JP3253487B2 - 一部に上方側を開放した埋込材を持つコンクリートスラブ用基板、該基板を用いたコンクリートスラブの施工方法とその構築物 - Google Patents

一部に上方側を開放した埋込材を持つコンクリートスラブ用基板、該基板を用いたコンクリートスラブの施工方法とその構築物

Info

Publication number
JP3253487B2
JP3253487B2 JP13000395A JP13000395A JP3253487B2 JP 3253487 B2 JP3253487 B2 JP 3253487B2 JP 13000395 A JP13000395 A JP 13000395A JP 13000395 A JP13000395 A JP 13000395A JP 3253487 B2 JP3253487 B2 JP 3253487B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
substrate
concrete slab
concrete
embedding material
piping
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP13000395A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH08326198A (ja
Inventor
照麿 永井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Kasei Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Kasei Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sekisui Kasei Co Ltd filed Critical Sekisui Kasei Co Ltd
Priority to JP13000395A priority Critical patent/JP3253487B2/ja
Publication of JPH08326198A publication Critical patent/JPH08326198A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3253487B2 publication Critical patent/JP3253487B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Panels For Use In Building Construction (AREA)
  • Manufacturing Of Tubular Articles Or Embedded Moulded Articles (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、構築物のコンクリート
スラブ内部へ、電気配線や電話配線等のシールドとして
用いられる合成樹脂製電線管(CD管)や給水、給湯用
管路等のためのさや管等の種々の設備用配管を容易に敷
設することを可能とするコンクリートスラブ用基板、該
基板を用いたコンクリートスラブの施工方法、及び該基
板を持つ構築物に関する。
【0002】
【従来の技術】最近のコンクリート系集合住宅の床構造
体は経済性等の観点から直床、直天井仕上げが一般的と
なっており、種々の設備用の配管はコンクリートスラブ
内部に直接埋設されるようになっている。一方、コンク
リートスラブの施工法として、軽量化、遮音効果を向上
させる目的で、図5に示すように、例えば発泡ポリスチ
レンのような合成樹脂発泡成形品からなる内部に中空部
を持つ埋込材1を、トラス筋2を備えたコンクリート基
板3上に、所定の間隔で複数個、コンクリートが未硬化
の養生過程中に配設して係止具により係止し、コンクリ
ートの硬化により埋込材1をコンクリート基板3に定着
固定した中空コンクリートスラブ用基板Aを用い、この
コンクリートスラブ用基板Aを建築施工現場に搬入し
て、図6に示すように必要個数、躯体の梁B、B間に配
置し、スラブ上端筋4等を取り付けた後、現場打ちコン
クリートCを打設していわゆる中空コンクリートスラブ
CSを構築する施工法が広く行われている。図7、図8
は埋込材1の一例であり、天板部10と側壁部11と中
仕切り壁12とを持つ全体として箱状(矩形状)の形状
をなし、内部に一方側を解放した比較的大きな底面積を
持つ複数の中空部Sを有している(特公昭57−470
08号公報等参照)。この中空部Sは埋込材1の軽量化
及び材料節減の目的から設けられる。
【0003】そして、上記のような埋込材1を用いたコ
ンクリートスラブCSにおいて上記のような配管の埋設
工事を行うに当たっては、図9に示すように埋込材1と
埋込材1の間に形成される現場打ちコンクリート充填用
空間部SSに前記のような設備用配管Pを配置し、その
上から現場打ちコンクリートを打設する。そのために、
目標の2地点間に配管するのに迂回路を取ることが必然
となり、本来必要とされる距離以上の配管距離が必要と
なる。また、配管が占める容積だけ打設されるコンクリ
ート量が低減する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】コンクリートスラブ中
に埋設すべき配管の本数が少ない場合には、配管距離の
増大が施工コストに与える影響は小さく格別の問題はな
い。また、埋込材と埋込材の間の現場打ちコンクリート
充填用空間部に配管を配置してその上から現場打ちコン
クリートを打設しても、打設コンクリートは該空間内に
密に行きわたることができ、打設コンクリートの量の減
少も少ないことから、コンクリートスラブに顕著な断面
欠損を引き起こすこともない。
【0005】しかしながら、近年施工されるコンクリー
ト系集合住宅においては従来の電気や電話線のための配
管に加えて、衛星放送や有線放送等の配線、ホームセキ
ュリティ設備用配線のための配管、さらには給水、給湯
用管路等のさや管としての配管等の種々の配管をコンク
リートスラブ中に埋設するようになってきており、さら
に、各部屋ごとにそれぞれのコンセントを配設する傾向
にあることから、電気、水等の分配のための配管の必要
分岐数も増大し配管距離も増大しつつある。
【0006】そのために、図9に示すように、コンクリ
ート充填用空間部SSには多数本の配管Pが配置される
こととなり、現場打ちコンクリートの打設時に十分な注
意を払わないと該空間部SS内においてコンクリートが
密に侵入せず配管Pと配管Pとの間に空隙が形成される
場合がある。また、打設されるコンクリートの量も低減
することから、この面からも十分な施工管理が必要とさ
れる。さらに、多数本の配管を枡目状に形成されるコン
クリート充填用空間部を迂回しながら配置していくこと
は多くの作業を必要とし、また、配管距離も増大する。
【0007】中空部を持つ埋込材を全面に配置したコン
クリートスラブ用基板を敷設した現場での配管作業にお
いて、該埋込材を部分的に切除あるいは溝切り加工して
配管用の通路を作り、その通路を通して配管を行うこと
により配管距離を短くすることも一部行われているが、
中空部を持つ埋込材を切除あるいは溝切り加工した場合
には、その加工面が前記中空部に連通してしまうことが
生じ得、そのままの状態で現場打ちコンクリートを打設
すると、その加工面から中空部内に現場打ちコンクリー
トが侵入してその部分の重量が過大化する恐れがある。
それにより、コンクリートスラブとしての空隙率が低下
する。
【0008】本発明の目的は、合成樹脂発泡成形品から
なる埋込材を内部に持つコンクリートスラブ中に多数本
の設備配管を埋設する際に生じている上記のような問題
点を解消することにあり、特に、短い作業時間で多数の
配管を確実かつ容易に配置することが可能でありなが
ら、同時に高い空隙率を維持することを可能としたコン
クリートスラブ用基板及び該基板を用いたコンクリート
スラブの施工方法、そのようなコンクリートスラブ用基
板を持つ構築物を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めの本発明によるコンクリートスラブ用基板は、コンク
リート基板上に合成樹脂発泡成形品からなる埋込材が所
定の間隔で配置されてなるコンクリートスラブ用基板で
あって、該コンクリートスラブ用基板を用いてのコンク
リートスラブの構築時に配管の敷設が予定される箇所に
は、基板と該基板から突設した複数本の突起体とを持つ
上方側を開放した埋込材が配置されてなることを特徴と
する。
【0010】また、本発明は、上記のコンクリートスラ
ブ用基板を用いたコンクリートスラブの施工方法とし
て、配管が予定される部位には上記のコンクリートスラ
ブ用基板を敷設し、該突起体の間の空間を通過させて必
要な配管作業を行った後、突起体上に蓋を被せ、しかる
後、その上から現場打ちコンクリートを打設することを
特徴とするコンクリートスラブの施工方法を開示する。
【0011】また、本発明は、コンクリートスラブの基
板として上記したコンクリートスラブ用基板を持つ構築
物をも開示する。本発明において、前記上方側を開放し
た埋込材及びその上に被せる蓋の素材としては、合成樹
脂発泡体に限らず合成樹脂非発泡体も使用できる。ま
た、上方側を開放した埋込材を合成樹脂発泡成形品と
し、蓋を合成樹脂非発泡体による成形品としてもよい。
コンクリートスラブの軽量化のためには合成樹脂発泡成
形品であることが好ましい。
【0012】
【作 用】本発明によるコンクリートスラブ用基板によ
れば、コンクリートスラブの構築時に配管が予定される
箇所には、基板と該基板から突設した複数本の突起体と
を持つ上方側を開放した埋込材が予め配置され、他の部
分の埋込材には従来の標準的な中実又は中空部を持つ埋
込材が配置されている。工場で上記のコンクリートスラ
ブ用基板を製造するに当たっては、該上方側を開放した
埋込材の側面及び上面を覆うことのできる形状の蓋体が
別途製造され、コンクリートスラブ用基板と共にコンク
リートスラブ施工現場に搬入される。
【0013】作業者は、搬入されたコンクリートスラブ
用基板を設計図に従って梁間に敷設し、該上方側を開放
した埋込材の基板から突設している突起体の間の空間を
利用して必要な配管作業を行う。配管後、別途搬入され
た蓋体の側壁部分に配管の配置位置に対応して配管挿入
用の開口を開設し、該蓋体を上方側を開放した埋込材の
上方から被せて、その内部空間を封鎖する。
【0014】上方側を開放した埋込材のすべてに蓋をし
た後で、従来のコンクリートスラブ用基板の場合と同様
に、スラブ上端筋の取り付け等を行い、現場打ちコンク
リートを打設することにより、本発明によるコンクリー
トスラブは構築される。本発明によるコンクリートスラ
ブ用基板を敷設したコンクリートスラブにあっては、従
来のように、現場打ちコンクリート充填用空間部SSに
多くの本数の配管を集中配置することを避けることがで
き、現場打ちコンクリートとコンクリート基板との一体
化不足や該空間部内での設備配管に起因する空隙の発生
も回避できる。
【0015】特に、本発明のコンクリートスラブ用基板
においては、配管予定部分には予め配管用の空間が形成
されているので、配管作業はきわめて容易でありかつ不
必要に迂回させることなく配管作業を終えることができ
る。また、その空間を利用して複数本の配管を平行にあ
るいは交差して配置することもできる。配管後は、蓋体
により内部は密封されるので現場打ちコンクリートが配
管用空間に入り込むことはなく、施工後においても、コ
ンクリートスラブ全体としての空隙率は設計値通りの値
に維持される。
【0016】
【実施例】以下、実施例に基づき本発明をより詳細に説
明する。図1は、例えば図6に示されるように躯体の梁
B、B間にコンクリートスラブ用基板Aを配置した構築
物のコンクリートスラブCS部分の一例を模式的に示し
た平面図であり、この実施例においては、コンクリート
スラブ用基板Aが5枚(A1 〜A5 )配置されている。
そしてこのコンクリートスラブCSには、図示されるよ
うに配管用ボックスV1 が2番目のコンクリートスラブ
用基板A2 に取り付けられ、そこから3方の側壁に設け
たコンセント21、22、23に向けて、前記したよう
な電気用あるいは水用の種々の施設用配管P1、P2、
P3が配置されるような設計になっており、さらに4番
目のコンクリートスラブ用基板A4と5番目のコンクリ
ートスラブ用基板A5 にも配管用ボックスV2 、V3
取り付けられ、両配管用ボックスV2 とV3 とを配管P
4で接続するような設計となっている。以下、この設計
条件に従いコンクリートスラブを施工する場合を例にと
り本発明の一実施例を説明する。
【0017】この場合において、工場でコンクリートス
ラブ用基板A1 〜A5 を製造するに際して、以下の5種
類の異なった構造のものが用意される。この実施例にお
いては、図示されるように、施工現場での配管作業時
に、コンクリートスラブ用基板A1 においては、図1に
おいて右から3列目に位置する斜線で示される埋込材x
1〜x3部分を配管P2が通過する。従って、このコン
クリートスラブ用基板A1 の工場での製造に際しては、
斜線で示す埋込材x1〜x3の部分については、基板と
該基板から突設した複数本の突起体とを持つ上方側を開
放した埋込材1u(埋込材1uの詳細は後に説明する)
を配置固定し、他の部分には例えば図7、図8に示した
ような標準化された中空部を持つ埋込材1・・や中実の
埋込材(図示せず)を配置固定する。
【0018】コンクリートスラブ用基板A2 において
は、図示されるように右から3列目に位置する斜線で示
される2個の埋込材x4、x5部分と、埋込材x5の左
右に位置する4個の埋込材x6〜x9部分を配管P1、
P2、P3が通過する。従って、コンクリートスラブ用
基板A2 の製造に際しては、斜線で示す5個の埋込材x
5〜x9の部分については同様に上方側を開放した埋込
材1uを配置固定し、配管用ボックスV1 が取り付けら
れる部分(x4部分)には必要に応じて配管用ボックス
1 の形状にあわせて切削した形の埋込材1uを配置す
る。その他の部分には例えば図6、図7に示したような
標準化された中空部を持つ埋込材あるいは中実の埋込材
1・・を配置固定する。
【0019】コンクリートスラブ用基板A3 部分には、
図示されるように、配管が敷設される予定はない。従っ
て、コンクリートスラブ用基板A3 については、従来の
場合と同様、コンクリート基板の全面にわたって標準化
された中実又は中空部を持つ埋込材1・・を配置、固定
する。コンクリートスラブ用基板A4 においては、図示
されるように、右から4列目の上から2個の斜線で示す
埋込材x10、x11部分のみを配管P4が通過し、コ
ンクリートスラブ用基板A5 においては、右から3列目
の最下位の埋込材x12と右から2列目の中間の斜線で
示す2個の埋込材x13、x14部分のみを配管P4が
通過する。従って、コンクリートスラブ用基板A4 にお
いては、埋込材埋込材x10の部分については上方側を
開放した埋込材1uを配置固定し、またコンクリートス
ラブ用基板A5 においては、埋込材x12、x14の部
分については上方側を開放した埋込材1uを配置固定す
る。また、x11部分と埋込材x13部分には、必要に
応じて、配管用ボックスV4 及び配管用ボックスV5
形状に合わせて切削した形の埋込材1uを配置する。そ
して残りの部分には標準化された中実又は中空部を持つ
埋込材1・・を配置、固定する。
【0020】なお、上記のコンクリートスラブ用基板A
1 〜A5 は、一部の埋込材が上方側を開放した埋込材で
あることを除いて、例えば特公昭57−47008号公
報等に開示される従来のコンクリートスラブ用基板の場
合と同様にして製造される。図4は、前記配管が予定さ
れる場所に配置される上方側を開放した埋込材1uとそ
の蓋体1fの一例を示す斜視図である。この埋込材1u
は、全体が例えば発泡スチロールのような合成樹脂発泡
体により成形され、底板としての基板1aと該基板1a
に一体成形された先端が径小となった円錐形状の多数の
突起体1bとからなり、上方側は開放している。埋込材
1uの高さは、好ましくは、コンクリート基板2に配置
される他の標準的な埋込材1より幾分低いかほぼ同じ高
とされる。また、基板1aの周辺部に位置する突起体1
b’は、基板1aの4辺に垂直な面で切断された形とな
っており、垂直な側面部分1cを持つ。さらに、突起体
1b相互間の間隔は、そこに形成される空間内に配置予
定の配管が入り込めるだけの幅を持つようにされる。
【0021】蓋体1fは埋込材1uに上方から被せるた
めの箱状のものであり、上面1gと4方の側壁1hとを
有し、側壁1hの高さは埋込材1uの高さとほぼ同じと
され、かつ、側壁1hの内面が前記した突起体1b’の
垂直な側面1cと接した状態で、上方から埋込材1uに
被せられる大きさとなっている。蓋体1fも好ましくは
全体が例えば発泡スチロールのような合成樹脂発泡体に
より成形される。
【0022】図2は、上記の上方側が開放した埋込材1
uをコンクリートスラブの施工時に配管の敷設が予定さ
れる場所に配置したコンクリートスラブ用基板Aの一実
施例を示しており、所要数の該埋込材1uが従来の標準
化された中実又は中空部を持つ埋込材1と共に通常の方
法により工場においてコンクリート基板3上に定着固定
される。なお、図2において、Vは配管用ボックスであ
り、その部分には配管用ボックスVの形状に合わせて切
削した形の埋込材1uが配置される。配管用ボックスV
を設けない場合には、そこにも埋込材1uが配置され
る。また、図2においては図解を容易にするためにトラ
ス筋は省略している。
【0023】コンクリートスラブの施工に際しては、各
住戸あるいは各フロアーでのコンクリートスラブにおけ
る配管設計状況に対応して上記のように工場で製造され
た複数種類のコンクリートスラブ用基板(A1 〜A5
が、一括して構築物の施工現場に持ち込まれる。施工現
場では、形状の異なる各コンクリートスラブ用基板を設
計図に従い躯体の梁B、B間に配置した後、上方側を開
放した前記埋込材1uの突起体1b(1b’)間の空間
を通過させながら所定の配管P1〜P4の配設作業を行
い、配管後、別途搬入した蓋材1fの側壁1h部分に配
管の配置位置に対応した配管挿入用の開口を開設した
後、該蓋体1fを上方側を開放した埋込材1uの上方か
ら被せ、その内部空間を閉鎖状態とする。以下、従来工
法と同様にスラブ上端筋等の配筋を行い、現場打ちコン
クリートを打設する。その際に、蓋体1fの上面1gは
突起体1bにより裏面から支承されているので、コンク
リートの打設により破損することは避けられる。
【0024】図3は、コンクリートスラブの施工時に、
躯体上に敷設されたコンクリートスラブ用基板1uに配
管Pを配置した状態を説明するものであり、この例で
は、突起体1b(1b’)の間の空間を通して、1本あ
るいは2本の配管Pが配置されている。形成される空間
の幅及び深さによっては、突起体1b(1b’)間に同
時に複数本の配管を平行にあるいは重なるようにして配
置してもよく、また、交差状態で配置することもでき
る。配管後に、該埋込材1uのそれぞれに対して、前記
のようにして側壁1hに開口1jを形成した蓋体1fが
被せられる。
【0025】以上の説明から分かるように、本発明によ
れば、従来は埋込材と埋込材との間に形成される現場打
ちコンクリート充填用空間部に配置せざるを得なかった
設備用配管の敷設を、本発明によるコンクリートスラブ
用基板を用いることにより、上方側を開放した埋込材1
uを通して短い配管距離で行うことが可能となる。ま
た、現場での埋込材に対する切削等の加工は不要であ
り、短時間で配管作業を終えることができる。さらに、
配管される埋込材1uの内部空間は蓋体1fにより閉鎖
されるので、現場打ちコンクリートが内部に入り込むこ
とはなく、コンクリートスラブの空隙率は設計値通りに
維持される。それにより、コンクリートスラブの軽量化
は十分に達成される。
【0026】当然に、配置される標準材としての埋込材
1・・の形状は任意であり、コンク6ート基板の養生時
に発生する蒸気を中空部Sから抜くための開口を形成し
た埋込材(特開平5−208410号公報参照)等も有
効に用いうる。さらに、埋込材1及び上方側を開放した
埋込材1uのコンクリート基板への取り付けも、従来の
コンクリートが未硬化の状態で係止具により取り付ける
ものに限らす、コンクリートが未硬化の状態でウレタン
系接着剤のような反応型の接着剤等を用いて接着固定す
る方法、あるいは、コンクリートの硬化後に、コンクリ
ート釘等の係止具や、接着剤、接着テープ等を用いて固
着する方法(特開平5−208411号公報参照)等も
用いることができる。
【0027】前記のように、埋込材1uを用いる場合
に、その基板1aとそこに被せられる蓋体1fの上面1
gとの間には突起体1bが存在するのみであり、その内
部空間を十分広く確保することができる。従って、現場
打ちコンクリートにより破壊しないだけの強度を保持で
きることを条件に、埋込材1u及びそのための蓋体1f
の素材としては、合成樹脂発泡体に限らず合成樹脂非発
泡体も使用できるが、より軽量化するためには合成樹脂
発泡体を材料として成形することが好ましい。埋込材1
uは合成樹脂発泡体により成形し、蓋体1fを合成樹脂
非発泡体により成形してもよい。また、図示の実施例で
突起体1bの形状を上部が径小となった円錐形としての
は、配管の挿入をより容易に行うためであって、これに
限ることはなく、角錐形あるいは単なる柱状体であって
もよい。コンクリートスラブの空隙率をより高いものと
するために、特に図示しないが、埋込材1uの突起体1
bを裏面側に中空部を持つものとしてもよい。
【0028】
【発明の効果】上記の記載から明らかなように、本発明
によるコンクリートスラブ用基材を用いることにより、
コンクリートスラブ構築時の配管作業が容易となり、か
つ、その配管距離も短縮することができる。また、コン
クリートスラブとしても高い空隙率を保持することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるコンクリートスラブ用基板を用い
て施工されるコンクリートスラブを説明する図。
【図2】本発明によるコンクリートスラブ用基板の一例
を示す斜視図。
【図3】図2のコンクリートスラブ用基板に配管を行っ
た状態を示す斜視図。
【図4】上方側を開放した埋込材及びその蓋体を示す斜
視図。
【図5】従来のコンクリートスラブ用基板を示す鳥瞰
図。
【図6】従来のコンクリートスラブ用基板を用いてのコ
ンクリートスラブ及び構築物の一例を示す図。
【図7】埋込材の一例を示す図。
【図8】埋込材の一例を示す図。
【図9】従来のコンクリートスラブ用基板を用いての配
管状態を説明する図。
【符合の説明】
A…コンクリートスラブ用基板、P…配管、V…配管用
ボックス、1…標準的な埋込材、1u…上方側を開放し
た埋込材、1f…蓋体、P…配管、3…コンクリート基
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E04B 5/32 E04B 5/48

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コンクリート基板上に合成樹脂発泡成形
    品からなる埋込材が所定の間隔で配置されてなるコンク
    リートスラブ用基板であって、該コンクリートスラブ用
    基板を用いてのコンクリートスラブの構築時に配管の敷
    設が予定される箇所には、基板と該基板から突設した複
    数本の突起体とを持つ上方側を開放した埋込材が配置さ
    、他の箇所には突起体を有しない標準化された埋込材
    が配置されてなることを特徴とするコンクリートスラブ
    用基板。
  2. 【請求項2】 コンクリートスラブの基板として、配管
    が予定される部位には請求項1に記載のコンクリートス
    ラブ用基板を敷設し、該突起体の間の空間を通過させて
    必要な配管作業を行った後、突起体上に蓋を被せ、しか
    る後、その上から現場打ちコンクリートを打設すること
    を特徴とするコンクリートスラブの施工方法。
  3. 【請求項3】 コンクリートスラブの基板として、その
    一部に請求項1に記載のコンクリートスラブ用基板を持
    つ構築物。
JP13000395A 1995-05-29 1995-05-29 一部に上方側を開放した埋込材を持つコンクリートスラブ用基板、該基板を用いたコンクリートスラブの施工方法とその構築物 Expired - Fee Related JP3253487B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13000395A JP3253487B2 (ja) 1995-05-29 1995-05-29 一部に上方側を開放した埋込材を持つコンクリートスラブ用基板、該基板を用いたコンクリートスラブの施工方法とその構築物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13000395A JP3253487B2 (ja) 1995-05-29 1995-05-29 一部に上方側を開放した埋込材を持つコンクリートスラブ用基板、該基板を用いたコンクリートスラブの施工方法とその構築物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08326198A JPH08326198A (ja) 1996-12-10
JP3253487B2 true JP3253487B2 (ja) 2002-02-04

Family

ID=15023751

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP13000395A Expired - Fee Related JP3253487B2 (ja) 1995-05-29 1995-05-29 一部に上方側を開放した埋込材を持つコンクリートスラブ用基板、該基板を用いたコンクリートスラブの施工方法とその構築物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3253487B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH08326198A (ja) 1996-12-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4934121A (en) Integrated reinforced concrete wall structure
US4065905A (en) Prefabricated building sections or room units and methods for the manufacture of such sections or units
EP1028207A1 (en) Securing an architectural finish element
JP3253487B2 (ja) 一部に上方側を開放した埋込材を持つコンクリートスラブ用基板、該基板を用いたコンクリートスラブの施工方法とその構築物
JP3169818B2 (ja) 一部の埋込材の表面に凹溝を形成したコンクリートスラブ用基板、該基板を用いたコンクリートスラブの施工方法とその構築物
JP3346948B2 (ja) 中実の埋込材を持つコンクリートスラブ用基板、該基板を用いたコンクリートスラブの施工方法とその構築物
JP3346947B2 (ja) 一部に高さの低い埋込材を持つコンクリートスラブ用基板、該基板を用いたコンクリートスラブの施工方法とその構築物
JP3364051B2 (ja) 一部埋込材を欠除したコンクリートスラブ用基板、該基板を用いたコンクリートスラブの施工方法とその構築物
JP3253511B2 (ja) 配管を予め定着したコンクリートスラブ用基板、該基板を用いたコンクリートスラブの施工方法とその構築物
KR20210053741A (ko) 설비배관 홈이 형성된 경량기포 콘크리트 블록 제조방법 및 이에 의해 제조된 홈이 형성된 경량기포 콘크리트 블록
JP3169801B2 (ja) 埋込材を持つコンクリートスラブ用基板、及び該基板を用いたコンクリートスラブ
JP3177386B2 (ja) 上面に凹部を有する床版の構築方法
JP3512991B2 (ja) 蓄熱式床暖房構築用ユニット
JPH07292828A (ja) プレキャスト合成ボイドスラブ及びその構造
JPH0628599Y2 (ja) 建物の堅シャフト
JP3146923B2 (ja) 鉄筋コンクリート造建物の構築法
JP2698775B2 (ja) ボイドスラブの構築方法
JP3477534B2 (ja) 電磁シールド構造物及び電磁シールド構造物の構築方法
JPH0246607Y2 (ja)
JPH0813770A (ja) 集合住宅のメータボックス形成方法およびメータボックス用ユニット並びにその使用方法
JP3062810B2 (ja) 建物における水回りユニットの組付方法およびその水回りユニット
JP3021249B2 (ja) プレキャストコンクリート製玄関基礎構造
JPH0566114U (ja) 組立パネル
JP3453322B2 (ja) コンクリートスラブ用埋込材及び該埋込材を持つコンクリートスラブ用基板
JPH078676Y2 (ja) 建築物の床の構造

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091122

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101122

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101122

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111122

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121122

Year of fee payment: 11

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees