JP3169818B2 - 一部の埋込材の表面に凹溝を形成したコンクリートスラブ用基板、該基板を用いたコンクリートスラブの施工方法とその構築物 - Google Patents
一部の埋込材の表面に凹溝を形成したコンクリートスラブ用基板、該基板を用いたコンクリートスラブの施工方法とその構築物Info
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Description
ートスラブ内部へ、電気配線や電話配線等のシールドと
して用いられる合成樹脂製電線管(CD管)や給水、給
湯用管路等のためのさや管等の種々の設備用配管を容易
に敷設することを可能とするコンクリートスラブ用基
板、該基板を用いたコンクリートスラブの施工方法、及
び該基板を持つ構築物に関する。
体は経済性等の観点から直床、直天井仕上げが一般的と
なっており、前記のような種々の配管はコンクリートス
ラブ内部に直接埋設されるようになっている。一方、コ
ンクリートスラブの施工法として、軽量化、遮音効果を
向上させる目的で、図4に示すように、例えば発泡ポリ
スチレンのような合成樹脂発泡成形品からなる内部に中
空部を持つ埋込材1を、トラス筋2を備えたコンクリー
ト基板3上に、所定の間隔で複数個、コンクリートが未
硬化の養生過程中に配設して係止具により係止し、コン
クリートの硬化により埋込材1をコンクリート基板2に
定着固定した中空コンクリートスラブ用基板Aを用い、
このコンクリートスラブ用基板Aを建築施工現場に搬入
して、図5に示すように必要個数、躯体の梁B、B間に
配置し、スラブ上端筋4等を取り付けた後、現場打ちコ
ンクリートCを打設していわゆる中空コンクリートスラ
ブCSを構築する施工法が広く行われている。図6、図
7は埋込材1の一例であり、天板部10と側壁部11と
中仕切り壁12とを持つ全体として箱状(矩形状)の形
状をなし、内部に一方側を解放した比較的大きな底面積
を持つ複数の中空部Sを有している(特公昭57−47
008号公報等参照)。この中空部Sは埋込材1の軽量
化及び材料節減の目的から設けられる。
ンクリートスラブCSにおいて上記のような配管の埋設
工事を行うに当たっては、図8に示すように埋込材1と
埋込材1の間に形成される現場打ちコンクリート充填用
空間部SSに前記のような配管Pを配置し、その上から
現場打ちコンクリートを打設する。そのために、目標の
2地点間に配管するのに迂回路を取ることが必然とな
り、本来必要とされる距離以上の配管距離が必要とな
る。また、配管が占める容積だけ打設されるコンクリー
ト量が低減する。
を配置したコンクリートスラブ用基板を用いてコンクリ
ートスラブを構築することも提案されており、現場打ち
コンクリートが該凹溝内に流入固化することによりコン
クリートスラブの防振効果が増大すると共に、該凹溝を
配管にも利用できるとしている(実公昭60−3224
8号公報参照)。
に埋設すべき配管の本数が少ない場合には、配管距離の
増大が施工コストに与える影響は小さく格別の問題はな
い。また、埋込材と埋込材の間の現場打ちコンクリート
充填用空間部に配管を配置してその上から現場打ちコン
クリートを打設しても、打設コンクリートは該空間内に
密に行きわたることができ、打設コンクリートの量の減
少も少ないことから、コンクリートスラブに顕著な断面
欠損を引き起こすこともない。
ト系集合住宅においては従来の電気や電話線のための配
管に加えて、衛星放送や有線放送等の配線、ホームセキ
ュリティ設備用配線のための配管、さらには給水、給湯
用管路等のさや管としての配管等の種々の配管をコンク
リートスラブ中に埋設するようになってきており、さら
に、各部屋ごとにそれぞれのコンセントを配設する傾向
にあることから、電気、水等の分配のために配管の必要
分岐数も増大し配管距離も増大しつつある。
ート充填用空間部SSには多数本の配管Pが配置される
こととなり、現場打ちコンクリートの打設時に十分な注
意を払わないと該空間部SS内においてコンクリートが
密に侵入せず配管Pと配管Pとの間に空隙が形成される
場合がある。また、打設されるコンクリートの量も低減
することから、この面からも十分な施工管理が必要とさ
れる。さらに、多数本の配管を枡目状に形成されるコン
クリート充填用空間部を迂回しながら配置していくこと
は多くの作業を必要とし、また、配管距離も増大する。
工をして配管用の通路を建築現場で作り、その通路を通
して配管を行うことにより配管距離を短くすることも一
部行われているが、現場で埋込材に加工を加えることは
容易でなく、また、埋込材を加工した場合にその加工面
が前記中空部に連通してしまうことが生じ得、そのまま
の状態で現場打ちコンクリートを打設すると、その開放
面から中空部内に現場打ちコンクリートが侵入してその
部分の重量が過大化する恐れがある。それにより、コン
クリートスラブとしての中空率が低下する。また、埋込
材の一部を作業者が手により剥ぎ取る場合には、剥ぎ取
り面から埋込材の破片が飛び散ることが避けられず、現
場内コンクリートを打設する前に、この破片を除去する
作業が必要となる。
示されるコンクリートスラブ用基板においては、配置さ
れる埋込材をすべて表面に凹溝を持つものであり、該凹
溝を配管用に利用するとしても、コンクリートスラブの
全面積に占める配管面積の割合は少ないことから、コン
クリートスラブ全体としてみれば、結果として、凹溝分
だけ中空率が減少していることとなり、高い中空率を持
つコンクリートスラブを構築する手段としては必ずしも
有効な手段とはいえない。
交差する隅部、及び凹溝の端部と埋込材の側壁との隅部
は、ほぼ直交状態とされており、該隅部に沿って設備用
配管を敷設する場合、配管を90°の角度で折り曲げる
作業が必要となるが、配管によっては小さい曲率半径で
90°まで折曲することが困難なものもあり、実作業で
は、前記のように、作業者が該隅部近傍の埋込材の一部
を剥ぎ取って、隅部の面積を広げた後、大きい曲率半径
で折曲した配管を該剥ぎ取り面に沿って凹溝内に埋設し
ていくことが行われる。この剥ぎ取り作業は容易でな
く、また、必要以上に埋込材を剥ぎ取ってしまいコンク
リートスラブの中空率を低下させる原因となっている。
また、剥ぎ取った後の断面からさらに埋込材の破片が取
れてコンクリート打設面に散在することが多く、これら
の破片を打設前に清掃し除去することが必要とされるこ
とも同様である。
なる埋込材を内部に持つコンクリートスラブ中に多数本
の設備用配管を埋設する際に生じている上記のような問
題点を解消することにあり、特に、多数の配管を容易に
配置することが可能でありながらかつ高い中空率を維持
することを可能としたコンクリートスラブ用基板及び該
基板を用いたコンクリートスラブの施工方法、そのよう
なコンクリートスラブ用基板を持つ構築物を提供するこ
とにある。
めの本発明によるコンクリートスラブ用基板は、コンク
リート基板上に合成樹脂発泡成形品からなる埋込材が所
定の間隔で配置されてなるコンクリートスラブ用基板で
あって、該コンクリートスラブ用基板を用いてのコンク
リートスラブの構築時に配管の敷設が予定される箇所の
埋込材はその上面に凹溝が形成されており、残りの埋込
材は上面が平坦とされていることを特徴とする。用いる
埋込材はいずれも中実のものであってもよく、従来知ら
れたような中空部を持つものであってもよい。凹溝の形
状も配管1本分の深さと幅を有するものを全体に形成し
てもよく、深さあるいは幅の異なる凹溝を混在させて形
成してもよい。
として、埋込材本体の隅部、凹溝と凹溝とが交差する隅
部、及び/又は、凹溝と埋込材の側壁が交差する隅部に
は、該隅部の交差する2辺を結ぶ1本あるいは複数本の
切り込みが形成されているものが好ましくは用いられ
る。
ブ用基板を用いたコンクリートスラブの施工方法とし
て、配管が予定される部位には上記のコンクリートスラ
ブ用基板を敷設し、該コンクリートスラブ用基板の表面
に配置した凹溝を形成した埋込材の該凹溝を通過させて
必要な配管作業を行い、しかる後、その上から現場打ち
コンクリートを打設することを特徴とするコンクリート
スラブの施工方法を開示する。また、本発明は、コンク
リートスラブの基板として上記したコンクリートスラブ
用基板を持つ構築物をも開示する。
ば、コンクリート基板上には、コンクリートスラブの構
築時に配管が予定される箇所には上面に凹溝を形成した
埋込材が配置され、他の箇所には図6、図7に示すよう
な表面が平坦な標準的な埋込材が配置されている。それ
により、施工現場での配管作業に当たっては、主に、該
凹溝内に通過させて配管の敷設を行うことが可能とな
り、容易、確実にかつ迂回路を取ることなく短い配管距
離で配管作業を行うことができる。もちろん、従来どお
りに、埋込材本体間の空間部に配管を敷設することもで
き、例えば、太い配管の敷設が必要とされるような場合
には、そのような配管は埋込材本体間の空間部に敷設さ
れる。
凹溝とが交差する隅部、及び/又は、凹溝と埋込材の側
壁が交差する隅部に、該隅部の交差する2辺を結ぶ1本
あるいは複数本の切り込みが形成されているものを用い
る場合には、配管を折曲させようとする隅部の埋込材の
一部を該切り込みに沿って剥ぎ取り、隅部の面積を広げ
た後、配管を行う。切り込みの存在により剥ぎ取りは容
易となり、剥ぎ取り部表面から埋込材が落下してコンク
リート打設面に散乱することも避けられる。また、不必
要に多く剥ぎ取ることもない。
在して形成した埋込材を用いる場合には、配管を埋込材
の表面から突出させることなしに、埋込材の凹溝内で交
差させることが容易となる。埋込材本体の隅部にも切り
込みを形成したものにあっては、該切り込みを介して埋
込材の本体の一部を剥ぎ取ることにより、より太い配管
を埋込材と埋込材との間のスペースを通して配管するこ
とが一層容易となる。埋込材本体の隅部の剥ぎ取りを容
易にするために、該隅部に形成される切り込みの深さは
好ましくは他の隅部に形成される切り込みよりも深いも
のとされる。
ブ上端筋の取り付け等の従来の工法と同様の作業を行
い、現場打ちコンクリートを打設する。埋込材の上面に
配置される配管は主に凹溝内に入り込んでいるために、
配管の上方端の高さは周囲の埋込材の高さとほぼ同じ高
さとなっており、スラブ上端筋の取り付け等も従来のコ
ンクリートスラブ用基板の場合と同様に行うことができ
る。
敷設したコンクリートスラブにあっては、従来のよう
に、現場打ちコンクリート充填用空間部SSに多くの本
数の配管を集中配置することを避けることができ、現場
打ちコンクリートとコンクリート基板との一体化不足や
該空間部内での設備配管に起因する空隙の発生も回避で
き、また、配管が配置されない埋込材は表面が平坦な従
来知られた埋込材をそのまま配置していることから、コ
ンクリートスラブ全体としての中空率も高く維持するこ
とができ、中空コンクリートスラブとしての機能は阻害
されない。
明する。図1は、例えば図5に示されるように躯体の梁
B、B間にコンクリートスラブ用基板Aを配置した構築
物のコンクリートスラブCS部分の一例を模式的に示し
た平面図であり、この実施例においては、コンクリート
スラブ用基板Aが5個(A1 〜A5 )配置されている。
そしてこのコンクリートスラブCSには、図示されるよ
うに配管用ボックスV1 が2番目のコンクリートスラブ
用基板A2 に取り付けられ、そこから3方の側壁に設け
たコンセント21、22、23に向けて、前記したよう
な電線用あるいは水用の種々の設備用配管P1、P2、
P3が配置されるような設計になっており、さらに4番
目のコンクリートスラブ用基板A4と5番目のコンクリ
ートスラブ用基板A5 にも配管用ボックスV2 、V3 が
取り付けられ、両配管用ボックスV2 とV3 とを同様に
配管P4で接続するような設計となっている。以下、こ
の設計条件に従いコンクリートスラブを施工する場合を
例にとり本発明の一実施例を説明する。
ラブ用基板A1 〜A5 を製造するに際して、以下の5種
類の異なった構造のものが用意される。すなわち、図示
されるように、施工現場での配管作業時に、コンクリー
トスラブ用基板A1 においては、図1において右から3
列目に位置する斜線で示される埋込材x1〜x3部分を
配管P2が通過する。従って、このコンクリートスラブ
用基板A1 の工場での製造に際しては、斜線で示す埋込
材x1〜x3の部分については、図3に例示するように
上面に凹溝Uを形成した埋込材1uを配置固定し、他の
部分には例えば図6、図7に示したような標準化された
埋込材1・・を配置固定する。
は、図示されるように、右から3列目に位置する斜線で
示される2個の埋込材x4、x5部分と、埋込材x5の
左右に位置する4個の埋込材x6〜x9部分を配管P
1、P2、P3が通過する。従って、コンクリートスラ
ブ用基板A2 の製造に際しては、斜線で示す5個の埋込
材x5〜x9の部分については上面に凹溝Uを形成した
埋込材1uを配置固定し、他の部分には例えば図6、図
7に示したような標準化された埋込材1・・を配置固定
する。配管用ボックスV1 が取り付けられる部分(x4
部分)には必要に応じて配管用ボックスV1 の分を除去
した形の埋込材1uを配置するか任意の形状の埋込材を
配置する。
図示されるように、配管が敷設される予定はない。従っ
て、コンクリートスラブ用基板A3 については、従来の
場合と同様、コンクリート基板の全面にわたって標準化
された埋込材1・・を配置固定する。コンクリートスラ
ブ用基板A4 においては、図示されるように、右から4
列目の上から2個の斜線で示す埋込材x10、x11部
分のみを配管P4が通過し、コンクリートスラブ用基板
A5 においては、右から3列目の最下位の埋込材x12
と右から2列目の中間の斜線で示す2個の埋込材x1
3、x14部分のみを配管P4が通過する。従って、コ
ンクリートスラブ用基板A4 においては、埋込材x10
の部分には上面に凹溝Uを形成した埋込材1uを配置固
定し、また、コンクリートスラブ用基板A5 において
は、埋込材x12、x14の部分には上面に凹溝Uを形
成した埋込材1uを配置固定する。また、埋込材x11
部分と埋込材x13部分には必要に応じて配管用ボック
スV2 及び配管用ボックスV3 の分を除去した形の埋込
材1uを配置するか任意の形状の埋込材を配置する。そ
して残りの部分には標準化された埋込材1・・を配置固
定する。
1 〜A5 は、特定箇所に上面に凹溝Uを形成した埋込材
1uを配置固定することを除いて、例えば特公昭57−
47008号公報等に開示される従来のコンクリートス
ラブ用基板の場合と同様にして製造される。コンクリー
トスラブの施工に際しては、各住戸あるいは各フロアー
でのコンクリートスラブにおける配管設計状況に対応し
て上記のように工場で製造された複数種類のコンクリー
トスラブ用基板(A1 〜A5 )が、一括して構築物の施
工現場に持ち込まれる。施工現場では、形状の異なる各
コンクリートスラブ用基板を設計図に従い躯体の梁B、
B間に配置した後、配管P1〜P4を前記上面に凹溝U
を形成した埋込材1uの凹溝U内を通過させながら所定
の配設作業を行う。以下、従来工法と同様に、スラブ上
端筋等の配筋を行い、現場打ちコンクリートを打設する
ことによりコンクリートスラブの施工は終了する。
トスラブ用基板Aの一例を示す斜視図であり、この例で
は、配管Pの配置予定部分であって配管用ボックスVが
取り付けられる部分を除いた箇所には、上面に縦横十文
字状の凹溝Uを形成した埋込材1uが取り付けられ、配
管用ボックスVが取り付けられる部分には配管用ボック
スVの分を除去した埋込材1uが取り付けられ、他の部
分には従来の標準的な埋込材1が定着固定されている
(図2において図解を容易にするために、トラス筋は図
示されていない)。そして配管作業に当たっては、図示
されるように、該凹溝Uを通して配管Pが取り付けられ
る。なお、配管ボックスVを取り付ける部分の埋込材は
任意の形状のものであってもよく、配管ボックスVの大
きさによっては埋込材を設けない場合もあり得る。さら
に、コンクリート基板3に配管用ボックスVを取り付け
ない場合には、その部分にも凹溝Uを形成した埋込材1
uが取り付けられる。
く、埋込材1のように中空部を持つものてあってもよ
い。また、埋込材1uのコンクリート基板への固定は接
着剤によってもよく、粘着テープによってもよく、適宜
の固定具によってもよい。また、埋込材1uの厚みは周
囲の標準的な埋込材1と同じ高さのものであることが望
ましいが、設計条件が許す範囲で任意の高さと形状のも
のであってよい。さらに、上面に形成する凹溝Uは、配
置される配管Pの径とほぼ同じ幅と深さであることが好
ましく、また、複数の配管を平面的に配置することが予
定される場合には、埋込材1uに複数本の配管分の幅を
持つ凹溝を形成する。さらに、複数本の配管が交叉して
配置されることが予定される場合には、交叉可能な深さ
を持つ凹溝を形成する。それにより、配管後にすべての
埋込材の上面をほぼ面一とすることができる。
の本数や方向で任意であってよく、コンクリートスラブ
での配管埋設状況に応じて適宜形成される。図示されな
いが、辺に対して斜めに走るように凹溝を形成してもよ
い。また、前記のように、例えば縦て方向の凹溝の深さ
を横方向の凹溝の深さの倍程度とすることにより、凹溝
内での配管の交差は容易となる。さらに、図3cに示す
ように、埋込材本体1uの4隅部、凹溝U同志が交差す
る隅部、及び凹溝Uの端部と埋込材1uの側壁とが交差
する隅部に、該隅部の交差する2辺を結ぶ切り込みCL
を形成してもよく、このような切り込みCLを形成する
ことにより、前記のように、作業者は、配管を折曲させ
て通過させようとする隅部において該切り込みCLに沿
い埋込材の一部を容易に剥ぎ取ることができる。それに
より、隅部の面積が広くなることから、配管を大きな曲
率でもって所定角度(この例では90°)方向を変える
ことが可能となり、配管作業は容易となる。その際に、
不必要に多く埋込材を剥ぎ取ることは回避され、中空率
の低下も阻止される。特に、埋込材本体1uの4隅部に
切り込みCLaを形成するものにあっては、該切り込み
に沿い埋込材本体の隅部を剥ぎ取ることにより、埋込材
1uと埋込材1uとの間の空間を通しての配管の敷設は
容易となる。
ぼ45°の方向に走る直線であってもよく、全体として
弧状のものであってもよい。弧状の切り込みの場合に
は、より少ない量の剥ぎ取りで初期の目的が達成され
る。また、平行して複数本の切り込みCLを設けてお
き、配管の許容曲率限度に応じて、剥ぎ取り量(剥ぎ取
り幅)を適宜選択するようにしてもよい。切り込みCL
の深さに特に制限はないが、凹溝Uの深さ程度とするこ
とが好ましい。但し、埋込材本体の4隅部に形成する切
り込みCLaについては、好ましくは裏面近くまでの深
さとするか、表面と裏面の双方から少なくとも埋込材の
厚みの半分を越える深さの切り込みを形成するように
し、剥ぎ取りを容易とすることが望まれる。なお、上記
の隅部に切り込みを形成した埋込材のみを用いてコンク
リートスラブ用基板を作ることはもちろん可能である。
れば、従来は埋込材と埋込材との間に形成される現場打
ちコンクリート充填用空間部に配置せざるを得なかった
配管の敷設を、本発明によるコンクリートスラブ用基板
を用いることにより、短い配管距離で行うことが可能と
なる。また、埋込材の上面に形成される凹溝内を通して
配管されるので、現場打ちコンクリートの打設によって
配管が変位することもなく、初期通りの配管が行われ
る。また、前記のように複数本の配管を平面的に配置す
ることもでき、その場合には配置された配管そのものが
空隙形成材としての機能を果すことから、凹溝が形成さ
れているにもかかわらずコンクリートスラブの中空率は
十分平均化できる。
埋込材1・・の形状は任意であり、コンクリート基板の
養生時に発生する蒸気を中空部Sから抜くための開口を
形成した埋込材(特開平5−208410号公報参照)
等も有効に用いうる。さらに、埋込材のコンクリート基
板への取り付けも、従来のコンクリートが未硬化の状態
で係止具により取り付けるものに限らす、コンクリート
が未硬化の状態で圧着により固定する方法、あるいは、
ウレタン系接着剤のような反応型の接着剤等を用いて接
着固定する方法、さらには、コンクリートの硬化後に、
コンクリート釘等の係止具や、接着剤、接着テープ等を
用いて固着する方法(特開平5−208411号公報参
照)等も用いることができる。
によるコンクリートスラブ用基板を用いることにより、
コンクリートスラブ構築時の配管作業が容易となり、か
つ、その配管距離も短縮することができる。
て施工されるコンクリートスラブを説明する図。
の使用状態を説明する斜視図。
る埋込材の他の態様を示す斜視図。
図。
ンクリートスラブ及び構築物の一例を示す図。
管状態を説明する図。
ボックス、1…標準的な埋込材、1u…上面に凹溝を形
成した埋込材、u…凹溝、CL、CLa…切り込み、3
…コンクリート基板
Claims (7)
- 【請求項1】 コンクリート基板上に合成樹脂発泡成形
品からなる埋込材が所定の間隔で配置されてなるコンク
リートスラブ用基板であって、該コンクリートスラブ用
基板を用いてのコンクリートスラブの構築時に配管の敷
設が予定される箇所の埋込材はその上面に凹溝が形成さ
れており、残りの埋込材は上面が平坦とされていること
を特徴とするコンクリートスラブ用基板。 - 【請求項2】 前記上面に凹溝が形成されてなる埋込材
における該凹溝は深さ及び/又は幅の異なる複数種の凹
溝により構成されることを特徴とする請求項1記載のコ
ンクリートスラブ用基板。 - 【請求項3】 コンクリートスラブの基板として、配管
が予定される部位には請求項1に記載のコンクリートス
ラブ用基板を敷設し、該コンクリートスラブ用基板の表
面に配置した凹溝を形成した埋込材の該凹溝を通過させ
て必要な配管作業を行い、必要に応じてスラブ上端筋を
取り付けた後、その上から現場打ちコンクリートを打設
することを特徴とするコンクリートスラブの施工方法。 - 【請求項4】 必要に応じて、該コンクリートスラブ用
基板の表面に配置した埋込材間の空間部にも配管を敷設
することを特徴とする請求項3記載のコンクリートスラ
ブの施工方法。 - 【請求項5】 コンクリートスラブの基板として請求項
1又は2に記載のコンクリートスラブ用基板を持つ構築
物。 - 【請求項6】 上面に凹溝が形成されてなる合成樹脂発
泡成形品からなるコンクリートスラブ用埋込材であっ
て、埋込材本体の隅部、凹溝と凹溝とが交差する隅部、
及び/又は、凹溝と埋込材の側壁が交差する隅部には、
該隅部の交差する2辺を結ぶ1本あるいは複数本の切り
込みが形成されていることを特徴とするコンクリートス
ラブ用埋込材。 - 【請求項7】 埋込材本体の隅部に形成される切り込み
は、他の隅部に形成される切り込みよりも深く形成され
ることを特徴とする請求項6記載のコンクリートスラブ
用埋込材。
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CN112746702B (zh) * | 2021-02-23 | 2024-09-06 | 中国矿业大学 | 一种由装配箱构成的楼盖结构 |
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1996
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