JP3255889B2 - 注入治具及びその注入工法 - Google Patents

注入治具及びその注入工法

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JP3255889B2
JP3255889B2 JP09446399A JP9446399A JP3255889B2 JP 3255889 B2 JP3255889 B2 JP 3255889B2 JP 09446399 A JP09446399 A JP 09446399A JP 9446399 A JP9446399 A JP 9446399A JP 3255889 B2 JP3255889 B2 JP 3255889B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、注入治具及び注入
工法に関し、更に詳しくは、先打ちされたモルタル面及
び/又は先打ちされたコンクリート面及び/又はモルタ
ル、コンクリート以外の部材面に、袋状注入治具を取り
付け、モルタル及び/又はコンクリートを打ち込み、硬
化後、該注入治具に、注入剤を注入し、打継ぎ部を一体
化するための注入治具及びその注入工法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、モルタル・コンクリート構造物を
構築する場合における打継ぎ部の処理は、構造物の一体
化や漏水防止を目的に、打ち継がれるコンクリート構造
物の間に止水板等を設置しコンクリートを打ち込む方法
や、注入パイプ等を埋設しコンクリート打ち込み後に注
入剤を注入する方法が行われていた。例えば、順打ち工
法においては実公昭52−23130号公報や特開昭5
3−113122号公報に開示されているように、打継
ぎ部に定型止水材を埋設して止水性を確保する処理工法
が、逆打ち工法においては特開昭56−119075号
公報に開示されている、先打ちされた上部コンクリート
の底面に、発泡スチロール等の可溶性材料よりなる注入
用型枠を配置した状態で、下部コンクリートを打ち込
み、当該コンクリート壁の硬化後、シンナー等の溶剤で
前記型枠を溶解除去することにより、注入孔を形成し、
該注入孔からセメント系ペーストや樹脂等の固結性の注
入剤を注入する打継ぎ部の処理工法が提案されている。
また、特開平5−195591号公報では、供給された
止水用注入材を局面各所から周辺へと噴出するようにし
た止水ホースを、あらかじめ打継ぎ部に設置しておく方
法が開示されている。更には、特開平9−4230号公
報では、鉛直打継ぎ部の止水工法として、鉛直打継ぎ部
先打ちコンクリートに中空メッシュホースに不織布をか
ぶせた構成物を取り付けた後、打継ぎコンクリート打ち
込み完了後、止水材樹脂液を注入する方法が開示されて
いる。しかしながら、止水板を用いた場合には止水板に
沿って水が侵入したり、可溶性材料を溶剤で溶解除去す
る際に火災の危険性や作業員の健康を害する可能性があ
った。また、注入パイプを埋設した場合には、後打ちコ
ンクリートにより、注入口が目詰まりしたリ、注入箇所
が線状となることにより充てん性が不良となり、止水性
が不確実になる場合があった。中空メッシュホースと不
織布を組合せた場合には、止水材樹脂液のみしか注入で
きないことより、逆打ち工法において打継ぎ部に大きな
隙間が生じた場合、注入樹脂量が多量となり不経済とな
る場合があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、特殊構造の
注入治具を使用することにより、コンクリート構造物の
打継ぎ部の一体化を確実なものとして品質の向上を図
り、工事完成後の補助工法及び/又は補修作業を不必要
とすることを目的とすると共に、打継ぎ部のすき間間隔
の大小により注入剤の種類を選定することを可能とし
た、経済的で確実性に優れた注入治具と注入工法の提供
を目的にしている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明を概説すれば、本
発明の第1の発明は、構造物の打ち継ぎ部に使用する注
入治具であって、織布及び/又は不織布からなる面と、
メッシュのみよりなる面とからなる袋状物であることを
特徴とする打継ぎ部処理用注入治具に関する。本発明の
第2の発明は、上記第1の発明の袋状注入治具を、該メ
ッシュを有する面が、先打ちされたモルタル面及び/又
は先打ちされたコンクリート面及び/又はモルタル、コ
ンクリート以外の部材面と接するように取り付け、モル
タル及び/又はコンクリートを打ち込み後、該袋状注入
治具を介して注入剤を注入することにより、打継ぎ部を
一体化することを特徴とする該袋状注入治具の注入工法
に関する。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体的に説明す
る。
【0006】ここでいう注入治具とは、後打ちモルタル
又は後打ちコンクリート打継ぎ部にあらかじめ取り付け
ておき、後打ちモルタル又は後打ちコンクリートが硬化
後、注入剤を注入するための治具であり、その構成は、
一面が織布及び/又は不織布であり、もう一面がメッシ
ュのみからなる、袋状の注入治具である。該注入治具
は、剛性を持ったサポート材と組合せることが可能であ
り、更には、注入用チューブ及び/又は空気抜き用チュ
ーブを併設できる。
【0007】注入治具を構成する織布及び不織布は、樹
脂注入剤は透過するがセメントペーストやモルタルが非
透過のものであればよく、材質や構成する糸の太さ、本
数、積層数、糸の方向性の組合せは特に限定されず、2
種以上の材質や構成する糸の太さ、本数を組合せること
も可能であり、材質としては天然物、合成樹脂、金属等
が使用できる。具体的には、天然物としては綿、麻、絹
等があり、合成樹脂としてはビニロン、ポリエステル、
ポリアクリル、ポリプロピレン、ナイロン、ポリスチレ
ン、ポリ塩化ビニル等があり、金属では鉄、銅、アルミ
ニウム等がある。また、構成する糸の表面を合成樹脂や
界面活性剤などで表面処理することもできる。注入治具
を構成するメッシュは、樹脂系注入剤及びセメントペー
ストやモルタルが透過するものであればよく、材質や構
成する糸の太さ、本数、積層数、糸の方向性の組合せは
特に限定されず、2種以上の材質や構成する糸の太さ、
本数を組合せることも可能であり、材質としては天然
物、合成樹脂、金属等が使用できる。具体的には、天然
物としては綿、麻、絹等があり、合成樹脂としてはビニ
ロン、ポリエステル、ポリアクリル、ポリプロピレン、
ナイロン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニ
ル等があり、金属では鉄、銅、アルミニウム等がある。
また、構成する糸の表面を合成樹脂や界面活性剤などで
表面処理することもできる。
【0008】注入治具を袋状にする方法も、注入治具に
注入剤を注人するまで袋状であればその方法に特に制限
はない。また、メッシュ面からの後打ちモルタル及び/
又は後打ちコンクリートのセメントペーストやレイタン
スの侵入を防止するため、メッシュ面の一部若しくは大
部分を織布及び/又は不織布とすることもでき、コンク
リートポンプによる打ち込みなどで、後打ちモルタル及
び/又は後打ちコンクリートの型枠内圧力を大きくした
場合などには有利である。注入治具の大きさは、先打ち
されたモルタル面及び/又は先打ちされたコンクリート
面及び/又はモルタル、コンクリート以外の部材面と後
打ちモルタル面及び/又は後打ちコンクリート面の打継
ぎ部での一体化が行われれば特に限定されるものではな
いが、先打ちされたモルタル面及び/又は先打ちコンク
リート面及び/又はモルタル、コンクリート以外の部材
面と同じ大きさのものが好ましい。
【0009】注入治具に併設可能なサポート材は、先打
ちモルタル及び/又は先打ちコンクリート及び/又はモ
ルタル、コンクリート以外の部材に、該注入治具を取り
付けた時に、後打ちモルタル及び/又は後打ちコンクリ
ートの硬化まで、注入治具の垂れ下がりを防止できるも
のであれば特に制限はなく、材質や目開き、形状、枚
数、注入治具との組合せ位置など任意に選択できる。通
常、例えば、合成樹脂、金属などの棒状、板状、格子状
のものがある。また、該サポート材にはリブや突起をつ
けることも可能である。具体的には、合成樹脂としてビ
ニロン、ポリエステル、ポリアクリル、ポリプロピレ
ン、ナイロン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリ塩化
ビニル等があり、金属では鉄、銅、アルミニウム等があ
る。また、サポート材表面を合成樹脂や界面活性剤など
で表面処理することもできる。
【0010】注入治具に併設可能な注入用及び/又は空
気抜き用チューブは、樹脂系注入剤及びセメント系注入
剤を注入治具内に注入、又は注入治具内の空気抜き及び
/又は注入剤の注入確認ができればよく、材質や肉厚、
形状、本数に特に制限はなく、メッシュ状チューブでも
良い。該注入用及び/又は空気抜き用チューブは、側面
に複数個の穴をあけることもでき、注入用チューブと逆
側の端部には空気抜き及び/又は注入確認用のチューブ
が挿入される。以下、これら袋状注入治具をバッグと略
記することもある。
【0011】バッグの先打ちされたモルタル面及び/又
は先打ちコンクリート面及び/又はその他の部材面への
取り付けは、メッシュを有する面が先打ちされたモルタ
ル面及び/又は先打ちコンクリート面及び/又はモルタ
ル、コンクリート以外の部材面と接し、注入治具が後打
ちモルタル及び/又は後打ちコンクリートの硬化まで所
定の位置に保持される方法であれば良く、その取り付け
方法は特に限定されるものではない。通常、例えば、
釘、鋲、及びビス等による機械的に取り付ける方法、又
は、例えば、両面テープや接着剤などを用いて接着する
方法などがあり、その両方法や他の方法を併用すること
も可能である、また、通常、点付けで取り付けられるこ
とが多い。注入治具の先打ちされたモルタル面及び/又
は先打ちコンクリート面及び/又はモルタル、コンクリ
ート以外の部材面への取り付け位置は、打継ぎ部が水平
の場合は中央部分に、また、傾斜がある場合は傾斜の低
い位置に取り付けることが好ましい。
【0012】本発明で対象とするモルタル、コンクリー
ト、モルタル・コンクリート以外の部材には特に規定は
ないが、例えば、モルタルとはセメント、水及び必要に
応じて加える混和材料を構成材料とし、これらを練混ぜ
その他の方法によって一体化したものであり、一例とし
て、プレーンモルタル、AEモルタル、膨張モルタル、
無収縮モルタル、高流動モルタル、エアモルタル、軽量
モルタル、ポリマーセメントモルタルなどがある。ま
た、コンクリートとはセメント、水、細骨材、粗骨材及
び必要に応じて加える混和材料を構成材料とし、これら
を練混ぜその他の方法によって一体化したものであり、
一例として、プレーンコンクリート、AEコンクリー
ト、膨張コンクリート、無収縮コンクリート、高流動コ
ンクリート、軽量コンクリート、ポリマーセメントコン
クリートなどがある。また、モルタル、コンクリート以
外の部材(以下、その他の部材という)とは、構造物を製
造するときに用いるモルタル、コンクリート以外の構成
材料であり、モルタル・コンクリート複合構造物製造や
モルタル・コンクリート構造の補強材、表面仕上げに使
用されるものをいい、材質や大きさ、形状に特に制限は
ないが、直線及び/又は曲線からなる平面を有している
ことが望ましい。その一例としては、H鋼、山形鋼、溝
型鋼等の形鋼、円形鋼管、角形鋼管等の鋼管に代表され
る鉄骨や鉄板、薄肉鋼板、ステンレス鋼板、デッキプレ
ートに代表される鋼板、炭素繊維やアラミド繊維などに
代表される連続繊維補強材を使用したシート等がある。
【0013】本発明の注入治具に注入する注入剤は、後
打ちに使用するモルタル及び/又は後打ちコンクリート
の種類や打継ぎ工事などにより生じる打継ぎ部のすき間
の大小によリ選択できる。例えば、5mm程度までのよ
うにすき間が狭い場合には樹脂系注入剤を、例えば、1
cm程度以上のすき間が広い場合には樹脂系注入剤、セ
メント系注入剤のいずれも使用できるが、セメント系注
入剤を選定することにより、経済性に優れた打継ぎ目処
理を行うことが可能である。すなわち、打継ぎ部のすき
間が狭い場合には、樹脂系注入剤を注入治具に取り付け
た注入用チューブに注入すると、チューブ先端やチュー
ブ側面にあけた複数個の穴を通り、樹脂系注入剤は注入
治具の中に面状に広がり、空気を押し出しながらすき間
を充てんすると共に、織布及び/又は不織布面から染み
出し、あるいはメッシュ面からの流出により打継ぎ部を
充てんし、構造物を一体化する。
【0014】ここで樹脂系注入剤としては、注入後にお
いて付着強度の確保や打継ぎ部より進入してくる地下
水、雨水等を遮蔽できるものであれば特に限定はない
が、例えば、水と混合可能で反応により硬化する合成樹
脂液、ビニルエステルを主成分とする樹脂液、アクリル
系樹脂液、エポキシ系樹脂液、反応によりゲル状となる
樹脂液などがある。
【0015】一方、打継ぎ部のすき間が広い場合には、
樹脂系注入剤の注入も可能であるが、経済性の面よリセ
メント系注入剤の使用が好ましい。セメント系注入剤を
樹脂系注入剤の場合と同様に注入治具に注入すると、セ
メント系注入剤は樹脂系注入剤注入の場合と同じく、注
入治具内に面状に広がり空気を押し出しながらすき間を
充てんすると共に、メッシュ面から流出し、注入治具を
埋没する形で打継ぎ部を充てんし、構造物を一体化す
る。ここでセメント系注入剤としては、注入後において
すき間を生ずることなく、付着強度の確保や打継ぎ部よ
り進入してくる地下水、雨水等を遮蔽できるものであれ
ば特に限定はないが、例えば、膨張材を混入したセメン
トペースト及び/又はモルタルやアルミ粉末入りセメン
トペースト及び/又はモルタル、あるいはこれらにポリ
マーエマルジョン、ポリマーラテックス等の液状添加剤
及び/又は再乳化性樹脂、増粘剤等の添加剤を混和した
セメントペースト及び/又はモルタル、これらに使用す
るセメントが微粉セメントのもの、水ガラスを主成分と
する液体等がある。
【0016】注入治具への注入剤の注入方法は、注入治
具を介して打継ぎ部に注入剤が注入されれば特に制限は
なく、一般的に、樹脂系注入剤の場合には、ハンドガン
や空気圧式注入装置、圧力ポンプ等が利用され、セメン
ト系注入材の場合にはグラウトポンプ等が使用される。
【0017】このように織布及び/又は不織布よりなる
面と、メッシュのみよりなる面とから構成された注入治
具に、樹脂系注入剤又はセメント系注入剤を注入するこ
とにより、経済的に優れ高品質の打継ぎ部を形成するこ
とのできる、注入治具とその注入工法を提供できる。
【0018】本工法を用いる際の先打ち、後打ちモルタ
ル及び先打ち、後打ちコンクリートに特に限定はなく、
一般に用いられている構造体としての要求を満足するモ
ルタル、コンクリートであれば良い。具体的には、通常
のレディーミクストコンクリート工場で製造されたモル
タル、現場練りモルタル、レディーミクストコンクリー
ト、現場練りコンクリート、無収縮モルタル、膨張コン
クリート、高流動モルタル、高流動コンクリート等があ
る。
【0019】図1は注入治具の構成の1例を表したもの
であり、Aは平面図、BはA図のX−X’線断面図、C
はA図のY−Y’線断面図である。注入治具の片面が織
布及び/又は不織布1であり、もう一方がメッシュ2で
構成されている。この注入治具には剛性を持ったサポー
ト材3を組合せている。側面に複数個の穴をあけること
もできる注入チューブ4は注入治具の端部に挿入され、
注入チューブと逆側の端部には空気抜き及び注入確認用
のチューブ5が挿入される。
【0020】図2は注入治具6を先打ちコンクリート7
に設置した1例を表している。
【0021】図3は注入治具6に樹脂系注入剤を注入し
た状況の1例を表している。Aは注入の時間的経過を示
す図、Bは注入完了時の縦断面図である。注入治具6に
注入された樹脂系注入剤8は、扇状に広がりながらすき
間を充てんすることにより空気を追い出し、なおかつ織
布及び/又は不織布1とメッシュ2より流出しすき間を
充てんし、打継ぎ部を一体化する。
【0022】図4は注入治具6にセメント系注入剤を注
入した状況の1例を表している。Aは注入の時間的経過
を示す図、Bは注入完了時の縦断面図である。注入治具
6に注入されたセメント系注入剤9は、樹脂系注入剤の
場合と同様に扇状に広がりながらすき間を充てんするこ
とにより空気を追い出し、なおかつメッシュ2より流出
し注入治具6を埋没しながらすき間を充てんし、打継ぎ
部を一体化する。
【0023】
【実施例】本発明を実験例に基づいて更に具体的に説明
する。
【0024】実験例1 注入剤の注入性状を確認するため、アクリル板とコンク
リートで構成された試験体を用いて試験した。 <試験体1>幅1,000mm、長さ2,000mm、
厚さ20mmのアクリル板の下面中央に、織布、不織
布、メッシュA、サポート材を使用して作製し、内径1
0mm、外径12mmのチューブを両端に挿入した、幅
100mm、長さ2,000mm、厚さ3mmの注入治
具を両面テ一プで取り付けた。逆打ち工法で、アクリル
板の下面に取り付けた注入治具に接するように、後打ち
コンクリートを打ち込んだ。後打ちコンクリートの寸法
は、幅1,000mm、長さ2,000mm、厚さ20
0mmであった。その後、注入剤を注入用チューブから
注入し、その充てん性を観察した。
【0025】<使用材料> コンクリート:表1 織布:樹脂系注入剤は透過、セメントペーストは非透
過、材質麻 不織布A:樹脂系注入剤は透過、セメントペーストは非
透過、材質ビニロン 不織布B:樹脂系注入剤は透過、セメントペーストは非
透過、材質ポリエステル メッシュA:樹脂系注入剤、セメントペースト共透過、
材質ポリプロビレン 注入剤a:樹脂系注入剤、アクリル系接着剤、BH型粘
度計での20℃の粘度500cps 注入剤b:セメント系注入剤、無収縮セメントペース
ト、20℃のJ10漏斗流下値7秒
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】実験例2 注入剤の止水性を確認するため、コンクリートで構成さ
れた試験体を用いて試験した。 <試験体2>幅1,000mm、長さ2,000mm、
厚さ200mmのコンクリート板の下面中央に、実験例
1と同一の注入治具をコンクリート釘で取り付けた。逆
打ち工法で、コンクリート板の下面に取り付けた注入治
具に接するように、後打ちコンクリートを打ち込んだ。
後打ちコンクリー一トの寸法は、幅1,000mm、長
き2,000mm、厚さ200mmであった。その後、
注入剤を注入用チューブから注入した。注入剤の硬化
後、注入剤を注入した面と逆側の打継ぎ部に、水注入用
チューブを取り付け、圧力容器を用い水圧5kgf/c
2Gで定圧力を24時間掛け、圧力容器中の水量の変
化を観察した。
【0029】<使用材料>実験例1と同一とした。
【0030】
【表3】
【0031】実験例3 注入剤注入後のモルタル・コンクリート構造体の一体性
を確認するため、コンクリートで構成された試験体を用
いて試験した。 <試験体3>幅1,000mm、長さ2,000mm、
厚さ300mmの先打ちコンクリート板の下面中央に、
不織布B、メッシュB、サポート材を使用して作製し、
内径10mm、外径12mmのチューブを両端に挿入し
た、幅100mm、長さ2,000mm、厚さ3mmの
注入治具をコンクリート釘で取り付けた。逆打ち工法
で、コンクリート板の下面に取り付けた注入治具に接す
るように、後打ちコンクリートを打ち込んだ。後打ちコ
ンクリートの寸法は、幅1,000mm、長さ2,00
0mm、厚さ300mmであった。後打ちコンクリート
打込み後材齢7日で注入剤を注入用チューブから注入し
た。後打ちコンクリート打込み後材齢21日で、JIS
A1107コンクリートからのコア及びはりの切り取り
方法及び強度試験方法のはり供試体の曲げ強度供試体寸
法と同一寸法となるように、試験体を供試体断面が15
0mm×150mm、長さ600mmで、注入剤注入部
分が長さ方向の中央部になるように縦に切断し、後打ち
コンクリート打込み後材齢28日で曲げ強度試験を行っ
た、 <試験体4>幅1,000mm、長さ2,000mm、
厚さ600mmのコンクリート板を作製した。コンクリ
ート硬化後試験体3のはり供試体作製同様に切断し、材
齢28日で曲げ強度試験を行った。 <試験体5>幅1,000mm、長さ2,000mm、
厚さ300mmの打継ぎ面無処理の先打ちコンクリート
板に、逆打ち工法で後打ちコンクリートを打ち込んだ。
後打ちコンクリートの寸法は、幅1,000mm、長さ
2,000mm、厚さ300mmであった。この試験体
より、試験体3のはり供試体作製同様に切断し、材齢2
8日で曲げ強度試験を行った。
【0032】<曲げ強度試験>JISA1107コンク
リートからのコア及びはりの切り取り方法及び強度試験
方法に準拠して測定した。
【0033】<使用材料> コンクリート:表1 不織布B:樹脂系注入剤は透過、セメントペーストは非
透過、材質ポリエステル メッシュB:樹脂系注入剤、モルタル共透過、材質ポリ
プロピレン 注入剤a:樹脂系注入剤、アクリル系接着剤、BH型粘
度計での20℃の粘度500cps 注入剤c:セメント系注入剤、EVA系ポリマーエマル
ジョン添加膨張材系無収縮モルタル、20℃のJ14漏斗
流下値6秒
【0034】
【表4】
【0035】実験例4 注入剤注入後のモルタル・コンクリート構造体の一体性
を確認するため、鋼板とコンクリートで構成された試験
体を用いて試験した。 <試験体6>幅1,000mm、長さ2,000mm、
厚さ5mmの鋼板(材質SS400)下面中央に、実験例
3と同一の注入治具をメッシュ面が鋼板側となるように
ホットメルト型接着剤で取り付けた。逆打ち工法で、鋼
板の下面に取り付けた注入治具に接するように、コンク
リートを打ち込んだ。コンクリートの寸法は、幅1,0
00mm、長さ2,000mm、厚さ300mmであっ
た。コンクリート打込み後材齢7日で注入剤を注入用チ
ューブから注入した。後打ちコンクリート打込み後材齢
28日に、鋼板を40mm×40mmで後打ちコンクリ
ートまで切断し、建研式引張試験機で付着強度を測定し
た。 <試験体7>試験体6と同一方法で、注入治具を取り付
けていない鋼板に直接後打ちコンクリートを打ち込ん
だ。コンクリートの寸法は、幅1,000mm、長さ
2,000mm、厚さ300mmであった。コンクリー
ト打込み後材齢28日に、鋼板を直径100mmでコン
クリートまで切断を試みた。
【0036】<使用材料>実験例3と同一とした。
【0037】
【表5】
【0038】実験例5 サポート材の効果を確認するため、幅1,000mm、
長さ2,000mm、厚さ200mmのコンクリート板
の下面中央に、サポート材を挿入した幅200mm、長
さ2,000mm、厚さ3mmの注入治具を、注入治具
の端部にコンクリート釘を500mmピッチで打込み取
り付けた。この結果、注入治具の垂れ下がりは確認され
ず、良好な結果が得られた。 <使用材料> コンクリート:表1 不織布A:樹脂系注入材は透過、セメントペーストは非
透過、材質ビニロン メッシュA:樹脂系注入材は透過、セメントペーストは
非透過、材質ポリプロピレン サポート材:形態 格子状、構成材1本の太さ2mm、
目開き10mm、材質ポリエステル+アクリル樹脂
【0039】
【発明の効果】注入剤が小さなすき間まで充てんでき、
高品質の一体化した打継ぎ部を形成できる、モルタル・
コンクリート構造物が得られる等の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法で使用する袋状注入治具の1例の構
造を示す図である。
【図2】本発明方法において、注入治具を先打ちコンク
リートに設置した1例を示す模式図である。
【図3】本発明方法において、注入治具に樹脂系注入剤
を注入した状況の1例を示す図である。
【図4】本発明方法において、注入治具にセメント系注
入剤を注入した状況の1例を示す図である。
【符号の説明】
1:織布及び/又は不織布、2:メッシュ、3:サポー
ト材、4:注入チューブ、5:空気抜き及び注入確認用
チューブ、6:注入治具、7:先打ちコンクリート、
8:樹脂系注入剤、9:セメント系注入剤
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川島 忠夫 東京都中野区東中野1丁目32番8号 カ ワシマ物産株式会社内 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E04G 21/02 103

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 構造物の打継ぎ部に使用する注入治具で
    あって、織布及び/又は不織布からなる面と、メッシュ
    みよりなる面とからなる袋状物であることを特徴とす
    る打継ぎ部処理用注入治具。
  2. 【請求項2】 袋状注入治具が剛性を有するサポート材
    を併設していることを特徴とする請求項1に記載の注入
    治具。
  3. 【請求項3】 袋状注入治具が注入用チューブ及び/又
    は空気抜き用チューブを併設していることを特徴とする
    請求項1又は2に記載の注入治具。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項に記載の袋
    状注入治具を、該メッシュを有する面が、先打ちされた
    モルタル面及び/又は先打ちされたコンクリート面及び
    /又はモルタル、コンクリート以外の部材面と接するよ
    うに取り付け、モルタル及び/又はコンクリートを打ち
    込み後、該袋状注入治具を介して注入剤を注入すること
    により、打継ぎ部を一体化することを特徴とする該袋状
    注入治具の注入工法。
  5. 【請求項5】 注入剤が、樹脂系注入剤又はセメント系
    注入剤いずれも使用することのできることを特徴とする
    請求項4に記載の注入工法。
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