JP2001001546A - 液体供給システム及び該システムに用いられる液体供給容器 - Google Patents

液体供給システム及び該システムに用いられる液体供給容器

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JP2001001546A JP11179089A JP17908999A JP2001001546A JP 2001001546 A JP2001001546 A JP 2001001546A JP 11179089 A JP11179089 A JP 11179089A JP 17908999 A JP17908999 A JP 17908999A JP 2001001546 A JP2001001546 A JP 2001001546A
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省三 服部
Hajime Yamamoto
肇 山本
Sadayuki Sugama
定之 須釜
Tomoyuki Kaneda
智之 金田
Hirofumi Okuhara
宏文 奥原
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 インク収納室を負圧発生部材収納室に対して
交換可能としたタイプのインク供給システムにおいて、
より安定したインク供給を実現することが出来るインク
供給システム及び該システムに用いられるインクタンク
を提供する。 【解決手段】 インクタンクは、負圧発生部材収納室1
0とインク収容室50とにより構成されており、負圧発
生部材収納室10には、インク収納室50とのジョイン
とである連通管14が2つ設けられている。インク収納
室50は連通管14を介して負圧発生部材収納室10に
対して分離可能な構造となっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、外部へ液体を供給
するために負圧を利用する液体供給システムに関し、よ
り具体的には記録ヘッドに液体を供給して被記録媒体に
印字記録する液体噴射記録装置における液体供給システ
ム及び該システムに用いられる液体供給容器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、外部へ液体を供給するために負圧
を利用する液体供給方法としては、例えばインクジェッ
ト記録装置分野では、インク吐出ヘッドに対して負圧を
与えるインクタンクが提案され、記録ヘッドと一体化可
能にした構成(ヘッドカートリッジ)が実施されてき
た。ヘッドカートリッジは、さらに分類すると、記録ヘ
ッドとインクタンク(インク収容部)とが常時一体の構
成と、記録手段とインク収納部が別体で、かつ記録装置
に対して双方とも分離でき、使用時に一体にして使用す
る構成とに分けることができる。
【0003】このような液体供給システムにおいて負圧
を発生させるための最も容易な方法の一つとして、多孔
質体の毛管力を利用する方法が挙げられる。この方法に
おけるインクタンクは、インクタンク内部全体にインク
貯蔵を目的として収納、好ましくは圧縮収納されたスポ
ンジ等の多孔質体と、印字中のインク供給を円滑にする
ためインク収納部に空気を取り入れ可能な大気連通口と
を含む構成となる。
【0004】しかし、多孔質部材をインク保持部材とし
て使用する場合の課題として、単位体積当たりのインク
収納効率が低いことが挙げられる。この課題を解決する
ために、本出願人は、EP0580433号公報において、負圧
発生部材収納室に対して連通部を除く全体が実質密閉の
インク収納室を有し負圧発生部材収納室を大気に開放し
た状態で使用されるインクタンクを提案している。ま
た、EP0581531号公報において、上述の構造のインクタ
ンクに対して、インク収納室を交換可能にした発明を提
案している。
【0005】上述のインクタンクは、インク収納室内の
インクの導出に伴って気体がインク収納室内に収納され
る気液交換動作によってインク収納室から負圧発生部材
収納室へのインク供給が行なわれるために、この気液交
換動作中は、ほぼ一定の負圧条件下でインクを供給でき
るメリットがある。
【0006】一方、本出願人は、EP0738605号公報にお
いて、略多角柱形状の筐体と、筐体の内面と同等もしく
は相似形の外面を有し内部に収納される液体の導出に伴
い変形可能な収納部と、を備え、収納部の厚さを、略多
角柱形状の各面の中央域より角部を構成する部分を薄く
することを特徴とする液体収納容器を提案している。こ
の液体収納容器は、液体の導出に伴い収納部が適当に収
縮する(現象的には気液交換をしていない)ことで、負
圧を利用しながら液体供給ができるものである。そのた
め、従来の袋状のインク収納部材に比べて、配置する位
置に制限されることがなくなり、キャリッジ上に配置す
ることができる。また、収納部に直接インクを保持する
ことで、インク収納効率の向上という点からも優れた発
明である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前述したよ
うな負圧発生部材収納室と、これに対するインク収納室
とを隣接させたタイプのインクタンクは、予め定められ
ている固定された収納空間を持つインク収納室のインク
を負圧発生部材収納室へ供給する際に、インク収納室内
に気体を導入する気液交換を行うものである。
【0008】従って、インク収納室のインクを負圧発生
部材収納室へ供給すると、それに連動してインク量に相
当する外気の導入が行われるため、インク収納室内には
外気とインクとが存在することになる。この外気がプリ
ンタの使用される環境変化(例えば一日の温度差)によ
り膨張することで、インク収納室内のインクが負圧発生
部材収納室側へ導出されることがある。そのため、従来
は、その膨張割合に対するインク移動量を種々の使用環
境とともに考慮して、実用上は負圧発生部材に最大限の
バッファ空間を確保する場合があった。
【0009】また、従来の気液交換動作はインク収納室
から負圧発生部材収納室へのインク導出は、連通部を介
した大気の導入に連動しているため、短時間に大量のイ
ンクを負圧発生部材収納室から外部(液体吐出ヘッドな
ど)に供給するような場合には、負圧発生部材収納室に
おける急激なインク消費に対して気液交換動作によるイ
ンク収納室から負圧発生部材収納室へのインク供給が不
足するおそれがあった。
【0010】本発明者らは、上述の負圧発生部材収納室
と、これに対するインク収納室とを隣接させ、かつイン
ク収納室を負圧発生部材収納室に対して交換可能とした
タイプのインク供給システムにおいて、種々の環境下に
おいても負圧発生部材収納室内のバッファー空間を減少
できるとともに、気液交換により導入された外気の気体
膨張に対して収容力を高めつつ、インク収納室の使用中
に安定した負圧条件下でインク供給を行うことができ
る、より実用性に優れたシステムに関する出願を既に行
っており、本発明は、本発明らのより好ましい着想によ
り想起されたものである。
【0011】即ち、上述の交換タイプの場合、着脱を繰
り返すインクタンクが単独で存在する場合のインク漏れ
を防ぐためにインクタンクに弁等の機構を設けることが
多い。この場合、インクタンクの装着の際に弁を開くた
めにはインク収納室が交換タイプでない場合に比べて、
結合部のストローク長が必要となる。しかしながら、本
発明者らの実験によって、このインクタンクと負圧発生
部材収納室との結合部の構造によっては、特に短時間で
大量にインクを外部に導出する必要がある場合などに結
合部に気泡が滞留、蓄積してしまうという、新たな課題
が見出された。本発明は、上述の新規な技術課題を解決
するために本発明者らによって想起されたものであり、
その目的は、負圧発生部材収納室と、これに対するイン
ク収納室とを隣接させ、かつインク収納室を負圧発生部
材収納室に対して交換可能としたタイプのインク供給シ
ステムにおいて、より安定したインク供給を実現するこ
とが出来るインク供給システム及び該システムに用いら
れるインクタンクを提供することにある。
【0012】また、本発明の他の目的は、上述のシステ
ムをインク収納室が負圧発生部材収納室に対して常時一
体となった構成に対しても適用することで、このような
構成の液体供給システムにおいても、より安定したイン
ク供給を実現することである。
【0013】また、本発明のさらに他の目的は、上述の
新規な技術課題を解決する際に生み出された関連発明を
提供するものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明による液体供給シ
ステムは、密閉空間内に液体を収納する液体収納部を有
する液体供給容器と、該容器との連通部を介し前記液体
収納部内に気体を導入して液体を導出させる気液交換を
生じせしめることのできる負圧発生部材収納容器と、を
用いる液体供給システムであって、前記連通部が複数設
けられ、それぞれ気液交換可能とされている。
【0015】また、本発明による液体供給システムは、
密閉空間内に液体を収納する液体収納部を有する液体供
給容器と、該容器との連通部を介し前記液体収納部内に
気体を導入して液体を導出させる気液交換を生じせしめ
ることのできる負圧発生部材収納容器と、を用いる液体
供給システムであって、前記連通部が複数設けられ、該
複数の連通部が同一の液体供給容器に連通し、該液体供
給容器が負圧発生部材収納容器に対して分離可能とさ
れ、前記複数の連通部の高さが略同一とされている。
【0016】また、本発明による液体供給システムは、
密閉空間内に液体を収納する液体収納部を有する液体供
給容器と、該容器との連通部を介し前記液体収納部内に
気体を導入して液体を導出させる気液交換を生じせしめ
ることのできる負圧発生部材収納容器と、を用いる液体
供給システムであって、前記連通部が複数設けられ、該
複数の連通部がそれぞれ個別の液体供給容器に連通し、
該液体供給容器が負圧発生部材収納容器に対して分離可
能されている。
【0017】また、本発明による液体供給システムは、
密閉空間内に液体を収納する液体収納部を有する液体供
給容器と、該液体供給容器に対して着脱可能であるとと
もに、該容器との連通部を介し前記液体収納部内に気体
を導入して液体を導出させる気液交換を生じせしめるこ
とのできる負圧発生部材収納室とを用い、前記液体供給
容器が負圧発生部材収納室の上方に装着されている液体
供給システムであって、前記連通部が複数設けられ、前
記液体供給容器が負圧発生部材収納容器に対して分離可
能とされている。
【0018】本発明による液体供給容器は、密閉空間内
に液体を収納する液体収納部を有し、該容器に連通部を
介し前記液体収納部内に気体を導入して液体を導出させ
る気液交換を生じせしめることのできる負圧発生部材収
納容器とを備える液体供給システムに用いられ、前記液
体供給容器には、負圧発生部材収納容器との連通部が2
つ設けられ、該2つの連通部の高さは略同一とされ、前
記液体供給容器は負圧発生部材収納容器に対して分離可
能とされている。
【0019】また、本発明による液体供給容器は、密閉
空間内に液体を収納する液体収納部を有し、該容器に連
通部を介し前記液体収納部内に気体を導入して液体を導
出させる気液交換を生じせしめることのできる負圧発生
部材容器を備える液体供給システムに用いられ、前記液
体供給容器は負圧発生部材収納容器の上方に分離可能に
装着され、前記液体供給容器には、負圧発生部材収納容
器との連通部が2つ設けられている。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の説
明を行うに先立って、本発明に好適に適用される液体供
給システムの液体供給原理について説明を行う。
【0021】なお、本発明の液体供給システムに用いら
れる液体として、以下の実施例ではインクを例にとって
説明を行なっているが、適用可能な液体としてはインク
に限ることなく、例えばインクジェット記録分野にあっ
ては記録媒体に対する処理液などを含むことは言うまで
もない。
【0022】図1は、本発明の液体供給システムを適用
可能なインクタンクの概略説明図であり、(a)は斜視
図、(b)はインクタンクを記録ヘッドに接続した場合
の断面図である。
【0023】インクタンク1は、負圧発生部材収納室1
0と、インク収納室50とにより構成されており、イン
ク収納室50は連通管(気液交換通路)14を介して負
圧発生部材収納室10に対し分離可能な構成となってい
る。
【0024】負圧発生部材収納室10は、液体を吐出口
61から吐出して記録を行なう記録ヘッド部60等の外
部へインク(処理液などの液体を含む)を供給するイン
ク供給口12を有する筺体11と、筺体内部に収納され
るポリウレタンフォームなどの多孔質部材から構成され
る負圧発生部材13、負圧発生部材と接するとともに第
2室から液体を導入するための連通管(気液交換通路)
14を備えている。筺体11はさらに、連通管14の近
傍の側壁面内側に、後述する気液交換を促進するための
大気導入溝17と、内部に収納した負圧発生部材13と
外気とを連通させるための大気連通口15を備えてお
り、この大気連通口15の近傍には筺体内面から突出し
たリブにより形成されたバッファ部16が設けられてい
る。本実施例においては、気液交換通路14は、負圧発
生部材13と当接するとともに、その端部は大気導入溝
17とも連続しており、後述する液体供給動作をスムー
ズに実現することが可能となっている。
【0025】一方、インク収納室50は、室を構成する
筺体(外壁)51と、筺体内面と同等もしくは相似形の
内面を有する壁(内壁)54により構成され内部にイン
クを収納するインク収納部53、負圧発生部材収納室1
0の気液交換通路14と接続し、液体収納部53の液体
を負圧発生部材収納室10へ導出するためのインク導出
口52を備えている。本実施例ではインク導出口52と
気液交換通路14との接続部分に、例えばOリングなど
の不図示のシール部材が設けられており、接続部からの
インク漏れ及び大気の導入を防止している。シール部材
はインク収納室側、負圧発生部材収納室側のいずれかに
設けられていればよく、シール性を高めるために双方に
設けられていてもよい。また、インク収納室及び負圧発
生部材収納室のそれぞれとは独立して設けられ、結合時
に双方の接続部分に嵌合するようにしてもよい。内壁5
4は可撓性を有しており、インク収納部53は、内部に
収納されたインクの導出に伴い変形可能である。また、
内壁54は溶着部(ピンチオフ部)56を有し、この溶
着部で内壁は外壁に係合する形で支持されている。ま
た、外壁には外気連通口55が設けられており、内壁と
外壁との間に大気を導入可能となっている。
【0026】なお、図1を含め以下の各断面図におい
て、負圧発生部材がインクを保持している領域について
は斜線部で示す。また、インク収納部や大気導入溝、気
液交換通路などのような空間内に収納されているインク
を網線部で示す。
【0027】ここで、本実施例のインク収納室は、略直
方体形状をなす6つの平面から構成され、円筒状のイン
ク導出口52が曲面として付加されたものであり、この
直方体形状の最大面積面は、図1上で間接的に表示され
ている。そして、内壁面53の厚さは、直方体の各面の
中央域より頂点部分(頂点部分が微小曲面形状をなす場
合も含め、以下、角部と称する)を構成する部分の方が
薄く、各面の中央域から前記角部それぞれに向かって徐
々に減少しており、インク収納部内側に凸の形状を有し
ている。この方向は、言い換えると面の変形方向と同じ
であり、後述する変形を促進させる効果を有する。
【0028】また、内壁の角部は3面により構成されて
いるので、結果として内壁の角部全体の強度は中央域の
強度に比べ相対的には強くなっている。また、面の延長
から見れば、中央域に比べて厚さは薄いので後述する面
の移動を許容する。この内壁の角部を構成する部分は、
それぞれ略同等の厚さであることが望ましい。
【0029】なお、図1は模式的概略図であるため、イ
ンク収納室の外壁51と内壁52との位置関係は空間を
隔てたように描かれているが、実際は分離可能な状態に
なっていればよく、内壁と外壁が接触していても、微少
な空間を隔てて配置されるように構成されていてもよ
い。
【0030】上述のインクタンクは、インク収納室を負
圧発生部材収納室に対して交換可能な構成としている。
そこで、まず、インク収納室を負圧発生部材収納室に接
続したときのそれぞれの室の状態について、図2を用い
て説明する。図2は図1に示すインクタンクのインク収
納室と負圧発生部材収納室との接続動作におけるそれぞ
れの室の変化の一例を(a)〜(c)の順に示す概略説
明図であり、添字1は図1(b)と同じ断面による断面
図、添字2は図1(b)に示す液体収納室のA−A断面
図を示している。
【0031】図2(a1)、(a2)は、接続前の負圧
発生部材収納室及びインク収納室を示す説明図である。
このとき、液体収納室50のインク導出口52には、イ
ンク収納部に収納されたインクの導出を防止するために
密閉手段57(例えばフィルムなど)が設けられ、液体
収納室のインク収納部は大気に対して密閉状態を維持し
ている。また、インク収納部を構成する内壁54は、筐
体(外壁)51の内面形状に沿って、少なくとも外壁の
角部に内壁の角部がくるように成形されている。(この
状態を、初期状態、と称する。)このとき、インク収納
部内については、密閉手段を開封した際にインク導出口
がわずかに負圧となるよう、インク収納部に収納可能な
インク量よりわずかに少ないインクを収納しておくと、
外力、温度変化、気圧の変化から密閉手段開封時にイン
クが外部に漏出することをより確実に防ぐことができ
る。
【0032】また、このような環境変化に対する観点か
ら、負圧発生部材収納室へ接続前のインク収納部に収納
される空気の量は極めて少ないことが望ましい。インク
収納部内に収納される空気量を減らすためには、例えば
特開平10-175311号公報に開示されるような液体注入方
法を用いればよい。
【0033】一方、図2(a1)において、負圧発生部
材収納室の負圧発生部材は、その一部にインクを保持し
ている。図2(a1)では、負圧発生部材に収納されて
いるインクの界面は大気導入溝より低い場合を示してお
り、大気導入溝は負圧発生部材を介して大気と連通して
いる。
【0034】ここで、負圧発生部材に収納されるインク
量は、後述するインク収納室の交換時に負圧発生部材に
収納されていたインク量によるので、多少のばらつきが
あってもよく、必ずしも図示するように均一な状態でイ
ンクを保持していなくてもよい。また、大気導入溝及び
気液交換通路に関しては、必ずしも液体で充填されてい
る必要はなく、図2(a1)に示すように空気を含んで
いてもよい。
【0035】次に、図2(b1)及び(b2)に示すよ
うに、インク収納室を負圧発生部材収納室と接続させ
る。このとき、負圧発生部材収納室とインク収納室の圧
力が等しくなるまで図2(b1)の矢印に示すようにイ
ンクが移動し、図2(c1)及び図2(c2)に示すよ
うに、インク供給口12における圧力が負となる状態で
平衡状態になる。(この状態を、使用開始状態、と称す
る。)そこで、この平衡状態となるためのインク移動に
ついて、詳細に説明する。
【0036】図2(b1)に示すようにインク収納室の
インク導出口52に負圧発生部材収納室の気液交換通路
14を挿入すると、密閉手段57による封止が解除され
る。このとき、接続部は前述したシール手段によりシー
ルされているので、接続部からインクが漏れ出たり、接
続部から外気が直接インク収納室へ入ることはなく、イ
ンク収納部は気液交換通路14を除いて実質的な密閉状
態となる。すると、インク収納部53内のインクが気液
交換通路14へ流れて負圧発生部材収納室の負圧発生部
材13との間にインクパスが形成される。インクパスが
形成されると、負圧発生部材の毛細管力により、図2
(b1)に示すようにインク収納部から負圧発生部材へ
のインク移動が開始され、その結果、負圧発生部材の界
面が上昇する。また、内壁54は、インク収納部53の
体積が減少する方向に、面積最大の面の中央部から変形
をはじめようとする。
【0037】ここで、外壁51は内壁54の角部の変位
を抑制する働きをするため、インク収納部はインク消費
による変形の作用力と初期状態(図2(a1),(a
2))の形状に戻ろうとする作用力とが働き、急激な変
化をすることなく、変形の度合いに応じた負圧を発生す
るようになる。内壁と外壁の空間は、外気連通口55を
介して外気に連通しているので、上記変形に応じて内壁
54と外壁51との間に空気が導入される。
【0038】なお、図2(a1)で空気が気液交換通路
14内に存在していても、インク収納部内のインクが負
圧発生部材に接触することでインクパスが形成される
と、インクの導出に伴いインク収納部が変形するので、
空気はインク収納部53へと容易に移動することができ
る。
【0039】また、大気導入溝へのインク導入について
は、本実施例のようにインク収納部の発生する負圧より
大気導入溝の毛管力が大きい場合はインクが充填され
る。
【0040】インク移動が開始され、負圧発生部材にイ
ンクが充填されていくと、図2(c1)に示すように、
大気導入溝の上端部より上方にもインクが充填されるよ
うになり、大気導入溝は大気とは連通しなくなる。する
と、インク収納室は負圧発生部材収納室を介してのみイ
ンク及び大気のやり取りを行なうようになるため、イン
ク収納室の気液交換通路における静負圧と、負圧発生部
材収納室の気液交換通路における静負圧とが等しくなる
ように、さらなるインクの移動が行なわれる。図2(c
1)に示す場合では、大気導入溝が大気と連通しなくな
ったときの負圧発生部材収納室側の負圧がインク収納室
側の負圧より大きいので、両者の負圧が等しくなるま
で、インク収納室から負圧発生部材収納室へ更なるイン
ク移動が行なわれ、それに伴い負圧発生部材収納室の負
圧発生部材が保持するインク量が増大している。
【0041】以上説明したように、インク収納室と負圧
発生部材収納室との接続におけるインク収納室から負圧
発生部材収納室へのインクの移動は、インク収納室に負
圧発生部材を介した気体の導入をすることなく行われ
る。平衡状態となった時のそれぞれの室の静負圧は、イ
ンク供給口に接続される記録ヘッドなどの液体吐出記録
手段(不図示)からインクが漏れ出ないよう、接続する
液体吐出記録手段の種類に応じて適切な値(図6のα)
となるように設定すればよい。
【0042】インク収納部から移動可能なインク量の下
限は、大気導入溝の上限レベル(後述する気液界面)ま
で負圧発生部材をインク充填する時のインク量であり、
上限は負圧発生部材を完全にインク充填する時のインク
量となる。従って、接続前に負圧発生部材に保持される
インク量のばらつきを考慮したうえで、これらの上限、
下限のインク量から負圧発生部材へ移動するインク量を
決定すると、このインク量と平衡状態での負圧の値αを
もとに負圧発生部材に対応したインク収納部の材料、厚
さを適切に選択することができる。
【0043】また、接続前に負圧発生部材に保持される
インク量のばらつきが存在するため、図2(c1),
(c2)に示すように平衡状態に達した場合でも、負圧
発生部材にインクが充填されない領域が残っていること
がある。この領域は、バッファ部とあわせ、後述する温
度や圧力の変化に対するバッファ領域として利用するこ
とができる。
【0044】逆に、ばらつき量の影響により、平衡状態
に達した時のインク供給口部の圧力が正になってしまう
恐れのある時は、液体吐出記録装置本体に設けられる後
述の吸引回復手段により吸引回復を行ない、若干のイン
クを流出させることで対応してもよい。
【0045】なお、接続時における気液交換通路内での
インクパスの形成は、接続時の衝撃を利用して行なって
もよく、接続時にインク収納部を筐体ごと押圧するな
ど、図26に示すようにインク収納部を加圧することに
より行なってもよい。また、接続前のインク収納部をご
く僅かな負圧状態にしておき、接続時にインク収納部が
大気導入溝を介して大気と連通させることで、圧力の変
動に伴うインク収納部の変形を利用して気液交換通路内
の気体をインク収納部へ移動させることを促進させても
よい。このように衝撃を伴う場合、気液交換通路の形状
及び接続前の通路内の空気の有無によっては、通路内の
空気の一部がインク収納部内へ移動することがあるが、
このような僅かな空気のインク収納部内への移動は本願
発明では許容されるものである。
【0046】次に、図2(c1),(c2)に示す使用
開始状態のインクタンクに接続された記録ヘッドから、
液体を消費した場合のインクタンクの状態について、そ
の一例を図3〜図6を用いて説明する。図3〜図5のそ
れぞれは、インクタンクの液体の消費に伴うインク収納
室と負圧発生部材収納室の変化の一例を図3(a)〜
(c),図4(a)〜(c),図5(a)〜(c)の順
に示す概略説明図であり、添字1は図1(b)と同じ断
面による断面図、添字2は図1(b)に示す液体収納室
のA−A断面図を示している。また、図6は、は、図1
に示すインクタンクのインク導出量とインク供給口部の
負圧の関係を模式的に示す説明図であり、横軸はインク
供給口からの外部へのインク導出量、縦軸はインク供給
口部の負圧(静負圧)である。図6では、図2〜図5に
示す負圧の変化の状態を矢印で示している。
【0047】本実施例のインクタンクの場合、インク供
給動作は大別して、図3に示す気液交換動作を行なう
前、主に図4に示す気液交換動作中、図5に示す気液交
換動作後、の3つに分けることができる。そこで、以
下、それぞれの動作について図面を用いて詳細に説明す
る。 (1)気液交換動作前 図3(a1),(a2)は使用開始状態のインクタンク
が記録ヘッドに取付けられている状態を示している。こ
の使用開始状態では、インク収納室の気液交換通路にお
ける静負圧と、負圧発生部材収納室の気液交換通路にお
ける静負圧とが等しくなっている。図1に示すようなイ
ンク収納室が交換可能なタイプの場合、図2(a1)に
示す状態(詳細は図6において後述する)までインクタ
ンクを使用してからインク収納室を交換すると、前述し
たようにインク収納部はわずかに内方に変形しているこ
とが多い。
【0048】そして、記録ヘッド60によりインク供給
口12からインクタンクのインクの消費を開始すると、
図3(b1)、(b2)に示すように、インク収納部と
負圧発生部材の双方の発生する静負圧の値が増大する方
向にバランスを取りつつ、インク収納部と負圧発生部材
の双方に保持されたインクが消費される。(この状態の
ことを第1のインク供給状態、と称する。) この場合の動作としては、例えば、インク供給口からイ
ンクが消費に伴い、負圧発生部材収納室の負圧発生部材
の液面が低下するとともに、インク収納部がさらに変形
し、インク収納部の中央部分が内方に向かう安定した潰
れかたが維持される、というものとなる。
【0049】本実施例の場合、インク収納部は負圧発生
部材との負圧のバランスを保つために、最大面積を有す
る面に隣接する面について、相対的にピンチオフ部56
を有する領域より、ピンチオフ部を有していない部分が
先に変形を開始し、外壁から離間するようになってい
る。ここで、ピンチオフ部56は、内壁54の変形規制
部分のひとつとなっている。このように、本実施例では
インク収納部の表面積最大の対向する面が、インクの導
出に伴いほぼ同時に変形を行うため、より安定した変形
を実現している。
【0050】このような第1のインク供給状態は、図3
(c1)、(c2)に示すような気液交換通路を経由し
て空気がインク収納部に入る状態になるまで継続され
る。この図3(a1),(a2)に示す状態から図3
(c1)、(c2)に示す状態までの、インク供給口か
らのインク導出量に対する静負圧の変化は、図6のAに
模式的に示す領域のように、インク導出量におおよそ比
例して静負圧が少しずつ増大する形となる。
【0051】なお以上の説明ある一例の状態を説明した
が、より具体的な動作の説明は後述する。 (2)気液交換動作中 インク供給口からのインクの導出がさらに進むと、図3
(c1),(c2)に示すように、インク収納部に気体
が導入されるようになる。(以下、この状態を気液交換
状態、または第2のインク供給状態と称する。) 気液交換状態では、図4(a1),(a2)及び図4
(b1),(b2)に示すように、負圧発生部材の液面
レベルは大気導入溝の上端部でほぼ一定(気液界面)で
ある。記録ヘッドによりインクが消費されると、その消
費量に応じて大気連通口15から大気導入溝17及び気
液交換通路14を経由した空気がインク収納室に入るこ
とで、インク収納室からインクが気液交換通路を通じて
負圧発生部材収納室の負圧発生部材へと補充される。一
方、インク収納部はその変形の状態によって負圧発生部
材との負圧バランスを保つため、インクの導出に伴い空
気を導入し、気液交換時の形状をほぼ維持する。
【0052】従って、気液交換状態でのインク供給口か
らのインク導出量に対する静負圧の変化は、図6のBに
模式的に示す領域のように、インク導出量に対し、ほぼ
一定の値となり、液体吐出記録手段へのインク供給が安
定する。
【0053】ただし図6は模式的な図であってより詳細
には気液交換領域においても負圧は変位している。本発
明のインクタンクでは、インク収納室自体もインク収納
部の変形により負圧を発生することができるため、気液
交換状態で連続的にインクを導出すると、後述するよう
にインク収納部からの液体の導出と、気液交換経路を介
した気体の導入とに時間差が生じることが多い。この時
間差が負圧変動の要因の一つとなりうるが、その変動は
インクジェット記録装置として使用する場合、許容でき
る範囲のものである。
【0054】なお、本実施例のように気液交換経路の経
路がある程度の長さを持つ場合は、使用するインクの種
類によっては、気液交換経路中に気液交換の気泡が溜ま
り、ある程度の量がまとまった状態でインク収納部に移
動することがある。この場合も気泡の移動時に負圧変動
が生じることが起こる場合があるが、その変動はインク
ジェット記録装置として使用する場合、許容できる範囲
のものであり、本願発明の気液交換状態に含まれるもの
である。
【0055】また、上述のように気液交換経路で泡が滞
留しやすい場合は、図4(c1),(c2)に示すよう
に、気液交換経路の上端部よりインク収納部のインク液
面が低くなっても、泡によって一時的に気液交換経路が
塞がれる場合がある。この状態では、例えば気泡が消泡
し一時的にインク収納部が完全に大気と連通することが
あると、図4(b1),図4(b2)に示す気液交換状
態の時よりも僅かながらインク収納部が初期状態の形状
に戻る方向に変形することになる。だが、気泡で塞がれ
ている時には、新たな泡を気液交換経路に送り込むかわ
りにインク収納部のインクをインク収納部から負圧発生
部材収納室へ移動させるという、気液交換状態に近い動
作を示す場合がある。従って、図4(c1),(c2)
に示す状態については、このとき示すインクタンクの負
圧が図4の他の状態における負圧と実用上無視できる範
囲内ならば、本発明での気液交換状態に含まれるものと
する。
【0056】以上、本願発明のインクタンクの気液交換
動作について説明したが、本願構成のような変形可能な
インク収納室の場合、気液交換中の動作は上述したもの
にとどまらない。
【0057】従来のようなインク収納室が変形不可なイ
ンクタンク構成の場合は、大気のインク収納室への導入
に伴い直ちにインクが負圧発生部材は供給される。
【0058】それに対し、本願のようなインク収納室が
変形可能なインクタンクの場合は、インク収納室への大
気の導入がなくても内部のインクを負圧発生部材に供給
する場合もある。逆に、インクの消費に伴い大気がイン
ク収納室へ導入されてもすぐにインクが負圧発生部材側
へ供給されない場合もある。これらはインク収納室の変
位及び負圧発生武士収納室との負圧バランスによるもの
である。
【0059】このような動作の具体例については後述す
るが、本願構成においては、従来のインクタンク構成と
は異なる(従来の気液交換とはタイミングの異なる)気
液交換動作を行う場合があり、この気液交換時における
インク収納部からのインク導出と、インク収納部への気
体の導入の時間的ずれによって、例えば急激なインクの
消費、環境変化、振動等の外的要因に対してもバッファ
ー効果、タイミングのずれにより安定的なインク供給に
対しての信頼性が増すことができる。 (3)気液交換動作後 さらにインク供給口からのインクの導出がさらに進む
と、図5(a1),(a2)に示すように大気導入溝の
上端部よりインク収納部のインク液面が低くなり、イン
ク収納部が気液交換経路を介して大気と完全に連通す
る。このとき、インク収納部は大気と連通することで、
気液交換状態の時よりも初期状態の形状に戻る方向に変
形する。ただし、内部が大気圧になっても、完全に元の
形状に戻るのではなく、わずかに変形した状態を維持し
ている。
【0060】本実施例の場合、気液交換経路の径が大き
いため、インク収納部に残余していた若干のインクが負
圧発生部材に吸収されて負圧発生部材の液面が上昇し、
一時的に負圧が上昇することがある。この後、発生部材中
のインクにより気液交換経路が大気に対して密閉状態と
なると、前述した気液交換動作と同様にしてインクが消
費されることもある。
【0061】なおここでは、負圧発生部材内の液面が大
気導入溝の上端より下がった時に、すぐにインク収納室
内が大気になる動作を説明しているが、これは本発明の
動作の一例であり他の詳細な動作については後述する。
【0062】上述のようにしてインク収納部のインクが
ほぼ完全に消費されると、図5(b1)、(b2)及び
図5(c1),(c2)に示すように、負圧発生部材収
納室内に残存するインクを消費するようになる。通常、
キャリッジ上にインクタンクを配置する場合、キャリッ
ジ走査時の振動によりインク収納室内のインクは完全に
負圧発生部材内へ吸収されるが、例えばインク収納室
を、供給口側が重力方向に対して下方になるように斜め
に取付けると好ましい。
【0063】上述した気液交換動作後の状態でのインク
供給口からのインク導出量に対する負圧の変化は、図6
のCに模式的に示す領域のように、インク導出量に比例
して負圧が増大する形となる。このような状態になった
ら、インク収納室を取り外しても、気液交換通路14及
びインク導出口52からインク漏れが生じる恐れは少な
いので、インク収納室を取り外し、図2(a1)、(a
2)に示すように新たな交換用インク収納室を用意すれ
ばよい。
【0064】なお、図5(c1),(c2)に示す状態
よりさらにインクを消費し、気液交換経路近傍の負圧発
生部材がインクを保持しないようになった場合であって
も、前述した交換動作でインクパスが形成されると、イ
ンクの導出に伴いインク収納部が変形するので、インク
供給経路となる気液交換経路近傍の負圧発生部材にイン
クを確実に充填することができる。
【0065】図1に示す実施例におけるインクタンクの
液体供給動作の概要は以上の通りである。
【0066】すなわち、上述したインク消費動作の例に
おいては、インク収納室を負圧発生部材収納室と接続さ
せると、負圧発生部材収納室とインク収納室の圧力が等
しくなるまでインクが移動して使用開始状態となり、そ
の後液体吐出記録手段によりインクの消費が開始される
と、まずはインク収納部と負圧発生部材の双方の発生す
る静負圧の値が増大する方向にバランスを取りつつ、イ
ンク収納部と負圧発生部材の双方に保持されたインクが
消費される。その後、インク収納部に気体が導入される
ことで負圧発生部材が気液界面を保ちながらインクの導
出に対しほぼ一定の負圧を保持する気液交換状態を経
て、負圧発生部材収納室内に残存するインクを消費する
ようになる。
【0067】このように、本発明のインクタンクは、イ
ンク収納部へ外気を導入することなくインク収納部のイ
ンクを使用する工程を有するため、このインク供給工程
(第1のインク供給状態)において液体収納容器の内容
積の制限は、結合時においてインク収納部に導入された
空気のみを考慮すればよいことになる。その結果、イン
ク収納室内の内容積の制限を緩和しても、環境変化に対
応可能であるという利点がある。
【0068】また本願構成においては、従来のインクタ
ンク構成における気液交換とはタイミングの異なる気液
交換動作を行なえるため、通常使用時以外の状態でもイ
ンク供給が可能となる。
【0069】また、本発明のインクタンクによれば、イ
ンク収納室のインクをほぼ完全に消費することができる
だけでなく、交換時に気液交換通路に空気を含んでいて
もよく、負圧発生部材のインク保持量によらずインク収
納室の交換をできるので、従来技術のように残量検出機
構を設けなくとも、インク収納室を交換可能なインク供
給システムを提供することができる。
【0070】なお、図6に示すようにインク導出量に比
例して負圧が増大し(Aの領域)、その後略一定の値を
保ち(Bの領域)、さらにその後インク導出量に比例し
て負圧が増大する(Cの領域)ためには、インク収納部
の対向する変形面が互いに接するようになるまえに、大
気導入が行なわれる、すなわちAの領域からBの領域に
移行することが望ましい。これは、対向する最大面積面
が接触する前後で、インク収納室におけるインク導出量
に対する負圧の変化の割合が異なるためである。
【0071】上述した第1実施例において、インクタン
クのインク供給能力を評価した。内寸法が約48mm×4
6mm×10mmの負圧発生部材収納室に、ポアサイズが約
60個/インチの負圧発生部材を収納し、気液交換経路
として内径が約7mmの中空パイプを用いた。この負圧発
生部材収納室に、外壁を最大厚み約1mmの耐衝撃性ポリ
スチレン(HIPS)樹脂、内壁を最大厚み約150μ
mの高密度ポリエチレン(HDPE)樹脂からなる容積
約30cm3のインク収納室を接続し、負圧発生部材収納
室のインク供給口からインクを吸引したところ、図6に
示した概略図と同様の負圧特性を示した。このとき、図
6のBで示されるインク安定供給期間の静負圧はおよそ
−110mmAq.であった。
【0072】さらに、この時のインク導出量に対する静
負圧の変化を測定したところ、図7に示すような曲線を
得た。そこで、インク収納部の内壁の材料や厚み、負圧
発生部材の発生する毛管力を変化させることで、インク
供給動作の詳細に関する以下のような知見を得た。
【0073】ここで、図7は図6に示す負圧曲線の実際
の一例を示す詳細説明図であり、図中の(1)、
(2)、(3)は、前述の動作説明の(1)、(2)、
(3)に対応する。また、図8は図7のA領域について
の一例を示すさらに詳細な説明図、図9は図7のA領域
のインクタンクの動作を(a)〜(c)の順に示す説明
図、図10は図7のB領域についての一例を示すさらに
詳細な説明図、図11は図7のB領域のインクタンクの
動作を(a)〜(c)の順に示す説明図である。図9及
び図11において、添字1は図1(b)と同じ断面によ
る断面図、添字2は図1(b)に示す液体収納室のA−
A断面図を示している。なお各説明に使用する図はより
わかりやすくするためにインク収納室の変形等について
多少極端に図示している。 (1)図7の(1)領域の説明 本領域(気液交換動作前)を以下の3パターンにわけて
説明する。それぞれのパターンは本願発明に含まれるも
のであり、負圧発生部材の毛管力、インク収納室部の肉
厚、材質等の条件やそれぞれのバランスによって変わる
ものである。 <図7の領域(1)の第1パターン>本パターンの場合
は、一般的に負圧発生部材に比べてインク収納室のほう
が負圧制御に対して支配的である場合に起こるものであ
る。具体的には、インク収納室部の肉厚が比較的厚い場
合、またインク収納室部内壁の剛性が比較的高い場合に
起こる場合が多い。
【0074】初期状態からのインク導出において、はじ
めに負圧発生部材からのインクの導出が行われる。これ
はインク収納室からインクを導出する抵抗力より負圧発
生部材からインクが導出する抵抗力のほうが小さいため
である。このようにはじめに負圧発生部材からインクが
導出された後は、負圧発生部材とインク収納室とのバラ
ンスをとりながらそれぞれからインクが導出される。イ
ンク収納室からはインクが導出される場合は、内壁が内
面側に変形しながら行われるものである。 <図7の領域(1)の第2パターン>本パターンにおい
ては、前例の第1パターンと逆にインク収納室に比べて
負圧発生部材のほうが負圧制御に対して支配的である場
合に起こるものである。この場合は、インク収納室の内
壁が比較的薄い場合や、内壁の剛性が小さい場合に起こ
る場合が多い。
【0075】初期状態からのインクの導出において、は
じめにインク収納室からのインクの導出が行われる。こ
れは負圧発生部材からインクを導出する抵抗力よりもイ
ンク収納室からインクを導出する抵抗力が小さいためで
ある。その後、前述したように負圧発生部材とインク収
納室とのバランスを取りながらそれぞれからインクが導
出される。 <図7の領域(1)の第3パターン>本パターンにおい
ては、負圧制御に対して、負圧発生部材とインク収納室
部とがほぼ同等の支配力を有する場合に起こる場合が多
い。
【0076】この場合、初期状態からのインク導出にお
いて、負圧発生部材とインク収納室とがバランスをとり
ながらそれぞれからインクが導出されるものである。そ
のままバランスを取りながら後述する気液交換状態へと
移行するものである。 (2)図7の領域(2)の説明 次に気液交換動作領域について説明する。本領域は2パ
ターンにわけて説明する。より詳細に説明するために、
図7の(2)の領域の負圧曲線をより拡大した図にて説
明する。 <図7の領域(2)の第1パターン>本パターンにおい
ては、一般的に負圧発生部材に比べてインク収納室のほ
うが負圧制御に対して支配的である場合に起こるもので
ある。具体的には、インク収納室部の肉厚が比較的厚い
場合、またインク収納室部内壁の剛性が比較的高い場合
に起こる場合が多い。
【0077】気液交換動作領域において負圧発生部材収
納室からインク収納室へ大気の導入が行われる(図8a
領域)。これは前述したそれぞれの負圧のバランスを緩
和するためである。このインク収納室へのインクの導入
により図9aに示すようにインク収納室の内壁が外方に
微少変形する。またエアの導入に対して、インク収納室
から負圧発生部材収納室へのインクの供給が行われ負圧
発生部材収納室の液面が微少上昇する。(図8a→b) さらなるヘッドからのインクの導出により、本例におい
てはまず負圧発生部材からのインクの導出が行われる。
それにより図に示すように負圧発生部材収納室の液面が
下方に変化する。(図8b領域)(図9b) その状態を経て、次に負圧発生部材とインク収納室のバ
ランスを取りながら、それぞれからインクの導出の行わ
れる。それにより負圧発生部材の液面はさらに下方に変
化し、インク収納室の内壁は内方に変化する(図8領域
c)(図9c) その状態が続いた後に大気導入路を介して大気がインク
収納室へ導入され、7領域へと移行する。 <図7の領域(2)の第2パターン>本パターンにおい
ては、前例とは逆にインク収納室に比べて負圧発生部材
のほうが負圧制御に対して支配的である場合に起こるも
のである。この場合は、インク収納室の内壁が比較的薄
い場合や、内壁の剛性が小さい場合に起こる場合が多
い。
【0078】前述したように、気液交換動作領域におい
て負圧発生部材収納室からインク収納室へと大気の導入
が行われる(図10領域a)。このインク収納室へのイ
ンクの導入により図11aに示すようにインク収納室の
内壁が外方に微少変形する。またエアの導入に対して、
インク収納室から負圧発生部材収納室へのインクの供給
が行われ負圧発生部材収納室の液面が微少上昇する。
(図10a→b) さらなるヘッドからのインクの導出により、本パターン
においては、インク収納室から支配的にインクの導出が
行われる。この場合、インク収納室の肉厚、剛性の特性
から負圧はあまり変化せずになだらかな負圧上昇とな
る。このインクの導出により徐々にインク収納室の内壁
が内方へ変形する。(図10領域b)なおこの領域にお
いては負圧発生部材からのインク導出はほとんど行われ
ないため、負圧発生部材の液面はほとんど変化しない。
【0079】領域bを経て、さらにインクの導出が行わ
れると、負圧発生部材とインク収納室とのバランスを取
りながらそれぞれからインクが導出される図10領域c
へと移行する。この領域においては、前述したように負
圧発生部材の液面は下方に変化し、インク収納室の内壁
は内方に変化する。(図10領域c)(図11c)その
状態が続いた後に大気導入路を介して大気がインク収納
室へ導入され再び図10a領域へと移行する。 (3)図7の(3)領域の説明 最後に気液交換領域後の図7の領域(3)の領域につい
て説明する。
【0080】本領域は、インクの導出が進み気液交換が
終わった後、すなわちインク収納室内のインクがほとん
ど導出され、主に負圧発生部材内のインクのみが導出さ
れる場合のものである。本領域を以下の2パターンにわ
けて説明する。 <図7の領域(3)の第1パターン>本例においては、
気液交換領域後、インク収納室内の圧力が略大気圧にな
る場合を説明する。
【0081】前述した気液交換が終了した状態におい
て、インク収納室内のインクはほとんど消費されてい
る。気液交換が終了した状態では、一般的に大気連通
路、負圧発生部材収納室とインク収納室との連通路、も
しくは負圧発生部材にメニスカスがはっている。しか
し、負圧発生部材内の液面が大気導入路の上端部より下
がった場合にキャリッジ振動などの要因で上記メニスカ
スが破れる。それにより大気が大気連通路を介してイン
ク収納室と連通状態になる。それによりインク収納室内
が略大気圧になる。それにより内方に変位していたイン
ク収納室の内壁が、それ自身の弾性力によりもとの状態
に戻ろうとする。しかし、一般的には初期状態には完全
には戻らない。これは前述したインク収納室からのイン
クの導出時にある状態以上内方に変形するといわゆる座
屈がおきる場合が多い。それによりインク収納室内が大
気圧になった状態においても完全にはもとの状態には戻
らないことが多い。
【0082】このようにインク収納室内が大気圧状態に
なって、内壁がもとの状態に戻った後は負圧発生部材内
のインクが導出されることで、負圧発生部材内の液面が
下がる。それにより負圧も略比例状態で増大する。 <図7の領域(3)の第2パターン>次に本パターンで
は、負圧発生部材の液面が大気導入路上端部よりも下が
った場合においてもインク収納室内が負圧状態を維持す
る場合について説明する。
【0083】前述したように、大気導入路内、連通路、
負圧発生部材内のメニスカスによりインク収納室内は大
気と遮断されている。その状態のままインクが消費さ
れ、負圧発生部材内の液面が下がりつづける場合があ
る。それによりインク収納室の内壁は内方に変形状態を
維持したままで負圧発生部材内のインクが消費される。
【0084】ただしこの場合においても、インク消費途
中でキャリッジ振動、環境変化などの要因により上記メ
ニスカスが破れ、インク収納室内が略大気圧になる場合
がある。この場合は前述したようにインク収納室の内壁
は略もとの状態に戻る。
【0085】以上説明したように、本願の構成における
気液交換動作の現象の特徴として、気液交換中の圧力変
動(振幅γ、周期)が従来の気液交換を行うインクタン
クシステムに比べて比較的大きいことがあげられる。
【0086】この理由として、本願の構成では図7領域
(1)にて説明したように、気液交換を行う以前にイン
ク収納室からのインクの導出により、内壁がタンク内方
に変形した状態になっている。そのため内壁の弾性力に
よりインク収納室内壁は常に外方へ向かう力が働いてい
る。そのため気液交換時に負圧発生部材とインク収納室
部との圧力差を緩和させるためにインク収納室内に入る
エアの量が、所定以上に入る場合が多い。それによりイ
ンク収納室から負圧発生部材収納室へのインクの導出も
多くなる傾向にある。それに対して、従来のシステムで
ある生室が変形しない構成の場合は、所定量のエアが入
ることにより直ちに負圧発生部材収納室へインクを導出
するものである。
【0087】また、たとえばベタモードの印字を行う場
合、ヘッドから一度に大量のインクが吐出される。それ
によりタンクからも急激にインクの導出が行われるが本
願構成のインクタンクにおいては、気液交換によるイン
クの導出が従来に比べて比較的多いので、インク切れの
心配がなく信頼性が向上する。
【0088】また本願の構成によればインク収納室が内
方に変形した状態でインクの導出が行われるため、キャ
リッジなどの振動、環境変化などによる外的要因に対し
てのバッファー効果が高い。
【0089】ここで、以上説明した一連のインク消費過
程における動作について、図7(b)にてさらに別の観
点で説明する。
【0090】図7(b)において、横軸に時間、縦軸に
インク収容部からのインク導出量とインク収容部への空
気同入量の一例を示す。また、経過時間においてのイン
クジェットヘッドからのインク供給量は一定とする。
【0091】以上の観点で、インク収容部からのインク
導出量を実線、インク収容部への空気導入量を実線
で示す。
【0092】t=0からt=tまでは、図7(a)で
示した気液交換前の領域に相当する。本領域では、前述
したように負圧発生部材からとインク収容部からのバラ
ンスをとりながらインクがヘッドから導出される。各々
の導出パターンについては、前述した通りである。
【0093】次にt=t1からt=t2までは、図7
(a)の気液交換領域(B領域)に相当する。本領域で
は、前述したような負圧バランスに基づき、気液交換が
行われる。図7(b)の実線で示すように、インク収
容部内にエアが導入される(実線の段差で示される)
ことによりインク収容部からインクが導出される。その
際に、エアの導入に伴い直ちに導入されたエアに等しい
量のインクがインク収容部から導出されるわけではな
く、例えばエアの導入からある所定時間を経た後、最終
的に導入されたエアに等しい量のインクが導出されるよ
うになっている。この図からも明らかなように、前述し
たような従来のインク収容部が変形しないインクタンク
の動作に比べてタイミングのずれが生じるものである。
以上のように気液交換領域においてこの動作が繰り返さ
れる。ある点で、インク収容部内のエアの量とインクの
量とが逆転する点を経る。
【0094】t=t2を過ぎると、図7(a)で示す気液
交換後の領域(c領域)となる。この領域では、前述し
たようにインク収容部が略大気圧になる。(条件によっ
ては、大気圧状態にならない場合があることは前述した
通りである。)それに伴い、インク収容部の内壁の弾性
力により初期状態にもどる動作となる。ただし、前述し
たように、いわゆる座屈により完全には初期の状態には
戻りきらない。そのためインク収容部への最終的な空気
導入量Vcは(V>Vc)となる。本領域でもインク収
容部からのインクはすべて使い切る状態となる。
【0095】次に、インク消費途中の各状態において、
インク収納室部を交換した場合の動作について、図12
を用いて説明する。 (a)気液交換前にインクタンクを交換した場合(図1
2a) この気液交換前の状態は、前述したように、負圧発生部
材、インク収納室、負圧発生部材とインク収納室とが相
互のバランスをとりながらインクを消費している。この
状態において負圧は略比例状態で増大している。また負
圧発生部材内のインク液面は大気導入路上端よりも上方
に位置している。
【0096】この時点でインク収納室を交換した場合、
一般的にインク収納室は初期において負圧は弱く、また
正圧状態の場合もあるので、インク収納室を新たに装着
した場合、インク収納室のインクが負圧発生部材に供給
され、負圧発生部材収納室内の液面が上昇し、両者のバ
ランスがとれた点で液面が安定する。この場合、負圧発
生部材上部には前述したバッファー領域を有するため、
液面が上昇したとしても大気連通口からのインクモレは
ない。
【0097】またインク収納室の装着により負圧がさが
り、また場合によっては正圧になることがあるが、タン
ク装着時の初期回復などを行うことで速やかに適正な負
圧状態を形成することが可能である。その後は前述した
消費パターンによりインクが消費される。
【0098】なお、負圧発生部材収納室の気液交換経路
近傍の負圧発生部材がインクで充填されていなくても、
本発明の液体供給システムの場合、インク収納部から負
圧発生部材収納室へのインクパスが形成されれば、負圧
発生部材収納室の毛管力を利用してインク収納部内のイ
ンクを負圧発生部材へと移動させることができる。従っ
て、結合部近傍の負圧発生部材のインクの保持状態に関
わらず、装着すれば確実にインク収納室のインクを使用
することができる。
【0099】(b)気液交換中にインクタンクを交換し
た場合(図12b) 気液交換動作中においては、前述したように一般的に負
圧発生部材内の液面は、大気導入路上端部で安定し、イ
ンク収納室の内壁は内方に変形した状態である。
【0100】この状態でインク収納室を取り外し、新た
に初期状態のインク収納室を装着すると、前述したよう
にインク収納室内のインクが負圧発生部材内に供給さ
れ、負圧発生部材内の液面が上昇する。すなわち液面が
大気導入路より上方へ変位する。それによりインク収納
室の内壁は内方に変位し、タンク内は若干の負圧状態に
なる。
【0101】液面が安定した後インクを消費すると、前
述したような消費パターン((1)−1〜(1)−3)
によりインクが消費される。そして所定の負圧になった
場合に気液交換が行われる。
【0102】(c)気液交換後にインクタンクを交換し
た場合(図12c) 気液交換後の状態は、前述したように負圧発生部材内の
液面は大気導入路の上端より下がった状態で、インク収
納室は略大気圧でほぼ内壁がもとの状態にもどっている
か、内部が負圧状態で内方変形状態を維持した状態であ
る。
【0103】この状態でインク収納室を交換した場合
は、やはりインク収納室内のインクは負圧発生部材側へ
供給され、負圧発生部材内の液面は上昇する。この場合
は一般的には大気導入路上端より上方まで上昇するが、
大気導入路状態より下方で液面がつりあう場合もある。
このインクの導出によりインク収納室内壁は内方へ変位
し略負圧状態になる。
【0104】液面が大気導入路より上方に変位した場合
には、前述した消費過程を経た後気液交換動作領域に移
行する。また液面が大気導入路より下方でつりあってい
る場合は、すぐに気液交換動作を行う。
【0105】以上説明したように、(a)〜(c)の各
消費過程においてインク収納室を交換した場合において
も安定した負圧を発生することができそれにより確実な
インク供給動作を行うことができる。
【0106】本願発明のインクタンクは、このように微
小な負圧変動をインク収納部により緩和することができ
るが、さらに、本願発明の構成によれば、第2のインク
供給状態など、インク収納部に空気を含む場合において
も、従来の方法とは異なる解決方法により、環境の変化
に対応することが可能な構成となっている。
【0107】そこで、次に、図1に示すインクタンク
の、環境条件を変化させた場合の安定した液体保持のメ
カニズムについて図13及び図14を用いて説明する。
【0108】図13は大気導入溝より上方にある負圧発
生部材のバッファ吸収体としての機能、及びインク収納
部のバッファ作用を説明する説明図であり、図4(a
1),(a2)に示す状態(気液交換状態)から大気圧の
減圧ないしは気温の上昇などによるインク収納室内の空
気の膨張した時のインクタンクの変化を(a)〜(d)
の順に示している。添字1は図1(b)と同じ断面によ
る断面図、添字2は図1(b)に示す液体収納室のA−
A断面図を示している。
【0109】大気圧の減圧(あるいは気温の上昇)によ
り、インク収納室内の空気は膨張すると、図13(b
1)、(b2)に示すように、インク収納部を構成する
壁面()及び液面()が押圧され、インク収納部の内
容積が増加すると共に、一部のインクは気液交換通路を
介してインク収納部内から負圧発生部材収納室側へと流
出する。ここで、インク収納部の内容積が増加するため
に、負圧発生部材へ流出するインク量(図13(c1)
のに示される負圧発生部材の液面の上昇)はインク収
納部が変形不能な場合に比べ大幅に少ないものとなる。
【0110】ここで、気液交換通路を通じて流出するイ
ンク量は、気圧変化が急激な場合、インク収納部内の負
圧を緩和しインク収納部内の内容積を増加させるため、
インク収納部の内壁面の内方への変形を緩和することに
より生じる壁面の抵抗力と、インクを移動させて負圧発
生部材に吸収させるための抵抗力と、の影響が初期的に
は支配的である。
【0111】特に、本構成の場合、負圧発生部材の流抵
抗が袋の復元に対する抵抗より大きいので、空気の膨張
にともない、まず図13(a1),(a2)に示すよう
にインク収納部の内容積が増加する。そして、この増加
分の上限より空気の膨張による体積の増加が大きい場
合、図13(b1),(b2)に示すように気液交換通
路を介してインク収納部内から負圧発生部材収納室側へ
インクが流出するようになる。つまり、インク収納部の
壁面が環境変化に対するバッファとしての機能を果たす
ため、負圧発生部材内のインクの移動が緩やかになり、
インク供給口部における負圧特性が安定する。
【0112】なお、本実施例では負圧発生部材収納室に
流出したインクは負圧発生部材で保持されるようにして
いる。この場合、図13(c1)、(c2)に示すよう
に負圧発生部材収納室のインク量が一時的に増加して気
液界面が上昇するので、使用初期と同様にインク内圧の
安定期より一時的にやや正側の内圧になるが、記録ヘッ
ドなどの液体吐出記録手段の吐出特性への影響は小さ
く、実使用上の問題はない。また、大気圧が減圧前のレ
ベルに回復(1気圧に戻る)した場合(あるいは元の温度
に戻った場合)は、負圧発生部材収納室に漏出して負圧
発生部材に保持されていたインクが再びインク収納部に
戻ると共にインク収納部の体積が元の状態へと戻るよう
になる。
【0113】次に、気圧変化の後の初期的な動作の後、
変化した気圧のもとで図13(d1)、(d2)に示す
定常状態に至ったときの原理動作を図14を用いて説明
する。
【0114】この状態で特徴的なことは、インク収納部
から導出されたインク量だけでなく、インク収納自体の
体積変化による負圧の変動に対してバランスを保つよう
に、負圧発生部材に保持されているインクの界面が変化
することである。
【0115】ここで、本発明における、負圧発生部材の
インク吸収量とインク収納室との関係については、前述
の減圧ないしは温度変化時の大気連通口などからのイン
クの漏れを防止するという観点から、インク収納室から
の最悪条件下でのインク流出量と、インク収納室からの
インク供給時に負圧発生部材収納室に保持させるインク
量とを考慮して負圧発生部材収納室の最大インク吸収量
を決め、少なくともその分の負圧発生部材を収納するだ
けの容積を負圧発生部材収納室に持たせれば良い。
【0116】図14に、t=0で大気圧下からP気圧
(0<P<1)の減圧環境下にタンクの環境を変化させ
た場合の、時間の経過に伴うインク収納部からのインク
導出量及びインク収納部の体積を模式的に示す。図14
において、横軸は時間(t)、縦軸はインク収納部から
のインク導出量及びインク収納部体積であり、インク収
納部からのインク導出量の時間変化を実線で、インク
収納部の体積の時間変化を実線で示す。
【0117】図14において、t=ta, t=tb,
t=tc, t=tdに対応するインクタンクの状態は
それぞれ、図13の(a)、(b)、(c)、(d)と
なっている。
【0118】図14に示すように、急激な環境の変化に
対しては、最終的に負圧発生部材収納室とインク収納室
とが負圧バランスを保つ定常状態となる前に、主として
インク収納室で空気の膨張に対応することができる。従
って、急激な環境変化に対して、インク収納室から負圧
発生部材収納室へのインクの導出タイミングを遅らせる
ことができる。
【0119】従って、種々の使用環境下であっても、気
液交換により導入された外気の気体膨張に対して許容力
を高めつつ、インク収納室の使用中に安定した負圧条件
下でインク供給を行なうことのできるインク供給システ
ムを提供することができる。本発明のインク供給システ
ムによれば、使用する負圧発生部材及びインク収納部の
材料を適宜選択することで、負圧発生部材収納室とイン
ク収納室との体積割合を任意に決定することができ、
1:2より大きな場合でも、実用上使用することができ
る。特に、インク収納室のバッファ効果を重視する場合
には、弾性変形可能な範囲内で使用開始状態に対する気
液交換状態でのインク収納部の変形量を大きくするよう
にすればよい。
【0120】なお、上述のインク収納部のバッファ効果
を有効に機能させるためには、インク収納部の変形が少
ない状態でインク収納部内に存在する空気量が少ないこ
と、すなわち、接続後、気液交換状態の前にインク収納
部内に存在する空気の量はなるべく少ないことが望まし
い。 (第1実施例)図15は、本発明の液体供給システムを
適用可能な第1実施例のインクタンクの概略説明図であ
り、(a)はインクタンクの全体斜視図、(b)はイン
ク収容室の斜視図、(c)は負圧発生部材収納室の斜視
図である。
【0121】図16は、インクタンクの概略構成図であ
り、(a)は図15のA−A線断面図、(b)は図15
のB−B線断面図である。
【0122】図15および図16に示すように、インク
タンク1は、負圧発生部材収納室10と、インク収容室
50とにより構成されており、インク収納室50は連通
部を介して負圧発生部材収納室10に対して分離可能な
構造となっている。
【0123】負圧発生部材収納室10は、液体を吐出口
61から吐出して記録を行なう記録ヘッド部60等の外
部へインク(処理液などの液体を含む)を供給するイン
ク供給口12を有する筺体11と、筺体内部に収納され
るポリウレタンフォームなどの多孔質部材から構成され
る負圧発生部材13、負圧発生部材と接するとともにイ
ンク収納室から液体を導入するための連通管(気液交換
通路)14を備えている。筺体11はさらに、連通管の
近傍の側壁面内側に、後述する気液交換を促進するため
の大気導入溝17と、内部に収納した負圧発生部材と外
気とを連通させるための大気連通口15を備えており、
この大気連通口15の近傍には筺体内面から突出したリ
ブにより形成されたバッファ部16が設けられている。
本実施例においては、気液交換通路14は、負圧発生部
材13と当接するとともに、その端部は大気導入溝17
とも連続しており、液体供給動作をスムーズに実現する
ことが可能となっている。
【0124】本実施例において、負圧発生部材収納室1
0には、インク収納室50とのジョイントである連通管
(気液交換通路)14が2つ、記録ヘッド部60へのイ
ンク供給口12が1つ備えられている。
【0125】一方、インク収納室50は、室を構成する
筺体(外壁)51と、筺体内面と同等もしくは相似形の
内面を有する壁(内壁)54により構成され内部にイン
クを収納するインク収納部53、負圧発生部材収納室の
気液交換通路14と接続し、液体収納部53の液体を負
圧発生部材収納室へ導出するためのインク導出口52を
備えている。
【0126】内壁54は可撓性を有しており、インク収
納部53は、内部に収納されたインクの導出に伴い変形
可能である。また、内壁54は溶着部(ピンチオフ部)
56を有し、この溶着部で内壁は外壁に係合する形で支
持されている。また、外壁には外気連通口55が設けら
れており、内壁と外壁との間に大気を導入可能となって
いる。
【0127】インク収納室50は、略直方体形状をなす
6つの平面から構成され、円筒状のインク導出口52が
付加されたものである。この直方体形状の最大面積面
は、図16上で間接的に表示されている。
【0128】本実施例において、インク収納室50は、
通常のタンクの数倍の大きさとされ、インク導出口52
が2つ付加されている。図15に示すように、インク収
納室50の中央部は凹形状とされていることが望まし
い。これを設けることにより、容量が通常のタンクの約
何倍かが一目して判る。また、変形動作時に、変形規制
部材として働くことで、本来の最大面積面である側面か
ら優先的に変形させることが出来る。従って、特にタン
ク形状が立方体に近い場合は、この凹形状により安定し
た液体供給を行える利点がある。
【0129】負圧発生部材収納室10の2つの連通管1
4の水平高さは、略同一とされている。ここで、略同一
とは、厳密には、気液交換時の負圧発生部材収納室10
の気液界面にそれぞれの管の上端部(本実施例の位置関
係の場合)が当接し、双方のジョイントで気液交換動作
を行うことが出来る構成を含む。実用上は、連通管の高
さの差が、連通管の鉛直方向の幅程度であれば、略同一
とみなしてよい。
【0130】次に本実施例のインク収容室の特徴的な動
作について説明する。
【0131】(インク供給経路の分散化)図17はイン
ク供給経路の分散化の説明図である。
【0132】図17(a)に示すように、時間当たりの
インク供給量が多い通常の状態では、2つのジョイント
のそれぞれで、原理説明の項で述べたように気体−液体
の交換が行われている。
【0133】図17(b)に示すように、何らかの理由
により、一方の管に気泡が溜り、気泡の溜まった管にお
いてインク収納室50から負圧発生部材収納室10への
インク移動が阻害されたとしても、他方の管は正常に機
能できるので、液体の供給を続けることが可能である。
特に高速供給の場合、負圧発生部材収納室10に比べイ
ンク収納室側が一時的に負圧が高くなることが多いの
で、その圧力差がある程度大きくなれば、停滞していた
気泡はインク収納室側へ移動することができる。その後
は、図17(a)の状態に戻ることになる。
【0134】(インク供給スピードの変更)図18はイ
ンク供給スピードの変更の説明図である。
【0135】図18(a)に示すように、インク供給口
12からのインク供給量が少ないとき、2つのジョイン
トのうち、相対的なインク抵抗の少ない方から積極的に
気液交換動作が行われる。場合によっては、一方から気
体、他方から液体が供給されることもあるが、この形態
も本発明に含まれる。
【0136】図18(b)に示すように、ベタ印字等の
ように、インク供給口12からのインク供給量が多いと
きは、両方のジョイントで気液交換が行われる。すなわ
ち、インク供給経路を外部へのインク供給スピードに応
じて複数使用することで、高速印字などでもインク収納
室50から安定してインクを負圧発生部材収納室10へ
と送ることができる。よって、負圧発生部材収納室10
でのインク切れなどが起こる恐れがない。
【0137】(第2実施例)図19は、第2実施例のイ
ンクタンクの概略説明図であり、(a)はインクタンク
の全体斜視図、(b)、(c)は負圧発生部材収納室の
斜視図である。
【0138】図19(a)に示すように、インクタンク
1は、負圧発生部材収納室10と、2個のインク収容室
50とにより構成されており、インク収納室50は、そ
れぞれ連通部を介して負圧発生部材収納室10に対して
分離可能な構造となっている。
【0139】両インク収容室50は略同形状とすること
が望ましい。これにより互いに位置を交換することがで
きると共に、2つのタンクでの変形のばらつきを押さえ
ることができる。しかし、変形例として、インク収容室
50は同じ大きさでなく、一方が他方より大きくしても
よい。また、インク収納室50は、複数のタンクを一体
的に形成してもよい。
【0140】図19(b)に示すように、負圧発生部材
収納室10の2つの連通管14の水平高さ(h1)は略
同一とすることが望ましい。しかし、変形例として、図
19(c)に示すように、負圧発生部材収納室10の2
つの連通管14の水平高さ(h1、h2)は異なってもよ
い。この場合、管の高い方からインクは優先的に使用さ
れる。そのため、管の高い方にあるインク収納室50の
みを交換する形になり、低い方のインク収納室50は、
大量供給時の補助タンクの役割を果たす。すなわち、連
通管14の水平高さが異なると、それぞれ独立したイン
ク収納室50に接続していることから、大量供給時に同
時に使用されることもある。よつて、この形態も本発明
に含まれる。
【0141】その他の構成は第1実施例と同様であるの
で、その説明は省略する。
【0142】次に本実施例のインク収容室の動作につい
て説明する。
【0143】第1実施例で述べた「インク供給経路の分
散化」、「インク供給スピードの変更」の説明は、本実
施例においても同様であるので、次に本実施例の独自の
動作について述べる。
【0144】(インク供給スピードの変更)図20はイ
ンク供給スピードの変更の説明図である。
【0145】図20(a)は、開始前の状態を示してい
る。図20(b)は、少量供給時の状態を示している。
すなわち、はじめにエアパスが出来た方が優先的に使用
される。図20(c)は、大量供給時の状態を示してい
る。連続運転して動作を行い、後からエアパスが出来れ
ば、1つの負圧発生部材収納室10と2つインク収納室
50との合計3つのタンクのバランスを取るように優先
的に今まで使用されていないタンクの方からインクが供
給される場合もある。エアパスを複数容易につくるため
には、ウレタンフォームより繊維からなるインク吸収体
を用いることが望ましい。望ましい繊維吸収体の一例と
しては、3次元的に他の繊維と交点を有し、交点部分が
熱融着されているようなものが挙げられる。図20
(d)は、静止状態の状態を示し、図に示すように平行
状態となる。本実施例では、タンクは同じ物を2つ使っ
ているので、インク収容部の変形なども同じようにな
る。
【0146】本実施例の場合、変形量が大きくなって
も、極端に負圧が変化する変曲点を迎えないので、結果
として2つの袋のそれぞれの変形量を大きくとることが
出来る。双方に同程度の空気が入るようにすれば、結果
的にインク収納室側のバッファ領域効果が第1実施例に
比べて期待出来るので、負圧発生部材収納室のバッファ
ア空間を小さくできるといういう独自の効果が得られ
る。
【0147】第1、第2実施例においては、負圧発生部
材収納室の連通管は、収納室の底部に設けられている
が、収納室の途中に設けられている形態も本発明に含ま
れる。 (第3実施例)図21は、第3実施例のインクジェット
カートリッジの概略説明図であり、インクタンクをヘッ
ド付ホルダに装着する前の断面図を示す。また、図22
は、図21に示したインクタンクとヘッド付ホルダとの
インク通路に関する接続部の拡大図である。
【0148】本実施例のインクジェットカートリッジ
は、内部にインクを収納するインクタンク150と、イ
ンクタンク150を保持するタンクホルダ111、イン
クタンク150から供給されるインクを一時的に保持す
る負圧発生部材収納室110および負圧発生部材収納室
110から供給されたインクを吐出して記録を行う記録
ヘッド160が一体となったヘッド付ホルダ130とを
有する。
【0149】インクタンク150は、ヘッド付ホルダ1
30に対して着脱自在に設けられたもので、外壁151
および内壁154で構成され、内部にインクを収納する
インク収納部153、インク収納部153の液体を負圧
発生部材収納室110へ導出するためのインク供給部1
52を備えている点は第1実施例と同様である。
【0150】ただし、本実施例ではインクタンク150
は負圧発生部材収納室10の上部に装着されるもので、
それに伴い、インク供給部152はインクタンク150
の下端面に開口している。
【0151】一方、ヘッド付ホルダ130は、上述した
ように、インクタンク150を保持するタンクホルダ1
11と、タンクホルダ111の底部に設けられた負圧発
生部材収納室110と、インク(処理液などの液体を含
む)を吐出口161から吐出して被記録媒体に記録を行
う記録ヘッド160とを有し、これらが一体となった構
造となっている。
【0152】負圧発生部材収納室110には、インクタ
ンク150のインク供給部152と接続しインク収納部
153と連通する連通管171が上壁に備えられるとと
もに、下壁には記録ヘッド160にインクを供給するた
めのインク供給口112が開口している。インク供給口
112は連通管171の下方に位置している。
【0153】負圧発生部材収納室110はさらに、第1
実施例と同様に気液交換を促進するための大気導入溝1
17、および負圧発生部材113と外気とを連通させる
ための大気連通口115を備えている。大気導入溝11
7は、連通管171の近傍の上壁面内側に、負圧発生部
材収納室110の他端側に向かって水平方向に形成さ
れ、連通管171の内部と連通している。大気連通口1
15は負圧発生部材収納室110の他端壁上部に形成さ
れている。
【0154】ここで、インクタンク150のインク供給
部152の近傍、およびヘッド付ホルダ130の連通管
171の近傍の構造について、図22を参照して詳細に
説明する。
【0155】連通管171の内部には、インク誘導体1
75が挿入されている。連通管171の内壁には、大気
導入溝117に連通する大気導入路172が連通管17
1の上端から下端にわたって形成される。さらに、連通
管171には、連通管171の管壁の一部を軸方向に沿
って除去したスリット173が形成される。連通管17
1の上端面は、大気導入路172が開口する部位の高さ
が最も低くなるように傾斜している。
【0156】一方、インクタンク150のインク供給部
152に溶着されたシール部材157には開封溝187
が形成され、インク供給部152を連通管171に対し
て押し込むことによってシール部材157が開封溝18
7で破られ、インク供給部152内に連通管171が挿
入される構成となっている。
【0157】その他の構成は第1実施例と同様であるの
で、その説明は省略する。
【0158】以上説明したように、本実施例では、イン
クタンク150が負圧発生部材収納室110の上方に装
着されるので、第1実施例と同様の効果に加え、インク
タンク150からインク供給口112までのインクの供
給方向を重力に従う方向とすることができ、常に安定し
た供給状態を維持することができる。しかも、連通管1
71と接続する大気導入溝117を水平方向に設けるこ
とで、気液交換をスムーズに行うことができる。また、
連通管171の上端面が上述したように斜めに形成され
ているので、連結管171をインクタンク150のイン
ク供給部152に挿入したとき、インク誘導体175が
先にインク収納部153に連通するためインク収納部1
53内のインクは優先的にインク誘導体175に流れ、
インク収納部163内のインクを効率的に負圧発生部材
113に供給することができる。図23は、図21に示
したインクカートリッジの斜視図である。
【0159】本実施例は、カラーのインクカートリッジ
に適用したものであり、負圧発生部収納室110には、
4つのインクタンク150が着脱自在に保持されてい
る。各インクタンク150は、上述した第1、第2実施
例と同様に構成され、それぞれ異なる色、例えばイエロ
ー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック
(Bk)の4色のインクが収納されている。負圧発生部
材収納室110は、各インクタンク150に対応して内
部が4つの室に分かれており、それぞれの室に負圧発生
部材(不図示)が収納されている。負圧発生部材収納室
110の下部には記録ヘッドが一体に設けられている。
【0160】このように、本実施例は、インクタンク1
50を負圧発生部材収納室110の上部に装着している
インクカートリッジに関するものであり、使用量の多い
インク、例えばブラック(Bk)のインクタンクに第1
実施例の供給システムを適用している。
【0161】第1実施例で述べた「インク供給経路の分
散化」、「インク供給スピートの変更」の動作は、本実
施例においても同様であるので説明を省略する。
【0162】本実施例の場合、上述したように連通部で
ある連通管の内部に、液体導入路として負圧発生部材よ
り毛管力の高い繊維束部材であるインク誘導体が挿入さ
れ、連通管の内壁に、気体優先導入路として大気導入路
が形成されている。
【0163】このように、連通部には液体導出路および
気体導入路が設けられているので、気体交換時の気体の
通路が確保され、結果的に負圧発生部材収納容器内への
液体の導出も確実かつ安定して行うことができる。さら
に、このように気体交換時の気体の通路が確保されるこ
とにより、負圧発生部材収納容器内での液体の保持量に
よらずに気液交換を容易に行うことができる。また、連
通部の気体優先導入路にエアが溜まっても液体を導入す
ることができる。
【0164】なお、本実施例の場合、高速供給時に複数
の経路でそれぞれ気液交換を行うためには、気液交換時
の負圧発生材収納室の界面にそれぞれの管の供給口から
離れた側の端部が当接するようになっていればよい。
【0165】また、第2実施例のように、各ジョイント
につき1つのインク収納室が対応する構成であってもよ
い。この場合、高速供給時に複数の経路でそれぞれ気液
交換を行うことが出来るのであれば、供給口からジョイ
ントまでの距離が互いに異なってもよい。
【0166】(第4実施例)本実施例を第1実施例を参
照して説明する。
【0167】図24は、第4実施例のインクタンクの概
略構成図であり、(a)は図15のA−A線断面図、
(b)は図15のB−B線断面図である。
【0168】図24に示すように、本実施例は、第1実
施例の図16に示されている筐体(外壁)51を用い
ず、内壁54のみとし、内壁54すなわちインク収納部
をインクの導出に伴って変形することのない剛性を有す
るタンクとしている。
【0169】その他の構成は第1実施例と同様であるの
で、その説明は省略する。
【0170】このような構成とすることにより、高速時
のインク供給では、気体の導入に伴い、はじめて液体が
導出されるため、第1実施例の形態のように、液体だけ
が先行して導出することがない。高速供給性という観点
からは第1実施例の形態が望ましいが、インク供給の分
散化すなわち気液交換部の増加という観点では、第1実
施例と同様の効果を有する。
【0171】以上、本実施例を第1実施例との違いを中
心に説明したが、本実施例を第2、第3の実施例に適用
可能であることは言うまでもない。
【0172】(その他の実施例)以上、本発明の実施例
について説明したが、以下に、本発明を好ましく適用可
能な適用例について説明する。
【0173】<インク収納室の構造>まずはじめに上述
の各実施例におけるインク収納室の構造について、補足
説明を行なう。
【0174】インク収納室が負圧発生部材に対して着脱
可能な場合、インク収納室の負圧発生部材収納室との連
通部には、結合時の連通部からの液体や空気の漏れを防
止すると共に結合前のインク収納部内のインクの導出を
防止する部材としての密閉手段が設けられる。本実施例
では密閉手段はいずれも膜状のものを使用しているが、
ボール状の栓などを使用してもよい。また、気液交換通
路を中空針で、密閉手段をゴム栓としてもよい。
【0175】また、上述の各実施例のインク収納室は、
ダイレクトブロー製造方法によって形成される。すなわ
ち、互いに分離可能な筐体(外壁)とインク収納部(内
壁)とは、略多角柱の型に対して円筒状のパリソンをエ
アーブローによって均一に膨張させることで形成される
ものである。これにかわり、例えば可撓性の袋内に金属
製のばね等を備えることで、インクの導出に伴い負圧を
発生させるようにしてもよい。
【0176】しかし、ブロー成形を用いることで、筐体
内面形状と同等あるいは相似形の外面形状を有するイン
ク収納部を容易に製造することができるだけでなく、イ
ンク収納部を構成する内壁の材料、厚みを変えることで
容易に発生する負圧を設定できる利点がある。さらに、
内壁、及び外壁の材料に熱可塑性樹脂を利用すること
で、リサイクル性に富んだインク収納室を提供すること
ができる。
【0177】また、ブロー成形を用いることで、図25
に示すようなインクタンクを容易に製造することができ
る。図25は複数のインク収納室が一体化されたインク
収納容器の一例を示す説明図であり、(a)は斜視図、
(b)は図25(a)のA−A’断面図である。インク
収納容器750はインクを保持する複数のインク収納部
753a、753b、753cを備え、密閉手段757
a、757b、757c、により密閉されているインク
導出口752a、752b、752cを接続させること
ができる。図25に示すインク収納容器750は、イン
ク収納部の大きさがそれぞれ異なっているが、このよう
にすることで、例えば使用する液体の使用頻度に応じ
て、内部の収納部の大きさを変化させておくことができ
る。
【0178】ここで、前述した各実施例における「外
壁」の構造および「外壁」が「内壁」に対して及ぼす結
果的な構造について補足説明する。
【0179】前述した各実施例では、インク収納室はブ
ロー成形により製造されるため、内壁は、容器を構成す
る面の中央近傍領域の厚みにくらべ角部近傍の厚みの方
が薄く形成されている。また外壁も同様に、容器を構成
する面の中央近傍領域の厚みにくらべ角部近傍の厚みの
方が薄く形成されている。さらに、外壁に対して内壁
は、各面の中央部から各面の角部に向かって徐々に減少
する厚み分布を有する外壁に積層されることで形成され
ている。
【0180】この結果、上記内壁は外壁の内面に対して
一致する外面を有することになる。この内壁の外面は、
外壁の厚み分布に対して沿うため、内壁が形成するイン
ク収納部側に向かって凸となる。そして、内壁の内面
は、上述した内壁の厚み分布を有するので、より一層イ
ンク収納部に向かって凸となる。これらの構造は、最大
面積部で特に前述した機能を発揮するため、本発明とし
ては、このような凸状形状は少なくとも最大面積部で存
在すれば良く、その凸状形状も内壁面として2mm以下
で良く、内壁外面で1mm以下でよい。この凸状形状
は、小面積部では測定誤差範囲内になることもあるが、
略多角柱インクタンクの各面における変形優先順位をも
たらす1つの要因となるので、本発明にとって好ましい
条件の1つとなる。
【0181】加えて、外壁の構造について補足する。前
述した外壁の1つの機能として内壁の角部の変形を規制
することをあげたが、この機能を発揮する構造として
は、内壁の変形に対しては形状を維持でき、かつ角部の
周囲を覆う構造(角部包囲部材)を有するものであれば
よい。従って、プラスチック、金属あるいは、厚紙等の
材質で、上述した外壁または内壁を覆う構造にしてもよ
い。この外壁としては、全面でもよく、角部のみ面構造
で、この面構造を金属等の棒で結合するようなもので
も、メッシュ構造良い。
【0182】さらに、インク収納室が交換式の場合のイ
ンク収納室の交換時など、何らかの理由で負圧発生部材
の気液交換経路近傍領域からインク供給口近傍領域でイ
ンク切れが起こった場合、弾性変形可能な外壁を、図2
6に示すように手動で内壁とともに一時的に押圧するこ
とで、インク収納室内のインクを強制的に負圧発生部材
収納室へ移動させ、簡単に回復させることができる。こ
のような加圧回復処理は手動ではなく自動で行なっても
よく、そのための加圧回復手段を後述する記録装置に設
けてもよい。なお、内壁の一部が露出している場合は内
壁の露出部だけを押圧してもよい。
【0183】なお、本発明の実施例においては、インク
収納部は略多角柱形状となっているが、この形態に限定
されるものではなく、少なくともインクの導出に伴い変
形可能で、この変形により負圧を発生可能であるものな
らば、本発明の第1の目的を達成することが可能であ
る。
【0184】ただし、より好ましくは、インク収納部の
変形と復元とを繰り返しても、インク収納部の変形量と
インク導出口における負圧との関係がほぼ1対1で対応
することが望ましい。インク収納部が弾性変形を行う範
囲で変形を行うと、このような望ましい状態を容易に得
ることができる。
【0185】なお、本実施例の場合、気液交換動作後、
インク導出口部の圧力が0になっても、インク収納部は
わずかに変形した状態を維持している。このように一部
の領域でインク収納部が弾性変形を行なわなくても、こ
の部分を除いた領域で弾性的な変形を行う場合には、実
質的には弾性変形を行なうものとして取り扱うものとす
る。
【0186】また、インク導出による変形にともなう負
圧の変化の割合が急激に変わる状態が存在する場合(例
えば変形部分同士が当接する場合など)には、弾性変形
の範囲内であっても、この急激に変わる状態になる前に
第1のインク供給状態を終え、第2のインク供給状態が
開始されるようになっていることが望ましい。
【0187】また、本発明の液体収納容器に使用される
材料としては、内壁と外壁とが分離可能なものであれば
よく、内壁又は外壁にそれぞれ複数の材料を用いて、多
層により構成してもよい。また、インク収納室を単独で
負圧発生型液体収納容器として使用する場合より、内壁
としては弾性の高いものを使用することが可能となって
いる。このため、インク収納室を単独で負圧発生容器と
して利用する場合に比べ、例えば内壁の厚みが厚いもの
や剛性の高い材料についてもインクジェット用交換イン
ク収納室として好適に利用することができ、材料選択の
幅が広がるという利点がある。ここで、内壁の厚みを厚
くすることは、インク収納室におけるガス透過性を低い
ものとすることができる。ガス透過性を低減させること
は、インク収納室を単独で販売する際の、例えば物流時
や保存時におけるインク収納室の膨張やインク漏れを防
ぐことができるので望ましい。
【0188】なお、内部に収容されるインクなどに対す
る影響を考慮すれば、内壁に使用する材料としては例え
ばポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂などが好適に
適用可能である。以上説明した各実施例、適用例では、
内壁及び外壁はそれぞれ単層のものとして説明したが、
内壁あるいは外壁を異なる材料の多層構造としてもよ
い。特に本発明の場合、インク収納室を単独で負圧発生
容器として利用する場合に比べ、例えば内壁の厚みが厚
いものや剛性の高い材料についてもインクジェット用交
換インク収納室として好適に利用することができるの
で、内壁の材料の組合わせの選択範囲も広がるという利
点がある。
【0189】<負圧発生部材収納室の構造>次に上述の
各実施例における負圧発生部材収納室の構造について、
補足説明を行なう。
【0190】負圧発生部材収納室(負圧発生部材収納容
器)に収納される負圧発生部材としては、ポリウレタン
フォームなどの多孔質部材の他、繊維をフェルト状にし
たものや繊維塊を熱成形したものなどを用いることがで
きる。
【0191】気液交換通路(連通部)については、本実
施例では管状のもので説明したが、気液交換状態におい
て気液交換を阻害するものでなければ、どのような形態
のものを用いていも良い。
【0192】上述の各実施例では筺体内面に大気導入溝
を設けているが必ずしも設ける必要はない。ただし、気
液交換を促進する構造としての大気導入溝を設けること
によって、前述した気液界面を容易に形成することがで
きるので、より一層安定したインク供給を実現すること
ができるという利点がある。すなわち、記録ヘッドなど
外部への液体供給動作が安定するだけではなく、負圧発
生部材とインク収納部との設計には上述したように第1
の供給状態、第2の供給状態など各状態における条件が
あるので、これらの条件を考慮することも気液界面が形
成されることでより一層容易となる。
【0193】また、上述の各実施例では負圧発生部材が
ない空間(バッファ部)を上面部近傍に設けているが、
これを無くし、かわりに通常の状態では液体を保持して
いない負圧発生部材を充填していても良い。このように
バッファ空間に液体を保持しない負圧発生部材が存在す
ることで、前述の環境変化の際に負圧発生部材収納室へ
移動したインクを保持することが可能となる。
【0194】<インクタンク>上述の各実施例では、イ
ンク収納室は負圧発生部材収納室に対して着脱可能な形
態で説明したが、2つの室が常時一体の構成であっても
よい。それぞれの室を別々の成形方法(例えば負圧発生
部材収納室を射出成形、インク収納室をブロー成形)で
成形した後、例えば溶着や接着などによって常時一体の
構成とする場合には、2つの室の結合部である連通部か
らのインクの漏れ出しがないよう、前述した各実施例と
同様、Oリングなどのシール部材を用いて連通部を密閉
することが望ましい。
【0195】しかしながら、分離可能な構成では結合部
分のシール性の確保や、装着時、離脱時のインク漏れな
どを防ぐ観点から、ジョイント部の構造が複雑化すると
共に、ジョイント部の長さが長くなる傾向にある。よっ
て、潜在的に気泡が気液交換経路に滞留しやすい分離可
能な構成に本願発明を適用することで、上述の効果によ
って安定的にインク供給を行うことの出来るメリットは
大きなものとなる。
【0196】<液体供給動作及びインク供給システム>
次に、液体供給動作及びインク供給システムに関する補
足説明を行なう。
【0197】上述した各実施例のインクタンク(インク
供給システム)におけるインク供給動作については、イ
ンク収納室と負圧発生部材収納室とが接続されていない
初期状態から、接続させた時の使用開始状態、第1及び
第2のインク供給状態を経るものとなっている。これ
は、本発明のインク供給システムの液体供給動作の一例
であり、インク収納室及び負圧発生部材収納室のそれぞ
れの構造や、液体の導出条件によっては、例えば以下に
説明する変形例のような状態となることが起こりうる。
【0198】例えば、上述した各実施例の第1の変形例
として、気液交換状態、すなわち第2のインク供給状態
がないインク供給システムについても、インク収納部へ
外気を導入することなくインク収納部のインクを使用す
る工程を有するため、液体収納容器の内容積の制限は、
結合時においてインク収納部に導入された空気のみを考
慮すればよいことになる。すなわち、インク収納室内の
内容積の制限を緩和しても、環境変化に対応可能である
という優れた利点がある。ただし、インク収納部の使用
効率を考慮するならば、上述の各実施例のように第1の
インク供給状態のあとに気液交換状態を有する方が、よ
り容易にインク収納部のインクを消費することができ
る。
【0199】第2の変形例としては、図2(a1),
(a2)に示す状態で、接続前の負圧発生部材収納室の
液面が、気液界面より高い場合がある。このときは、図
2(b1)、(b2)を用いて説明した使用開始状態と
なるためのインクの移動のうち、毛細管力による負圧発
生部材収納室への一方的なインク移動がないものとな
る。
【0200】第3の変形例としては、例えば図3(b
1),(b2)に示す状態で、記録ヘッドからインクを
消費する際の消費スピードが、極めて大きい場合があ
る。このときは、第1の供給状態において、両者の負圧
が常時バランスを取るのではなく、両者の負圧の差があ
る所定の値以上になるまでは負圧発生部材収納室のイン
クが優先的に消費され、負圧の差が一定以上になった
時、インク収納室のインクが負圧発生部材収納室側へ移
動するようになることが起こりうる。
【0201】このような変形例は、上述した実施例にお
けるインク供給動作及びその詳細とともに、本発明に含
まれるものである。
【0202】<液体吐出記録装置>最後に、図1に示し
た本発明の一実施例にかかるインクタンクを搭載して記
録を行うインクジェット記録装置の説明を行う。図27
に、本発明の一実施例にかかるインクタンクを搭載する
インクジェット記録装置の概略図を示す。
【0203】図27において、ヘッドユニット(不図
示)及びインクタンク100は、インクジェット記録装
置本体にキャリッジ4520の位置決め手段(不図示)
と所定軸廻りに回動する接続板5300によって固定支
持されるとともに、該キャリッジに対してそれぞれ着脱
可能な形で装着される。
【0204】駆動モータ5130の正逆回転は駆動伝達
ギア5110、5090を介してリードスクリュー50
40に伝達され、これを回転させ、またキャリッジ45
20はリードスクリュー5040の螺旋溝5050に係
合するピン(不図示)を有する。これによって、キャリ
ッジ4520は装置長手方向に往復移動される。
【0205】5020は記録ヘッドユニット内の各記録
ヘッドの前面をキャップするキャップであり、不図示の
吸引手段によりキャップ内開口を介して記録ヘッドの吸
引回復を行うために用いられる。キャップ5020はギ
ア5080等を介して伝達される駆動力により移動して
各記録ヘッドの吐出口面を覆うことができる。キャップ
5020の近傍には、不図示のクリーニングブレードが
設けられ、このブレードは図の上下方向に移動可能に支
持されている。ブレードは、この形態に限られず、周知
のクリーニングブレードが本例に適用できることは言う
までもない。
【0206】これらのキャッピング、クリーニング、吸
引回復は、キャリッジ4520がホームポジションに移
動したときにリードスクリュー5050の作用によって
それらの対応位置で所望の処理が行えるように構成され
ているが、周知のタイミングで所望の動作を行うように
すれば、本例にはいずれも適応できる。
【0207】ここで、このような往復移動をするキャリ
ッジに本願発明のインクタンクを搭載する場合の利点に
ついて説明する。
【0208】本願発明のインクタンクは、インク収納室
が変形可能な部材となっているため、キャリッジの走査
によるインクの揺動をインク収納部の変形により緩和す
ることができる。このようなキャリッジの走査に対して
負圧の変動を発生させないようにするためには、インク
収納部の角部の一部が対応する筐体内面から離脱してい
ないか、離脱していても近傍に位置することが望まし
い。また、本実施例のように対向する一組の最大面積面
を有するインク収納部については、その対向する最大面
積面を、キャリッジの走査方向に対して略直交する方向
となるようにキャリッジに搭載することで、上述のイン
ク揺動の緩和効果をより一層効果的なものとすることが
できる。
【0209】また、<インク収納室の構造>の項目で説
明したように、記録装置にインク収納室の外壁を介して
内壁を加圧する加圧回復手段4510を搭載してもよ
い。この場合、インク収納室に光を透過させ、その反射
の状態によりインクの有無を検知する発光手段と受光手
段とを備える液体有無検知検知手段5060と、記録ヘ
ッドの不吐出を検知する不吐出検知手段(不図示)と、
制御手段(不図示)とを備えると、例えば次のようなシ
ーケンスを採用することにより、負圧発生部材の気液交
換経路近傍領域からインク供給口近傍領域でインク切れ
を解消することができる。
【0210】まず、インク収納室を交換した場合、50
20のキャップを利用した通常の吸引回復処理後に、交
換したインク収納室に対応するヘッドのノズルで不吐出
が検知される場合、加圧回復手段4510による加圧回
復動作を行うことで通常の状態に復帰することができ
る。また、使用途中に、液体有無検知検知手段で「イン
クあり」の状態が、不吐出検知手段によって対応するヘ
ッドのノズルに「不吐出」の状態がそれぞれ検知され、
通常の吸引回復処理で不吐出が解消されない場合にも、
加圧回復手段4510による加圧回復動作を行うことで
通常の状態に復帰することができる。いずれの場合も、
加圧回復を行うインクタンクに対応する記録ヘッド部は
キャップによりキャッピングを行ない、記録ヘッド部か
らの不用意なインク漏れを防止することが好ましい。
【0211】なお、液体有無検知検知手段は上述した光
学式のものだけではなく、ドットカウント方式など他の
方式を適用してもよいし、いくつかの方法を組合わせて
もよい。
【0212】
【発明の効果】本発明では、負圧発生部材収納室に液体
供給容器とのジョイントである連通管を複数設けている
ので、一方の連通管に気泡が溜り、気泡の溜まった管に
おいて液体供給容器から負圧発生部材収納室へのインク
移動が阻害されたとしても、他方の連通管は正常に機能
できるので、液体の供給を続けることが可能となる。ま
た、インク供給口からのインク供給量が少ないときは、
複数のジョイントのうち、相対的なインク抵抗の少ない
方から積極的に気液交換動作が行われ、インク供給口か
らのインク供給量が多いときは、複数のジョイントで気
液交換が行われる。すなわち、インク供給経路を外部へ
のインク供給スピードに応じて複数使用することで、高
速印字などでも液体供給容器から安定して液体を負圧発
生部材収納室へと送ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液体供給システムを適用可能なインク
タンクの第1実施例の概略説明図であり、(a)は斜視
図、(b)は断面図である。
【図2】図1に示すインクタンクのインク収納室と負圧
発生部材収納室との接続動作におけるそれぞれの室の様
子を示す概略説明図である。
【図3】図1に示すインクタンクの第1のインク供給状
態を説明するための概略説明図である。
【図4】図1に示すインクタンクの第2のインク供給状
態(気液交換状態)を説明するための概略説明図であ
る。
【図5】図1に示すインクタンクの第2のインク供給状
態後の液体の導出に伴うタンク内部の変化を説明するた
めの概略説明図である。
【図6】図1に示すインクタンクのインク導出量とイン
ク供給口部の静負圧の関係を示す説明図である。
【図7】(a)は図6に示す負圧曲線の詳細説明図であ
り、(b)は連続してえ気体を導出させた場合の、時間
の経過に伴うインク収納部からのインク導出量及びイン
ク収納部への空気の導入量の変化の状態を説明するため
の説明図である。
【図8】図7に示すA領域についての詳細説明図であ
る。
【図9】図7に示すA領域についてのインクタンクの動
作説明図である。
【図10】図7に示すB領域についての詳細説明図であ
る。
【図11】図7に示すB領域についてのインクタンクの
動作説明図である。
【図12】インク収納室の交換時の動作を説明する図で
ある。
【図13】図1に示すインクタンクの環境条件を変化さ
せた場合の安定した液体保持のメカニズムの説明図であ
る。
【図14】図1に示すインクタンクの減圧時のインク流
出量を説明する説明図であり、大気圧下からP気圧(0
<P<1)の減圧環境下にタンクの環境を変化させた場
合の、時間の経過に伴うインク収納部からのインク導出
量及びインク収納部の体積の変化を説明するための説明
図である。
【図15】本発明の液体供給システムを適用可能な第1
実施例のインクタンクの概略説明図である。
【図16】インクタンクの概略構成図である。
【図17】インク供給経路の分散化の説明図である
【図18】インク供給スピードの変更の説明図である。
【図19】第2実施例のインクタンクの概略説明図であ
る。
【図20】インク供給スピードの変更の説明図である。
【図21】第3実施例のインクカートリッジの概略説明
図であり、インクタンクをヘッド付ホルダに装着する前
の断面図を示す。
【図22】図21に示したインクタンクとヘッド付ホル
ダとのインク通路に関する接続部の拡大図であり、
(a)は断面図、(b)は連結管の平面図である。
【図23】図21に示したインクカートリッジの斜視図
である。
【図24】第4実施例のインクタンクの概略構成図であ
【図25】本発明の液体供給システムを適用可能なイン
クタンクの更なる変形例を示す概略説明図である。
【図26】本発明の液体供給システムの回収方法の一例
を示す説明図である。
【図27】本発明の液体供給システムを適用可能なイン
クジェット記録装置の一例の概略説明図である。
【符号の説明】
1 インクタンク 10 負圧発生部材収納室 12 インク供給口 13 負圧発生部材 14 連通管(気液交換通路) 15 大気連通口 50 インク収納室 51 筐体(外壁) 52 インク導出口 53 インク収納部 54 内壁 55 外気連通口 56 ピンチオフ部 57 密閉手段 60 記録ヘッド部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 須釜 定之 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 金田 智之 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 奥原 宏文 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2C056 EA26 KC01 KC09 KC11 KC14 KC16

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 密閉空間内に液体を収納する液体収納部
    を有する液体供給容器と、該容器との連通部を介し前記
    液体収納部内に気体を導入して液体を導出させる気液交
    換を生じせしめることのできる負圧発生部材収納容器
    と、を用いる液体供給システムであって、 前記連通部が複数設けられ、それぞれ気液交換可能とさ
    れていることを特徴とする液体供給システム。
  2. 【請求項2】 前記複数の連通部が同一の液体供給容器
    の液体収納部に連通していることを特徴とする請求項1
    記載の液体供給システム。
  3. 【請求項3】 前記複数の連通部がそれぞれ個別の液体
    供給容器の液体収納部に連通していることを特徴とする
    請求項1記載の液体供給システム。
  4. 【請求項4】 前記液体供給容器が負圧発生部材収納容
    器に対して分離可能とされていることを特徴とする請求
    項1、2または3記載の液体供給システム。
  5. 【請求項5】 前記液体供給容器の液体収納部が液体導
    出に伴い変形し、負圧発生可能とされていることを特徴
    とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の液体供給シ
    ステム。
  6. 【請求項6】 前記複数の連通部に気体優先導入路と液
    体導入路がそれぞれ設けられていることを特徴とする請
    求項1〜5のいずれか1項に記載の液体供給システム。
  7. 【請求項7】 前記負圧発生部材収納容器の液体供給口
    からの液体導出量に応じて前記複数の連通部からの液体
    供給量を制御することを特徴とする請求項1〜6のいず
    れか1項に記載の液体供給システム。
  8. 【請求項8】 密閉空間内に液体を収納する液体収納部
    を有する液体供給容器と、該容器との連通部を介し前記
    液体収納部内に気体を導入して液体を導出させる気液交
    換を生じせしめることのできる負圧発生部材収納容器
    と、を用いる液体供給システムであって、 前記連通部が複数設けられ、該複数の連通部が同一の液
    体供給容器の液体収納部に連通し、該液体供給容器が負
    圧発生部材収納容器に対して分離可能とされ、前記複数
    の連通部の高さが略同一とされていることを特徴とする
    液体供給システム。
  9. 【請求項9】 前記液体供給容器の液体収納部が液体導
    出に伴い変形し、負圧発生可能とされていることを特徴
    とする請求項8記載の液体供給システム。
  10. 【請求項10】 密閉空間内に液体を収納する液体収納
    部を有する液体供給容器と、該容器との連通部を介し前
    記液体収納部内に気体を導入して液体を導出させる気液
    交換を生じせしめることのできる負圧発生部材収納容器
    と、を用いる液体供給システムであって、 前記連通部が複数設けられ、該複数の連通部がそれぞれ
    個別の液体供給容器の液体収納部に連通し、該液体供給
    容器が負圧発生部材収納容器に対して分離可能されてい
    ることを特徴とする液体供給システム。
  11. 【請求項11】 前記液体供給容器の液体収納部が液体
    導出に伴い変形し、負圧発生可能とされていることを特
    徴とする請求項10記載の液体供給システム。
  12. 【請求項12】 前記個別の液体供給容器の大きさが同
    じであることを特徴とする請求項11記載の液体供給シ
    ステム。
  13. 【請求項13】 前記複数の連通部の高さが略同一であ
    ることを特徴とする請求項10、11または12記載の
    液体供給システム。
  14. 【請求項14】 前記複数の連通部の高さが互いに異な
    ることを特徴とする請求項10、11または12記載の
    液体供給システム。
  15. 【請求項15】 密閉空間内に液体を収納する液体収納
    部を有する液体供給容器と、該液体供給容器に対して着
    脱可能であるとともに、該容器との連通部を介し前記液
    体収納部内に気体を導入して液体を導出させる気液交換
    を生じせしめることのできる負圧発生部材収納容器とを
    用い、前記液体供給容器が負圧発生部材収納容器の上方
    に装着されている液体供給システムであって、 前記連通部が複数設けられ、前記液体供給容器の液体収
    納部が負圧発生部材収納容器に対して分離可能とされて
    いることを特徴とする液体供給システム。
  16. 【請求項16】 前記液体供給容器の液体収納部が液体
    導出に伴い変形し、 負圧発生可能とされていることを特徴とする請求項15
    記載の液体供給システム。
  17. 【請求項17】 前記複数の連通部が同一の液体供給容
    器に連通していることを特徴とする請求項15または1
    6記載の液体供給システム。
  18. 【請求項18】 前記複数の連通部がそれぞれ個別の液
    体供給容器に連通していることを特徴とする請求項15
    または16記載の液体供給システム。
  19. 【請求項19】 請求項8に記載されている液体供給シ
    ステムに用いられる液体供給容器であって、該容器に負
    圧発生部材収納容器との連通部が2つ設けられているこ
    とを特徴とする液体供給容器。
  20. 【請求項20】 請求項15に記載されている液体供給
    システムに用いられる液体供給容器であって、該容器に
    負圧発生部材収納容器との連通部が2つ設けられている
    ことを特徴とする液体供給容器。
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