JPH11333820A - 成形型及び無機系成形体 - Google Patents

成形型及び無機系成形体

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JPH11333820A
JPH11333820A JP14371398A JP14371398A JPH11333820A JP H11333820 A JPH11333820 A JP H11333820A JP 14371398 A JP14371398 A JP 14371398A JP 14371398 A JP14371398 A JP 14371398A JP H11333820 A JPH11333820 A JP H11333820A
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fluororesin
fluororesin copolymer
organic solvent
molding
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JP14371398A
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Shinya Okazaki
慎也 岡崎
Fujito Yamaguchi
布士人 山口
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 付設が簡便で優れた離型性と、耐久性を持つ
離型層を表面に有する実用性に優れる成形型を提供する
こと、及びその型により、意匠性に優た安価な無機成形
体を提供すること。 【解決手段】 母材とその表面に形成させた有機溶可溶
性、かつ熱可塑性のフッ素樹脂コポリマー層からなる無
機系成形体用型及びそれによって成形された無機系形成
体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、無機系成形体用の
成形型及び無機系成形体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、意匠性に優れた建材の要求が高ま
っており、模様を有する成形型を成形体に押しつけて建
材表面に模様を形成させる方法が提案されている。一般
にこれらの方法においては、成形対象物に成形型を押し
つけて模様を形成させた後、離型する時に成形体表面が
損傷されるのを防ぐ手段として型に鉱物油系の離型剤が
塗布される。また、同様の目的から、例えば特開昭56
−69111号公報、特開昭57−24210号公報等
においては、ポリテトラフルオロエチレンからなる成形
型が提案されている。
【0003】しかしながら、鉱物油系の離型剤を型に塗
布する場合には、型に形成させた複雑な模様やテーパー
角が大きな溝になると成形体をうまく離型できなくな
り、離型不良による成形体欠損、例えばパネル欠損が多
発し、製品品質の低下や製品収率の低下を招く。また、
鉱物油系の離型剤を複雑な模様やテーパー角が大きな溝
を有する型表面に均一に塗布するには、かなりの熟練と
作業時間を必要とするばかりか、模様付け毎に繰返し塗
布しなければならず、成形体生産性の低下を招くことに
なる。更に、成形型表面に塗布した離型剤は、模様付け
時に成形体へ移行し、例えば後述する半硬化状軽量気泡
コンクリートパネルの成形に際しては、成形後の養生工
程で硬化不良の原因となる場合も認められ、成形体及び
製品品質の著しい低下を引き起こす可能性がある。
【0004】一方、型表面をポリテトラフルオロエチレ
ンなどのホモポリマーから成る熱可塑性フッ素樹脂で構
成する成形型の場合は、成形型そのものを該フッ素樹脂
で構成する方法とあらかじめ金属などの母材で作製した
成形型の表面に該フッ素樹脂を付設する方法が考えられ
る。前者の方法は成形型が非常に高価となり、後者の方
法は以下に述べるように、付設が非常に面倒であるばか
りか幾つかの制約や問題がある。即ち、ポリテトラフル
オロエチレンに限らず、テトラフルオロエチレン−ヘキ
サフルオロエチレンコポリマー、テトラフルオロエチレ
ン−エチレンコポリマーなどのコポリマーから成る熱可
塑性フッ素樹脂を含む熱可塑性フッ素樹脂の大部分は、
有機溶剤には全く不溶であり、例えば、比較的融点の低
いポリビニリデンフルオライドでさえも有機溶剤に溶解
させるには165℃以上としなければならず、更に硬化
させるには、実質上240℃程度の焼成が必要であるか
ら、簡便に付設することはできない。
【0005】そこで実用上熱可塑性フッ素樹脂を付設す
るには、熱可塑性フッ素樹脂粒子を成形型に塗装し、次
いでそれを焼成する工程を必要とする。その上、熱可塑
性フッ素樹脂は成形型母材との親和性、密着性に劣るた
め、付設する成形型母材の表面を適切に前処理する工程
をも必要とする。また、熱可塑性フッ素樹脂は、融点以
上の高温においても高粘性であって流動性に乏しく、そ
のため塗膜厚さが不均一になり易い、塗膜中にボイドを
残し易い、などの問題がある。更に、この場合の焼成
は、350℃以上であり、そのための焼成設備が必要で
あるばかりか、付設される成形型の母材はこの温度に耐
えられる材料に限定されざるを得ないという問題もあ
る。また、簡便的に焼成工程を省きポリテトラフルオロ
エチレン微粒子を溶剤に分散させたものを成形型に塗布
し付設することも可能であるが、この場合には、得られ
る皮膜が耐久性を著しく欠くため成形毎に塗布する必要
を生じる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の無機
系成形体用型が有する前記諸問題を解消し得る成形型を
提供するものである。即ち、本発明の課題は、付設が簡
便で優れた離型性と耐久性を有し、実用性に優れる成形
型を提供することであり、また、その型により意匠性に
優れた安価な無機系成形体を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、前記課題
を解決するために鋭意検討を重ねた結果、型母材表面に
特定の樹脂層を形成させた成形型が前記本発明課題を達
成し得ることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、 1.母材とその表面に形成させた有機溶剤可溶性かつ熱
可塑性のフッ素樹脂コポリマー層から成る無機系成形体
用型であることを特徴とする成形型、 2.フッ素樹脂コポリマー層が、有機溶剤に溶解させた
フッ素樹脂コポリマーを母材表面に付与し形成させた皮
膜であることを特徴とする前項1記載の成形型、 3.有機溶剤が、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、芳香
族系溶剤の1種以上であることを特徴とする前項2記載
の成形型、 4.フッ素樹脂コポリマー層を、水の接触角が80゜以
上、押圧5.0kg/cm2以下の成形耐久回数が30
00回以上、に構成したことを特徴とする前項1ないし
3のいずれかに記載の成形型、 5.母材とその表面に形成させた有機溶剤可溶性かつ熱
可塑性のフッ素樹脂コポリマー層から成る成形型により
成形された建材用無機系成形体であることを特徴とする
無機系成形体、 6.建材用無機系成形体が軽量気泡コンクリートパネル
であることを特徴とする前項5記載の無機系成形体、 である。
【0008】以下に本発明を詳細に説明する。本発明に
よる成形型は、母材とその表面に形成させたフッ素樹脂
コポリマー層から成る。本発明におけるフッ素樹脂コポ
リマーは、有機溶剤に可溶であって熱可塑性を示すもの
である必要がある。このようなフッ素樹脂コポリマー
は、熱可塑性フッ素樹脂成分と他の熱可塑性樹脂成分と
を共重合して得られる。熱可塑性フッ素樹脂成分と共重
合させ得る熱可塑性樹脂成分としては、例えばフェノー
ル、アクリル、エポキシ、ポリアミドイミド、ポリイミ
ド、ウレタン、ポリフェニレンサルファイド、ビニルエ
ーテルなどを挙げることができる。
【0009】本発明では、これらの中でアクリル、ビニ
ルエーテルを好ましく用い得る。本発明において特に好
ましいフッ素樹脂コポリマーは、テトラフルオロエチレ
ン−クロロトリフルオロエチレン−ビニルエーテルコポ
リマー、ビニリデンフルオライド−ビニルエーテルコポ
リマー、ビニリデンフルオライド−テトラフルオロエチ
レン−アクリルコポリマー、ビニリデンフルオライド−
テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン−
アクリルコポリマーである。
【0010】本発明における前記フッ素樹脂コポリマー
は、公知の方法で製造したものであって、差支えない。
本発明では、フッ素樹脂コポリマーを有機溶剤に溶解さ
せて、均一な液状体となし、その液状体を型母材表面に
付与し、次いで皮膜化させることによって型母材表面
に、フッ素樹脂コポリマーの薄膜状均一層を形成させ
る。この際の有機溶剤としては、通常の塗料用溶剤が好
ましく用いられる。本発明では、作業環境を著しく損な
う恐れがなく、作業性に優れ、安価でかつフッ素樹脂コ
ポリマーを溶解させる能力に優れる点から、メチルエチ
ルケトン、メチルブチルケトンなどのエステル系溶剤や
酢酸ブチルなどのエステル系溶剤、トルエン、キシレン
などの芳香族系溶剤の一種以上を特に好ましく用いるこ
とができる。
【0011】本発明では、フッ素樹脂コポリマーの付設
方法を特に限定する必要はないが、例えば、該フッ素樹
脂と有機溶剤を適量混合したものをハケ塗り、スポンジ
塗り、フェルト塗り、スプレー、ディップ、フローコー
トなどで型母材表面に塗布し付設することができる。本
発明で特に好ましい付設方法は、特別な設備が必要なく
より安価で簡便に付設でき、かつ均一な皮膜が得られる
点からスプレー法である。また、使用中に付設した皮膜
が摩耗または他の理由により皮膜が剥がれなどして再付
設の必要を生じた場合には、同様の手順で再付設するこ
とが可能である。上述のように本発明によるフッ素樹脂
コポリマーは、有機溶剤に可溶なので有機溶剤に溶解さ
せて液状体として用いることができ、そのためポリテト
ラフルオロエチレンなどと比べ、特別な処理や350℃
以上の加熱なども必要なく、非常に簡便にかつ均一に皮
膜を型母材に付設することができる。
【0012】本発明では、フッ素樹脂コポリマー層を、
水の接触角が80゜以上、押圧5.0kg/cm2 以下
の成形耐久回数が3000回以上、に構成することが特
に望ましい。成形に際して、成形体を所望する形態で損
傷させる恐れなく離型し得るには、型母材の表面に形成
させたフッ素樹脂コポリマー層を水の接触角が80゜以
上であるように形成させることが好ましい。また、本発
明による成形型を繰り返し使用し、繰り返し使用した後
にも充分満足し得る成形体の離型性を得るには、前記成
形耐久回数が3000回以上であるようにフッ素樹脂コ
ポリマー層を構成することが好ましい。
【0013】本発明におけるフッ素樹脂コポリマー層の
型母材表面への付設量は、特に制限されるものではない
が、50〜500g/m2 に付与させることが望まし
い。特に望ましくは100〜300g/m2 である。フ
ッ素樹脂コポリマーが50g/m2 未満では、実用上の
前記成形耐久回数を欠く恐れがあり、また500g/m
2 超の付与量は、型母材表面の細かな意匠模様を埋める
恐れがあるばかりか、型費用を必要以上に高くする可能
性がある。
【0014】本発明における成形型母材は、模様を転写
することができる強度を有するものであれば材質、形
状、大きさなどは特に限定されるものではなく、例え
ば、ゴムや樹脂、金属などを使用することができる。本
発明においてより好ましく用い得る型母材は、ウレタン
樹脂や鉄鋼、ステンレス、アルミニウムなどである。ま
た、本発明の成形型による成形方法は、押圧成形が好適
であるが、これに限定されるものではなく、例えばスラ
リーの打設成形などにも使用できる。
【0015】本発明による成形型は無機系成形体用型で
ある。無機系成形体は、大部分が水硬性無機質材料から
成る成形体であり、より具体的には、例えばセメントや
石灰などの石灰質原料と珪石や珪砂、高炉スラグ、フラ
イアッシュなどの珪酸質原料などで構成された水和硬化
体である。必要に応じて、砂利などの骨材や鉄筋や金
網、繊維などの補強材を埋設したり、金属粉末や界面活
性剤などの気泡剤や減水剤などに代表される混和剤など
を添加したものでも差し支えない。
【0016】本発明による成形型を用いて、好適に成形
し得る無機系成形体は、屋根、床、壁、建築物外装等に
使用される建材用無機系成形体である。このような無機
系成形体としては、瓦、タイル、スレート、コンクリー
ト板、モルタル板、軽量気泡コンクリート板などを例示
することができる。本発明において特に好ましい無機系
成形体は、軽量気泡コンクリートパネルである。軽量気
泡コンクリートパネルは、一般に軽量気泡コンクリート
として使用されるものであれば特に限定されるものでは
なく、例えば、珪石やセメント、生石灰、水を主原料と
して石膏や解砕屑、気泡剤などを使用して形成されたも
ので差し支えなく、補強用鉄筋もしくは金網が埋設され
ているものである方がより好ましい。また、長さや幅、
厚さは特に限定されるものではなく、その硬さもハンド
リングと模様付けが可能な範囲であればかまわないが、
JISA5416に準拠した強度試験測定法において
0.6〜5.0kg/cm2 の強度を有するものが特に
好ましい。
【0017】本発明による成形型は、模様付き無機系成
形体を得るのに好適である。本発明では模様を形成させ
る方法を特に限定するものではなく、例えば模様付き成
形型に成形対象物を押しつけるなどの通常の方法によっ
て差し支えない。模様付き成形体を得るには、成形対象
物は、押しつけ圧力において可塑性を示すように設定す
ればよい。本発明における特に好ましい無機系成形体で
ある軽量気泡コンクリートパネルの場合は、オートクレ
ーブ養生する前の半硬化状軽量気泡コンクリートパネル
を成形対象物とすることができる。この場合には、押し
つけ時に半硬化状軽量気泡コンクリートパネルの欠損を
防止するために模様付けする面以外の面にあて板などを
あてがい半硬化状軽量気泡コンクリートパネルを拘束す
ることが望ましい。
【0018】
【発明の実施の形態】以下に実施例を挙げ、本発明をよ
り具体的に説明する。尚、以下の実施例においては、無
機系成形体が軽量気泡コンクリートパネルである場合を
例にとり説明する。なお、本発明における水の接触角、
成形耐久回数は次のように測定した。 1.水の接触角 温度20℃、湿度65%の条件下で協和界面科学株式会
社製の接触角計(DA−D)により測定した。 2.成形耐久回数 押圧5.0kg/cm2 以下で長さ100、幅100、
厚さ50mmのモデル成形体を繰り返し成形した時に離
型性が確保できなくなり、成形体に欠損を生じ始めるま
での成形回数とした。
【0019】
【実施例1】型母材にはウレタン樹脂を用い、フッ素樹
脂コポリマーとしては、ビニリデンフルオライド系コポ
リマー(ダイキン工業株式会社製 ゼッフルLC−93
0)を使用し、これを型母材表面にハケ塗りし常温で乾
燥して付設した。付設されたフッ素樹脂層は200g/
2 であった。このように本実施例におけるフッ素樹脂
コポリマーは付設が簡便であった。また得られた成形型
は、水の接触角が80〜90゜であった。尚、フッ素樹
脂コポリマーを付設しない成形型のそれは65゜であっ
た。
【0020】次に、珪石53重量部、生石灰7.5重量
部、セメント37重量部、乾燥石膏2.5重量部、これ
ら固形分100重量部に対して水68重量部、アルミ粉
末0.06重量部を混合したモルタルスラリーを型枠に
注入した後、養生してできた半硬化状の軽量気泡モルタ
ルブロックをピアノ線で切断して、長さ2000×幅6
10×厚さ50mmの半硬化状軽量気泡コンクリートパ
ネルとし、これを前記フッ素樹脂コポリマーを付設した
成形型の上に置き、側面にあて板をあてがい拘束した状
態で10mm押しつけた後離型し、オートクレーブ養生
した。尚、押しつけ時のモルタル硬度は1.5kg/c
2 であった。本実施例における前記軽量気泡コンクリ
ートパネルの離型性は良好で、得られた模様付き軽量気
泡コンクリートパネルは、亀裂や欠け等の欠損は認めら
れず、かつ模様が鮮明に転写されていた。別途モデル成
形体による成形で、3000回押しつけ後も同様の離型
性を保持していたことから本実施例による成形型は、3
000回以上の成形耐久回数を有することが確認され
た。
【0021】
【比較例1】実施例1と同じ模様のウレタン樹脂成形型
に鉱物油系の離型剤を塗布した以外は実施例1と全く同
様にして半硬化状軽量気泡コンクリートパネルに模様付
けを行った。本実施例による成形型は、水の接触角が7
0〜80゜であった。また、押しつけ後、本実施例によ
る成形型は、離型性が悪く得られた模様付き軽量気泡コ
ンクリートパネルは、パネル表面の模様が欠け、模様を
鮮明に写しとることはできなかった。
【0022】
【比較例2】実施例1と同じ模様のウレタン樹脂成形型
表面にポリテトラフルオロエチレンフィルム(中興化成
工業株式会社製 チューコーフロー粘着テープ ASF
−110)を付設し、その他は実施例1と全く同様にし
て半硬化状軽量気泡コンクリートパネルに模様付けを行
った。ポリテトラフルオロエチレンを付設した本比較例
による成形型は、水の接触角が100〜110゜であっ
た。また、本比較例による成形型は、離型性が良好で得
られた模様付き軽量気泡コンクリートパネルは、亀裂や
欠け等の欠損はなく、かつ模様を鮮明に写していた。し
かし、別途のモデル成形体において、2000回押しつ
けに至ったとき、離型性は保持されていたものの、半硬
化状軽量気泡コンクリートパネルとの摩擦によって皮膜
が摩耗し部分的に型母材が露出していることが確認され
た。従って、本比較例による型の成形耐久回数は、20
00回未満であり、実用的な耐久性にも劣ることが確認
された。
【0023】
【比較例3】実施例1と同じ模様のウレタン樹脂成形型
表面にポリテトラフルオロエチレン微粒子を有機溶剤に
分散したもの(株式会社東京マテリアルス製 フロンワ
ックスTM−8250)を塗布した以外、実施例1と全
く同様にして半硬化状軽量気泡コンクリートパネルに模
様付けを行った。ポリテトラフルオロエチレン微粒子を
付設した本比較例による成形型は、水の接触角が90〜
100゜であった。また、押しつけ後、本比較例による
成形型は、離型性が良好で得られた模様付き軽量気泡コ
ンクリートパネルは、亀裂や欠け等の欠損はなく、かつ
模様を鮮明に写していた。しかし、1回押しつけの離型
性は優れているものの2回目以降は離型性を確保でき
ず、押しつけ毎の塗布が必要であり、実用的な耐久性に
著しく劣ることが確認された。
【0024】
【発明の効果】本発明は、以上において詳述したように
全く新しい技術であるので、次のような顕著な効果を有
する。 1.本発明による成形型は、有機溶剤溶解性、かつ熱可
塑性のフッ素樹脂コポリマーを型母材表面に付与するの
で、付設を簡便かつ安価にできる。 2.また、型母材表面に均質なフッ素樹脂コポリマー層
を容易に形成させることができる。 3.更にフッ素樹脂コポリマーは構成成分を所望に応じ
て、変化させ得るので、フッ素樹脂コポリマー層の特性
の調整が容易であり、型性能を必要に応じて制御でき
る。 4.本発明によるフッ素樹脂コポリマー層は、常温で型
表面に付設可能であるので、従来の熱可塑性フッ素樹脂
の焼成の際に必要とされるような、例えば、高温焼成設
備が不要となる。 5.それ故に、型母材の材質も特別に耐熱性に優れる高
価なものに限定されることがなく、型母材に所望の機械
的特性を有していて安価である材質、例えば樹脂等を用
いることができる。従って、本発明による成形型は、経
済性に極めて優れる。 6.本発明による成形型は、型母材表面に水の接触角が
80゜以上、成形耐久回数が3000回以上のフッ素樹
脂コポリマー層を構成させ得るので、成形体の離型性に
極めて優れ、かつその優れた離型性保持性に極めて優れ
る。 7.本発明による成形型を用いると、所望する形態が正
確に付与されかつ損傷の非常に少ない優れた無機系成形
体を得ることができる。 8.本発明による軽量気泡コンクリートパネルは、所望
する型形態、特に深くて明瞭な模様が正確にかつ鮮明に
転写されているので、美観性、意匠性に極めて優れる建
材となせる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 母材とその表面に形成させた有機溶剤可
    溶性かつ熱可塑性のフッ素樹脂コポリマー層から成る無
    機系成形体用型であることを特徴とする成形型。
  2. 【請求項2】 フッ素樹脂コポリマー層が、有機溶剤に
    溶解させたフッ素樹脂コポリマーを母材表面に付与し形
    成させた皮膜であることを特徴とする請求項1記載の成
    形型。
  3. 【請求項3】 有機溶剤が、ケトン系溶剤、エステル系
    溶剤、芳香族系溶剤の1種以上であることを特徴とする
    請求項2記載の成形型。
  4. 【請求項4】 フッ素樹脂コポリマー層を、水の接触角
    が80゜以上、押圧5.0kg/cm2 以下の成形耐久
    回数が3000回以上、に構成したことを特徴とする請
    求項1ないし3のいずれかに記載の成形型。
  5. 【請求項5】 母材とその表面に形成させた有機溶剤可
    溶性かつ熱可塑性のフッ素樹脂コポリマー層から成る成
    形型により成形された建材用無機系成形体であることを
    特徴とする無機系成形体。
  6. 【請求項6】 建材用無機系成形体が軽量気泡コンクリ
    ートパネルであることを特徴とする請求項5記載の無機
    系成形体。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009160764A (ja) * 2007-12-28 2009-07-23 Kao Corp コンクリート用型枠離型剤
JP2012179918A (ja) * 2012-05-23 2012-09-20 Kao Corp コンクリートの打設方法

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