JP4295135B2 - 配管洗浄装置および配管洗浄方法 - Google Patents

配管洗浄装置および配管洗浄方法 Download PDF

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Description

この発明は、配管の洗浄装置および洗浄方法に関するものであり、さらに詳しくは、冷凍サイクル装置において熱源側ユニットと利用側ユニットを新たな冷媒および冷凍機油を用いるものに交換する際、接続配管を交換することなく使用するために、配管内に残留する異物を洗浄除去する配管洗浄装置及び配管洗浄方法に関するものである。
従来のCFC冷媒を用いた冷凍機で使用されてきた既設配管を洗浄する方法としては、HCFCやHFC等の冷媒を洗浄媒体とし、利用側ユニット内の電動膨張弁の開度調整により吸入過熱度を大きくする油回収運転でアキュムレータに溜まる油を回収する方法がある(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−302127号公報(第4―9頁、第1図〜第3図)
従来の方法では、利用側ユニットが例えばショーケースのように温度膨張弁を備えたものである場合、気液二相状態で冷媒を流通させると温度膨張弁が絞り込み、低圧が下がり込むため、密度の小さいガス化冷媒を圧縮することになり、洗浄運転中における熱源側ユニットの圧縮機吐出ガス温度が過上昇するという問題があった。また、低圧が下がり込んで、かつ吸入ガス過熱度が大きくなるとさらに熱源側ユニットの圧縮機吐出ガス温度が過上昇するという問題があった。さらに、システム内封入冷媒量が多い場合や運転条件の変化によっては気液二相冷媒が異物回収容器内に流入する液バック状態となり、液冷媒が異物回収容器をオーバーフローしてせっかく回収した異物とともに熱源側ユニットの圧縮機に戻ってしまうという問題があった。
また、多数のショーケースが1台の冷凍機に接続されたスーパーマーケットの食品売場の冷凍サイクル装置の配管洗浄の場合は、長期間店舗を閉鎖することは不利益となるため、冷凍サイクル装置の交換作業を極めて短時間で行う必要があり、また、配管が天井内や床下などを複雑に配設されており、配管まで交換することが困難な場合がある。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、第1の目的は従来のCFCおよびHCFC冷媒を用いた冷凍機で使用されてきた既設配管を洗浄する運転の際に、熱源側ユニットの圧縮機吐出ガス温度が過上昇しない信頼性の高い配管洗浄装置を得るものである。また、第2の目的は従来のCFCおよびHCFC冷媒を用いた冷凍機で使用されてきた既設配管を洗浄する運転の際に、システム内封入冷媒量が多い場合や運転状態が変化しても液バックせずに、異物が熱源側ユニットに戻らず異物回収容器内に確実に捕捉しておくことができる信頼性の高い配管洗浄装置を得るものである。
この発明に係る配管洗浄装置は、圧縮機、熱交換器を備える熱源側ユニットと、開閉弁、温度式膨張弁、熱交換器を備える1台もしくは複数台の利用側ユニットと、それらを接続する液管及びガス管により冷媒回路を形成する冷凍サイクル装置の作動冷媒を変更する際に、HCFC、HFC、HCなどの冷媒を洗浄媒体とし、新冷媒対応の熱源側ユニットを洗浄媒体搬送手段として用いるとともに、冷媒−冷媒熱交換器、第1の減圧手段、第2の減圧手段および異物回収容器などを備える配管洗浄装置により気液二相状態の冷媒で配管内の洗浄を行う洗浄方法に用いられるものであって、配管洗浄装置は、新冷媒対応の熱源側ユニットと液管及びガス管に接続され、熱源側ユニットから出たガス冷媒は配管洗浄装置内の冷媒−冷媒熱交換器の高圧側に流入し、低圧の冷媒と熱交換して気液二相冷媒となって液管へと流れ、ガス管を通って戻った気液二相冷媒は第1の減圧手段を介して配管洗浄装置の冷媒−冷媒熱交換器の低圧側に流入し、高圧ガス冷媒と熱交換して蒸発し過熱ガスとなって異物回収容器に流入するように構成され、更に、配管洗浄装置内の冷媒−冷媒熱交換器の高圧側から分岐され、第2の減圧手段を介して配管洗浄装置内の異物回収容器出口に合流する経路を備えたものである。
この発明は、配管洗浄装置内の熱交換器の高圧側から分岐し、第2の減圧手段を介して配管洗浄装置内の異物回収容器出口に合流する経路を備えることにより、液冷媒の一部を低圧側配管に流入させて圧縮機吸入ガス温度を下げる。その結果、圧縮機吐出ガス温度の過上昇を抑えることができる。このため、配管洗浄中に圧縮機が停止することなく、安定した洗浄運転を行いながら、確実にそして短時間に配管を洗浄することができるという効果がある。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1における作動冷媒交換前の冷凍サイクル装置を示す冷媒回路図である。図において、1は熱源側ユニットであり、2は複数台設置された利用側ユニットである。3、4は熱源側ユニット1と利用側ユニット群2を接続する配管で、3は液管、4はガス管である。熱源側ユニット1は圧縮機5、凝縮器6、レシーバ7、そしてアキュムレータ8で構成され、液操作弁12を介して液管3に、ガス操作弁13を介してガス管4に接続される。また、利用側ユニット2はこの実施の形態1では2a、2b、…など複数のショーケースのグループとして設置され、ショーケースは液電磁弁9、温度膨張弁10、蒸発器11で構成されている。この冷凍サイクル装置の作動冷媒はR12、R22などのCFC、HCFC冷媒であり、冷凍機油には鉱油が用いられている。
この冷凍サイクル装置は、通常冷却運転時、次のような動作を行う。圧縮機5で圧縮された高温高圧のガス冷媒は、凝縮器6で外気に放熱して凝縮する。凝縮した高圧液冷媒は、レシーバ7に貯留されるとともに、液管3を通って利用側ユニット2へと流れる。さらに利用側ユニット2においては、開放された液電磁弁9を通過し、温度膨張弁10により減圧され、低圧二相冷媒となる。この低圧二相冷媒は蒸発器11により利用側の冷却負荷から吸熱し、低圧ガス冷媒となってガス管4、アキュムレータ8を通って再び圧縮機5に吸入される。この動作により、利用側負荷から吸熱し、外気に放熱する冷凍サイクルを形成する。
ここで、作動冷媒R12またはR22と潤滑油である鉱油は相溶であるため、液管3においては互いに溶解した状態で、すなわち冷媒と油は同じ速度で流動する。一方、蒸発器11およびガス管4においては、冷媒はガス状態であるため、鉱油は分離し、配管壁に付着して冷媒よりゆっくりと流動する。よって、蒸発器11およびガス管4には相当量の鉱油が滞留している。この鉱油を洗浄除去する必要がある。
次に、図2を参照して配管洗浄装置の構成を説明する。図2は配管洗浄装置が取り付けられたときの冷媒回路図である。また図2において、百番台の番号は新冷媒対応であることを示すものであり、下二桁は旧冷媒対応のものと等しい。すなわち、101は新冷媒対応の熱源側ユニットであり、102は新冷媒対応の利用側ユニットである。
配管洗浄装置14は、冷媒−冷媒熱交換器15および第1の減圧手段16、第2の減圧手段17、圧力調整弁18、鉱油回収容器19、異物吸着手段20とその前後に電磁弁21a、21b、開閉弁22a、22b、22c、22dよりなる。接続口は液入口ポート23、液出口ポート24、ガス入口ポート25、ガス出口ポート26の4箇所であり、熱源側ユニット101には液入口ポート23とガス出口ポート26が繋がれ、液出口ポート24には液管3、ガス入口ポート25にはガス管4が接続される。そして、利用側ユニット102では、それぞれ分岐された配管の末端を連通するバイパス管27a、27bおよび開閉弁28a、28bが接続されている。35は第3の減圧手段、36は圧縮機吐出ガス温度を検知するために配管に備えられた温度センサー、37は圧縮機吐出圧力を検知するために配管より取り出された圧力センサーである。制御器38は温度センサー36、圧力センサー37で検知された値を演算し、第2の減圧手段の開度を調整するものである。
続いて、図2および図3を参照して洗浄運転時の動作を説明する。図3は洗浄運転時の冷凍サイクル状態を示すPh線図である。電磁弁21a、21bは閉止され、また、第3の減圧手段35、開閉弁22a、22dも全閉とし、この部位には冷媒を流通させない。また、利用側ユニット群102においては、液電磁弁109はすべて閉止され、開閉弁28a、28bは開放されるため、冷媒はバイパス配管27a、27bを通過し、利用側ユニット内に流れることはない。
圧縮機105から吐出されるガス冷媒(図3の状態A)は凝縮器106に流入するが、ここでの冷媒圧力は外気温度相当の飽和圧力に近く、ほとんど凝縮せずに流出する(図3の状態B)。レシーバ107にも液冷媒が貯留されることなく通過し、冷媒−冷媒熱交換器15の高圧側へ流入する。ここで、状態Bのガス冷媒は低圧の冷媒と熱交換を行い、気液二相流(図3の状態C)へと状態変化して液管3へと流れる。
この状態Cの気液二相冷媒は、液管3の管壁に付着する鉱油を引き剥がしながら進行し、バイパス管27a、27bを通過後、さらにガス管4を通って管壁に残留する鉱油を引き剥がしながら再び配管洗浄装置14へと戻る。
配管洗浄装置14へ戻った図3の状態Dの気液二相冷媒は、第1の減圧手段16により減圧され、低圧二相冷媒(図3の状態E)となって冷媒−冷媒熱交換器15の低圧側に流入する。前述のように、低圧二相冷媒はここで高圧ガス冷媒と熱交換して蒸発後、過熱ガス(図3の状態F)となって回収した鉱油とともに鉱油回収容器19に流入する。この鉱油回収容器19に鉱油が回収され、冷媒ガスは再び圧縮機105に吸入される。
圧力調整弁18は、配管洗浄装置14内における高圧と低圧の圧力差が所定値、例えば1MPa以上となるとその圧力を保持すべく開放されるという機能を有する。この動作により、圧縮機105により循環する冷媒の一部が圧力調整弁18へと流れ、配管3、4へ流れる冷媒が減少し、配管側の圧力損失が過大となることを防止する。よって、第1の減圧手段16は配管側が如何なる形態であっても吸入過熱度を所定範囲内に制御することが可能となる。
続いて、図4を参照しながら洗浄作業時の工程を説明する。図4はこの発明の実施の形態1における作業フローである。
第1ステップ(S1)においては、図1に示す冷媒回路において、液操作弁12を閉止し、圧縮機5を運転する。この運転により液管3、利用側ユニット2、ガス管4内にある冷媒はすべて熱源側ユニット1内の凝縮器6およびレシーバ7に回収される。
第2ステップ(S2)では、熱源側ユニット1を新冷媒対応の熱源側ユニット101に交換するとともに、熱源側ユニット101と液管3およびガス管4の間に配管洗浄装置14を取り付ける。その状態での冷媒回路が図2である。一方、利用側ユニット2においては、新冷媒対応の利用側ユニット102に交換するとともに、末端の利用側ユニットに液配管とガス配管をバイパスする配管を取付け、複数の端末部にバイパス管27a、27bおよび開閉弁28a、28bが接続される。このバイパス管27a、27bを備えることにより、利用側ユニットには洗浄冷媒を流通させずに洗浄運転可能となる。この作業後、第3ステップ(S3)で冷凍装置内を真空引きする。さらにその後、第4ステップ(S4)で新冷媒が充填される。
第5ステップ(S5)では、前述の洗浄運転を行う。運転時間は数時間程度である。この洗浄運転により、液管3、ガス管4に滞留していた鉱油は洗浄装置14内の鉱油回収容器19に回収される
第6ステップ(S6)では、塩素化合物回収運転が行われる。これは、配管内にわずかに残留した異物、特に、圧縮機の潤滑に悪影響を及ぼす塩素化合物を取り去る目的で行われる。このときの動作を図2を参照して説明する。
この塩素化合物回収運転では、利用側ユニット102の開閉弁28a、28bを閉止し、通常の冷却運転を行う。そのときの動作は前述の通りである。一方、配管洗浄装置14では、この塩素化合物回収運転時に電磁弁21a、21bを開放し、液冷媒の一部が異物吸着手段20を流通するようにする。また、開閉弁22a、22dは開放され、開閉弁22b、22c、第1の減圧手段16および圧力調整弁18は閉止される。第3の減圧手段35は熱源側ユニット101より流入する高圧液冷媒の一部を減圧し、冷媒−冷媒熱交換器15によって、大部分の高圧液冷媒を冷却するように機能する。
この塩素化合物回収運転は数時間から数十時間行われた後、電磁弁21a、21bが閉止され、異物吸着手段20は冷媒回路から切り離される。
この第6ステップ(S6)で、洗浄工程は終了である。次の第7ステップ(S7)では通常冷却運転を行う。この通常運転時の動作を説明する。通常運転時も、前述のように電磁弁21a、21bは閉止され、また、開閉弁22b、22c、圧力調整弁18、第1の減圧手段16も冷媒が流通しないよう閉止される。また、開閉弁22a、22dは開放され、第3の減圧手段35が動作するように操作される。
以上のように、本発明の配管洗浄方法においては、冷媒を高圧気液二相の状態で安定的に配管内を循環させるようにして配管を洗浄する。
熱源側ユニット101においては、圧縮機105の吐出ガス冷却のために凝縮後の液冷媒の一部を圧縮機105内部に注入している機種がある。すなわち、レシーバ107下流から分岐し圧縮機105内部に連通する液インジェクション回路(図示せず)を備えている機種がある。しかし、上述したように洗浄運転において、熱源側ユニット101に備えている凝縮器106ではほとんど凝縮されないため、レシーバ107下流において液冷媒は流れない。よって、液インジェクション回路に液冷媒を供給することができない。したがって、圧縮機105の吐出ガスを冷却できないため、洗浄運転時における圧縮機105の吐出ガス温度は、図1に示すような利用側ユニット2を冷却する通常冷却運転時と比較すると外気温度が高くなる夏期などに上昇しやすい。
そのため、冷媒−冷媒熱交換器15の高圧側から第2の減圧手段17を介して鉱油回収容器19出口(低圧)に連通する回路を備えている。上述したように、図3の状態Bのガス冷媒は低圧の冷媒と熱交換を行い、気液二相流(状態C)へと状態変化して液管3へと流れるが、一方で冷媒−冷媒熱交換器15の高圧側出口から分岐して第2の減圧手段17を介して鉱油回収容器19出口(低圧)に供給され、高圧ガス冷媒と熱交換して蒸発した吸入過熱ガス(状態F)と合流する。合流することにより、吸入過熱ガスは冷却される。冷却された吸入過熱ガスは、冷却されていない吸入過熱ガスよりも温度が低いため、再び圧縮機105へ戻って圧縮されても圧縮機105の吐出ガス温度は過上昇することはない。したがって、配管洗浄中に圧縮機105が停止することなく、安定した洗浄運転を行いながら、確実にそして短時間に配管を洗浄することができるという効果がある。
また、洗浄運転時において気液二相流に状態変化した冷媒が多く液管3へと流入する。つまり冷媒流量の多い方が洗浄運転時間も短くなり、配管洗浄装置14の信頼性も向上する。そのためには、冷媒−冷媒熱交換器15の高圧側出口から分岐して第2の減圧手段17、鉱油回収容器19出口(低圧)に供給する冷媒流量を最小限に抑える必要がある。そのために、圧縮機105出口の吐出配管に備えられた温度センサー36で吐出ガス温度を検知し、検知した吐出ガス温度に応じて、制御器38において第2の減圧手段17の開度を調節する。例えば検出した吐出ガス温度が130℃と高い場合、第2の減圧手段17の開度を100%(全開)とする。逆に、60℃と低い場合、第2の減圧手段17の開度を10%と制御する。以上のように圧縮機105の運転状態の変化、例えば熱源側ユニット101の外気温度が季節によって変化する場合など、圧縮機105の吐出ガス温度が過上昇しないよう吸入過熱ガスを冷却するための冷媒流量を最小限に抑え、配管洗浄のために必要な冷媒流量を最大限確保することができる。よって、配管洗浄中に圧縮機105が停止することなく、安定した洗浄運転を行いながら、確実にそして短時間に配管を洗浄することができるという効果がある。
さらに、圧力センサー37で圧縮機105の吐出圧力を検知し、検知した吐出圧力相当飽和温度と温度センサー36で検知した吐出ガス温度の差により、制御器38において第2の減圧手段17の開度を調整する構成とする。例えば、圧力センサー37で検知した吐出圧力相当飽和温度と温度センサー36で検知した吐出ガス温度の差が20ケルビン未満であれば、第2の減圧手段17の開度を0%(全閉)とする。以上のような制御により、外気温度が低くなり吸入ガス温度が低下する場合での圧縮機105内での液圧縮を防ぎ、圧縮機が故障しない信頼性の高い配管洗浄装置を得ることができる。
実施の形態2.
以上の実施の形態1は、配管洗浄装置14内で高圧気液二相冷媒の一部を分岐させて鉱油回収容器19出口に連通させる構成であるが、図5に示すように、圧縮機105内部の圧縮室に液インジェクションできるインジェクションポート105aを備えた圧縮機(例えば往復動ピストン形の半密閉圧縮機、スクロール式圧縮機、ロータリ式圧縮機)であれば、冷媒−冷媒熱交換器15の高圧側出口から分岐して第2の減圧手段17を介して圧縮機105のインジェクションポート105aに連通する回路を備える構成としてもよい。この構成によれば、圧縮途中の吐出冷媒ガスを直接冷却することができるため、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
実施の形態3.
図6は、この発明の実施の形態3を示すものである。図6において、第1の減圧装置16で減圧された低圧二相冷媒と鉱油回収容器19下流側の低圧ガス配管を熱交換させるべく、冷媒−冷媒熱交換器39を備えている。この構成によれば、低圧二相冷媒との熱交換により吸入過熱ガスを冷却して温度を下げ、その結果圧縮機105の吐出ガス温度を下げることができるため、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
実施の形態4.
図7は、この発明の実施の形態4を示すものである。図7において、冷媒−冷媒熱交換器15の低圧側出口で鉱油回収容器19の上流位置に吸入ガス温度を検知する温度センサー36と吸入圧力(低圧)を検知する圧力センサー37を備えている。38は制御器であり、温度センサー36で検出した温度と圧力センサー37で検出した圧力相当飽和温度の差に応じて、第1の減圧手段16の開度を調整する。
洗浄運転時において鉱油回収容器19下流側(ガス出口ポート26付近)では液バックしていないことが必要である。鉱油回収容器19下流側(ガス出口ポート26付近)で液バックしていると、鉱油回収容器19にせっかく捕捉した鉱油(異物)までも流出し、熱源側ユニット1内のアキュムレータ108や圧縮機105に返してしまうことになる。特に、新冷媒対応圧縮機105内の冷凍機油は、鉱油とは異なる性状を持つ冷凍機油(エステル油やエーテル油)であるため、鉱油と混合されることは圧縮機105の信頼性面から望ましくない。また、冷凍サイクル装置に封入される冷媒量は、必ずしも一律ではなく、この発明が活用される利用側ユニット2や液管3そしてガス管3の配管長さによって変化する。さらに、本装置の運転開始起動時には一時的に冷媒−冷媒熱交換器15で蒸発しきれなかった液冷媒が鉱油回収容器19内に流入する恐れがある。つまり液バック状態である。
このため、鉱油回収容器19の容量は冷媒量に応じて備えることが必要であり、鉱油回収容器19内に捕捉した鉱油(異物)を流出させないために、液バックしても鉱油回収容器19をオーバーフローしない充分な容量を備えることが必要になる。この場合、鉱油回収容器19の容量が過大となってしまい、配管洗浄装置14全体の大きさが過大となりコスト高と恐れがある。
よって、図7に示す構成のように、液バックを回避する制御を行う。温度センサー36で検出した温度と圧力センサー37で検出した圧力相当飽和温度の差を制御器38で計算し、その値つまり吸入過熱度が常に10ケルビンとなるように第1の減圧手段16の開度を調整する。この構成により、装置の設置状況や運転状態が変化しても液バックせずに、異物が熱源側ユニット1に戻らず異物回収容器19内に確実に捕捉しておくことができる信頼性の高い配管洗浄装置を得ることができる。
実施の形態5.
図8は、この発明の実施の形態5を示すものである。図8において、配管洗浄装置14内に電磁弁21c、21dを備えたものである。この実施の形態5は、図2、図5、図6、図7に示した第3の減圧手段35を廃止した形態である。洗浄運転時には配管洗浄装置14内の電磁弁21cは閉止し電磁弁21dは開くように動作する。そして、冷媒−冷媒熱交換器15の高圧側出口から分岐した一部の液冷媒は第2の減圧手段17、電磁弁21dを介して鉱油回収容器19出口(低圧)に供給され、吸入過熱ガスを冷却する。また、次工程である塩素化合物回収運転時には配管洗浄装置14内の電磁弁21cは開き電磁弁21dは閉止するよう動作する。そして、塩素化合物回収運転では、第2の減圧手段17は開き、熱源側ユニット101より流入する高圧液冷媒の一部を減圧し、冷媒−冷媒熱交喚器15によって、大部分の高圧液冷媒を冷却するように機能する。以上のような構成によっても実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
この発明の活用例として、多数のショーケースが1台の冷凍機に接続されたスーパーマーケットの食品売場の冷凍サイクル装置の配管洗浄がある。長期間店舗を閉鎖することは不利益となるため、冷凍サイクル装置の交換作業を極めて短時間で行う必要があり、また、配管が天井内や床下などを複雑に配設されており、配管まで交換することが困難な場合に適している。
この発明の実施の形態1を示す作動冷媒変更前の冷凍サイクル装置の冷媒回路図である。 この発明の実施の形態1を示す作動冷媒変更後の冷凍サイクル装置の冷媒回路図である。 この発明の実施の形態1を示す洗浄運転時の冷媒状態を示すPh線図である。 この発明の実施の形態1を示す配管洗浄手順を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態2を示す作動冷媒変更後の冷凍サイクル装置の冷媒回路図である。 この発明の実施の形態3を示す作動冷媒変更後の冷凍サイクル装置の冷媒回路図である。 この発明の実施の形態4を示す作動冷媒変更後の冷凍サイクル装置の冷媒回路図である。 この発明の実施の形態5を示す作動冷媒変更後の冷凍サイクル装置の冷媒回路図である。
符号の説明
1 熱源側ユニット、 2 利用側ユニット、
3 液管、 4 ガス管、
5 圧縮機、 6 凝縮器、
7 レシーバ、 8 アキュムレータ、
9 液電磁弁、 10 温度式膨張弁、
11 蒸発器、 12 液操作弁、
13 ガス操作弁、 14 配管洗浄装置、
15、39 冷媒−冷媒熱交換器、 16 第1の減圧手段、
17 第2の減圧手段、 18 圧力調整弁、
19 鉱油回収容器、 20 異物吸着手段
21a、21b、21c、21d 電磁弁、 22a、22b、22c、22d 開閉弁
23 液入口ポート、 24 液出口ポート、
25 ガス入口ポート、 26 ガス出口ポート、
27a、27b バイパス管、 28a、28b 開閉弁 35 第3の減圧手段 36 温度センサー 37 圧力センサー 38 制御器
101 新冷媒対応熱源ユニット、 102 新冷媒対応利用側ユニット、
105、105a 新冷媒対応圧縮機、 106 新冷媒対応凝縮器、
107 新冷媒対応レシーバ、 108 新冷媒対応アキュムレータ、
109 新冷媒対応電磁弁、 110 新冷媒対応温度式膨張弁、
111 新冷媒対応蒸発器、 112 新冷媒対応液操作弁、
113 新冷媒対応ガス操作弁。

Claims (7)

  1. 圧縮機、熱交換器を備える熱源側ユニットと、開閉弁、温度式膨張弁、熱交換器を備える1台もしくは複数台の利用側ユニットと、それらを接続する液管及びガス管により冷媒回路を形成する冷凍サイクル装置の作動冷媒を変更する際に、HCFC、HFC、HCなどの冷媒を洗浄媒体とし、新冷媒対応の熱源側ユニットを洗浄媒体搬送手段として用いるとともに、冷媒−冷媒熱交換器、第1の減圧手段、第2の減圧手段および異物回収容器などを備える配管洗浄装置により気液二相状態の冷媒で配管内の洗浄を行う洗浄方法に用いられるものであって、前記配管洗浄装置は、新冷媒対応の熱源側ユニットと前記液管及びガス管に接続され、熱源側ユニットから出たガス冷媒は配管洗浄装置内の前記冷媒−冷媒熱交換器の高圧側に流入し、低圧の冷媒と熱交換して気液二相冷媒となって液管へと流れ、ガス管を通って戻った気液二相冷媒は前記第1の減圧手段を介して配管洗浄装置の前記冷媒−冷媒熱交換器の低圧側に流入し、高圧ガス冷媒と熱交換して蒸発し過熱ガスとなって異物回収容器に流入するように構成され、更に、配管洗浄装置内の冷媒−冷媒熱交換器の高圧側から分岐され、前記第2の減圧手段を介して前記配管洗浄装置内の異物回収容器出口に合流する経路を備えたことを特徴とする配管洗浄装置。
  2. 圧縮機は液インジェクション注入口を備えたものであり、配管洗浄装置内の冷媒−冷媒熱交換器の高圧側から分岐される管路は第2の減圧手段を介して熱源側ユニットに配備された圧縮機の液インジェクション注入口に連通することを特徴とする請求項1記載の配管洗浄装置。
  3. 熱源側ユニットは圧縮機吐出温度を検知するセンサを備え、かつ配管洗浄装置は制御器を備え、前記圧縮機吐出温度に応じて第2の減圧手段の開度を所定値に制御することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の配管洗浄装置。
  4. 熱源側ユニットは圧縮機吐出温度を検知するセンサおよび圧縮機吐出圧力検知するセンサを備え、かつ配管洗浄装置は制御器を備え、圧縮機吐出温度と圧縮機吐出圧力飽和温度の差に応じて第2の減圧手段の開度を所定値に制御することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の配管洗浄装置。
  5. 1の減圧手段の下流側配管と異物回収容器の下流側とを熱交換させる熱交換手段を更に備えたことを特徴とする請求項1記載の配管洗浄装置。
  6. 配管洗浄装置は、冷媒−冷媒熱交換器、第1の減圧手段、第2の減圧手段および異物回収容器、前記異物回収容器の上流側に位置する熱源ユニットに連通する低圧配管に温度センサおよび圧力センサなどを備え、前記温度センサで検知した温度と前記圧力センサで検出した低圧圧力飽和温度の差に応じて第1の減圧手段の開度を所定値に制御することを特徴とする請求項1記載の配管洗浄装置。
  7. 圧縮機、熱交換器を備える熱源側ユニットと、開閉弁、温度式膨張弁、熱交換器を備える1台もしくは複数台の利用側ユニットと、それらを接続する液管及びガス管により冷媒回路を形成する冷凍サイクル装置の作動冷媒を変更する際に、HCFC、HFC、HCなどの冷媒を洗浄媒体とし、新冷媒対応の熱源側ユニットを洗浄媒体搬送手段として用いるとともに、冷媒−冷媒熱交換器、第1の減圧手段、第2の減圧手段および異物回収容器などを備える配管洗浄装置により気液二相状態の冷媒で配管内の洗浄を行う洗浄方法において、前記配管洗浄装置は、新冷媒対応の熱源側ユニットと前記液管及びガス管に接続され、熱源側ユニットから出たガス冷媒は配管洗浄装置内の前記冷媒−冷媒熱交換器の高圧側に流入し、低圧の冷媒と熱交換して気液二相冷媒となって液管へと流れ、ガス管を通って戻った気液二相冷媒は前記第1の減圧手段を介して配管洗浄装置の前記冷媒−冷媒熱交換器の低圧側に流入し、高圧ガス冷媒と熱交換して蒸発し過熱ガスとなって異物回収容器に流入するように構成され、更に、配管洗浄装置内の冷媒−冷媒熱交換器の高圧側から分岐され、前記第2の減圧手段を介して前記配管洗浄装置内の異物回収容器出口に合流する経路を備え
    旧冷媒を回収するステップと、
    熱源側ユニットと利用側ユニットを新冷媒対応機へ交換し、配管洗浄装置およびバイバス管を取り付けるステップと、
    冷凍装置内を真空引きするステップと、
    新冷媒を充填するステップと、
    数時間程度の洗浄運転を行うステップと、
    記ステップ終了後、通常運転を行うステップと、
    を含むことを特徴とする配管洗浄方法。
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