JP3253511B2 - 配管を予め定着したコンクリートスラブ用基板、該基板を用いたコンクリートスラブの施工方法とその構築物 - Google Patents

配管を予め定着したコンクリートスラブ用基板、該基板を用いたコンクリートスラブの施工方法とその構築物

Info

Publication number
JP3253511B2
JP3253511B2 JP04000696A JP4000696A JP3253511B2 JP 3253511 B2 JP3253511 B2 JP 3253511B2 JP 04000696 A JP04000696 A JP 04000696A JP 4000696 A JP4000696 A JP 4000696A JP 3253511 B2 JP3253511 B2 JP 3253511B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
substrate
concrete
concrete slab
equipment
pipe
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP04000696A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0953291A (ja
Inventor
照麿 永井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Kasei Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Kasei Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sekisui Kasei Co Ltd filed Critical Sekisui Kasei Co Ltd
Priority to JP04000696A priority Critical patent/JP3253511B2/ja
Publication of JPH0953291A publication Critical patent/JPH0953291A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3253511B2 publication Critical patent/JP3253511B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Panels For Use In Building Construction (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属す技術分野】本発明は、構築物のコンクリー
トスラブ内部へ、電気配線や電話配線等のシールドとし
て用いられる合成樹脂製電線管(CD管)や給水、給湯
用管路等のためのさや管等の種々の設備用配管を容易に
構築することを可能とするコンクリートスラブ用基板、
該基板を用いたコンクリートスラブの施工方法、及び該
基板を持つ構築物に関する。
【0002】
【従来の技術】最近のコンクリート系集合住宅の床構造
体は経済性等の観点から直床、直天井仕上げが一般的と
なっており、上記のような種々の設備用配管はコンクリ
ートスラブ内部に直接埋設されるようになっている。一
方、コンクリートスラブの施工法として、軽量化、遮音
効果を向上させる目的で、図6に示すように、例えば発
泡ポリスチレンのような合成樹脂発泡成形品からなる内
部に中空部を持つ埋込材1を、トラス筋2を備えたコン
クリート基板3上に、所定の間隔で複数個、コンクリー
トが未硬化の養生過程中に配設して係止具により係止
し、コンクリートの硬化により埋込材1をコンクリート
基板3に定着固定した中空コンクリートスラブ用基板A
を用い、このコンクリートスラブ用基板Aを建築施工現
場に搬入して、図7に示すように必要個数、躯体の梁
B、B間に載置し、トラス筋2の上弦材をスペーサーと
してスラブ上端筋4等を取り付けた後、現場打ちコンク
リートCを打設していわゆる中空コンクリートスラブC
Sを構築する施工法が広く行われている。図8、図9は
埋込材1の一例であり、天板部10と側壁部11と中仕
切り壁12とを持つ全体として箱状(矩形状)の形状を
なし、内部に一方側を解放した比較的大きな底面積を持
つ複数の中空部Sを有している(特公昭57−4700
8号公報等参照)。
【0003】そして、上記のような埋込材1を用いたコ
ンクリートスラブCSにおいて上記のような設備用配管
の埋設工事を行うに当たっては、図10に示すように埋
込材1と埋込材1の間に形成される現場打ちコンクリー
ト充填用空間部SSに前記のような設備用配管Pを配置
し、その上から現場打ちコンクリートを打設する。その
ために、目標の2地点間に設備用配管するのに迂回路を
取ることが必然となり、本来必要とされる距離以上の配
管距離が必要となる。また、設備用配管が占める容積だ
け打設されるコンクリート量が低減する。
【0004】コンクリートスラブ中に埋設すべき設備用
配管の本数が少ない場合には、配管距離の増大が施工コ
ストに与える影響は小さく格別の問題はない。また、埋
込材と埋込材の間の現場打ちコンクリート充填用空間部
に設備用配管を配置してその上から現場打ちコンクリー
トを打設しても、打設コンクリートは該空間内に密に行
きわたることができ、打設コンクリートの量の減少も少
ないことから、コンクリートスラブに顕著な断面欠損を
引き起こすこともない。
【0005】しかしながら、近年施工されるコンクリー
ト系集合住宅においては従来の電気や電話線のための配
管に加えて、衛星放送や有線放送等の配線、ホームセキ
ュリティ設備用配線のための配管、さらには給水、給湯
用管路等のさや管としての配管等の種々の設備用配管を
コンクリートスラブ中に埋設するようになってきてお
り、さらに、各部屋ごとにそれぞれのコンセントを配設
する傾向にあることから、電気、水等の分配のために配
管の必要分岐数も増大し配管距離も増大しつつある。
【0006】そのために、図10に示すように、コンク
リート充填用空間部SSには多数本の設備用配管Pが配
置されることとなり、現場打ちコンクリートの打設時に
十分な注意を払わないと該空間部SS内においてコンク
リートが密に侵入せず設備用配管P同志の間に空隙が形
成される場合がある。また、打設されるコンクリートの
量も低減することから、この面からも十分な施工管理が
必要とされる。さらに、多数本の設備用配管を枡目状に
形成されるコンクリート充填用空間部SSを迂回しなが
ら配置していくことは多くの作業を必要とし、また、配
管距離も増大する。
【0007】配管距離を短縮すべく、施工現場で埋込材
を部分的に剥ぎ取ったり、溝切り加工をして埋込材部分
を通過する位置に配管用の通路を作成し、その通路を通
して設備用配管を行うことが一部行われているが、現場
で埋込材に加工を加えることは容易でなく、また、埋込
材を加工した場合にその加工面が前記中空部に連通して
しまうことが生じ得、そのままの状態で現場打ちコンク
リートを打設すると、その開放面から中空部内に現場打
ちコンクリートが侵入してその部分の重量が過大化する
恐れがある。また、加工の過程において、埋込材を必要
以上に破壊していまうことも起こり得る。また、埋込材
の一部を作業者が手により剥ぎ取る場合には、剥ぎ取り
面から埋込材の破片が飛び散ることが避けられず、現場
内コンクリートを打設する前に、この破片を除去する作
業が必要となる。
【0008】また、埋込材として上面に凹溝を持つもの
を配置したコンクリートスラブ用基板を用いてコンクリ
ートスラブを構築することも提案されており、現場打ち
コンクリートが該凹溝内に流入固化することによりコン
クリートスラブの防振効果が増大すると共に、該凹溝を
配管にも利用できるとしている(実公昭60−3224
8号公報参照)。これによれば、施工現場で埋込材を加
工する必要はなく、作業がある程度は簡素化されると共
に、配管距離の短縮も可能となる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】実公昭60−3224
8号公報に記載のような埋込材を持つコンクリートスラ
ブ用基板を用いる場合であっても、施工現場において設
備用配管をコンクリートスラブ用基板上に配設する作業
は必要であり、配管すべき設備用配管の本数が多い場合
や多くの分岐を持つような場合には、現場作業が長期化
するのは避けられない。また、作業時に埋込材上を作業
者が動き回ることから、埋込材が破損する場合もあり得
る。
【0010】本発明の目的は、合成樹脂発泡成形品から
なる埋込材を内部に持つコンクリートスラブ中に多数本
の設備用配管を埋設する際に生じている上記のような問
題点を解消することにあり、より具体的には、埋込材が
配置されている場所あるいはコンクリート基板内を通し
て設備用配管を配置することにより、配管距離を可能な
限り短縮させるものでありながら、施工現場での配管作
業を大幅に簡素化して作業時間を短縮させ、かつ、作業
者により埋込材が破損される可能性を大きく低減したコ
ンクリートスラブ用基板を提供することにある。また、
本発明の目的は、上記のようなコンクリートスラブ用基
板を用いたコンクリートスラブの施工方法とその構築物
を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めの本発明によるコンクリートスラブ用基板は、コンク
リート基板上に合成樹脂発泡成形品からなる埋込材が所
定の間隔で配置されてなるコンクリートスラブ用基板で
あって、該コンクリートスラブ用基板には、設備用配管
がコンクリート基板上に予め定着されており、該設備用
配管が位置することとなる埋込材は裏面に凹溝が形成さ
れていて、該凹溝内を設備用配管が通過するようにして
コンクリート基板に定着されており、設備用配管が位置
しない箇所の埋込材は裏面に凹溝を有しない埋込材がコ
ンクリート基板に定着されていることを特徴とする。
【0012】また、本発明は、上記のコンクリートスラ
ブ用基板を用いたコンクリートスラブの施工方法とし
て、施工すべきコンクリートスラブにおける設備用配管
の配置状態に応じて、所定位置に設備用配管を予め定着
した前記コンクリートスラブ用基板を用意し、それを構
築物躯体側の梁間の所定の位置に載置して隣接する設備
用配管同志を、設備用配管に取り付けられている管継手
によりあるいは別途用意した管継手により接続し、しか
る後、その上から現場打ちコンクリートを打設すること
を特徴とするコンクリートスラブの施工方法を開示す
る。また、本発明は、コンクリートスラブの基板として
上記したコンクリートスラブ用基板を持つ構築物をも開
示する。
【0013】
【作用】本発明によるコンクリートスラブ用基板によれ
ば、コンクリートスラブの構築時に設備用配管が予定さ
れる箇所に配置されるコンクリートスラブ用基板には、
設計図に従って、コンクリート基板上及び/又はコンク
リート基板内に埋込材と共に設備用配管が予め定着され
ている。また、定着された該設備用配管の先端には必要
に応じて管継手も取り付けられる。施工すべき構築物の
コンクリートスラブ中に埋設されるべき設備用配管の配
置状況に応じて種々の態様に配管された上記のコンクリ
ートスラブ用基板が製造工場において製造され、施工現
場に搬入される。
【0014】施工現場では、設計図に従って、搬入され
たコンクリートスラブ用基板を躯体の梁間に配置し、か
つ隣接するコンクリートスラブ用基板との間で設備用配
管同志を管継手を介して接続する。本発明によるコンク
リートスラブ用基板を用いることにより、施工現場で長
尺状の設備用配管を敷設したコンクリートスラブ用基板
上に配置する作業を行うことなく、管継手を介しての接
続作業のみで必要な設備用配管の配管作業は終了する。
必要に応じて、躯体側壁に設けたコンセントとの接続も
管継手を用いて行うこともできる。この方法によれば、
現場での埋込材の剥ぎ取りをほとんどなくすことがで
き、現場内コンクリートを打設する前に行っていた破片
除去作業は不必要となり、より省力化される。
【0015】以下、スラブ上端筋の取り付け等の従来の
工法と同様の作業を行った後、現場打ちコンクリートを
打設することにより、本発明によるコンクリートスラブ
の施工方法は終了する。
【0016】
【実施例】以下、実施例に基づき本発明をより詳細に説
明する。図1は、例えば図7に示すように、躯体の梁
B、B間にコンクリートスラブ用基板Aを配置した構築
物におけるコンクリートスラブCS部分の設備用配管の
配置状況を示す設計図の一例であり、この例では、コン
クリートスラブ用基板Aが5枚(A1 〜A5 )配置され
ている。配管用ボックスV1 が2番目のコンクリートス
ラブ用基板A2 に取り付けられ、そこから3方の側壁に
設けたコンセントC1、C2、C3に向けて設備用配管
P1、P2、P3を配置する設計になっており、その際
に、設備用配管P2はコンクリートスラブ用基板A2
コンクリートスラブ用基板A1 とを通ってコンセントC
2に至るようにされる。
【0017】4番目のコンクリートスラブ用基板A4
は両側部のコンセントC4、C5とを接続する設備用配
管P4が配置され、また、5番目のコンクリートスラブ
用基板A5 には配管用ボックスV2 が取り付けられて、
そこから、側壁部のコンセントC6、C7、C8に向け
て設備用配管P5、P6、P7を配置する設計となって
いる。図示のように、設備用配管P5はコンクリートス
ラブ用基板A5 とコンクリートスラブ用基板A4 とを通
ってコンセントC6に至る。
【0018】以下、この設計条件に従いコンクリートス
ラブを施工する場合を例にとり本発明の一実施例を説明
する。先ず、工場において、5種類の異なった構造を持
つコンクリートスラブ用基板A1 〜A5 が製造される。
その一例を図2に示すコンクリートスラブ用基板A2
例に取り説明する。図示のように、コンクリート基板3
上には所定の間隔をおいて多数の埋込材1・・が配置固
定され、またその一部には配管用ボックスV1が取り付
けられている。該配管用ボックスV1 には3本の設備用
配管P1、P2、P3が取り付けられており、各設備用
配管P1、P2、P3は留め具21によりコンクリート
基板3に定着されている。そして、各設備用配管P1、
P2、P3の先端には図3に拡大して示す管継手30が
取り付けられている。また、設備用配管P1、P2、P
3が位置する部分には、設備用配管が埋入する大きさの
凹溝を裏面に形成した埋込材1’・・が上方から定着さ
れている。
【0019】このコンクリートスラブ用基板A2 は、設
備用配管P1、P2、P3をコンクリート基板3に定着
する点を除いて、例えば特公昭57−47008号公報
等に開示される従来のコンクリートスラブ用基板の場合
と同様にして製造される。すなわち、基板となるコンク
リートが未硬化のうちに、コンクリート基板3上に図
8、図9に示したような標準化された中空部を持つ埋込
材あるいは中実の埋込材(図示されない)1・・、配管
用ボックスV1 、先端に管継手30を持つ設備用配管P
1、P2、P3とを配置し、埋込材1・・は図示しない
適宜の係止具によりもしくはコンクリートが未硬化のう
ちに圧着することにより、また、設備用配管P1、P
2、P3は留め具21により、それぞれコンクリート基
板3に係止する。さらに、設備用配管P1、P2、P3
が位置する部分には前記のように設備用配管が埋入する
大きさの凹溝を裏面に形成した埋込材1’・・が上方か
ら被せられ、埋込材1と同様に適宜の係止具により係止
される。しかる後、従来と同様にコンクリートの養生が
行われる。それにより、上記各部材はコンクリート基板
3に定着固定されてコンクリートスラブ用基板A2 は完
成する(なお、図2において図解を容易にするために、
トラス筋は省略している)。なお、設備用配管の留め具
21による係止は必ずしも必須でなく、コンクリート基
板に配置したままの状態で埋込材1’により上方から押
さえ付けることにより、コンクリート基板への定着を行
うこともできる。
【0020】特に図示しないが、コンクリートスラブ用
基板A1 、A4 、A5 についても同様にして、コンクリ
ート基板3上に埋込材1、1’と必要な設備用配管P4
〜P6、あるいは配管用ボックスV2 が設計図に従って
定着固定される。次に、図3により、管継手30の一例
を説明する。この管継手30は設備用配管Pに外嵌する
内径を持ちかつ両端に環状フランジ32を形成した筒体
31と、該環状フランジ32に嵌合する凹溝33を持つ
締め付け具34とからなる。締め付け具34は上下の半
円環状部材35、36からなり、それぞれに形成した凹
溝33を前記筒体31に形成された環状フランジ32に
嵌合させた状態でその両側部に形成したネジ穴37・・
にネジ38を螺合して締め付けることにより、一体化さ
れる。一体化された状態での締め付け具34の内径は筒
体31の内径と同じとするか幾分小径のものとされる。
さらに、各半円環状部材35、36の内周面には突起3
9が形成されており、該突起39は締め付け時に、設備
用配管Pに形成されている環状凹溝40内に入り込み、
抜け止めとしての機能を果たす。
【0021】上記の構成の管継手30はコンクリートス
ラブ用基板Aの製造時にそこに配置される設備用配管P
の先端に取り付けられる。ただし、図3に例示するよう
に、隣接して配置されるコンクリートスラブ用基板(こ
の例ではコンクリートスラブ用基板A1 とA2 )のそれ
ぞれに取り付けた設備用配管P2aとP2bの先端同志
が施工現場で接続されるとした場合に、一方側の設備用
配管P2bの先端にのみ管継手30を取り付け、他方の
設備用配管P2aには取り付けない。また、側壁部に取
り付けたコンセントC1〜C8と接続する設備用配管の
端部には、該コンセント側と連結できる形成の図示しな
い適宜の管継手が取り付けられる。
【0022】コンクリートスラブの施工に際しては、各
住戸あるいは各フロアーでのコンクリートスラブにおけ
る設備用配管設計状況に対応して、一例として図2に示
したコンクリートスラブ用基板A2 と同様にして製造さ
れた異なった配管態様を持つコンクリートスラブ用基板
1 〜A5 が、一括して構築物の施工現場に持ち込まれ
る。そして、施工現場では、形状の異なる各コンクリー
トスラブ用基板を設計図に従い躯体の梁B、B間に配置
し、カップリング30を用いて必要な配管同志の接続を
行う。
【0023】作業者は各コンクリートスラブ用基板A1
〜A5 を所定位置に配置した後、あるいは配置しなが
ら、例えば設備用配管P2bに取り付けた管継手30の
筒体31を接続すべき設備用配管P2aの先端側に移動
し、ネジ38により上下の半円環状部材35、36を一
体に締め付ける(図3参照)。それにより、コンクリー
トスラブ用基板A2 とコンクリートスラブ用基板A1
を通る設備用配管P2の配置固定作業は終了する。同じ
作業が、コンクリートスラブ用基板A4 とコンクリート
スラブ用基板A5 との間の設備用配管P5の接続部でも
行われる。さらに、各設備用配管P1〜P6と側壁部に
設けたコンセントC1〜C8との間での接続作業も行わ
れる。なお、コンセントCと配管Pとの接続態様は配管
Pが予めコンクリートスラブ用基板Aのコンクリート基
板3に定着されている点を除き従来と同様の方法で行う
ことができる。従って、図4では各コンセントとの接続
態様は省略している。
【0024】以下、従来工法と同様に、スラブ上端筋等
の配筋を行い、現場打ちコンクリートを打設することに
よりコンクリートスラブの施工は終了する。上記の説明
は本発明によるコンクリートスラブ用基板及びその施工
方法の一実施例の説明であって、他に多くの変形例が存
在する。例えば、上記実施例によるコンクリートスラブ
用基板を用いての中空コンクリートスラブの施工におい
て、設備用配管Pが配置される場所には裏面に凹溝を形
成した埋込材1’を定着して中空率を確保しているが、
図5に示すように、本来埋込材が配置されるべき場所で
あって設備用配管Pが位置しない部分に対して中実の合
成樹脂発泡板を適宜の大きさに裁断した別の埋込材1a
・・を施工現場であるいは工場で配置固定するようにし
てもよい。このような埋込材1’あるいは1aは中実材
でもよく中空部を持つものであってもよい。また、特に
図示しないが、内部に空間を持つ埋込材を設備用配管の
定着後に上方から被せることにより、所定の中空率を得
るようにしてもよい。設計するコンクリートスラブ自重
が許す場合には、設備用配管Pを定着した部分に埋込材
を配置しないことも可能である。この場合、コンクリー
トスラブの中空率は低下するが、コンクリートスラブ用
基板の製造は容易となる。
【0025】管継手30の構成も任意であり、打設され
るコンクリートが侵入しない程度の密封性と打設コンク
リートにより破壊されない強度とを持つものでれば、従
来知られた適宜の管継手を適宜用いることができる。さ
らに、工場で製造する際に、設備用配管の先端に管継手
を装備することも必須でなく、施工現場において、別途
用意した適宜の管継手を用いて配管の接続を行うように
してもよい。
【0026】以上の説明から分かるように、本発明によ
れば、従来は埋込材と埋込材との間に形成される現場打
ちコンクリート充填用空間部に配置せざるを得なかった
設備用配管の敷設を、設計条件通りの最短距離で行うこ
とが可能となり、かつ、施工現場での設備用配管の配設
作業が不要となることから、施工時間も大幅に短縮され
る。
【0027】なお、配置される標準材としての埋込材1
・・の形状は任意であり、コンクリート基板の養生時に
発生する蒸気を中空部Sから抜くための開口を形成した
埋込材(特開平5−208410号公報参照)等も有効
に用いうる。さらに、埋込材及び設備用配管のコンクリ
ート基板への取り付けも、前記のようにコンクリートが
未硬化の状態で係止具により取り付けるものに限らず、
コンクリートが未硬化の状態での圧着により、あるい
は、ウレタン系接着剤のような反応型接着材を用いて接
着固定する方法、あるいは、コンクリートの硬化後にコ
ンクリート釘や、接着剤、接着テープ等を用いて固定す
る方法(特開平5−208411号公報参照)等も用い
ることができる。前記のように、設備用配管を積極的に
コンクリート基板側に定着せずに、上方から覆う埋込材
により固定するようにしてもよい。
【0028】図示の例では、設備用配管Pはすべて埋込
材の位置を走るようになっているが、配管の本数が少な
い場合には、設備用配管Pを埋込材と埋込材との間の空
間に配置するようにしてもよい。この場合には、従来の
コンクリートスラブ用基板をそのまま利用できるメリッ
トがある。また、一部の設備用配管のみを埋込材と埋込
材との間の空間に配置するようにしてもよい。
【0029】さらに、上記の実施例では、設備用配管P
がコンクリート基板3の上に定着されているものとした
が、コンクリート基板3を製造する過程において、一部
あるいは全部の設備用配管Pをコンクリート基板3の内
部に、コンクリートの硬化によりあるいは適宜の係止具
も用いて、定着配置するようにしてもよく、この場合で
も、同様に現場での配管作業は簡素化される。全ての設
備用配管Pをコンクリート基板3中に定着配置するもの
においては、コンクリート基板3上に配置する埋込材1
はすべて同じ形状のもの(既存のもの)を用いることが
可能となり、中空率を一定にすることができる。また、
コンクリートスラブ用基板の製造コストも低減する。
【0030】
【発明の効果】上記の記載から明らかなように、本発明
によるコンクリートスラブ用基板を用いることにより、
コンクリートスラブ構築時の設備用配管の配管作業が大
幅に短縮され、かつ、その配管距離も短縮することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】コンクリートスラブの配管状況を説明する図。
【図2】本発明によるコンクリートスラブ用基板を説明
する斜視図。
【図3】本発明によるコンクリートスラブ用基板に用い
る管継手の一例を説明する図。
【図4】本発明によるコンクリートスラブ用基板を用い
て施工されるコンクリートスラブの途中の状態を示す斜
視図。
【図5】本発明によるコンクリートスラブ用基板の他の
態様を説明する斜視図。
【図6】従来のコンクリートスラブ用基板を示す鳥瞰
図。
【図7】従来のコンクリートスラブ用基板を用いてのコ
ンクリートスラブ及び構築物の一例を示す図。
【図8】埋込材の一例を示す図。
【図9】埋込材の一例を示す図。
【図10】従来のコンクリートスラブ用基板を用いての
設備用配管状態を説明する図。
【符合の説明】
A…コンクリートスラブ用基板、P…設備用配管、V…
配管用ボックス、1…埋込材、3…コンクリート基板、
21…留め具、30…管継手
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI E04C 2/52 E04C 2/50 K (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E04B 5/48 E04B 5/02 E04B 5/32 E04B 5/38 E04C 2/52

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コンクリート基板上に合成樹脂発泡成形
    品からなる埋込材が所定の間隔で配置されてなるコンク
    リートスラブ用基板であって、該コンクリートスラブ用
    基板には、設備用配管がコンクリート基板上に予め定着
    されており、該設備用配管が位置することとなる埋込材
    は裏面に凹溝が形成されていて、該凹溝内を設備用配管
    が通過するようにしてコンクリート基板に定着されてお
    り、設備用配管が位置しない箇所の埋込材は裏面に凹溝
    を有しない埋込材がコンクリート基板に定着されている
    ことを特徴とするコンクリートスラブ用基板。
  2. 【請求項2】 該設備用配管は管継手を有していること
    を特徴とする請求項1記載のコンクリートスラブ用基
    板。
  3. 【請求項3】 施工すべきコンクリートスラブにおける
    設備用配管の配置状態に応じて、所定位置に設備用配管
    を予め定着した請求項1又は2記載のコンクリートスラ
    ブ用基板を用意し、それを、躯体側の梁間の所定の位置
    に載置して隣接する設備用配管同志を管継手を介して接
    続し、必要に応じてスラブ上端筋を取り付けた後、その
    上から現場打ちコンクリートを打設することを特徴とす
    るコンクリートスラブの施工方法。
  4. 【請求項4】 コンクリートスラブの基板として請求項
    1又は2記載のコンクリートスラブ用基板を持つ構築
    物。
JP04000696A 1995-06-09 1996-02-27 配管を予め定着したコンクリートスラブ用基板、該基板を用いたコンクリートスラブの施工方法とその構築物 Expired - Fee Related JP3253511B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP04000696A JP3253511B2 (ja) 1995-06-09 1996-02-27 配管を予め定着したコンクリートスラブ用基板、該基板を用いたコンクリートスラブの施工方法とその構築物

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7-143521 1995-06-09
JP14352195 1995-06-09
JP04000696A JP3253511B2 (ja) 1995-06-09 1996-02-27 配管を予め定着したコンクリートスラブ用基板、該基板を用いたコンクリートスラブの施工方法とその構築物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0953291A JPH0953291A (ja) 1997-02-25
JP3253511B2 true JP3253511B2 (ja) 2002-02-04

Family

ID=26379425

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP04000696A Expired - Fee Related JP3253511B2 (ja) 1995-06-09 1996-02-27 配管を予め定着したコンクリートスラブ用基板、該基板を用いたコンクリートスラブの施工方法とその構築物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3253511B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106013596B (zh) * 2016-06-10 2019-07-09 华北理工大学 带断肋预应力钢筋混凝土叠合板及其制作方法
CN110219413A (zh) * 2019-05-31 2019-09-10 中国五冶集团有限公司 一种蒸压加气混凝土板及其制备方法
CN113463807B (zh) * 2021-06-30 2022-04-26 北京天邦巨成科技有限公司 双桁架系统及具有其的楼承板

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0953291A (ja) 1997-02-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4468911A (en) System for forming structural concrete
US5519971A (en) Building panel, manufacturing method and panel assembly system
RU2121044C1 (ru) Строительная панель, способ ее изготовления и созданные на этой основе фундаментный строительный блок, фундамент строения, трехмерная строительная конструкция, высотное здание и трехмерное строение, а также способ крепления деталей архитектурной отделки к поверхности строения
US5656194A (en) Assembly jig for prefabricated concrete walls
CN108532751B (zh) 装配式混凝土梁柱节点及施工方法
US4545158A (en) Interior wall structure for a transportable building module
JP3253511B2 (ja) 配管を予め定着したコンクリートスラブ用基板、該基板を用いたコンクリートスラブの施工方法とその構築物
US4545169A (en) Prefabricated transportable concrete floor system and method for producing same
JPH10160881A (ja) 原子力発電所の建屋構造および建屋建築工法
JP3169818B2 (ja) 一部の埋込材の表面に凹溝を形成したコンクリートスラブ用基板、該基板を用いたコンクリートスラブの施工方法とその構築物
JP3346948B2 (ja) 中実の埋込材を持つコンクリートスラブ用基板、該基板を用いたコンクリートスラブの施工方法とその構築物
JP3346947B2 (ja) 一部に高さの低い埋込材を持つコンクリートスラブ用基板、該基板を用いたコンクリートスラブの施工方法とその構築物
WO1992006251A1 (en) A modular slab on ground building system
JP3253487B2 (ja) 一部に上方側を開放した埋込材を持つコンクリートスラブ用基板、該基板を用いたコンクリートスラブの施工方法とその構築物
JPH08239930A (ja) 駐車場用プレキャストコンクリート床版
CN214925367U (zh) 隔热板及其模具
JP3071771B2 (ja) ボイドスラブの構築方法
JP3487934B2 (ja) 配管布設用トレンチ及びその施工方法
JP3364051B2 (ja) 一部埋込材を欠除したコンクリートスラブ用基板、該基板を用いたコンクリートスラブの施工方法とその構築物
CN114800787A (zh) 隔热板及其制造方法、模具
JP3169801B2 (ja) 埋込材を持つコンクリートスラブ用基板、及び該基板を用いたコンクリートスラブ
JP3009298B2 (ja) PCa床版の製造方法
JP3369436B2 (ja) 配管施工方法
JP2671919B2 (ja) 樋内蔵壁パネル
JPH0227104Y2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees