JPH11277517A - 成形型及び無機系成形体 - Google Patents

成形型及び無機系成形体

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JPH11277517A
JPH11277517A JP8172198A JP8172198A JPH11277517A JP H11277517 A JPH11277517 A JP H11277517A JP 8172198 A JP8172198 A JP 8172198A JP 8172198 A JP8172198 A JP 8172198A JP H11277517 A JPH11277517 A JP H11277517A
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慎也 岡崎
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仁志 岡崎
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 付設が簡便で優れた離型性と耐久性を持つ離
型層を表面に有する成形型を提供すること及びその型を
用いることにより、意匠性に優れ深くて明瞭な模様を有
する無機材料系建材を高収率かつ高生産性で製造するこ
とを可能にすること。 【解決手段】 母材とその表面に形成させたシリコーン
硬化物皮膜からなる無機系成形体用型及びそれによって
成形された無機系形成体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、無機系成形体用の
成形型及び無機系成形体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、意匠性に優れた建材の要求が高ま
っており、模様を有する成形型を成形体に押しつけて建
材表面に模様を形成させる方法が知られている。一般に
これらの方法においては、成形対象物に成形型を押しつ
けて模様を形成させた後、離型する時に成形体表面が損
傷されるのを防ぐ手段として型に鉱物油系の離型剤が塗
布される。また、同様の目的から、例えば特開昭56−
69111号公報、特開昭57−24210号公報等に
おいては、表面が熱可塑性フッ素樹脂であるポリテトラ
フルオロエチレンからなる成形型が提案されている。
【0003】しかしながら、鉱物油系の離型剤を型に塗
布する場合には、型に形成させた複雑な模様やテーパー
角が大きな溝になると成形体がうまく離型できなくな
り、離型不良による成形体欠損、例えばパネル欠損が多
発し製品品質の低下や製品収率の低下を招く。また、鉱
物油系の離型剤を複雑な模様やテーパー角が大きな溝を
有する型表面に均一に塗布するには、かなりの熟練と作
業時間を必要とするばかりか、模様付け毎に繰返し塗布
しなければならず、成形体生産性の低下を招くことにな
る。更に、成形型表面に塗布した離型剤は、模様付け時
に成形体へ移行し、例えば後述する半硬化状軽量気泡コ
ンクリートパネルの成形に際しては、成形後の養生工程
で硬化不良の原因となる場合も認められ、成形体及び製
品品質の著しい低下を引き起こす可能性がある。
【0004】一方、型表面をポリテトラフルオロエチレ
ンなどの熱可塑性フッ素樹脂で構成する成形型の場合
は、成形型そのものを前記ポリテトラフルオロエチレン
などで構成する方法と、あらかじめ金属などの母材で作
製した成形型の表面にポリテトラフルオロエチレンを付
設する方法が考えられる。前者の方法は、成形型が非常
に高価であるばかりか、ポリテトラフルオロエチレンが
耐摩耗性に劣るので実用性に欠ける。また、後者の方法
も耐摩耗性に劣る点は前者と同じであり、ポリテトラフ
ルオロエチレンの易摩耗性のため短いサイクルで再付設
を繰り返す必要を生じる。
【0005】その上、ポリテトラフルオロエチレンなど
の熱可塑性フッ素樹脂の付設は、前処理、塗装、焼成の
工程からなり、各工程が非常に面倒であるばかりか次に
示すような幾つかの制約や問題がある。すなわち第一
に、熱可塑性フッ素樹脂は成形型母材との親和性、密着
性に劣るため、付設する成形型母材の表面を適切に前処
理することが必要となる。第二に該樹脂は、融点以上で
も高粘性で流動性に乏しく、塗膜厚さが不均一になり易
い、塗膜中にボイドを残し易い、などの欠点がある。第
三に焼成は、350℃以上となり、それに準ずる焼成設
備が必要であるばかりか、付設される成形型の母材はこ
の温度に耐えられる材料に限定されざるを得ない。ま
た、簡便的に焼成工程を省きポリテトラフルオロエチレ
ン微粒子を溶剤に分散させたものを成形型に塗布し付設
することも可能であるが、これは耐久性を著しく欠くた
め成形毎に塗布する必要がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の無機
系成形体用型が有する前記諸問題を解消し得る成形型を
提供するものである。即ち、本発明の課題は、付設が簡
便で優れた離型性と耐久性を有し、実用性に優れる成形
型を提供することであり、また、その型により意匠性に
優れ安価な無機系成形体を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、前記課題
を解決するために鋭意検討を重ねた結果、型母材表面に
特定のシリコーン硬化物皮膜を形成させた成形型が前記
本発明課題を達成し得ることを見出し、本発明を完成さ
せるに至った。即ち、本発明は、 1.母材とその表面に形成させたシリコーン硬化物皮膜
から成る無機系成形体用型であることを特徴とする成形
型、 2.シリコーン硬化物皮膜の鉛筆硬度がB〜6Hである
ことを特徴とする前項1記載の成形型。 3.シリコーン硬化物皮膜が、有機ケイ素化合物と架橋
剤を含有する液状体を母材表面に層状に付与し、20〜
150℃で架橋させてなる硬化体であることを特徴とす
る前項1記載の成形型、 4.シリコーン硬化物皮膜を水の接触角が80゜以上、
研磨紙AA−100番、荷重4.9Nで1000回転数
相当の摩耗減量が15mg以下かつ押圧5.0kg/c
2 以下の成形耐久回数が3000回以上、に構成した
ことを特徴とする前項1ないし3のいずれかに記載の成
形型、 5.母材とその表面に形成させたシリコーン硬化物皮膜
から成る成形型により成形された建材用無機系成形体で
あることを特徴とする無機系成形体、 6.建材用無機系成形体が軽量気泡コンクリートパネル
であることを特徴とする前項6記載の無機系成形体、 である。
【0008】以下に本発明を詳細に説明する。本発明に
係るシリコーン硬化物は、シリコーンの基本骨格である
シロキサン結合が三次元的に結合した構造を有するもの
であり、三次元的に結合する架橋点は、シロキサン結合
だけで形成されるものだけでなく、シリコーンに含まれ
る有機基が架橋点を形成したものでもよい。
【0009】本発明において架橋硬化の方法は特に限定
されるものではないが、シロキサン結合で架橋点を形成
する方法の代表例としては、多官能性シラノール基を
含有するシロキサンやシランを有機スズ化合物などの触
媒下で脱水縮合する方法、例えば、メチルシロキサント
リオールやメチルシラントリオールの脱水縮合など、
シラノール基を含有するシロキサンに架橋剤としてシリ
リジン基を含有するシロキサンを混合し、有機スズ化合
物などの触媒下で脱水素縮合する方法、例えば、メチル
シロキサンジオールとメチルハイドロジェンシロキサン
の脱水素縮合など、シラノール基を含有するシロキサ
ンに架橋剤として正ケイ酸エチルなどのアルコキシシラ
ンやメトキシ、ケトオキシム、アセトキシなどの加水分
解性有機基を含有するシランを有機スズ化合物などの触
媒と水の存在下で縮合する方法、例えば、メチルシロキ
サンジオールとメチルトリアセトキシシランの縮合など
を挙げることができるが、いずれの方法によってもよ
い。
【0010】また、有機基が架橋点を形成する方法の代
表例としては、ビニル基を含有するシロキサンに架橋
剤としてシリリジン基を含有するシロキサンを混合し、
白金化合物などの触媒下でヒドロシリル化する方法、例
えば、ビニルメチルシロキサンとメチルハイドロジェン
シロキサンのヒドロキシル化など、シロキサンやビニ
ル基を含有するシロキサンを過酸化ベンゾイルなどの有
機過酸化物と反応させて架橋を形成する方法、例えば、
ジメチルシロキサンやビニルメチルシロキサンの過酸化
ベンゾイルによる架橋などがある。これらの方法以外に
も紫外線や放射線の照射により架橋硬化させる方法もあ
り、いずれの方法でもよい。尚、これらの全ての方法に
おいて原料は単量体に限らずプレポリマーやポリマーで
もかまわない。
【0011】本発明において、有機ケイ素化合物と架橋
剤から架橋硬化体を得るには、取り扱い上、有機ケイ素
化合物が有機溶剤に可溶であることが肝要となる。ま
た、前記硬化物の架橋の程度は、得られるシリコーン硬
化物皮膜の特性を左右する因子の一つであり、この架橋
の程度が少な過ぎるとシリコーン硬化物皮膜は柔らかく
傷つき易くなり、また多過ぎると皮膜は硬くひび割れな
どの欠陥を起こし易くなるので好ましい架橋の程度が存
在する。この架橋の程度は、得られたシリコーン硬化物
皮膜の硬度に反映されるために、本発明ではシリコーン
硬化物皮膜の架橋程度を硬化物皮膜の鉛筆硬度で評価す
ることとする。本発明においては、鉛筆硬度がB〜6H
であること好ましく、更には2H〜5Hが特に好まし
い。
【0012】本発明ではシリコーン硬化物皮膜の特徴を
損なわない範囲で、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、
エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂、メ
ラミン樹脂、フッ素樹脂などとの変成や熱可塑性フッ素
樹脂、シリカ粒子、シランカップリング剤、着色顔料、
成膜補助剤、成分調整剤などを添加してもかまわない。
樹脂変成やシランカップリング剤の添加は、硬化皮膜の
ひび割れ防止や樹脂製の成形型母材との密着性向上に有
効である。
【0013】本発明では、シリコーン硬化物皮膜の付設
方法を特に限定する必要はないが、例えば、有機ケイ素
化合物と架橋剤、有機溶剤を適量混合したものを、硬化
する前にハケ塗り、スポンジ塗り、フェルト塗り、スプ
レー、ディップ、フローコートなどで型母材表面に塗布
し架橋硬化させることができる。本発明で特に好ましい
付設方法は、特別な設備が必要なくより安価で簡便に付
設でき、かつ均一な皮膜が得られる点からスプレー法で
ある。架橋硬化は20〜150℃で行うことが好まし
い。より好ましくは、80〜120℃で30〜120分
程度加熱することである。また、使用中に付設した皮膜
が摩耗または他の理由により皮膜が剥がれなどして再付
設の必要を生じた場合には、同様の手順で再付設するこ
とが可能である。上述のように本発明によるシリコーン
硬化物皮膜は、ポリテトラフルオロエチレンなどの熱可
塑性フッ素樹脂と比べ、特別な処理や350℃以上の加
熱なども必要なく、非常に簡便にかつ均一な皮膜を型母
材に付設することができる。
【0014】本発明では、シリコーン硬化物皮膜を、水
の接触角が80゜以上、研磨紙AA−100番、荷重
4.9Nで1000回転数相当の摩耗減量が15mg以
下かつ押圧5.0kg/cm2 以下の成形耐久回数が3
000回以上、に構成することが特に望ましい。即ち、
成形に際して、成形体を所望する形態で損傷させる恐れ
なく離型し得るには、型母材の表面に形成させたシリコ
ーン硬化物皮膜を水の接触角が80゜以上であるように
形成させることが好ましく、特に好ましくは90゜以上
である。
【0015】また、本発明による成形型を繰り返し使用
し、繰り返し使用した後にも充分満足し得る成形体の離
型性及び該硬化物皮膜の形態保持性を得るには、前記摩
耗減量が15mg以下であってかつ前記成形耐久回数が
3000回以上であるように該硬化物皮膜を構成するこ
とが好ましい。本発明におけるシリコーン硬化物皮膜の
型母材表面への付設量は、特に制限されるものではない
が、50〜500g/m2 に付与させることが望まし
い。特に望ましくは100〜300g/m2 である。シ
リコーン硬化物皮膜が50g/m2未満の時は、実用上
の前記成形耐久回数を欠く恐れがあり、また500g/
m2超の付与量は、型母材表面の細かな意匠模様を埋め
る恐れがあるばかりか型費用を必要以上に高くする可能
性がある。
【0016】本発明における成形型母材は、模様を転写
することができる強度を有するものであれば材質、形
状、大きさなどは特に限定されるものではなく、例え
ば、ゴムや樹脂、金属などを使用することができる。本
発明においてより好ましく用い得る型母材は、ウレタン
や鉄鋼、ステンレス、アルミニウムなどである。また、
本発明の成形型による成形方法は、押圧成形が好適であ
るが、これに限定されるものではなく、例えばスラリー
の打設成形などにも使用できる。
【0017】本発明による成形型は無機系成形体用型で
ある。本発明における無機系成形体は、大部分が水硬性
無機質材料から成る成形体であり、より具体的には、例
えばセメントや石灰などの石灰質原料と珪石や珪砂、高
炉スラグ、フライアッシュなどの珪酸質原料などで構成
された水和硬化体である。必要に応じて、砂利などの骨
材や鉄筋や金網、繊維などの補強材を埋設したり、金属
粉末や界面活性剤などの気泡剤や減水剤などに代表され
る混和剤などを添加したものでも差し支えない。
【0018】本発明による成形型を用いて、好適に成形
し得る無機系成形体は、屋根、床、壁、建築物外装等に
使用される建材用無機系成形体である。このような無機
系成形体としては、瓦、タイル、スレート、コンクリー
ト板、モルタル板、軽量気泡コンクリート板などを例示
することができる。本発明において特に好ましい無機系
成形体は、軽量気泡コンクリートパネルである。軽量気
泡コンクリートパネルは、一般に軽量気泡コンクリート
に使用されているものであれば特に限定されるものでは
なく、例えば、珪石やセメント、生石灰、水を主原料と
して石膏や解砕屑、気泡剤などを使用することができる
が、補強用鉄筋もしくは金網が埋設されているものが好
ましい。また、長さや幅、厚さは特に限定されるもので
はなく、その硬さもハンドリングと模様付けが可能な範
囲であればかまわないが、JISA5416に準拠した
強度試験測定法において0.6〜5.0kg/cm2
強度を有するものが特に好ましい。
【0019】本発明による成形型は、模様付き無機系成
形体を得るものに好適である。本発明は模様を形成させ
る方法を特に限定するものではなく、例えば模様付き成
形型に成形対象物を押しつけるなどの通常の方法によっ
て差し支えない。模様付き成形体を得るには、成形対象
物は、押しつけ圧力において可塑性を示すように設定す
ればよい。本発明における特に好ましい無機系成形体で
ある軽量気泡コンクリートパネルの場合は、オートクレ
ーブ養生する前の半硬化状軽量気泡コンクリートパネル
を成形対象物とすることができる。この場合には、押し
つけ時に半硬化状軽量気泡コンクリートパネルの欠損を
防止するために模様付けする面以外の面にあて板などを
あてがい半硬化状軽量気泡コンクリートパネルを拘束す
ることが望ましい。
【0020】
【発明の実施の形態】以下に実施例を挙げ、本発明をよ
り具体的に説明する。尚、以下の実施例においては、無
機系成形体が軽量気泡コンクリートパネルである場合に
ついて説明する。尚、本発明における水の接触角、耐摩
耗性、成形耐久回数は次のように測定した。 1.水の接触角 温度20℃、湿度65%の条件下で協和界面科学株式会
社製の接触角計(DA−D)により測定した。 2.耐摩耗性 研磨紙AA−100番、荷重4.9Nの条件でスガ試験
機株式会社製のスガ摩擦試験機(NUS−ISO−1)
により下記試験回転数が100回転での摩耗減量を測定
し、それを1000回転数相当の摩耗減量に次式を用い
て換算した。 W=(A−B)×(1000/R) ここで、W:1000回転数相当の摩耗減量(mg) A:試験前の試験片の質量(mg) B:試験後の試験片の質量(mg) N:試験回転数 3.成形耐久回数 押圧5.0kg/cm2 以下で長さ100、幅100、
厚さ50mmのモデル成形体を繰り返し成形した時に離
型性が確保できなくなり、成形体に欠損を生じ始めるま
での成形回数とする。
【0021】
【実施例1】型母材にはポリウレタンを用い、ポリアル
キルシロキサンジオールとポリアルキルハイドロジェン
シロキサンの混合物58重量部、シランカップリング剤
36重量部、ジブチルスズジラウレート6重量部、これ
ら有効成分100重量部に対して希釈材としてイソプロ
ピルアルコール100重量部を混合したものを使用し、
これを型母材表面にハケ塗りした後、すみやかに架橋硬
化を完了させるため100℃で約120分加熱して付設
した。付設された有効成分は100g/m2 であった。
また、シリコーン硬化物皮膜の鉛筆硬度は3Hであっ
た。このように該シリコーン硬化物は、付設が簡便でか
つ該シリコーン硬化物皮膜を付設した成形型は、水の接
触角が110〜115゜であった。尚、付設しない成形
型のそれは65゜であった。また、該シリコーン硬化物
皮膜の1000回転数相当の摩耗減量は12.0mgで
あった。
【0022】次に、珪石53重量部、生石灰7.5重量
部、セメント37重量部、乾燥石膏2.5重量部、これ
ら固形分100重量部に対して水68重量部、アルミ粉
末0.06重量部を混合したモルタルスラリーを型枠に
注入した後、養生してできた半硬化状の軽量気泡モルタ
ルブロックをピアノ線で切断して長さ2000×幅61
0×厚さ50mmの半硬化状軽量気泡コンクリートパネ
ルとし、これを該シリコーン硬化物皮膜を付設した成形
型の上に置き、側面にあて板をあてがい拘束した状態で
10mm押しつけた後離型し、オートクレーブ養生し
た。尚、押しつけ時のモルタル硬度はJISA5416
に準拠した方法で測定すると1.5kg/cm2 であっ
た。本実施例における前記軽量気泡コンクリートパネル
の離型性は良好で、得られた模様付き軽量気泡コンクリ
ートパネルは、亀裂や欠け等の欠損は認められず、かつ
模様が鮮明に転写されていた。別途モデル成形体による
成形で、5000回押しつけ後も同様の離型性を保持し
ていたことから5000回以上の成形耐久回数を有する
ことが確認された。
【0023】
【実施例2】実施例1と同じ模様の成形型母材表面にメ
チルシロキサンジオール47重量部とメチルトリアセト
キシシラン47重量部、ジブチルスズジラウレート6重
量部、これら有効成分100重量部、これら有効成分1
00重量部に対して、希釈材としてイソプロピルアルコ
ール100重量部を混合したものを有効成分が約100
g/m2 になるようにハケ塗りした後、すみやかに架橋
硬化を完了させるため100℃で約30分加熱して付設
し、実施例1と同様にして半硬化状軽量気泡コンクリー
トパネルに模様付けを行った。尚、ここで付設した該シ
リコーン硬化物皮膜の厚みは、実施例1とほぼ同じであ
った。また、シリコン硬化物皮膜の鉛筆硬度は2Hであ
った。
【0024】本実施例による成形型は、水の接触角が9
0〜100゜であり、1000回転数相当の摩耗減量は
14.5mgであった。また、本実施例による成形型
は、離型性が良好で得られた模様付き軽量気泡コンクリ
ートパネルは、亀裂や欠け等の欠損はなく、かつ模様を
鮮明に写しており、3500回以上の成形耐久回数を有
することが確認された。
【0025】
【比較例1】実施例1と同じ模様の成形型に鉱物油系の
離型剤を塗布し、その他は実施例1と全く同様にして半
硬化状軽量気泡コンクリートパネルに模様付けを行っ
た。ここで、該鉱物油系の離型剤を塗布した成形型は、
水の接触角が70〜80゜であった。押しつけ後、該鉱
物油系の離型剤を塗布した成形型は離型性が悪く、得ら
れた模様付き軽量気泡コンクリートパネルは、パネル表
面の模様が欠け、模様を鮮明に写しとることはできなか
った。
【0026】
【比較例2】実施例1と同じ模様の成形型母材表面にポ
リテトラフルオロエチレンを付設し、その他は実施例1
と全く同様にして半硬化状軽量気泡コンクリートパネル
に模様付けを行った。尚、ここで付設した該ポリテトラ
フルオロエチレン層の厚みは、実施例1とほぼ同じであ
った。
【0027】該ポリテトラフルオロエチレンを付設した
成形型は、水の接触角が100〜110゜であり、10
00回転数相当の摩耗減量は16.4mgであった。こ
こで該ポリテトラフルオロエチレンは、実施例1と同等
の離型性を有するものの、耐摩耗性が実施例1に型に比
べて劣ることが確認された。また、該ポリテトラフルオ
ロエチレンを付設した成形型は、離型性が良好で得られ
た模様付き軽量気泡コンクリートパネルは、亀裂や欠け
等の欠損はなく、かつ模様を鮮明に写していた。しか
し、別途のモデル成形体において、2000回押しつけ
まではなんとか離型性を保持しているものの、半硬化状
軽量気泡コンクリートパネルとの摩擦によって皮膜が摩
耗し部分的に型母材が露出していることが確認された。
従って、本比較例による型の成形耐久回数は、2000
回未満であり、実用的な耐久性にも劣ることが確認され
た。
【0028】
【比較例3】実施例1と同じ模様の成形型母材表面にポ
リテトラフルオロエチレン微粒子をトルエンに分散した
ものを塗布した以外、実施例1と全く同様にして半硬化
状軽量気泡コンクリートパネルに模様付けを行った。該
ポリテトラフルオロエチレン微粒子を付設した成形型
は、水の接触角が90〜100゜、耐摩耗性は布帛など
で軽く拭くだけで樹脂層が離脱した。ここで、該ポリテ
トラフルオロエチレン微粒子は、優れた離型性を有する
ものの、耐摩耗性が著しく劣ることが確認された。
【0029】押しつけ後、該ポリテトラフルオロエチレ
ン微粒子を付設した成形型は、離型性が良好で得られた
模様付き軽量気泡コンクリートパネルは、亀裂や欠け等
の欠損はなく、かつ模様を鮮明に写していた。しかし、
1回押しつけの離型性は優れているものの、2回目以降
は離型性を確保できず押しつけ毎の塗布が必要であり、
実用的な耐久性に著しく劣ることが確認された。
【0030】
【発明の効果】本発明は、以上において詳述した構成、
作用を有するので、次のような顕著な効果を有する。 1.本発明による成形型は、シリコーン硬化物皮膜の硬
化前液状体を型母材表面に付与して形成するので、簡便
かつ安価に付設することができる。 2.また、型母材表面に均質なシリコーン硬化物皮膜を
形成させることができる。 3.更にシリコーン硬化物皮膜の構成成分は所望により
変化させ得るので、前記硬化物皮膜の特性の調整が容易
であり、型を必要に応じて高性能化できる。 4.本発明によるシリコーン硬化物皮膜は、常温に至る
広い温度範囲で硬化させ得るので、従来の熱可塑性フッ
素樹脂の焼成の際に必要とされるような高温焼成設備が
不要となる。 5.それ故に、型母材の材質も特別に耐熱性に優れる高
価なものに限定されることがなく、型母材に所望の機械
的特性を有していて安価な例えば樹脂等を用いることが
できる。 6.本発明による成形型は、型母材表面に水の接触角が
80゜以上、摩耗減量が15mg以下、成形耐久回数が
3000回以上のシリコーン硬化物皮膜を構成させ得る
ので、成形体の離型性に極めて優れ、かつその優れた離
型性の保持率、即ち成形耐久性に極めて優れる。 7.本発明による成形型を用いると、所望する形態が正
確に付与されかつ損傷の非常に少ない優れた無機系成形
体を得ることができる。 8.本発明による軽量気泡コンクリートパネルは、所望
する型形態、特に模様が正確にかつ鮮明に転写されてい
るので、美観性、意匠性に極めて優れる建材となせる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 母材とその表面に形成させたシリコーン
    硬化物皮膜から成る無機系成形体用型であることを特徴
    とする成形型。
  2. 【請求項2】 シリコーン硬化物皮膜の鉛筆硬度がB〜
    6Hであることを特徴とする請求項1記載の成形型。
  3. 【請求項3】 シリコーン硬化物皮膜が、有機ケイ素化
    合物と架橋剤を含有する液状体を母材表面に層状に付与
    し、20〜150℃で架橋させてなる硬化体であること
    を特徴とする請求項1記載の成形型。
  4. 【請求項4】 シリコーン硬化物皮膜を、水の接触角が
    80゜以上、研磨紙AA−100番、荷重4.9Nで1
    000回転数相当の摩耗減量が15mg以下かつ押圧
    5.0kg/cm2 以下の成形耐久回数が3000回以
    上、に構成したことを特徴とする請求項1ないし3のい
    ずれかに記載の成形型。
  5. 【請求項5】 母材とその表面に形成させたシリコーン
    硬化物皮膜から成る成形型により成形された建材用無機
    系成形体であることを特徴とする無機系成形体。
  6. 【請求項6】 建材用無機系成形体が軽量気泡コンクリ
    ートパネルであることを特徴とする請求項6記載の無機
    系成形体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016147469A (ja) * 2015-02-13 2016-08-18 本多産業株式会社 離型塗料組成物およびこれを適用したコンクリート成形用枠体
WO2023112639A1 (ja) * 2021-12-15 2023-06-22 バンドー化学株式会社 透水性シートとその製造方法

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