JP3245092B2 - 液体注入方法 - Google Patents

液体注入方法

Info

Publication number
JP3245092B2
JP3245092B2 JP20012697A JP20012697A JP3245092B2 JP 3245092 B2 JP3245092 B2 JP 3245092B2 JP 20012697 A JP20012697 A JP 20012697A JP 20012697 A JP20012697 A JP 20012697A JP 3245092 B2 JP3245092 B2 JP 3245092B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liquid
ink
wall
container
corner
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP20012697A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH10175311A (ja
Inventor
英久 松本
弘明 三原
敏明 佐々木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP20012697A priority Critical patent/JP3245092B2/ja
Priority to DE69721163T priority patent/DE69721163T2/de
Priority to EP97115723A priority patent/EP0829365B1/en
Priority to MXPA/A/1997/006891A priority patent/MXPA97006891A/xx
Priority to US08/927,402 priority patent/US6328437B1/en
Publication of JPH10175311A publication Critical patent/JPH10175311A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3245092B2 publication Critical patent/JP3245092B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • B41J2/17Ink jet characterised by ink handling
    • B41J2/175Ink supply systems ; Circuit parts therefor
    • B41J2/17503Ink cartridges
    • B41J2/17513Inner structure
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • B41J2/17Ink jet characterised by ink handling
    • B41J2/175Ink supply systems ; Circuit parts therefor
    • B41J2/17503Ink cartridges
    • B41J2/17506Refilling of the cartridge

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット記
録分野において用いられる液体容器の液体注入方法に関
し、より具体的には密閉空間を形成可能な可撓性の液体
収容部を有する液体容器への液体注入方法に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録分野におけるイン
ク、或いは記録に使用される処理液体など(以下、これ
らを総称して液体、と称する)を収容するための液体収
納容器としては、容器を形成する筐体内部に袋状の液体
収容部を設ける構成が知られている。このような液体収
納容器を利用する記録装置では、液体収納容器から供給
チューブを介して記録手段に液体を供給する構成が一般
的であり、記録手段と液体収納容器との間に水頭差を設
けることで、記録手段からの安定した液体の吐出を実現
している。
【0003】上述の記録装置では、記録手段と液体収納
容器との間に水頭差を設ける必要があるため、記録装置
の小型化を実現することが難しいとされている。そのた
め、記録手段である吐出ヘッドと液体収納容器(インク
タンク)とを一体化可能な構成(インクジェットカート
リッジ)とすることが知られている。この場合、インク
を安定して保持し、記録手段に設けられたノズル等の吐
出部からのインク漏れを防ぐために、水頭差にかわっ
て、記録手段に供給されるインク流れに対する背圧を発
生する機構が求められる。この背圧は吐出口部の圧力を
大気圧に対して負とするためのものであることから、負
圧と呼ばれている。前記のインクジェットカートリッジ
は、さらに分類すると、記録手段と液体収納容器とが常
時一体の構成と、記録手段と液体収納容器とが別体で、
かつ記録装置に対して双方とも分離でき、使用時に一体
にして使用する構成とに分けることができる。
【0004】このようなインクジェットカートリッジに
利用される液体収納容器としては、袋状のインク収納部
(液体収容部)にバネを設け、インクの消費による袋の
内方への変形に抗する力を与えることで負圧を形成する
もの(特開昭56-67269号公報、特開平6-226993号公報な
どを参照)が知られている。また、米国特許第4,509,06
2号明細書に開示されているゴム製のインク収納部は、
円錐形形状の円錐部を丸めた形状のもので、その丸めた
円錐部を円錐周面の厚みよりも薄くするという構成のも
のである。この円錐部の丸みを帯びた薄いゴム袋構造
は、その収納容器にとって、インクの消費に応じて優先
的に変位・変形するための構造となっている。これら
は、インクジェット記録装置用のインクタンク(液体収
納容器)として実用化されており、現状では満足のいく
ものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、本発明
者たちの一部は、将来的展望の見知から、液体収納容
器、特にインクジェットカートリッジに用いられるイン
クタンクについて、要求される理想的な条件を考えたと
ころ、以下の課題を想出するに至った。
【0006】まず一点目は、インク収容効率のより一層
の向上である(第1の課題)。即ち、同一空間に占める
インクタンクのインク収容効率をさらに高めることで、
インクタンクのインク収容量を増やすことである。
【0007】二点目は、構成部品が少なく、部品そのも
のの構造が単純であること(第2の課題)、さらに付加
的効果として、製品の歩留まりの減少や、品質管理項目
の減少などの利点が期待できることである。
【0008】そしてより好ましくは、近年問題となって
いる環境問題に対する対応である。対応策の一つとして
は、インクタンクの構成部品がリサイクル可能であるこ
とが挙げられる。そのためにはインクタンクの構成部品
がなるべく少ないこと、構成部品を容易に分別回収でき
ることが望ましい。
【0009】このような観点から上述の液体収納容器を
見た場合、インク収容部内部あるいはインク収容部と筐
体との間にバネ等の複雑な機構を有するものは、複雑な
機構を用いており、部品点数が多く組立が複雑であり、
上記の課題について満足できるものではない。
【0010】また、前述の円錐形形状のゴム製のインク
収納体は、前述したような構造限定が重要であるため、
所望の空間に最大収容部を与えることはできない。加え
て、材料的観点から使用できるインクの種類に制約を受
ける。従って、この円錐形のゴム製インク収納袋は、構
造及び製造条件が複雑となり、品質管理の点で複雑とな
り、製品の歩留りが良くはない。
【0011】本願出願人は、上述の課題を解決する代表
的な液体収納容器として、筐体内面と同等もしくは相似
形の外面を有する可撓性の液体収納部を備えた画期的な
液体容器の出願を既に行っているが、本発明はその後の
本発明者たちによる鋭意研究の結果、着想されたもので
ある。
【0012】すなわち、従来の可撓性袋状の液体収納容
器を含め、インクタンクへのインク注入方法は、インク
を常温で注入し、密閉するするのが一般的であるが、イ
ンクタンクの置かれる環境の温度変化、特に常温より高
い場合に、可撓性の袋により構成される液体収容部の膨
張が問題となることがあることに着目した。
【0013】これは、インクタンクのおかれる環境の温
度が常温に比べて高い場合、インクそのものが体積膨張
を行うこと、さらに温度が上昇した場合にはインク中の
溶存空気が環境変化で気泡となり膨張すること、等の原
因により液体収容部自体が膨張することが主な原因であ
る。そして、最悪の場合、液体収容部からインクが外部
へ漏れ出す恐れが生じる。
【0014】このことは、液体収納部外面と筐体内面と
が隙間なく対応することが可能な上述の液体収納容器の
発明に伴い、本発明者たちによって初めて認識されたも
のである。
【0015】本発明の第1の目的は、上述のインクジェ
ットカートリッジ用の負圧発生型液体収納容器に対する
理想的な条件をすべて満たし、安定した負圧を利用しな
がら液体供給を行うことが可能な液体収納容器に対し、
使用環境の変化に対してインク漏れを生じさせることな
く、より収容効率を高めることの出来る液体注入方法を
提供することである。
【0016】本発明の第2の目的は、第1の目的に加え
て、水頭差を利用して液体供給を行う可撓性の液体収容
部を有する液体収納容器に対しても、使用環境の温度変
化に対してインク漏れを生じさせることなく、より収容
効率を高めることの出来る液体注入方法を提供すること
である。
【0017】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するた
めに、本発明の液体注入方法は、液体を収納し密閉空間
を形成可能な可撓性の液体収容部と、該液体収容部外面
同等の形状の内面を有し、該液体収容部を分離可能に
覆う筐体と、前記液体収容部内の液体を外部へ導出する
ための液体導出部と、を有するインクジェット記録装置
に用いられる液体収納容器の液体注入方法において、前
記液体収容部に常温より高い温度の液体を収容する工程
と、外部への液体の導出時に液体の導出を許可する液体
導出許可部材で前記液体導出部を密閉する工程と、を有
することを特徴とする。
【0018】上述の液体注入方法によれば、従来の液体
収納容器に対し、使用環境の温度変化に対してインク漏
れが無く、より収容効率を高め、液体収納容器の内容積
に対してインク収納可能量を最大化することが出来る。
【0019】さらに、容器の形状について請求項3、
4、及び5に示す構成とすることで、特にインクジェッ
ト記録分野などに好適な、液体容器の内容積に対してイ
ンク収納可能量を最大化した、負圧発生型液体収納容器
を提供することが出来る。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例の詳細を図
面を用いて説明する。以下の実施例では液体収納容器
(インクタンク)に収納される液体として、インクを例
に説明を行なっているが、収納される液体として記録に
使用される処理液体などの液体であってもよいことは言
うまでもない。
【0021】まず、本発明の液体注入方法について、図
1を用いて説明する。
【0022】図1は、本発明の液体注入方法を適用可能
な液体注入装置の一例を示す概略説明図である。図1に
おいて、1は液体収納容器であり、液体収容部5を形成
しているのは可撓性の液体収容袋(インク収容袋)3で
ある。2はインク収容袋3を保護する筺体であり、4は
液体収容部5の液体を外部に導出するための液体導出部
である。液体導出部4に記録ヘッドなどへの液体の導出
を許可する液体導出許可部材(不図示)を取り付けるこ
とで、液体収容部5は実質的な密閉空間を形成すること
が可能となる。
【0023】まず、液体収納容器1の液体導出部4を治
具6にセットし、バルブ15を閉じ、バルブ14を開け
てポンプ7で液体収容部の空気を排出する。これと同時
にインク溜8中のインク11をヒータ9で約60℃に加
熱し、バルブ16を開けてインク溜8よりインク定量注
入器10に液体収容部収容容積の100%の量のインク
を補充する。インクの補充が終了した後、バルブ16を
閉じる。
【0024】液体収容部5内の空気の排出を終えた後、
バルブ14を閉め、バルブ15を開く。そして、インク
定量注入器10からインクを液体収容部5内へ注入す
る。定量のインクを注入した後、空気が入らないよう注
意しながら、液体導出部4に不図示の液体導出許可部材
を取り付け、液体収容部5を実質的に密閉空間とする。
【0025】本発明においては、インクの注入時の温度
は常温より高ければ後述する効果を有するが、インクの
特性が熱により変化しない範囲であることが求められ
る。本実施例ではインク注入時の温度は約60℃に設定
した。これは物流時を含めた液体収納容器の環境温度の
想定される最高温度とほぼ同程度であり、この時、イン
ク自体は加熱によりその特性が変化することはない。ま
た、この時注入されるインクには、常温で注入されるイ
ンクに比べて、空気の溶け込んでいる量はおよそ1/1
0程度になる。
【0026】さらに、液体収納容器に収容されるインク
中の溶存空気の量を減らすためには、装置のインク注入
経路、及び注入される液体収納容器について、注入する
インクと同じ程度の温度に加熱することがより望まし
い。また、インクを液体収容部に充填した後、インク注
入経路と接続したまま、容器の液体導出部を上方にした
上で一定時間加熱し、溶存空気を気泡として液体収納容
器外部に排出するようにしてもよい。加熱時間として
は、収納されるインク(液体)の種類と加熱時の温度に
よっても上限や下限が異なるが、60℃の場合、数時間
程度加熱できるとより望ましい。
【0027】また、液体導出許可部材の構成によって
は、液体導出許可部材を先に取り付けてから、インクの
注入を行ってもよい。この場合も、最終的に液体収容部
内をインクで充填することで、インクへの溶存空気も含
めて、インク収容部をほとんど空気の混入のない状態に
することが出来る。
【0028】なお、本実施例では減圧注入を利用したイ
ンク充填方法を開示したが、液体収容部に常温より高い
温度の液体を注入し、液体収容部内を液体で充填し、実
質的に密閉することが出来れば、減圧注入を利用せず、
加圧により注入してもよい。重要なことは、液体収容部
に、常温より高い温度のインク(あるいは液体)を、液
体収容部の内容積の100%注入して密閉すること、よ
り望ましくは密閉する際に空気を液体収容部内に取り込
まないようにすることである。
【0029】次に、このようにインクを常温に比べて高
い温度で液体収容部に注入し、空気が入らないように実
質的な密閉空間とすることによる効果について、図2及
び図3を用いて説明する。
【0030】図2は本発明の液体注入方法を用いた液体
収納容器の環境温度の変化に対する液体収容部の変化を
示す説明図であり、図3は従来の液体注入方法を用いた
液体収納容器の環境温度の変化に対する液体収容部の変
化を示す説明図である。図2、図3のいずれも図1に示
す液体収納容器1と同種の容器であり、(a)は液体収
納容器の置かれた環境温度が常温の場合、(b)は液体
収納容器の置かれた環境温度が常温より高い場合を示
す。
【0031】従来の液体注入方法を用いた場合、図3
(b)に示すように、液体収納容器1の置かれた環境温
度が常温より高い場合には、インク自体の膨張のほか
に、インク内に溶存していた空気12が液体収容部5に
気泡として析出することにより、液体収容部5は図3
(a)に示す常温時より大きく膨張する。
【0032】この気泡中には、溶存空気のほかに、イン
ク中の成分の一部が蒸気として存在しているので、液体
のインクの体積膨張に比べ、気泡の体積膨張の液体収納
容器に対する影響ははるかに大きなものとなる。例えば
20℃のインクを加熱することなく注入した液体収納容
器を60℃の環境下に放置した場合、液体収容部5の体
積膨張率は2〜3%程度になる。
【0033】このため、液体収容部5は液体導出許可部
材21により、実質的な密閉空間を形成しているが、最
悪の場合、液体導出部4から液体収容部5内部のインク
が流出する恐れがある。従って、筺体2とインク収容袋
3との間の隙間22は、インクの膨張のほかに上述の気
泡の存在を考慮する必要があり、大きなものにする必要
がある。
【0034】一方、本発明の液体注入方法を用いた場
合、液体収納容器の置かれる環境温度が常温より高く、
液体注入時の液体温度より低い場合には、図2(b)に
示すように、液体収容部5内に気泡が析出することはな
い。従って、図2(a)に示す常温時のインク収容袋3
と筺体2との間の隙間22は、液体注入時の液体温度が
液体収納容器の環境温度より高い範囲ではインクが常温
に戻ったときの体積減少分のみでよい。
【0035】また、環境温度の方が液体注入時の液体温
度より高い場合でも、従来の液体収入方法に比べて発生
する気泡の量ははるかに少ないので、その分隙間22を
大きくする必要がないことから、液体収納容器の単位体
積あたりの液体収容可能量を増やすことが出来る。
【0036】さらに加えて、密閉する際に空気を液体収
容部内に取り込まないようにすることにより、インクジ
ェット記録方式の中でも例えばピエゾ方式のようにイン
ク中の気泡や溶存空気の影響を受けやすい方法を採用す
るインクジェット記録ヘッドに対しても、より安定した
インクの吐出を実現できる。
【0037】次に、本発明の液体注入方法を特に好適に
適用可能な液体収納容器の構造、及び安定した負圧発生
及び保持の機構について、以下の各実施例で詳細に説明
を行なう。
【0038】(第1実施例)図4(a)〜(c)は、本
発明の一実施例にかかるインクタンクの構造の模式的概
略図であり、(a)は断面図、(b)は側面図、(c)
は斜視図を示している。図4(c)を見ると分かるよう
に、図4のタンクの外壁を構成する面のうち、最大面積
となっている面は、図4(a)の断面図のように間接的
に表示されている面となる。また、図5は、図4のイン
クタンクにインクを収容し、インクタンクの液体導出部
(インク供給部)からインクを導出したときの変化を
(a)〜(d)の順に示す概略図であり、添字1は図4
(b)のB−B断面図を、添字2は図4(a)のA−A
断面図を示している。本発明のインクタンクは、後述す
るダイレクトブロー成形により、インクタンク内壁と外
壁を同時に一工程で成形される方法により製造されてい
る。
【0039】図4のインクタンク100は、筐体を形成
する外壁101に対して分離可能な内壁102で囲まれ
た可撓性の液体収容部(以下、インク収容部と称する)
にインク(不図示)が収容されている。外壁101は内
壁102に比べて十分厚く、インクの流出により内壁1
02が変形しても殆ど変形することはない。また、外壁
は空気取り入れ口105を有している。内壁は溶着部
(ピンチオフ部)104を有し、この溶着部で内壁は外
壁に係合する形で支持されている。106は、インク収
容部を実質的に密閉にし、インクジェット記録ヘッドと
の接続時にインク収容部の気密状態を保ちながらインク
の導出を可能とする液体導出許可部材であり、本実施例
ではゴムが用いられている。
【0040】ここで、図4のインクタンクについて詳述
すると、インクタンク100は6つの平面から構成さ
れ、円筒状のインク供給部103が曲面として付加され
たものである。この6つの面のうち、インク供給部10
3の両側にある内・外壁それぞれにおける最大面積の面
は、後述する6つの角部(α1、β1、β1、α1)、
(α2、β2、β2、α2)で区分されている。
【0041】この最大面積をなす内壁面の厚さは、略多
角柱状の各面の中央域より角部を構成する部分の方が薄
く、各面の中央域から前記角部それぞれに向かって徐々
に減少しており、インク収容部側に凸の形状を有してい
る。この方向は、言い換えると面の変形方向と同じであ
り、後述する変形を促進させる効果を有する。
【0042】ここで内壁の角部は、後述するように3面
により構成されているので、結果として内壁の角部全体
の強度は中央域の強度に比べ相対的には強くなってい
る。また、面の延長から見れば、中央域に比べて厚さは
薄いので後述する面の移動を許容する。この内壁の角部
を構成する部分は、それぞれほぼ同等の厚さであること
が望ましい。
【0043】尚、図4及び図5は模式的概略図であるた
め、インクタンクの外壁101とインクタンク内壁10
2との位置関係は空間を隔てたように描かれているが、
実際は分離可能な状態になっていればよく、内壁と外壁
が接触していても、微少な空間を隔てて配置されるよう
に構成されていてもよい。したがって、いずれの場合に
おいても液体収納容器内部に液体が充填された状態(初
期状態)において、インクタンクは、外壁101の内面
の形状に沿って、少なくとも外壁101の角部α1、β
1に対応した位置に内壁102の角部α2、β2がくる
ように成形されている(図5(a1)、(a2))。
【0044】ここで、角部とは、略多面体により構成さ
れるインクタンクにおいて、少なくとも3つの面、より
好ましくは3つの平面の交差する交差部分、あるいはそ
の延長面の交差部に対応する部分を含む意味である。角
部の符号の意味は、αがインク供給口を有する面により
形成される角部、βはそれ以外の角部であり、添字1が
外壁であること、添字2が内壁であることを表してい
る。また、インク供給部は略円筒状に形成されている
が、ここで円筒の曲面と、実質的な平面との交差部分を
γで表すと、この交差部分においても外壁と内壁は対応
した位置にあり、それぞれを以下γ1、γ2と表記す
る。なお、角部には微小曲面部を設けて構成しても良
い。この時の面の定義は、多面体の微小曲面部を角部と
してとらえ、微小曲面部を除いた平面として定義する。
【0045】インクジェット記録手段のインクジェット
記録ヘッドからインクが吐出された後、インク収容部の
インクは消費されはじめると、内壁102は、インク収
容部の体積が減少する方向に、面積最大の面の中央部か
ら変形をはじめる。ここで、外壁は内壁の角部の変位を
抑制する働きをする。本インクタンクは上述の角部α
2、β2によって区分された角部の位置変動がほとんど
ないので、インク収容部はインク消費による変形の作用
力と初期状態の形状に戻ろうとする作用力とが働き、負
圧を安定化せしめる方向に機能する。
【0046】この時、空気取り入れ口105から、内壁
102と外壁101との間に空気が導入され、内壁の変
形を阻害することなく、インク使用時における安定した
負圧の維持をはかる働きをする。つまり、内壁と外壁の
空間は、空気取り入れ口105を介して外気に連通して
いる。この後、内壁の力と、記録ヘッドの吐出口におけ
るメニスカスの力が釣り合うことにより、インク収容部
内にインクが保持される(図5(b1)、(b2))。
【0047】さらにインク収容部のかなりのインクが外
部に導出される(図5(c1)、(c2))と、前述と
同様にインク収容部が変形し、インク収容部の中央部分
が内方に向かう安定した潰れかたが維持される。さら
に、溶着部104も、内壁の変形規制部分となり、最大
面積を有する面に隣接する面について、相対的にピンチ
オフ部104を有する領域より、ピンチオフ部を有して
いない部分が先に変形を始め、外壁から離間する。
【0048】しかし、上記の内壁変形規制部分だけで
は、インク供給部近傍の内壁が変形することでインク供
給部を塞いでしまい、インク収容部に収容されたインク
を十分使いきることができなくなる恐れがある。
【0049】本発明では、図4(c)に示す内壁の角部
α2は、初期状態において外壁の角部α1に沿って形成
されているので、内壁が変形する際に、内壁の他の部分
に比べて内壁の角部α2は変形しにくく、内壁の変形を
規制することができる。尚、本インクタンクの内壁は、
複数の角部α2のなす角度が90度として表現されてい
る。
【0050】ここで、内壁の角部α2の角度を、外壁の
角部α1を構成する実質的に平面形状をなす少なくとも
3面のうちの2面のなす角度、すなわち、2面の延長の
交差部分の角度として定義した。内壁の角部の角度を外
壁の角部の角度により定義するのは、後述する製造工程
において、外壁を基準に製造するためであり、すでに述
べたように内壁と外壁は初期状態においてほぼ相似形で
あるためである。
【0051】このように、図5(c1)、(c2)にお
いては、図4(c)に示す内壁の角部α2が対応する外
壁の角部α1に分離可能な状態で位置しており、一方、
インク供給口を有する面により形成される角部以外の内
壁の角部β2については、α2に比べるとやや対応する
外壁の角部β1から離れるようになる。しかし、図4お
よび図5に示す実施例では、対向する位置にあるβにつ
いても、そのなす角度が90度以下により構成されてい
るものが多い。したがって、インク収容部を形成する他
の内壁の領域に比べれば、対応する外壁との位置関係を
初期状態に近い位置に保つことができるので、内壁の補
助的な支持を実現している。
【0052】さらに、図5(c1)、(c2)において
は、後述する表面積最大の対向する面が、ほぼ同時に変
形を行うので、インク収容部の中心部が互いに接するよ
うになる。この中心部の接触部分(図5(c1)、(d
1)の斜線部)は、更なるインクの導出によりさらに広
がるようになる。すなわち、本発明のインクタンクは、
インクを導出するときに最大面積の面と、最大面積の面
に隣接する面とが形成するエッジが折れ曲がる前に、最
大面積の面が対向面と接触することになる。
【0053】やがてインク収容部に収容されていたイン
クのほぼ全体を使い終える(以下、最終状態と称する)
が、この時の状態を図5(d1)、(d2)に示す。
【0054】この状態において、インク収容部の接触部
分は、インク収容部のほぼ全域にわたり、内壁の角部β
2の中には、対応する外壁の角部β1から完全に離れる
ものも存在するようになる。一方、内壁の角部α2は、
最終状態においても対応する外壁の角部α1に分離可能
な状態で位置しており、最後まで内壁の変形規制部分と
なる。
【0055】更に、この状態の場合、内壁の厚さによっ
ては、溶着部104が外壁から離れることが起こりうる
が、その場合、溶着部104は長さ成分を持っているた
め、変形する方向は限定される。従って、溶着部が外壁
から外れる場合でも、その変形は不規則ではなく、バラ
ンスをとりながら変形を行うことになる。
【0056】本発明のインクタンクのインク収容部にイ
ンクを収容し、インク供給部からインクを導出したとき
の変化は以上の通りであり、最大面積の面から変形をは
じめ、最大面積の面と隣接する面が形成するエッジが折
れ曲がる前に最大面積の面が対向する面と接触し、イン
ク供給部を有する面により構成される角部以外の角部が
移動することで、インクタンクの変形の際に変形の優先
順位を有する構成となっている。
【0057】ここで、安定した負圧発生機構の一つであ
る、略多角柱により構成されているインクタンク外壁の
実質的に平面形状をなす面のうち、面積最大の面の少な
くとも一つにおいて、内壁と固定されていないことにつ
いて更に詳しく説明する。
【0058】上記の構成において、インクジェット記録
ヘッドからのインクの吐出により、インク収容部内のイ
ンクが減少すると、インクタンクの内壁は前述した変形
を規制する構成の条件下で、いちばん変形しやすいとこ
ろから変形をはじめようとする。ここで、本実施例で
は、多面体により構成されているインクタンク外壁の実
質的に平面形状をなす面のうち、表面積最大の面の少な
くとも一つにおいて、内壁と固定されていないことで、
この面に対応する内壁面の、ほぼ中央部分から変形がは
じまる。
【0059】この面は実質的に平面形状をなしているの
で、インク収容部のインクの減少量に応じて、対向する
面に接する方向に一様に連続して変形を行う。従って、
吐出時及び非吐出時にインク収容部の不連続に大きい変
形がなく、インクジェット記録装置に用いられるインク
タンクとして最適な、より一層安定した負圧の保持及
び、インク吐出時の負圧の安定化を実現することが可能
である。さらに、本実施例のように対向する一組の面が
共に表面積最大であり、内壁と外壁との接合部分を有さ
ず、容易に剥離可能であると、2つの面がほぼ同時に変
形を行うので、負圧の保持及びインク吐出時の負圧の安
定化をより一層はかることができる。
【0060】本発明が適用される負圧発生型インクジェ
ット用インクタンクの容積は、最大で500cm3程度、
一般的に用いられる範囲では約5〜100cm3である。
なお、本発明のインクタンクは、面積最大の面が、その
面に隣接する面の面積の総和より大きくなっている。
【0061】本発明者達により、内壁面の中央部の厚さ
がおよそ100μmで、角部近傍の厚み数μm〜10μ
m程度の液体容器にて実験を行った。この場合、角部は
3面の交差部となるため、実質的な厚みは3倍程度、つ
まり10×3の30μm程度厚みに相当するの強度を持
つことになる。
【0062】このような条件で容器の負圧、およびつぶ
れかたに注目してみたところ、まず液体の導出がはじま
る初期の状態においては、前述した角部、および面と面
との交差部が面のつぶれを規制することにより所定の負
圧を発生することができた。
【0063】さらに液体の導出が進むにつれて容器の最
大面積面の中央近傍部から変形が進む。さらに液体の導
出が進むにつれて、その面の内壁角部が対応する外壁角
部から離脱し始める。角部が離脱した直後においては角
部の元の形状を保った状態で離脱していくことで、面の
つぶれ規制を果たすことになるが、本構成の場合は内壁
が100μmと薄いため、液体の導出が進むにつれて角
部の形状が維持できなくなり徐々に変形していく。
【0064】しかし、この際に液体容器を構成している
角部がすべて同時に離脱、変形するわけではなく、角部
それぞれについて個々に離脱、変形する優先順が発生す
る。
【0065】この順序は、液体容器の形状、および角部
夫々の膜厚等の条件、さらに内壁同士が溶着され、外壁
により内壁が挟持されたピンチオフ部の位置によってき
まるものである。このピンチオフ部を本実施例のような
位置に設けることによりその部位における内壁の変形、
および外壁からの離脱を規制することができるので内壁
の不規則な変形を防止することができる。さらに本発明
のように対向する位置にピンチオフ部を設けることでよ
り安定した負圧発生が可能となる。
【0066】このように、液体容器を構成している角部
が順々に離脱していくことにより液体導出初期から液体
使い切りにいたるまでの間、所定の負圧を安定して発生
することが可能となった。なお、本実施例の100μm
程度の内壁の厚さでは使い切り状態において、角部およ
び面と面との交差部はインク供給部にかたよる方向に不
規則に変形する。
【0067】次に、内壁面の中央部の厚さ100〜40
0μm、角部近傍の厚さ20〜200μmの範囲の条件
で形成した液体容器において同様な実験を行った。この
場合、角部の強度が前述したものに比べかなり強くなっ
ている。
【0068】この膜厚条件で実験を行った場合、液体導
出初期においては、前述した膜厚の容器と同様に所定の
負圧を発生することができた。また、さらに液体の導出
が進むと面中央部近傍から徐々に外壁からの剥離、変形
が行われる。この変形に対応して角部も対応する外壁の
角部から離脱しはじめる。本膜厚条件のものにおいて
は、液体の導出がかなり進んでも角部のつぶれ規制力が
強いため角部の変形が微小に押さえられる。また初期の
形状をある程度保った状態で角部が離脱するためより安
定した負圧の発生が可能となる。使い切り状態にいたっ
ても角部により形状の安定化が達成されるため、内部の
液体の残りを最小限に押さえ、かつ最後まで負圧を安定
して発生可能となる。
【0069】さらに実験を行った結果、より好ましい膜
厚の条件としては、内壁面の中央部近傍の厚さが100
〜250μm、角部近傍の厚さが20〜80μmのもの
が特に安定した負圧を発生できることがわかった。
【0070】ここで、本発明のインクタンクにおけるイ
ンク収容部のインク使用量とインクタンクの負圧の関係
を図6に示す。図6において、横軸は外部へのインク導
出量であり、縦軸は負圧である。図6において、静負圧
を□で示した。また、この静負圧に内部のインクが外部
に導出される場合などに生じる動負圧を加えた全負圧を
+で示した。図6におけるインク導出量は、インクタン
クにインクを100%注入し、注入時と同じ温度条件下
で、すなわち、インク収容部が筐体と密着している状態
をインク導出量0として定義してある。
【0071】ここでインク収容部における負圧には、以
下の3点が求められる。
【0072】1点目は、インクタンクがその製品出荷時
において、大気圧に対して約+2〜−60mmAq.程度、
より望ましくは−2〜−30mmAq.程度の初期静負圧を
有することである。製品出荷時において内圧が+の値を
示しているものについては、例えば、記録装置本体にお
いて初期回復動作を行うことにより負圧をより望ましい
範囲におさめることができる。ここで、製品出荷時の状
態とは、初期状態、すなわち図5(a1)、(a2)の
状態に限られるものではなく、大気圧に対する負圧の条
件を満たせば、図5(b1)、(b2)に示すようにイ
ンク収容部のインク最大収容可能量に対して僅かに少な
い量のインクが注入されている状態であってもよい。
【0073】2点目は、記録を行っているときと行って
いないときのインクタンクの圧力変化が少ないこと、す
なわち静負圧と全負圧の差が少ないことであり、動負圧
をなるべく小さくすることにより解決される。ここで、
本発明におけるインクタンクは、インク収容部に多孔質
体を用いる場合に見られるようなインク収容部そのもの
の動負圧は無視することができるので、結果として、動
負圧を小さくすることが容易に実現可能な構成となって
いる。
【0074】そして3点目は、インクタンクのインク収
容部に収容されたインクを、初期状態から最終状態まで
の間、インク収容部内部に存在するインク量の変化に伴
う静負圧の変化が少ないことである。単純にインク収容
部内部にインクを充填したものでは、インク収容部内に
存在するインク量に対して静負圧は線形あるいは非線形
に変化し、かつその変化の割合も大きなものとなってし
まうが、本発明におけるインクタンクは、図6に示すと
おり、初期状態から最終状態直前まで変化の割合が少な
く、ほぼ安定した静負圧を実現しており、優れた特性を
示している。従って、インクジェット記録分野特有の条
件である安定した負圧の発生に関しては、本実施例のイ
ンクタンクは十分にその機能を果たしているといえ、特
に、その体積使用効率も高いことから、現在の主流であ
る小型のインクジェット記録装置に適しているといえ
る。
【0075】次に、上述のインクタンクの製造方法につ
いて説明し、あわせて、本発明の最大の特徴である、液
体収納容器への液体注入方法について説明する。
【0076】上述のインクタンクは、成形樹脂材料から
なる二重壁構造を採用し、外壁を厚くして強度を持た
せ、一方で、内壁に柔らかい材質を用い、さらに薄くす
ることで内部に収容された液体の体積変動に追従可能と
している。それぞれの壁に用いられる材質としては、内
壁を耐液体性を持つものとし、外壁を耐衝撃性等を持つ
ものとすることが望ましい。
【0077】本実施例においては、インクタンクを製造
する方法としてブローイングエアーを用いるブロー成形
を採用した。これは、インクタンクを構成する壁を実質
的に延伸していない樹脂で構成するためであり、これに
より液体収容部を構成するインクタンク内壁をどの方向
に対してもほぼ均一な負荷に耐えられるようにしてい
る。従って、特にある程度液体を消費した状態でインク
タンク内壁により収容された液体がどの方向に揺動して
も確実にインクタンク内壁は液体を保持することがで
き、総合的なインクタンクの耐久性を向上させている。
【0078】このブロー成形方法としては、インジェク
ションブローを用いる方法、ダイレクトブローを用いる
方法、ダブルウオールブローを用いる方法などがある
が、ダイレクトブローを用いる方法について簡単に説明
する。
【0079】まず、インジェクションノズルを多層ノズ
ルとして、内側の樹脂と外側の樹脂を型内に同時に射出
して第1、第2パリソンが一体化したものを用意する。
この場合には、内側の樹脂と外側の樹脂の接触する面は
樹脂同士が溶着しない材質をそれぞれ選択するか、液体
に対する接液性や形状により同系統の材質が必要となる
場合には、内側の材質あるいは外側の材質を多層構成と
して接触面に異種材料が位置するように樹脂を供給して
もよい。
【0080】次に一体となったパリソンに対して、これ
を挟むように配置された金型が移動してパリソンを挟み
込み、エアノズルよりエアの注入がなされて金型に合っ
た形状にブロー成形される。この時、内壁と外壁とは隙
間なく密着されたものとなっている。また、パリソンは
粘性がある状態で加工されるため、内壁樹脂、外壁樹脂
ともに配向性を持たないものとなる。このようにインク
タンクの製造方法としてブロー成形を用いることによ
り、製造時の工程数の減少と、部品点数を少なくしたこ
と等による歩留まりの向上だけでなく、図4に示したよ
うに、インクタンク外壁101の形状に沿って、外壁1
01の角部に対応した位置に内壁102の角部がくるよ
うに内壁102の形状を作ることができ、内壁外面と同
等の内面を有する外壁を作ることが出来る。そして、円
筒形のパリソンを、断面が多角形の型に押し当て、ブロ
ー成形を行うことにより、図4にて説明した内壁の厚み
分布が実現できるとともに、外壁についても、内壁と同
様、中央部が厚く、周辺部に行くにしたがって徐々に薄
くなる厚み分布が形成される。
【0081】次に、液体供給部以外の内外壁の剥離を行
う。真空引きを行う以外の内壁と外壁の剥離の方法とし
ては、内壁と外壁を構成する成形樹脂に、熱膨張率(収
縮率)の異なる材料を用いる方法が挙げられる。この場
合は、ブロー成形後、成形物の温度が下がることにより
自動的に剥離させることが可能となり、工程数を減少さ
せることができる。また、同様にブロー成型時にパリソ
ンを型によって挟んだ部分に成形後外力をかけて内壁と
外壁を剥離させ、その隙間を空気に連通させることによ
り大気連通口として用いることができ、これはインクジ
ェット用のインクタンクとしては工程数を少なくできる
ことからより好ましい。
【0082】このように、インク供給口を除く部分を一
体に成形したインクタンクを用意した上で、インクの注
入を行う。
【0083】図7は図4のインクタンクに本発明の液体
注入方法を適用した場合の、環境温度の変化に対する液
体収容部の変化を示す概略図であり、(a)は液体収納
容器の置かれた環境温度が常温の場合、(b)は液体収
納容器の置かれた環境温度が常温より高い場合を示し、
添字1は図4(b)のB−B断面図を、添字2は図4
(a)のA−A断面図を示している。
【0084】インク収容部へインクを注入する際には、
例えば図1に示すようなインク注入装置を用い、注入す
るインクを常温より高い温度にした上で、インク収容部
の収容容積の100%の量のインクを注入する。そし
て、インク収容部内に空気が入らないようにインク供給
口に液体導出許可部材を取り付け、インク収容部を密閉
する。この時の状態を図7(b1)、(b2)に示す。
【0085】このインクタンクが置かれる環境の環境温
度が常温の場合は図7(a1)、(a2)に示すよう
に、外壁と内壁との間には隙間110が生じる。しか
し、この隙間は、高温で注入したインクが常温に戻るこ
とにより液体のインクの体積が減少するために生じるも
のであり、環境温度がインク注入工程時のインクの温度
と等しくなると、図7(b1)、(b2)に示すように
その隙間は埋められる。
【0086】本実施例のインクタンクは、内壁の材質と
してポリエチレンを用いており、EPDM等のオレフィ
ン系のゴムシートを液体導出許可部材として、インク供
給口に超音波溶着している。超音波溶着を行うことによ
り、インク供給口において内壁と液体導出許可部材との
接合を確実にしてシール性を高め、記録ヘッドとの接続
時以外のインク漏れを防ぐとともに、インクジェット記
録ヘッドとの連通は中空針のようなもので行うことで、
接続時に液体の導出を可能にすることが出来る。また、
液体導出許可部材をゴムシートにより構成することで、
記録ヘッドとインクタンクとの着脱を繰り返すような場
合においても、確実に接続時のみ記録ヘッドへのインク
の導出を可能にすることが出来る。
【0087】このように、図4に示すインクタンクで
は、外壁101の形状に沿って、外壁101の角部に対
応した位置に内壁102の角部がくるように内壁102
の形状を作ることができ、内壁外面と同等の内面を有す
る外壁を作ることが出来る。従って、本発明の液体注入
方法を用いた場合、液体のインクの膨張分を除く筐体内
面のほぼすべての領域をインク収容部に割り当てること
が出来る。すなわち、インクの膨張を考慮した場合にお
ける、インクタンク筐体内面の領域の、単位体積あたり
のインク収容可能量を最大化することが出来る。
【0088】さらに、本実施例の場合、本発明の液体注
入方法を適用することで、環境温度が常温における使用
時では、図6に示す負圧特性曲線の、初期の負圧の不安
定な状態の部分(図6の(a)の領域)をあまり使うこ
となく、はじめから安定した負圧を発生できるという効
果もある。これは、本発明の液体注入方法によりインク
を注入された未使用のインクタンクを常温に戻した場
合、図7(a1)、(a2)に示すようにあたかもイン
クを一部導出したのと同じ状態からインクを導出するよ
うになるためである。
【0089】加えて、図7(a1)、(a2)に示すよ
うに、常温においても内壁の角部が外壁の角部に離脱せ
ず対応していることで、物流時の耐衝撃性についても優
れた性質を示すことが出来る。
【0090】(第2実施例)図8(a)〜(c)は、本
発明の一実施例にかかるインクタンクの構造の模式的概
略図であり、(a)は断面図、(b)は側面図、(c)
は斜視図を示している。図9は、図8のインクタンクに
インクを収容し、インクタンクのインク供給部からイン
クを導出したときの変化を(a)〜(d)の順に示す概
略図であり、図8(a)のA−A断面図を示している。
また、図10(a)〜(c)は、本発明のインクタンク
の隅部の角度を説明するための概略説明図である。本実
施例のインクタンクは、第1実施例と同様、ダイレクト
ブロー成形により製造されている。
【0091】図8のインクタンク200は、第1実施例
と同様、外壁201、及び外壁に対して分離可能な内壁
202を有し、内壁で囲まれた領域(インク収容部)に
インクを収容し、外壁には空気取り入れ口205を有し
ている。また、内壁は溶着部(ピンチオフ部)204を
有し、この溶着部で内壁は外壁に係合する形で支持され
ている。
【0092】ここで、図8のインクタンクについて詳述
すると、インクタンク200は底面が略平行四辺形で構
成される略四角柱に、円筒状のインク供給部203が曲
面として付加されたものである。本インクタンクでは、
角柱の稜線に相当する部分に微小曲面部(R)が設けら
れている。そこで、以下、2つの面、より好ましくは2つ
の平面の交差する交差部分、或いはその延長面の交差部
に対応する部分について、隅部と称することにすると、
本インクタンクでは、内・外壁それぞれにおける隅部で
区切られた面のうち面積最大の面は、インク供給部20
3の両側に対向する形で存在している。
【0093】また、図8(b)において、θ、φは、そ
れぞれインクタンクの隅部を構成する2つの外壁面のな
す角度、すなわち図10(a)、(c)に示されるような2面
の延長の交差部分の角度であり、θは90度より大きく、
φは90より小さくなっている。本実施例のインクタンク
では、具体的にはθは約140度、φは約40度となってい
る。外壁の角度は、製造工程において外壁を基準に製造
するので、容易に決定することが出来る。また、内壁は
外壁に対応する形で構成されているので、図10(a)
に示すように、使用開始時(以下、初期状態と称する)
の内壁の角度は、対応する外壁の角度とほぼ等しくなっ
ている。本インクタンクは略多角柱を形成しているが、
その中でも特徴事項は、図9に示すように底面に平行な
断面で切断すると、切断面も略平行四辺形となり、θ、
φのように、多角形を構成する一辺と該一辺に隣接する
辺のなす角度の少なくとも一つが0度より大きく90度
未満であり、かつ前記二辺と該二辺にそれぞれ隣接する
前記2辺とは異なる辺とのなす角度が90度より大きく
180度未満となっていることである。この切断面は、
最大面積面に直交する断面となっている。
【0094】さらに、インク供給部203には、わずか
な振動や外圧がタンクに加わった場合にインクの漏れを
防止できるようなインク漏れ防止機能を有するインク導
出許可部材206を介して不図示のインクジェット記録
手段のインク導出管と連結されている。インク供給部2
03は、内壁と外壁はインク導出許可部材206などに
より分離しにくい構成となっている。また、インク収容
部に比べインク供給部の大きさは十分小さいために、イ
ンクの導出に伴う内壁の変形に対して、インク供給部は
つぶれにくい特性を有している。従って、インクの消費
が完全に終了したときでも、インク供給部では内壁と外
壁は変形することなく初期状態を維持している。
【0095】尚、図8は模式的概略図であるため、イン
クタンクの外壁201とインクタンク内壁202との位
置関係は空間を隔てたように描かれているが、実際は分
離可能な状態になっていればよく、内壁と外壁が接触し
ていても、微少な空間を隔てて配置されるように構成さ
れていてもよい。したがって、いずれの場合においても
図9(a)に示す初期状態において、インクタンクは、
外壁201の内面の形状に沿って、少なくとも外壁の隅
部に対応した位置に内壁の隅部が位置するように構成さ
れている。
【0096】なお、図9において、11はインクを示
す。また、図9(a)において、対応するインク供給部
203の位置を点線で示すが、図9(b)〜(d)におい
ては、このインク供給部の位置は内壁の変形をよりわか
りやすくするために省略している。
【0097】インクジェット記録手段のインクジェット
記録ヘッドからインクが吐出された後、インク収容部の
インクが消費されはじめると、内壁202は、インク収
容部の体積が減少する方向に、面積最大の面の中央部か
ら変形をはじめる。
【0098】ここで、外壁の隅部のうち、図8(c)に
示す隅部δ1は、対応する内壁の隅部δ2の動きを規制
し、その位置関係を保ち、一方、内壁の隅部ε2は、対
応する外壁の隅部ε1から離脱することで、外壁は内壁
の変形を抑制する働きをする。言い換えると、インクタ
ンク内壁の面積最大の面に直交する切断面(図9の場
合、底面と平行な切断面)上の多角形について、その一
辺と、隣接する辺のなす角度の一つ(φ)が小さくなる
方向に変形し、その角を構成する二辺と、2辺にそれぞ
れ隣接する前記2辺と箱となる辺とのなす角度(θ)
が、それぞれ大きくなる方向に変形しようとする。
【0099】これは、上述の切断面のなす多角形の角度
が異なるために、小さくなる方向に変形しようとする内
壁の隅部(δ2)と、大きくなる方向に変形しようとす
る内壁の隅部(δ1)とで、インク導出に伴う力のかか
り方が異なるためである。結果として、本インクタンク
は上述の隅部δ2の位置変動がほとんどないので、イン
ク収容部はインク消費による変形の作用力と初期状態の
形状に戻ろうとする作用力とが働き、負圧を安定化せし
める方向に機能する。
【0100】この時、空気取り入れ口205から、内壁
202と外壁201との間に空気が導入され、内壁の変
形を阻害することなく、インク使用時における安定した
負圧の維持をはかる働きをする。つまり、内壁と外壁の
空間は、空気取り入れ口205を介して外気に連通して
いる。この後、内壁の力と、記録ヘッドの吐出口におけ
るメニスカスの力が釣り合うことにより、インク収容部
内にインクが保持される(図9(b))。
【0101】さらにインク収容部のかなりのインクが外
部に導出され、さらにインク収容部が変形すると(図9
(c))、溶着部204も内壁の変形規制部分となり、
供給口を有する面、及びその対向面の内壁の外壁からの
離脱を抑える働きをする。この結果、供給口を有する面
の外壁の隅部ζ1と内壁の隅部ζ2とは位置関係を保つ
ので、供給口部が隣接する内壁面で塞がれることなく、
対応する外壁の隅部から離脱した内壁の隅部ε2が対向
する最大面積面と接するようになる。この接触部分は、
更なるインクの導出によりさらに広がるようになる。
【0102】やがてインクジェット記録ヘッドからイン
クを吐出できなくなった時の状態(以下、最終状態と称
する)を図9(d)に示す。この状態において、インク
収容部の接触部分は、インク収容部のほぼ全域にわた
る。更に、内壁の厚さによっては、溶着部204が外壁
から離れることが起こりうるが、その場合、溶着部20
4は図8(a)及び(b)に示す長さ成分を持っているため、
変形する方向は限定される。従って、溶着部が外壁から
外れる場合でも、その変形は不規則ではなく、バランス
をとりながら変形を行うことになる。
【0103】本発明のインクタンクのインク収容部にイ
ンクを収容し、インク供給部からインクを導出したとき
の変化は以上の通りであり、最大面積の面から変形をは
じめ、対応する外壁の隅部から離脱する内壁の隅部と、
対応する外壁の隅部との位置関係を保つ内壁の隅部とが
存在することで、インクタンクの変形の際に変形の優先
順位を有する構成となっている。
【0104】なお、以上の説明では、インクタンクの内
壁の面積最大の面に直交する切断面の少なくとも一つに
ついて、切断面上の略多角形を構成する一辺と、該一辺
に隣接する辺のなす角度が大きく、或いは小さくなる方
向に変形するという表現を用いたが、この場合の内壁の
角度は、図10(b)に示すように、それぞれの内壁面の
略平面部分の延長部の交差する部分のなす角度θ2で定
義される。従って、対応する隅部近傍のなす角度θ1が
初期状態の角度θからほとんど変化していない場合で
も、θ2が変化していればよい。
【0105】以上説明した本実施例の場合も、本発明の
液体注入方法を適用させることにより、第1実施例と同
様の効果を奏することが出来る。すなわち、インクの膨
張を考慮した場合における、インクタンク筐体内面の領
域の、単位体積あたりのインク収容可能量を最大化する
ことが出来る。また、本発明の液体注入方法を適用する
ことで、環境温度が常温における使用時では、初期の負
圧の不安定な状態があっても、その部分をあまり使うこ
となく、はじめから安定した負圧を発生できること、さ
らに、常温においても内壁の角部が外壁の角部に離脱せ
ず対応していることで、物流時の耐衝撃性についても優
れた性質を示すことが出来る。
【0106】なお、本実施例のインクタンクを製造する
工程において、インク供給口を有する面を、パリソンの
供給方向に交差する面に設ける場合には、インク供給口
の精度を高めるため、略円筒形のパリソンの軸と、イン
ク供給口の中心軸とが一致することが望ましい。インク
供給口の位置がインク供給口を有する面内で偏った位置
に存在している場合には、型とパリソンとの距離が異な
る部分が生じるため、ブロー成形時に内壁及び外壁に厚
み分布が生じる場合がある。例えば、図8に示すインク
タンクの場合、タンクの長手方向とパリソンの供給方向
は一致しているので、長手方向については厚さ分布はほ
とんど考慮する必要がないが、δ、εにより区分された
隅部について、供給口に近いほうが内外壁ともそれぞれ
肉厚が厚いという特性がある。また、最大面積面につい
ても底面と平行な面で切断すると、厚み分布が存在す
る。これは、円筒形のパリソンを、断面形状が平行四辺
形の角柱に引き伸ばすためであり、角柱の型とパリソン
との距離が遠い隅部の肉厚は薄くなる。これらはインク
導出に伴う内壁の変形において、図9(a)〜(d)に
示すように、インク供給部を有する側の隅部ε2の方
が、対向する隅部ε2に比べて、対応する外壁から離脱
しにくくなっている原因の一つとなっており、積極的に
潰れの順番を規定する要素となっている。
【0107】また、本実施例では、その形状が、インク
タンクの断面形状が平行四辺形の4角柱で説明したが、
これらに限られることはなく、タンク外壁に対応して存
在した内壁隅部の特定の一部が外部の隅部から離れるよ
うに、つぶれる方向を規定する機構を有するインクタン
クであれば、少なくとも本発明は成立する。言い換えれ
ば、内壁の最大面積の面から変形をはじめ、対応する外
壁の隅部から離脱する内壁の隅部と、対応する外壁の隅
部との位置関係を保つ内壁の隅部とが存在することで、
インクタンクの変形の際に変形の優先順位を有する構成
となっていればよい。
【0108】なお、外壁及び内壁の隅部に微小曲面
(R)を設けてもよく、この場合の角度の定義は、図1
0(c)に示すように、外壁による断面を構成する辺と
辺とのなす角とすることにより、定義できる。特に図1
1(a)に示すように、外壁161及び内壁162の、
インクの使用により内壁がつぶれる際に隅部の角度が大
きくなる部分にRを設けると、最終状態は図11(b)
のようになり、図11(c)に示すようなRを設けてい
ない場合の最終状態である図11(d)に比べ、潰れき
れない部分163が少なくなり、更にはインクタンクの
変形を促進する働きを有するので、より望ましい。
【0109】さらに、対応する外壁の隅部から離脱する
内壁の隅部に着目すると、表面積最大の面に対向する位
置に存在している。このような条件を有していれば、容
器は必ずしも多面体である必要はなく、例えば曲面を有
する袋状のものであってもよい。このような曲面形状を
有する容器で、離脱可能な隅部を定義することが難しい
場合には、曲面が不連続な部分を屈曲部、屈曲部により
囲まれる部分を面と定義すると、対応する外壁の屈曲部
から離脱する内壁の屈曲部が、面積最大の面と対向する
位置に存在していればよい。
【0110】(その他の実施例)以上、本発明を好適に
適用できる容器の形状について説明を行なったが、容器
の形状のバリエーションとしては、図12及び図13に
示すような形状のものにも適用可能である。
【0111】図12に示す液体収納容器は、図4に示す
液体収納容器の、ピンチオフ部の幅を容器の側面ほぼ全
幅域に設けると共に最大面積面の中央部に貫通穴を設
け、貫通穴により内壁102及び外壁101を略ドーナ
ツ状の形状としたものである。図12(a)は、図4
(a)に、図12(b)は、図12(a)のA−A断面
図に相当する。なお、図12(a)は図12(b)のB
−B断面図に相当する。
【0112】ここで、外壁101の外周における液体供
給部103側、その反対側及び貫通穴710の周囲がピ
ンチオフ部となっており、液体収納部は、貫通穴710
を挟んで、2分されている。
【0113】上記のように構成された液体収納容器にお
いては、貫通穴が設けられたことにより、機械的強度が
増すとともに、内部に収納されている液体が安定して外
部に供給され、また、貫通穴の周囲はピンチオフ部とな
り、そこから、内壁と外壁との間に大気が導入されるの
で、さらに安定した液体の供給が行われる。
【0114】特に貫通穴を設けることにより、液体収容
部内に収容可能な最大の量の液体が入っていて、内壁の
外面と外壁の内面が略接しているような状態の時に最大
面積面の強度補強部材としての役割を果たすだけでな
く、さらに加えて液体を消費している時には、貫通穴周
辺でもピンチオフ部などにより内壁が外壁に支持される
ので、外部からの衝撃に対し液体収容部を所定の位置で
保持できるという効果がある。
【0115】また、図13(a)〜(e)に示す液体収
納容器は、図4に示す液体収納容器の変形例であり、
(a)、(b)、(c)のそれぞれは、変形例の容器の
上面図、平面図、及び側面図である。
【0116】本変形例は、図4を用いて説明した基本的
な構成を備えるものであるが、図13においては本発明
における最も重要な凸部の形状をよりわかりやすく説明
するために供給口を省略している。
【0117】本変形例では、液体収納容器100の最大
面積面にリブ715が形成されている。各リブ715は
いずれも最大面積面の縦方向(図面上下方向)に延在す
る複数の細長い突起により形成されている。なお、図示
される面の対向面(不図示)についても同様のリブが形
成されている。
【0118】本変形例において形成されるリブ715
は、大きさが異なる複数の柱状の突起から構成されるも
ので、複数の突起は、その大きさが、最大面積面の中心
から遠ざかるにつれて徐々に小さくなるように配置され
ている。
【0119】本変形例では、上記のような構成とするこ
とにより、最大面積面の中心部における潰れに対する強
度を高いものとしている。また、複数の小さな突起を周
辺に配置することで、これらの外周部を結ぶ線は潰れに
対する強度が等しいものとなるため、その配置により潰
れかたを規制することができ、図13(b)に示す破線
に沿って変形が生じる。
【0120】なお、本変形例にて形成される柱状の突起
の凸部の高さ方向の断面形状としては、図13(d)に
示すような台形状のものでもよい。また、図13に示す
変形例にて形成される柱状の突起の凸部の形状としては
図13(e)に示すようなものとなるが、これらの縦横
比(x:y)を変えることにより潰れに対する強度を調
整することができる。
【0121】また、以上説明した実施例では、各実施例
とも、インクをインク収容部に充填する際に、空気が入
らないようにしてインク導出許可部材を取り付けるイン
ク注入方法について説明したが、ここでは、上述の各実
施例に適用可能な本発明の他の液体注入方法について説
明する。
【0122】上述の各実施例において、例えば図6の
(a)に示すようにインク導出量が少ない時点でインク
タンクの負圧特性が安定していない場合には、インク導
出許可部材を取り付ける工程で、敢えて常温より温度の
高い空気を液体収容部の内部に少量取り込んだまま、密
閉しても構わない。取り込まれる空気の温度としては、
注入される液体と同程度の温度が望ましく、また、注入
される液体の蒸気を成分として含むものがより望まし
い。
【0123】このようにして取り込まれた空気は、常温
に戻ることにより収容された液体以上にその体積は減少
する。従って、その分、図6(a)に示す負圧特性の不
安定領域を確実に避けて、安定領域から使用することが
出来るので、インクタンクの使用効率の面からはやや劣
るものの、インクタンクに対する負圧変化の条件が厳し
く、従来では利用が難しかった記録ヘッドに対しても安
定してインクを供給することが出来る。このようにイン
ク収容部中に空気を取り込む構成では、記録ヘッドへの
空気の混入を防止するため、液体収納容器の底面に得気
体導出部を設けるだけでなく、得気体導出部から記録ヘ
ッドの間の液体供給経路中にフィルタなどの気泡除去手
段を設けることが望ましい。また、取り込む空気量とし
ては、あまりに多いとその分インク収容効率を犠牲とす
るので、実用上、10%以下、より望ましくは0.5%以
上5%以下が望ましい。
【0124】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
液体収容部を形成する内壁と内壁外面と同等の形状の内
面を有し内壁を覆う外壁と、を有し、前記内壁は前記外
壁に対して剥離可能であることを特徴とする液体収納容
器に対し、液体収容部に常温に比べて高い温度の液体を
充填して密閉することで、特別な工夫をすることなく温
度の上昇による液体の膨張分だけ液体収容部に必要最低
限のゆとりを持たせることが出来るので、液体収納容器
の置かれる環境温度の変化による液体の漏れなどがな
く、収容効率に優れる液体収納容器を提供することが出
来る。特に液体収容量が大きい場合、上述の本発明の効
果である収容効率向上に伴うインク収容量の増加量が大
きいので効果的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液体注入方法を適用可能な液体注入装
置の一実施例を示す模式図である。
【図2】本発明の液体注入方法により液体を注入された
液体収納容器の、環境温度の変化に対する液体収容部の
変化を示す概略図であり、(a)は液体収納容器の置か
れた環境温度が常温の場合、(b)は液体収納容器の置
かれた環境温度が常温より高い場合を示す。
【図3】従来の液体注入方法により液体を注入された液
体収納容器の、環境温度の変化に対する液体収容部の変
化を示す概略図であり、(a)は液体収納容器の置かれ
た環境温度が常温の場合、(b)は液体収納容器の置か
れた環境温度が常温より高い場合を示す。
【図4】本発明の第1実施例にかかるインクタンクの模
式的概略断面図であり、(a)は断面図、(b)は側面
図、(c)は斜視図である。
【図5】図4のインクタンクの、インク導出に伴う変形
を示す概略図である。
【図6】図4のインクタンクの、負圧特性を示す概略図
である。
【図7】本発明の液体注入方法により液体を注入された
図4のインクタンクの、環境温度の変化に対する液体収
容部の変化を示す概略図である。
【図8】本発明の第2実施例にかかるインクタンクの模
式的概略図であり、(a)は断面図、(b)は底面図、
(c)は斜視図である。
【図9】(a)〜(d)は、図8に示すインクタンクの
インク導出に伴う変形を示す概略図である。
【図10】(a)〜(c)は本発明の第2実施例の液体
収納容器の隅部の角度の定義の説明図である。
【図11】(a)〜(d)は、本発明の第2実施例の液
体収納容器の隅部に微小曲面を設ける場合の利点を示す
説明図である。
【図12】(a)〜(b)のそれぞれは、本発明の液体
注入方法を適用可能なインクタンクの他の形状を示す模
式的概略図である。
【図13】(a)〜(e)のそれぞれは、本発明の液体
注入方法を適用可能なインクタンクの他の形状を示す模
式的概略図である。
【符号の説明】
1,100,200 インクタンク 2 筐体 3 インク収容袋 4 液体導出部 5 液体収容部 9 ヒータ 11 インク 22,110 隙間 101,201 外壁 102,202 内壁 103,203 インク供給部 104,204 溶着部 105,205 空気取り入れ口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−183023(JP,A) 特開 平5−338196(JP,A) 特開 平5−345423(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41J 2/175

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液体を収納し密閉空間を形成可能な可撓
    性の液体収容部と、該液体収容部外面と同等の形状の内
    を有し、該液体収容部を分離可能に覆う筐体と、前記
    液体収容部内の液体を外部へ導出するための液体導出部
    と、を有するインクジェット記録装置に用いられる液体
    収納容器の液体注入方法において、 前記液体収容部に常温より高い温度の液体を収容する工
    程と、 外部への液体の導出時に液体の導出を許可する液体導出
    許可部材で前記液体導出部を密閉する工程と、 を有することを特徴とする液体収納容器の液体注入方
    法。
  2. 【請求項2】 前記液体収容部に高温の液体を収容する
    工程において、前記液体の温度は60℃以下であること
    を特徴とする請求項1に記載の液体収納容器の液体注入
    方法。
  3. 【請求項3】 前記液体収納容器の筐体は実質的な大気
    連通部を有し略多角柱状であって、該多角柱の3面の延
    長部がなす角部で前記筐体と前記液体収容部とが対応
    し、前記液体収容部を構成する壁の厚さは略多角柱状の
    各面の中央域より角部を構成する部分の方が薄いことを
    特徴とする請求項1に記載の液体収納容器の液体注入方
    法。
  4. 【請求項4】 前記液体収納容器の筐体は実質的な大気
    連通部を有し略多面体状であって、該多面体の2面の延
    長部がなす隅部で前記筐体の壁面と前記液体収容部の壁
    面とが対応し、前記液体収容部の壁面が構成する隅部
    は、前記液体の流出に伴い対応する筐体の壁面の隅部か
    ら離脱する第1の隅部と、対応する壁面の壁面との位置
    関係を保つ第2の隅部と、を有することを特徴とする請
    求項1に記載の液体収納容器の液体注入方法。
  5. 【請求項5】 前記液体収納容器の液体収容部は、前記
    外壁及び内壁は、それぞれを構成する2面の延長部がな
    す隅部あるいは曲面が不連続な部分としての屈曲部を有
    するとともに、 前記内壁は、前記液体の導出に伴い対応する外壁から離
    脱する前記隅部あるいは屈曲部を面積最大の面に対向す
    る位置に有することを特徴とする液体収納容器。
  6. 【請求項6】 前記外部への液体の導出時に液体の導出
    を許可する液体導出許可部材で前記液体導出部を実質的
    に密閉する工程において、 前記液体導出許可部材はゴム部材からなり、前記液体導
    出部に超音波溶着されることを特徴とする請求項1乃至
    請求項4に記載の液体収納容器の液体注入方法。
  7. 【請求項7】 前記外部への液体の導出時に液体の導出
    を許可する液体導出許可部材で前記液体導出部を密閉す
    工程において、常温より高い温度の空気を含んだま
    ま、得気体導出部を実質的に密閉することを特徴とする
    請求項1に記載の液体注入方法。
JP20012697A 1996-09-11 1997-07-25 液体注入方法 Expired - Fee Related JP3245092B2 (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20012697A JP3245092B2 (ja) 1996-09-11 1997-07-25 液体注入方法
DE69721163T DE69721163T2 (de) 1996-09-11 1997-09-10 Verfahren zur Flüssigkeitseinspritzung und unter Verwendung dieses Verfahrens gefüllter Flüssigkeitsbehälter
EP97115723A EP0829365B1 (en) 1996-09-11 1997-09-10 Liquid injection method and liquid container filled through the method
MXPA/A/1997/006891A MXPA97006891A (en) 1996-09-11 1997-09-10 Method of liquid injection
US08/927,402 US6328437B1 (en) 1996-09-11 1997-09-10 Liquid injection method

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24044096 1996-09-11
JP8-240440 1996-10-16
JP27352996 1996-10-16
JP8-273529 1996-10-16
JP20012697A JP3245092B2 (ja) 1996-09-11 1997-07-25 液体注入方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10175311A JPH10175311A (ja) 1998-06-30
JP3245092B2 true JP3245092B2 (ja) 2002-01-07

Family

ID=27327762

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP20012697A Expired - Fee Related JP3245092B2 (ja) 1996-09-11 1997-07-25 液体注入方法

Country Status (4)

Country Link
US (1) US6328437B1 (ja)
EP (1) EP0829365B1 (ja)
JP (1) JP3245092B2 (ja)
DE (1) DE69721163T2 (ja)

Families Citing this family (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10250104A (ja) 1997-03-12 1998-09-22 Seiko Epson Corp インクジェット式記録装置用インクカートリッジ、及びその製造方法
JP3880232B2 (ja) * 1997-12-25 2007-02-14 キヤノン株式会社 液体供給方法、該液体供給方法を用いる液体供給システム、インクタンク
DE69918368T2 (de) 1998-04-28 2005-08-18 Canon K.K. Tintenstrahlaufzeichnungsvorrichtung
JP3592112B2 (ja) 1998-12-24 2004-11-24 キヤノン株式会社 液体供給システム、液体収納容器、およびヘッドカートリッジ
JP3667127B2 (ja) 1998-12-24 2005-07-06 キヤノン株式会社 液体供給システムの液体残量検出方法
SG114455A1 (en) * 1999-05-10 2005-09-28 Kong Keng Wah Trading As Oem S An ink cartridge refilling system and a method of refilling an ink cartridge
JP2001001546A (ja) 1999-06-24 2001-01-09 Canon Inc 液体供給システム及び該システムに用いられる液体供給容器
US6250751B1 (en) 2000-03-28 2001-06-26 Lexmark International, Inc. Ink jet printer cartridge manufacturing method and apparatus
JP2002067354A (ja) * 2000-08-28 2002-03-05 Toshiba Tec Corp インクジェットプリンタ
WO2008088009A1 (ja) * 2007-01-19 2008-07-24 Sharp Kabushiki Kaisha インク容器およびインク吐出装置
US9776418B2 (en) 2012-07-23 2017-10-03 Seiko Epson Corporation Method and apparatus for manufacturing cartridge
JP6205900B2 (ja) * 2013-06-28 2017-10-04 セイコーエプソン株式会社 カートリッジの製造方法
US10647123B2 (en) 2012-07-23 2020-05-12 Seiko Epson Corporation Refilled cartridge and method for manufacturing refilled cartridge
JP6048004B2 (ja) 2012-07-23 2016-12-21 セイコーエプソン株式会社 カートリッジ

Family Cites Families (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5667269A (en) 1979-11-06 1981-06-06 Seiko Epson Corp Ink tank
WO1982004242A1 (en) * 1981-06-04 1982-12-09 Eller John Improvements in the packaging and dispensing of liquids
JPS58215370A (ja) * 1982-06-10 1983-12-14 Seiko Epson Corp インク式ワイヤドツトプリンタ
US4509062A (en) 1982-11-23 1985-04-02 Hewlett-Packard Company Ink reservoir with essentially constant negative back pressure
JPS6321427A (ja) 1986-07-16 1988-01-29 Matsushita Electric Ind Co Ltd 一体型空気調和機のフアンモ−タ台固定装置
JP2752793B2 (ja) 1990-12-10 1998-05-18 キヤノン株式会社 インクジェット記録装置および該装置用インクタンクカートリッジ
JPH04267727A (ja) 1991-02-05 1992-09-24 Keisuke Ito 多層成形容器及びその製造方法
AU666324B2 (en) 1991-08-05 1996-02-08 Yoshino Kogyosho Co., Ltd. Bottle of laminate structure and method of making said bottle
JP3015165B2 (ja) 1991-08-30 2000-03-06 キヤノン株式会社 インク容器、これを用いた記録ヘッドユニットおよびこれを搭載する記録装置
US5440333A (en) 1992-12-23 1995-08-08 Hewlett-Packard Company Collapsible ink reservoir and ink-jet cartridge with protective bonding layer for the pressure regulator
JP3251845B2 (ja) * 1995-04-17 2002-01-28 キヤノン株式会社 負圧を与える液体収納容器、該容器の製造方法、該容器とインクジェット記録ヘッドとを一体化したインクジェットカートリッジ及びインクジェット記録装置
JP3245082B2 (ja) * 1996-02-23 2002-01-07 キヤノン株式会社 液体収納容器、該容器の製造方法、該容器を用いるインクジェットカートリッジ及びインクジェット記録装置

Also Published As

Publication number Publication date
US6328437B1 (en) 2001-12-11
JPH10175311A (ja) 1998-06-30
EP0829365A2 (en) 1998-03-18
MX9706891A (es) 1998-07-31
EP0829365A3 (en) 1998-11-11
DE69721163D1 (de) 2003-05-28
DE69721163T2 (de) 2004-01-29
EP0829365B1 (en) 2003-04-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3245092B2 (ja) 液体注入方法
US6250748B1 (en) Liquid accommodating container providing negative pressure, manufacturing method for the same, ink jet cartridge having the container and ink jet recording head as a unit, and ink jet recording apparatus
JP3245082B2 (ja) 液体収納容器、該容器の製造方法、該容器を用いるインクジェットカートリッジ及びインクジェット記録装置
US6347865B1 (en) Liquid container, liquid supply system, and method for manufacturing such liquid container
JP3245088B2 (ja) 液体吐出ヘッドカートリッジ及び該カートリッジに用いられる液体収容容器
US6305794B1 (en) Liquid container, ink jet cartridge having same and manufacturing method of the container
JPH1044454A (ja) 液体収納容器、該液体収納容器の製造方法、インクタンクとインクジェットヘッドとを一体化したインクジェットヘッドカートリッジ及びインクジェット記録装置
JP3140619B2 (ja) インクジェット装置用インクカートリッジへのインク注入方法
JP3245090B2 (ja) 負圧を与える液体収納容器、該容器とインクジェット記録ヘッドとを一体化したインクジェットカートリッジ及び該容器の製造方法
JP2003205628A (ja) インクタンク
JPH1044452A (ja) 負圧を与える液体収納容器、該容器の製造方法、該容器とインクジェット記録ヘッドとを一体化したインクジェットカートリッジ
JP3387743B2 (ja) インクタンク
JP3311342B2 (ja) 負圧を与える液体収納容器の製造方法
JP4124984B2 (ja) 液体収納容器
MXPA97006891A (en) Method of liquid injection
JPH1044385A (ja) 負圧を与える液体収納容器、該容器とインクジェット記録ヘッドとを一体化したインクジェットカートリッジ及びインクジェット記録装置
JP3281285B2 (ja) 液体容器
AU731621B2 (en) Ink container
AU714551B2 (en) Ink container
AU741550B2 (en) Ink container
JPS6125848A (ja) インクジエツト記録装置
AU726614B2 (en) Ink container

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20011016

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees