JP3256178B2 - 模様付き軽量気泡コンクリートパネルの製造方法 - Google Patents

模様付き軽量気泡コンクリートパネルの製造方法

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JP3256178B2
JP3256178B2 JP07614798A JP7614798A JP3256178B2 JP 3256178 B2 JP3256178 B2 JP 3256178B2 JP 07614798 A JP07614798 A JP 07614798A JP 7614798 A JP7614798 A JP 7614798A JP 3256178 B2 JP3256178 B2 JP 3256178B2
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慎也 岡崎
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、無機系成形体用の
成形型及び無機系成形体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、意匠性に優れた建材の要求が高ま
っており、模様を有する成形型を成形体に押しつけて建
材表面に模様を形成させる方法が知られている。一般に
これらの方法においては、成形対象物に成形型を押しつ
けて模様を形成させた後、離型する時に成形体表面が損
傷されるのを防ぐ手段として型に鉱物油系の離型剤が塗
布される。また、同様の目的から、例えば特開昭56−
69111号公報、特開昭57−24210号公報等に
おいては、表面が熱可塑性フッ素樹脂であるポリテトラ
フルオロエチレンからなる成形型が提案されている。
【0003】しかしながら、鉱物油系の離型剤を型に塗
布する場合には、型に形成させた複雑な模様やテーパー
角が大きな溝になると成形体がうまく離型できなくな
り、離型不良による成形体欠損、例えばパネル欠損が多
発し製品品質の低下や製品収率の低下を招く。また、鉱
物油系の離型剤を複雑な模様やテーパー角が大きな溝を
有する型表面に均一に塗布するには、かなりの熟練と作
業時間を必要とするばかりか、模様付け毎に繰返し塗布
しなければならず、成形体生産性の低下を招くことにな
る。更に、成形型表面に塗布した離型剤は、模様付け時
に成形体へ移行し、例えば後述する半硬化状軽量気泡コ
ンクリートパネルの成形に際しては、成形後の養生工程
で硬化不良の原因となる場合も認められ、成形体及び製
品品質の著しい低下を引き起こす可能性がある。
【0004】一方、型表面をポリテトラフルオロエチレ
ンなどの熱可塑性フッ素樹脂で構成する成形型の場合
は、成形型そのものを前記ポリテトラフルオロエチレン
などで構成する方法とあらかじめ金属などの母材で作製
した成形型の表面にポリテトラフルオロエチレンを付設
する方法が考えられる。前者の方法は、成形型が非常に
高価であるばかりか、ポリテトラフルオロエチレンが耐
摩耗性に劣るので実用性に欠ける。また、後者の方法も
耐摩耗性に劣る点は前者と同じであり、ポリテトラフル
オロエチレンの易摩耗性のため短いサイクルで再付設を
繰り返す必要を生じる。
【0005】その上、ポリテトラフルオロエチレンなど
の熱可塑性フッ素樹脂の付設は、前処理、塗装、焼成の
工程からなり、各工程が非常に面倒であるばかりか次に
示すような幾つかの制約や問題がある。すなわち第一
に、熱可塑性フッ素樹脂は成形型母材との親和性、密着
性に劣るため、付設する成形型母材の表面を適切に前処
理することが必要となる。第二に該樹脂は、融点以上で
も高粘性で流動性に乏しく、塗膜厚さが不均一になり易
い、塗膜中にボイドを残し易い、などの欠点がある。第
三に焼成は、350℃以上となり、それに準ずる焼成設
備が必要であるばかりか、付設される成形型の母材はこ
の温度に耐えられる材料に限定されざるを得ない。ま
た、簡便的に焼成工程を省きポリテトラフルオロエチレ
ン微粒子を溶剤に分散させたものを成形型に塗布し付設
することも可能であるが、これは耐久性を著しく欠くた
め成形毎に塗布する必要がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の無機
系成形体用型が有する前記諸問題を解消し得る成形型を
提供するものである。即ち、本発明の課題は、付設が簡
便で優れた離型性と耐久性を有し、実用性に優れる成形
型を提供することであり、また、その型により意匠性に
優れ安価な無機系成形体を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、前記課題
を解決するために鋭意検討を重ねた結果、型母材表面に
特定の樹脂層を形成させた成形型が前記本発明課題を達
成し得ることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、半硬化状軽量気泡コンクリートパネル
を、型母材表面にフルオロオレフィン−パーフルオロア
ルキルビニルエーテル共重合体の架橋硬化体層を付設し
た押圧成形型を用いて押圧成形した後、離型し、オート
クレーブ養生することを特徴とする模様付き軽量気泡コ
ンクリートパネルの製造方法である
【0008】以下に本発明を詳細に説明する。本発明
は、型母材表面に熱硬化性フッ素樹脂層、皮膜を形成さ
せる。本発明における熱硬化性フッ素樹脂は、架橋性官
能基を有するフッ素樹脂の架橋硬化体である。本発明で
は、フルオロオレフィンをベースに官能基を導入したフ
ルオロオレフィン−ビニルエーテル共重合体を硬化剤で
架橋硬化させたものであることがより好ましい。導入す
る官能基と硬化剤は、架橋硬化が可能であれば特に限定
されるものではないが、例えば、官能基に水酸基、硬化
剤にイソシアネート系硬化剤やメラミン、または、官能
基にエポキシ基、硬化剤にアミン化合物を用いたものが
より望ましい。
【0009】また、フルオロオレフィン−ビニルエーテ
ル共重合体としては、テトラフルオロエチレン−ビニル
エーテル共重合体、クロロトリフルオロエチレン−ビニ
ルエーテル共重合体、ビニリデンフルオライド−ビニル
エーテル共重合体などを例示することができるが、本発
明では、テトラフルオロエチレン−ビニルエーテル共重
合体が特に好ましい。また、共重合されるビニルエーテ
ルは、ハイドロカーボン系でもかまわないがパーフルオ
ロアルキルビニルエーテルのほうがより好ましい。
【0010】本発明において、フルオロオレフィン−ビ
ニルエーテル共重合体と硬化剤から架橋硬化体を得るに
は、取り扱い上、フルオロオレフィン−ビニルエーテル
共重合体が有機溶剤に可溶であることが肝要となる。ま
た、前記共重合体に含まれる架橋性官能基の量は、架橋
の程度更には得られるフッ素樹脂皮膜の特性を左右する
因子の一つであり、この官能基量が少な過ぎるとフッ素
樹脂皮膜は柔らかく傷つき易くなり、また多過ぎると、
皮膜は硬くひび割れなどの欠陥を起こし易くなるので好
ましい官能基量が存在する。官能基が水酸基である場
合、本発明においては、水酸基価10〜150mg・K
OH/gであること好ましく、更には40〜80mg・
KOH/gが特に好ましい。
【0011】本発明では、熱硬化性フッ素樹脂の特徴を
損なわない範囲で、フッ素系界面活性剤やフルオロシラ
ンカップリング剤、熱可塑性フッ素樹脂などの微粒子、
着色顔料、成膜補助剤、成分調整剤などを添加した熱硬
化性フッ素樹脂を用いることができる。また、本発明で
のフルオロオレフィン−ビニルエーテル共重合体の硬化
剤としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネー
ト、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイ
ソシアネート等の単量体または、そのプレポリマーある
いはその誘導体などのイソシアネート系硬化剤やメラミ
ンなどを用いることができる。
【0012】本発明では、熱硬化性フッ素樹脂の付設方
法を特に限定する必要はないが、例えば、官能基を導入
したフルオロオレフィン共重合体と、硬化剤、有機溶剤
を適量混合したものを、硬化する前にハケ塗り、スポン
ジ塗り、フェルト塗り、スプレー、ディップ、フローコ
ートなどで型母材表面に塗布し架橋硬化させることがで
きる。本発明で特に好ましい付設方法は、特別な設備が
必要なくより安価で簡便に付設でき、かつ均一な皮膜が
得られる点からスプレー法である。架橋硬化は20〜1
50℃で行うことが好ましい。より好ましくは、80〜
120℃で30〜60分程度加熱することである。ま
た、使用中に付設した皮膜が摩耗または他の理由により
皮膜が剥がれなどして再付設の必要を生じた場合には、
同様の手順で再付設することが可能である。上述のよう
に本発明による熱硬化性フッ素樹脂は、ポリテトラフル
オロエチレンなどの熱可塑性フッ素樹脂と比べ、特別な
処理や350℃以上の加熱なども必要なく、非常に簡便
にかつ均一な皮膜を型母材に付設することができる。
【0013】本発明では、熱硬化性フッ素樹脂層を、水
の接触角が80゜以上、研磨紙AA−100番、荷重
4.9Nで1000回転数相当の摩耗減量が15mg以
下かつ押圧5.0kg/cm2 以下の成形耐久回数が3
000回以上に構成することが特に望ましい。即ち、成
形に際して、成形体を所望する形態で損傷させる恐れな
く離型し得るには、型母材の表面に形成させた熱硬化性
フッ素樹脂層を水の接触角が80゜以上であるように形
成させることが好ましく、特に好ましくは90゜以上で
ある。
【0014】また、本発明による成形型を繰り返し使用
し、繰り返し使用した後にも充分満足し得る成形体の離
型性及び該樹脂層の形態保持性を得るには、前記摩耗減
量が15mg以下であってかつ前記成形耐久回数が30
00回以上であるように該樹脂層を構成することが好ま
しい。本発明における熱硬化性フッ素樹脂層の型母材表
面への付設量は、特に制限されるものではないが、50
〜500g/m2 に付与させることが望ましい。特に望
ましくは100〜300g/m2 である。熱硬化性フッ
素樹脂層が50g/m 2 未満の時は、実用上の前記成形
耐久回数を欠く恐れがあり、また500g/m 2 超の付
与量は、型母材表面の細かな意匠模様を埋める恐れがあ
るばかりか型費用を必要以上に高くする可能性がある。
【0015】本発明における成形型母材は、模様を転写
することができる強度を有するものであれば材質、形
状、大きさなどは特に限定されるものではなく、例え
ば、ゴムや樹脂、金属などを使用することができる。本
発明においてより好ましく用い得る型母材は、ウレタン
や鉄鋼、ステンレス、アルミニウムなどである。また、
本発明の成形型による成形方法は、押圧成形が好適であ
るが、これに限定されるものではなく、例えばスラリー
の打設成形などにも使用できる。
【0016】本発明による成形型は無機系成形体用型で
ある。本発明における無機系成形体は、大部分が水硬性
無機質材料から成る成形体であり、より具体的には、例
えばセメントや石灰などの石灰質原料と珪石や珪砂、高
炉スラグ、フライアッシュなどの珪酸質原料などで構成
された水和硬化体である。必要に応じて、砂利などの骨
材や鉄筋や金網、繊維などの補強材を埋設したり、金属
粉末や界面活性剤などの気泡剤や減水剤などに代表され
る混和剤などを添加したものでも差し支えない。
【0017】本発明による成形型を用いて、好適に成形
し得る無機系成形体は、屋根、床、壁、建築物外装等に
使用される建材用無機系成形体である。このような無機
系成形体としては、瓦、タイル、スレート、コンクリー
ト板、モルタル板、軽量気泡コンクリート板などを例示
することができる。本発明において特に好ましい無機系
成形体は、軽量気泡コンクリートパネルである。軽量気
泡コンクリートパネルは、一般に軽量気泡コンクリート
に使用されているものであれば特に限定されるものでは
なく、例えば、珪石やセメント、生石灰、水を主原料と
して石膏や解砕屑、気泡剤などを使用することができる
が、補強用鉄筋もしくは金網が埋設されているものが好
ましい。また、長さや幅、厚さは特に限定されるもので
はなく、その硬さもハンドリングと模様付けが可能な範
囲であればかまわないが、JISA5416に準拠した
強度試験測定法において0.6〜5.0kg/cm2
強度を有するものが特に好ましい。
【0018】本発明による成形型は、模様付き無機系成
形体を得るのに好適である。本発明は模様を形成させる
方法を特に限定するものではなく、例えば模様付き成形
型に成形対象物を押しつけるなどの通常の方法によって
差し支えない。模様付き成形体を得るには、成形対象物
は、押しつけ圧力において可塑性を示すように設定すれ
ばよい。本発明における特に好ましい無機系成形体であ
る軽量気泡コンクリートパネルの場合は、オートクレー
ブ養生する前の半硬化状軽量気泡コンクリートパネルを
成形対象物とすることができる。この場合には、押しつ
け時に半硬化状軽量気泡コンクリートパネルの欠損を防
止するために模様付けする面以外の面にあて板などをあ
てがい、半硬化状軽量気泡コンクリートパネルを拘束す
ることが望ましい。
【0019】
【発明の実施の形態】以下に実施例を挙げ、本発明をよ
り具体的に説明する。尚、以下の実施例においては、無
機系成形体が軽量気泡コンクリートパネルである場合に
ついて説明する。尚、本発明における水の接触角、耐摩
耗性、成形耐久回数は次のように測定した。 1.水の接触角 温度20℃、湿度65%の条件下で協和界面科学株式会
社製の接触角計(DA−D)により測定した。 2.耐摩耗性 研磨紙AA−100番、荷重4.9Nの条件でスガ試験
機株式会社製のスガ摩擦試験機(NUS−ISO−1)
により下記試験回転数が100回転での摩耗減量を測定
し、それを1000回転数相当の摩耗減量に次式を用い
て換算した。 W=(A−B)×(1000/R) ここで、W:1000回転数相当の摩耗減量(mg) A:試験前の試験片の質量(mg) B:試験後の試験片の質量(mg) N:試験回転数 3.成形耐久回数 押圧5.0kg/cm2 以下で長さ100、幅100、
厚さ50mmのモデル成形体を繰り返し成形した時に離
型性が確保できなくなり、成形体に欠損を生じ始めるま
での成形回数とする。
【0020】
【実施例1】型母材にはポリウレタンを用い、熱硬化性
フッ素樹脂としては水酸基価60mg・KOH/gの水
酸基を導入したテトラフルオロエチレン−パーフルオロ
アルキルビニルエーテル共重合体80重量部と、イソシ
アネート基21重量%を含有するヘキサメチレンジアミ
ン系硬化剤18重量部、フルオロシランカップリング剤
2重量部、これら有効樹脂成分100重量部に対して、
希釈材としてメチルエチルケトン150重量部を混合し
たものを使用し、これを型母材表面にハケ塗りした後、
すみやかに架橋硬化を完了させるため80℃で約60分
加熱して付設した。付設された有効樹脂成分は100g
/m2 であった。
【0021】このように該熱硬化性フッ素樹脂は、付設
が簡便でかつ該熱硬化性フッ素樹脂を付設した成形型
は、水の接触角が110〜115゜であった。尚、付設
しない成形型のそれは65゜であった。また、該熱硬化
性フッ素樹脂層の1000回転数相当の摩耗減量は9.
1mgであった。次に、珪石53重量部、生石灰7.5
重量部、セメント37重量部、乾燥石膏2.5重量部、
これら固形分100重量部に対して水68重量部、アル
ミ粉末0.06重量部を混合したモルタルスラリーを型
枠に注入した後、養生してできた半硬化状の軽量気泡モ
ルタルブロックをピアノ線で切断して、長さ2000×
幅610×厚さ50mmの半硬化状軽量気泡コンクリー
トパネルとし、これを該熱硬化性フッ素樹脂を付設した
成形型の上に置き、側面にあて板をあてがい拘束した状
態で10mm押しつけた後離型し、オートクレーブ養生
した。尚、押しつけ時のモルタル硬度はJISA541
6に準拠した方法で測定すると1.5kg/cm2 であ
った。
【0022】本実施例における前記軽量気泡コンクリー
トパネルの離型性は良好で、得られた模様付き軽量気泡
コンクリートパネルは、亀裂や欠け等の欠損は認められ
ず、かつ模様が鮮明に転写されていた。別途モデル成形
体による成形で、5000回押しつけ後も同様の離型性
を保持していたことから5000回以上の成形耐久回数
を有することが確認された。
【0023】
【比較例1】実施例1と同じ模様の成形型母材表面に、
水酸基価60mg・KOH/gの水酸基を導入したクロ
ロトリフルオロエチレン−ビニルエーテル共重合体80
重量部とイソシアネート基21重量%を含有するヘキサ
メチレンジアミン系硬化剤18重量部、フッ素系界面活
性剤2重量部、これら有効樹脂成分100重量部に対し
て、希釈材としてメチルエチルケトン150重量部を混
合したものを有効樹脂成分が約100g/m2 になるよ
うにハケ塗りした後、すみやかに架橋硬化を完了させる
ため80℃で約60分加熱して付設し、実施例1と同様
にして半硬化状軽量気泡コンクリートパネルに模様付け
を行った。尚、ここで付設した該熱硬化性フッ素樹脂層
の厚みは、実施例1とほぼ同じであった。
【0024】本比較例による成形型は、水の接触角が9
0〜100゜であり、1000回転数相当の摩耗減量は
12.1mgであった。また、本比較例による成形型
は、離型性が良好で得られた模様付き軽量気泡コンクリ
ートパネルは、亀裂や欠け等の欠損はなく、かつ模様を
鮮明に写しており、4000回以上の成形耐久回数を有
することが確認された。
【0025】
【比較例2】実施例1と同じ模様の成形型に鉱物油系の
離型剤を塗布し、その他は実施例1と全く同様にして半
硬化状軽量気泡コンクリートパネルに模様付けを行っ
た。ここで、該鉱物油系の離型剤を塗布した成形型は、
水の接触角が70〜80゜であった。押しつけ後、該鉱
物油系の離型剤を塗布した成形型は、離型性が悪く得ら
れた模様付き軽量気泡コンクリートパネルは、パネル表
面の模様が欠け、模様を鮮明に写しとることはできなか
った。
【0026】
【比較例3】実施例1と同じ模様の成形型母材表面にポ
リテトラフルオロエチレンを付設し、その他は実施例1
と全く同様にして半硬化状軽量気泡コンクリートパネル
に模様付けを行った。尚、ここで付設した該ポリテトラ
フルオロエチレン層の厚みは、実施例1とほぼ同じであ
った。
【0027】該ポリテトラフルオロエチレンを付設した
成形型は、水の接触角が100〜110゜であり、10
00回転数相当の摩耗減量は16.4mgであった。こ
こで該ポリテトラフルオロエチレンは、実施例1と同等
の離型性を有するものの耐摩耗性が実施例1に型に比べ
て劣ることが確認された。また、該ポリテトラフルオロ
エチレンを付設した成形型は、離型性が良好で得られた
模様付き軽量気泡コンクリートパネルは、亀裂や欠け等
の欠損はなく、かつ模様を鮮明に写していた。しかし、
別途モデル成形体において、2000回押しつけまでは
なんとか離型性を保持しているものの、半硬化状軽量気
泡コンクリートパネルとの摩擦によって皮膜が摩耗し、
部分的に型母材が露出していることが確認された。従っ
て、本比較例による型の成形耐久回数は、2000回未
満であり、実用的な耐久性にも劣ることが確認された。
【0028】
【比較例4】実施例1と同じ模様の成形型母材表面に、
ポリテトラフルオロエチレン微粒子をトルエンに分散し
たものを塗布した以外、実施例1と全く同様にして半硬
化状軽量気泡コンクリートパネルに模様付けを行った。
該ポリテトラフルオロエチレン微粒子を付設した成形型
は、水の接触角が90〜100゜、耐摩耗性は布帛など
で軽く拭くだけで樹脂層が離脱した。ここで、該ポリテ
トラフルオロエチレン微粒子は、優れた離型性を有する
ものの耐摩耗性が著しく劣ることが確認された。押しつ
け後、該ポリテトラフルオロエチレン微粒子を付設した
成形型は、離型性が良好で得られた模様付き軽量気泡コ
ンクリートパネルは、亀裂や欠け等の欠損はなく、かつ
模様を鮮明に写していた。しかし、1回押しつけの離型
性は優れているものの2回目以降は離型性を確保でき
ず、押しつけ毎の塗布が必要であり、実用的な耐久性に
著しく劣ることが確認された。
【0029】
【発明の効果】本発明は、以上において前述した構成を
有するので、次のような顕著な効果を有する。 1.本発明による成形型は、熱硬化性フッ素樹脂の硬化
前液状体を型母材表面に付与して形成するので、簡便か
つ安価に付設することができる。 2.また、型母材表面に均質な熱硬化性フッ素樹脂層を
形成させることができる。 3.更に熱硬化性フッ素樹脂の構成成分は所望により変
化させ得るので、前記フッ素樹脂層の特性の調整が容易
であり、型を必要に応じて高性能化できる。 4.本発明による熱硬化性フッ素樹脂層は、常温に至る
広い温度範囲で硬化させ得るので、従来の熱可塑性フッ
素樹脂の焼成の際に必要とされるような高温焼成設備が
不要となる。 5.それ故に、型母材の材質も特別に耐熱性に優れる高
価なものに限定されることがなく、型母材に所望の機械
的特性を有していて安価な例えば樹脂等を用いることが
できる。 6.本発明による成形型は、型母材表面に水の接触角が
80゜以上、摩耗減量が15mg以下、成形耐久回数が
3000回以上の熱硬化性フッ素樹脂層を構成させ得る
ので、成形体の離型性に極めて優れ、かつその優れた離
型性の保持率、即ち成形耐久性に極めて優れる。 7.本発明による成形型を用いると、所望する形態が正
確に付与されかつ損傷の非常に少ない優れた無機系成形
体を得ることができる。 8.本発明による軽量気泡コンクリートパネルは、所望
する型形態、特に模様が正確にかつ鮮明に転写されてい
るので、美観性、意匠性に極めて優れる建材となせる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B28B 3/02 B28B 7/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半硬化状軽量気泡コンクリートパネル
    を、型母材表面にフルオロオレフィン−パーフルオロア
    ルキルビニルエーテル共重合体の架橋硬化体層を付設し
    た押圧成形型を用いて押圧成形した後、離型し、オート
    クレーブ養生することを特徴とする模様付き軽量気泡コ
    ンクリートパネルの製造方法
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