通常のボロン処理でも元素群Mは低減しないか、またはボロン処理後も比較的多量の元素群Mが残留していた。これに対し、実施例1〜5に示す本発明による精製方法によると、元素群Mが効率良く低減できているのがわかる。
【0027】
【発明の効果】
本発明によれば、アルミニウム中のTi、V、Zr等の硼化アルミニウムより安定な硼化物を形成する元素を効率良く低減させることができ、また、本発明により精製して得られるアルミニウムは、電解コンデンサー用箔、スパッタリングターゲット、ハードディスク基板、超電導安定化材、ボンディングワイヤー等の原料として使用できる。中でも電解コンデンサー用箔に好適に使用できる。
Claims (5)
- 元素群MはTi、V、ZrおよびHfから選ばれる元素からなり、元素群αはHf単独の元素であり、元素群βはVおよびZrから選ばれる元素からなるとし、元素群βの中から選ばれる元素を1種類以上、または更に元素群αの元素をアルミニウム溶湯に、元素群αを、X/Y(式中、Xは元素群αの添加総原子濃度、Yは元素群βの該溶湯中の総原子濃度を示す。)が0.2〜100となるように添加し、かつ該溶湯中の元素群Mが硼化物を生成するのに必要な量以上となるようにBを添加し、生成させた硼化物を分離除去して元素群Mを低減させることを特徴とするアルミニウムの精製方法。
- X/Yが1.0〜100である請求項1に記載のアルミニウムの精製方法。
- 生成させた硼化物を分離除去する時の溶湯温度が、該溶湯の液相線温度より高く、かつ800℃以下である請求項1または2に記載のアルミニウムの精製方法。
- 請求項1〜3のいずれかに記載のアルミニウムの精製方法を行なって得られたアルミニウムに対して、請求項1〜3のいずれかに記載のアルミニウムの精製方法をさらに1回以上繰り返して行なうことを特徴とするアルミニウムの精製方法。
- 請求項1〜4のいずれかに記載のアルミニウムの精製方法により、元素群Mの濃度がそれぞれ10重量ppm以下となるまでアルミニウムを精製し、スラブ鋳造、熱間圧延、冷間圧延および箔圧延の工程を経て電解コンデンサー用箔に加工することを特徴とする電解コンデンサー用アルミニウム箔の製造方法。
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