JP3253783B2 - ハーフトーン型位相シフトマスクとその製造方法 - Google Patents
ハーフトーン型位相シフトマスクとその製造方法Info
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- Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
- Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)
Description
けるリソグラフィー工程で用いられるハーフトーン型位
相シフトマスクとその製造方法に関する。
一途を辿っている。この要求に対し、露光光源の短波長
化によって対応することが検討されている。一方で、露
光光源を変えずに露光用のマスクを工夫する位相シフト
法が近年脚光を浴びている。位相シフト法は、位相シフ
タと呼ばれる位相を反転する部分を設け、隣接するパタ
ーンにおける光の正の干渉の影響を取り除いてパターン
精度の向上を図るものである。これまで様々な位相シフ
ト法が提案されてたが、なかでもレベンソン法は解像性
能と焦点深度を飛躍的に向上させる手法として特に知ら
れている。
する光の位相差を180度にし、負の干渉を生じさせる
もので、ライン&スペースパターンなど周期的パターン
に対し解像力の向上効果が大きい。しかし、3つ以上の
パターンが互いに隣接する場合に設ける位相差を180
度とした場合、位相が等しくなる部分が少なくとも一箇
所は生じることになり、隣接する部分の位相差が0とな
った部分では、解像力の向上効果は得られない。このた
め、実デバイスパターンへの汎用を考えた場合には設計
等の見直しが必要となってくる。
い位相シフト法の一つにハーフトーン法が挙げられる。
この手法は遮光膜の代わりに半透明膜を用い、かつ半透
明膜を透過する光と透明部を透過する光との位相差を1
80度となるようにすることで、パターン解像度の低下
の原因となる光の干渉を軽減するものである。ハーフト
ーン法において、位相シフト向上効果を最大限に引き出
すためには、半透明膜の透過率と透明部との光の位相差
を最適化する必要がある。
4−136854号公報に示されるような多層膜を使
い、位相と透過率を調整するものが考えられている。し
かし、多層膜を用いた場合は転写工程が2度にわたり、
また下層に欠陥が生じた場合に修正が困難であるという
問題点があった。これに対し特願平4−327623号
に示されるように、単層膜で位相と透過率を調整するこ
とが検討されてきた。しかし、単層の半透明膜で透過率
と位相差の両者を同時に制御するには、半透明膜として
用いる膜の組成は限られたものになる。
成即ち半結合状態を含む膜を用いており、露光時の光照
射に伴い半透明膜の物性変動が容易に起こり得る。光照
射の影響は、露光光の照射方向が透明基板から半透明膜
側であるため、半透明膜の透明基板との界面側で最も強
く受ける。半透明膜は露光波長に対して吸光度が大きい
ため、界面付近での光反応或いはこれに伴う熱により熱
反応が起こる。このため、酸化処理などの半透明膜表面
の膜質の安定化だけでは、露光光照射に対する耐性がな
く、主に透明基板との界面付近において半透明膜の物性
変動が生じるという問題点が生じていた。
相シフトマスクの半透明膜の位相差及び透過率が、露光
時の光照射により所望の値からずれるため、マスク作成
後、振幅透過率及び位相差の経時変化に伴う転写レジス
トパターン形状の劣化や焦点深度低下が生じていた。
まで放置することも可能であるが、膜質が安定化するま
で数年を要するため非実用的である。また、本提案は後
述のように放射線照射,加熱及び酸化の少なくとも一つ
の工程により前記問題点を解決する手法を提供するもの
である。ところが、これまで放射線照射の終点判別は特
開平3−131027号公報に見られるように間接的に
判断していた。つまり、照射処理により形成される絶縁
膜の膜質と照射処理中の温度並びに照射処理時間の関係
を予め求めておき、照射中の温度をモニタすることによ
り処理時間を割り出していた。また、特開平3−278
524号公報に見られるように照射処理前に予め赤外光
に対する透過率,反射率を測定しランプ出力を補正する
方法が行われてきた。これらの方法では、処理中の膜厚
や物性値などを直接把握することができず、この結果、
処理終了後に得られる膜の物性値に差が生じてしまうと
いう問題点が生じていた。
フトーン型位相シフトマスクにおいては、露光時の光照
射又は時間経過に伴い半透明膜の物性変動が起こり、半
透明膜の位相差及び透過率が所望値からずれる問題があ
り、これが転写レジストパターン形状の劣化や焦点深度
低下を招く要因となっていた。また、前述の放射線照
射,加熱処理中の透過率及び位相差を直接把握できない
ため、位相シフト効果を最大限発揮できる露光用マスク
が再現性良く製造することは困難であった。
ので、その目的とするところは、露光光の照射又は時間
経過に伴う半透明膜の物性変動を防止することができ、
パターン転写精度の向上に寄与し得るハーフトーン型位
相シフトマスクとその製造方法を提供することにある。
トーン型位相シフトマスクの半透明膜の位相差及び透過
率が、露光時の光照射又は時間経過によって変化しない
ようにするため、露光前の工程で半透明膜に放射線照
射,加熱及び酸化の少なくとも一つの工程を行うことに
より半透明膜を安定化させることにある。
上に所望パターンに半透明膜を形成してなる露光用マス
クにおいて、透光性基板と半透明膜との境界部分に、露
光光の照射に伴う半透明膜の物性変動を防止するための
安定化層を形成したことを特徴とする。
上に所望パターンに半透明膜を形成してなる露光用マス
クにおいて、透光性基板と半透明膜との境界部分又は半
透明膜の少なくとも表面部分に、露光光の照射又は時間
経過に伴う半透明膜の物性変動を防止するための改質領
域を形成したことを特徴とする。
ングリングボンドの数を、酸化反応,架橋反応により減
少させることを特徴としている。ここで、半透明膜にS
i化合物,Cr化合物,Al化合物,Ti化合物,、M
oSi化合物,及びこれらの混合物が用いられている。
とりわけ、Si化合物ではSiのダングリングボンドの
密度が約1.0×1019/cm3 以下であることが望ま
しい。なお、他の元素化合物により構成される半透明膜
についても同様にダングリングボンド数を抑えることが
必要である。
は、次のものがあげられる。 (1.1) 安定化層又は改質領域は、半透明膜の露光波長に
おける吸収帯の少なくとも一部の波長の光を照射するこ
とによって形成されたものであること。 (1.2) 安定化層又は改質領域は、半透明膜の赤外域にお
ける吸収帯の少なくとも一部を含む赤外光を照射するこ
とによって形成されたものであること。 (1.3) 安定化層又は改質領域は、加熱することによって
形成されたものであること。 (1.4) 安定化層又は改質領域は、酸化させることによっ
て形成されたものであること。 (1.5) 安定化層又は改質領域は、放射線照射,加熱処理
の少なくとも一つの処理と酸化処理を同時に行うこと
で、改質反応をより促進させて形成されたものであるこ
と。 (1.6) 安定化層又は改質領域は、放射線照射と加熱処理
を同時に行うことで改質反応をより促進させて形成され
たものであること。 (1.7) 安定化層又は改質領域は、少なくとも透光性基板
側から半透明膜に向けた方向を含む放射線の照射により
形成されたものであること。 (1.8) 安定化層又は改質領域は、放射線照射を半透明膜
を構成する物質の吸収帯の少なくとも一部を含む光で行
うことによって形成されたものであること。 (1.9) 改質領域は、放射線照射をk1 >k(λ)(kは
半透明膜の消衰係数、k1 は露光波長における半透明膜
の消衰係数、λは波長)を満たす波長λを含む光で行う
ことによって形成されたものであること。 (1.10)半透明膜は、改質時の複素屈折率の変化を考慮
し、成膜時における半透明膜の複素屈折率を所望の透過
率と位相差を満足する複素屈折率と異なる点に設定し、
放射線照射,加熱及び酸化の少なくとも一つの手法を行
うことにより、複素屈折率を所望の透過率と位相差を満
足する値に調整して作成されたものであること。このと
きのずれ量は、放射線照射,加熱及び酸化の少なくとも
一つの手法を行うことによる複素屈折率シフトを見込ん
で行うとよい。
マスクを製造するための露光用マスクの製造方法におい
て、透光性基板上に半透明膜を形成する工程と、半透明
膜上に感光性樹脂膜を形成する工程と、感光性樹脂膜を
放射線又は荷電粒子線により露光して感光性樹脂パター
ンを形成する工程と、感光性樹脂パターンをマスクに半
透明膜の露出している部分を除去する工程と、感光性樹
脂パターンを除去する工程と、感光性樹脂膜を形成する
工程の前又は感光性樹脂パターンを形成する工程の後
に、半透明膜の露光波長における吸収帯に含まれる波長
の光又は半透明膜の赤外域における吸収帯を含む赤外光
を、透光性基板側より半透明膜に照射することによっ
て、透光性基板と半透明膜との境界部分に安定化層を形
成する工程とを含むことを特徴とする。
マスクを製造するための露光用マスクの製造方法におい
て、透光性基板上に半透明膜を形成する工程と、半透明
膜上に感光性樹脂膜を形成する工程と、感光性樹脂膜を
放射線又は荷電粒子線により露光して感光性樹脂パター
ンを形成する工程と、感光性樹脂パターンをマスクに前
記半透明膜の露出している部分を除去する工程と、感光
性樹脂パターンを除去する工程、感光性樹脂膜を形成す
る工程より前又は感光性樹脂パターンを形成する工程よ
り後に、放射線照射,加熱及び酸化の少なくとも一つの
工程を行うことによって、透光性基板と半透明膜との境
界部分又は半透明膜の少なくとも一部を改質する工程を
含むことを特徴とする。
は、次のものがあげられる。 (2.1) 安定化層又は改質領域を形成する際に用いられる
光が、半透明膜の露光波長における吸収帯の少なくとも
一部の波長を含んでいること。 (2.2) 安定化層又は改質領域を形成する際に用いられる
赤外光が、半透明膜の赤外域における吸収帯の少なくと
も一部を含んでいること。 (2.3) 安定化層又は改質領域の形成が、加熱によって行
われること。 (2.4) 加熱が、ホットプレート上、高温チャンバ内の少
なくとも一つで行われること。 (2.5) 安定化層又は改質領域の形成が、半透明膜を酸化
させることによって行われること。 (2.6) 酸化が、酸素原子を含む雰囲気中で行われるこ
と。 (2.7) 酸化が、酸化性溶液中に浸すことで行われるこ
と。 (2.8) 酸化性溶液として、発煙硝酸又は硫酸と加算化水
素水の混合液を用いること。 (2.9) 安定化層又は改質領域の形成が、放射線照射,加
熱処理の少なくとも一つの処理と酸化処理を同時に行
い、改質反応をより促進させて行われること。 (2.10)安定化層又は改質領域の形成が、少なくとも遮光
性基板側から半透明膜に向けた方向を含む放射線の照射
で行われること。 (2.11)安定化層又は改質領域の形成が、放射線照射処理
と加熱処理を同時に行い、改質反応をより促進させて行
われること。 (2.12)安定化層又は改質領域を形成する際に用いられる
光が、半透明膜を構成する物質の吸収帯の少なくとも一
部を含んでいること。 (2.13)安定化層又は改質領域を形成する際に用いられる
光が、k1 >k(λ) (kは半透明膜の消衰係数、k1 は露光波長における半
透明膜の消衰係数、λは波長)を満たす波長λを含むも
のであること。 (2.14)半透明膜は、改質時の複素屈折率の変化を考慮
し、成膜時における半透明膜の複素屈折率を所望の透過
率と位相差を満足する複素屈折率と異なる点に設定し、
放射線照射,加熱及び酸化の少なくとも一つの手法を行
うことにより、複素屈折率を所望の透過率と位相差を満
足する値に調整されたものであること。このときのずれ
量は、放射線照射,加熱及び酸化の少なくとも一つの手
法を行うことによる複素屈折率シフトを見込んで行うと
よい。 (2.15)望ましくは光透過率,光反射率,複素屈折率,膜
厚変化及び位相差をモニタすることで、放射線照射,加
熱及び酸化の少なくとも一つの処理を制御するようにさ
れたものであること。 (2.16)望ましくは放射線照射,加熱及び酸化の少なくと
も一つの処理が複素屈折率及び膜厚から透過率,位相差
を算出し、この値に基づき制御されるようにされたもの
であること。 (2.17)安定化層又は改質領域を形成する工程は、半透明
膜上に感光性樹脂膜が形成されていない状態、又は感光
性樹脂膜が形成されかつそれが露光によりパターン形成
された状態で行われること。安定化層又は改質領域を形
成する工程として、酸素を含む雰囲気チャンバ内に透光
性基板を配置し、光の照射により安定化層を形成するの
と同時に半透明膜表面に酸化膜を形成すること。
合、Si,Cr,Ge,Ti,Ta,Al,Sn,Mo
Si,WSi,その他の金属元素若しくはカーボン、或
いはこれらの酸化物,窒化物,炭化物,水素化物,ハロ
ゲン化物の単体、又はこれらの混合物が良く用いられ
る。これらの膜は、前述のように透過率と位相差の両者
を同時に制御する機能を持たせるため、膜の組成が中間
的となる。このため、膜中における分子間の結合状態
は、必ずしも安定ではない。このような膜は露光時の照
射エネルギーにより結合に寄与する電子が励起され、結
果として結合状態は成膜時から変化する。これにより、
膜の光学定数とりわけ露光波長に対する振幅透過率が変
動する。
明位相シフト膜として用いた場合の露光照射による振幅
透過率変化を示す。本発明者らは、半透明膜の安定化を
はかるため、膜表面を酸化する手法を検討してきた。し
かしこの手法においても、半透明膜の経時的な安定化が
はかれても、露光照射により半透明膜の振幅透過率は上
昇し、所望の光学定数からのずれが生じる。
おいて所望の屈折率n、消衰係数kを満たす点K0 から
露光照射により点K0'へシフトし、結果として最適な透
過率,位相差が得られない。
光用マスクとして用いるまでの工程で予め放射線、望ま
しくは半透明位相シフト膜を最も効率良く安定化できる
波長に限定された放射線を直接的或いは間接的に照射さ
せること、加熱処理を施すこと、酸化処理を施すことに
の少なくとも一つを行うことよって、膜を安定化させ、
露光による膜質変動並びに時間経過による物性変動を抑
えることを特徴としている。これにより、図12に示す
ように、SiNを半透明位相シフト膜として用いた場合
の露光照射による振幅透過率変化を殆どなくすことがで
きる。
放射線照射時に反応を活性化するために加熱することも
含んでいる。また、これら放射線照射,加熱及び酸化の
少なくとも一つの処理によって生じる複素屈折率変化を
考慮し、成膜時における半透明膜の複素屈折率である屈
折率及び消衰係数を図14に示すように所望値から予め
ずらした点(図中のA,B,C,D点)に設定すること
で、安定化領域形成後に位相シフト効果を最大限に発揮
することのできる条件(図中のX点)に制御することが
可能となる。この場合、望ましくは調整方向が組成比を
変えたときに得られる屈折率nと消衰係数kのカーブに
沿う方向で予め設定すればよい。
を変えたときに得られる屈折率nと消衰係数kのカーブ
の一例を図15に示す。このときに得られる半透明膜の
屈折率n、消衰係数kは成膜条件によりE1 ,E2 ,E
3 ,E4 のような点をとる。成膜時において予め屈折率
nを小さくかつ消衰係数kを大きく設定する(図中のE
1 ,E2 点)か、また屈折率nを大きくかつ消衰係数k
を小さく設定する(図中のE3 ,E4 点)ことで、放射
線照射,加熱及び酸化の少なくとも一つの処理を行った
後に位相シフト効果を最大限に発揮することのできる条
件(曲線L1)に制御することが可能となる。露光波長
をg線とした場合も図16に示されるように同様であ
る。
の組成比を変えたときに得られる屈折率nと消衰係数k
のカーブを図17に示す。同様に成膜時において予め屈
折率nを小さくかつ消衰係数kを大きく設定する(図中
のF1 ,F2 点)か、又は屈折率nを大きくかつ消衰係
数kを小さく設定する(図中のF3 ,F4 点)。このと
きのずれ量は、放射線照射,加熱及び酸化の少なくとも
一つの処理によって生じる複素屈折率シフトを見込んで
行うとよい。これにより、安定化領域形成後に位相シフ
ト効果を最大限に発揮することのできる条件(曲線L
2)に制御することが可能となる。露光波長をg線のK
rFレーザとした場合も図18に示されるように同様で
ある。また、露光波長をg線,i線としたTiOの場合
も図19に示されるように同様である。
N,CrON,AlON,AlN,TiO,TiN,T
iON等の組成を含む金属化合物などの場合も同様であ
る。但し、CrN,AlN,TiN等に対し、酸化反応
により半透明膜を構成する元素に新たに酸素が加わる場
合には次の手法で変化量を定める必要がある。i線にお
いてSiN膜を用いる場合を例にとると、組成比を変え
たときに得られる屈折率nと消衰係数kのカーブは図2
0に示される。SiNのNの組成比を変えて得られる
(n,k)曲線1を求め、この(n,k)曲線から成膜
時に目標とする化合物(N組成比α)を予め定める(点
K1 )。次いで、SiNαOでO組成を変えて得られる
(n,k)曲線2から酸化によるO添加量と放射線照射
又は加熱で生じる(n,k)点シフトを見積もること
で、所望の(n,k)を満たす点K2 を求めることが可
能である。なお、曲線2の場合のN組成比αは、点K0
におけるSiNの組成比β以下でなくてはならない。
いれば、安定化処理中の透過率,位相差を求めることが
できるので、位相シフト効果を最大限発揮できる露光用
マスクを再現性良く製造することができる。
はなく、SiO,SiON及びSiN,SiO混合物、
CrO,CrN,CrON,AlO,AlON,Al
N,MoSiO,MoSiN,MoSiNO,TiO,
TiN,TiON膜に対しても適用できる。なお、酸化
反応の代わりに窒化、ハロゲン化、水素化、炭化反応を
施すことによっても同様の効果を得ることが可能であ
る。
する。 (実施例1)図1は、本発明の第1の実施例に係わる露
光用マスクの製造工程を示す断面図である。本実施例で
は、露光光源をKrFレーザとし、ハーフトーンマスク
の半透明膜にはSiNを用いた。
n,消衰係数kの推移を示す。曲線AはSiNをスパッ
タ法により成膜したときの組成比に対する(n,k)曲
線、曲線BはP1 点のSiNx 組成を固定しさらに酸素
を添加したときの添加量に対する(n,k)曲線、曲線
CはP2 点におけるSiNx Oy 組成に対し、さらに光
照射によりダングリングボンドを減少させて得られる
(n,k)曲線である。
らなる透明基板101上にスパッタ法により膜厚が96
nmのSiN膜(半透明膜)102を形成する。このと
き、半透明膜102の振幅透過率は17.6%であった
(図21のP1 点)。続いて、予め半透明膜表面の経時
変化を防止するため、過酸化水素水と硫酸の酸化性混合
溶液に基板101を浸し、半透明膜102の改質を行
う。このとき、改質は面内均一に行われ、半透明膜10
2の振幅透過率は20.1%となった(図21のP2
点)。
化処理として水銀ランプにより300nm近傍に波長を
持つ遠紫外線111を基板から半透明膜方向に基板10
1に対し均一に照射させることにより、基板101と半
透明膜102の界面に安定化層103を形成する。この
とき、安定化層103を含めた半透明膜102の振幅透
過率は24.5%に変化した(図21のP3 点)。
数及び膜厚は、酸化性混合溶液による酸化反応及び紫外
線照射後に所望の透過率,位相差になるように、予め酸
化性混合溶液による酸化反応及び遠紫外線照射での屈折
率,消衰係数及び膜厚の変化量を見込んで設定した。
膜102上にEBレジスト104を塗布し、さらにEB
描画時に生じるチャージアップを防止するために導電性
の膜105をEBレジスト104上に形成する。その
後、図1(d)に示すように、EB描画により所望のレ
ジストパターン104aを形成する。
トパターン104aをマスクとしてSiN膜を選択エッ
チングすることにより、SiN膜102のパターニング
を行う。エッチングにはCDE(Chemical Dry Etchin
g)や、RIE(反応性イオンエッチング)等を用いれ
ばよい。その後、レジストパターン104aを除去する
ことにより、図1(f)に示すような露光用マスクが得
られる。
2の界面に安定化層103が形成される例を説明した
が、必ずしも安定化層103が半透明膜102と明確に
区別して形成されるものではなく、半透明膜102の改
質によって安定化領域が形成されるものであってもよ
い。この場合の例を、図2(a)〜(f)に示す。工程
は図1と同様であり、安定化層103の代わりに安定化
領域102′が形成されている。図2中の102′のド
ットの密度が高いほど結合状態が安定であることを示し
ている。
板101と半透明膜102との境界部分に安定層103
を形成、又は安定化領域102′を形成しているため、
図12に示すように、露光光照射で膜質が変化すること
なく、安定した性能を維持することができる。このた
め、実際の露光に使用しても、露光光の照射に伴う半透
明膜の物性変動を防止することができ、パターン転写精
度の向上に寄与することができる。
領域102′は光照射により形成されているが、加熱処
理により形成してもよい。また、光照射と加熱処理を同
時に行い安定化反応をより促進させて行ってもよい。
を用いているが、他の光源、例えばキセノンランプとカ
ットオフフィルタを併用して用いてもよい。また、ここ
では半透明膜としてSiN膜を用いたが、SiN膜に限
らず他の半透明膜、例えばSi,Cr,Ge,Ti,T
a,Al,Sn,MoSi,WSi,他の金属,カーボ
ン、或いはこれらの酸化物,窒化物,炭化物,水素化
物,ハロゲン化物の単体、又はこれらの混合物を用いて
も同様の効果が得られる。また、他の露光光源、例えば
水銀ランプのi,g線やArFレーザ光などを対象とし
た半透明膜に対して適用可能である。
酸化水素水と硫酸の酸化性混合溶液を用いたが、他の酸
化作用の強いもの、例えば発煙硝酸を用いてもよい。ま
た、オゾン等の酸化性ガス雰囲気中に晒してもよい。ま
た、CVD法などによって酸化膜を形成してもよい。ま
た、図2中の102のドットの密度(例えば、酸素濃
度)を膜内で勾配を持つように成膜条件、改質条件を調
整してもよい。さらに、半透明膜の膜厚を本発明の趣旨
を逸脱しない範囲において適当な厚さにしてもよい。ま
た、導電性膜を半透明膜上に形成する代わりに、基板に
予め帯電防止の役割をする膜が形成されているものを用
いてもよい。 (実施例2)図3は、本発明の第2の実施例に係わる露
光用マスクの製造工程を示す断面図である。本実施例で
は、露光光源をKrFレーザとし、ハーフトーンマスク
の半透明膜にはSiNを用いた。
201上にスパッタ法により膜厚が96nmのSiN膜
(半透明膜)202を形成する。このとき、半透明膜2
02の振幅透過率は17.6%であった。続いて、予め
半透明膜表面の経時変化を防止するため、過酸化水素水
と硫酸の酸化性混合溶液に基板201を浸し、表面の安
定化を行う。このとき、半透明膜202の振幅透過率は
20.1%となった。
膜202上にEBレジスト204を塗布し、さらにEB
描画時に生じるチャージアップを防止するために導電性
の膜205をEBレジスト204上に形成する。その
後、図3(c)に示すように、EB描画により所望のレ
ジストパターン204aを形成する。
トパターン204aをマスクとしてSiN膜202を選
択エッチングすることにより、SiN膜202のパター
ニングを行う。エッチングには、CDEやRIE等を用
いればよい。
トパターン204aを除去した後、光安定化処理として
水銀ランプにより300nm近傍に波長を持つ遠紫外線
211を基板から半透明膜方向に基板201に対し均一
に照射させることにより、安定化層203を形成する。
このとき、安定化層203を含めた半透明膜202の振
幅透過率は21.9%に変化した。
数及び膜厚は、酸化性混合溶液による酸化反応及び紫外
線照射後に所望の透過率,位相差になるように、予め酸
化性混合溶液による酸化反応及び遠紫外線照射での屈折
率,消衰係数及び膜厚の変化量を見込んで設定した。
2の界面に安定化層203が形成される例を説明した
が、必ずしも安定化層203が半透明膜202と明確に
区別して形成されるものではなく、半透明膜202の改
質によって安定化領域が形成されるものであってもよ
い。この場合の例を、図4(a)〜(f)に示す。工程
は図3と同様であり、安定化層203の代わりに安定化
領域202′が形成されている。
板201と半透明膜202との境界部分に安定層203
又は安定化領域202′を形成しているため、露光光照
射で膜質が変化することなく安定した性能を維持するこ
とができ、第1の実施例と同様の効果が得られる。ま
た、本実施例においても、第1の実施例で説明したよう
に各種の変形が可能である。 (実施例3)図5は、本発明の第3の実施例に係わる露
光用マスクの製造工程を示す断面図である。本実施例で
は、露光光源を水銀ランプのi線とし、ハーフトーンマ
スクの半透明膜にはSiNを用いた。
n,消衰係数kの推移を示す。曲線A′はSiNをスパ
ッタ法により成膜したときの組成比に対する(n,k)
曲線、曲線B′はP1'点のSiNx 組成を固定し光照射
と酸化を同時に生じさせた時の酸素濃度増加とダングリ
ングボンド数を減少させて得られる(n,k)曲線であ
る。
301上にスパッタ法により膜厚が97nmのSiN膜
(半透明膜)302を形成する。このとき、半透明膜3
02の振幅透過率は20.0%であった(図22のP
1')。
含む雰囲気チャンバ312内の2箇所に設置された低圧
水銀ランプにより185nmならびに254nmに波長
を持つ遠紫外線311を、基板から半透明膜方向及び半
透明膜から基板方向に均一に照射させる。この際、18
5nmの遠紫外線はチャンバ312内の酸素に吸収され
オゾンを発生し、このオゾンが酸素に脱励起される際に
300nm近傍の波長を有する光を発する。そして、こ
の光により基板301と半透明膜302との境界部分に
安定化層303が形成される。
が吸収されると励起酸素原子が生成される。そして、こ
の励起酸素原子はSiN膜302と反応して酸化膜を形
成する。このため、半透明膜302の経時変化を防止す
るための処理が不要となる。このとき、安定化層303
を含めた半透明膜302の振幅透過率は21.9%に変
化した(図22のP2')。
数及び膜厚は、オゾン並びに励起酸素原子による酸化反
応及び紫外線照射後に所望の透過率,位相差になるよう
に、予めオゾン並びに励起酸素原子による酸化反応及び
紫外線照射での屈折率,消衰係数及び膜厚の変化量を見
込んで設定した。
膜302上にEBレジスト304を塗布し、さらにEB
描画時に生じるチャージアップを防止するために導電性
の膜305をEBレジスト304上に形成する。その
後、図5(d)に示すように、EB描画により所望のレ
ジストパターン304aを形成する。
トパターン304aをマスクとしてSiN膜302を選
択エッチングすることにより、SiN膜302のパター
ニングを行う。エッチングには、CDEやRIE等を用
いればよい。そして、このエッチングによりSiN膜パ
ターンを形成したのちレジストパターン304aを除去
することにより、図5(f)に示すような露光用マスク
が得られる。
2の界面に安定化層303が形成される例を説明した
が、必ずしも安定化層303が半透明膜302と明確に
区別して形成されるものではなく、半透明膜302の改
質によって安定化領域が形成されるものであってもよ
い。この場合の例を、図6(a)〜(f)に示す。工程
は図5と同様であり、安定化層303の代わりに安定化
領域302′が形成されている。
領域302′は光照射により形成されているが、高温加
熱処理を同時に行い、安定化反応をより促進させて行っ
てもよい。
板301と半透明膜303との境界部分に安定層303
を形成、又は安定化領域302′を形成しているため、
露光光照射で膜質が変化することなく安定した性能を維
持することができ、第1の実施例と同様の効果が得られ
る。また、本実施例においても、第1の実施例で説明し
たように各種の変形が可能である。 (実施例4)図7は、本発明の第4の実施例に係わる露
光用マスクの製造工程を示す断面図である。本実施例で
は、露光光源を水銀ランプのi線とし、ハーフトーンマ
スクの半透明膜にはCrOを用いた。
401上にスパッタ法により膜厚が50nmのCrO膜
(半透明膜)402を形成する。半透明膜402の膜
厚,屈折率n及び消衰係数kは、後の膜質安定化のため
の光照射を行った後、透明基板に対する位相差,透過率
が所望の値となるように調整されている。このとき、半
透明膜402の振幅透過率は23.0%であった。
膜402上にEBレジスト404を塗布し、さらにEB
描画時に生じるチャージアップを防止するために導電性
の膜405をEBレジスト404上に形成する。その
後、図7(c)に示すように、EB描画により所望のレ
ジストパターン404aを形成する。
トパターン404aをマスクとしてCrO膜402を選
択エッチングすることにより、CrO膜402のパター
ニングを行う。エッチングには、CDEやRIE等を用
いればよい。このエッチングによってCrO膜パターン
を形成したのち、レジストパターン404aを除去す
る。
含む雰囲気チャンバ412内の2箇所に設置された低圧
水銀ランプにより185nmならびに254nmに波長
を持つ遠紫外線411を、基板から半透明膜方向及び半
透明膜から基板方向に均一に照射させる。この際、18
5nmの遠紫外線はチャンバ412内の酸素に吸収され
オゾンを発生する。
る表面酸化と遠紫外線による光安定化を同時に生じさせ
ている。即ち、基板401と半透明膜402との境界面
に安定化層403を形成するのと同時に、半透明膜40
2の表面に酸化膜を形成している。このため、半透明膜
402の経時変化を防止するための処理が不要となる。
このとき、安定化層403を含めた半透明膜402の振
幅透過率は25.0%に変化した。
2の界面に安定化層403が形成される例を説明した
が、必ずしも安定化層403が半透明膜402と明確に
区別して形成されるものではなく、半透明膜402の改
質によって安定化領域が形成されるものであってもよ
い。この場合の例を、図8(a)〜(f)に示す。工程
は図7と同様であり、安定化層403の代わりに安定化
領域402′が形成されている。また、図8(e)に示
す工程では、高圧水銀Xeランプにより365nm近傍
に波長を持つ遠紫外線411を透明基板から半透明膜方
向、及び半透明膜から透明基板方向に均一に照射させ
た。
領域402′は光照射により形成されているが、高温加
熱処理を同時に行い、安定化反応をより促進させて行っ
てもよい。
板401と半透明膜402との境界部分に安定層403
を形成、または安定化領域403′を形成しているた
め、露光光照射で膜質が変化することなく安定した性能
を維持することができ、第1の実施例と同様の効果が得
られる。また、本実施例においても、第1の実施例で説
明したように各種の変形が可能である。 (実施例5)図9は、本発明の第5の実施例に係わる露
光用マスクの製造装置を示す概略構成図である。この装
置は、露光用マスクに露光光を照射する部分と、露光用
マスクの透過率を測定する部分から構成されている。
ン501と透過率モニタエリア502が形成されてい
る。光照射装置(第1の光源)511から放射された光
は直線偏光フィルタ(偏光板)512を介し、露光用マ
スク500に照射される。なお、光照射装置511の光
源には低圧水銀ランプ,高圧水銀ランプ,Xe−Hgラ
ンプ,重水素ランプ等が用いられ、これらを露光用マス
ク500の半透明膜の吸収帯に合うよう選択すればよ
い。このとき、照射される方向は透明基板から半透明膜
の方向となるように、露光用マスク500は設置されて
いる。
りその中心部を回転の軸としてモータ513により回転
されており、これにより光照射装置511からの光の均
一照射が可能となっている。ここで、本実施例では露光
用マスク500の4端を固定するようにしているが、周
辺を保持するものであればこれに限るものではない。本
実施例では同心円状で回転するものとしているが、偏心
して回転するものでもよく、さらに偏心と自転運動を同
時に行ってもかまわない。また、均一照射の観点から
は、マスク側ではなく光照射装置側を回転させるように
してもよい。
分は、次のように構成されている。即ち、露光波長のみ
発する透過率モニタ用光源(第2の光源)514から発
せられた光は、直線偏光フィルタ512と直交する方向
を持つ直線偏光フィルタ515を介して透過率モニタエ
リア502に照射される。そして、モニタエリア502
を通過した光は、直線偏光フィルタ515と同方向の直
線偏光フィルタ516を介して透過率受光部517に入
射される。この透過率受光部517はフォトダイオード
等の受光素子からなるもので、従ってモニタ用光源51
4の発光強度を一定にしておけば、フォトダイオードの
出力からモニタエリア502の透過率が測定される。な
お、透過率モニタ用光源側の直線偏光フィルタ515は
特に設けなくてもよい。
置511に供給されており、測定結果に応じて照射制御
部518を介し光照射装置511を制御するものとなっ
ている。具体的には、透過率受光部517により最適透
過率が得られた時点で、光照射装置511の放射を終了
するものとなっている。
1からの光照射によって、露光用マスク500の透明基
板と半透明膜との境界部分に前述した安定化層を形成、
又は半透明膜に安定化領域を形成することができ、露光
光照射に伴う半透明膜の光学定数変動を防止することが
できる。また、本実施例では透過率を測定する機構を設
けているが、直線偏光フィルタ512,515,516
を設け、光照射装置511からの光とモニタ用光源から
の光を分離しているので、露光用マスク500の透過率
を正確に測定することができる。さらに、測定された透
過率情報を光照射装置511にフィードバックしている
ので、露光用マスク500の最適透過率が得られる時点
で光の照射を停止できる利点がある。 (実施例6)図10は、本発明の第6の実施例に係わる
露光用マスクの製造装置を示す概略構成図である。基本
的な構成は第5の実施例と同様であるが、この実施例で
は安定化のための光と透過率測定のための光とを区別す
るために、直線偏光フィルタを用いる代わりに波長の違
いを利用している。
ン601と透過率モニタエリア602が形成されてい
る。光照射装置(第1の光源)611から放射された光
は波長限定するためのフィルタ612を介し、半透明膜
の赤外吸収帯の少なくとも一部を含む波長を持つ光が露
光用マスク600に照射される。なお、光照射装置61
1の光源には低圧水銀ランプ,高圧水銀ランプ,Xe−
Hgランプ,重水素ランプ等が用いられ、これらを露光
用マスク600の半透明膜の吸収帯に合うよう選択すれ
ばよい。この際、照射される方向は透明基板から半透明
膜の方向となるように、露光用マスク600は設置され
ている。
りその中心部を回転の軸としてモータ613により回転
されており、これにより光照射装置611からの光の均
一照射が可能となっている。ここで、本実施例では露光
用マスク600の4端を固定するようにしているが、周
辺を固定するものであればこれに限るものではなく、第
5の実施例で説明したように種々の変形が可能である。
分は、次のように構成されている。即ち、露光波長のみ
発する透過率モニタ用光源(第2の光源)614から発
せられた光は、透過率モニタエリア602に照射され、
このモニタエリア602を通過した光は透過率受光部6
17に入射される。この透過率受光部617は光センサ
からなるもので、従ってモニタ用光源614の発光強度
を一定にしておけば、光センサの出力からモニタエリア
602の透過率が測定される。
置611からの光とモニタ用光源614からの光とを区
別するために、波長選択性を有するものが望ましい。具
体的には、分光機能が付加されたフォトマルチプライヤ
或いはフォトダイオードを用いればよい。また、波長選
択性を有しない光センサを用いる場合、光センサの入力
側に光照射装置611からの光をカットしモニタ用光源
614からの光を透過するフィルタを配置すればよい。
置611に供給されており、測定結果に応じて照射制御
部618を介し光照射装置611を制御するものとなっ
ている。具体的には、透過率受光部617により最適透
過率が得られた時点で、光照射装置611の放射を終了
するものとなっている。
1からの光照射によって、露光用マスク600の透明基
板と半透明膜との境界部分に前述した安定化層を形成、
又は半透明膜に安定化領域を形成することができ、露光
光照射に伴う半透明膜の光学定数変動を防止することが
できる。また、本実施例では透過率を測定する機構を設
けているが、波長の違いを利用して安定化用の光と透過
率モニタ用の光とを分離しているので、露光用マスク6
00の透過率を正確に測定することができる。さらに、
測定された透過率情報を光照射装置611にフィードバ
ックしているので、露光用マスク600の最適透過率が
得られる時点で光の照射を停止できる利点がある。 (実施例7)図11は、本発明の第7の実施例に係わる
露光用マスクの製造装置を示す概略構成図である。基本
的な構成は第6の実施例と同様であるが、この実施例で
は安定化のための光と透過率測定のための光とを区別す
るために、各々の光を照射する時間をずらしている。
ン701と透過率モニタエリア702が形成されてい
る。光照射装置(第1の光源)711から放射された光
はシャッタ712を介し、周期的に露光用マスク700
に照射される。なお、光照射装置711の光源には低圧
水銀ランプ,高圧水銀ランプ,Xe−Hgランプ,重水
素ランプ等が用いられ、これらを露光用マスク700の
半透明膜の吸収帯に合うよう選択すればよい。また、光
照射装置に周期的に発光するレーザ、例えばKrFエキ
シマレーザなどを用いればシャッタ712は不要であ
る。この際、照射される方向は透明基板から半透明膜の
方向となるように、露光用マスク700は設置されてい
る。
りその中心部を回転の軸としてモータ713により回転
されており、これにより光照射装置711からの光の均
一照射が可能となっている。ここで、本実施例では露光
用マスク700の4端を固定するようにしているが、周
辺を固定するものであればこれに限るものではなく、第
5の実施例で説明したように種々の変形が可能である。
分は、次のように構成されている。即ち、露光波長のみ
発する透過率モニタ用光源(第2の光源)714から発
せられた光は、シャッタ715を介して周期的に透過率
モニタエリア702に照射され、このモニタエリア70
2を通過した光は透過率受光部717に入射される。こ
のとき、光照射装置714から光が照射されない時期に
透過率モニタ用光源714からの光が透過率モニタエリ
ア702に照射されるようにシャッタ715は制御され
ている。なお、透過率モニタ用光源714に周期的に発
光するレーザ、例えばKrFエキシマレーザなどを用
い、かつ光照射装置711の照射時期からずらした時期
に透過率モニタ用光源から照射できればシャッタ715
は不要である。透過率受光部717は光センサからなる
もので、従ってモニタ用光源714の発光強度を一定に
しておけば、光センサの出力からモニタエリア702の
透過率が測定される。
置711に供給されており、測定結果に応じて照射制御
部718を介し光照射装置711を制御するものとなっ
ている。具体的には、透過率受光部717により最適透
過率が得られた時点で、光照射装置711の放射を終了
するものとなっている。
1からの光照射によって、露光用マスク700の透明基
板と半透明膜との境界部分に前述した安定化層を形成、
又は半透明膜に安定化領域を形成することができ、露光
光照射に伴う半透明膜の光学定数変動を防止することが
できる。
を設けているが、シャッタ712,715を設け光照射
の時期をずらすことにより、安定化用の光と透過率モニ
タ用の光とを分離しているので、露光用マスク700の
透過率を正確に測定することができる。さらに、測定さ
れた透過率情報を光照射装置711にフィードバックし
ているので、露光用マスク700の最適透過率が得られ
る時点で光の照射を停止できる利点がある。
ニタする機構が設けられているが、この代わりに分光エ
リプソにより反射光をモニタし得られる半透明膜の屈折
率n、消衰係数kから透過率及び位相差を求め終点判別
を行う機構が設置されていてもよい。 (実施例8)本実施例記載の製造装置並びに製造方法に
より得られた振幅透過率24.5%、位相差180度の
ハーフトーン型位相シフトマスクを用い、露光光源にK
rFレーザを用いて0.3μmのホールパターンの転写
結果を評価したところ、1.5μmの焦点深度を得るこ
とができた。また、同一のマスクを500ロットを照射
した時点で再度転写結果を評価したところ、焦点深度は
1.5μmとマスク作製時の性能をそのまま維持するこ
とができた。
00ロットを照射した時点で露光光照射並びに経時変化
により成膜時の振幅透過率24.5%、位相差180度
から振幅透過率26.5%、位相差170度へと大きく
変動し、この結果、焦点深度は0.8μmとマスク作製
時の性能を大幅に劣化させていることが分かった。この
結果、本実施例の記載の製造装置並びに製造方法により
作製されたハーフトーン型位相シフトマスクを用いるこ
とにより、デバイスへの適用範囲が大きく広がった。な
お、本発明は上述した各実施例に限定されるものではな
く、その要旨を逸脱しない範囲で、種々変形して実施す
ることができる。
光光照射に対する半透明膜の不安定さを、予め透明基板
側から半透明膜に放射線を照射させることによって安定
させ、これまで回避不可能であった透過率変動を防ぐこ
とが可能となるハーフトーン型位相シフトマスクとその
製造方法を実現することが可能となる。
を示す断面図。
を示す断面図。
を示す断面図。
を示す断面図。
を示す断面図。
を示す断面図。
を示す断面図。
を示す断面図。
を示す概略構成図。
置を示す概略構成図。
置を示す概略構成図。
変化を示す特性図。
変化を示す特性図。
変化を示す特性図。
の組成を変えたときに得られる屈折率nと消衰係数kと
の関係を示す特性図。
の組成を変えたときに得られる屈折率nと消衰係数kと
の関係を示す特性図。
の組成比を変えたときに得られる屈折率nと消衰係数k
との関係を示す特性図。
ーザとしAlOの組成比を変えたときに得られる屈折率
nと消衰係数kとの関係を示す特性図。
TiOの組成比を変えたときに得られる屈折率nと消衰
係数kとの関係を示す特性図。
の組成比を変えたときに得られる屈折率nと消衰係数k
との関係を示す特性図。
に得られる屈折率nと消衰係数kとの関係を示すもの
で、特に酸素添加、光照射により変化する(n,k)曲
線を示す特性図。
線としSiNの組成比を変えたときに得られる屈折率n
と消衰係数kとの関係を示す特性図。
Claims (7)
- 【請求項1】透光性基板上に所望パターンに形成された
半透明膜と、前記半透明膜の前記透光性基板と接する領
域に形成され、露光光の照射に伴う半透明膜の物性変動
を防止するための安定化層とを具備するハーフトーン型
位相シフトマスクであって、 前記安定化層は、放射線照射する工程、放射線放射しな
がら酸化する工程、又は高温加熱中に放射線放射しなが
ら酸化する工程によって形成され、かつ前記安定化層の
ダングリングボンド密度が前記半透明膜の安定化層以外
の領域に比べ相対的に低いことを特徴とするハーフトー
ン型位相シフトマスク。 - 【請求項2】透光性基板上に所望パターンに形成された
半透明膜と、前記半透明膜の前記透光性基板と接する領
域又は半透明膜の少なくとも表面部分に形成され、露光
光の照射又は時間経過に伴う半透明膜の物性変動を防止
するための改質領域とを具備するハーフトーン型位相シ
フトマスクであって、 前記改質領域は、放射線照射する工程、放射線放射しな
がら酸化する工程、又は高温加熱中に放射線放射しなが
ら酸化する工程によって形成され、かつ前記改質領域の
ダングリングボンド密度が前記半透明膜の改質領域以外
の領域に比べ相対的に低いことを特徴とするハーフトー
ン型位相シフトマスク。 - 【請求項3】透光性基板上に半透明膜を形成する工程
と、前記半透明膜上に感光性樹脂膜を形成する工程と、
前記感光性樹脂膜を放射線又は荷電粒子線により露光し
て感光性樹脂パターンを形成する工程と、前記感光性樹
脂パターンをマスクに前記半透明膜の露出している部分
を除去する工程と、前記感光性樹脂パターンを除去する
工程とを含むハーフトーン型位相シフトマスクの製造方
法において、 前記感光性樹脂膜を形成する工程より前又は前記感光性
樹脂パターンを形成する工程より後に、前記半透明膜の
露光波長における吸収帯に含まれる波長の光又は前記半
透明膜の赤外域における吸収帯を含む赤外光を、透光性
基板側より半透明膜に照射することによって、 前記半透明膜の前記透光性基板と接する領域に前記半透
明膜のダングリングボンド密度が相対的に低い安定化層
を形成し、露光光の照射に伴う半透明膜の物性変動を防
止させたことを特徴とするハーフトーン型位相シフトマ
スクの製造方法。 - 【請求項4】透光性基板上に半透明膜を形成する工程
と、前記半透明膜上に感光性樹脂膜を形成する工程と、
前記感光性樹脂膜を放射線又は荷電粒子線により露光し
て感光性樹脂パターンを形成する工程と、前記感光性樹
脂パターンをマスクに前記半透明膜の露出している部分
を除去する工程と、前記感光性樹脂パターンを除去する
工程とを含むハーフトーン型位相シフトマスクの製造方
法において、 前記感光性樹脂膜を形成する工程より前又は前記感光性
樹脂パターンを形成する工程より後に、 放射線照射する工程、放射線放射しながら酸化する工
程、又は高温加熱中に放射線放射しながら酸化する工程
を行うことによって、前記半透明膜の前記透光性基板と
接する領域又は半透明膜の表面にダングリングボンド密
度が相対的に低い改質領域を形成し、半透明膜の物性値
の経時変化ならびに露光光の照射に伴う物性変動を防止
させたことを特徴とするハーフトーン型位相シフトマス
クの製造方法。 - 【請求項5】前記半透明膜は、改質時の複素屈折率の変
化を考慮し、成膜時における半透明膜の複素屈折率を所
望の透過率と位相差を満足する複素屈折率と異なる値に
設定し、前記放射線照射する工程、放射線放射しながら
酸化する工程、又は高温加熱中に放射線放射しながら酸
化する工程を行うことにより、複素屈折率を所望の透過
率と位相差を満足する値に調整されるようにしたことを
特徴とする請求項4記載のハーフトーン型位相シフトマ
スクの製造方法。 - 【請求項6】光透過率,光反射率,複素屈折率,膜厚変
化及び位相差の少なくとも一つをモニタすることで、前
記放射線照射する工程、放射線放射しながら酸化する工
程、又は高温加熱中に放射線放射しながら酸化する工程
を制御することを特徴とする請求項5記載のハーフトー
ン型位相シフトマスクの製造方法。 - 【請求項7】前記放射線照射する工程、放射線放射しな
がら酸化する工程、又は高温加熱中に放射線放射しなが
ら酸化する工程が、複素屈折率及び膜厚から透過率,位
相差を算出し、この値に基づき制御されるようにしたこ
とを特徴とする請求項5記載のハーフトーン型位相シフ
トマスクの製造方法。
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