JP3253578B2 - 電動式パワーステアリング装置 - Google Patents

電動式パワーステアリング装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電動式パワーステア
リング装置に関し、特に減速兼動力伝達機構を構成する
歯車の騒音の低減を図ることのできる電動式パワーステ
アリング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】車両の電動式パワーステアリング装置と
して、補助操舵トルクとなる電動モータの回転出力を減
速して操舵機構の出力軸に伝達し、ステアリングホイー
ルに印加された手動操舵力を補助して、車輪の操舵を行
うものが知られている。減速兼動力伝達機構としては各
種歯車装置が好適に用いられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、減速兼動力
伝達機構としてウォームギヤー機構を用いた場合には、
ウォームとウォームホイールの歯面間に適度なバックラ
ッシュを設定する必要がある。即ち、かかるバックラッ
シュが小さすぎれば、噛合する歯同士が競り合いを起こ
し、作動トルクが重くなってハンドル戻りが悪くなる。
また、ウォーム及びウォームホイールの加工精度を相当
向上させねばならず製造コストが増大する。
【0004】これに対し、バックラッシュをある程度大
きくすると、歯同士の競り合い等は生じなくなり、また
ウォームギヤー機構において一方向に動力が伝達されて
いる場合には、これでも特に大きな問題は生じない。と
ころが、電動式パワーステアリング装置においては、ス
テアリングホイールの操舵状況に応じて、あるいは車輪
を介して路面から入力される振動等に基づき、動力の伝
達方向が反転することがある。このように動力の伝達方
向が反転すると、ウォーム又はウォームホイールの今ま
で当接していた歯面の裏側の歯面が、バックラッシュ分
だけ急に移動して相手の歯面に衝接し、比較的大きな叩
き音が生ずる。かかる叩き音は、噛み合うギヤの材質、
剛性によっても音質が変化し、またバックラッシュが大
きいほど大きくなる傾向にある。特に鉄系のギヤー同士
では、叩き音は耳障りな衝撃音となって、運転者に不快
感を与える。
【0005】このような叩き音はウォーム及びウォーム
ホイールの歯面間のバックラッシュを小さくすれば低減
できるが、その場合には上述の問題が生ずる。また、ウ
ォーム及びウォームホイールの一方を樹脂製にすること
によりある程度低減させることができるが、十分に消し
去ることはできず、またその場合にも低周波のこもり音
が生ずる恐れもある。
【0006】そこで本願発明は、かかる問題点に鑑み、
簡素な構成であるにも関わらず、減速兼動力伝達部にお
ける叩き音の発生を減少させることのできる電動式パワ
ーステアリング装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成すべく、
本願発明の電動式パワーステアリング装置は、ハウジン
グと、前記ハウジングに回転軸と同軸的に配設されて
り付けられ、回転軸に補助操舵力を発生するモータ
と、前記回転軸を回転自在に支持する軸受と、その軸方
向の移動により車輪に操舵力を伝達する出力軸と、前記
回転軸に連結された第1の歯車及び前記出力軸に連結さ
れ前記第1の歯車に噛合する第2の歯車を有し、前記モ
ータの補助操舵力を前記出力軸に伝達する歯車機構と、
からなり、前記回転軸又は前記ハウジングと前記軸受と
の間に弾性体が介装され、前記軸受には前記回転軸又は
前記ハウジングと滑動する部位にブッシュが嵌装され、
前記第1の歯車と前記第2の歯車の歯面同士が当接した
ときには、前記弾性体を変形させ前記ハウジングに対し
て前記ブッシュを介して前記回転軸を軸線方向に移動さ
せることを特徴とする。
【0008】
【作用】本願発明の電動式パワーステアリング装置によ
れば、前記第1の歯車と第2の歯車の歯面同士が当接し
たときには、前記弾性体を変形させるとともにブッシュ
を介してハウジングに対して回転軸を軸線方向に移動さ
せるようになっているので、歯面同士の衝突を緩和し、
それにより歯面の叩き音を減少させることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本願発明による実施の形態
を図面を参照して以下に詳細に説明する。図1は、本願
発明の第1の実施の形態である電動式パワーステアリン
グ装置100の一部断面図であり、図2はその要部拡大
図である。図1において、電動式パワーステアリング装
置100は、水平に延在するチューブ90と、その左端
に配置されたハウジング10と、電動モータ30とを有
している。チューブ90は、ブラケット92により不図
示の車体に固定されている。ハウジング10内を、不図
示のステアリングホイールに連結された入力軸12が右
方から左方に延在し、チューブ90内で不図示のトーシ
ョンバーを介して左端が不図示の操舵機構に連結された
出力軸14の右端(不図示)に連結されている。出力軸
14の中央部は、2つの軸受16により回転自在に支持
されている。軸受16の外輪は軸受ホルダ18により支
持され、軸受ホルダ18はボルト20によりハウジング
10に対して固定されている。なお、軸受16の内輪を
押さえるべく、ロックナット22が出力軸14に螺合さ
れている。
【0010】電動モータ30はハウジング10と交差す
る方向(図1の紙面と垂直な方向)に配置されている。
この電動モータ30は、不図示のCPUに連結されてお
り、CPUからトルクセンサ(不図示)の出力や車速等
の情報を入力されて、適切な補助トルクを発生させる。
出力軸14の右端(不図示)近傍には、樹脂製のウォー
ムホイール24が相対回転不能に固着されている。電動
モータ30の回転軸32にはウォーム40が相対回転不
能に固着され、ウォームホイール24と噛合している。
【0011】図2(a)は、図1の電動式パワーステア
リング装置100のII−II矢視矢視図であり、図2
(b)はA部拡大図である。図2(a)において、電力
供給線41により駆動用電力を供給される電動モータ3
0の回転軸32には左端にセレーション部34が、右端
と左端寄りに各々支持部36L、36R及びフランジ部
38L、38Rが、両フランジ部間にウォーム40が各
々形成されている。セレーション部34が回転子(出力
軸)42のセレーション孔に係合しており、回転子42
と回転軸32とは一体的に回転する。各軸受50L、5
0Rは内輪52L、52Rと支持部36L、36Rとの
間に介装された断面L字形のブッシュ60L、60Rを
介して支持部に取り付けられている。
【0012】左方の軸受50Lは、ハウジング10の内
周面に取り付けた止め輪46を外輪54Lの左端面に当
接させることにより左方への移動を規制されている。図
2(b)に示すように、ブッシュ60Lのフランジ部6
4Lと回転軸32のフランジ部38Lとの間には弾性部
材としてゴム又は樹脂製のOリング48Lが介装されて
いる。即ち、フランジ部38Lの根本部には周溝49L
が形成され、その中にOリング48Lが装着されてい
る。なおOリング48L、48R及びブッシュ60L、
60Rは軸受50L、50Rとハウジング10との間に
介装しても良い。
【0013】左方のブッシュ60Lは図2(a)に示す
ように、円筒状の取付部62Lと、その一端から半径方
向外向きに延びるフランジ部64Lとから成って、断面
L字形(片つばタイプ)とされている。取付部62Lは
内輪52Lの幅とほぼ同じ幅とされ、フランジ部64L
は内輪52Lの高さ(厚さ)とほぼ同じ高さとされてい
る。ブッシュ60Lには図3に示すように円筒部の所定
長さにわたって軸方向にスリット66Lが形成され、変
形能を増している。なお、ブッシュ60Lは鋼板(スチ
ール)の一面(支持部36Lと接触する面)にテフロン
をコーティグして成り、圧入によって図示の位置に装着
された。この事情は右方の軸受50Rについてもほぼ同
様であるので、対応する部材、要素にはLに代わりにR
を付して示し、詳しい説明は省略する。なお、ブッシュ
60Lのフランジ部64Lと回転軸32のフランジ38
Lとの間のギャップはΔ1とされ、フランジ部64Rと
フランジ38Rとの間のギャップはΔ2(Δ1≒Δ2)
とされている。
【0014】また、Oリングは48L、48Rは、ある
程度撓んだ状態で軸受50L、50Rとフランジ部38
L、38Rとの間に配置されているので、軸受50L、
50Rには軸方向に所定の予圧が与えられ、それにより
回転軸32は、軸線方向にガタがないように支持されて
いる。更に、ウォーム40からウォームホイール24に
通常の操舵補助力が伝達された場合に、一方のOリング
48Lが撓んで回転軸が一方向に最大限移動しても、他
方のOリング48Rの撓みが残存するように、その撓み
量が設定されている。
【0015】また、右方の軸受50Rの右側には外輪5
2Rの右端面に当接する押さえ板70が取り付けられ、
雄ねじ部72にナット74を螺合することにより、軸受
50Rによる回転軸32の右端の支持を補強している。
上記ギャップΔ1、Δ2は雄ねじ部72を回転させ押さ
え板70を介して軸受50Rを押圧することにより調整
される。
【0016】次に、本実施の形態の動作につき以下に説
明する。車両が直進状態にあり、図示しないステアリン
グホイールを介して、入力軸12に操舵力が入力されて
いないとすると、不図示のトルクセンサは出力信号を発
生せず、従って電動モータ30は補助操舵力を発生しな
い。車両がカーブを曲がろうとするときに運転者が不図
示のステアリングホイールを操舵すると、操舵力に応じ
てトーションバー(不図示)がねじれ入力軸12と出力
軸14との間で相対回動が発生する。トルクセンサは、
この相対回動の方向および量に応じて信号をCPU(不
図示)に出力し、この信号に基づき電動モータ30はC
PUに制御され、補助操舵力を発生する。かかる電動モ
ータ30の回転は、ウォームギヤー機構により減速され
て出力軸14に伝達される。
【0017】ところで、車両の幅寄せ等を行う際にステ
アリングホイールを一方向に切った後、直ちに逆方向に
切るような場合には、動力伝達の方向が急激に逆転し、
バックラッシュ分だけ離隔しているウォーム34とウォ
ームホイール24の歯面同士が衝接する。また、走行時
に車輪から伝わる振動により歯面同士が衝接する場合も
ある。しかるに、本実施の形態によれば、回転軸32を
ブッシュ60L、60Rを介して軸受50L、50Rに
より支持して軸線方向に移動した上で、ウォームギヤー
の歯面間に生ずる衝撃力を、Oリング48L、48Rを
撓ませて、回転軸32を軸線方向に移動させることによ
り緩和させ、それにより叩き音を低減させることができ
る。これに対して、軸受50L、50Rとの間に弾性体
48L、48Rのみ介装してブッシュ60L、60Rを
配置しない場合は、回転軸32が軸方向に移動し易いと
は言い難い。
【0018】以下、本発明の別の実施の形態について順
次説明する。図4に示す第2の実施の形態が上述した第
1の実施の形態と異なる点は、弾性体の構成にある。よ
り具体的には、軸受60Lと回転軸32のフランジ38
Lとの間、及び軸受50Lとフランジ38Rとの間に、
弾性部材110L、110Rを介装させている。なお、
双方の弾性部材110L、110Rは同一物であってウ
ォーム40に関して対称に配置されているにすぎないの
で、図4(b)をもとに左方の弾性部材110Lのみを
詳細に説明する。弾性部材110Lは、回転軸32に嵌
合する円筒部材112Lと、ブッシュ60Lのフランジ
部62Lに当接するフランジ部114Lと、円板部11
6Lとを有しており、フランジ114Lと円板部材11
6Lとを弾性部118Lにより連結してなる。弾性部1
18Lの一部は円筒部材112Lの内面に沿って薄く軸
線方向に延在し、円筒部材の端部において軸線方向に厚
さの薄い薄厚部119Lを形成している。
【0019】弾性部材110Lは、組み付けた状態にお
いて回転軸32のフランジ38Lに円板部116Lを当
接させ、ブッシュ60Rのフランジ部64Lを介してフ
ランジ部114Lを軸受50Lの内輪52Lに当接させ
ており、軸受50Lとフランジ38Lとを近接する方向
に押圧することにより、弾性部118L即ち軸受50L
に一定の予圧を与えている。組付け状態において、フラ
ンジ38Lと薄厚部119Lとの間は、距離L3だけ離
隔している。
【0020】図5は、弾性部材110L、110Rを回
転軸32に組み込んで、軸受50L、50Rに軸線方向
に荷重を与えた場合の回転軸32の変位量を示す特性図
である。変位量及び荷重が負の場合は、回転軸32が左
方に向かう力を受けて左方に変位したことを示し、変位
量及び荷重が正の場合は、回転軸32が右方に向かう力
を受けて右方に変位したことを示す。説明の都合上、回
転軸32は左方に変位するものとする。図5において明
らかなように、変位量がL3を超えると荷重が極端に上
昇する。この理由は、変位量がL3までは、弾性部材1
10L等の弾性部118L等のみが弾性変形するが、変
位量L3を超えると、薄厚部119L等がフランジ38
L等に当接し、これにより単位変位量に対する荷重が急
激に増加するためである。
【0021】本実施の形態において、不図示の車輪から
入力される振動等に基づき、回転軸32へ入力される荷
重は比較的小さいため、回転軸32が図5に示す領域S
の範囲で軸線方向に変位するに過ぎない。従って、弾性
部材110L、110Rの薄厚部119L等は、フラン
ジ38L等に当接しないため、弾性部材110L、11
0Rの剛性は小さく、歯打音低減の効果が大きい。これ
に対し、モータ30側から入力される荷重が大きくて、
回転軸32の変位量がL3を超えると、薄厚部119L
等がフランジ38L等に当接し、回転軸32のそれ以上
の変位を抑えようとする。これにより、回転軸32と軸
受50L、50Rとの間の摩擦量や、モータの結合スプ
ライン部24の摩耗を抑えることができる。また、ウォ
ーム40が軸線方向に逃げることを防止して、制御応答
性を向上させることもできる。
【0022】図6は、本願発明の第3の実施の形態を示
す。第3の実施の形態が、上記第2の実施の形態と異な
る点は回転軸及び弾性体の構成にあり、図6(a)に示
すように、回転軸32にはフランジ部38L、38Rに
隣接して大径部39L、39Rが形成されている。図6
(b)に示すように軸受50Lと回転軸32のフランジ
38Lとの間に介装された左方の弾性部材120Lは、
回転軸の支持部36L上に配置された小径孔円板部12
2Lと、大径部39Lの外周に配置された大径孔円板部
124Lとを有し、両者を弾性部126Lにより連結し
てなる。弾性部126Lの一部は、小径孔円板部122
Lの側面に沿って薄く半径方向に延在し、小径孔円板部
122Lと大径部124Lとの間に厚さの薄い薄厚部1
28Lを形成している。弾性部材120Lは、組付け状
態において回転軸32のフランジ38Lに大径孔円板部
124Lを当接させ、軸受50Lの内輪52Lにブッシ
ュ60Lのフランジ部64Lを介して小径孔円板部12
2Lを当接させており、弾性部126Lに一定の予圧を
与えている。フランジと薄厚部との間は、距離L4だけ
離隔している。
【0023】上記第2の実施の形態と同様に、回転軸3
2の変位量がL4までは弾性部材120Lの弾性部12
6Lのみが弾性変形するようになっているが、変位量L
4を超えると薄厚部128Lが大径部39Lに当接し、
それにより単位変位量に対する荷重が急激に増加する。
本実施の形態においては、上記第2の実施の形態の効果
に加えて、図6(b)に示すように、弾性部材120L
の小径孔円板部122Lの孔は回転軸32の大径部39
Lの外径より小径であり、これを大径部39Lの外周に
組み込むことはできない。従って、弾性部材120Lの
組込方向を誤って回転軸32の外周に配置する誤組を防
止することができる。
【0024】次に、本発明の更に別の実施の形態につい
て説明する。これらは、上記断面L字形のブッシュの形
状に改良を加えたものである。即ち、前述したように
(図6参照)、断面L字形のブッシュ60L、60Rは
その円筒部62L、62Rを内輪52L、52Rの内周
面に圧入することにより、軸受50L、50Rに装着さ
れる。しかし、圧入荷重を確保するためにブッシュ60
L、60Rの肉厚を厚くすると、その分だけ軸受50
L、50Rの半径方向、軸方向寸法が大きくなる。その
結果、軸受の製造コストが増加するとともに、軸受の配
置スペースもその分余計に必要となる。さりとて、断面
L字形のブッシュ60L、60Rの肉厚をうすくする
と、回転軸32が軸方向に移動する際ブッシュのフラン
ジ部64L、64Rに力が加わり変形、破損することが
ある。また、ブッシュ60L、60Rの円周方向の剛性
がフランジ部のある側とない側とで異なるので、ブッシ
ュを軸受50L、50Rに装着するのみではその内径寸
法が安定せず、ウォーム40の軸径を選択して組み付け
る必要があった。また、スリット66L(図3参照)を
軸方向と平行に形成した場合には、スリット66Lの幅
が大きいと、ブッシュ60Lと回転軸32とのすきまを
小さく設定しても、スリット部分にすきまが生じてウォ
ーム40とウォームホイール24との間で打音が生ずる
ことがあった。
【0025】以上を考慮して、以下の実施の形態では、
ブッシュを断面U字形状(両つばタイプ)とするととも
に、スリットはブッシュの軸方向に対して一定の角度を
なすようにした。即ち、図7及び図8に示すように、ブ
ッシュ130L、130Rは鋼(スチール)製の基板1
31L、131R上の内輪52L、52R側の表面全体
にテフロン層133L、133Rをコーティングしてな
り、回転軸32の支持部36L、36Rと軸受50L、
50Rの内輪52L、52Rとの間に位置する円筒部1
32L、132Rと、その両端から半径方向外向きに延
びるフランジ部134L、134R;136L、136
Rとを有する。外方のフランジ部136L、136R及
び内方のフランジ部134L、134Rとも内輪52
L、52Rの高さと同程度の高さとされ、内方のフラン
ジ部134L、134Rは弾性部材120L、120R
の小径孔円板部122L、122Rと内輪52L、52
Rとの間に介装されている。
【0026】ブッシュ130L、130Rは図9(a)
に示すように、フランジ状の第1部分131Lと円筒状
の第2部分133Lとから成る断面L字形の板材135
Lを用意しておき、軸受50Lの内輪52Lをその外周
面にセットした後図9(b)に示すように第2部分13
3Lの先端部137Lを第1部分131Lと同方向にか
つこれと平行となるように折り曲げて形成したものであ
る。なお、スリット142Lはブッシュ130Lの軸線
方向に対して斜めになる(一定の角度をなす)ように形
成されている。
【0027】この実施の形態によれば、上記図6に示し
た実施の形態に加えて、以下の利点が得られる。即ち、
ブッシュ130L、130Rは両端部にフランジ部13
4L、134R;136L、134Rが形成され、左右
端部の剛性がバランスされているので、円筒部132
L、134Rにテーパ(厚さのばらつき)が発生するこ
とが防止される。また、両側のフランジ部134L、1
34R;136L、136Rを内輪52L、52Rの端
面に当接させているので、回転軸32が左右何れの方向
に移動する際にもブッシュ130L、130Rが装着位
置からずれたり、フランジ部が変形、破損することが防
止される。さらに、スリット142L、142Rを斜め
方向に形成したことにより、ブッシュ130L、130
Rと回転軸32との間のガタ感がなくなり、適正なすき
ま管理が容易となる。
【0028】なお、上記第4の実施の形態のブッシュに
代えて、回転軸32が軸方向に移動し易くするための工
夫をウォーム40とウォームホイール24との間に設け
ても良い。例えば、図7においてブッシュ130L、1
30Rを除去して、その代わりにウォーム40の歯面に
摩擦係数の小さい材質の金属や合成樹脂をコーティング
しても良い。このようにすれば、ブッシュ130L、1
30Rが不要となる他、コーティングでは層の厚さの管
理が容易なためウォーム40の外径寸法が安定し、ウォ
ームホイール24との間に適正な軸すきまが設定でき、
ウォーム40とウォームホイール24との接触による錆
の発生が防止される。本発明はこの他にも、その趣旨を
損ねない範囲内で適宜変更、改良が可能であり、例えば
第1、第2の歯車は平歯車等、他の種類の歯車でも良
い。
【0029】
【発明の効果】以上述べてきたように、本発明によれ
ば、モータの回転軸(ハウジングに対して軸受により支
持される)に取り付けた第1の歯車と転舵装置に連結さ
れた出力軸に取り付けた第2の歯車との間で減速して駆
動力を伝達するにあたり、軸受と回転軸又はハウジング
との間に弾性体を介装するとともに、軸受と回転軸又は
ハウジングとの間にブッシュを介装した。その結果、第
1の歯車と第2の歯車の歯面同士が当接したとき、弾性
体の弾性変形及びブッシュの摺動性により回転軸をスム
ーズに軸方向に移動させることができ、これにより歯面
同士の衝突を緩和して歯面の叩き音の発生を防止できる
効果が奏される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の対象となる電動パワーステアリング装
置の全体を示す概観図(一部破断)である。
【図2(a)】本発明の第1の実施の形態を示し、図1
におけるII−II矢視断面図である。
【図2(b)】図2(a)のA部拡大図である。
【図2(c)】図2(a)のB部拡大図である。
【図3】図2(a)の要部拡大図である。
【図4(a)】本発明の第2の実施の形態を示す正面図
(一部破断)である。
【図4(b)】図4(a)のC部拡大図である。
【図5】第2の実施の形態の作用効果を説明するための
グラフである。
【図6(a)】本発明の第3の実施の形態を示す正面図
(一部破断)である。
【図6(b)】図6(a)のD部拡大図である。
【図7】本発明の第4の実施の形態を示す正面図(一部
破断)である。
【図8】図7の要部拡大図である。
【図9(a)】本発明の第4の実施の形態に用いるブッ
シュの製造過程を説明するための説明図である。
【図9(b)】本発明の第4の実施の形態に用いるブッ
シュの製造過程を説明するための説明図である。
【符号の説明】
10 ハウジング部 12 入力軸 14 出力軸 24 ウォーム 30 モータ 32 回転軸 40 ウォームホイール 50L、50R 軸受 48L、48R;110L、110R;120L、12
0R 弾性部材 60L、60R;130L、130R ブッシュ
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−214054(JP,A) 特開 平5−338543(JP,A) 特開 平10−281235(JP,A) 実開 平3−73752(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B62D 5/04 F16H 1/16

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ハウジングと、 前記ハウジングに回転軸と同軸的に配設されて取り付け
    られ、回転軸に補助操舵力を発生するモータと、 前記回転軸を回転自在に支持する軸受と、 その軸方向の移動により車輪に操舵力を伝達する出力軸
    と、 前記回転軸に連結された第1の歯車及び前記出力軸に連
    結され前記第1の歯車に噛合する第2の歯車を有し、前
    記モータの補助操舵力を前記出力軸に伝達する歯車機構
    と、からなり、 前記回転軸又は前記ハウジングと前記軸受との間に弾性
    体が介装され、前記軸受には前記回転軸又は前記ハウジ
    ングと滑動する部位にブッシュが嵌装され、前記第1の
    歯車と前記第2の歯車の歯面同士が当接したときには、
    前記弾性体を変形させ前記ハウジングに対して前記ブッ
    シュを介して前記回転軸を軸線方向に移動させることを
    特徴とする電動式パワーステアリング装置。
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