JP3720586B2 - インクタンク、該インクタンクに用いられるインク吸収体、及びインクタンクの製造方法 - Google Patents

インクタンク、該インクタンクに用いられるインク吸収体、及びインクタンクの製造方法 Download PDF

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    • B41J2/17513Inner structure

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェット記録装置に用いられる液体貯溜手段としてのインクタンク、該インクタンクに用いられる負圧発生手段としてのインク吸収体、及びインクタンクの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、インクジェット記録装置に用いられるインクタンクには、その供給口からインクジェット記録ヘッドへのインク供給性を良好なものにするとともに液体貯溜手段として機能させるために、ウレタンフォームやフェルトなどのインク吸収体を備え、この部材の毛管力を利用して負圧を発生させる構成が知られている。ところで、近年ではカラー化、高画質化に伴いインクジェット記録装置が大幅に普及すると共に使用済みのインクタンクが増加する傾向にある。そこで、使用済みインクタンクのリユースやリサイクルといった、環境問題に対する対応が求められている。
【0003】
特に原料としてのリサイクルを行なう場合の対応策の一つとしては、インクタンクの構成部品がリサイクル可能な材料であること、異なる材料からなる部品の点数が少ないことが好ましい。このため、記録ヘッドとインクタンクとがカートリッジ化されているインクジェットカートリッジにおいては、記録ヘッド部とインクタンク部(インクカートリッジ)とが分離可能であることが望ましい。
【0004】
本出願人は、特開平8-20115号公報において、インクタンクのインク吸収体として、熱可塑性を有するオレフィン系樹脂からなる繊維を用いたインクタンクを提案している。このインクタンクはインクの貯蔵安定性に優れるとともに、インクタンク筐体と繊維体材料とが同種の材料からなるためリサイクル性にも優れている。
【0005】
さらに、上記公報において、本出願人は、カートリッジ容器の内壁に沿って径の小さい繊維を袋状に配置し、その内側に繊維径のより大きい繊維を配置する構成を提案している。
【0006】
一方、特開平7-47688号公報には、気泡混入やゴミの混入によるインク流路の阻害を防止し、良好な印字結果を得るために、押圧状態において少なくとも供給路となる面の表面が加熱溶融され、開口径が収縮されたインク吸収体を備えるインクタンクを開示する。
【0007】
上記公報によれば、インクタンクの側壁と隣接する面についても開口径を収縮した表面とすることで、以下のような問題にも対処することができるとしている。その問題とは、インクタンク側面の内壁と、インク吸収体の側面とが密接された部分の界面にできる空気層が、インク消費時に吸収体内部に気泡として進入し、画質欠陥を生じさせたり、インク供給不良を起こすという問題である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、本発明者らが上述の特開平7-47688号公報の構成を試作したところ、上述の問題を解決することができず、インク供給不良になる場合があることが判明した。これはインク吸収体表面を加熱溶融しても上述の空気層そのものは残るためであると考えられる。
【0009】
そこで、本発明者らは、環境問題に適応可能な形態で、かつ上述の課題を解決する構成を鋭意検討した結果、熱可塑性材料からなるインク吸収体の一部を加熱溶融してインクの移動を遮断する層を形成する、という新規な思想から本発明を想起するに至った。
【0010】
本発明は上記知見に基づきなされたもので、その目的は以下のとおりである。本発明の第1の目的は、リサイクル性に優れると共にインク吸収体表面からの気泡の侵入を防止するインクタンクを提供することである。
【0011】
本発明の第2の目的は、上記第1の目的に加えて、記録ヘッド部や記録装置との着脱を繰り返しても確実に結合可能であり、安定したインク供給を実現できるインクタンクを提供することである。
【0012】
本発明の第3の目的は、上記各目的と合わせて、あるいは単独で、インク供給時のインク吸収体内の供給口へのインク移動を規制することで、安定したインク供給を実現するインクタンクを提供することである。
【0013】
加えて、本発明の残りの目的は、上述の各目的を達成するためのインク吸収体や、インクタンクの製造方法、部品点数が少なく信頼性の高い物流時の形態等、関連する諸発明を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の具体的な目的は、以下の構成から理解できよう。
【0015】
本発明によるインクタンクは、インクを保持し負圧を生じることの可能なインク吸収体と、
該インク吸収体を収容するとともにインク供給部と大気連通部とを備える筐体と、を備えるインクタンクにおいて、
前記インク吸収体は熱可塑性材料からなり、該吸収体の表層に該表層加熱溶融されることで形成されたインク遮断層を有し、
該インク遮断層はインク吸収体内に収納されるインクの外部への移動を阻止するとともに、少なくとも前記筐体の前記インク供給部を有する面がインク遮断層により形成されたことを特徴とするものである。
【0016】
上述のインクタンクによれば、インクタンク筐体の一部とインク吸収体とが一体化しており、一体化した部分では壁(筐体)と吸収体との隙間がないことにより、壁と吸収体との間からの空気の侵入によるインク供給不良を防止することができる。
【0017】
そして、インク吸収体が熱可塑性材料から構成されていることで、リサイクル性に優れている。従って、上記第1の目的を達成するインクタンクを提供することができる。
【0018】
上述のインクタンクのより望ましい構成としては、次のようなものが挙げられる。
【0019】
上述のインクタンクにおいて、筐体のインク供給部を有する面がインク遮断層により形成されていることにより、供給部に設けられている吸収体が、インクタンクの着脱を繰り返しても位置ズレすることがなくなる。従って、上記第2の目的を達成するインクタンクを提供することができる。
【0020】
さらに、筐体が全て上述のインク遮断層により形成されていると、インクタンク筐体とインク吸収体との隙間は全てなくなるので、上記第1の目的を達成するより望ましい構成となると同時に、供給口を有する面についてもインク遮断層により形成されることで、上記第2の目的も達成するインクタンクを提供することができる。
【0021】
特に、筐体が全てインク遮断層により形成されている構成において、インク供給部及び大気連通部がインク遮断層により開封可能にシールされていると、物流時など使用開始前のインクタンクのパッケージとして、部品点数を増やすことなくかつ信頼性の高い構成を提供することができる。
【0022】
一方、本発明の他の形態によるインクタンクは、インクを保持し負圧を生じることの可能なインク吸収体と、インク供給部と、大気連通部と、を備えるインクタンクにおいて、
前記インク吸収体は熱可塑性材料からなるとともに、内部または表面の一部に該インク吸収体を加熱溶融することで形成されたインク遮断層を有し、
該インク遮断層は、少なくとも前記インクタンクの筐体の前記インク供給部を有する面を形成し、インク吸収体内に収納されるインクの移動を阻止することを特徴とする。
【0023】
上述のインクタンクによれば、インク遮断層によりインクの移動が阻止されることで、インク供給時のインク吸収体内の供給口へのインク移動を規制することができるので、上記第3の目的を達成するインクタンクを提供することができる。上述の各構成において、インク遮断層のインク吸収体内側の領域に、吸収体内部に比べ平均空隙率の小さい境界層を有することは望ましい。
【0024】
また、本発明は上述のインクタンクに用いられるインク吸収体や、本発明のインクタンクの製造方法をも提供するものである。
【0025】
本発明によるインク吸収体は、インクタンクに収容されインクを保持するとともに負圧を発生可能なインク吸収体において、
熱可塑性材料からなり、内部または表層に該インク吸収体を加熱溶融されることで形成されたインク遮断層を有し、該インク遮断層はインク吸収体内に収納されるインクの移動を阻止し、かつ少なくとも前記インクタンクの筐体のインク供給部を有する面を構成することを特徴とするものである。
【0026】
本発明によるインクタンクの製造方法は、インクを貯留し負圧を生じることの可能なインク吸収体と、該インク吸収体を収納する筐体と、を有するインクタンクの製造方法において、
熱可塑性材料から成るインク吸収体を用意する工程と、
該インク吸収体の表層の一部を加熱溶融し、少なくとも前記インクタンクの筐体のインク供給部を有する面を、インクの移動を阻止するインク遮断層とする工程と、を有することを特徴とするものである。
【0027】
なお、上述のインク吸収体を用意する工程の後に、インク吸収体の表層の少なくとも一部を加熱溶融するとともに冷却時に圧力を加えることで、インク吸収体内部に比べ平均空隙率の小さい境界層を形成する工程をさらに有することは望ましい。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施例の詳細を、図面に基づいて詳細に説明する。
【0029】
(第1実施例)
図1に、本発明の第1実施例にかかるインクタンクを示す。図1は、本発明の第1実施例のインクタンクの概略切断斜視図を示す。
【0030】
図1に示すインクタンク20において、1は記録するためのインクを保持する負圧発生部材としてのインク吸収体、3は負圧発生部材に収容されるインクを外部に供給するためのインク供給口、4はインクジェット記録装置へインクタンクを装着するための装着用突起、5は負圧発生部材に大気を導入するための大気連通口である。装着用突起4については、設ける必要がなければ設けなくてもよい。
【0031】
インクタンク20はインク供給口3において、インクジェットヘッド部32と着脱自在に構成されており、このインクジェットヘッド部32は、インクタンクに収容されたインクを吐出する吐出ヘッド部30と、インクタンクから吐出ヘッド部へインクを供給するためのインク供給管31と、を備えている。記録ヘッド部については本実施例では着脱自在な構成となっているが、インクタンクと常時一体のものでもよい。
【0032】
本発明のインクタンク20では、インク吸収体1はポリプロピレン繊維など、熱可塑性樹脂材料からなる繊維体より構成されており、その表層は、インク供給口及び大気連通口を除き、加熱溶融されて形成されたインク遮断層2となっており、このインク遮断層がインクタンクの筐体をなすように構成されている。
【0033】
インク遮断層の厚さtは、筐体の強度等の観点から、本実施例では約1.5mm程度である。この層は加熱溶融によって溶け出された繊維材料が、負圧発生部材の毛管力等により負圧発生部材の表層近傍の繊維間に流れ込んで、負圧発生部材表層近傍のインク保持空間を埋めることで壁面状になっており、この壁面を介したインクの往来を遮断する。
【0034】
図1に示す切断面で見た場合、必ずしもインク遮断層2の全ての領域において、インク遮断層2を形成する熱可塑性材料が密(中実)である必要はなく、微小な空間(巣)を有していてもよい。また、インク遮断層の厚さは均一である必要はない。
【0035】
なお、後述する製造方法によっては、インク遮断層のインク吸収体内側の領域に、前記吸収体内部に比べ空隙率(単位体積あたりの空間の占める割合)の小さい境界層を有する構成となる場合があるが、これについては後述する。
【0036】
本構成によれば、インクタンクの筐体が負圧発生部材と一体的に形成され、分離不能に構成されている。従って、筺体のインク供給口を有する面が負圧発生部材と一体化しているので、記録ヘッド部が着脱自在であっても、供給口に面する負圧発生部材は着脱の繰り返しによって位置が変わることがない。そのため、インクジェットヘッド部とインクタンクとの着脱を繰り返す場合においても、インク供給管31をインク吸収体1に押圧する際、インク供給管に負圧発生部材を確実に圧接することができる。
【0037】
また、従来のインクタンクのインク供給口部等における、インクタンクの筐体とインク吸収体との隙間について、負圧発生部材の表層を加工して筐体としている部分については、その隙間が存在しなくなる。このため、本実施例の構造によれば、壁と吸収体との間の隙間からの空気の浸入を考慮する必要がなくなるので、壁と吸収体との間からの空気の侵入によるインク供給不良を防止することができる。
【0038】
また、インク吸収体と筐体とを一体化する構造をとることにより、落下などによる衝撃により、インク吸収体が筐体に対して移動することがなくなるため、インクジェット記録ヘッド部へのインク供給性能に支障をきたすことはない。
【0039】
次に、本発明のインクタンクの製造方法について説明する。
【0040】
図2(a)に、加工前のインク吸収体1を示す。本実施例におけるインク吸収体は、ポリプロピレン繊維からなり、繊維径30μm、繊維密度0.1g/cm3である。このインク吸収体1は繊維の集合体であり、その繊維間の毛管力によりインクを保持するものである。この時のインク吸収体の表面は、内部と同様、繊維間には空間を有している。
【0041】
ここで、インク吸収体を構成する材料としては、容易に加熱溶融可能な熱可塑性樹脂材料で、特に熱伝導率の低い繊維材料がより好ましい。これは、熱伝導率が低いと、加熱部のみを容易に加熱溶融できるため、インク遮断層の厚さの調節が容易に行なえるためである。また、インク吸収体として繊維材料を利用することで、インクジェット記録ヘッドに対して好適な負圧を発生するための所望の密度を有するインク吸収体を容易に用意することができる。このようなインク吸収体の製造方法としては、特開平9-183236号公報に記載されている製造方法等を好適に利用することができる。
【0042】
このように、本発明のインク吸収体は熱可塑性材料により構成されることで、使用後の容器を回収し、原料として再利用することができるので、リサイクル性も向上させることができる。
【0043】
また、リサイクル性を低減させない範囲で、例えばポリプロピレン繊維とポリエチレン繊維を所望の混合比で混ぜたものなど、複数種類の繊維材料を用いてもよく、また、繊維径も異なるものを使用してもよい。インクに対する接液性の観点からは、上述したポリエチレン繊維やポリプロピレン繊維といった、ポリオレフィン系の材料を使用することが望ましい。また、繊維状ではなく、発泡体形状のものであっても、表面を加熱溶融することでインク遮断層を形成できるものであれば、本発明を適用できることは言うまでもない。熱可塑性樹脂からなる繊維を用いる場合には、通常のインジェクション成形などに比べ、結晶性の高い材料におけるガス透過性を低減させる、すなわちガスの透過をしにくくすることができる。これは、繊維の場合、紡糸工程において材料となる樹脂は延伸されているので、インク遮断層形成時に樹脂の融点程度の熱は経験するものの、通常のインジェクション成形に比べて低い温度であるため、最終的に形成されるインク遮断層の結晶化度が高く保たれるためと考えられる。
【0044】
次に、上述のインク吸収体の表面を加熱溶融させることで、インク遮断層を設ける。図2(a)〜(c)及び図3(a)〜(h)はそれぞれ、インク遮断層を設ける工程を説明するための説明図である。
【0045】
インク吸収体1は、インク遮断層2を形成する工程において、その表面を加熱溶融して空隙部を充填させるために、体積が収縮する。そのため、図2(a)において用意されるインク吸収体の大きさは、所望のインクタンクの大きさより大きめに作られていることが望ましい。
【0046】
まず、図2(b)及び図2(c)に示すように、大気連通口を設ける面を形成する。
【0047】
図2(b)は大気連通口を形成するための型41の断面図を示しており、熱伝導性に優れた材料により構成される型の底面11には、前述のインクジェット記録装置への装着に利用される突起4をインクタンク外面に形成するための凹形状12が設けられている。また、大気連通口の部分には、熱伝導性の低い槍状の大気連通口形成部材13が設けられており、大気連通口を形成する際、この部分が加熱溶融されないようになっている。
【0048】
図2(c)に示すように、図2(a)に示すインク吸収体1を型41に挿入する。その後、インク吸収体の上部から蓋14等を利用して軽く圧力を加えつつ、型の底面11をヒータ等を用いて、インク吸収体を構成する材料の融点以上の温度(複数の材料が交じっている場合には最も高い融点以上の温度が望ましい)で一定時間加熱し、インク遮断層を形成する。この後、型を冷却して、インク吸収体を型から取り外すことで、大気連通口、及び突起を有する筐体の一面を形成することができる。
【0049】
なお、この時の加熱温度について、複数種類の材料で構成されている場合は少なくとも最も融点の低い材料の融点以上の温度であればよい。これは繊維間の隙間を埋めることができるためである。ただし、単位体積あたりの空間の割合が大きいインク吸収体の場合には、インク保持空間となる隙間を埋めるために必要な熱可塑性材料の量が増えるため、最も融点の高い材料の融点以上の温度にすることが望ましい。
【0050】
ここで、突起4について、本実施例の場合は突起の大きさがインクタンク全体の大きさに比べ小さいために、用意するインク吸収体はほぼ直方体形状をなしているが、突起の部分がインクタンクの容積に比べ大きい場合、用意するインク吸収体の形状が、対応箇所にも凸部を有する形状であるほうがより望ましい。
【0051】
次に、図3(a)〜(c)に示すように、他の面を形成する。
【0052】
図3(a)は、インク吸収体の対向する側面を加熱する型42の断面図である。図2(b)と同様、図3(a)に示す型も底面15は熱伝導性に優れた材料により構成される。まず、図3(b)において、インク吸収体の側面のうち、加熱溶融されていない面を下側にして型に挿入する。大気連通口を有する面を形成した時と同様に、上から蓋16等で軽く圧力を加えつつ、型の底面15をヒータなどで加熱し、一定時間加熱することで、インク遮断層2を形成する。
【0053】
その後、図3(c)に示すように、180度反転させ、反対側の面について同様に、インク遮断層を形成する。
【0054】
次に、図3(d)〜図3(f)に示すように、インク吸収体の側面の残りの2面について、インク遮断層を形成する。図3(d)は、インク吸収体の対向する側面を加熱する型43の断面図である。図3(a)と同様、図3(d)に示す型も底面17は熱伝導性に優れた材料により構成される。まず、図3(e)において、インク吸収体の側面のうち、加熱溶融されていない面を下側にして型に挿入する。大気連通口を有する面を形成した時と同様に、上から蓋18等で軽く圧力を加えつつ、型の底面17をヒータなどで加熱し、一定時間加熱することで、インク遮断層2を形成する。その後、図3(f)に示すように、180度反転させ、反対側の面について同様に、インク遮断層を形成する。
【0055】
以上の作業により、インク供給口を有する面以外の面について、インク遮断層の形成が行なわれる。
【0056】
次に、図3(g)〜(h)に示すように、インク供給口を有する面について加工を行なう。
【0057】
図3(g)は型の断面図であり、図2及び図3の他の図に示す型と同様、図3(g)に示す型も底面19は熱伝導性に優れた材料により構成される。図3(h)に示すように、他の面の加工の終わったインク吸収体1を型44内に挿入し、インク吸収体の上部から蓋21等で軽く圧力を加えつつ、型の底面19をヒータなどを用いて加熱し、インク遮断層を形成する。
【0058】
冷却後、型から取り出した後に、インク供給口となる部分についてインク遮断層を全て切り欠くことでインク供給口となる部分を設ける。このようにインク遮断層を切り欠くほかに、前述の大気連通口を設けるのと同様の方法により設けてもよい。
【0059】
以上のようにインク遮断層を設け、筐体を完成させた後に、インク吸収体にインクを充填する。本実施例においては、インクタンクに注入されるインクは全てインク吸収体中に保持されることになり、インク吸収体と筐体との微小な隙間に存在するいわゆる自由インクは発生しなくなる。また、インクタンク壁面と吸収体とにより形成される閉空間に存在する空気を考慮に入れる必要がないため、温度変化や気圧の変化などの環境変化を受けた場合でも、従来のインクタンクに比べインク吸収体中の大気連通口近傍のバッファ領域を少なくすることができ、筐体とインク吸収体との隙間が存在しないこととあわせ、結果として空間使用効率の高いインクタンクを提供することができる。
【0060】
なお、インクの充填方法としては、加圧注入、減圧注入のいずれの方法であってもよい。また、注入箇所としては、インク供給口から注入すると、インク供給口近傍に確実にインクを充填できるので望ましい。
【0061】
以上説明した本発明のインクタンクの製造方法においては、所望の負圧を発生することができるように、インク吸収体を予め所望の繊維密度及び形状に成形した後に、インク遮断層の形成を行なっている。これは、後述するインク遮断層の厚みのコントロールや、境界層の形成、製造装置における取り扱い性が向上するので望ましい。これらを必要としない場合には、インク遮断層の形成と同時にインク吸収体の繊維密度の調整及び形状の成形を行なってもよい。
【0062】
また、インク遮断層の製造順については、本実施例ではインク遮断層を大気連通口を設ける面から形成しているが、本実施例に限る必要はなく、どの面から形成してもよい。また、複数の面、或いは全ての面について一括してインク遮断層を設けてもよい。ただし、複数の面について同時にインク遮断層を設ける場合には、互いに隣接しない面同士について同時に作業することが製造時間を短くする点で望ましい。
【0063】
また、本実施例では、略直方体形状のインクタンクの製造方法について説明したが、適用されるインクタンクの形状としては直方体形状の限られることなく、円柱形状など任意の形状であってもよい。
【0064】
さらに、インク遮断層の物理的強度を高めるために、型に外方或いは内方に突出する溝(リブ)を設け、加熱溶融時にインク遮断層に転写するようにしてもよい。
【0065】
従来のインクタンクの製造方法においては、筐体を射出成形などを利用して作成する際に、抜き勾配を設ける必要があり、タンク形状についてもテーパをつけなければならないなどの制約があった。特に成形収縮の大きい樹脂、例えば結晶化樹脂などにおいては、このテーパを大きく設ける必要があった。しかし、本発明のインクタンクの構成によれば、インク遮断層を筐体として用いることができるため、従来の製造に対して型の形状を変更させることで、複雑な形状のインクタンクをも容易に形成することが可能であり、インクタンクの設計の自由度を広げることもできる。また、部品点数そのものを減少させることができるので、リサイクル性に優れるインクタンクを提供することが可能である。
【0066】
なお、インク遮断層の製造工程において、図4に示すように、インク吸収体1と型の加熱面11との間に、例えばアルミ箔のような、熱容量が小さくインク吸収体及び型と分離可能な剥離部材50を用いてもよい。このような剥離部材を用いて間接的にインク吸収体を加熱させることで、前述の型の冷却工程を行なうことのかわりに、剥離部材ごと型から剥離させ、剥離部材を冷却させることでインク吸収体を容易に型から取り外すことができる。従って、型を暖めなおす必要もなく、また、型には伝熱特性を優先する材料を使用し、剥離部材には吸収体に対して剥離しやすい材料を選択することで、生産性が向上する。
【0067】
また、上述の実施例ではいずれも加熱は型をとおして行っているが、間接的にインク遮断層を形成する面を加熱する方法としては、インク吸収体に熱風を吹き付けるなどして型を介さずに行なってもよい。
【0068】
次に、本発明の特徴である、インク遮断層2の厚さについて説明する。
【0069】
図1に示す本発明のインク遮断層2の厚さtは、加熱温度、加熱時間、インク吸収体の空隙率、型とインク吸収体との圧接力等により、容易にその厚みを変化させることが可能である。上述の製造方法において検討した結果、繊維方向には依存しなかった。
【0070】
加熱温度と加熱時間との関係については、加熱温度がインク吸収体を構成する熱可塑性材料の融点より高い範囲内で、温度が低いときよりも高い時のほうが、同一時間で形成されるインク遮断層は厚くなる。また、同一の加熱温度であれば、加熱時間の長いほうが形成されるインク遮断層は厚くなることがわかった。
また、インク吸収体の空隙率とインク遮断層との関係は、空隙率が減少すると(繊維の占める割合が大きくなる)と、溶融した樹脂が入り込む隙間の総和が小さくなるので、同一時間で形成されるインク遮断層は厚くなる。一方、インク吸収体の空隙率が同じ場合、繊維の断面平均径が大きくなると、同一時間で形成されるインク遮断層は厚くなる。
【0071】
なお、インク吸収体の表層を加熱溶融した際に、表層がインク遮断層として機能するための最少の厚さは、使用する熱可塑性材料の表面張力や、溶融樹脂に対する型の濡れ性などの諸条件により変化するが、実用上は、表層における巣が少ないほど、薄いインク遮断層を形成することができる。
【0072】
本発明者らの検討によれば、特にインク吸収体を熱可塑性樹脂からなる繊維材料で構成する場合、インク吸収体の空隙率や繊維の断面径によによっても変化する。すなわち、空隙率が減少する(繊維の占める割合が大きくなる)と、溶融した樹脂が入り込む隙間の総和が小さくなるので、巣が少ない薄いインク遮断層を形成することができる。一方、インク吸収体の空隙率が同じ場合、繊維の断面平均径が小さくなると、平均断面径が大きい場合に比べ、小さな隙間がたくさん存在していることになる。このような小さな隙間は溶融樹脂で埋めやすいので、結果として、繊維の断面平均径が小さいほうが、巣が少ない薄いインク遮断層を形成することができる。
【0073】
以上の結果を利用して、それぞれのインク吸収体に応じて最少厚さ以上の所望の厚さのインク遮断層を得ることができるが、実用上は耐衝撃性やハンドリング性(ユーザーが取り扱う際の筐体としての強度)などを考慮し、インク遮断層の厚さとして、約1mm以上になるように成形することが望ましい。特に、大型のインクタンクでは、耐衝撃性を高めるために、インク遮断層の厚さを厚くすることがより望ましい。
【0074】
次に、上述したインク遮断層とインク吸収体内部との境界領域について図5を用いて説明する。
【0075】
上述した製造方法を用いて、直径30μm、重量密度0.1g/cm3のポリプロピレン樹脂繊維(融点180℃)からなるインク吸収体を用意し、加熱温度200℃、加熱時間30秒程度で5kgf.程度の圧力をかけて、図1に示すようなインク遮断層を有するインクタンクを作成した。インク供給口の作成は、インク遮断層形成後、遮断層を切削することで形成した。
【0076】
そして、図1の切断面における断面図である図5(a)のAで示す領域について、SEM(走査電子顕微鏡)で観察したところ、図5(b)に示す模式図のように、インク遮断層2とインク吸収体内部6bとの間に、インク遮断層ともインク吸収体内部とも異なる領域(以下、境界層と称する)6aがあることが分かった。ここで、上述のインクタンクでは、インク遮断層2の平均厚さ0.9mmに対し、この境界層6aの平均厚さは2mm程度であった。
【0077】
図5(c)、(d)、(e)はそれぞれ、図5(b)の模式図により示されるインク遮断層2、境界層6a、インク吸収体内部領域6bをSEMで見た時の繊維7(斜線で示す)と空間8との様子を示す説明図である。
【0078】
ここで、図5(c)に示すインク遮断層は、前述したように、所々に空間8が巣として存在するが、これらは独立した閉空間となっており、外部へのインクの流出は溶融された繊維7により遮断されている。一方、図5(e)に示すインク吸収体内部領域6bでは、繊維7同士の隙間8による毛管力によりインク吸収体はインクを保持することができる。
【0079】
これに対し、図5(d)に示す境界層6aは、図5(e)に示すインク吸収体内部領域6bに比べ、単位体積当りの繊維7の本数が多く、かつ、繊維7同士の隙間8が一部の繊維が溶融することで狭くなっている。すなわち、境界層は吸収体内部に比べ空隙率が小さくなっており、インク吸収体内部に比べ毛管力及びインクの浸透力が高くなっている。
【0080】
本実施例のインクタンクでは、大気連通口及びインク供給口を除く吸収体の表層にインク遮断層を備えるとともに、このインク遮断層のインク吸収体側の領域に上述した境界層を有している。また、インク供給口部のインク吸収体の表面には、上述した境界層が切削されることなく残っている。
【0081】
従って、インクタンクの姿勢に関わらず、インク吸収体内部(境界層に比べ相対的に毛管力が低いが単位体積あたりのインク保持量(インク保持効率)に優れる)に保持されるインクは、境界層を経て、確実に外部に供給することができるので、インク吸収体に収容されるインクの使用効率を高めることができる。ここで、境界層は筐体としてのインク遮断層と一体化されているので、筐体と吸収体との隙間から空気が進入しないこと、筐体と吸収体との隙間による閉空間が形成されないので、上述の液体供給動作時の境界層を経るインク移動をより確実且つ安定的に行うことができる。この場合、インクの供給性を重視すると、各面での境界層の毛管力は同程度であることが望ましい。
【0082】
また、記録ヘッド部32がインクタンクに対して着脱自在な構成では、インク供給口部のインク吸収体の表面に上述した境界層が切削されることなく残っていることで、ヘッド部の着脱に関わらず、インク供給口部に常にインクを供給させることができる。そのため、記録ヘッド部のインク供給管の押し込み量を少なくすることができるという利点がある。押し込み量が少ないと記録ヘッドとインクタンクとの着脱時に、空気をインク供給口に引き込む可能性は少なくなり、また、表面部分はインクによりメニスカスが形成されるので、インクカートリッジから記録ヘッドへのインク供給経路は良好に形成される。
【0083】
なお、各面に形成される境界層について、1面のみ通常のインクジェット記録装置による回復動作でもインク移動が起こらない程度の高い保持力を持たせるようにするとともに、インク遮断層が半透明になるような材料を選択することで、この面と他の面との色の違いから視覚的にインク保持量をユーザに認知させるようにしてもよい。
【0084】
次に、境界層の形成条件について説明する。
【0085】
本発明の境界層自体は、インク遮断層の形成に関係なく、インク吸収体の境界層を作成したい面を加熱溶融し、圧力を加えつつ冷却することで形成することができる。もちろん加熱溶融中にも圧力を加えていてもよい。境界層の平均空隙率は、一般的に加える圧力が大きいほど平均空隙率が小さくなる。また、境界層の厚みは、一般的に加熱時間が長いほど厚くなる。
【0086】
しかし、本実施例のように、型の加熱温度を熱可塑性材料の融点以上に設定し、インク遮断層形成工程時に圧力を加えることで、インク遮断層と同時にインク遮断層に隣接する境界層を同時に成形することができ、工程数を削減することができる。
【0087】
また、同一の型にいれたまま、型の加熱温度を変化させ、インク遮断層形成時には圧力をかけずに実質的にインク遮断層のみを形成し、それより型の加熱温度が低いときに圧力をかけることでインク境界層を形成させてもよい。この場合、型から取り出すことなく連続的にインク遮断層及び境界層を形成することができるので、複雑な工程を増やすことなくそれぞれインク遮断層及び境界層を所望の厚みに形成することができる。例えば、直径30μm、0.1g/cm3のポリプロピレン(融点180℃)を芯材としてポリエチレン(融点132℃)をそのまわりに鞘状に配置した混合繊維(混合比1:1)を用いた場合、はじめに加熱温度200℃で約1分間加熱して1.5mmのインク遮断層を形成した後、170℃で5分間加熱し、冷却時に5kgfで15秒間押圧することで、1.5mmの境界層を形成することができた。
【0088】
インク遮断層及び境界層のどちらを先に形成してもよいが、厚みのある境界層(例えば0.5mm以上)を隣接する複数の面に形成する場合には、加圧時にインク遮断層が邪魔にならないように境界層から先に形成するか、同時に形成することが望ましい。
【0089】
ここで、構成される熱可塑性樹脂の種類により加熱温度と境界層の形成条件に違いが生じる点について補足する。
【0090】
ポリエチレンやポリプロピレンなど、単一の材料からなる繊維材料によりインク吸収体が構成される場合には、繊維材料を構成する熱可塑性樹脂の融点以下で軟化点(熱変形温度)以上の温度に加熱された領域が境界層を形成することになる。この領域では加熱されることで繊維が軟化し、その後圧力を加えられると繊維間の距離が他の領域に比べ短くなる。その状態を保ったまま冷却されることで繊維が硬化し、境界層を形成することになる。従って、加熱温度と平均空隙率との関係は、圧力が一定であれば繊維材料を構成する熱可塑性樹脂の融点以下の温度の範囲内で高い方が平均空隙率が小さくなる。
【0091】
一方、ポリプロピレンとポリエチレンのそれぞれの繊維を混紡した混紡繊維や、相対的に融点の高い材料を軸としてそのまわりに相対的に融点の低い材料を鞘状に一体的に配置した繊維(以下、2軸状繊維、と称する)のように複数の材料からなる繊維材料によりインク吸収体が構成される場合には、以下のようになる。
【0092】
すなわち、インク吸収体を構成する材料のうち最も融点の低い材料の融点より加熱温度が低ければ、単一の材料からなる繊維材料の場合と同じ原理で境界層が形成されることになるが、この温度で軟化する材料が少ないなど、材料の混合率によっては十分に形成されない場合がある。加熱温度が最も融点の低い材料の融点と、最も融点の高い材料の融点との間の場合には、融点の低い一部の樹脂が溶融して繊維間の隙間の一部を埋めることになるので、平均空隙率の小さい境界層を容易に形成することができる。この範囲内でも、加熱温度が高い方が平均空隙率が小さくなる。なお、最も融点の高い材料の軟化点は、最も融点の低い材料の融点と同じ程度か、なるべく近い方が望ましい。
【0093】
ここで、最も融点の低い材料の融点と、最も融点の高い材料の融点との差については、特に境界層形成時の加熱温度をなるべく最も融点の高い材料の融点に近づける場合にはある範囲内にあることが望ましい。これはあまりに温度差がないと通常の製造工程における温度管理の範囲では全ての樹脂が溶融状態になり、境界層を形成することが難しいこと、逆に温度差が大きすぎると、インク吸収体の表面からかなり離れた領域まで境界層が形成可能な状態となってしまうこと、による。
【0094】
本発明者らの実験によれば、上述した2軸繊維(芯材と鞘材の割合を1:1とする)の芯材及び鞘材の組み合わせとして、▲1▼融点180℃のポリプロピレンと融点165℃のエチレンプロピレン共重合体、▲2▼融点180℃のポリプロピレンと融点130℃の高密度ポリエチレン、▲3▼融点165℃のエチレンプロピレン共重合体と融点90℃のエチレン−酢酸ビニル共重合体、▲4▼融点260℃のPET樹脂と融点130℃の高密度ポリエチレン、の4つについて境界層の形成条件を調べたところ、▲1▼、▲2▼、▲3▼では比較的容易に所望の空隙率及び厚みを有する境界層を得ることができたが、▲4▼では所望の境界層を得ることができなかった。この結果より、複数の融点の異なる材料により構成される場合のそれぞれの材料の融点の温度差は、実用上10℃以上80℃以下の範囲であることが望ましい。
【0095】
なお、2つの融点の異なる材料により構成されている場合には、単純に混紡繊維を用いるよりも、2軸繊維を用いた方が、平均空隙率の小さい境界層を容易に形成することができる。これは、2軸繊維を用いた方が、融点の低い方の繊維を接着剤として融点の高いほうの繊維同士の交点にばらつきなく存在させることができるためである。
【0096】
また、同じ2軸繊維でも、融点の高い材料と低い材料との割合によって境界層の形成は異なる。すなわち、芯材(融点の高い材料)の割合が大きすぎると、単一繊維の場合とほとんど変わらなくなる。これに対し、鞘材(融点の低い材料)の割合が大きすぎると、繊維間の隙間が完全に埋められてしまう恐れがある。従って、これらの割合は芯材(高融点繊維):鞘材(低融点繊維)がほぼ7:3〜5:5の範囲内であることが望ましい。
【0097】
(第2実施例)
図6に、本発明の第2実施例にかかるインクタンクを示す。本実施例では、インク供給口を有する面についてのみインク遮断層を筐体として利用している点が前述の第1実施例と異なっている。
【0098】
図6においてインクタンクは、インク吸収体のインク供給口と当接する面のみに本発明のインク遮断層2を設け、インク吸収体を筐体の残りの面を構成する凹状容器9に挿入した構成となっている。なお、凹状容器9とインク遮断層2とは、例えば超音波溶着等の手法を用いて溶着されている。
【0099】
本実施例においても、第1実施例同様、少なくとも筐体のインク供給口近傍について、筐体とインク吸収体とが一体的に形成された構造となっているために、インクジェットヘッドへインクを供給するインク導出管をインク吸収体に押圧する際に、インク吸収体が筐体から浮き上がることがなく、インク供給管のインク吸収体への押圧量を最小限にすることができる。また、本構成においても、筐体の一部とインク吸収体とが一体化しているために、耐衝撃性に優れたインクタンクを提供できることは言うまでもない。
【0100】
また、本実施例の変形例として、筐体の任意の一部について、筐体とインク吸収体とが一体的に形成された構造を持つ構成が挙げられ、耐衝撃性に優れるカートリッジを提供することができる。
【0101】
(第3実施例)
図7に本発明の第3実施例によるインクタンクの概略断面図を示す。本実施例のインクタンクは、インク供給口にインク遮断層からなる薄肉部26を設けた構成となっている。
【0102】
このようなインクタンクにおいては、図7に示すように、インクタンクをインクジェットヘッド部に装着する際に、吐出ヘッド部30に取り付けられたインク供給管31により、薄肉部26を破断開封することによりインクの供給を開始することができる。薄肉部は他のインク遮断層に比べ薄くなっているが、上述の式(2)を満たす範囲内にあるので、この部分からインクが漏れ出る恐れはない。
【0103】
このような薄肉部の作り方としては、前述した第1実施例の製造工程において、供給口を有する面を作成する時に、インク遮断層を形成後、インク供給口となる部分についてインク遮断層の一部を薄く削り取ることで製造できる。また、薄肉部を設ける場所に対応する型の部分をわずかに凸形状とし、その部分に他の場所より熱伝導性に劣る材料を使用してもよい。
【0104】
本構成におけるインクタンクは、インク遮断層からなる薄肉部を設けることで、保存物流時等使用開始前の状態におけるインク漏れ防止のための独立したシール用の部材を設ける必要がなく、包装材料を簡素化することができる。
【0105】
また、インク供給口だけでなく、大気連通口についても同様にインク遮断層による薄肉部を設けてもよい。インク供給口、及び大気連通口の双方について、インク遮断層による薄肉部を設けた場合、包装をより簡素化できるだけでなく、完全密閉状態で物流することが可能となる。この場合、インクの充填は完全密閉空間を形成する前に行なうことが望ましい。
【0106】
図8は大気連通口及びインク供給口をインク遮断層にて塞いだ本発明の第2実施例のインクタンクの変形例の使用開始前の状態を示す概略断面図である。本変形例では、使用時のユーザの利便性をはかるために、大気連通口を塞ぐインク遮断層については、切欠部24内の棒状の突起25としている。使用者は、使用開始時にこの突起を折って突起を切欠部から取り払うことにより大気連通口を開口することができる。大気連通口を塞ぐインク遮断層の形状は、使用する材料の強度や曲げに対する特性(折れにくさなど)を考慮して、適切な構造をとればよい。なお、本実施例ではインク供給口部をインク遮断層で塞いだ状態でインク充填を行ない、最後に大気連通口の部分のみ加工した。
【0107】
また、本変形例では、第1実施例で説明したように、インク遮断層のインク吸収体内側の領域に、境界層6aを有している。この境界層にインクを充填させた構成では、浸透圧による外部から吸収体内部へのインク遮断層を介した空気の侵入を著しく低減させることができる。また、境界層中のインクが外部へ蒸発した場合には、内部のインク吸収体からインクが補充されるので、上述の機能を損なうことはない。
【0108】
このように、図8に示すインクタンクは内部への空気の侵入を防止する効果を有する。従って、使用する熱可塑性樹脂としてポリプロピレンなど、熱可塑性の樹脂材料の中で空気に対するバリア性は劣っても水蒸気のバリア性に優れる材料を使用することは、単一の材料を使用しながら、外部へのインクの蒸発を最小限に押さえるとともに、外部から吸収体内部への空気の侵入を効果的に防止し、使用時に安定したインク供給を行なうことのできるインクタンクを提供することができるので、より望ましい。
【0109】
(第4実施例)
上述した実施例は、いずれもインクタンク内部に1種類の液体のみ収容可能なものであったが、複数収容可能なものであってもよい。
【0110】
図9は、本発明の第1実施例にかかるカラーインクカートリッジの概略図を示し、(a)は断面斜視図、(b)は断面図である。
【0111】
図9のカラーインクカートリッジは、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)のインクをそれぞれ吐出するインクジェットヘッド130と、該ヘッドと一体化されたインクタンク120により構成されている。インクジェットヘッド130は、図9(b)に示すように、各色に対応したインク供給管131a,131b,131cを介してインクタンク120と接続され、各インクは対応するインク供給管を介してインクジェットヘッドへと供給される。なお、本実施例ではインクタンクとインクジェットヘッドとは一体化されているが、インクジェットヘッドとインク供給管とをユニット化(ヘッドカートリッジ)し、インクタンクに対して分離可能な構成としてもよい。
【0112】
インクタンク120は、その筐体102内部に仕切り壁103a,103bを有し、この仕切り壁によって、3種類のインクを貯溜可能に構成されている。仕切り壁によって区切られた筐体内部の3つのインクを収容する領域(以下、インク収容部と称する)107a、107b、107cには、それぞれ、上記Y、M、Cのインクを保持する負圧発生部材としてのインク吸収体101a、101b、101cと、インク供給管131a、131b、131cと接続するためのインク供給口106a、106b、106c及びインク収容部内へ大気を導入するための大気連通口105a、105b、105cが設けられている。
【0113】
なお、本実施例のインクタンク120には、不図示のインクジェット記録装置に装着するための装着用突起104を筐体外部に備えているが、この突起は、インクジェット記録装置への装着の際に不要であれば、設ける必要はない。
【0114】
本実施例のインクタンク120も、インク吸収体101a、101b、101cはポリプロピレン繊維など、熱可塑性樹脂材料からなる繊維体により構成されている。そして、インク収容部を形成する筐体102、及び仕切り壁103a,103bは、インク遮断層により構成されている。
【0115】
本実施例では、インクタンクの筐体が全てインク遮断層により形成されていることにより、第1実施例と同様の効果を有するとともに、インク吸収体の間にインク遮断層を設けることにより、インク吸収体内の供給口へのインク移動を規制し、複数のインクを安定的にそれぞれの供給口へ供給することができる。なお、本実施例においても、インク遮断層のインク吸収体側の領域に境界層を設けることは好ましい。
【0116】
次に、図10から図12を用いて、本発明のインクタンクの製造方法について説明する。
【0117】
まず、図10に示すように、本発明のインクタンクのインク収容部107a、107b、107cを構成するためのインク吸収体101a、101b、101cを用意する。これらは、後述するインク遮断層の製造工程において、その表面を加熱溶融するので、接触する面に直交する方向に体積が収縮する。そのため、所望のインクタンクの大きさより大きめに作られていることが望ましい。
【0118】
次に、真ん中のインク吸収体101bに、インク遮断層からなる仕切り壁103a、103bを形成する。形成方法としては前述した第1実施例の製造工程と同様にして行なってもよい。ただし、図面上では省略されているが、吸収体の端部まで遮断層を形成するのではなく、端部は吸収体のままになるように型を加工しておくことは、103b、及び103aと隣接する面をインク遮断層で形成する上で望ましい。これは前述した各実施例における製造方法にも適用可能であり、特に境界層を作成する場合には好ましい条件の一つとなる。
【0119】
なお、仕切り壁を形成するインク遮断層は、筐体を構成するインク遮断層に比べ強度を要求されないので、その厚さt’は、前述したインク遮断層の最少厚さを満たす範囲で図9(b)に示す厚さtより薄くてもよい。
【0120】
また、吸収体単独でインク遮断層を形成するかわりに、図11(a)及び(b)に示すように、インク吸収体と同じ、あるいは互いに相溶性を有する熱可塑性樹脂からなる板状部材を利用してもよい。この場合の具体的な製造手順は以下のようになる。
【0121】
まず、図11(a)に示すように、インク吸収体101a、101b、101cと同種の熱可塑性樹脂からなる板状部材113を2枚用意する。本実施例では、板状部材113は、ポリプロピレンからなるフィルムを用いた。そして、図11(b)に示すように、このフィルムをインク吸収体101bに貼り、その表面を板状部材の溶融温度以上の温度で加熱し、インク吸収体101bと一体化させる。このようにインク遮断層を形成する場合には、部品点数が増えるものの、加熱温度及び時間を制御することで、仕切り壁の厚さを最小限にすることが出来る利点がある。なお、この方法も前述した各実施例における製造方法にも適用可能であることは言うまでもない。
【0122】
次に、図12(a)〜(d)に示すように、3つのインク吸収体を一体化すると共に、インク遮断層からなる筐体を構成する。
【0123】
図12(a)は、図10に示すインク吸収体を仕切り壁をはさんで当接させた状態を示す。次に、図12(b)に示すように、これら3つのインク吸収体を一つのものとして、インク吸収体101bにおいて仕切り壁103a、103bを設けた方法と同様に、インク遮断層からなる筐体を構成する壁面102A,102A’を成形する。その後、図12(c)、(d)に示すようにそれぞれインク遮断層からなる筐体を構成する壁面102B、102B’、102C、102C’(不図示)及びインク供給口106a、106b、106c、大気連通口、突起(不図示)を成形する。
【0124】
以上のように筐体を完成させた後に、インク吸収体にインクを充填する。
【0125】
以上説明した本発明のインクタンクの製造方法においては、インク遮断層の製造順については、インク遮断層を大気連通口を設ける面から形成しているが、本実施例に限る必要はない。また、複数の面、或いは全ての面について一括してインク遮断層を設けてもよい。
【0126】
さらに、仕切り壁については、本実施例では負圧発生部材101bに103a及び103bを形成した例で説明したが、101bに設ける代わりに、101a及び101cのそれぞれ101bと当接する面に形成してもよいことは言うまでもない。
【0127】
また、図12(a)に示される吸収体を得るためには、上述した方法のほかにも、インク吸収体を所望の密度及び形状に成形する際にインク遮断層を同時に形成してもよい。
【0128】
従来のインクタンクの製造方法においては、筐体を射出成形などを利用して作成する際に、抜き勾配を設ける必要があり、タンク形状についてもテーパをつけなければならないなどの制約があった。そして、1つのインクタンクで収容するインクの種類が増えるほど筐体の構造が複雑となり、製造上の条件から、設計上その形状に制約が生じることがあった。
【0129】
しかし、本発明のインクタンクの製造方法によれば、型の形状を変更させることで、複雑な形状のインクタンクをも容易に形成することが可能であり、抜き勾配を設ける必要のない分スペース効率を向上させることができるとともに、インクタンクの設計の自由度を広げることもできる。また、部品点数そのものを減少させることができるので、リサイクル性に優れるインクタンクを提供することが可能である。
【0130】
上述の実施例では、収容されているインクはイエロー、シアン、マゼンタとしたが、これ以外のインクの組み合わせであってもよいことは言うまでもない。例えば、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックなど特定色のインクと被記録媒体上等で反応する処理液などを収容してもよく、また、各収容部にそれぞれ濃度の異なる同系統のインクを収容してもよい。
【0131】
特に、インクに含まれる成分が大幅に異なる場合には、全てのインク吸収体を同一の材料にする必要はなく、各インクに対する反応性、ガスバリア性(蒸発のし難さ)等を考慮に入れ、互いに相溶性のある同種の熱可塑性樹脂から選択することが望ましい。互いに相溶性のある材料を選択することで、リサイクル性を損なうことなく、収容するインクに最適なインク吸収体を提供することが出来る。
【0132】
また、インク収容部の数は、複数であれば3つに限られないことは言うまでもない。すなわち、少なくとも2種類以上のインクを貯溜可能なものであれば、上述した実施例に示される本発明は適用されるものである。
【0133】
さらに、変形例として、複数のインク収容部の少なくとも一つを、廃インクを収容するための廃インク溜めとしてもよい、
(第5実施例)
図13は本願発明の第5の実施形態のインクカートリッジ200の断面図である。本実施例では、インク吸収体内部にインク吸収体と一体化した壁部材を設ける構成という観点で前述の第4実施例と共通するが、本実施例では単独の液体を収容するものである。
【0134】
本実施例においては、インクタンク210にはインク吸収体201、インク遮断層からなる筐体202、突起204、大気連通口205が設けられている。インクタンクのインク供給口206には、インク供給管231が接合され、記録ヘッド230へインク供給できるようになっている。
【0135】
ここで、本実施例においては、インク吸収体内部の、インク供給口206と対向する領域に、インク遮断層からなる壁部材237が設けられている。本実施例の場合、壁部材と筐体とがインク遮断層により構成され、しかも壁部材の一端と筐体とが一体となっているので、衝撃に対しても位置ずれすることなく、筐体と組み合わせて所望の圧縮率を得ることができる。
【0136】
また、本実施例のようにインク供給口と対向する位置に壁部材を設けることで、インク供給口近傍のインク吸収体201aの毛管力の大きさを、他の領域201bに比べ大きくすることが容易にできるという利点がある。特に、インク供給管231と記録ヘッド230を備える記録ヘッド部が、インクタンクに対して供給口で着脱可能な形態においては、着脱を繰り返す場合においても装着の際に所望の反発力を得るとともに供給性能に優れたインクタンクを提供することができる。
【0137】
また、インク吸収体内部の任意の位置にインク吸収体と一体化した壁部材を設けることで、インク供給時のインクの流れを規制することで安定したインク供給を実現することができる。なお、なお、本実施例においても、インク遮断層のインク吸収体側の領域に境界層を設けることは、壁面に沿ったインクの移動を行なうことができるので好ましい。
【0138】
(第6実施例)
図14(a)に、本発明の第6実施例にかかる液体収納容器としてのインクタンクの概略斜視図を示し、図14(b)にその断面図を示す。本実施例も、前述の第4、第5実施例同様、インクタンク内部にインク吸収体と一体化した壁部材を設け、インクの流れを規制するものである。
【0139】
図14に示すインクタンク300の内部は連通孔(連通部)302を有する仕切り壁305で2つの空間に仕切られている。一方の空間は、仕切り壁305の連通孔302を除いて密閉され、インク等の液体を他の部材と混入せずに直接保持する液体収納室(第2室)304になっている。もう一方の空間はインク吸収体306を収納するインク吸収体収納室(第1室)301になっており、このインク吸収体収納室301を形成する壁面には、インク消費に伴う容器内への大気の導入を行うための大気連通部307と、記録ヘッド部へインクを供給するための供給口(液体供給部)308とが形成されている。液体供給部から不図示の記録ヘッドへインクが導出されると、インク吸収体内部のインクが消費され、インク収納室からインクが仕切り壁の連通孔を通じてインク吸収体収納室のインク吸収体に充填される。この時、インク収納室内は減圧されるが、大気連通部からインク吸収体収納室を経由した空気が仕切り壁の連通孔を通じてインク収納室に入り、インク収納室内の減圧は緩和される。従って、記録ヘッドによりインクが消費されてもその消費量に応じてインクが吸収体に充填され、インク吸収体は一定量のインクを保持し、記録ヘッドに対する負圧をほぼ一定に保つので、記録ヘッドへのインク供給が安定する。本実施例のインクタンクのインク吸収体306は、ポリプロピレン繊維など、熱可塑性樹脂からなる繊維体より構成されている。その表層は、前述したインク遮断層306aとなっており、このインク遮断層がインク吸収体収納室の筐体及び仕切り壁をなすように構成されている。一方、液体収納室304は、仕切り壁を除く筐体部分303はインク吸収体と同じ熱可塑性樹脂により構成されており、インク吸収体収納室に溶着されて一体化している。
【0140】
本実施例のインクタンクは、前述した第1実施例の製造方法などを利用することで、大気連通部、インク供給口、及び連通部を有するインク吸収体収納室を製造後、液体収納室を形成するための凹状容器を用意し、これらを仕切り壁が凹状容器の開口部と一致するように溶着させることで、製造することができる。
【0141】
このようにして製造された液体収納容器は、インク吸収体とインク吸収体収納室の筐体とが一体化しているので、筐体内壁面とインク吸収体との間に不用意な隙間が生じることはない。また、インク遮断層の形成工程においては、インク吸収体はヒーターを有する型の面に当接される程度にしか力がかけられていないので、製造工程時にインク吸収体に不用な圧縮分布が形成されることもない。従って、製造ばらつきが少なく、生産性にすぐれている。
【0142】
なお、上述のインク吸収体収納室の製造工程において、各面をバラバラに成形する場合には、開口部を持たない面を先に形成し、その後、供給口、大気連通口、連通部など開口部を有する面を形成する方が精度が向上するのでより望ましい。これは、インク遮断層の形成に伴い、インク吸収体自体の大きさが形成された面に直交する方向に収縮するためである。従って、特に、液体収納室との接続部分となる仕切り壁及び連通部を有する面は最後に形成することが望ましい。
【0143】
また、本実施例の変形例を図15〜図17に示す。
【0144】
図15(a)は、本発明の第6実施例の変形例のインクタンクの概略斜視図、図15(b)は連通部近傍の部分斜視図、図15(c)はその断面図である。本変形例ではインク吸収体の構成が前述の実施例と異なっている。
【0145】
本変形例では、インクタンク310の内部は、第6実施例同様、連通孔(連通部)332を有する仕切り壁315で2つの空間に仕切られている。一方の空間は、液体収納室(第2室)334、もう一方の空間はインク吸収体316を収納するインク吸収体収納室(第1室)311になっている。インク吸収体収納室311を形成する壁面には、大気連通部317と、記録ヘッド部へインクを供給するための供給口(液体供給部)318とが形成されている。
【0146】
ここで、本変形例では、インクタンクの第1室、及び第2室を形成する筐体の壁面のうち、外部に露出している部分が凹状容器313a及び該容器の開口部を塞ぐ蓋部材313bにより形成され、第1質と第2室とを区切ると共に連通部を形成する仕切り壁315が遮断層316aにより形成されている。そして、インク吸収体316の内部には、連通部312から底面(連通部側の面)から高さhの部分まで、気液交換を促進するための中空の通路(以下、シャフトと称する)319が設けられており、シャフトの端部319a及び319bは少なくとも開口となっている。シャフトの端部319bは、連通部312に設けられているが、連通部312は、シャフトの端部のほか、インク吸収体316の加熱溶融されていない端面が露出している。
【0147】
本変形例の場合、インク吸収体収納室内の液体を消費し、インク吸収体の液面が底面から高さhとなると、気液交換促進構造としてのシャフトを用いた気液交換動作が行われる。すなわち、液体の導出に伴い、シャフトを介して気体が液体収納室334内に導入されるとともに液体収納室内の液体が連通部312のインク吸収体316の端面を介してインク吸収体収納室311へと供給される。
【0148】
本変形例では、このように、気液交換促進構造としてのシャフトを設けたことにより、気液交換時のインク吸収体の液面高さはhとなるので、安定して外部にインクを供給することができる。特に、シャフトのインク吸収体内部側の端面をインク吸収体の略中央部に設けることにより、インク吸収体としての繊維塊に多少の繊維密度のばらつきが生じるような場合であっても、気液交換を開始する時の負圧の値の変動をおさえることができる。従って、製品ばらつきの少ない、液体を安定的に外部に供給可能な液体収納容器を提供することができる。
【0149】
本変形例の液体収納容器は、インク吸収体に遮断層316aにより仕切り壁315を設け、シャフト319を形成した後、凹状容器313aにインク吸収体を挿入し、蓋部材313bで凹状容器の開口部を塞ぐことで形成される。ここで、シャフトについては、例えばインク吸収体316に加熱した棒部材を挿通してシャフトを形成し、その後棒部材を冷却してから除去することで製造することができる。シャフトの側面にインク遮断層を形成する場合には、挿入する棒部材の加熱温度を高めるだけでなく、端面に開口部を設けるために、棒部材の先端に熱伝導性の低い部材を備えることが望ましい。
【0150】
本変形例の液体収納容器は、上述のように仕切り壁をインク遮断層で形成することで、仕切り壁とインク吸収体との間に余計な隙間を生じることのなく、結果として製造ばらつきの少ないインクタンクを提供することができる。加えて、インク吸収体に予め気液交換促進構造を設けることで、より一層製造ばらつきの少ないインクタンクを提供することが可能となる。
【0151】
なお、インク吸収体の底面部からシャフトの端部319a側より下方の領域(図15(c)の316b)全体、すなわち通路の上端部より下方の表層に、液体供給部及び通路の端部を除いて遮断層を形成することは、仮に凹状容器313aとインク吸収体との間に隙間が形成されていたとしても、より一層安定したインク供給を行なうことができるので望ましい。
【0152】
また、シャフトの形状については、図16に示す断面図のように、高さhの部分でシャフト349が底面に対して略水平となるように配置し、シャフトの側面がまわりのインク吸収体に対して微小な開口部を有するようにしておいてもよい。さらに、シャフトの断面形状の変形例としては、図17(a)及び(b)に示すように角柱状としてもよい。なお、連通部312とシャフトの端面との位置関係についても、本実施例のようにインク吸収体316の加熱溶融されていない端面の略中央部に円筒形状のシャフトの端面319bが設けられる構造に限定される必要はない。インク吸収体316の加熱溶融されていない端面とシャフトの連通部側の端面が設けられていれば、シャフト端面の位置については任意でよい。図17(a)に示す変形例では、シャフト329の端面329bが連通部312の上部に設けられた場合を、図17(b)に示す変形例ではシャフト339の端面339bが連通部312を左右に2分した場合の一方に設けられた場合をそれぞれ示している。
【0153】
(第7実施例)
図18(a)に、本発明の第7実施例にかかる液体収納容器としてのインクタンクの概略斜視図を示し、図18(b)及び(c)にその断面図を示す。本実施例ではインク吸収体収納室と液体収納室とが着脱自在になっている点、及びインク吸収体収納室の供給口及び大気連通口の位置や形状が、前述の第6実施例と異なっている。
【0154】
本実施例の合体インクカートリッジ320は、インク吸収体収納容器321と、交換液体収納容器324とにより構成されている。これら2つの容器は図18(b)に示すように互いに着脱自在であり、後述する連通部322を形成するための凸状開口部333と凹状開口部334、及びフック331と突起332の2箇所により係合される。
【0155】
図18(a)及び(c)に示す係合された状態では、交換液体収納容器及びインク吸収体収納容器のそれぞれの筐体壁面により仕切り壁325が形成されると共に、凸状開口部333と凹状開口部334により連通部322が形成され、前述の各実施例と同様、気液交換動作により交換液体収納容器からインク吸収体収納容器へ液体を供給することができる。交換液体収納容器の凸状開口部333の端部は図面では単なる開口として描かれているが、シール部材などによりシールし、接続時に開封されるようにすることで、交換液体収納容器の交換時の姿勢に関わらず、交換を行なうことができる。
【0156】
本実施例では、インク吸収体収納容器の筐体326a及び突起部332、インク供給口部335は全て遮断層により形成されており、底面から下方に突出したインク供給口部335の端部はインク供給口328となっている。そして、突起332を有する上面部には大気連通口327が設けられている。
【0157】
本実施例におけるインク吸収体収納容器の製造方法は、前述した第6実施例の第1室の製造方法と同様にして製造することができる。特に、本実施例のように、係合のための突起部や、インク供給口部を突出させるなど、複雑な形状を有する場合には、従来の凹状容器内にインク吸収体を挿入する方法に比べ、型の形状を工夫することで、より容易に製造することが可能である。
【0158】
【発明の効果】
以上説明したように、インクタンク筐体の一部とインク吸収体とが一体化しており、一体化した部分では壁(筐体)と吸収体との隙間がないことにより、壁と吸収体との間からの空気の侵入によるインク供給不良を防止することができる。その上、落下などによる衝撃により、インク吸収体が移動することがなくなるため、インクジェット記録ヘッド部へのインク供給性能に支障をきたすことはない。
【0159】
また、インク吸収体が熱可塑性材料から構成されていることで、リサイクル性に優れている。
【0160】
また、筐体のインク供給部を有する面がインク遮断層により形成されていることにより、供給部に設けられている吸収体が、インクタンクの着脱を繰り返しても位置ズレすることがなくなる。そのため、インク供給管をインク吸収体に押圧する際、インク供給管に負圧発生部材を確実に圧接することができる。特に、インク遮断層のインク吸収体内側の領域に、吸収体内部に比べ平均空隙率の小さい境界層を有することで、ヘッド部の着脱に関わらず、インク供給口部に常にインクを供給させることができる。そのため、記録ヘッド部のインク供給管の押し込み量を少なくすることができるという利点がある。押し込み量が少ないと記録ヘッドとインクタンクとの着脱時に、空気をインク供給口に引き込む可能性は少なり、また、表面部分はインクによりメニスカスが形成されるので、インクカートリッジから記録ヘッドへのインク供給経路は良好に形成される。
【0161】
さらに、筐体が全てインク遮断層により形成されていると、インクタンク筐体とインク吸収体との隙間は全てなくなるので、上述の効果をすべて得ることができる。このとき、境界層を有すると、インク吸収体に保持されるインクは、境界層を経て、確実に外部に供給することができるので、インク吸収体に収容されるインクの使用効率を高めることができる。ここで、境界層は筐体としてのインク遮断層と一体化されているので、筐体と吸収体との隙間から空気が進入しないこと、筐体と吸収体との隙間による閉空間が形成されないので、上述の液体供給動作時の境界層を経るインク移動をより確実且つ安定的に行うことができる。
【0162】
上述の構成において、インク供給部及び大気連通部がインク遮断層により開封可能にシールされていると、物流時など使用開始前のインクタンクのパッケージとして、部品点数を増やすことなくかつ信頼性の高い構成を提供することができる。この構成において境界層を有し、境界層にインクを充填させることは、外部から吸収体内部への浸透圧の関係による空気の侵入をより一層効果的に防止することができるので望ましい。
【0163】
また、吸収体内部または表面の一部にインク遮断層を有する構成では、インク遮断層によりインクの移動が阻止されることで、インク供給時のインク吸収体内の供給口へのインク移動を規制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用可能なインクタンクの第1の実施形態を説明するための概略切断斜視図である。
【図2】(a)〜(c)のそれぞれは、本発明のインクタンクの製造方法を説明するための説明図である。
【図3】(a)〜(h)のそれぞれは、本発明のインクタンクの製造方法を説明するための説明図である。
【図4】本発明のインクタンクの製造方法を説明するための説明図である。
【図5】(a)〜(e)のそれぞれは、本発明のインクタンクのインク遮断層及び境界層を説明するための説明図である。
【図6】本発明を適用可能なインクタンクの第2の実施形態を説明するための説明図である。
【図7】本発明を適用可能なインクタンクの第3の実施形態を説明するための説明図である。
【図8】本発明を適用可能なインクタンクの第3の実施形態の変形例を説明するための説明図である。
【図9】本発明を適用可能なインクタンクの第4の実施形態を説明するための説明図であり、(a)は概略切断斜視図、(b)は断面図である。
【図10】本発明の第4実施例のインクタンクの製造方法を説明するための説明図である。
【図11】(a)、(b)はそれぞれ、本発明の第4実施例のインクタンクの製造方法の変形例を説明するための説明図である。
【図12】(a)〜(d)のそれぞれは、本発明の第4実施例のインクタンクの製造方法を説明するための説明図である。
【図13】本発明を適用可能なインクタンクの第5の実施形態を説明するための説明図である。
【図14】(a)は本発明の第6実施例にかかる液体収納容器としてのインクタンクの概略斜視図、(b)はその断面図である。
【図15】(a)は本発明の第6実施例の変形例にかかる液体収納容器としてのインクタンクの概略斜視図、(b)は連通部近傍の部分斜視図、(c)はその断面図である。
【図16】図15に示す本発明の第6実施例のさらなる変形例を示すインクタンクの断面図である。
【図17】(a)、(b)はそれぞれ、図15に示す本発明の第6実施例のさらなる変形例を示すインクタンクの連通部近傍の部分斜視図である。
【図18】(a)は本発明の第7実施例にかかる液体収納容器としてのインクタンクの概略斜視図、(b)及び(c)はその断面図である。
【符号の説明】
1,101a,101b,101c,201 インク吸収体
3,106a,106b,106c,206 インク供給口
4,104,204 突起
5,105a,105b,105c,205 大気連通口
103a,103b,237 仕切り壁
30,130,230 吐出ヘッド部
31,131a,131b,131c,231 インク供給管
300,330,320 インクタンク(液体収納容器)
301,311,321 インク吸収体収納室
302,302,322 連通部
303,313,323 凹状容器
305,315,325 仕切り壁
306,316,326 インク吸収体
306a,316a,326a 遮断層
307,317,327 大気連通口
308,318,328 インク供給口
319,329,339,349 シャフト

Claims (22)

  1. インクを保持し負圧を生じることの可能なインク吸収体と、
    該インク吸収体を収容するとともにインク供給部と大気連通部とを備える筐体と、を備えるインクタンクにおいて、
    前記インク吸収体は熱可塑性材料からなり、該吸収体の表層に該表層が加熱溶融されることで形成されたインク遮断層を有し、
    該インク遮断層はインク吸収体内に収納されるインクの外部への移動を阻止するとともに、少なくとも前記筐体の前記インク供給部を有する面がインク遮断層により形成されたことを特徴とするインクタンク。
  2. 前記インク遮断層のインク吸収体内側の領域に、前記吸収体内部に比べ平均空隙率の小さい境界層を有することを特徴とする請求項1に記載のインクタンク。
  3. 前記インク供給部の前記インク吸収体の表面に、前記境界層が形成されていることを特徴とする請求項2に記載のインクタンク。
  4. 前記筐体が全て前記インク遮断層により形成されていることを特徴とする請求項1に記載のインクタンク。
  5. 前記インク供給部及び前記大気連通部が前記インク遮断層により開封可能にシールされていることを特徴とする請求項4に記載のインクタンク。
  6. 前記インクタンクは前記インク吸収体を備えるとともにインク供給部と大気連通部とを備える第1室と、該第1室と連通する連通部を備えるとともに実質的な密閉空間を形成するための第2室と、を有することを特徴とする請求項1に記載のインクタンク。
  7. 大気を導入するための通路を前記インク吸収体の連通部近傍からインク吸収体内部に備えることを特徴とする請求項6に記載のインクタンク。
  8. インクを保持し負圧を生じることの可能なインク吸収体と、インク供給部と、大気連通部と、を備えるインクタンクにおいて、
    前記インク吸収体は熱可塑性材料からなるとともに、内部または表面の一部に該インク吸収体を加熱溶融することで形成されたインク遮断層を有し、
    該インク遮断層は、少なくとも前記インクタンクの筐体の前記インク供給部を有する面を形成し、インク吸収体内に収納されるインクの移動を阻止することを特徴とするインクタンク。
  9. 前記インク遮断層により前記インク吸収体が複数に仕切られ、複数種類の異なるインクを貯溜可能とすることを特徴とする請求項8に記載のインクタンク。
  10. 前記インクタンクは前記インク吸収体を備えると共にインク供給部と大気連通部とを備える第1室と、該第1室と連通する連通部を備えるとともに実質的な密閉空間を形成するための第2室と、前記第1室と第2室とを仕切るとともに前記連通部を形成する仕切り壁と、を備え、該仕切り壁が前記インク遮断層であることを特徴とする請求項8に記載のインクタンク。
  11. 前記インク吸収体はさらに表層にインク遮断層を有するとともに、該表層のインク遮断層が前記インクタンクの筐体を構成することを特徴とする請求項8に記載のインクタンク。
  12. インクタンクに収容されインクを保持するとともに負圧を発生可能なインク吸収体において、
    熱可塑性材料からなり、内部または表層に該インク吸収体を加熱溶融されることで形成されたインク遮断層を有し、該インク遮断層はインク吸収体内に収納されるインクの移動を阻止し、かつ少なくとも前記インクタンクのインク供給部を有する面を構成することを特徴とするインク吸収体。
  13. 前記インク吸収体は融点の異なる2種類以上の繊維材料により構成されているとともに、前記融点の異なる複数の熱可塑性繊維材料のうち、最も融点の高い材料の融点と最も融点の低い材料の融点の温度差が10℃以上80℃以下であることを特徴とする請求項12に記載のインク吸収体。
  14. インクを貯留し負圧を生じることの可能なインク吸収体と、該インク吸収体を収納する筐体と、を有するインクタンクの製造方法において、
    熱可塑性材料から成るインク吸収体を用意する工程と、
    該インク吸収体の表層の一部を加熱溶融し、少なくとも前記インクタンクの筐体のインク供給部を有する面を、インクの移動を阻止するインク遮断層とする工程と、
    を有することを特徴とするインクタンクの製造方法。
  15. 前記インクの移動を阻止するインク遮断層を設ける工程のあとに、前記インク吸収体にインクを充填する工程を有することを特徴とする請求項14に記載のインクタンクの製造方法。
  16. 前記インク遮断層を設ける工程において、加熱溶融させるための加熱部材と前記インク吸収体との間に、双方と剥離可能な剥離部材を設け、加熱部材から前記剥離部材及び前記インク吸収体を剥離させた後冷却し、前記剥離部材を前記インク吸収体から剥離させることを特徴とする請求項14に記載のインクタンクの製造方法。
  17. 前記インク遮断層を設ける工程において、前記インク吸収体と同種の材料からなる表層を有する板状部材を前記加熱溶融したインク吸収体に接合させることを特徴とする請求項14に記載のインクタンクの製造方法。
  18. 前記インク吸収体を用意する工程において、前記熱可塑性材料からなる複数のインク吸収体を用意するとともに、前記インク遮断層を形成する工程において、該複数の負圧発生部材同士の接合面にインク遮断層を形成し、該インク遮断層同士を加熱溶融して接合させることで複数のインク吸収体を一体化させることを特徴とする請求項14に記載のインクタンクの製造方法。
  19. 前記インク吸収体を用意する工程において、インク吸収体の一部に切り込みを設ける工程をさらに有するとともに、前記インク遮断層の形成工程において、
    該切り込み部にインク遮断層を形成し、切り込み部を接合することを特徴とする請求項14に記載のインクタンクの製造方法。
  20. 前記インク吸収体を用意する工程において、インク吸収体内部に外部と連通する通路を備える工程をさらに有するとともに、前記インク遮断層を形成する工程のあとに、該通路を除いて実質的に密閉空間を形成する液体収納室を設ける工程を有することを特徴とする請求項14に記載のインクタンクの製造方法。
  21. 前記インク吸収体を用意する工程の後に、前記インク吸収体の表層の一部を加熱溶融するとともに冷却時に圧力を加えることで前記インク吸収体内部に比べ平均空隙率の小さい境界層を形成する工程をさらに有することを特徴とする請求項14に記載のインクタンクの製造方法。
  22. 前記インク吸収体を用意する工程において、複数種類の融点の異なる熱可塑性材料からなるインク吸収体を用意するとともに、前記インク遮断層を形成する工程において、前記熱可塑性材料のうち最も融点の低い材料の融点の温度以上、最も融点の高い材料の融点の温度未満の温度で加熱することを特徴とする請求項14に記載のインクタンクの製造方法。
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