JP4124984B2 - 液体収納容器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液体収納容器に関し、詳しくは、例えば記録部としてのペン或いはインクジェット記録ヘッドなど、液体収納容器の外部へインクなどの液体を供給するために負圧を利用する液体収納容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
液体を収納するための容器として、液体をその外部に与える際に容器内部を負圧に保ちながら液体を供給する方式の容器が知られている。この方式の容器の特徴は、容器自体が与える負圧によって、容器に接続される例えばペン先や記録ヘッドのような液体使用部に対して適切な液体供給が行えるというものである。
【0003】
例えば、この負圧特性を適正に必要とするようなインクジェット記録分野では、液体収納容器としてのインクタンク内部に、負圧発生源としてのスポンジを収納したものや、袋状のインク収納部にバネを設け、インクの消費による袋の内方への変形に抗する力を与えることで負圧を形成するもの(特開昭56-67269号公報、特開平6-226993号公報など参照)が知られている。また、米国特許第4509062号公報に開示されているゴム製インク収納部のような、円錐形形状の円錐部を丸めた形状のもので、その丸めた円錐部を円錐周面厚みよりも薄くするという構成のものも知られている。
【0004】
これらは、いずれも液体収納容器から記録ヘッドに至るインク供給系は、チューブ等を用いた密閉系である。一方で、一般的に密閉系のインク供給系を用いるインクジェット記録分野では、次のように負圧発生機構を具えるものとそうでないものとに分類される。一般に、インク供給システムとして負圧発生源を用いない場合は、「水頭差」(インク使用部に対する高低差により生じる圧力差)によって、インクを供給するものが知られている。この場合は、インク収納部に特別な条件を必要としないため、通常の袋などのインク収納袋を用いることが多い。しかし、インク供給経路を密閉型とするため、インク収納袋から上方に位置するインク使用部(ヘッド部)までチューブ等の供給管を必要とし、結果的に大型の装置となることがある。
【0005】
これに対し、このインク供給経路をできるだけ小さくしあるいは実質的に無くすために、記録ヘッドに対する負圧発生機構を設け水頭差を必要としない記録ヘッドとインクタンクの構成が提案され、実施されてきた。なお、本明細書では、特にインクジェット記録ヘッドとインクタンクとを一体化したものをインクジェットカートリッジと呼ぶことにする。
【0006】
負圧発生機構を有したこのようなインクジェットカートリッジは、記録ヘッドとインク収容部とが常時一体の構成と、記録ヘッドとインク収容部とが別体でかつ装置本体に対して双方とも分離でき、使用時に一体として使用する構成とに分けることができる。いずれの構成においても、インク収容部に収納されたインクの使用効率を高めるために、インク収容部におけるインク供給口は、インク収納部の中心より下方に設けられることが多い。この点からも、記録ヘッドに設けられたノズル等の吐出部からのインク漏れを防ぐなどインク供給を適切に行なうことに加え、インクジェットカートリッジにおけるインク収納部には、インクを安定して保持するための負圧を必要とする。この負圧は、記録ヘッドに対するインク供給に関する背圧を構成するものであり、記録ヘッドの吐出口部の圧力を大気圧に対して負とするためのものであることから負圧と呼ばれている。
【0007】
負圧を発生させるための最も知られた構成の一つとして、多孔質体の毛管力を利用する構成が挙げられる。この構成によるインクタンクは、インクタンク内部全体にインク貯蔵を目的として収納された、好ましくは圧縮状態で収納されたスポンジ等の多孔質体と、記録中のインク供給を円滑にするためインク収納部に大気を取り入れることを可能とする大気連通口を具えたものである。
【0008】
しかし、多孔質部材をインク保持部材として使用する場合の課題として、単位体積あたりのインク収容効率が低いことが挙げられる。この課題を解決するため、多孔質部材をインクタンク全体に挿入する構成の代わりに、多孔質部材をインクタンクの一部に収納する構成が挙げられる。この構成は、多孔質体がインクタンク全体に挿入されている構成と比較して単位体積あたりのインク収容効率およびインク保持能力を高めることができる。
【0009】
しかし、さらにインクの収容効率を向上させる観点からは、前述のように袋とバネの組み合わせ構成の袋状容器や、ゴム製のインク収納容器を用いることが望ましい。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
従来、袋状のインク収納容器にバネ用いて負圧を発生させるものは、比較的大容量(例えば30〜40cc)のインク収納容器であるため、負圧を発生させるためのバネの力が大きく、従って、インク量に従って変形するシートの剛性は相対的に小さく、バラツキ不安定性はあるものの実用は可能なものがあった。
【0011】
しかしながら、比較的容量の少ない(例えば30ccまで)インク収納容器を用いる場合、そこで必要な負圧を発生させるためのバネ力は小さいものとなる。このため、負圧設計の際このバネ力に対する収納容器のシート剛性の影響も相対的に増し、ばね力と剛性の双方を考慮する必要がある。
【0012】
また、シートによりこのような小容量(〜30cc)のインク収納容器を形成する場合に、平面なシートを膨らませその形状を保ってフレームに対し接着もしくは溶着して製造する場合には、その接着もしくは溶着面にシワを生じたりして、組立安定性や接着等の信頼性が低下することがある。また、このような製造方法では、歩留まりの低下やインク容量自体のバラツキも生じ得る。
【0013】
一方、バネを持たず、シートの厚みを変化させてシート剛性を制御することにより負圧を得るインクタンクでは、インクの消費に対するシートの変形にバラツキが生じやすく、シート剛性の環境温度変化を考慮するとさらに負圧のバラツキも大きくなるという問題がある。
【0014】
本発明は、上述した問題を解消するためになされたものであり、その目的とするところは、容器を構成する変形可能なシートと負圧を与えるためのバネを備えた液体収納容器において、小容量インクタンクの生産安定性と容量安定性を実現できる液体収納容器を提供することにある。
【0015】
また、シート部材に予め形成された凸形状の頂部の面に面部材が固定され、その面部材がバネと当接していることにより、シート変位の安定化を促し、負圧安定化を実現させることを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
そのために本発明では、外部に供給する液体を貯蔵するための液体収納容器において、該容器の一部を形成する変形可能なシート部材であって、一部に凸形状が成型されているシート部材と、前記容器の一部を構成し液体入出可能な開口部を有した前記シート部材を固定するフレームと、前記容器内に設けられるバネと、前記凸形状の部分に設けられる面部材と、前記フレームにより固定された前記シート部材の周縁部と前記面部材との間に設けられたシート可動部と、を具え、前記開口部を除いて実質密閉構造であり、前記シート可動部は、前記凸形状の頂部の面と前記フレームとの間の前記シート部材の少なくとも一部に、当該シート部材の変形に対する抗力を緩和する形状を有し、該形状が、凸形状の曲面または階段形状または多平面のいずれかであることを特徴とする。
【0022】
以上の構成によれば、シート部材に予め成型された凸形状の頂部の面に面部材が固定されることにより、インク等の液体の減少に伴うシート部材が変形する際に、その部分のシート部材の平面性が保持され、これにより、シート部材よりなる容器は、その内部に存在する液体量に見合った全体的な変形をすることができる。また、上記面部材はシート部材の変形に伴いバネと当接しつつ変位でき、この際、シート部材の変形によるその稜線に相当する部分が凸形状の曲面または階段形状または多平面のいずれかであることから、その部分の剛性が緩和された状態で変形し、バネの変形安定性をさらに向上させることができる
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0027】
まず、図1〜図8を参照して、液体収納容器の一実施形態である、インクジェットプリンタなどの記録装置で用いられるインクタンクの製造方法と、このインクタンクとこれに貯留されたインクを吐出する記録ヘッドとを有したインクジェットカートリッジの構成について説明する。
【0028】
図1は、本発明により製造されるインクタンク127の斜視図であり、四角枠状のフレーム115の上下の開口部に、上下のバネ・シートユニット114を取付けた密閉構造となっている。バネ・シートユニット114は、後述するように、バネ107と圧力板109から成るバネユニット112と、可撓性のタンクシート(可撓性部材)106とによって構成される。フレーム115には、インクタンク127の内部に通じる第1インク供給口128と第2インク供給口129が形成されている。
【0029】
図2から図6は、このようなインクタンク127の製造方法を説明するための図である。
【0030】
まず、図2(a),(b),(c)は、可撓性のタンクシート106を凸型に成型する工程の説明図である。
【0031】
タンクシート106の成形素材としてのシート材料101は、原材料から大きなサイズのシート状に成型されたものであり、このシート材料101は、インクタンク性能の重要なファクターを占める。このシート材料101には、気体とインク成分の透過度が低く、かつ可撓性をもちつつ繰り返し変形に対する耐久性が要求される。その好適な材料としては、PP,PE,PVDC,EVOH、ナイロン等であり、また複合材として、アルミニウムやシリカを蒸着したものなどを用いることができ、さらに、これらを積層化して用いても良い。特に、耐薬品性に優れたPPやPEと、気体・水蒸気遮断性能に優れたPVDCを積層して用いることにより、優れたインクタンク性能を発揮することができる。また、このようなシート材料101の厚さは、柔軟性と耐久性に鑑みて、10μm〜100μm程度が適する。
【0032】
このようなシート材料101は、図2(a)のように、凸形状部103、バキューム孔104、および温度調整機構(図示せず)を有する成型金型102を用いて凸型に成型する。すなわち、シート材料101は、バキューム孔104に吸着され、成型金型102からの熱により凸形状部103に沿う凸型に成型される。シート材料101は、図2(b)のように凸型に成型されてから、図2(c)のように、タンクシート106として所定のサイズに切り出される。そのサイズは、次工程の製造装置に適したサイズであればよく、インクを収容するインクタンク127の容積などに応じて設定することができる。
【0033】
図3(a)は、インクタンク127の内部を負圧にするために用いられるバネユニット112の製造工程の説明図である。予め半円状に形成されたバネ107をバネ受け治具108に取り付けて、その上から、溶接電極111を用いたスポット溶接により圧力板109を取り付ける。圧力板109には、熱接着材110が付けられている。これらのバネ107と圧力板109とによって、バネユニット112が構成される。
【0034】
図3(b)は、バネユニット112をタンクシート106に取り付ける工程の説明図である。受け治具(図示せず)の上に載置したタンクシート106の内面に、バネユニット112を位置決めして配置する。そして、ヒートヘッド113を用いて熱接着材110を加熱することにより、バネユニット112とタンクシート106とを接着して、バネ・シートユニット114を構成する。
【0035】
図4(a)は、バネ・シートユニット114をフレーム115に溶着する工程の説明図である。フレーム115は、フレーム受け治具116に固定される。フレーム115を取り囲むシート吸着治具117は、フレーム115が位置決め配置された後、バネ・シートユニット114をバキューム孔117Aに吸着して、そのユニット114とフレーム115とを相対的に位置ずれなく保持する。その後、ヒートヘッド118により、フレーム115の図中上側の周縁部と、バネ・シートユニット114のタンクシート106と、の環状の接合面同士を熱溶着する。シート吸着治具117が、フレーム115の図4(a)中上側の周縁部と、バネ・シートユニット114のタンクシート106の周縁部分とを均一に対面させることにより、それらの接合面は、極めて均一に熱溶着されてシールされることになる。ゆえに、シート吸着治具117は、均一なシール性を確保すべく熱溶着する上において重要である。
【0036】
図4(b)は、カッター(図示せず)によって、フレーム115の外側にはみ出たタンクシート106の部分を切り取る工程の説明図である。このように、フレーム115からはみ出たタンクシート106の部分を切り取ることにより、バネ・シート・フレームユニット119が完成する。
【0037】
図5および図6(a),(b)は、このようなバネ・シート・フレームユニット119に、前述した工程により制作した他のバネ・シートユニット114を熱溶着する工程の説明図である。
【0038】
図5のように、バネ・シート・フレームユニット119は受け治具(図示せず)に取り付けられ、その受け治具と相対的に位置が規定された吸着治具120によって、バネ・シート・フレームユニット119の外周部が囲まれる。その受け治具は、バネ・シート・フレームユニット119のタンクシート106における外面の平面部106Aに面接触して、その平面部106Aを図6(a),(b)のように保持する。他のバネ・シートユニット114は、そのタンクシート106の外面の平面部106Aが押さえ治具121によって吸着保持され、この押さえ治具121が下降することによって、バネ・シートユニット114側のバネ107の先端部107A,107Bと、バネ・シート・フレームユニット119側のバネ107の先端部107A,107Bとがほぼ同時に嵌合する。すなわち、バネ107の一方の先端部107Aは凸状、他方の先端部107Bは凹状となっており、それぞれが自己アライメントにより嵌まり込むようになっており、それらのバネ107は、一対のバネ部材構成体として結合することにより1つのバネ部材を構成する。
【0039】
さらに、押さえ治具121を下降させて、図6(a)のように、それら一対のバネ107を圧縮させる。その際、押さえ治具121は、バネ・シートユニット114における図5中上側の平面部106A、つまり凸部に形成されたタンクシート106の上側のフラット領域を幅広く押さえ込む。これにより、タンクシート106の平面部106Aの位置が規制され、下側のユニット119や治具120に対して、バネ・シートユニット114が平行に保たれたまま接近する。したがって、図6(b)のように、バネ・シートユニット114のタンクシート106の周縁部分は、吸着治具120の面に接して、バキューム孔120Aに吸引保持される共に、フレーム115の溶着面(同図中上側の接合面)にも均一に対面することになる。そして、この状態において、ヒートヘッド122により、バネ・シート・フレームユニット119のフレーム115の図中上側の周縁部と、バネ・シートユニット114のタンクシート106と、の環状の接合面同士を熱溶着する。
【0040】
このように、上側のユニット114のタンクシート106の平面部106Aと、下側のユニット119のタンクシート106の平面部106Aとの平行度を維持しつつ、一対を成すバネ107を圧縮させることにより、それら一対のタンクシート106の平面部106Aの平行度が高いインクタンク127を安定的に大量生産することができる。また、一対をなすバネ107は、図6(a),(b)中において左右均一に圧縮変形されるため、バネ・シートユニット114を傾けるような力を生じることがなく、一対のタンクシート106の平面部106Aの平行度が高いインクタンク127をより安定的に生産することができる。さらに、インクタンク127内の容積変化に伴なって、一対をなすバネ107が図6(a),(b)中において左右均一に圧縮変形されるため、一対のタンクシート106の平面部106Aは高い平行度を保ったまま対向間隔が変化することになり、この結果、インクを安定的に供給することができる。また、可撓性のタンクシート106の平面部106Aを斜めに傾けるような無理な力が作用しないため、インクタンク127のシール性、耐圧性、耐久性が向上することになる。
【0041】
その後、フレーム115の外側にはみ出たタンクシート106の部分を切り取ることによって、図1のインクタンク127が完成する。インクタンク127の内部は、第1インク供給口128と第2インク供給口129によってのみ外部に連通する密閉構造となっている。
【0042】
図7は、インクタンク127を記録ヘッドに取り付ける工程の説明図である。
【0043】
記録ヘッドを構成するヘッドチップ133はインクタンク収容室130に取り付けられており、このインクタンク収容室130内にインクタンク127が複数個取り付けられる。インクタンク127は、インクタンク取り付け部131に溶着や接着によって取り付けられる。また、本例のインクタンク127は、インク供給口128,129を下側にして取り付けられる。その後、インクタンク収容室130の開口部に蓋132を溶着や接着によって取り付けて、インクタンク収容室130内を準密閉空間とする。これにより、インクタンクを備えた記録ヘッドが構成される。ヘッドチップ133はインクジェット記録ヘッドを構成するものであってもよく、そのインクジェット記録ヘッドとしては、例えば、インク吐出口からインク滴を吐出するために電気熱変換体を備えた構成を採用することができる。すなわち、その電気熱変換体の発熱によりインクを膜沸騰させ、その発泡エネルギーを利用してインク吐出口からインク滴を吐出させる構成とすることができる。このようなインクジェット記録ヘッドとインクタンクとを結合することにより、インクジェットカートリッジを構成することができる。
【0044】
図8は、インクタンクを備えた図7のインクタンク収容室130の断面図である。
【0045】
インクタンク127の内部にはインクの貯蔵が可能であり、そのインクは、インクタンク127の第1インク供給口128からフィルタ137を介して供給路136へ供給され、さらにヘッドチップ133に供給される。本例のヘッドチップ133は、インクジェット記録ヘッドを構成すべくヒータボード134が接着されており、このヒータボード134には、インク吐出流路とオリフィスが形成されていると共に、電気熱変換体(ヒータ)が備えられており、インクタンク127から供給されたインクの吐出が可能となっている。インクタンク127内には、第2供給口129からインクを充填することが可能である。すなわち、第2供給口129には、ジョイントシールプレート139によって、インク漏れを防ぎかつインク充填を可能とするジョイントシール138がタンク収納室130の下部の開口141をシールするように固定されている。ジョイントシール138は可撓性のゴム部材等により構成されており、このジョイントシール138には、ニードル状の供給管を挿入可能なスリット開口が設けられている。インクタンク127内へのインク供給時には、そのニードル状の供給管をジョイントシール138のスリット開口に挿入し、その供給管を通して、インクタンク127内にインクを供給する。インクタンク127内にインクを供給しない非インク供給時には、そのスリット開口がジョイントシール138の弾性によって閉じられているため、インクの漏れは発生しない。140は、第2の供給口129に連通する連通路であり、フレーム115の内側に予め貫通形成しておくことができる。
【0046】
さらに、蓋132によって準密閉構造とされたインクタンク収容室130は、小孔の連通口142のみによって外部と連通している。この連通口142を塞ぐことによりインクタンク収容室130内を大気から遮断したり、この連通口142からインクタンク収容室130内の空気を排出することによって、インクタンク収容室130内を減圧して、インクタンク127内の負圧を高めることが可能である。
【0047】
また、インクタンク収容室130内の減圧と増圧を繰り返すことにより、第2インク供給口129からインクタンク127内に、インクを自動的に吸引補給することもできる。その際、インクタンク収容室130内の圧力変化に応じて、バネ107が応答性よく弾性変形するため、インクが頻繁に補給される小型のインクタンクとして好適に用いることができる。
【0048】
以上の製造工程の、特に図4(a)、図5、図6にて説明したように、インクタンクシート106には予め、所定のインク容量を確保するための凸形状が形成されているため、小容量のインクタンクにおいても容量が安定化され、シート部材に所定の剛性を持たせることができる。これにより、使用時におけるシートの耐久性を飛躍的に向上させることができる。すなわち、しわ部は変形時にシート欠陥を発生させインク漏れや外部への蒸発、混入を起こす場合がある。また、バネユニット112の圧力板109が接着されており、これにより、インクタンクシート106をフレーム115に溶着した後、バネ力により形状が保持される。
【0049】
このような、本実施形態のインクタンクが凸形状を有することの利点の他、インク量の減少に伴うタンクの変形に関して上述したバネユニット112を有することの利点もしくはその機能について、次に説明する。
【0050】
バネユニット112はバネ107と圧力板109からなるものである。図9(a)および(b)は、特に、このバネユニット112のシート106に対する位置関係を示すそれぞれ横断面図および縦断面図である。
【0051】
これらの図に示すように、圧力板109はその全体がシート106の凸形状の頂部の面に接続しており、これにより、この頂部の形状を常に平面に保ち、また、この部分を他のシート106の部分よりも剛性の高い部分としている。
【0052】
図10(a)〜(d)は、本実施形態のインクタンクがインク量の減少に伴って変形する過程を示す図であり、図11(a)〜(d)は、その比較例として、凸形状は有するものの、バネユニットを用いないシート単体によるインクタンクがインク量の減少に伴って変形する過程を示す図である。
【0053】
図11に示す比較例では、同図(a)に示すように、シート106単体とフレーム115で構成されるインクタンクは、インクタンクのインクが消費されると、始めにシート106の最も面積の広い部分である平面部170および180が変形し始める。その際、同図(b)に示すように平面部170、180はそれぞれ異なる形状で変化したり、変形に時間差を生じることがある。
【0054】
さらにインクタンクのインク量が減少すると、同図(c)に示すように、シート106の凸形状における稜線171がシート106の平面部分よりも剛性を有するため変形せずに残り、最後に、同図(d)に示すように、その稜線部171が倒れて、平面部170と180が接触し完全に潰れた状態になる。
【0055】
また、シート106単体とフレーム115から構成される比較例のインクタンクの場合には、インクの消費やその逆の補充によるタンク内圧力の変化が繰り返されるの場合の形状安定性が比較的低く、また、環境温度やシートの材料や成型による影響を受け易いといえる。
【0056】
一方、バネユニット112を有する本実施形態のインクタンクは、図10(a)に示すように、初期状態では比較例であるシート単体の場合(図11(a))と同様の形状であるが、インクタンクのインク量が減少すると、図10(b)に示すように、バネユニット112の圧力板109を介してバネユニット112全体によって変形が制御されていないシート106の可動部172が最初にくぼみ始め、それに伴ってバネユニット112のバネ107が徐々に縮みはじめる。
【0057】
このシート106の変形では、バネユニット112の圧力板109はシート106に接着されているため、図10(b)〜(c)に示すように、平行に変化して最終的に、図10(d)に示すように、完全につぶれた状態となる。
【0058】
また、その変形でシート単体の場合に負圧上昇の原因となった稜線部は、シート106の変形自体がバネユニット112により規制されるため、バネユニット112の緩やかな変化と伴に稜線部もそれに追従して変化するため、大きな負圧変動を生じることはない。
【0059】
このように、本実施形態のインクタンクは、比較的小容量のインクタンクであることから凸形状に成型して所定の容量を確保するとともに、上述したようにこの凸形状によって組立て性などの向上を図ることができる。
【0060】
次に、特にこの稜線の剛性の制御に関する他の実施形態を説明する。
【0061】
図12〜14は、インクタンクのインク量変化に伴って変形するシート106の凸形状における特に稜線部の剛性を緩和するための、シート形状の三つの実施形態を説明する図である。
【0062】
図12(a)および(b)は、シート106の凸形状の頂部(平面部)とフレーム115の間の側部を曲面にしたものを示すそれぞれ斜視図および縦断面図である。この場合、側部が曲面(R)形状をとるため、同図(b)に示すように、側部が直線である場合と比べて小さな力でシートの変形が可能となる。
【0063】
図13(a)および(b)は、上記側部を階段形状したシート形状の例を示す。この場合、シート106の上下方向の変形が容易になるとともに、特に、シート106がその変形に伴ってフレーム115との溶着面を通過するときの(同図(b))、変形によるシート106の弛みを階段形状によって吸収でき、さらに変形が容易となる。
【0064】
図14(a)および(b)は、凸形状における上記側部の傾きを大きくし、かつ変形を促進するために、その側部を多平面とした例を示す。このように、稜線が一つとなる二平面と比較してより小さな力で変形する平面を多く持つ側部とすることにより、全体として変形に要する力を小さくして凸形状の側部の変形を容易にすることができる。上述したように、稜線の形状を上記の構成とすることで、より安定的な負圧特性、インク出入特性が得られる。
【0065】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、容積効率が高く、小型でより効果が高い液体収納容器を得ることができる。また、生インクを直接貯蔵することでインク出入がよく、負圧安定性がよく、高耐久性、高生産性の液体収納容器を得ることができる。
【0066】
さらに、本発明により提供されるインクタンクは、ヘッドへ高速にインクを供給できる生インクタンクであり、高い容積効率と安定的な負圧特性を有するインクタンクの製造を実現することができる。
【0067】
さらに、生インクタンクであるため、インクの自由度も高く、フィルタを通過するインクの圧力の損失も少ないため、高速化、多ノズル化、高画質化に適合するインクタンクを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかるインクタンクの斜視図である。
【図2】(a),(b),(c)は、図1のインクタンクにおけるタンクシートの成型工程の説明図である。
【図3】(a)は、図1のインクタンクにおけるバネユニットの製造工程の説明図、(b)は、図1のインクタンクにおけるバネ・シートユニットの製造工程の説明図である。
【図4】(a),(b)は、図1のインクタンクにおけるバネ・シート・フレームユニットの製造工程の説明図である。
【図5】図1のインクタンクにおけるバネ・シートユニットとバネ・シート・フレームユニットの結合工程の説明図である。
【図6】(a),(b)は、図5の結合工程における要部の断面図である。
【図7】図1のインクタンクの取り付け工程の説明図である。
【図8】図7のインクタンクの取り付け状態における要部の断面図である。
【図9】 (a)および(b)は、上記インクタンクにおける特にバネユニットを示すそれぞれ横断面図および縦断面図である。
【図10】 (a)〜(d)は、上記インクタンクのインク消費に伴う変形を示す図である。
【図11】 (a)〜(d)は、比較例に関して図10と同様にインクタンクのインク消費に伴う変形を示す図である。
【図12】 (a)および(b)は、インクタンクを構成するシートの凸形状の側部の形状の他の実施形態を示すそれぞれ斜視図および縦断面図である。
【図13】 (a)および(b)は、インクタンクを構成するシートの凸形状の側部の形状のさらに他の実施形態を示すそれぞれ斜視図および縦断面図である。
【図14】 (a)および(b)は、インクタンクを構成するシートの凸形状の側部の形状のさらに他の実施形態を示すそれぞれ斜視図および縦断面図である。
【符号の説明】
106 タンクシート(可撓性部材)
106A 平面部
107 バネ
107A,107B 先端部
109 圧力板
110 熱接着材
112 バネユニット
114 バネ・シートユニット
115 フレーム
119 バネ・シート・フレームユニット
121 押さえ治具
122 ヒートヘッド
127 インクタンク
128 第1インク供給口
129 第2インク供給口
130 インク収容室
133 ヘッドチップ

Claims (4)

  1. 外部に供給する液体を貯蔵するための液体収納容器において、
    該容器の一部を形成する変形可能なシート部材であって、一部に凸形状が成型されているシート部材と、
    前記容器の一部を構成し液体入出可能な開口部を有した前記シート部材を固定するフレームと、
    前記容器内に設けられるバネと、
    前記凸形状の部分に設けられる面部材と、
    前記フレームにより固定された前記シート部材の周縁部と前記面部材との間に設けられたシート可動部と、
    を具え、
    前記開口部を除いて実質密閉構造であり、
    前記シート可動部は、前記凸形状の頂部の面と前記フレームとの間の前記シート部材の少なくとも一部に、当該シート部材の変形に対する抗力を緩和する形状を有し、
    該形状が、凸形状の曲面または階段形状または多平面のいずれかである
    ことを特徴とする液体収納容器。
  2. 前記面部材と前記バネとが固定されていることを特徴とする請求項1に記載の液体収納容器。
  3. 前記収納容器の使用初期状態において、前記開口部からの液体の導出に伴って前記シート可動部が変形した後に前記バネが変形することを特徴とする請求項1乃至2のいずれかに記載の液体収納容器。
  4. 前記液体収納容器内にはインクが収納されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の液体収納容器。
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