JP3253913B2 - 薄膜型コイル部品の製造方法 - Google Patents
薄膜型コイル部品の製造方法Info
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Description
の製造方法に関する。
自動化に伴い、プリント基板のパターン面に直接、実装
される表面実装タイプの電子部品が広く使用されてい
る。これら電子部品は通常、紙製のテープに保持(テー
ピング)してそれをリールに巻装した形態や、筒状のカ
ートリッジに収容した形態でユーザに提供されている。
そして、ユーザ側では、前記リールやカートリッジを自
動機に装填し、該自動機により電子部品をプリント基板
に実装している。
部品にあっても、ダイオードやトランジスタを始めとし
て方向性を有するものが種々存在する。このように方向
性を有する表面実装型の電子部品は、一般に自動機械に
よりプリント基板に実装される関係上、それが有してい
る方向性を一定の方向に揃えてテーピングされたりカー
トリッジに収容されてユーザに供給されている。
膜型コイル部品7にあっても、コイル3の巻始め側の端
子4と巻終わり側の端子5とを識別し、その方向を揃え
てテーピングしたりカートリッジに収容してユーザに供
給されている。このコイル部品7は、絶縁基板1上にコ
イルパターン2と絶縁樹脂層6を交互に積層し、該コイ
ルパターン2により形成されるスパイラル状のコイル3
の一端部3a(コイル3とは絶縁されている。)及び他
端部3bが絶縁基板1の両端部にそれぞれ形成された端
子4及び5にそれぞれ引き出されている。
別方法としては、従来より、図6や図7に示すように、
印刷や焼き付け等の手法で、薄膜型コイル部品7の上面
に予め認識用マーキング8を付与しておき、薄膜型コイ
ル部品7を画像処理装置に取り込み、該画像処理装置に
よりマーキング8を検出してその位置から薄膜型コイル
部品7の方向性を識別する方法が一般に知られている。
該方法は、画像処理装置により、取り込まれた画像を2
値化処理し、その画像の長手方向に走る対称軸9aの左
側及び右側(図6の場合)もしくは対称軸9bの上側及
び下側(図7の場合)にそれぞれ同じ面積を有するウイ
ンドウ(領域)を設定し、これらウインドウ内の白ピク
セルの数と黒ピクセルの数とを比較演算することによ
り、これら二つのウインドウのうちのいずれのウインド
ウ内にマーキング8が存在しているかを識別し、薄膜型
コイル部品7の方向性を識別するものである。
部品7の長方形状の絶縁基板1の長手方向に走る対称軸
9aの左側と右側とでは、コイル3を構成するコイルパ
ターン2の本数が必ず1本だけ異なることを利用して、
薄膜型コイル部品7の方向性を識別する方法も非公開な
がら案出されている。すなわち、該識別方法では、図5
の薄膜型コイル部品7を画像処理装置に取り込み、該画
像処理装置に取り込まれた画像を2値化処理し、その画
像の長手方向に走る対称軸9aの左側及び右側にそれぞ
れ同じ面積を有するウインドウ(領域)Wa及びWbを
それぞれ設定し、これらウインドウWa及びWb内の白
ピクセルの数と黒ピクセルの数とを比較演算処理する。
このとき、図8からも分かるように、スパイラル状のコ
イルパターン2の本数が左側のウインドウWaと右側の
ウインドウWbとで必ず1本だけ異なるので、左側のウ
インドウWaと右側のウインドウWbとではその内部に
含まれている白ピクセルもしくは黒ピクセルの数に差が
生じ、その大小を比較することにより、前記薄膜型コイ
ル部品7の方向性を識別することができる。
8の位置により薄膜型コイル部品7の方向性を識別する
図6もしくは図7の方法では、薄膜型コイル部品7にマ
ーキング8を付与するために、マーキング8の印刷や焼
付けの工程が必要となり、薄膜型コイル部品7の製造コ
ストが高くなるという問題があった。また、マーキング
8の材料中にカーボンや金属等が含有されていると、図
9に示すように、マーキング8によりコイル3によって
発生する磁束φが遮断され、薄膜型コイル部品7のイン
ダクタンス値が小さくなるという問題があった。
ターン2の本数と右側のウインドウWb内のコイルパタ
ーン2の本数とを比較する図8の方法では、図10に示
すように、コイル3のターン数が多くなればなるほど、
また、薄膜型コイル部品7の形状が小さくなればなるほ
ど、左側のウインドウWa内の白ピクセル(もしくは黒
ピクセル)の数と右側のウィンドウWb内の白ピクセル
(黒ピクセル)の数との差が小さくなり、薄膜型コイル
部品7の方向性の判定が困難になり、方向性判定の信頼
性が低下するという問題があった。
に方向性を容易に識別することができる薄膜型コイル部
品の製造方法を提供することにある。
め、本発明に係る薄膜型コイル部品の製造方法は、絶縁
基板上にコイルパターンと絶縁体層とをフォトリソグラ
フィ法によって交互に形成する薄膜型コイル部品の製造
方法において、感光性絶縁材料を塗布してフォトリソグ
ラフィ法によって所定のパターンに硬化させることによ
り、開口部を有する絶縁体層を形成する工程と、感光性
絶縁材料を塗布してフォトリソグラフィ法によって光の
乱反射部分を有する絶縁体層を形成し、該光の乱反射部
分は、前記絶縁基板の対称軸にて二つに仕切られた一方
の側に絶縁体層の一部分を厚み方向にフォトリソグラフ
ィ法によって削除することで形成する工程と、前記コイ
ルパターンよりなるコイルの一端及び他端にそれぞれ電
気的に接続された端子を前記絶縁基板に形成する工程と
を備えたことを特徴とする。
る。この光の乱反射により乱反射部分から反射する光量
が少なくなる。従って、乱反射部分から戻る光が他の領
域から戻る光の量よりも少なく、乱反射部分の領域の画
像が他の領域の画像に比べ輝度が低く、暗くなる。これ
を検知することにより乱反射部分の位置を検出し、絶縁
基板の対称軸に対する乱反射部分の位置関係から、薄膜
型コイル部品の方向性を識別することができる。
部品の製造方法の実施の形態について添付の図面を参照
して説明する。
型コイル部品を図1に示す。該薄膜型コイル部品21
は、絶縁基板1上に、例えばフォトリソグラフィ法によ
りコイルパターン2と絶縁樹脂層6とを交互に形成し、
該コイルパターン2により形成されるスパイラル状のコ
イル3の一端部3a(コイル3とは絶縁されている。)
及び他端部3bが絶縁基板1の両端部にそれぞれ形成さ
れた端子4及び5に引き出されてなるものである。絶縁
樹脂層6には、図1に示すように、絶縁基板1の一つの
対称軸9aに関して右側の領域内に乱反射部分22を形
成している。絶縁基板1の材料としては、ガラス、ガラ
スセラミックス、アルミナ、フェライト等が使用され
る。コイル3の材料としては、Ag,Ag−Pd,C
u,Ni等が使用される。
形成することができる。絶縁基板1の上面にスパッタリ
ングによる電極膜を形成し、その後フォトレジストを塗
布して所定の画像パターンが形成されたフォトマスクを
重ねて露光し、現像することによりスパッタ電極膜上に
コイルパターン形状のレジスト膜を残す。その後、エッ
チングにより余分なスパッタ電極膜を取り除き、さらに
レジスト膜を剥離することにより所望のコイルパターン
2を形成する。次に、絶縁樹脂層6を、コイルパターン
2を形成した場合と同様にフォトリソグラフィ法により
形成する。すなわち、液状の絶縁性材料を絶縁基板1の
上面に塗布、乾燥して絶縁樹脂層6を形成する。絶縁樹
脂層6の材料には、例えば感光性ポリイミド樹脂等のフ
ォトリソグラフィ法に適した材質ものが使用される。次
に、絶縁樹脂層6の上面に所定の画像パターンが形成さ
れたマスクフィルムを被せ、紫外線等を照射する等の露
光工程で、絶縁樹脂層6の所望の部分を硬化させる。次
に、現像工程で絶縁樹脂層6の未硬化部分を除去し、コ
イルパターン2を層間接続するための開口部等を形成す
る。
樹脂層6(6a,6b)を交互にフォトリソグラフィ法
により形成する。このとき、絶縁樹脂層6aを形成する
際に使用するフォトマスクに、コイルパターン2の絶縁
が損なわれない程度に絶縁樹脂層6をその厚み方向に一
部分除去するための部分を形成しておけば、現像工程を
経ることにより、図2に拡大して示すような乱反射部分
22を形成することができる。
方向に一部分除去された乱反射部分22では、図3に図
式的に示すように、他の領域に対して一段窪んでいる。
図3に示した例は、最外層の絶縁樹脂層6aの一部分を
除去するものであるが、中間層の絶縁樹脂層6bの一部
分を除去するものであってもよいことは言うまでもな
い。このような乱反射部分22が形成された薄膜型コイ
ル部品21の表面に光を照射すると、乱反射部分22、
特に、その周縁の境界領域にて光が乱反射される。この
ため、図1の薄膜型コイル部品21の画像は乱反射部分
22の領域の輝度が低く、その他の領域の輝度が高くな
る。この輝度の差から乱反射部分22を検出することが
できる。従って、検出した乱反射部分22が絶縁基板1
の対称軸9aにより仕切られる二つの領域のうちのいず
れの領域に位置しているかを検出することにより、薄膜
型コイル部品21の方向性を知ることができる。
する。まず、図1に示す薄膜型コイル部品21を画像処
理装置に取り込み、該画像処理装置に取り込まれた画像
を2値化処理する。そして、2値化処理された画像の長
手方向に走る対称軸9aの左側及び右側にそれぞれ同じ
面積を有するウインドウWa及びWb(図1参照)を設
定する。なお、これらウインドウWa及びWbは、その
一つのウインドウWbに、乱反射部分22の画像が含ま
れるように設定する。
の白ピクセルの数及び黒ピクセルの数をそれぞれカウン
トする。このとき、乱反射部分22の画像を含むウイン
ドウWbでは、乱反射部分22からの入射する光の量が
少ない分、黒ピクセルの数が多く、白ピクセルの数が少
なくなっている。いま、ウインドウWa内の白ピクセル
のカウント値をWapとし、ウインドウWb内の白ピク
セルのカウント値をWbpとすると、以下に示す方向性
認識演算により、図1の薄膜型コイル部品21の方向性
を識別することができる。すなわち、 Wbp−Wap<0の条件を満足するときは、端子側が巻始め(順方向) Wbp−Wap>0の条件を満足するときは、端子側が巻始め(逆方向) と判定される。なお、この判定結果は、図1の薄膜型コ
イル部品21の二つの端子4及び5のいずれをコイル3
の巻始めと決めるかにより、順方向と逆方向とを互いに
入れ替えることもできる。
いるので、2値化画面に設定したウインドウWa内の白
ピクセルのカウント数Wapと、ウインドウWb内の白
ピクセルのカウント数Wbpとの間に大きな差を持たせ
ることができる。これにより、方向性判定のための特別
な工程や材料を必要とせず、簡単かつ高い信頼性を有し
て薄膜型コイル部品21の方向性を認識することができ
る。
るものではなく、その要旨の範囲内で種々に変更するこ
とができる。例えば前記実施形態では、乱反射部分22
の画像を含むウインドウWbでは、乱反射部分22から
入射する光の量が少ない分、黒ピクセルの数が多く、白
ピクセルの数が少なくなっているが、取り込んだ前記画
像の2値化処理を逆転することにより、前記乱反射部分
22の画像を含むウインドウWbの黒ピクセルの数が少
なく、白ピクセルの数が多くなるようにすることもでき
る。このときは、前記方向性判定演算において、Wap
をウインドウWa内の黒ピクセルのカウント数、Wbp
をウインドウWb内の黒ピクセルのカウント数とすれば
よい。
(A)〜(C)にそれぞれ示すように、二つの端子4及
び5のうちの一方の端子4側に片寄った位置や、他方の
端子5側に片寄った位置、図1の薄膜型コイル部品21
とは反対側の位置に形成するようにしてもよい。この場
合においても、方向性認識のための二つのウインドウW
a及びWbのうちのいずれかが乱反射部分22を内部に
含むように設定すればよく、薄膜型コイル部品21の方
向性認識のためのアルゴリズムは前記実施形態と全く同
じである。
樹脂層6の表面を一部荒らして粗面化したものであって
もよい。粗面化する方法としては、絶縁樹脂層6の乱反
射部分22をエッチング液でエッチングしたり、機械的
に研磨したりすることによって粗面化される。また、図
3に示すように、コイルパターン2と絶縁樹脂層6の積
層構造体を覆うように絶縁保護層31を設けてもよい。
ィ法によりコイルパターン2と絶縁樹脂層6とを交互に
形成しているが、必ずしもこれに限るものではなく、厚
膜印刷法、スパッタリング法、真空蒸着法等の方法を用
いてもよい。
は、薄膜型コイル部品の絶縁体層にフォトリソグラフィ
法によって乱反射部分を形成したため、その位置を検知
して絶縁基板の対称軸に対する乱反射部分の位置関係か
ら、薄膜型コイル部品の方向性を識別することができ
る。従って、方向性判定のための特別なマーキング用の
材料が不要で、コイルの巻数が多いものやコイルパター
ンの密度が高いものであっても、方向性の認識が容易で
その認識の信頼性も高く、コストの低い薄膜型コイル部
品を得ることができる。また、本発明によれば、方向性
判定のためのマーキングによる薄膜型コイル部品の磁束
の遮断に伴うインダクタンスの低下といった従来の薄膜
型コイル部品が有していた特性上の問題も解消すること
ができる。
イル部品を示す平面図。
の画像を示す説明図。
反射の状態を示す模式図。
型コイル部品を示し、(A)は乱反射部分を一つの端子
寄りに配置したコイル部品の平面図、(B)は乱反射部
分をいま一つの端子寄りに配置したコイル部品の平面
図、(C)は乱反射部分を図1のコイル部品と反対側に
配置したコイル部品の平面図。
型コイル部品の平面図。
従来の薄膜型コイル部品の平面図。
法の説明図。
Claims (2)
- 【請求項1】 絶縁基板上にコイルパターンと絶縁体層
とをフォトリソグラフィ法によって交互に形成する薄膜
型コイル部品の製造方法において、感光性絶縁材料を塗布してフォトリソグラフィ法によっ
て所定のパターンに硬化させることにより、開口部を有
する絶縁体層を形成する工程と、 感光性絶縁材料を塗布してフォトリソグラフィ法によっ
て光の乱反射部分を有する絶縁体層を形成し、該光の乱
反射部分は、前記絶縁基板の対称軸にて二つに仕切られ
た一方の側に絶縁体層の一部分を厚み方向にフォトリソ
グラフィ法によって削除することで形成する工程と、 前記コイルパターンよりなるコイルの一端及び他端にそ
れぞれ電気的に接続された端子を前記絶縁基板に形成す
る工程と、を備えたこと を特徴とする薄膜型コイル部品の製造方
法。 - 【請求項2】 前記コイルパターン及び前記絶縁体層を
覆う絶縁保護層を形成することを特徴とする請求項1記
載の薄膜型コイル部品の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03684198A JP3253913B2 (ja) | 1998-02-19 | 1998-02-19 | 薄膜型コイル部品の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03684198A JP3253913B2 (ja) | 1998-02-19 | 1998-02-19 | 薄膜型コイル部品の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11238627A JPH11238627A (ja) | 1999-08-31 |
JP3253913B2 true JP3253913B2 (ja) | 2002-02-04 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP03684198A Expired - Fee Related JP3253913B2 (ja) | 1998-02-19 | 1998-02-19 | 薄膜型コイル部品の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3253913B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6672614B2 (ja) * | 2014-07-17 | 2020-03-25 | Tdk株式会社 | コイル部品 |
-
1998
- 1998-02-19 JP JP03684198A patent/JP3253913B2/ja not_active Expired - Fee Related
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---|---|
JPH11238627A (ja) | 1999-08-31 |
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