JPH1044452A - 負圧を与える液体収納容器、該容器の製造方法、該容器とインクジェット記録ヘッドとを一体化したインクジェットカートリッジ - Google Patents

負圧を与える液体収納容器、該容器の製造方法、該容器とインクジェット記録ヘッドとを一体化したインクジェットカートリッジ

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JPH1044452A
JPH1044452A JP20365596A JP20365596A JPH1044452A JP H1044452 A JPH1044452 A JP H1044452A JP 20365596 A JP20365596 A JP 20365596A JP 20365596 A JP20365596 A JP 20365596A JP H1044452 A JPH1044452 A JP H1044452A
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ink
liquid
container
ink tank
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Hiroaki Mihara
弘明 三原
Toshiaki Sasaki
敏明 佐々木
Hidehisa Matsumoto
英久 松本
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 液体供給システムの構成用件の一つとして、
安定した負圧を利用しながら液体供給を行うことが可能
な液体収納容器を提供すること。 【解決手段】 液体を収納するための液体収容部を形成
し該液体の導出により変形可能な内壁と、該内壁外面と
同等もしくは相似形の内面を備え大気連通部を有し前記
内壁に対し剥離可能な外壁と、前記液体収納部から液体
を外部へ導出可能な液体導出部と、を有する液体収納容
器であって、前記液体の外部への流出に伴い液体収容部
内部に大気を取込む手段を有することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば記録部とし
てのペン或いはインク吐出部等液体収納容器の外部部材
または外部へ液体を供給するために負圧を利用する液体
収納容器、該容器の製造方法、該容器とインクジェット
記録ヘッドとを一体化したインクタンクを含むインクジ
ェットカートリッジ及びインクジェット記録装置に関
し、具体的にはインクタンク自体をブロー成形によって
成形する画期的なインクタンクを適用したインクジェッ
ト記録分野に関する。
【0002】
【従来の技術】液体を収納するための容器として、液体
を外部に与える際に容器内部を負圧にしながら液体を供
給する方式の容器が知られている。この方式の容器の特
徴は、容器自体が与える負圧によって、容器に接続され
る例えばペン先や記録ヘッドのような液体使用部に対し
て適切な液体供給が行えるというものである。
【0003】このような理論が現実の液体収納容器で発
揮されているものは、各種存在しているが、各種容器の
使用範囲が限定されてしまっている。この理由として
は、製造バラツキが少なく且つ構造が簡単なものがない
ためである。
【0004】例えば、この負圧特性を適正に必要とする
インクジェット記録分野では、液体収納容器としてのイ
ンクタンクの内部に、負圧発生源としてのスポンジを収
納しているものや、袋状のインク収納部にバネを設け、
インクの消費による袋の内方への変形に抗する力を与え
ることで負圧を形成するもの(特開昭56-67269号公報、
特開平6-226993号公報などを参照)が知られている。ま
た、米国特許第4,509,062号明細書に開示されているゴ
ム製のインク収納部は、円錐形形状の円錐部を丸めた形
状のもので、その丸めた円錐部を円錐周面の厚みよりも
薄くするという構成のものである。この円錐部の丸みを
帯びた薄いゴム袋構造は、その収納容器にとって、イン
クの消費に応じて優先的に変位・変形するための構造と
なっている。これらは、インクジェット装置のインク収
納容器として実用化されており、現状では満足のいくも
のである。
【0005】しかしながら、このような負圧発生構造は
比較的高価であるため、マーカやプロッタ等のペン先を
有する筆記用具には適するものではない。特に、この種
の筆記用具として上述のような煩雑な負圧発生構造を余
分に持つことは、筆記用具自体の大型化を招き、好まし
いものではない。
【0006】ところで、上述の筆記用具においては、ペ
ン先自体を負圧を発生可能なフェルトなどを用い、ペン
先から空気を液体収納容器内に導入しつつ、インクの供
給を行う形態が採用されている。このインク供給形態に
おける気液交換構造の最大の課題はペン先からのインク
漏れである。これを解決するためペン先と液体収納容器
との間にインク漏れ防止機構として、インクの供給方向
に対して交差するように多数枚のフィンを所定間隔で重
ねることで、環境変化などで漏れ出そうとするインクを
保持可能にするインク保持機構を設けることが提案され
ている。しかし、この機構は、使用できないインクを筆
記用具内部に残してしまうのが現状である。
【0007】また、この種の筆記用具におけるインク供
給系は、一般的に大気開放系となっているため、収納さ
れたインクの蒸発を招き、インク使用量を低減させてし
まうが、本来は実質的な密閉型としてインク蒸発抑制を
行うことが好ましいものである。
【0008】ここで、実質的な密閉型を用いているイン
クジェット記録分野について簡単にまとめる。一般にイ
ンク供給システムとして負圧発生源を用いない場合は、
「水頭差」と呼ばれる、インク使用部(インク吐出ヘッ
ド)に対する高低差によって、インクを供給するものが
知られている。この場合は、インク収納部に特別な条件
を必要としないため、通常の袋などのインク収納袋を用
いることが多い。
【0009】ところがインク供給経路としてはインクを
密閉型とするため、インク収納袋から上方に位置するイ
ンク使用部(インク吐出ヘッド)までチューブ等の供給
管を必要とし、結果的に大型装置となってしまう。この
インク供給経路の水頭差をできるだけ小さく或いは無く
すために、インク吐出ヘッドに対して負圧を与えるイン
クタンクが提案され、実施されてきた。このヘッドとイ
ンクタンクとを一体化可能にしたものをインクジェット
カートリッジと呼ぶことにする。
【0010】前記インクジェットカートリッジは、さら
に分類すると、記録ヘッドとインク収容部とが常時一体
の構成と、記録手段とインク収容部が別体で、かつ記録
装置に対して双方とも分離でき、使用時に一体にして使
用する構成とに分けることができる。
【0011】いずれの構成においても、インク収容部に
収納されたインクの使用効率を高めるために、インク収
容部における記録手段との結合部はインク収容部の中心
より下方に設けられることが多い。このため、インクジ
ェットカートリッジにおけるインク収容部には、インク
を安定して保持し、記録手段に設けられたノズル等の吐
出部からのインク漏れを防ぐために、記録手段に供給さ
れるインク流れに対する背圧を発生する機構が求められ
る。この背圧は吐出口部の圧力を大気圧に対して負とす
るためのものであることから、負圧と呼ばれている。
【0012】負圧を発生させるための最も容易な方法の
一つとして、前述したような多孔質体の毛管力を利用す
る方法が挙げられる。該方法におけるインクタンクは、
インクタンク内部全体にインク貯蔵を目的として収納、
好ましくは圧縮収納されたスポンジ等の多孔質体と、印
字中のインク供給を円滑にするためインク収容部に空気
を取り入れ可能な大気連通口とを含む構成となる。
【0013】しかし、多孔質部材をインク保持部材とし
て使用する場合の課題として、単位体積当たりのインク
収容効率が低いことが挙げられる。この課題を解決する
ために、多孔質部材をインクタンク全体に挿入する構成
のかわりに、インクタンクの一部に多孔質体を挿入する
構成が挙げられる。この構成では、多孔質体がインクタ
ンク全体に挿入されている構成と比較して単位体積当た
りのインク収容効率及びインク保持能力を高めることが
できる。
【0014】さらにインクの収容効率を向上させる観点
からは、前述したような袋とバネの組み合わせ構造の袋
状容器や、ゴム製のインク収納容器を用いることもでき
る。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】上述したような現在の
インクタンクは、現時点での市場における要求は満足出
来るレベルにある。
【0016】しかしながら、本発明者たちの一部は、将
来的展望の見知から、液体収納容器、特にインクジェッ
ト用インクタンクに求められる理想的な条件を考えたと
ころ、以下の3つの課題を想出するに至った。
【0017】まず一点目は、インク収容効率のより一層
の向上である(第1の課題)。即ち、同一空間に占める
インクタンクのインク収容効率をさらに高めることで、
インクタンクのインク収容量を増やすことである。
【0018】二点目は、構成部品が少なく、部品そのも
のの構造が単純であること(第2の課題)、さらに付加
的効果として、製品の歩留まりの減少や、品質管理項目
の減少などの利点が期待できることである。
【0019】そして三点目は、近年問題となっている環
境問題に対する対応である(第3の課題)。この問題に
対する対応策の一つとしては、インクタンクの構成部品
がリサイクル可能であることが挙げられる。そのために
はインクタンクの構成部品がなるべく少ないこと、構成
部品を回収する際に容易に分別回収できることが望まし
い。
【0020】本願出願人は、上述の課題を解決する液体
容器の出願を既に出願しているが、本発明はその後の本
発明者たちによる鋭意研究の結果、着想されたものであ
る。
【0021】即ち、第1の課題について更なる検討を行
った結果、インクタンクの交換回数を減らすためには、
収容効率だけではなく、発生する負圧の安定化によるよ
り一層のインクの使用効率の向上と、インクタンクから
のインクの蒸発の抑制をする必要があるとの結論を得
た。
【0022】本発明の目的は、上述の全ての課題を解決
し、液体供給システムの構成要件の一つとして、安定し
た負圧を利用しながら液体供給を行うことが可能な液体
収納容器を提供することである。
【0023】本発明の別の目的は、従来にはない負圧発
生方式を実用化水準に成し遂げ、簡単な構成或いは作用
でありながら、優れた液体供給性能を発揮できる負圧利
用型液体収納容器、その製造方法などを提供することで
ある。
【0024】上記本発明の各目的は、記録分野の筆記用
具やインクジェット記録ヘッドにも適用でき、特に本発
明のインクジェット分野における別の目的は、インクジ
ェットヘッドに対して完全一体化或いは分離可能な上記
液体収納容器を提供することである。
【0025】
【課題を解決するための手段】上述のような目的を達成
するための本発明の代表的な用件は、次のようなもので
ある。
【0026】液体を収納するための液体収容部を形成し
該液体の導出により変形可能な内壁と、該内壁外面と同
等もしくは相似形の内面を備え大気連通部を有し前記内
壁に対し剥離可能な外壁と、前記液体収納部から液体を
外部へ導出可能な液体導出部と、を有し、前記液体の外
部への流出に伴い液体収容部内部に大気を取込む手段を
有することを特徴とする液体収納容器である。
【0027】もしくは、実質的な大気連通部を有し略多
角柱状であって該多角柱の3面の延長部がなす角部を有
する外壁と、該外壁内面と同等もしくは相似形の外面
と、前記外壁の角部に対応して角部とを有し、内部に液
体を収容可能な液体収容部を形成する内壁と、前記液体
収納部から液体を外部へ導出可能な液体導出部と、を有
する液体容器であって、外壁と内壁との界面は、少なく
とも分離可能な材質であり、前記液体収容部に液体と空
気とを収容することを特徴とする液体収納容器である。
【0028】もしくは、実質的な大気連通部を有し略多
角柱状であって該多角柱の3面の延長部がなす角部を有
する外壁と、該外壁内面と同等もしくは相似形の外面と
前記外壁の角部に対応して角部とを備え内部に液体を収
容可能な液体収容部を形成する内壁と、前記液体収容部
の中心より下方に存在し前記液体収容部から外部に液体
を供給可能な液体供給部と、を有し、前記内壁の厚さは
略多角柱状の各面の中央域より角部を構成する部分の方
が薄く、外壁と内壁との界面が一部を除き剥離している
液体収納容器を用意する工程と、前記液体収容部に空気
が残存するように液体を収容する工程と、前記液体収容
部を実質的に密閉空間にする工程と、を有することを特
徴とする液体収納容器の製造方法である。
【0029】もしくは、上述した液体収納容器からなる
インクタンクと、該インクタンクのインク供給部に接合
され、インクの吐出を行うインクジェットヘッドと、を
有することを特徴とするインクジェットカートリッジで
ある。
【0030】上述したような本発明の液体収納容器、該
容器の製造方法等によると、部品点数が少なく、単純な
構造でリサイクルしやすく、限られたスペースにおける
液体の収容効率を高め、負圧を安定化することで液体の
使用効率を向上させると共に液体容器からの液体の蒸発
を抑えることができる。
【0031】特に本発明の内壁に気体透過性に優れた材
質を用いる構成によれば、液体収容部内部の気体の膨張
に対してもより柔軟に対応し、不用意な液体の外部への
流出を防止することが出来る。
【0032】また、特に本発明の液体導出部に液体導出
許可部材を用いた構成によれば、容器の形状を任意に設
計することが出来る。
【0033】さらに、本発明はいずれもインクジェット
記録分野におけるインクタンク、インクジェットカート
リッジ、記録装置等に適用することで、インクタンク、
あるいはインクジェットカートリッジの交換回数を減ら
しランニングコストの低い記録装置を提供することが出
来る。
【0034】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施例の詳細を
図面に基づいて説明する。
【0035】以下の各実施例においては、いずれもイン
クジェット記録分野におけるインクタンクとして説明を
行うが、例えば記録部としてのペン或いはインク吐出部
等液体収納容器の外部部材または外部へ液体を供給する
ために負圧を利用する液体収納容器においても適用可能
であることはいうまでもない。
【0036】(実施例1)図4(a)〜(c)は、本発
明の第1実施例のインクタンク(液体収納容器)の構造
の模式的概略図であり、(a)は断面図、(b)は側面
図、(c)は斜視図を示している。図4(c)を見ると
分かるように、図3のインクタンク110の外壁を構成
する面のうち、最大面積となっている面は、図4(a)
の断面図のように間接的に表示されている面となる。本
発明のインクタンクは、後述するダイレクトブロー成形
により、容器内壁と外壁を同時に一工程で成形される方
法により製造されている。
【0037】まず、図4をもとに本発明の第1実施例の
構成について説明する。
【0038】図4のインクタンク110は、外郭を形成
する外壁111に対して分離可能な内壁112で囲まれ
た領域(以下、インク(液体)収容部と称する)にイン
ク(液体)10が収容されている。内壁112はガス透
過性を有する材質により構成されており、インク収容部
から液体が外部に導出されると変形する。一方、外壁1
11は内壁112に比べて十分厚く、内壁に比べガス透
過性はない。また、外壁はインクの流出により内壁が変
形しても殆ど変形することはない。また、外壁は空気取
り入れ口115を有しているが、外壁により囲まれる空
間は空気取り入れ口以外は密閉されており、この空間内
部にインク収容部が存在する構成になっている。内壁は
溶着部(ピンチオフ部)114を有し、この溶着部で内
壁は外壁に係合する形で支持されている。
【0039】ここで、図4のインクタンクについて詳述
すると、インクタンク110は6つの平面から構成さ
れ、円筒状のインク供給口(液体導出部)113が曲面
として付加されたものである。この6つの面のうち、イ
ンク供給口113の両側にある内・外壁それぞれにおけ
る最大面積の面は、後述する6つの角部(α1、β1、
β1、α1)、(α2、β2、β2、α2)で区分され
ている。
【0040】この最大面積をなす内壁面の厚さは、略多
角柱状の各面の中央域より角部を構成する部分の方が薄
く、各面の中央域から前記角部それぞれに向かって徐々
に減少しており、インク収容部側に凸の形状を有してい
る。この方向は、言い換えると面の変形方向と同じであ
り、後述する変形を促進させる効果を有する。
【0041】ここで内壁の角部は、後述するように3面
により構成されているので、結果として内壁の角部全体
の強度は中央域の強度に比べ相対的には強くなってい
る。また、面の延長から見れば、中央域に比べて厚さは
薄いので後述する面の移動を許容する。この内壁の角部
を構成する部分は、それぞれほぼ同等の厚さであること
が望ましい。
【0042】また、インク供給口(インク供給口)11
3には、わずかな振動や外圧がタンクに加わった場合に
インクの漏れを防止できるようなインク漏れ防止機能を
有する液体導出許可部材116を介して不図示のインク
ジェット記録手段のインク導出管と連結されている(以
下、初期状態と称する)。インク供給口113は、内壁
と外壁はインク(液体)導出許可部材116などにより
分離しにくい構成となっている。さらに後述する円筒の
曲面と平面との交差部であるγ1、γ2は、インク収容
部に比べて小さいために、通常のインクジェット記録手
段からのインクの吐出による、インクの導出に伴う内壁
の変形に対してはつぶれにくい特性を有する。本実施例
のインクタンクでは、インク供給口は略円筒形である
が、略円筒形に限定されるものではない。多角柱形状で
あっても、インク収容部に比べインク供給口の大きさは
十分小さいために、インクの導出に伴う内壁の変形に対
してはつぶれにくい特性は変わらない。従って、インク
の消費が完全に終了したときでも、インク供給口では内
壁と外壁は変形することなく初期状態を維持している。
【0043】尚、図4は模式的概略図であるため、イン
クタンクの外壁111とインクタンク内壁112との位
置関係は空間を隔てたように描かれているが、実際は分
離可能な状態になっていればよく、内壁と外壁が接触し
ていても、微少な空間を隔てて配置されるように構成さ
れていてもよい。したがって、いずれの場合においても
初期状態において、インクタンクは、外壁111の内面
の形状に沿って、少なくとも外壁111の角部α1、β
1に対応した位置に内壁112の角部α2、β2がくる
ように成形されている。
【0044】ここで、角部とは、略多面体により構成さ
れるインクタンクにおいて、少なくとも3つの面、より
好ましくは3つの平面の交差する交差部分、あるいはそ
の延長面の交差部に対応する部分を含む意味である。角
部の符号の意味は、αがインク供給口を有する面により
形成される角部、βはそれ以外の角部であり、添字1が
外壁であること、添字2が内壁であることを表してい
る。また、インク供給口は略円筒状に形成されている
が、ここで円筒の曲面と、実質的な平面との交差部分を
γで表すと、この交差部分においても外壁と内壁は対応
した位置にあり、それぞれを以下γ1、γ2と表記す
る。なお、角部には微小曲面部を設けて構成しても良
い。この時の面の定義は、多面体の微小曲面部を角部と
してとらえ、微小曲面部を除いた平面として定義する。
【0045】次に、図1乃至図5を用いて、本発明のイ
ンクタンクの液体の導出に伴う変形について詳細に説明
する。
【0046】まず、比較例として、図1に示すように、
内壁102、外壁101ともガス透過性を有さない場合
のインクタンク100の変形の様子を図2及び図3を用
いて説明する。図2は、上述の比較例のインクタンク1
00にインク10を収容し、インクタンクのインク供給
口103からインク10を導出したときの変化を(a)
〜(d)の順に示す概略図であり、添字1は図1(b)
のB−B断面図を、添字2は図1(a)のA−A断面図
を示している。
【0047】初期状態において、インクタンクは、外壁
101の内面の形状に沿って、少なくとも外壁101の
角部α1、β1に対応した位置に内壁102の角部α
2、β2がくるように成形されている(図2(a1)、
(a2))。
【0048】インクジェット記録手段のインクジェット
記録ヘッドからインクが吐出された後、インク収容部の
インク10が消費されはじめると、内壁102は、イン
ク収容部の体積が減少する方向に、面積最大の面の中央
部から変形をはじめる。ここで、外壁は内壁の角部の変
位を抑制する働きをする。本インクタンクは上述の角部
α2、β2によって区分された角部の位置変動がほとん
どないので、インク収容部はインク消費による変形の作
用力と初期状態の形状に戻ろうとする作用力とが働き、
負圧を安定化せしめる方向に機能する。この時、空気取
り入れ口105から、内壁102と外壁101との間に
空気が導入され、内壁の変形を阻害することなく、イン
ク使用時における安定した負圧の維持をはかる働きをす
る。(図2(b1)、(b2))。
【0049】ここで、本実施例では、多面体により構成
されているインクタンク外壁の実質的に平面形状をなす
面のうち、表面積最大の面の少なくとも一つにおいて、
内壁と固定されていないことで、この面に対応する内壁
面の、ほぼ中央部分から変形がはじまる。
【0050】この面は実質的に平面形状をなしているの
で、インク収容部のインク10の減少量に応じて、対向
する面に接する方向に一様に連続して変形を行う。従っ
て、吐出時及び非吐出時にインク収容部の不連続に大き
い変形がなく、インクジェット記録装置に用いられるイ
ンクタンクとして最適な、より一層安定した負圧の保持
及び、インク吐出時の負圧の安定化を実現することが可
能である。
【0051】さらに、本実施例のように対向する一組の
面が共に表面積最大であり、内壁と外壁との接合部分を
有さず、容易に剥離可能であると、2つの面がほぼ同時
に変形を行うので、負圧の保持及びインク吐出時の負圧
の安定化をより一層はかることができる。
【0052】さらにインク収容部のかなりのインクが外
部に導出される(図2(c1)、(c2))と、前述と
同様にインク収容部が変形し、インク収容部の中央部分
が内方に向かう安定した潰れかたが維持される。さら
に、溶着部104も、内壁の変形規制部分となり、最大
面積を有する面に隣接する面について、相対的にピンチ
オフ部104を有する領域より、ピンチオフ部を有して
いない部分が先に変形を始め、外壁から離間する。
【0053】しかし、上記の内壁変形規制部分だけで
は、インク供給口近傍の内壁が変形することでインク供
給口を塞いでしまい、インク収容部に収容されたインク
10を十分使いきることができなくなる恐れがある。
【0054】本発明では、図1(c)に示す内壁の角部
α2は、初期状態において外壁の角部α1に沿って形成
されているので、内壁が変形する際に、内壁の他の部分
に比べて内壁の角部α2は変形しにくく、内壁の変形を
規制することができる。尚、本インクタンクの内壁は、
複数の角部α2のなす角度が90度として表現されてい
る。
【0055】ここで、内壁の角部α2の角度を、外壁の
角部α1を構成する実質的に平面形状をなす少なくとも
3面のうちの2面のなす角度、すなわち、2面の延長の
交差部分の角度として定義した。内壁の角部の角度を外
壁の角部の角度により定義するのは、後述する製造工程
において、外壁を基準に製造するためであり、すでに述
べたように内壁と外壁は初期状態においてほぼ相似形で
あるためである。
【0056】このように、図2(c1)、(c2)にお
いては、図1(c)に示す内壁の角部α2が対応する外
壁の角部α1に分離可能な状態で位置しており、一方、
インク供給口を有する面により形成される角部以外の内
壁の角部β2については、α2に比べるとやや対応する
外壁の角部β1から離れるようになる。しかし、図1お
よび図2に示す本比較例では、対向する位置にあるβに
ついても、そのなす角度が90度以下により構成されて
いるものが多い。したがって、インク収容部を形成する
他の内壁の領域に比べれば、対応する外壁との位置関係
を初期状態に近い位置に保つことができるので、内壁の
補助的な支持を実現している。
【0057】さらに、図2(c1)、(c2)において
は、後述する表面積最大の対向する面が、ほぼ同時に変
形を行うので、インク収容部の中心部が互いに接するよ
うになる。この中心部の接触部分(図2(c1)、(d
1)の斜線部)は、更なるインクの導出によりさらに広
がるようになる。すなわち、本発明のインクタンクは、
インク10を導出するときに最大面積の面と、最大面積
の面に隣接する面とが形成するエッジが折れ曲がる前
に、最大面積の面が対向面と接触することになる。
【0058】やがてインク収容部に収容されていたイン
クのほぼ全体を使い終える(以下、最終状態と称する)
が、この時の状態を図2(d1)、(d2)に示す。
【0059】この状態において、インク収容部の接触部
分は、インク収容部のほぼ全域にわたり、内壁の角部β
2の中には、対応する外壁の角部β1から完全に離れる
ものも存在するようになる。一方、内壁の角部α2は、
最終状態においても対応する外壁の角部α1に分離可能
な状態で位置しており、最後まで内壁の変形規制部分と
なる。
【0060】更に、この状態の場合、内壁の厚さによっ
ては、溶着部104が外壁から離れることが起こりうる
が、その場合、溶着部104は長さ成分を持っているた
め、変形する方向は限定される。従って、溶着部が外壁
から外れる場合でも、その変形は不規則ではなく、バラ
ンスをとりながら変形を行うことになる。
【0061】このような変形を行う本比較例のインク収
容部のインク使用量と、インク供給口におけるインクタ
ンクの負圧の関係を図3に示す。図3において、横軸は
外部へのインク導出量であり、縦軸は負圧である。図3
において、静負圧を□で示した。また、この静負圧に内
部のインクが外部に導出される場合などに生じる動負圧
を加えた全負圧を+で示した。図3より、本比較例のイ
ンクタンクは初期に圧力が変化した後はほぼ一定の値を
保ち、その後大きく変化する領域を有することが分か
る。この安定領域と大きく変形する領域との境界は、図
2の(b)から(c)に至る間、すなわち、対向する表
面積最大の内壁面が接触する時にほぼ相当するものであ
る。
【0062】本発明の比較例であるインクタンク100
のインク収容部にインクを収容し、インク供給口からイ
ンクを導出したときの変化は以上の通りであり、本発明
の第1実施例のインクタンク110の変形の順番もほぼ
同様である。すなわち、最大面積の面から変形をはじ
め、最大面積の面と隣接する面が形成するエッジが折れ
曲がる前に最大面積の面が対向する面と接触し、インク
供給口を有する面により構成される角部以外の角部が移
動することで、インクタンクの変形の際に変形の優先順
位を有する構成となっている。
【0063】ここで、本発明の第1実施例のインクタン
ク110は内壁112がガス透過性を有しているため、
内壁102がガス透過性を有さない図1のインクタンク
100に比べてさらに以下の点で異なる。
【0064】すなわち、内壁112がガス透過性を有す
るために、使用途中である程度時間が経過すると、内壁
112と外壁102との間に存在する空気が内壁を通じ
てインク収容部に導入され、インク収容部の変形は空気
20が導入された分だけ元の状態に戻るようになる。こ
こで、上述したように、外壁111は空気取り入れ口1
15を有しているが、外壁111により囲まれる空間は
空気取り入れ口115以外は密閉されており、該空間は
インク中の蒸発しやすい成分の蒸気が飽和状態となって
いる。従って、この空間内部に存在するインク収容部か
らは、インク収容部が大気に晒されている場合に比べて
はるかにインクの蒸発が少ないものとなっている。
【0065】特にこのような変形が、比較例のインクタ
ンク100における、図2(b)から図2(c)の状態
へ移行しようとするとき、すなわち対向する表面積最大
の内壁面が接触し、インクタンクの負圧が安定領域から
大きく変化する領域へ移行しようとするときにインク収
容部への空気20の導入がなされることで、最大面積面
が接触前の状態に維持されるため、比較例よりもより一
層インクタンクの負圧安定領域を保つことができる。こ
の時のインクタンクの変形の概略図を図5(a)〜
(d)に示す。図5においても図2と同様に、添字1は
図4(b)のB−B断面図を、添字2は図4(a)のA
−A断面図を示している。
【0066】なお、環境温度の上昇に伴いインク収容部
内部に導入された空気の膨張及びインク収容部内のイン
クの蒸発しやすい成分の蒸気の発生等によるインク収容
部の膨張が起こる恐れがあるが、本発明の第1実施例の
構成によれば、使用途中においては外壁111と内壁1
12との間の空間が塞がることによりインク供給口から
の外部への不用意なインク漏れと、インクタンクの負圧
の変化を未然に防止することができる。また、初期状態
に近い状態ではインク収容部の変形が少ないために空気
は導入されにくいので、環境温度の上昇によるインク収
容部の膨張についてはあまり考慮する必要はないが、初
期状態においてインク収容部と外壁との間に僅かに隙間
ができるように設定することで、初期状態におけるイン
ク漏れ及びインクタンクの負圧の変動について対応する
ことができる。
【0067】本発明の第1実施例の変形例については後
述するが、外壁が空気取り入れ口以外密閉でインク収容
部を内部に備えていれば、上述したような6面体形状に
は限定されず、様々な形態をとることが可能である。ま
た、内壁にガス透過性を有する材質を選択することで、
簡単な構成でありながら、安定した負圧の保持、及び内
部の液体の蒸発を防止し、収容効率に優れ部品点数の少
ないインクタンクを提供することができる。
【0068】(実施例2)図6(a)〜(c)は、本発
明の第2実施例のインクタンクの構造の模式的概略図で
あり、(a)は断面図、(b)は側面図、(c)は斜視
図を示している。図6(c)を見ると分かるように、図
6のインクタンク(インクタンク)の外壁を構成する面
のうち、最大面積となっている面は、図6(a)の断面
図のように間接的に表示されている面となる。本実施例
はインクタンクのインク導出許可部材、及び内壁を第1
実施例と異ならせている。
【0069】第1実施例と同様に、インクの蒸発防止、
タンク内圧力の均一化、インクの漏れ防止を実現するた
めに、インクタンク120の壁を2重にし、内部に収容
されたインクの減少に起因する内部圧力変動に自由に追
従する構成としている。
【0070】本実施例においては、第1実施例とは異な
り、内壁122はガスを透過しにくい材質により構成さ
れている。また、インク供給口123に設けられたイン
ク導出許可部材126が第1実施例とは異なり、記録ヘ
ッドとの接続時に外部からの気体の導入を許可する構成
となっている。
【0071】そこで、本発明の第2実施例の特徴である
インク導出許可部材からの気体の導入について、図7を
用いて説明する。
【0072】図7(a)乃至(c)は本実施例のインク
タンクのインク導出許可部材からの気体の導入を示す概
略説明図であり、図7(a)は記録ヘッドとインクタン
クとの接続前の断面図、図7(b)は図7(a)のA−A
断面図、(c)は記録ヘッドとインクタンクとの接続時
の断面図である。
【0073】図7(a)及び図7(b)に示すように、本
実施例におけるインク導出許可部材126は例えばゴム
栓のようなもので構成されており、複数の微小溝を有す
る樹脂からなる棒30が埋め込まれている。この棒の微
小溝により、上述のインク導出許可部材126にはメニ
スカスによりインク収容部に収容されたインクを保持可
能な微小孔118が形成されている。そして、記録時に
は、図7(c)に示すように、インク供給口123はイ
ンクジェット記録ヘッドのインク供給針412とインク
導出許可部材126を介して連通している。
【0074】インクタンク120のインク供給口におけ
る負圧がある一定の値以上の時は、微小孔118はメニ
スカスによりインク収容部内部のインクを保持し、外部
からの大気の導入を妨げる構成となっているが、負圧が
ある一定の値以下になると、微小孔から空気をインク収
容部内部に取り込み、インク収容部内部の負圧がある一
定の値より低下するのを防ぐ働きをする。
【0075】空気を取り込むときのインク収容部の負圧
は、微小孔の大きさとインク収容部の大きさ等により任
意に設定することができるが、特にこの値を、対向する
表面積最大の内壁面が接触し、インクタンクの負圧が安
定領域から大きく変化する領域へ移行しようとするとき
の値に設定することで、第1実施例同様、最大面積面が
接触前の状態に維持され、インクタンクの負圧安定領域
を保つことができる。本実施例においては微小孔118
の大きさは約0.1mm程度とした。
【0076】このように、本実施例の微小孔の径は充分
微小であるため、微小孔からのインクの蒸発はそれほど
多くはなく、他の部分については気体を極めて通しにく
いため、第1実施例と同程度のインク蒸発防止機能を有
する。
【0077】以上説明したように、本実施例の構造の場
合、インク供給口がある圧力以下になると必ず空気が入
るようになっているために、一度に大量に印字を行うと
きなどインク収容部内部のインクの量に急激な変化があ
る場合にも対処可能であり、高速印字時にも一定の負圧
を維持し、インクの使用効率を向上させることが可能で
ある。
【0078】本実施例においては、インク導出許可部材
126に別の部材を埋め込むことで、大気の導入を可能
にする微小孔を設ける構成を開示したが、インク導出許
可部材自体にあらかじめ微小孔を設ける構成であっても
よい。また、インク導出許可部材は上述の機能を有する
ものであればゴム栓に限られることなく、他の部材でも
使用可能である。
【0079】また、本実施例の変形例としては、図8及
び図9に示すように、液体吐出ヘッド側のインク供給管
の形状を工夫することで、インク供給管とインクタンク
のインク供給口との結合時に微小孔が設けられるような
構成が挙げられる。図8(a)はインク供給管の側面
図、図8(b)は(a)のA−A断面図であり、図9
(a)は図8のインク供給管と本発明のインクタンクと
の接続を示す説明図、図9(b)は図9(a)のB−B
断面図である。
【0080】図8(a)及び(b)に示すように、イン
ク供給管422の管の表面には、図7に示す棒30に設
けられた微小溝とほぼ同じ複数の微小溝40が直線状に
設けられている。従って、図9(a)及び(b)に示す
ように、インク供給管とインクタンクのインク供給口と
の結合時には、インク供給管に設けられた微小溝とイン
ク導出許可部材により、インク導出許可部材には本実施
例と同様の微小孔119が設けられることになり、本実
施例と同様、インク供給口がある圧力以下になると必ず
空気が入るようにすることができる。
【0081】インク供給管の形状としては、図8に示す
直線形状の他に、図10に示すインク供給管432のよう
な螺旋状の溝50でも良い。
【0082】このように、インク供給管に溝を設け、こ
の溝とインク導出許可部材との間に微小孔を設ける場
合、インクタンクと液体吐出ヘッドとの非結合時にはイ
ンクタンクのインク収容部は完全に密閉されるため、保
存時などにおいて、より一層インクの蒸発を防ぐことが
出来る。
【0083】なお、本実施例及びその変形例の容器の形
状については後述するが、上述したインク導出許可部材
を有していれば、6面体形状には限定されず、様々な形
態をとることが可能である。
【0084】(実施例3)図11(a)〜(c)は、本
発明の第3実施例のインクタンク130の構造の模式的
概略図であり、(a)は断面図、(b)は側面図、
(c)は斜視図を示している。図11(c)を見ると分
かるように、図11のインクタンク130の外壁101
を構成する面のうち、最大面積となっている面は、図1
1(a)の断面図のように間接的に表示されている面と
なる。
【0085】第2実施例と同様に、インクの蒸発防止、
タンク内圧力の均一化、インクの漏れ防止を実現するた
めに、インクタンクの壁を2重にし、内部に収容された
インクの減少に起因する内部圧力変動に自由に追従する
構成としている。
【0086】前述の2つの実施例が、液体を導出してい
る時、或いは導出した後にインク収容部に空気を導入す
る構成であったのに対し、本実施例においては、使用開
始時、すなわち初期状態においてインク収容部内部に空
気が存在している点が他の実施例とは異なる。
【0087】本実施例におけるインクタンクの変形の概
略図を図12(a)〜(d)に示す。図12において、
添字1は図11(b)のB−B断面図を、添字2は図11
(a)のA−A断面図を示している。
【0088】図12(a)〜(d)に示すように、空気が
インク収容部内部に存在することにより、第1実施例同
様、最終状態(図12(d))において、対向する面同士
の接触領域以外の隙間に空気20が回り込み、内部に収
納されたインクを無駄なく使用することができる。ま
た、使用開始時における吸引回復などの大量のインク消
費が行われるような場合においては、インク収容部内に
はじめから存在する空気20が緩衝剤としての役割を果
たし、内壁の急激な変形を緩和する効果がある。
【0089】本実施例の場合は初期状態から空気がイン
ク収容部内部に存在するため、内壁にガス透過を持たせ
たり、インク供給口に微小孔を設けたりする必要がな
い。従って、液体の蒸発を最小限にくい止めることがで
きる。
【0090】また、本実施例においては、環境温度の上
昇に伴いインク収容部内部に存在する空気の膨張及びイ
ンク収容部内のインクの蒸発しやすい成分の蒸気の発生
等によるインク収容部の膨張を考慮する必要があるが、
初期状態においてインク収容部と外壁との間に僅かに隙
間ができるように設定することで、初期状態におけるイ
ンク漏れ及びインクタンクの負圧の変動について対応す
ることができる。
【0091】(その他の実施例)以上、本発明の要部に
ついての説明を行ったが、以下にこれらの実施例に好ま
しく適用できる実施態様例についての説明を行う。
【0092】<容器の形状>本発明が適用されるインク
ジェット用インクタンクの容積は、最大で500c
3、一般的に用いられる範囲では約5〜100cm3
ある。また、インクタンクの表面積最大の面の、他の面
に対する大きさの比は、上記の容量のインクタンクの場
合、次のようにして望ましい範囲を決めることができ
る。すなわち、図18に示すように、本発明のインクタ
ンクを内部に含むことが可能な最小の大きさの直方体を
考え、直方体の辺を長い方からl1,l2,l3(l1
≧l2>l3)とすると、l1とl3の長さの比は、約
10:1〜約2:1が望ましい。この長さの比は、特に
インクタンクが略直方体の場合、表面積最大の面の、全
表面積に対する面積を決めることができる。また、本発
明のインクタンクは、面積最大の面が、その面に隣接す
る面の面積の総和より大きくなっている。
【0093】各実施例の容器の形状の変形例として、図
15〜図17に示す様な形状が挙げられる。
【0094】図15は本発明のインクタンクの変形例を示
す模式的概略図であり、(a)は断面図、(b)は側面
図、(c)は斜視図である。図15に示す変形例では、イ
ンクタンク160の形状を第1実施例よりやや立方体に
近い形状のものとし、インク供給口163を底面に設け
ている。また、インク供給口163及びインク導出許可
部材166を有する面と溶着部164を有する面とは対
向しない構成をとっており、溶着部近傍に生じる隙間1
67を空気取入れ口として利用している。
【0095】さらに、実質的に平面形状をなす外壁16
1面のうち、表面積最大の面の少なくとも一つの外壁面
が、内壁162との接合部分を有さず、内壁が外壁から
容易に剥離可能であるという点では第1実施例と同様で
あるが、本実施例ではこの面に対向する面にも同様の条
件を満たさせるかわりに、インク供給口163を設けて
いる。
【0096】本変形例のインクタンクにおいては、イン
ク供給口のインクが使用されて内壁162が変形する際
に、対向する1組の面が同時に変形するかわりに、イン
クタンクの天井面から変形が始まる。この変形方向は鉛
直下向きであり、かつ、インク供給口から記録ヘッドへ
のインク供給方向と一致している。従って、本実施例に
おいても、第1実施例とは構成が異なるものの、第1実
施例と同程度に安定したインクの吐出及び負圧の保持を
容易に実現することができる。
【0097】図16は他の変形例を示す模式的概略図であ
り、(a)は断面図、(b)は側面図を示している。こ
の変形例においては、前述したパリソンの径を大きく
し、タンクのほぼ全幅とすることによりインクタンクを
形成した点で、前述した第1の実施例と異なっている。
【0098】第1実施例と異なる点について説明する
と、に示すようにインクタンク170の高さ方向のほぼ
全幅にわたってピンチオフ部174が形成されている。
【0099】本実施例の場合は、後述する製造工程にお
いて、パリソンの径を金型にほぼ同等とすることにより
エア注入時の膨張分を少なくすることにより、パリソン
からインクタンクの角部までの距離を実質的に短くする
ことができ、各角部の厚みを極力等しく成形することが
可能となり、角部の強度を等しくすることができる。
【0100】また、本実施例のように容器の側面ほぼ全
幅域にピンチオフ部を設けることにより、内壁の支持部
がより安定的に保つことができ、インクの導出に対して
負圧の発生をより安定的に保持することができる。
【0101】さらに、ピンチオフ部を対向した位置に広
く形成することでインクタンク自体をさらに強固なもの
とし、外部からの衝撃等に対して信頼を高めることが可
能となる。
【0102】また、図17は別の変形例のインクタンク
180を示す模式的概略図であり、(a)は断面図、
(b)は側面図を示している。この変形例においては、
前述したインクタンクと比べて角部、および面と面との
交差部を微小曲面形状とした点で異なっている。
【0103】本変形例のように微小曲面形状とすること
で、パリソンを金型に対して膨張させて成形する際に、
角部および前記面と面の交差部を、薄いがより安定形成
することができる。このように角部および交差部を微小
曲面とすることでピンホールの発生をも大幅に防止する
ことができる。さらにこの微小曲面角部に注目してみる
と、本変形例の構成にすることで、エッジ形状のものに
比べ、外壁および内壁の膜厚をほぼ均一に成形可能とな
り、安定した面の移動が可能となる。さらにその部位の
膜厚が均一化することで、安定した強度を達成すること
も可能となる。
【0104】また、曲面形状とすることで、局部的にみ
ると角部および面と面との交差部が球面状(曲面状)と
なるので、その部位自体の強度が増し、局部的につぶれ
にくい構成となる。このことにより、面のつぶれ規制を
より安定的に達成することができる。
【0105】上述した各変形例の構造は第1〜第3のい
ずれの実施例にも適用可能であるが、特に第1、第2実
施例においては、に示すような、通常は不規則な変形を
起こしやすい単純な円筒形の容器にも適用可能である。
図14において、(a)は断面図、(b)は底面図を示
している。
【0106】加えて、外壁の構造について補足する。前
述した外壁の1つの機能として内壁の角部の変形を規制
することをあげたが、この機能を発揮する構造として
は、内壁の変形に対しては形状を維持でき、かつ角部の
周囲を覆う構造(角部包囲部材)を有するものであれば
よい。従って、プラスチック、金属あるいは、厚紙等の
材質で、上述した外壁または内壁を覆う構造にしてもよ
い。この外壁としては、全面でもよく、角部のみ面構造
で、この面構造を金属等の棒で結合するようなものでも
良い。さらに外壁は、メッシュ構造でも良い。第2、第
3実施例の場合は上記のいずれの形態もとることができ
るが、第1実施例の場合は、内壁がガス透過性を有する
ため、その外壁は空気取り入れ口以外密閉できるような
形状に限定される。
【0107】また、第2、第3実施例については、図13
(a)〜(c)に示すような内壁142だけの構造の容
器についても適用することが可能である。図13におい
て、(a)は断面図、(b)は側面図、(c)は斜視図
であり、他の実施例と同様に、ブローイングエアーを用
いるブロー成型により成形されている。本方式で製造し
た場合には、大気連通口を設ける必要はなく、又、角部
の動きを外側から規制する外壁を持たない。ここで、図
面上では省略されているが、ピンチオフ部を最大面積部
に作らない事でインクタンク140を構成する最大面積
部の厚みが最大面積部の中央域から角部を構成する部分
に向かって連続的に薄くなっている。又、内壁の厚みの
分布は、内壁の最大面積部の中央域が容器の内部に向か
って凸をなす形状を形成している。この凹み形状と厚み
の分布がインクタンクの内部の負圧の変化に対して最大
面積をなす面がより一層なめらかにこの凸形状の曲面を
形成しながら変形していく。又、角部を構成する部分
は、インクタンクのインクの減少に追従して最大面積面
の中央域に向かって移動はするが、角部の形状を保った
まま、対向する最大面積面の中央域から順序よくその周
囲に向かって互いに密着していく。このような変形の規
則性から、インクタンクとしての特性を備えており、第
3実施例の変形例としても適用することができる。
【0108】<空気取り入れ口の構成>空気取り入れ口
は、内壁が内部のインクの消費に伴って、体積が減少し
変形した場合に、内壁と外壁の間へ空気を導入するため
のものであり、単純な開口とする場合と、開口及び空気
流入弁で構成する場合がある。図4に示す実施例では単
純な開口とした大気連通口の場合を示しているが、この
大気連通口の変形例を以下に示す。
【0109】図16に示す第1実施例の変形例では、溶
着部174近傍に生じる外壁と内壁との数十μm程度の
微少な隙間177を空気取り入れ口として利用してい
る。この隙間は、内壁172に外壁171との接着性の
低い材質を選択していることにより、溶着部174部分
に外力を加え、外壁171から内壁172を剥離させる
ことにより容易に形成される。
【0110】また、他の変形例としては、インクタンク
の外壁に外部に開く弁を設けてインクタンク内壁の圧力
バランスを補助する構成がある。通常のインク供給にお
いては、隙間を介して外壁と内壁との間の空間に空気を
導出、導入することで充分な圧力調整が可能であるが、
落下などに起因する急激な圧力変化をより早く吸収する
ことができるように弁を設けたものである。
【0111】<容器の製造方法>次に、本発明の各実施
例に示されたインクタンクの製造方法について詳細に説
明する。
【0112】本発明の各実施例においては、インクタン
クを製造する方法としてブローイングエアーを用いるブ
ロー成形を採用した。これは、インクタンクを構成する
壁を実質的に延伸していない樹脂で構成するためであ
り、これによりインク収容部を構成する内壁をどの方向
に対してもほぼ均一な負荷に耐えられるようにしてい
る。従って、特にある程度インクを消費した状態で内壁
により収容されたインクがどの方向に揺動しても確実に
内壁はインクを保持することができ、総合的なインクタ
ンクの耐久性を向上させている。
【0113】このブロー成形方法としては、インジェク
ションブローを用いる方法、ダイレクトブローを用いる
方法、ダブルウオールブローを用いる方法などがある。
【0114】本発明のダイレクトブロー成形を用いる方
法について、第1実施例のインクタンクの製造工程を詳
細に説明する。
【0115】図19(a)〜(d)のそれぞれは、本実
施例の容器製造工程を示す図、図20は容器製造手順を
示すフローチャートである。
【0116】図19で、201は内壁樹脂を供給する主
アキュムレータ、202は内壁樹脂を押し出す主押出
機、203は外壁樹脂を供給する副アキュムレータ、2
04は外壁樹脂を押し出す副押出機である。まず、イン
ジェクションノズルを多層ノズルとして、内側の樹脂と
外側の樹脂を型内に同時に射出して第1、第2パリソン
が一体化したものを用意する。この場合、樹脂の供給は
内側の樹脂と外側の樹脂が接触していてもよく、また全
部が接触していなくても良い、また樹脂の一部が接触す
る様な構造でも良い。なお、この場合には、内側の樹脂
と外側の樹脂の接触する面は樹脂同士が溶着しない材質
をそれぞれ選択するか、型に供給する際にどちらか一方
の樹脂に化合物を加えることで分離可能に成形すること
が必要である。また、インクに対する接液性や形状によ
り同系統の材質が必要となる場合には、内側の材質ある
いは外側の材質を多層構成として接触面に異種材料が位
置するように樹脂を供給してもよい。なお、内側の樹脂
の供給は全周均一である事が理想であるが、部分的に薄
くして内部圧力の変動に追従し易くしても良い。部分的
に薄くする方法は、インクタンクの内部の構造により選
択するが、型内に供給する樹脂の供給方向に添った構成
とする。
【0117】これらにより供給される外壁樹脂および内
壁樹脂はリング205を介してダイ206に供給され
(ステップS301、S302)、第1及び第2のパリ
ソンが一体となったパリソン207が形成される(ステ
ップS303)。次に一体となったパリソン207に対
して、これを挟むように配置された金型208が図19
(b)に示す状態から図19(c)に示す状態となるよ
うに移動してパリソン207を挟み込む(ステップS3
04)。この時、型に挟まれた部分は円形のパリソンが
潰れて扁平になり、他の部分より広がっている。この挟
まれた部分がピンチオフ部となる。
【0118】続いて、図19(c)に示すようにエアノ
ズル209よりエアの注入がなされて金型208に合っ
た形状にブロー成形される(ステップS305)。この
時、内壁と外壁とは隙間なく密着されたものとなってい
る。
【0119】次に、インク供給口以外の内外壁の剥離を
行う(ステップS306)。内壁と外壁の剥離の方法と
しては、インク収容部を真空宇引きにする方法や、内壁
と外壁を構成する成形樹脂に、熱膨張率(収縮率)の異
なる材料を用いる方法が挙げられる。この場合は、ブロ
ー成形後、成形物の温度が下がることにより自動的に剥
離させることが可能となり、工程数を減少させることが
できる。また、同様にブロー成型時にパリソンを型によ
って挟んだ部分に成形後外力をかけて内壁と外壁を剥離
させ、その隙間を空気に連通させることにより大気連通
口として用いることができ、これはインクジェット用の
インクタンクとしては工程数を少なくできることからよ
り好ましい。
【0120】このように内壁と外壁を剥離させた後、イ
ンクの注入を行う(ステップS307)。この時、イン
クの注入を行う前に加圧空気によりインク収容部を初期
状態とほぼ同じ形にし、その後にインク注入を行っても
よい。また、インク収容部を初期状態と同じ形にすると
きにインクを加圧により注入してもよい。
【0121】インクを注入し終えた後のインクタンク
は、内壁と外壁とはインクの導出により、分離可能な状
態になっている。そして、インクを注入した後に、イン
ク導出許可部材を取り付ける(ステップS308)。
【0122】ここで、第3実施例のインクタンクにおい
ては、インク収容部に空気が残るようにしてインク導出
許可部材を取り付ける。また、この時、前述した環境温
度の変化に対応できるように外壁と内壁との間に隙間を
設けることが必要である。隙間を設けるための方法とし
ては、外壁に外力を加え容器全体を変形させたままイン
クを注入し、インク導出許可部材を取り付けた後、外力
から開放させる方法や、インク供給口材取り付け後、記
録ヘッドのインク供給管と同様の管をインク供給口に接
続し、収納したインクの一部を外部に排出する方法など
がある。
【0123】上記のブロー成形では、パリソン207は
粘性がある状態で加工されるため、内壁樹脂、外壁樹脂
ともに配向性を持たないものとなる。また、ブロー成形
前の内壁樹脂、外壁樹脂の厚さをt,Tとすると、ブロ
ー成形後の厚さt1,T1は厚さt,Tよりも薄く加工
される。外壁樹脂および内壁樹脂の厚さにおける関係
は、本発明の趣旨からT>tとなり、T1>t1となる
ように形成した。
【0124】このようにブロー成形を用いることによ
り、製造時の工程数の減少と、部品点数を少なくしたこ
と等による歩留まりの向上だけでなく、各実施例に示し
たように、外壁の形状に沿って、外壁の角部に対応した
位置に内壁の角部がくるように内壁の形状を作ることが
できる。
【0125】すなわち、インクを充填した初期状態で、
外壁に対して内壁が相似形となり、内壁を筐体となる外
壁の形状に所定範囲の間隔で沿わせることができるた
め、従来の筐体内部に袋状容器を収容した場合にみられ
たデッドスペースをなくすことができ、外壁内の単位体
積あたりのインク収容量を多くする(インク収容効率を
高くする)ことができる。
【0126】また、本実施例の構造をとることにより、
インクの付着している内壁は外壁から剥離しているとと
もに薄層であるため、容易に外壁から取出して分別廃棄
もしくは分別リサイクルが可能である。
【0127】さらに内壁と外壁の形状についての補足説
明を行う。これら互いに分離可能な外壁と内壁とは、略
多角柱の型に対して円筒状のパリソンをエアーブローに
よって均一に膨張させることで同様の構成をもってい
る。即ち、前述した内壁は、容器を構成する面の中央近
傍領域の厚みにくらべ角部近傍の厚みの方が薄く形成さ
れている。また外壁も同様に、容器を構成する面の中央
近傍領域の厚みにくらべ角部近傍の厚みの方が薄く形成
されている。
【0128】さらに、上記外壁に対して上記内壁は、上
述したように、各面の中央部から各面の角部に向かって
徐々に減少する厚み分布を有する外壁に積層されること
で形成されている。この結果、上記内壁は外壁の内面に
対して一致する外面を有することになる。この内壁の外
面は、外壁の厚み分布に対して沿うため、内壁が形成す
るインク収納部側に向かって凸となる。そして、内壁の
内面は、上述した内壁の厚み分布を有するので、より一
層インク収納部に向かって凸となる。これらの構造は、
最大面積部で特に前述した機能を発揮するため、本発明
としては、このような凸状形状は少なくとも最大面積部
で存在すれば良く、その凸状形状も内壁面として2mm
以下で良く、内壁外面で1mm以下でよい。この凸状形
状は、小面積部では測定誤差範囲内になることもある
が、略多角柱インクタンクの各面における変形優先順位
をもたらす1つの要因となるので、本発明の第3実施例
にとって好ましい条件の1つとなる。なお、他の実施例
についてもこの条件は好ましいものの一つであることは
いうまでもないが、前述したように容器の形状に対する
制限が少ないため、このような形状の限定は必ずしも必
要なものではない。
【0129】<容器の材質>次に、本発明のインクタン
クを構成する成形樹脂について説明する。
【0130】本発明のインクタンクは、インクを収容す
る内壁と、該内壁を覆う外壁との2重構造により構成さ
れている。従って、内壁には薄くした時に可撓性のある
もの、接液性に優れるものが、外壁には内壁を保護する
ために強度の強いものがそれぞれ望まれる。さらに、本
発明の第1実施例の場合には内壁にガス透過性を有する
ものが望まれるが、第2、第3実施例の場合にはむしろガ
ス透過性の低いものが望まれるので、必要に応じて使い
分ける必要がある。
【0131】本発明のインクタンクの成形樹脂として
は、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ノリル樹
脂等を用いることができる。ここで、ノリル樹脂はほと
んど結晶構造を持たない非晶質であり、ポリプロピレン
樹脂やポリエチレン樹脂は結晶性を有する。
【0132】非結晶性を有する樹脂は一般に熱収縮率が
小さく、結晶性の樹脂は一般に熱収縮率が大きい。
【0133】非晶質のものとして、プラスチックではポ
リスチレン、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニルなどが
挙げられる。また、結晶性のものとしては、結晶化に所
定の環境下において、ある割合で結晶部分を形成するも
ので、ポリアセタール、ポリアミドなどが挙げられる。
【0134】そして、結晶性プラスチックは、ガラス転
移温度(Tg:分子がミクロブラウン運動を開始し、性
状がガラス状からゴム状に移行する温度)と比較的明確
な融点が存在する。一方、非晶質プラスチックの場合
は、ガラス転移温度は存在するが明確な融点は示さな
い。
【0135】プラスチックは、このガラス転移温度や融
点において機械的強度、比容積、比熱、熱膨張係数等が
急変するため、この性質を利用した材料の組み合わせを
選択することで、内側と外側の樹脂の剥離性を向上させ
ることができる。例えば、外側に非晶質であるノリル樹
脂を用い、内側に結晶性樹脂であるポリプロピレン樹脂
を用いることで、外側に機械的強度を有するもの、内側
に熱収縮の大きく柔らかいものが選択できる。
【0136】また、ポリマー分子がC−C結合及びC−
H結合のみからなる炭化水素構造の場合には無極性ポリ
マーと呼ばれる。それに対してO、S、N、ハロゲンな
どの極性原子を多く含むものを極性ポリマーと呼ぶが極
性ポリマーは分子内凝縮力が大きくなり、樹脂に結合力
が大きくなる。
【0137】この性質を利用して無極性どうしの樹脂、
無極性樹脂と極性樹脂の組み合わせをすることで樹脂の
剥離性を向上させることが可能となる。
【0138】なお、上述した第1実施例のようにガス透
過性に優れる材質としては、ポリエチレン樹脂の中でも
密度の低いもの(LDPE)等が好適であるが、一般的
にガス透過性の低い材質であっても、厚みを薄くするこ
とで透過性を増すことが出来るので、内壁の厚みを薄く
することによって気体の透過を実現してもよい。
【0139】また、本発明の各実施例のインクタンクに
使用される材料としては、前述したようにポリエチレン
樹脂、ポリプロピレン樹脂などが適用可能だが、内壁と
して使用される引張弾性率が150〜3000(kgf/cm
2)程度の条件を満たしていることが好ましい。この数
値内において、容器の形状、厚み、望まれる負圧性能等
の条件により目的にあった範囲の材料を選択可能であ
る。
【0140】さらに、上述した実施例においては、いず
れも外壁及び内壁を単層のものとして説明したが、対衝
撃性を高くするために、これらを異なる材質の多層構造
としてもよい。特に、外壁を多層構造とすることによ
り、運搬時や取り付け時などに破損が生じることを防ぐ
ことができる。
【0141】<インクジェットカートリッジ及び記録装
置>次に、図4に示した本発明の一実施例にかかるイン
クタンクを、記録ヘッドに接続する場合を説明する。図
21(a)に本発明のインクタンクと接続可能な記録手
段である記録ヘッドの概略図を示し、図21(b)に、
この記録ヘッドとインクタンクとの接続状態における断
面概略図を示す。
【0142】図21(a)において、401は記録手段
としての記録ヘッドユニットであり、フルカラー印刷が
可能なように、ブラック、イエロー、シアン、マゼンダ
各色用の記録ヘッドが一体的な構成となるように組み立
てられている。これらの記録ヘッドは、インクを吐出す
るための吐出口を有する液流路と、前記インク吐出口か
らインクを吐出するための発熱抵抗素子とを有してい
る。
【0143】402は、それぞれの記録ヘッド部にイン
クを導入するためのインク導入部としてのインク供給管
であり、このインク供給管402の端部には気泡やゴミ
をトラップするためのフィルタ403が設けられてい
る。
【0144】この記録ヘッドユニット401に対して前
述したインクタンク110を装着する場合、図21
(b)に示したように、インク供給管402がインクタ
ンク110に設けられた圧接体106に接続されること
によりインク供給が可能となる。
【0145】そして、インクタンク装着後には不図示の
記録装置に設けられた回復手段等により記録ヘッド側に
インクタンク内部のインクを導入し、インク連通状態が
形成される。この後、印字動作中には記録ヘッドに設け
られたインク吐出部404からインクが吐出され、内壁
102内に保持されたインクが消費されることになる。
【0146】ここで、本発明のインクタンクは、インク
供給口がインクタンクの中心から下方に設けられてい
る。このことにより、インクタンク中のインク残量の変
化に伴う、記録ヘッド側の吐出力の調整を行う必要がな
く、また、実際に使用できるインクの使用効率を高める
ことができる。
【0147】さらに、本発明の各実施例におけるインク
タンクは、それぞれ内壁に囲まれたインク収容部に、負
圧発生、及び負圧保持能力を有するので、インク供給口
に設けられる圧接体、弁、ゴム栓などのインク導出許可
部材は、少なくとも記録ヘッドから分離した際にインク
を保持できることが求められる。
【0148】以上の説明では、インクタンクと記録ヘッ
ドとは相対的に交換可能となっている構成であるが、も
ちろん記録ヘッドと一体になっている構成であっても構
わない。
【0149】最後に、図4に示した本発明の一実施例に
かかるインクタンクを搭載して記録を行うインクジェッ
ト記録装置の説明を行う。図22に、本発明の一実施例
にかかるインクタンクを搭載するインクジェット記録装
置の概略図を示す。
【0150】図22において、ヘッドユニット401及
びインクタンク110は、インクジェット記録装置本体
にキャリッジ不図示の位置決め手段によって固定支持さ
れるとともに、該キャリッジに対してそれぞれ着脱可能
な形で装着される。
【0151】駆動モータ513の正逆回転は駆動伝達ギ
ア511、509を介してリードスクリュー504に伝
達され、これを回転させ、またキャリッジはリードスク
リュー504の螺旋溝505に係合するピン(不図示)
を有する。これによって、キャリッジは装置長手方向に
往復移動される。
【0152】502は記録ヘッドユニット内の各記録ヘ
ッドの前面をキャップするキャップであり、不図示の吸
引手段によりキャップ内開口を介して記録ヘッドの吸引
回復を行うために用いられる。キャップ502はギア5
08等を介して伝達される駆動力により移動して各記録
ヘッドの吐出口面を覆うことができる。キャップ502
の近傍には、不図示のクリーニングブレードが設けら
れ、このブレードは図の上下方向に移動可能に支持され
ている。ブレードは、この形態に限られず、周知のクリ
ーニングブレードが本例に適用できることは言うまでも
ない。
【0153】これらのキャッピング、クリーニング、吸
引回復は、キャリッジがホームポジションに移動したと
きにリードスクリュー505の作用によってそれらの対
応位置で所望の処理が行えるように構成されているが、
周知のタイミングで所望の動作を行うようにすれば、本
例にはいずれも適応できる。
【0154】キャリッジに装着された記録ヘッドユニッ
トの接続パッド452は、キャリッジに設けられた接続
板530が所定軸廻りに回動することにより、その接続
パッド531と接続し、電気的接続がなされる。この接
続にはコネクタを用いないため、記録ヘッドに不要な力
が作用しない。
【0155】
【発明の効果】上述したような本発明のインクタンク、
該容器の製造方法等によると、部品点数が少なく、単純
な構造でリサイクルしやすく、限られたスペースにおけ
る液体の収容効率を高め、負圧を安定化することで液体
の使用効率を向上させると共に液体容器からの液体の蒸
発を抑えることができる。
【0156】特に本発明の内壁に気体透過性に優れた材
質を用いる構成によれば、インク収容部内部の気体の膨
張に対してもより柔軟に対応し、不用意な液体の外部へ
の流出を防止することが出来る。
【0157】また、特に本発明のインク供給口にインク
導出許可部材を用いた構成によれば、容器の形状を任意
に設計することが出来る。
【0158】さらに、本発明はいずれもインクジェット
記録分野におけるインクタンク、インクジェットカート
リッジ、記録装置等に適用することで、インクタンク、
あるいはインクジェットカートリッジの交換回数を減ら
しランニングコストの低い記録装置を提供することが出
来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用されるインクタンクの模式的概略
断面図であり、(a)は断面図、(b)は側面図、
(c)は斜視図である。
【図2】(a1)〜(d2)は、いずれも本発明のイン
クタンクのインク導出に伴う変形を示す概略図である。
【図3】本発明のインクタンクの負圧特性を示す概略図
である。
【図4】本発明の第1実施例のインクタンクの模式的概
略断面図であり、(a)は断面図、(b)は側面図、
(c)は斜視図である。
【図5】(a1)〜(d2)は、いずれも本発明の第1
実施例のインクタンクの、インク導出に伴う変形を示す
概略図である。
【図6】本発明の第2実施例のインクタンクの模式的概
略断面図であり、(a)は断面図、(b)は側面図、
(c)は斜視図である。
【図7】(a)〜(c)はいずれも本発明の第2実施例
の空気の取り込みを説明する説明図である。
【図8】(a)、(b)はいずれも本発明の第2実施例
の変形例におけるインク供給管を説明する説明図であ
る。
【図9】(a)、(b)はいずれも本発明の第2実施例
の変形例における空気の取り込みを説明する説明図であ
る。
【図10】本発明の第2実施例の変形例におけるインク
供給管を説明する説明図である。
【図11】本発明の第3実施例のインクタンクの模式的
概略断面図であり、(a)は断面図、(b)は側面図、
(c)は斜視図である。
【図12】(a1)〜(d2)は、いずれも本発明の第
3実施例のインクタンクの、インク導出に伴う変形を示
す概略図である。
【図13】本発明の第2、第3実施例に適用可能なイン
クタンクの形状の変形例である。
【図14】本発明の第1、第2実施例に適用可能なイン
クタンクの形状の変形例である。
【図15】本発明の各実施例のインクタンクに適用可能
なインクタンクの形状の変形例である。
【図16】本発明のインクタンクに適用可能なインクタ
ンクの形状の変形例である。
【図17】本発明のインクタンクに適用可能なインクタ
ンクの形状の変形例である。
【図18】本発明のインクタンクの大きさを規定するた
めの概略説明図である。
【図19】(a)〜(d)のそれぞれは、本発明のイン
クタンクの製造工程を示す図である。
【図20】本発明のインクタンクの製造手順を示すフロ
ーチャートである。
【図21】(a)は、本発明の一実施例にかかるインク
タンクと該インクタンクに接続可能な記録ヘッドを示す
概略斜視図であり、(b)は、この記録ヘッドとインク
タンクとの接続状態を示す概略断面図である。
【図22】本発明の一実施例にかかるインクタンクを搭
載するインクジェット記録装置を示す概略図である。
【符号の説明】
α1 インク供給口を有する面により構成される外壁の
角部 α2 インク供給口を有する面により構成される内壁の
角部 β1 α1以外の外壁の角部 β2 α2以外の内壁の角部 γ1 略円筒により構成されるインク供給口と、インク
供給口を有する面の外壁の交差部 γ2 略円筒により構成されるインク供給口と、インク
供給口を有する面の内壁の交差部 100、110、120、130 インクタンク 101、111、121、131 外壁 102、112、122、132 内壁 103、113、123、133 インク供給口 104、114、124、134 溶着部(ピンチオフ
部) 105、115、125、135 空気取り入れ口 106、116、126、136 インク導出許可部材 167、177、187 隙間 402、412、422、432 インク供給管

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液体を収納するための液体収容部を形成
    し、該液体の導出により変形可能な内壁と、 該内壁外面と同等もしくは相似形の内面を備え大気連通
    部を有し前記内壁に対し剥離可能な外壁と、 前記液体収納部から液体を外部へ導出可能な液体導出部
    と、 を有する液体収納容器であって、 前記液体の外部への流出に伴い液体収容部内部に大気を
    取込む手段を有することを特徴とする液体収納容器。
  2. 【請求項2】 前記外壁のなす形状と前記内壁のなす形
    状は略相似形で略多角柱の形状をなし、該多角柱の3面
    の交差域にそれぞれ角部を有することを特徴とする請求
    項1に記載の液体収納容器。
  3. 【請求項3】 前記大気取込み手段は、気体透過性を有
    する内壁であり、前記外壁は前記大気連通部以外実質的
    に密閉系をなすことを特徴とする請求項1乃至請求項2
    に記載の液体収納容器。
  4. 【請求項4】 前記大気取込み手段は、前記液体導出部
    に設けられ非使用時に外部への液体の漏れ出しを防止す
    る液体導出許可部材であることを特徴とする請求項1乃
    至請求項2に記載の液体収納容器。
  5. 【請求項5】 前記液体導出許可部材は少なくとも前記
    液体の外部への導出時にメニスカスにより液体収容部に
    収容された液体を保持可能な微小孔を有することを特徴
    とする請求項4に記載の液体収納容器。
  6. 【請求項6】 実質的な大気連通部を有し略多角柱状で
    あって該多角柱の3面の延長部がなす角部を有する外壁
    と、 該外壁内面と同等もしくは相似形の外面と、前記外壁の
    角部に対応して角部とを有し、内部に液体を収容可能な
    液体収容部を形成する内壁と、 前記液体収納部から液体を外部へ導出可能な液体導出部
    と、 を有する液体容器であって、 外壁と内壁との界面は、少なくとも分離可能な材質であ
    り、 前記液体収容部に液体と空気とを収容することを特徴と
    する液体収納容器。
  7. 【請求項7】 前記内壁の厚さは、前記各面の中央域か
    ら前記角部それぞれに向かって徐々に減少していること
    を特徴とする請求項6に記載の液体収納容器。
  8. 【請求項8】 前記外壁は前記液体収容部側に凸の形状
    を有し、該外壁の厚さは、略多角柱状の各面の中央域か
    ら角部それぞれに向かって徐々に減少していることを特
    徴とする請求項6に記載の液体収納容器。
  9. 【請求項9】 前記内壁の少なくとも最大面積の面の外
    側が、前記液体容器内部に向かって凸の形状を有してい
    ることを特徴とする請求項6に記載の液体収納容器。
  10. 【請求項10】 前記内壁及び前記外壁の角部はそれぞ
    れ微小曲面であることを特徴とする請求項6に記載の液
    体収納容器。
  11. 【請求項11】 前記内壁及び前記外壁は、前記液体供
    給部が設けられている面を除いた面に最大面積となる面
    を有していることを特徴とする請求項6乃至請求項7に
    記載の液体収納容器。
  12. 【請求項12】 前記最大面積となる面を除いた面に、 前記内壁が一体となる部分が前記外壁に狭持されている
    ピンチオフ部を有することを特徴とする請求項6に記載
    の液体収納容器。
  13. 【請求項13】 前記内壁外面と前記外壁内面との間に
    空隙が存在することを特徴とする請求項6乃至請求項1
    2に記載の液体収納容器。
  14. 【請求項14】 実質的な大気連通部を有し略多角柱状
    であって該多角柱の3面の延長部がなす角部を有する外
    壁と、該外壁内面と同等もしくは相似形の外面と前記外
    壁の角部に対応して角部とを備え内部に液体を収容可能
    な液体収容部を形成する内壁と、前記液体収容部の中心
    より下方に存在し前記液体収容部から外部に液体を供給
    可能な液体供給部と、を有し、前記内壁の厚さは略多角
    柱状の各面の中央域より角部を構成する部分の方が薄
    く、外壁と内壁との界面が一部を除き剥離している液体
    収納容器を用意する工程と、 前記液体収容部に空気が残存するように液体を収容する
    工程と、 前記液体収容部を実質的に密閉空間にする工程と、 を有することを特徴とする液体収納容器の製造方法。
  15. 【請求項15】 前記液体収容部を実質的に密閉空間に
    する工程において、 前記内壁外面と前記外壁内面との間に空隙が存在するよ
    うに密閉することを特徴とする請求項14に記載の液体
    収納容器の製造方法。
  16. 【請求項16】 請求項1乃至請求項13に記載の液体
    収納容器からなるインクタンクと、 該インクタンクのインク供給部に接合され、インクの吐
    出を行うインクジェットヘッドと、 を有することを特徴とするインクジェットカートリッ
    ジ。
  17. 【請求項17】 前記インクジェットヘッドと前記イン
    クタンクとが、相対的に着脱自在に構成されていること
    を特徴とする請求項16に記載のインクジェットカート
    リッジ。
  18. 【請求項18】 前記インクジェットヘッドは、インク
    供給管により前記インクタンクに接合され、前記インク
    供給管は表面に複数の微小溝を有する針であることを特
    徴とする請求項16乃至請求項17に記載のインクジェ
    ットカートリッジ。
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