JP3255149B2 - 冷媒流路洗浄装置及び冷媒流路洗浄方法 - Google Patents

冷媒流路洗浄装置及び冷媒流路洗浄方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冷媒流路の洗浄装
置と洗浄方法に関し、特に複数の分岐部を備えた冷媒流
路の洗浄装置と洗浄方法に係るものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、冷凍装置としての空気調和装
置は、多数のものが知られている。例えば、特開平8−
100944号公報に開示されているように、圧縮機と
四路切換弁と室外熱交換器と電動膨張弁とレシーバと室
内熱交換器とが冷媒配管によって順に接続されて空気調
和装置を構成し、該空気調和装置は、冷房運転と暖房運
転とを行い得るように構成されているものがある。
【0003】上述した空気調和装置を始め、各種の空気
調和装置の更新需要時において、既設の冷媒配管をその
まま流用する場合がある。この場合、既設の冷媒回路の
冷媒と新設の冷媒回路の冷媒とが、同一のCFC系冷媒
やHCFC系冷媒であれば、さほど問題が生じることが
なく、既設冷媒配管を使用することができる。
【0004】しかしながら、新設の冷媒回路には、近年
の環境問題などの観点から、従来のCFC系冷媒やHC
FC系冷媒に代り、HFC(ハイドロフルオロカーボ
ン)系冷媒を用いることが提案されている。
【0005】この場合、上記既設冷媒配管を流用しよう
とすると、冷媒配管の内部を洗浄しなければならない。
つまり、既設冷媒配管の内面には、潤滑油が付着した
り、ゴミなどが付着している場合が多い。特に、従来の
CFC系冷媒等では潤滑油に鉱油が用いられていたのに
対し、HFC系冷媒では潤滑油に合成油が用いられるの
で、鉱油の潤滑油が既設冷媒配管に残存していると、新
設の冷媒回路において、異物(コンタミネーション)が
生じ、絞り機構を閉塞したり、圧縮機を損傷するという
問題が生ずる。
【0006】そこで、本願出願人は、既設の冷媒配管か
ら室外機と室内機を取り外し、室外機の代わりに洗浄ユ
ニットを取り付けると共に、室内機の代わりに連絡配管
を取り付けて洗浄回路を構成し、該回路中で洗浄媒体と
して液冷媒を循環させながら、洗浄ユニット内に設けた
分離器で液冷媒から異物を分離して該液冷媒を浄化する
ことにより、冷媒配管内を洗浄することを提案している
(特願平9−295641号)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、図4に示す
ように1台の室外機(A)に対して複数(図の例では5
台)の室内機(B1〜B5)が並列に接続された冷凍装置に
おいて、図5に示すように室外機(A)の代わりに洗浄
ユニット(10)を取り付けると共に各室内機(B1〜B5)
の代わりに連絡配管(11)を取り付けて冷媒配管を洗浄
しようとすると、液冷媒の偏流が生じるため、各連絡配
管(11)内を通る液冷媒の流量が均一にならず、冷媒配
管の洗浄が不均一になってしまう。このため、冷媒配管
を均一に洗浄するには、面倒でも連絡配管(11)を1本
ずつ順に接続し、洗浄を各経路毎に個別に行う必要があ
った。
【0008】本発明は、このような問題点に鑑みて創案
されたものであり、その目的とするところは、1台の室
外機に対して複数の室内機を接続した空気調和装置の冷
媒配管のように複数の分岐部を備えた冷媒流路を、均一
かつ簡単に洗浄できるようにすることである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、冷媒流路の複
数の分岐部のうち、洗浄時に洗浄媒体を流す経路を選択
できるようにして、各経路を切り換えながら冷媒流路を
洗浄するようにしたものである。
【0010】具体的に、本発明が講じた第1の解決手段
は、複数の分岐部(11,B1〜B5)を備えた冷媒流路の洗
浄装置を前提としている。そして、この冷媒流路洗浄装
置は、上記冷媒流路内で液冷媒などの洗浄媒体を循環さ
せながら浄化して該冷媒流路内を洗浄する洗浄ユニット
(10)を備え、洗浄媒体の循環時に上記分岐部(11,B1
〜B5)の少なくとも1つを閉鎖すると共に、閉鎖する分
岐部(11,B1〜B5)を切り換え(例えば所定のタイミン
グで順に切り換え)ながら洗浄媒体を循環させるように
構成されている。
【0011】また、本発明が講じた第2の解決手段は、
上記第1の解決手段において、洗浄媒体の循環時に、冷
媒流路の分岐部(11,B1〜B5)の一つを開放して他を閉
鎖すると共に、開放する分岐部(11,B1〜B5)を切り換
えるように構成したものである。
【0012】また、本発明が講じた第3の解決手段は、
上記第1または第2の解決手段において、冷媒流路の複
数の分岐部(11,B1〜B5)にそれぞれ冷凍装置の室内機
(B1〜B5)が設けられ、該室内機(B1〜B5)への洗浄媒
体の流通と停止とを切り換える開閉弁を備えた構成とし
たものである。
【0013】なお、この構成において、「室内機」は、
空気調和装置の室内機に加え、他の冷凍装置の利用側ユ
ニットなども含む概念の用語である。また、開閉弁は、
室内機の内部や、室内機の上流側あるいは下流側などに
設けることができる。
【0014】また、本発明が講じた第4の解決手段は、
上記第1または第2の解決手段において、冷媒流路の分
岐部(11,B1〜B5)に設けられた冷凍装置の室内機(B1
〜B5)に代えて連絡配管(11)が取り付けられ、各連絡
配管(11)に、洗浄媒体の流通と停止とを切り換える開
閉弁(C1〜C5)が設けられた構成としたものである。
【0015】また、本発明が講じた第5の解決手段は、
上記第3または第4の解決手段において、各開閉弁(C1
〜C5)を開閉制御する開閉制御手段(D)を備えた構成
としたものである。
【0016】また、本発明が講じた第6の解決手段は、
室外機(A)に複数台の室内機(B1〜B5)が接続された
冷凍装置における冷媒流路の洗浄方法を前提としてい
る。そして、上記冷媒流路内で洗浄媒体を循環させなが
ら浄化して該冷媒流路内を洗浄する洗浄ユニット(10)
を上記室外機(A)に代えて接続するステップと、室内
機(B1〜B5)の少なくとも一つを閉鎖すると共に、閉鎖
する室内機(B1〜B5)を切り換えながら、上記冷媒流路
内で洗浄媒体を循環させるステップとを行うようにした
ものである。
【0017】なお、この構成において、「室外機」は、
空気調和装置の室外機に加え、他の冷凍装置の熱源側ユ
ニットなども含む概念の用語である。
【0018】また、本発明が講じた第7の解決手段は、
上記第6の解決手段において、室内機(B1〜B5)の一つ
を開放して他を閉鎖すると共に、開放する室内機(B1〜
B5)を切り換えながら冷媒流路を洗浄するようにした
ものである。
【0019】また、本発明が講じた第8の解決手段は、
上記第6の解決手段と同様、室外機(A)に複数台の室
内機(B1〜B5)が接続された冷凍装置における冷媒流
路の洗浄方法を前提としている。そして、上記冷媒流路
内で洗浄媒体を循環させながら浄化して該冷媒流路内を
洗浄する洗浄ユニット(10)を上記室外機(A)に代え
て接続し、上記室内機(B1〜B5)に代えて連絡配管(1
1)を接続するステップと、連絡配管(11)の少なくと
も一つを閉鎖すると共に、閉鎖する連絡配管(11)を切
り換えながら、上記冷媒流路内で洗浄媒体を循環させる
ステップとを行うようにしたものである。
【0020】また、本発明が講じた第9の解決手段は、
上記第8の解決手段において、連絡配管(11)の一つを
開放して他を閉鎖すると共に、開放する連絡配管(11)
を切り換えながら冷媒流路を洗浄するようにしたもので
ある。
【0021】−作用− 上記第1の解決手段では、まず、冷媒流路の複数の分岐
部(11,B1〜B5)の少なくとも1つを閉鎖して、冷媒流
路内で洗浄媒体を循環させながら浄化することにより、
冷媒流路内を洗浄する。このとき、洗浄媒体がすべての
分岐部(11,B1〜B5)を流れることにはならないので、
洗浄媒体の偏流は生じにくい。次に、冷媒流路の分岐部
(11,B1〜B5)の開閉状態を切り換えて、複数の分岐部
(11,B1〜B5)のうちの少なくとも別の一つが閉鎖した
状態として、冷媒流路の洗浄を行う。こうすると、洗浄
媒体が前回とは別の経路を流れることになるため、前回
洗浄されなかった部分が洗浄される。そして、このよう
に洗浄媒体を流す分岐部(11,B1〜B5)を切り換えなが
ら洗浄媒体の循環を繰り返し行う。
【0022】また、上記第2の解決手段では、複数の分
岐部(11,B1〜B5)を1箇所ずつ開いて洗浄媒体を循環
させることにより、冷媒流路の異なる部分を順に洗浄す
ることができるので、洗浄媒体の偏流が生じないように
することができる。
【0023】また、上記第3の解決手段では、冷媒流路
の複数の分岐部(11,B1〜B5)にそれぞれ設けられた開
閉弁により、洗浄媒体を流通させる室内機(B1〜B5)と
流通させない室内機(B1〜B5)とを設定して洗浄媒体を
循環させると共に、洗浄媒体を循環させる室内機(B1〜
B5)を切り換えて、冷媒流路を洗浄する。この場合、室
内機(B1〜B5)を含む冷媒流路は、開閉弁の切換に伴っ
て洗浄されることになる。また、洗浄の具体的な方法と
しては、上記第6及び第7の解決手段のように行うこと
ができる。
【0024】また、上記第4の解決手段では、冷媒流路
の分岐部(11,B1〜B5)に設けられた冷凍装置の室内機
(B1〜B5)に代えて連絡配管(11)を取り付け、各連絡
配管(11)の開閉弁(C1〜C5)により、洗浄媒体を流通
させる連絡配管(11)と流通させない連絡配管(11)と
を設定して洗浄媒体を循環させると共に、洗浄媒体を循
環させる連絡配管(11)を切り換えて、冷媒流路を洗浄
する。この場合、連絡配管(11)を含む冷媒流路は、開
閉弁(C1〜C5)の切換に伴って洗浄される。また、洗浄
の具体的な方法としては、上記第8及び第9の解決手段
のように行うことができる。
【0025】また、上記第5の解決手段では、開閉制御
手段(D)により各開閉弁(C1〜C5)を互いに異なるタ
イミングで開閉することができ、そうすることにより、
洗浄媒体の流通する分岐部(11,B1〜B5)、つまり室内
機(B1〜B5)または連絡配管(11)が自動的に切り換え
られて流路内が洗浄される。
【0026】
【発明の効果】上記第1の解決手段によれば、1回の洗
浄動作で冷媒流路の全体を洗浄するのではなく、部分的
に洗浄すると共に、繰り返して行う洗浄動作により他の
部分を洗浄するようにしているので、各洗浄動作の際に
洗浄媒体の偏流が起こりにくくなるうえに、洗浄しなか
った部分も洗浄動作を繰り返す際に洗浄されるので、冷
媒流路を全体的に均一かつ簡単に洗浄できる。
【0027】また、上記第2の解決手段によれば、冷媒
流路を1本の分岐部(11,B1〜B5)に対応した部分毎に
順に洗浄することにより洗浄媒体の偏流が発生しないよ
うにできるので、冷媒流路をより均一に洗浄することが
できる。
【0028】また、上記第3、第6及び第7の解決手段
によれば、洗浄媒体を流通させる室内機(B1〜B5)を選
択して、室内機(B1〜B5)及び冷媒流路を順に洗浄する
ことができるので冷媒流路全体を均一に洗浄できる。ま
た、上記第4、第8及び第9の解決手段によれば、室内
機(B1〜B5)に代えて連絡配管(11)を取り付け、連絡
配管(11)の開閉状態を順に切り換えることにより、冷
媒流路(11)内を部分毎に順に洗浄することができ、冷
媒流路全体を均一に洗浄できる。
【0029】また、上記第5の解決手段によれば、各開
閉弁(11)を開閉制御手段(D)により互いに異なるタ
イミングで開閉できるので、洗浄媒体の流通する室内機
(B1〜B5)や連絡配管(11)を自動的に選択して、冷媒
流路を簡単に洗浄できる。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて詳細に説明する。
【0031】図1は、本実施形態に係る冷媒流路洗浄装
置(1)の概略回路構成図である。この冷媒流路洗浄装
置(1)は、1台の室外機(A)に対して複数台の室内
機(B1〜B5)が接続された図4の空気調和装置におい
て、室外機(A)に代えて洗浄ユニット(10)を取り付
けると共に、各室内機(B1〜B5)に代えて第1から第5
の連絡配管(11)を接続したものである。そして、各連
絡配管(11)が、冷媒流路の分岐部となっている。
【0032】洗浄ユニット(10)は、室外機(A)とガ
ス管及び液管とを取り外した後、既設冷媒配管(2A,2
B)に配管継手(21)を介して接続される。また、各連
絡配管(11)は、各室内機(A)を取り外した後、既設
冷媒配管(2A,2B)に、配管継手(21)を介して接続さ
れる。各連絡配管(11)には、それぞれ、第1から第5
の電磁弁(開閉弁)(C1〜C5)が設けられており、各電
磁弁(C1〜C5)は、コントローラ(開閉制御手段)
(D)により個別に開閉制御されるように構成されてい
る。なお、図4では配管継手(21)は省略している。
【0033】次に、洗浄ユニット(10)の詳細につい
て、図2を参照して説明する。
【0034】図2に示すように、洗浄ユニット(10)
は、2次冷媒システムを利用して既設の冷媒回路におけ
る冷媒配管(2A,2B)を洗浄するものであり、既設冷媒
配管(2A,2B)に接続されている。尚、図2は、洗浄ユ
ニット(10)と共に、1組(2本)の既設冷媒配管(2
A,2B)のみを示している。
【0035】上記2本の既設冷媒配管(2A,2B)の一端
には第1洗浄回路(11)が接続され、他端には第2洗浄
回路(12)が接続されている。上記第1洗浄回路(11)
は、1本の連絡配管で構成され、両端が継手(21,21)
を介して2本の既設冷媒配管(2A,2B)に接続されてい
る。該第1洗浄回路(11)の接続部位は、例えば、既設
の冷媒回路では室内機(B1〜B5)が接続されていた部分
である。
【0036】上記第2洗浄回路(12)は、接続回路(3
0)と冷凍回路(1次側冷媒回路)(40)とより構成さ
れている。該接続回路(30)は、両端が継手(21,21)
を介して既設冷媒配管(2A,2B)に接続されている。そ
して、上記既設冷媒配管(2A,2B)と第1洗浄回路(1
1)と第2洗浄回路(12)の接続回路(30)とによって
閉回路(13)が構成されている。尚、上記接続回路(3
0)の接続部位は、例えば、既設の冷媒回路では室外機
が接続されていた部分である。
【0037】上記閉回路(13)は、既設冷媒配管(2A,
2B)を洗浄するための洗浄媒体として2次冷媒が充填さ
れ、冷媒流通路を構成している。該2次冷媒は、例え
ば、新設する空気調和装置に使用される新たな清浄な冷
媒が用いられる。具体的に、上記2次冷媒は、R−40
7CやR−410AなどのHFC系冷媒である。
【0038】上記接続回路(30)は、第1閉鎖弁(V1)
と逆止弁(31)と分離器(50)と加減圧部(60)と第2
閉鎖弁(V2)とが順に接続配管(34)によって接続され
て構成されている。
【0039】上記加減圧部(60)は、接続配管(34)の
途中を2つの並列通路(61,61)に形成すると共に、第
1搬送熱交換器(7A)及び第2搬送熱交換器(7B)が各
並列通路(61,61)に設けられて構成されている。更
に、上記加減圧部(60)における各搬送熱交換器(7A,
7B)の上流側と下流側とには、一方向にのみ冷媒流通を
許容する逆止弁(62,62,…)が設けられている。
【0040】上記分離器(50)は、タンク(51)に分離
熱交換コイル(52)とフィルタ(53)が収納されて構成
され、2次冷媒から潤滑油等の異物を分離する分離手段
を構成している。上記タンク(51)は、各既設冷媒配管
(2A,2B)を流通した液相の2次冷媒を貯溜するもので
ある。
【0041】上記分離熱交換コイル(52)は、冷凍回路
(40)に接続され、タンク(51)内の液相の2次冷媒を
加熱して蒸発させる加熱手段を構成している。上記フィ
ルタ(53)は、タンク(51)内の上部に取り付けられ、
分離熱交換コイル(52)の加熱で蒸発したガス相の2次
冷媒の通過によって該2次冷媒より異物を除去する捕集
手段を構成している。
【0042】上記冷凍回路(40)は、圧縮回路部(4C)
と搬送回路部(4A)とを備えて独立した1つの冷凍サイ
クルの搬送手段を構成している。該搬送回路部(4A)
が、圧縮回路部(4C)に対して四路切換弁(42)によっ
て冷媒の流通方向が可逆になるように接続されている。
該冷凍回路(40)に充填される冷媒、つまり、1次冷媒
は、R22の他、HFC系冷媒などの各種の冷媒が用い
られている。
【0043】上記圧縮回路部(4C)は、圧縮機(41)の
吐出側に空冷凝縮器(4e)が、圧縮機(41)の吸込側に
アキュムレータ(46)がそれぞれ設けられて構成されて
いる。上記空冷凝縮器(4e)は、圧縮機(41)の吐出側
の高圧上昇を抑制するものである。つまり、1次冷媒の
凝縮量が低下すると、圧縮機(41)の吐出側の高圧圧力
が上昇する。この高圧圧力が所定値以上になると、空冷
ファン(4f)を駆動し、上記空冷凝縮器(4e)が圧縮機
(41)より吐出した冷媒を凝縮させるように構成されて
いる。
【0044】一方、上記搬送回路部(4A)は、第1搬送
熱交換器(7A)と整流回路(47)と第2搬送熱交換器
(7B)とが直列に接続されて構成されている。そして、
該整流回路(47)には1方向通路(48)が接続されてい
る。
【0045】上記整流回路(47)は、4つの1方向弁
(CV)を有するブリッジ回路に構成されている。該整流
回路(47)の4つの接続点のうち、2つの接続点には1
方向通路(48)が接続され、他の2つの接続点にはそれ
ぞれ第1搬送熱交換器(7A)及び第2搬送熱交換器(7
B)が接続されている。
【0046】上記1方向通路(48)には、上流側から分
離熱交換コイル(52)と膨張弁(EV)とが順に接続され
ている。該膨張弁(EV)は、過熱度制御される絞り機構
を構成している。該膨張弁(EV)の感温筒(TB)は、ア
キュムレータ(46)の流入側に取り付けられている。上
記分離熱交換コイル(52)は、上述したように分離器
(50)のタンク(51)に収納されている。
【0047】上記2つの搬送熱交換器(7A,7B)は、例
えば、プレート式熱交換器で構成されている。該各搬送
熱交換器(7A,7B)は、冷却動作と加圧動作とを交互に
繰り返すように構成されている。つまり、上記各搬送熱
交換器(7A,7B)は、交互に冷却手段と加圧手段とにな
る。
【0048】上記冷却動作は、分離器(50)で相変化し
たガス相の2次冷媒を冷却して液相に相変化させて減圧
させる動作である。また、上記加圧動作は、液相の2次
冷媒を液相状態まま加熱して加圧させる動作である。
【0049】具体的に、例えば、図2の左側の第1搬送
熱交換器(7A)に洗浄用の液相の2次冷媒が溜っている
状態で、図2の右側の第2搬送熱交換器(7B)には洗浄
用のガス相の2次冷媒が溜っている状態とする。この状
態において、上記第1搬送熱交換器(7A)が加圧手段
に、第2搬送熱交換器(7B)が冷却手段になる。
【0050】上記圧縮機(41)から吐出した高温の1次
冷媒が第1搬送熱交換器(7A)において液相の2次冷媒
を加熱して昇圧させ、搬送圧力を付与して2次冷媒を既
設冷媒配管(2A,2B)に押し出す。一方、上記1次冷媒
は、分離熱交換コイル(52)を経て膨張弁(EV)で減圧
され、第2搬送熱交換器(7B)で蒸発する。この1次冷
媒は、ガス相の2次冷媒を冷却して該2次冷媒を液相に
相変化させて減圧させる。この結果、第2搬送熱交換器
(7B)がガス相の2次冷媒を分離器(50)より吸引して
該2次冷媒を溜め込む。
【0051】その後、上記第1搬送熱交換器(7A)を冷
却手段に、第2搬送熱交換器(7B)を加圧手段に切り換
える。そして、上記圧縮機(41)から吐出した高温の1
次冷媒が第2搬送熱交換器(7B)に流れ、液相の2次冷
媒を既設冷媒配管(2A,2B)に押し出す。一方、1次冷
媒は第1搬送熱交換器(7A)で蒸発してガス相の2次冷
媒を冷却して該第1搬送熱交換器(7A)に2次冷媒を溜
め込む。この動作を繰り返す。
【0052】尚、上記圧縮回路部(4C)には、圧縮機
(41)の吸込側に低圧圧力センサ(P1)が、圧縮機(4
1)の吐出側に高圧圧力センサ(P2)及び温度センサ(T
2)が設けられている。また、上記接続回路(30)の接
続配管(34)には、分離器(50)の下流側に低圧圧力ス
イッチ(LPS)が設けられている。
【0053】上記冷凍回路(40)は、圧縮機(41)の吐
出圧力が所定値以上になるか、圧縮機(41)の吐出温度
が所定値以下になるか、又は分離器(50)の内部圧力が
所定値以上になるか、何れかの条件になると、四路切換
弁(42)を切り換えるように構成されている。該冷凍回
路(40)は、四路切換弁(42)の切り換えによって搬送
回路部(4A)の冷媒の流通方向が切り換わる。
【0054】例えば、一方の搬送熱交換器(7A,7B)
(冷却側)が液相の2次冷媒で満杯になると、この搬送
熱交換器(7A,7B)における1次冷媒の熱交換量が低下
する。この結果、膨張弁(EV)を過熱度制御しているの
で、絞り量が大きくなり、圧縮機(41)の吸込側の低圧
圧力が低下する。この低圧圧力を低圧圧力センサ(P1)
が検知し、所定値以下になると、四路切換弁(42)を切
り換える。
【0055】また、上記接続回路(30)には、2次冷媒
の充填及び回収のためのホットガス通路(15)及び補助
回路(90)が設けられている。つまり、本実施形態の冷
媒流路洗浄装置(10)は、配管洗浄の他、2次冷媒を回
収する冷媒回収装置としても機能するように構成されて
いる。
【0056】上記ホットガス通路(15)は、洗浄の終了
後に高温高圧の2次冷媒を既設冷媒配管(2A,2B)に供
給し、該既設冷媒配管(2A,2B)に残存している2次冷
媒液を蒸発させて回収するものである。該ホットガス通
路(15)の流入側は、2つに分岐され、2つの流入端が
各搬送熱交換器(7A,7B)の流入側の並列通路(61,6
1)に接続されている。また、上記ホットガス通路(1
5)の流出端は、第2閉鎖弁(V2)と既設配管(2B)と
の間に接続されている。上記ホットガス通路(15)にお
ける流入側の分岐部には1方向弁(CV)が、流出側の集
合部分には第3閉鎖弁(V3)がそれぞれ設けられてい
る。
【0057】上記補助回路(90)は、容器である冷媒ボ
ンベ(91)と4つの補助通路(92〜95)とを備えてい
る。
【0058】第1の補助通路(92)は、流入側のメイン
部分から流出側が2つに分岐されている。該第1の補助
通路(92)の流入端が冷媒ボンベ(91)に連通し、2つ
の流出端が、ホットガス通路(15)の接続部より下流側
において各並列通路(61,61)に接続されている。上記
第1の補助通路(92)における流入側のメイン部分には
第4閉鎖弁(V4)が、流出側の分岐部には1方向弁(C
V)がそれぞれ設けられている。
【0059】第3の補助通路(94)は第6閉鎖弁(V6)
が設けられている。該第3の補助通路(94)の一端が冷
媒ボンベ(91)に連通し、他端が第2搬送熱交換器(7
B)の流出側の並列通路(61)に接続されている。
【0060】第2の補助通路(93)は第5閉鎖弁(V5)
が設けられている。該第2の補助通路(93)の一端が、
第3の補助通路(94)に第6閉鎖弁(V6)の下流側にお
いて接続され、他端が、第1の補助通路(92)のメイン
部分に第4閉鎖弁(V4)の下流側において接続されてい
る。
【0061】第4の補助通路(95)は第7閉鎖弁(V7)
が設けられている。該第4の補助通路(95)の一端が、
ホットガス通路(15)の集合部分に第3閉鎖弁(V3)の
上流側において接続され、他端が、第1の補助通路(9
2)のメイン部分に第4閉鎖弁(V4)の上流側において
接続されている。
【0062】そして、上記2次冷媒を閉回路(13)に充
填するための充填回路(9S)が、上記ホットガス通路
(15)の一部と第4の補助通路(95)と第2の補助通路
(93)と第1の補助通路(92)の一部と第3の補助通路
(94)の一部とによって形成されている。
【0063】また、上記2次冷媒を冷媒ボンベ(91)に
回収するための回収回路(9R)が、上記ホットガス通路
(15)と第1の補助通路(92)と第3の補助通路(94)
とによって形成されている。
【0064】上記冷凍回路(40)は、上記コントローラ
(D)によって制御される。該コントローラ(D)は、
上記低圧圧力センサ(P1)、高圧圧力センサ(P2)、温
度センサ(T2)及び低圧圧力スイッチ(LPS)の検知信
号が入力される一方、制御部が設けられると共に、上記
連絡配管(11)の電磁弁(C1〜C5)の開閉を切り換える
タイミングを計るタイマが設けられている。
【0065】コントローラ(D)は、上記各電磁弁(C1
〜C5)を開閉制御する。具体的には、該コントローラ
(D)は各電磁弁(C1〜C5)を互いに異なるタイミング
で開閉するように構成されており、冷媒配管の洗浄の際
に連絡配管(11)を1本ずつ順に開き、他の連絡配管
(11)は閉鎖するようにしている。より詳細には、コン
トローラ(D)内に設けられたタイマー(Tx)でセッ
トした時間(X分)が経過する毎に第1から第5の電磁
弁が順に開かれて他は閉じられ、タイマー(Ty)でセ
ットしたY分(YはXの5倍よりも長い時間である)が
経過すると洗浄動作を終了するように構成されている。
【0066】なお、X分やY分の具体的な時間は、冷媒
流路の分岐部(11)の数や長さなどの条件に応じて適宜
調整するとよい。また、電磁弁(C1〜C5)は、一個ずつ
でなく複数個毎に順に開閉してもよく、要するに、連絡
配管(11)の少なくとも1本を閉鎖した状態を切り換え
ながら冷媒流路を洗浄することができるようになってい
ればよい。
【0067】〈既設冷媒配管(2A,2B)の洗浄動作〉次
に、上記冷媒流路洗浄装置による既設冷媒配管(2A,2
B)の洗浄動作について回収動作を含めて説明する。
【0068】先ず、冷媒配管の洗浄に先立って、図4に
示した既設の空気調和装置の冷媒回路において、既設冷
媒配管(2A,2B)から室外機(A)と液管及びガス管と
を取り外して洗浄ユニット(10)と接続回路(30)とを
取り付け、各室内機(B1〜B5)を取り外して連絡配管
(11)を接続する(具体的には、各既設冷媒配管(2A,
2B)の下端には連絡配管である第1洗浄回路(11)を接
続する一方、各既設冷媒配管(2A,2B)の上端には、第
2洗浄回路(12)の接続回路(30)を接続して閉回路
(13)を形成する)。
【0069】そして、配管の洗浄運転を開始するが、当
初、第1電磁弁(C1)のみが「開」にセットされ、他の
電磁弁(C2〜C5)はすべて「閉」にセットされる(各電
磁弁の開閉制御についての詳細は後述する)。そして、
2次冷媒を閉回路(13)に充填する。つまり、充填初期
は、例えば、閉回路(13)を真空状態にし、冷媒ボンベ
(91)を第1の補助通路(92)に接続する。そして、上
記第4閉鎖弁(V4)を開き、2次冷媒を冷媒ボンベ(9
1)より第1の補助通路(92)を介して閉回路(13)に
充填する。
【0070】更に、2次冷媒を追加充填する場合、補助
回路(90)においては、第3閉鎖弁(V3)と第4閉鎖弁
(V4)と第6閉鎖弁(V6)を閉じる一方、第7閉鎖弁
(V7)と第5閉鎖弁(V5)を開く。
【0071】この状態において、冷凍回路(40)を駆動
すると、搬送熱交換器(7A,7B)の上流側から閉回路
(13)のホットガスがホットガス通路(15)から第4の
補助通路(95)を経て冷媒ボンベ(91)に流入する。こ
のホットガスにより冷媒ボンベ(91)の内部が加圧さ
れ、該冷媒ボンベ(91)の冷媒、つまり、2次冷媒が第
3の補助通路(94)から第2の補助通路(93)を経て第
1の補助通路(92)を通り、閉回路(13)に充填され
る。
【0072】続いて、配管洗浄の動作に移り、上記第3
閉鎖弁(V3)〜第7閉鎖弁(V7)を閉鎖したまま第2洗
浄回路(12)の冷凍回路(40)を駆動する。つまり、圧
縮機(41)を駆動して1次冷媒を循環させる。上記圧縮
機(41)より吐出した高温高圧の1次冷媒は、空冷凝縮
器(4e)を流れ、四路切換弁(42)を経て一方の搬送熱
交換器(7A又は7B)に流れる。
【0073】そこで、図2の左側の第1搬送熱交換器
(7A)に洗浄用の液相の2次冷媒が溜っている状態で、
図2の右側の第2搬送熱交換器(7B)に洗浄用のガス相
の2次冷媒が溜っている状態から説明する。
【0074】この状態においては、四路切換弁(42)が
図2の実線状態に切り換わり、高温の1次冷媒が第1搬
送熱交換器(7A)を流れ、1次冷媒が凝縮して液相の2
次冷媒を加熱して昇圧させる。この昇圧によって2次冷
媒は液相のまま搬送圧力、つまり、搬送力を得て第1搬
送熱交換器(7A)を流出して既設冷媒配管(2A,2B)に
流れる。
【0075】その際、上記2次冷媒は、先ず、大径のガ
ス側の既設冷媒配管(2B)を流れ、第1洗浄回路(11)
を経て小径の液側の既設冷媒配管(2A)を流れる。
【0076】また、上記第1搬送熱交換器(7A)を経た
1次冷媒は、整流回路(47)及び1方向通路(48)を通
り、分離器(50)の分離熱交換コイル(52)に流れ、分
離器(50)のタンク(51)に溜っている液相の2次冷媒
を蒸発させる。
【0077】その後、上記凝縮した1次冷媒は、膨張弁
(EV)で減圧して第2搬送熱交換器(7B)に流れ、該1
次冷媒が蒸発する。この蒸発により、洗浄用のガス相の
2次冷媒が冷却されて液相に相変化する。この相変化に
より、2次冷媒は、降圧してガス相の2次冷媒を分離器
(50)より吸引すると共に、第2搬送熱交換器(7B)に
該2次冷媒を溜め込む。
【0078】一方、上記第2搬送熱交換器(7B)で蒸発
した1次冷媒は四路切換弁(42)を介して圧縮機(41)
に戻り、この動作を繰り返す。
【0079】その後、上記第2搬送熱交換器(7B)が液
相の2次冷媒で満杯になると、四路切換弁(42)を切り
換える。つまり、上記第2搬送熱交換器(7B)における
1次冷媒の熱交換量が低下すると、膨張弁(EV)が過熱
度制御しているので、絞り量が大きくなり、圧縮機(4
1)の吸込側の低圧圧力が低下する。そして、例えば、
この低圧圧力を低圧圧力センサ(P1)が検知し、所定値
以下になると、四路切換弁(42)を切り換える。
【0080】この四路切換弁(42)の切り換えによっ
て、圧縮機(41)より吐出した1次冷媒が第2搬送熱交
換器(7B)に流れ、2次冷媒を既設冷媒配管(2A,2B)
に送出する。一方、1次冷媒は分離熱交換コイル(52)
を経て第1搬送熱交換器(7A)で蒸発して2次冷媒を冷
却して該2次冷媒を溜め込む。この動作を繰り返して2
次冷媒を閉回路(13)内で循環させる。
【0081】この液相の2次冷媒は、既設冷媒配管(2
A,2B)を流れ、該既設冷媒配管(2A,2B)の内面に付
着した潤滑油などの異物が溶け込む。この2次冷媒は、
分離器(50)において、分離熱交換コイル(52)の加熱
によって蒸発し、異物が分離されてタンク(51)に滞積
する。同時に、上記2次冷媒は、フィルタ(53)を通過
する際、該2次冷媒に混入している潤滑油などの異物が
除去され、上述した一方の搬送熱交換器(7A又は7B)に
流れ、この動作を繰り返す。
【0082】上記2次冷媒の搬送時において、1次冷媒
の凝縮量が低下すると、圧縮機(41)の吐出側の高圧圧
力が上昇する。この高圧圧力を高圧圧力センサ(P2)が
検知し、所定値以上になると、空冷ファン(4f)を駆動
する。この結果、高温高圧の1次冷媒は、一部が空冷凝
縮器(4e)で凝縮した後、この気液二相の1次冷媒が、
四路切換弁(42)を経て一方の搬送熱交換コイル(71又
は72)に流れる。この空冷凝縮器(4e)の凝縮によって
1次冷媒の高圧圧力が低下する。
【0083】上記洗浄動作が終了した後、2次冷媒の回
収動作を行う。つまり、第2閉鎖弁(V2)と第5閉鎖弁
(V5)と第7閉鎖弁(V7)を閉じたまま、第1閉鎖弁
(V1)と第3閉鎖弁(V3)と第4閉鎖弁(V4)と第6閉
鎖弁(V6)を開く。
【0084】この弁状態により、上述した冷凍回路(4
0)を駆動し続け、閉回路(13)のホットガスをホット
ガス通路(15)から既設冷媒配管(2A,2B)等に供給す
る。つまり、2次冷媒を加熱して昇圧させている搬送熱
交換器(7A又は7B)においては、四路切換弁(42)を切
り換える直前で2次冷媒が最も高温高圧になっている。
このため、高温高圧のガス相の2次冷媒をホットガス通
路(15)から既設冷媒配管(2A,2B)に送出する。この
高温の2次冷媒によって既設冷媒配管(2A,2B)に残存
している液相の2次冷媒を蒸発させて押し出す。
【0085】一方、上記冷媒ボンベ(91)が、第1の補
助通路(92)と第3の補助通路(94)に連通接続されて
いる。そして、上記第4閉鎖弁(V4)の開口により、第
1の補助通路(92)が、2次冷媒を冷却して降圧させて
いる搬送熱交換器(7A又は7B)に連通する。この連通に
よって冷媒ボンベ(91)のガス抜きが行われ、該冷媒ボ
ンベ(91)内が低圧となる。
【0086】この状態において、上記四路切換弁(42)
を切り換え、両搬送熱交換器(7A又は7B)の押し出し動
作と溜め込み動作を連続して行う。そして、上記第6閉
鎖弁(V6)の開口により、第3の補助通路(94)が冷媒
ボンベ(91)に連通しているので、一方の搬送熱交換器
(7A又は7B)から押し出された2次冷媒が第3の補助通
路(94)を経て冷媒ボンベ(91)に回収される。
【0087】その後、低圧圧力スイッチ(LPS)が作動
すると、回収動作を終了する。つまり、閉回路(13)の
2次冷媒がほぼ回収されると、2次冷媒圧力が低くなる
ので、上記低圧圧力スイッチ(LPS)に基づき回収動作
の終了を判定する。
【0088】以上の配管洗浄と冷媒回収の動作を、各電
磁弁(C1〜C5)を一つずつ開くことによって連絡配管(1
1)の1本毎に繰り返して、冷媒流路内をすべて洗浄す
る。このときの動作を、図3のフローチャートに示して
いる。まず、ステップST1において洗浄動作がスタート
すると、それと同時にタイマー(Tx)(Ty)がスタ
ートし、ステップST2,ステップST3,ステップST13
のループにおいて、タイマー(Tx)によりX分が経過
したことを検出し、かつタイマー(Ty)によりY分が
経過したことを検出するまでは、ステップST3に示すよ
うに第1の電磁弁(C1)のみが開かれ、他の電磁弁(C2
〜C5)は閉じた状態が保持される。
【0089】ステップST2でX分が経過したことを検出
すると、ステップST4へ進み、今度はステップST4,
5,13のループにより、2X分及びY分が経過するま
では第2の電磁弁(C2)のみが開かれ、他の電磁弁(C
1,C3〜C5)は閉じた状態が維持される。その後、2X
分が経過すると、3X分及びY分が経過するまではステ
ップST6,7,13のループにより第3電磁弁(C3)の
みが開かれた状態、3X分の経過後4X分及びY分が経
過するまではステップST8,9,13のループにより第
4電磁弁(C4)のみが開かれた状態、そして4X分の経
過後5X分及びY分が経過するまではステップST10,
11,13のループにより第5電磁弁(C5)のみが開か
れた状態にセットされる。
【0090】このようにして5X分が経過するとステッ
プST12に進んでタイマー(Tx)をリセットし、ステ
ップST13でY分が経過したことを検出するまでは、以
上の動作を何度か繰り返して行う。そしてY分が経過す
ると、洗浄動作(回収動作を含む)を終了する。
【0091】そして、配管の洗浄と冷媒の回収がすべて
終了すると、上記第1洗浄回路(11)及び第2洗浄回路
(12)を既設冷媒配管(2A,2B)から取り外して、新し
い室外機と室内機などを取り付けることにより、作業が
終了する。
【0092】〈実施形態の効果〉以上のように、本実施
形態によれば、1回の洗浄動作で冷媒流路のすべてを洗
浄するのではなく、1本の連絡配管(11)に対応した部
分毎に順に洗浄するようにしたことによって、各洗浄動
作の際に冷媒の偏流が起こらないうえに、洗浄しなかっ
た部分も次に洗浄動作を繰り返す際に洗浄されるので、
冷媒配管を全体的に均一にかつ簡単に洗浄できる。
【0093】また、各連絡配管(11)に開閉弁として電
磁弁(C1〜C5)を設け、各電磁弁(C1〜C5)を異なるタ
イミングで開閉することによって冷媒の流通路が自動的
に切り換えられるようにしているので、冷媒配管の洗浄
を簡単に行うことができる。
【0094】
【発明のその他の実施の形態】上記実施形態において
は、各連絡配管(11)毎に洗浄動作を行う度に冷媒回収
を行うようにしているが、冷媒回収は、洗浄動作の都度
でなく、洗浄動作がすべて終了した後、最後に全開閉弁
(C1〜C5)を同時に開いて行うようにしてもよい。
【0095】また、上記実施形態では配管洗浄と冷媒回
収について説明したが、本発明の冷媒流路洗浄装置は、
配管洗浄のみ、または冷媒回収のみを行うものに構成す
ることもできる。冷媒回収のみを行う場合は、上記接続
回路(30)が分離器(50)を備えていない構成とすれば
よい。
【0096】また、実施形態の冷媒流路洗浄装置(10)
は冷媒の再生装置として機能するものであってもよい。
つまり、第2洗浄回路(12)における接続回路(30)の
両端を冷媒ボンベ(91)などの容器に接続する。そし
て、この容器に充填された冷媒を2次冷媒として、洗浄
動作と同様に閉回路(13)を循環させる。この循環によ
り分離器(50)で冷媒が再生される。
【0097】また、上記実施形態においては、電磁弁
(C1〜C5)を一つずつ「開」状態に設定して、冷媒配管
を部分毎に洗浄するようにしているが、必ずしも一つず
つ「開」に設定する必要はなく、要冷媒配管をいくつか
の部分に分けて洗浄するように構成すれば、一度で全体
を洗浄する場合に比べて洗浄の際に冷媒の偏流が生じに
くくなり、冷媒配管を全体に均一に洗浄しやすくなる。
【0098】さらに、上記実施形態では、各室内機(B1
〜B5)に代えて連絡配管(11)を取り付け、この連絡配
管(11)に設けた電磁弁(C1〜C5)を開閉制御しながら
連絡配管(11)の1本ずつに冷媒を流しながら冷媒配管
を洗浄するようにしているが、室内機(B1〜B5)の内部
または上流側もしくは下流側に冷媒の流通と停止を制御
する開閉弁を予め設けておき、室外機(A)のみを洗浄
ユニット(10)に付け替えて、冷媒の流通する室内機
(B1〜B5)を切り換えながら洗浄動作を行うようにして
もよい。このようにすると、冷媒配管の内部だけでな
く、室内機(B1〜B5)の内部も含めて、冷媒流路全体を
均一に洗浄することができる。
【0099】また、上記実施形態では、本発明の洗浄装
置を空気調和装置の冷媒配管を洗浄するのに適用した
が、本発明は空気調和装置以外の冷凍装置に対しても適
用可能である。さらに、洗浄に使用するのは、液冷媒の
みに限らず、他の洗浄媒体を使用してもよい。また、本
発明は、室外機が並列に複数台設けられる場合でも適用
可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る冷媒流路洗浄装置の概
略回路構成図である。
【図2】図1に示した冷媒流路洗浄装置の洗浄ユニット
を示す冷媒回路図である。
【図3】図1に示した冷媒流路洗浄装置による洗浄動作
を示すフローチャートである。
【図4】1台の室外機に対して複数台の室内機が並列に
接続された空気調和装置の全体回路図である。
【図5】図4の空気調和装置の冷媒配管を洗浄する従来
の洗浄装置の全体回路図である。
【符号の説明】
(10) 洗浄ユニット (11) 連絡配管(分岐部) (A) 室外機 (B1〜B5) 室内機(分岐部) (C1〜C5) 開閉弁 (D) 開閉制御手段

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の分岐部(11,B1〜B5)を備えた冷
    媒流路の洗浄装置であって、 上記冷媒流路内で洗浄媒体を循環させながら浄化して該
    冷媒流路内を洗浄する洗浄ユニット(10)を備え、洗浄
    媒体の循環時に上記分岐部(11,B1〜B5)の少なくとも
    1つを閉鎖すると共に、閉鎖する分岐部(11,B1〜B5)
    を切り換えながら洗浄媒体を循環させるように構成され
    ている冷媒流路洗浄装置。
  2. 【請求項2】 洗浄媒体の循環時に冷媒流路の分岐部
    (11,B1〜B5)の一つを開放して他を閉鎖すると共に、
    開放する分岐部(11,B1〜B5)を切り換えるように構成
    されている請求項1記載の冷媒流路洗浄装置。
  3. 【請求項3】 冷媒流路の複数の分岐部(11,B1〜B5)
    には、それぞれ冷凍装置の室内機(B1〜B5)が設けら
    れ、該室内機(B1〜B5)への洗浄媒体の流通と停止とを
    切り換える開閉弁を備えている請求項1または2記載の
    冷媒流路洗浄装置。
  4. 【請求項4】 冷媒流路の分岐部(11,B1〜B5)に設け
    られた冷凍装置の室内機(B1〜B5)に代えて連絡配管
    (11)が取り付けられ、各連絡配管(11)に、洗浄媒体
    の流通と停止とを切り換える開閉弁(C1〜C5)が設けら
    れている請求項1または2記載の冷媒流路洗浄装置。
  5. 【請求項5】 各開閉弁(C1〜C5)を開閉制御する開閉
    制御手段(D)を備えている請求項3または4記載の冷
    媒流路洗浄装置。
  6. 【請求項6】 室外機(A)に複数台の室内機(B1〜B
    5)が接続された冷凍装置における冷媒流路の洗浄方法
    であって、 上記冷媒流路内で洗浄媒体を循環させながら浄化して該
    冷媒流路内を洗浄する洗浄ユニット(10)を上記室外機
    (A)に代えて接続するステップと、 室内機(B1〜B5)の少なくとも一つを閉鎖すると共に、
    閉鎖する室内機(B1〜B5)を切り換えながら上記冷媒流
    路内で洗浄媒体を循環させるステップとを備えている冷
    媒流路洗浄方法。
  7. 【請求項7】 室内機(B1〜B5)の一つを開放して他を
    閉鎖すると共に、開放する室内機(B1〜B5)を切り換え
    ながら冷媒流路を洗浄する請求項6記載の洗浄方法。
  8. 【請求項8】 室外機(A)に複数台の室内機(B1〜B
    5)が接続された冷凍装置における冷媒流路の洗浄方法
    であって、 上記冷媒流路内で洗浄媒体を循環させながら浄化して該
    冷媒流路内を洗浄する洗浄ユニット(10)を上記室外機
    (A)に代えて接続し、上記室内機(B1〜B5)に代えて
    連絡配管(11)を接続するステップと、 連絡配管(11)の少なくとも一つを閉鎖すると共に、閉
    鎖する連絡配管(11)を切り換えながら上記冷媒流路内
    で洗浄媒体を循環させるステップとを備えている冷媒流
    路洗浄方法。
  9. 【請求項9】 連絡配管(11)の一つを開放して他を閉
    鎖すると共に、開放する連絡配管(11)を切り換えなが
    ら冷媒流路を洗浄する請求項8記載の冷媒流路洗浄方
    法。
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