JP3245889B2 - 合わせガラス - Google Patents
合わせガラスInfo
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Description
やサイドガラス、建築物の窓ガラス等に用いられる合わ
せガラスに関する。
リビニルブチラール系樹脂が最も一般的に用いられてき
たが、ポリビニルブチラール系樹脂は熱可塑性樹脂であ
るために以下の問題点を有していた。 軟化点が比較
的低いために、貼合せた後に熱によりガラス板がずれた
り気泡の発生が認められる。 水分の影響を受け易い
ために、高湿度雰囲気下に長期間に亘り放置しておくと
周辺部から次第に白色化すると共にガラスとの接着力の
低下が認められる。 耐衝撃破壊性能が温度に依存
し、特に室温を超えた温度領域、即ち、約30℃以上で
は耐貫通性能が急激に低下する。
を解決するために、本発明者らはエチレン−酢酸ビニル
共重合体に有機過酸化物を配合した熱硬化性樹脂をガラ
ス板間に介在させて一体化し、熱硬化性樹脂層を熱硬化
させてなる合わせガラスを提案し、先に特許出願してき
た(例えば、特開昭57−196747)。
層の間に有機樹脂からなるフィルムを間挿させて、合わ
せガラスとしての耐衝撃・耐貫通性能を向上させると共
に、有機樹脂フィルムにデザインを施したり、着色を施
して熱線反射及び吸収性能を付与した合わせガラスを提
案し、先に特許出願した(特開昭60−22643
6)。この合わせガラスは、エチレン−酢酸ビニル共重
合体からなる中間層が、ガラスのみらなず有機樹脂フィ
ルムとも非常に良好な接着性のもとに接着するという特
性を利用したものである。
合わせガラスの問題点として、第1に、合わせガラス
に、ガラスが破壊するような強い衝撃が加わった際、合
わせガラス構造体としての反発力が強すぎるために、例
えば自動車のフロントガラスに用いた場合、乗員の頭部
への衝撃が大きいという点が指摘されていた。
機樹脂フィルムを間挿した場合、音を遮ぎる、即ち、防
音ガラスとしての性能が期待されるが、実際には、この
効果が不足していることも指摘されていた。合わせガラ
スの防音性能は、自動車用ガラスに用いた場合にエンジ
ン音などの外部音を遮断して快適な運転環境を形成した
り、また、建築物の窓ガラスに用いた場合には外部から
の騒音とともに室内からの発生音も遮断して快適な居住
環境を保証するという点で、最近、特に重要視されてい
るものである。
ものであって、自動車の窓ガラスや建築物の窓ガラスに
用いた場合、人間が衝突した際の衝撃が少なく、また、
遮音、防音性能に優れた高機能の合わせガラスを提供す
ることを目的とする。
は、熱硬化性樹脂よりなる少なくとも2層の中間層間に
有機樹脂製フィルムを間挿してなる積層体を、ガラス板
間に介在させ、前記中間層を硬化一体化させてなる合わ
せガラスにおいて、前記熱硬化性樹脂が、エチレン−酢
酸ビニル共重合体に、炭化水素樹脂及び有機過酸化物を
配合してなることを特徴とする。
使用する有機樹脂製フィルムの材質としては、ポリエス
テル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチ
レン、エチレン−ビニルアセテート共重合体、鹸化エチ
レン−ビニルアセテート共重合体、ポリメタクリル酸メ
チル、ポリビニルブチラール、エチレン−エチルアクリ
レート共重合体、エチレン−メチルアクリレート共重合
体、金属イオン架橋エチレン−メタクリル酸共重合体、
ポリスチレン、ポリウレタン、ポリカーボネート、セロ
ファン等が挙げられるが、フィルムの平滑性、表面光沢
(蒸着等により金属の薄膜を形成するために要求され
る)、強度、作業性等の観点から最も好ましいのはポリ
エステルフィルムである。
フィルムの全体又は一部に、装飾性の向上のために、各
種図柄、絵、写真、文字、記号等のデザインを施す、熱
線吸収性付与のために着色を施す、或いは、熱線反射効
果又は導電性を付与するために金属又は金属酸化物の薄
膜を蒸着等の手段で施すことが可能であり、いずれの場
合も、当該フィルムが合わせガラスの中間層内に存在す
ることから、施されたデザイン、着色、薄膜は、極めて
耐久性の高いものとなる。
属又は金属酸化物の薄膜を形成する方法としては、蒸
着、スパッタリング、イオンプレーティング等の方法が
あり、形成される薄膜の金属又は金属酸化物の主成分と
しては酸化インジウム、酸化クロム、金、パラジウム、
錫、酸化カドミウム、銀、プラチナ、アルミニウム、
銅、沃化銅、酸化錫、酸化アンチモン錫、酸化チタン等
が用いられ、これらは2種類以上を組み合わせても差し
支えない。
能を付与するために、用いるガラス板に直接上記のよう
な金属又は金属酸化物の薄膜をコーティングしても差し
支えない。この場合、有機樹脂製フィルムとしては、透
明なものを用いることができる。
いて説明する。本発明に係る熱硬化性樹脂は、エチレン
−酢酸ビニル共重合体に炭化水素樹脂及び有機過酸化物
を配合してなるものである。
共重合体としては、その酢酸ビニル含有率が10〜50
重量%、特に15〜40重量%であることが好ましい。
この酢酸ビニル含有率が10重量%未満であると、高温
で架橋硬化させる場合に得られる樹脂の透明度が充分で
なく、逆に50重量%を超えると合わせガラスにした場
合の耐衝撃性、耐貫通性が不足する傾向がある。
樹脂系、合成樹脂系のいずれでも差し支えない。天然樹
脂系ではロジン、ロジン誘導体、テルペン系樹脂等が好
適に用いられる。これらのうち、ロジンとしてはガム系
樹脂、トール油系樹脂、ウッド系樹脂等を用いることが
できる。ロジン誘導体としては上記ロジンをそれぞれ水
素化、不均化、重合、エステル化又は金属塩化したもの
などを用いることができる。テルペン系樹脂としてはα
−ピネン、β−ピネンなどのテルペン樹脂のほか、テル
ペンフェノール樹脂等を用いることができる。また、そ
の他の天然樹脂としてダンマル、コーパル、シェラック
等を用いても良い。
ール系樹脂、キシレン系樹脂等が好適に用いられる。こ
れらのうち、石油系樹脂としては脂肪族系石油樹脂、芳
香族系石油樹脂、脂環族系石油樹脂、共重合系石油樹
脂、水素化石油樹脂、純モノマー系石油樹脂、クマロン
インデン樹脂等を用いることができる。フェノール系樹
脂としてはアルキルフェノール樹脂、変性フェノール樹
脂等を用いることができる。キシレン系樹脂としてはキ
シレン樹脂、変性キシレン樹脂等を用いることができ
る。
量が200〜50000、特に200〜10000のも
のが好ましい。
酸ビニル共重合体100重量部に対して1〜100重量
部、特に2〜80重量部添加するのが好ましい。
重合体の硬化剤として使用されるものであり、100℃
以上の温度で分解してラジカルを生ずるものであればい
ずれも使用可能である。配合時の安定性を考慮した場
合、半減期10時間の分解温度が70℃以上であるもの
が好ましく、具体的には、2,5−ジメチルヘキサン−
2,5−ジハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチル
−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、
ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパー
オキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチ
ルパーオキシ)ヘキサン、ジクミルパーオキサイド、
α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシジイソプロピ
ル)ベンゼン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチル
パーオキシ)バレレート、2,2−ビス(t−ブチルパ
ーオキシ)ブタン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキ
シ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオ
キシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、t−
ブチルパーオキシベンゾエート、ベンゾイルパーオキサ
イド等を挙げることができる。これらの有機過酸化物は
1種を単独で、或いは2種以上を併用して用いることが
でき、その添加量はエチレン−酢酸ビニル共重合体10
0重量部に対して0.1〜5重量部とするのが好まし
い。
スを向上させて耐貫通性能を高めるために、アクリロキ
シ基含有化合物、メタクリロキシ基含有化合物及びアリ
ル基含有化合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種
の化合物を、硬化助剤として添加しても良い。これらの
化合物のうち、アクリロキシ基含有化合物、メタクリロ
キシ基含有化合物としては、アクリル酸又はメタクリル
酸誘導体、例えばそのエステルを用いることができる。
この場合、エステルのアルコール残基としては、メチル
基、エチル基、ドデシル基、ステアリル基、ラウリル基
のようなアルキル基の他に、シクロヘキシル基、テトラ
ヒドロフルフリル基、アミノエチル基、2−ヒドロキシ
エチル基、3−ヒドロキシプロピル基、3−クロロ−2
−ヒドロキシプロピル基等を挙げることができる。更
に、エチレングリコール、トリエチレングリコール、ポ
リエチレングリコール等の多官能アルコールとのエステ
ルも同様に用いることができる。
リルフタレート、ジアリルフマレート、ジアリルマレエ
ート、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌ
レートが好ましく用いられる。
酢酸ビニル重合体に対し50重量%以下とするのが好ま
しい。
樹脂とガラスとの接着力をより一層高めるためにシラン
カップリング剤を接着力向上剤として添加することもで
きる。この場合、使用されるシランカップリング剤とし
ては公知のもの、例えば、γ−クロロプロピルメトキシ
シラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリエトキシ
シラン、ビニル−トリス(β−メトキシエトキシ)シラ
ン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、
β−(3,4−エトキシシクロヘキシル)エチル−トリ
メトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキ
シシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−メルカプ
トプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルト
リエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−ア
ミノプロピルトリメトキシシラン等を挙げることができ
る。これらシランカップリング剤の配合量は、エチレン
−酢酸ビニル共重合体に対して5重量%以下で充分であ
る。
安定性を向上させる目的で、ハイドロキノン、ハイドロ
キノンモノメチルエーテル、p−ベンゾキノン、メチル
ハイドロキノン等の重合抑制剤を、エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体に対して5重量%以下の量で添加することも
できる。また、これらの添加剤にも、着色剤、紫外線吸
収剤、老化防止剤、変色防止剤等を必要に応じて添加す
ることもできる。
分の所定量を常法に従って混合することにより容易に調
製される。
用いて本発明の合わせガラスを製造するには、常法に従
って、該熱硬化性樹脂のシートを成形し、2枚のシート
間に前記有機樹脂製フィルムを間挿して積層体とし、こ
の積層体をガラス間に介在させ、当該熱硬化性樹脂の硬
化温度で硬化させ、ガラス及び有機樹脂製フィルムと一
体化させる。
通性に優れ、また、人間等の物体が衝突した場合の衝撃
が少ない上に、防音性能に優れた高機能の合わせガラス
であり、自動車のフロントガラスやサイドガラス、建築
物の窓ガラス等として極めて有用である。
と有機過酸化物を配合して得られる熱硬化性樹脂は、合
わせガラスに用いた場合、炭化水素樹脂の添加効果によ
り、著しく優れた耐衝撃性、耐貫通性を示す。
人体への衝撃を小さくすることができ、また、防音、遮
音機能も向上される。更に、この有機樹脂製フィルムに
デザイン、着色、金属薄膜等を付与することにより、装
飾性、熱線吸収又は反射機能、導電性等を有する多機能
合わせガラスとすることができる。
で混合して、各々、熱硬化性樹脂を調製した。
て厚さ0.4mmのシートを2枚作製した。この2枚の
シート間に、厚さ100μmの透明ポリエステルフィル
ムを挟み込んで積層体とした。この積層体を、予め洗浄
乾燥しておいた2枚の3mm厚さのフロートガラス間に
挟んだ。このものをゴム袋に入れて真空脱気し、80℃
の温度で予備圧着した。その後、この予備圧着合わせガ
ラスをオーブン中に入れ、130℃の条件下で30分間
処理した。得られた合わせガラスはいずれも透明度が高
く、光学的にもゆがみのないものであった。
を行ない、結果を表2及び第2図に示した。 落球試験 合わせガラスの表面にJIS R 3025にもとづき
2.25kgの鋼球を表2に示す高さから落下させて破
壊状況を観察した。合わせガラスの鋼球貫通の有無、膜
の亀裂発生の有無を調べた。また、鋼球が合わせガラス
に衝突した後のはね上がり高さを測定した。
りだし、損失係数を測定した。測定に用いた装置は
(株)東陽テクニカ製の損失係数測定であり、測定周波
数は500ヘルツ、1000ヘルツ、2000ヘルツと
し、温度−20℃〜+60℃まで測定し、結果を図示し
た。なお、500ヘルツから2000ヘルツまでが住環
境において人間が音として識別できる周波数帯であり、
損失係数が大きいほど防音効果の高いことを示す。
酸ビニル含有率=26重量%)(東ソー株式会社製(商
標)) *2:炭化水素樹脂(重量平均分子量700の脂環族系
炭化水素樹脂)(荒川化学工業株式会社製(商標))
て合わせガラスを得、同様に試験を行ない、結果を表2
及び第2図に示した。
わせガラスは、物体衝突時の耐破壊特性に優れるととも
に、はね上り高さが小さいため、物体衝突時の人体への
衝撃を小さくすることができる。また、第1図、第2図
の損失係数の測定結果をみても、いずれの周波数におい
ても実施例1のほうが20℃付近での住環境温度におい
て損失係数が大きく、防音性能に対しても本発明の合わ
せガラスは効果が高いことが明らかである。
スによれば、耐衝撃性、耐貫通性に優れる上に、人間等
の物体が衝突した場合の衝撃が少なく、しかも、防音性
能にも優れた高機能合わせガラスが提供される。
測定結果を示すグラフである。
測定結果を示すグラフである。
Claims (6)
- 【請求項1】 熱硬化性樹脂よりなる少なくとも2層の
中間層間に有機樹脂製フィルムを間挿してなる積層体
を、ガラス板間に介在させ、前記中間層を硬化一体化さ
せてなる合わせガラスにおいて、前記熱硬化性樹脂が、
エチレン−酢酸ビニル共重合体に、炭化水素樹脂及び有
機過酸化物を配合してなることを特徴とする合わせガラ
ス。 - 【請求項2】 請求項1において、該炭化水素樹脂の重
量平均分子量が200〜50000であることを特徴と
する合わせガラス。 - 【請求項3】 請求項2において、該炭化水素樹脂の重
量平均分子量が200〜10000であることを特徴と
する合わせガラス。 - 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれか1項におい
て、該熱硬化性樹脂中の炭化水素樹脂の配合量がエチレ
ン−酢酸ビニル共重合体100重量部に対して1〜10
0重量部であることを特徴とする合わせガラス。 - 【請求項5】 請求項4において、該熱硬化性樹脂中の
炭化水素樹脂の配合量がエチレン−酢酸ビニル共重合体
100重量部に対して2〜80重量部であることを特徴
とする合わせガラス。 - 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれか1項におい
て、該炭化水素樹脂が脂環族系炭化水素樹脂であること
を特徴とする合わせガラス。
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US07/888,817 US5632835A (en) | 1991-06-07 | 1992-05-27 | Laminated glass and preparation thereof |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13658591A JP3245889B2 (ja) | 1991-06-07 | 1991-06-07 | 合わせガラス |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH04362045A JPH04362045A (ja) | 1992-12-15 |
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Family
ID=15178726
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13658591A Expired - Fee Related JP3245889B2 (ja) | 1991-06-07 | 1991-06-07 | 合わせガラス |
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Country | Link |
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Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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FR2843227B1 (fr) * | 2002-07-31 | 2006-07-28 | Saint Gobain | Profile a propriete d'amortissement acoustique. |
JP5963625B2 (ja) * | 2012-09-21 | 2016-08-03 | 日本化薬株式会社 | ガラスと硬化性樹脂層および透明樹脂層を有する積層体 |
-
1991
- 1991-06-07 JP JP13658591A patent/JP3245889B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH04362045A (ja) | 1992-12-15 |
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