JP2004098523A - 凸型シートの製造方法、製造装置及び凸型シートを備える液体収納容器 - Google Patents

凸型シートの製造方法、製造装置及び凸型シートを備える液体収納容器 Download PDF

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小倉 英幹
Hiroyuki Ishinaga
石永 博之
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Tetsuya Ohashi
大橋 哲也
Nobuyuki Kuwabara
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Abstract

【課題】液体収納容器の構成部品である凸型シートの成形において、シートの機能性を失うことなく、バラツキ、ムラ、破れなどのない、目的の形状にシート成形を行うことができる凸型シートの製造方法、製造装置及びそれによって製造される凸型シートを備える液体収納容器を提供する。
【解決手段】シートを軟化し、軟化された前記シートを成形されるべき凸型形状を有する成形型に外接させ、前記シートと前記成形型との間を真空引きし、前記シートを前記成形型に密着させることにより凸型シートを製造する。該凸型シートを製造する製造装置としての真空成形装置の前記成形型には、少なくとも一部がスリット形状である、前記真空引きのための真空吸引口が形成されている。製造された凸型シートは、液体収納容器の構成部品として使用される。
【選択図】    図8

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、凸型シートの製造方法、製造装置及び凸型シートを備える液体収納容器に関する。より詳細には、例えば、記録部としてのペンあるいはインクジェット記録ヘッドなどの外部装置へインク等の液体を供給するために負圧が利用される液体収納容器の構成要素として用いられる凸型シートの製造方法、製造装置及び該凸型シートを備える液体収納容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
これまで液体を収納するための容器として、液体をその外部装置に供給する際に、容器内部を負圧に保ちながら液体を供給する方式の容器が知られている。この方式の容器の特徴は、容器自体が与える負圧によって、容器に接続される外部装置、例えば、ペン先や記録ヘッドのような液体使用部、に対して適切な液体供給が行えるというものである。
【0003】
例えば、この負圧特性を適正に必要とするようなインクジェット記録分野では、液体収納容器としてのインクタンク内部に、負圧発生源としてのスポンジを収納したものや、袋状のインク収納部にバネを設け、インクの消費による袋の内方への変形に抗する力を与えることで負圧を形成するもの(特許文献1、特許文献2など参照)が知られている。また、特許文献3に開示されているゴム製インク収納部のような、円錐形形状の円錐部を丸めた形状のもので、その丸めた円錐部を円錐周面厚みよりも薄くするという構成のものも知られている。
【0004】
これらは、いずれも液体収納容器から記録ヘッドに至るインク供給系が、チューブなどを用いた密封系である。一方で、一般的に密封系のインク供給系を用いるインクジェット記録分野では、次のように負圧発生機構を備えるものと、そうでないものとに分類される。
【0005】
一般に、インク供給システムとして負圧発生源を用いない場合は、「水頭差」(インク使用部に対する高低差により生じる圧力差)によって、インクを供給するものが知られている。この場合は、インク収納部に特別な条件を必要としないため、通常の袋などのインク収納袋を用いることが多い。しかし、インク供給経路を密閉型とするため、インク収納袋から上方に位置するインク使用部(ヘッド部)までチューブなどの供給管を必要とし、結果的に大型の装置となることがある。
【0006】
これに対し、このインク供給経路をできるだけ小さくし、あるいは実質的に無くすために、記録ヘッドに対する負圧発生機構を設け、水頭差を必要としない記録ヘッドとインクタンクの構成が提案され、実施されてきた。なお、本明細書では、特にインクジェット記録ヘッドとインクタンクとを一体化したものをインクジェットカートリッジと呼ぶこととする。
【0007】
負圧発生機構を有したこのようなインクジェットカートリッジは、記録ヘッドとインク収容部(インクタンク)とが常時一体である構成と、記録ヘッドとインク収容部とが別体でかつ装置本体に対して双方とも分離でき、使用時に一体として使用する構成とに分けることができる。いずれの構成においても、インク収容部におけるインク供給口は、インク収納部の中心より下方に設けられることが多い。この点からも、記録ヘッドに設けられたノズルなどの吐出部からのインク漏れを防ぐなどインク供給を適切に行なうことに加え、インクジェットカートリッジにおけるインク収納部には、インクを安定して保持するための負圧を必要とする。この負圧は、記録ヘッドに対するインク供給に関する背圧を構成するものであり、記録ヘッドの吐出口部の圧力を大気圧に対して負とするためのものであることから負圧と呼ばれている。
【0008】
負圧を発生させるための最も知られた構成の一つとしては、多孔質体の毛管力を利用する構成が挙げられる。この構成によるインクタンクは、インクタンク内部全体にインク貯蔵を目的として収納された、好ましくは圧縮状態で収納されたスポンジなどの多孔質体と、記録中のインク供給を円滑にするためインク収納部に大気を取り入れることを可能とする大気連通口を備えたものである。
【0009】
しかし、多孔質部材をインク保持部材として使用する場合の課題として、単位体積あたりのインク収容効率が低いことが挙げられる。この課題を解決するため、多孔質部材をインクタンク全体に挿入する構成の代わりに、多孔質部材をインクタンクの一部に収納する構成が挙げられる。この構成は、多孔質体がインクタンク全体に挿入されている構成と比較して単位体積あたりのインク収容効率及びインク保持能力を高めることができる。
【0010】
しかし、さらにインクの収容効率を向上させる観点からは、前述のように袋とバネの組み合わせ構成の袋状容器や、ゴム製のインク収納容器を用いることが望ましい。
【0011】
【特許文献1】
特開昭56−67269号公報
【0012】
【特許文献2】
特開平6−226993号公報
【0013】
【特許文献3】
米国特許第4509062号明細書
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
これまで、袋状のインク収納容器にバネを用いて負圧を発生させるものは、比較的大容量(例えば、30〜40cc)のインク収納容器であるため、負圧を発生させるためのバネの力が大きく、したがって、インク量に従って変形するシートの剛性は相対的に小さく、負圧発生にバラツキや不安定性はあるものの実用は可能なものであった。
【0015】
しかしながら、シートにより小容量(〜30cc)のインク収納容器を形成する場合、平坦なシートを膨らませその形状を保ってフレームに対し接着もしくは溶着して製造すると、その接着もしくは溶着面にシワを生じたりして、組立安定性や接着などの信頼性が低下することがある。また、このような製造方法では、歩留まりの低下やインク容量自体のバラツキも生じ得る。
【0016】
密閉系の袋状インク収納容器においては、容器内のインクを使っていくうちに、インク使いきり付近で、シートの変位による容器内の負圧の上昇やシートの変形部のシワ部に未使用インクが残ることが予測される。このことは、特に、小容量(〜30cc)のインク収納容器においては、その使用効率に対して大きく影響を及ぼす可能性が高い。
【0017】
さらに、物流時における急激な圧力変動やその他に生じることが予想される環境変化により、これらインク容器内の内圧変化が生じた際にインク漏れや動作不良などが発生する恐れがある。
【0018】
そこで、変形可能な凸形状が形成されたシート部材を用いてインク収納容器を形成することにより上記問題を解決する方法が考えられている。
【0019】
ここで用いられるシートは、容器内のインクの消費により変形し、かつシートの変形により生じるフィルムの剛性による負圧(背圧)の上昇が小さくなければならないため、非常に薄いシートであることを要する。また、インク収納容器に必要となる蒸発抑制やシートを透過して混入される酸素や窒素なども容器内の負圧を変化させる要因となるため、気体透過量を抑制する高水蒸気バリア性及び高ガスバリア性を有する機能性シートを用いることが望ましい。
【0020】
これらのシートを成形するために使用される従来の真空成形方法は、熱を加えて軟化させたシートを成形型にあてがい、型に設けられた真空孔からシートと型との間に存在する空気を吸い出し、これによりシートを型に密着させ、その後シートを冷却することにより、所定の形状に成形するものであった。この方法は、その他の成形方法に比べて、薄肉成形の製作に適しており、型費が安価であることや小ロットの生産にも適している。また、多数個取りも容易にでき、量産にも対応できる方法であることが知られている。
【0021】
図1〜図4は、従来の真空成形によるシート成形の工程を示した図である。図1、2は、雄型(凸)、図3、4が雌型(凹)の成形型における真空成形の工程を表わしている。
【0022】
真空成形の型は、一般に雄型(凸)又は雌型(凹)の2種類の型が存在することになるが、いずれの型においても成形される形状は同一であることから、図1、2および図3、4に示される真空成形方法は、雄型又は雌型の型に違いはあるとしても真空成形としては実質同一の事象であると言える。したがって、ここでは図1、2と図3、4に示される真空成形方法を1つの真空成形方法として述べることとする。
【0023】
図1、3の(a)〜(d)は、真空成形の工程の断面図を、図2、4の(a)〜(c)は、同工程における斜視図を表わしている。
【0024】
先ず、第1のステップとしての工程(a)において、樹脂シート(或いは樹脂フィルム)101を固定治具11にクランプさせた状態で、ヒーター10により熱を加えて樹脂シート101を軟化させる。次に、第2のステップとしての工程(b)において、軟化した樹脂シート101を成形型102にあてがい、型102に設けられている真空孔104から空気を吸い出す。第3のステップとしての工程(c)において、空気を十分に吸い出し、シート101を型102に密着、成形させて後、シート101を冷却させる。続いて、第4のステップとしての工程(d)において、成形され、冷却されたシート101を型102から取り外すことにより、凸形状に成形されたシート101が得られる。以上の工程を経て、凸形状に成形されたシート(凸型シート)が完成する。
【0025】
これを斜視図(図2、図4)で見てみると、加熱され、軟化したシート101を成形型102にあてがい(工程a)、成形型102に設けられている真空孔104から空気を吸い出すことにより、シート101は、型102の形状に成形され(工程b)、それを所定の大きさにカッティングし、部品としてのタンクシート(凸型シート)106が完成する(工程c)。
【0026】
従来、図1〜図4に示すように、成形型には任意の位置にφ0.5〜1.5mm程度の真空孔104が設けられており、該真空孔を通して型とシートの間の空気が吸い出されている。真空孔の数は、成形する形状や大きさにより任意に決定されている。
【0027】
ところで、数10μm膜厚のシートで、通常の真空成形と同様の条件で真空成形を行なった場合、図2(a)、図4(a)に示されるように、成形時にシート上に真空孔の穴形状101Cが形成されたり、最悪の場合には、真空孔に対応するシート部分にピンホールや破損を生じる場合がある。また、シート上に成形された真空孔の穴形状101C部分は、通常のシート膜厚より薄くなってしまい、シートとしての機能性が低下させられてしまう。
【0028】
このような問題点を避けるために、逆に、その吸引圧力を低下させて成形を行なった場合、空気を吸い出すスピードが低下してしまうため、図1(d)、図2(b)、図3(d)、図4(b)に示されるように、シートの凸形状の稜線分101B又は101Aがはっきりと現れない場合や、シート形状のバラツキの原因となる。このことは、タンクの製造工程において、成形シートのタンク筐体部への位置合せのズレの原因や容量のバラツキの原因となる。
【0029】
図5は、上記従来の成形型により成形されたシートの体表的な断面を示した図である。
【0030】
図5(a)、(b)は、凸タイプの成形型で現れ易いシートの断面を、図5(c)、(d)は、凹タイプの成形型に現れやすいシートの断面図である。
【0031】
図5(a)に示されるように、凸タイプの成形型により成形される凸型シートにおいては、凸形状の底面部103Bの稜線101Bは、なだらかに形成され、稜線として不明瞭であり、凸型シートの底面部103Bが型寸法よりも広くなってしまう。このため、図5(b)に示されるように、凸型シートの底面部103Bとフレーム115との溶着において、ヒートヘッド118などによる溶着部の位置が定まらず、また溶着部の平面領域も充分に確保されず、したがって、溶着不安定性や歩留まり低下を引き起こす原因となっている。
【0032】
また、図5(c)に示されるように、凹タイプの成形型により成形される凸型シートにおいては、凸型シートの頂部稜線101Aが曲線を描くように成形され、平面領域103Aが狭くなっていることがわかる。この平面領域103Aには、図5(d)に示されるように、タンク内の負圧発生のためのバネユニット112が接着されることになるが、充分な平面性を確保できないため、安定的な接着が望めない。また、この平面領域103Aは、負圧発生機構であるバネの反力を伝達する圧力板が接着される部分であるから、その平面領域103Aが大きく、安定的に確保されることは、弱いバネ力で負圧を発生させる小型のインクタンクにおいては、特に重要であり、少しでも大きく安定的な負圧設計を行うのに欠かすことができない。
【0033】
本発明は、上記問題点に鑑みて、液体収納容器の構成部品である凸型シートの成形において、シートの機能性を失うことなく、バラツキ、ムラ、破れなどのない、目的の形状にシート成形を行うことができる凸型シートの製造方法、製造装置及びそれによって製造される凸型シートを備える液体収納容器を提供することを目的としている。
【0034】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係る凸型シートの製造方法は、シートを軟化し、軟化された前記シートを成形されるべき凸型形状を有する成形型に外接させ、前記シートと前記成形型との間を真空引きし、前記シートを前記成形型に密着させることにより凸型シートを製造する凸型シートの製造方法であって、前記成形型には、少なくとも一部がスリット形状である、前記真空引きのための真空吸引口が形成されていることを特徴とする。
【0035】
また、本発明に係る凸型シートの製造装置は、シートをクランプするための固定治具、シートを軟化するためのヒーター、成形されるべき凸型形状が形成されている成形型及び前記シートと前記成形型との間を真空引きするための真空源を備える凸型シート製造装置であって、前記成形型には、少なくとも一部がスリット形状である、前記真空引きのための真空吸引口が形成されていることを特徴とする。
【0036】
さらに、本発明に係る液体収納容器は、可撓性を有する凸型シート、容器内部に負圧を発生させるバネ部材及び容器内部の液体を外部に供給するための供給口を備える液体収納容器であって、該凸型シートは、真空成形され、該真空成形に用いられる成形型に形成される真空吸引口は、前記凸型シートの稜線に沿って開口し、スリット形状であることを特徴とする。
【0037】
本発明では、成形型の真空吸引口が成形されるべき凸型シートの凸型形状の稜線に沿って開口し、スリット形状に形成されており、該真空吸引口から空気を吸引することにより、安定的なシート形状を成形し、成形される凸型シートの稜線にバラツキ、ムラ、破れなどの発生をなくすことが可能となる。また、これにより、ガス・水蒸気バリア性などの高機能性を有するシートの性能を損なうことなく、目的の形状に成形することが可能となる。
【0038】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参考にして本発明を詳細に説明する。
(実施例)
図6、7は、雄型(凸)、図8、9は雌型(凹)の成形型による本発明に係る真空成形の工程ならびに本発明に係る真空成形方法で用いられる成形型の構造を表わしている。上記従来例と同様に、雄型又は雌型いずれの成形型によるとしても成形される形状が同一であり、真空成形方法としては実質同一の事象であると言える。したがって、ここでも、図6、7と図8、9に示される真空成形方法を1つの真空成形方法として述べることとする。
【0039】
図6、図8の(a)〜(d)は、真空成形の工程の断面図を、図7、図9の(a)〜(c)は、同工程における斜視図を表わしている。
【0040】
本発明に係る真空成形の工程は、上記従来例と略同じであるが、簡単に説明する。 先ず、第1のステップとしての工程(a)において、樹脂シート(或いは樹脂フィルム)101を固定治具11にクランプ(把持)させた状態で、ヒーター10により熱を加えて樹脂シート101を軟化させる。次に、第2のステップとしての工程(b)において、軟化した樹脂シート101を成形型部材としての形状型102Aおよび土台型102Bに外接するようにあてがい、成形型部材102A、102B間に設けられているスリット状吸引口105を通して、シート101と成形型部材102A、102Bの間の空気を吸い出す。第3のステップとしての工程(c)において、空気を充分に吸い出し、シート101を成形型部材102A、102Bに密着、成形させて後、シート101を冷却させる。続いて、第4のステップとしての工程(d)において、成形され、冷却されたシート101を成形型部材102A,102Bから取り外すことにより、凸型形状が成形された凸型シート101が得られる。以上の工程を経て、凸型シートが完成する。
【0041】
これを斜視図(図7、図9)で見てみると、加熱され、軟化したシート101を成形型部材102A、102Bに外接するようにあてがい(工程a)、成形型部材102A,102B間に設けられているスリット状吸引口105から空気を吸い出すことにより、シート101は、成形型部材102A、102Bによって合成された形状(凸型形状)に成形され(工程b)、それを所定の大きさにカッティングし、部品としてのタンクシート(凸型シート)106が完成する(工程c)。
【0042】
本発明に係る真空成形装置においては、真空成形型が形状型102A、土台型102Bの2つの成形型部材に分離され、その吸引口105が形状型102A、土台型102Bの間でスリット形状に形成されていることが特徴である。102Cは、2つの成形型部材102A、102B間の吸引間隙距離を調整可能とする位置調整用スペーサである。
【0043】
図6(a)〜(d)に示されるように、雄型(凸)の成形型による真空成形装置においては、形状型102Aは、成形されるべき凸型シートの凸型形状103が形成されている切頭四角錐形型部102D、ベース部102F及び型部102Aとベース部102Fをつなぐ柱状連結部102Eとを含んでいる。なお、柱状連結部102Eの断面は、型部102Dの底面部の四角形より小さい大きさであれば、例えば、四角形、円形、又は楕円など、どのような形状であってもよい。
【0044】
一方、土台型102Bは、平坦な頂面部102G、土台型102Aの略中央部に形成されている、前記形状型102Aの柱状連結部102Eが貫通する開口部102H及び前記形状型102Aのベース部102Fが収容される収容部102Iを含んでいる。
【0045】
形状型102Aと土台型102Bとの間には、図に示されるように、真空ポンプなどの吸引源に連通する吸引通路105Aが形成される。また、本実施例の場合、真空吸引部としての真空吸引口105は、成形されるべき凸型シートの凸型形状底面部稜線に対応する位置であって、スリット状に、水平方向(土台型102Bの平坦な頂面部102Gに平行な方向)に開口している。
【0046】
位置調整用スペーサ102Cは、収容室102I内で、形状型102Aと土台型102Bを上下方向に連結している。これにより、スリット状吸引口105の上下方向のスリット幅を調整することができる。
【0047】
なお、本実施例の場合、形状型102Aは、構造上の見地から、ベース部102と柱状連結部102Eとの間で分割可能に形成されていなければならない。このように形状型102Aが分割されるのを避けるためには、該形状型102Aの柱状連結部102Eを切頭四角錐形型部102Dの底面部四角形の大きさと同じにすればよい。この場合、スリット状吸引口105は、垂直方向(土台型102Bの平坦な頂面部102Gに直交する方向)に開口することになる。
【0048】
図8(a)〜(d)に示されるように、雌型(凹)の成形型による真空成形装置においては、土台型102Bは、ベース部102P及び該ベース部102P上面から突出形成され、成形されるべき凸型シートの凸型形状103の頂部平面領域を成形する平面成形部102Nを含んでいる。
【0049】
形状型102Aは、平坦な頂面部102J、該頂面部略中央に形状型102Aを貫通し、成形されるべき凸型シートの凸型形状103が上記雄型成形型とは逆向きに成形されるように(すなわち、凸型形状103の頂部平面領域が下側になるように)形成されている型部102K、前記平面成形部102が収容される第1収容室102L及び前記ベース部102Pが収容される第2収容室102Mを含んでいる。
【0050】
形状型102Aと土台型102Bとの間には、上記雄型成形型と同様に、図に示されるように、真空ポンプなどの吸引源に連通する吸引通路105Aが形成される。本実施例の場合、スリット状吸引口105は、成形されるべき凸型シートの凸型形状頂部平面領域の稜線に対応する位置であって、水平方向(土台型102Bの平面成形部102Nの平坦な上面に平行な方向に)に開口している。
【0051】
位置調整用スペーサ102Cは、第2収容室102M内で、形状型102Aと土台型102Bを上下方向に連結している。これにより、スリット状吸引口105の上下方向のスリット幅を調整することができる。
【0052】
吸引口105の上下方向のスリット幅は、0.5mm以下であることが望ましい。本実施例においては、吸引口105のスリット幅を0.1〜0.2mm幅のものを使用している。
【0053】
また、2つの成形型102A、102B間に形成されるスリット状吸引口105は、上記したように、成形されるシート101の凸型形状の稜線に対応する位置に設けられることが好ましい。
【0054】
このように吸引口105をスリット状に形成することにより、吸引面積が広くとれ、吸引圧力を上昇させることなく均一に吸引することができ、シワや引き目などが現れることもなく、安定的な凸型シートの成形が可能となる。また、図2(b)、図4(b)に現れていたような真空孔の跡101Cも見られることがなくなり、歩留まりが向上すると共に、ピンホールなども生じることなくシートの機能性に影響を与えることなく、該機能性が安定的に確保され、結果的に信頼性が向上する。さらに、スリット状吸引口105が成形されるシート101の凸型形状の稜線に対応する位置に形成されているため、成形された凸型形状103の稜線が明確に現れ、従来に比べて頂部平面領域を広く安定的に取ることが可能となる。したがって、成形される凸型形状にバラツキがなくなり、最終製品としてのタンク容量がばらつくこともない。
【0055】
図10は、本発明に係る成形型により成形されたシートの代表的な断面を示している。
【0056】
図5(a)、(c)に示される従来の成形方法で成形されたシート形状とは異なり、図10(a)に示されるように、本発明に係る成形型により成形された凸型シートの頂部稜線101Aと底面部稜線101Bとが明瞭に現れていることがわかる。これにより、凸型形状の頂部平面領域103Aも設計値よりも小さくなることがなく、安定的に確保することができる。それによって、凸型形状の変位体積を安定的に大きく取ることができ、また、形状の安定に伴い、タンク容量も安定化する。
【0057】
したがって、図10(b)に示されるように、凸型形状底面部領域103Bも、成形型に準じて成形されており、稜線101Bが明確に形成され、タンク筐体部(フレーム)115への溶着面となるシートの凸型形状周辺部101Cの平面性も確保されるため、フレーム115への位置合わせも正確に行なえ、それによって、ヒートヘッド118などによるフレーム115への溶着安定性も向上する。また、図10(c)に示されるように、負圧発生のためのバネユニット112の接着に関しても、凸型形状の頂部平面領域103Aが広く安定的に確保されるためバネ設計が容易となり、稜線101Aの明確化によりバネユニット112の位置合わせも問題なく行うことができる。
【0058】
以上のように、シートの真空成形において、成形型の吸引口をスリット形状にすることにより、数10μm厚の機能性シートの凸型形状を安定的に、また、ピンホールなどにより機能性を損なうことなく、成形することが可能となる。さらに、成形された凸型シートをインクタンクの部品として用いることにより、インクタンクの容量や機能性の安定化、製造工程における歩留まりの向上に大きな効果が得られる。
【0059】
なお、後述される図11〜15に示されているインクタンクの製造におけるタンクシート106の成形素材としてのシート材料101は、原材料から大きなサイズのシート状に成形されたものであり、このシート材料101は、製造されるインクタンクの性能に対して重要なファクターを占める。このシート材料101には、気体とインク成分の透過度が低く、かつ可撓性を持ちつつ繰り返し変形に対する耐久性が要求される。その好適な材料としては、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、エチレンビニルアルコール共重合体(EVOH)、ナイロンなどが挙げられる。また、複合材料として、前記材料にアルミニウムやシリカを蒸着したものなどを用いることもでき、さらに、これらを積層化して用いてもよい。特に、耐薬品性に優れたPPやPEと、気体・水蒸気遮断性能に優れたPVDCやEVOHを積層して用いることにより、優れたインクタンク性能を発揮することができる。また、このようなシート材料101の厚さは、柔軟性と耐久性に鑑みて、10μm〜100μm程度が適する。シート材料101の厚さが100μm(0.1mm)を越えると、シートの腰が強くなり、凸形状に成形したシートにおいて、凸部の変形性が悪くなり、負圧利用のインクタンクとしてとして好ましいものではない。このことから、可撓性の機能を充分に利用するため、なるべく薄い膜厚のシートを使用することが好ましい。したがって、シート材料101としては、50μm以下の厚みであって、高ガスバリア性・高水蒸気バリア性能の材質であることが望ましい。
【0060】
(インクタンクの製造)
以下に、図11〜17を参照して、上記本発明に係る真空成形方法で成形されたタンクシート(凸型シート)を用いて製造されるインクタンク及びその製造方法について説明する。
【0061】
図11は、本発明により製造されるインクタンク127の斜視図である。インクタンク127は、四角枠状のフレーム115の上下の開口部に、上下のバネ・シートユニット114を取り付けた密閉構造となっている。バネ・シートユニット114は、後述するように、バネ107と圧力板(平板)109からなるバネユニット112と、可撓性のタンクシート(可撓性部材)106とによって構成される。フレーム115には、インクタンク127の内部に通じる第1インク供給口128と第2インク供給口129が形成されている。
【0062】
図12〜15はこのようなインクタンク127の製造方法を説明するための図である。
【0063】
図12(a)は、インクタンク127の内部を負圧にするために用いられるバネユニット112の製造工程の説明図である。予め半円状に形成されたバネ107をバネ受け治具108に取り付けて、その上から、溶接電極111を用いたスポット溶接により圧力板109を取り付ける。圧力板109には、熱接着材110が付けられている。これらのバネ107と圧力板109とによって、バネユニット112が構成される。
【0064】
図12(b)は、バネユニット112をタンクシート106に取り付ける工程の説明図である。受け治具(図示せず)の上に載置したタンクシート106の内面に、バネユニット112を位置決めして配置する。そして、ヒートヘッド113を用いて熱接着材110を加熱することにより、バネユニット112とタンクシート106とを接着して、バネ・シートユニット114を構成する。
【0065】
本発明に係るタンクシート(凸型シート)106を使用することにより、上記したように、タンクシート106のバネユニット112が接着される面の平面性とタンクシートの凸形状成形時の形状安定性が確保されている。したがって、製造されるインクタンク127におけるシート機能性やシート成形安定性を損ねることなく、インクタンク製造の歩留まりを向上させる。
【0066】
図13(a)は、バネ・シートユニット114をフレーム115に溶着する工程の説明図である。フレーム115は、フレーム受け治具116に固定される。フレーム115を取り囲むシート吸着治具117は、フレーム115が位置決め配置された後、バネ・シートユニット114をバキューム孔117Aに吸着して、そのユニット114とフレーム115とを相対的に位置ずれなく保持する。その後、ヒートヘッド118により、フレーム115の(図13(a)中)上側の周縁部と、バネ・シートユニット114のタンクシート106と、の環状の接合面同士を熱溶着する。シート吸着治具117が、フレーム115の(図13(a)中)上側の周縁部と、バネ・シートユニット114のタンクシート106の周縁部分とを均一に対面させることにより、それらの接合面は、極めて均一に熱溶着されてシールされることになる。ゆえに、シート吸着治具117は、均一なシール性を確保すべく熱溶着する上において重要である。
【0067】
この工程においても、本発明に係るタンクシート(凸型シート)106を使用することにより、タンクシート106の溶着平面の安定性が確保されると共に、、成形時におけるシート溶着部稜線の明確化に伴うタンクシート106溶着部とフレーム溶着部との位置合せが容易に行える。これによって、インクタンクにおける機能性や溶着安定性を損ねることなく、インクタンク製造の歩留まりを向上させる。
【0068】
図13(b)は、カッター(図示せず)によって、フレーム115の外側にはみ出たタンクシート106の部分を切り取る工程の説明図である。このように、フレーム115からはみ出たタンクシート106の部分を切り取ることにより、バネ・シート・フレームユニット119が完成する。
【0069】
図14および図15(a),(b)は、このようなバネ・シート・フレームユニット119に、前述した工程により制作した他のバネ・シートユニット114を熱溶着する工程の説明図である。
【0070】
図14のように、バネ・シート・フレームユニット119は受け治具(図示せず)に取り付けられ、その受け治具と相対的に位置が規定された吸着治具120によって、バネ・シート・フレームユニット119の外周部が囲まれる。その受け治具は、バネ・シート・フレームユニット119のタンクシート106における外面の平面部106Aに面接触して、その平面部106Aを図15(a),(b)のように保持する。他のバネ・シートユニット114は、そのタンクシート106の外面の平面部106Aが押さえ治具121によって吸着保持され、この押さえ治具121が下降することによって、バネ・シートユニット114側のバネ107の先端部107A,107Bと、バネ・シート・フレームユニット119側のバネ107の先端部107A,107Bとがほぼ同時に嵌合する。すなわち、バネ107の一方の先端部107Aは凸状、他方の先端部107Bは凹状となっており、それぞれが自己アライメントにより嵌まり込むようになっており、それらのバネ107は、一対のバネ部材構成体として結合することにより1つのバネ部材を構成する。
【0071】
さらに、押さえ治具121を下降させて、図15(a)のように、それら一対のバネ107を圧縮させる。その際、押さえ治具121は、バネ・シートユニット114における(図15(a)中)上側の平面部106A、つまり凸部に形成されたタンクシート106の上側のフラット領域を幅広く押さえ込む。これにより、タンクシート106の平面部106Aの位置が規制され、下側のユニット119や治具120に対して、バネ・シートユニット114が平行に保たれたまま接近する。したがって、図15(b)のように、バネ・シートユニット114のタンクシート106の周縁部分は、吸着治具120の面に接して、バキューム孔120Aに吸引保持される共に、フレーム115の溶着面(同図中上側の接合面)にも均一に対面することになる。そして、この状態において、ヒートヘッド122により、バネ・シート・フレームユニット119のフレーム115の図中上側の周縁部と、バネ・シートユニット114のタンクシート106と、の環状の接合面同士を熱溶着する。
【0072】
このように、上側のユニット114のタンクシート106の平面部106Aと、下側のユニット119のタンクシート106の平面部106Aとの平行度を維持しつつ、一対を成すバネ107を圧縮させることにより、それら一対のタンクシート106の平面部106Aの平行度が高いインクタンク127を安定的に大量生産することができる。また、一対をなすバネ107は、図15(a),(b)中において左右均一に圧縮変形されるため、バネ・シートユニット114を傾けるような力を生じることがなく、一対のタンクシート106の平面部106Aの平行度が高いインクタンク127をより安定的に生産することができる。さらに、インクタンク127内の容積変化に伴なって、一対をなすバネ107が図15(a),(b)中において左右均一に圧縮変形されるため、一対のタンクシート106の平面部106Aは高い平行度を保ったまま対向間隔が変化することになり、この結果、インクを安定的に供給することができる。また、可撓性のタンクシート106の平面部106Aを斜めに傾けるような無理な力が作用しないため、インクタンク127のシール性、耐圧性、耐久性が向上することになる。
【0073】
その後、フレーム115の外側にはみ出たタンクシート106の部分を切り取ることによって、図11のインクタンク127が完成する。インクタンク127の内部は、第1インク供給口128と第2インク供給口129によってのみ外部に連通する密閉構造となっている。
【0074】
図16は、インクタンク(サブタンク)127を記録ヘッドに取り付ける工程の説明図である。
【0075】
記録ヘッドを構成するヘッドチップ133はインクタンク収容室130に取り付けられており、このインクタンク収容室130内にインクタンク127が複数個取り付けられる。インクタンク127は、インクタンク取り付け部131に溶着や接着によって取り付けられる。また、本例のインクタンク127は、インク供給口128,129を下側にして取り付けられる。その後、インクタンク収容室130の開口部に蓋132を溶着や接着によって取り付けて、インクタンク収容室130内を準密閉空間とする。これにより、インクタンクを備えた記録ヘッドが構成される。ヘッドチップ133はインクジェット記録ヘッドを構成するものであってもよく、そのインクジェット記録ヘッドとしては、例えば、インク吐出口からインク滴を吐出するために電気熱変換体を備えた構成を採用することができる。すなわち、その電気熱変換体の発熱によりインクを膜沸騰させ、その発泡エネルギーを利用してインク吐出口からインク滴を吐出させる構成とすることができる。このようなインクジェット記録ヘッドとインクタンクとを結合することにより、インクジェットカートリッジを構成することができる。
【0076】
図17は、図11のインクタンク127を備えたインクタンク収容室130の断面図である。
【0077】
インクタンク127の内部にはインクの貯蔵が可能であり、そのインクは、インクタンク127の第1インク供給口128からフィルタ137を介して供給路136へ供給され、さらにヘッドチップ133に供給される。本例のヘッドチップ133は、インクジェット記録ヘッドを構成すべくヒータボード134が接着されており、このヒータボード134には、インク吐出流路とオリフィスが形成されていると共に、電気熱変換体(ヒータ)が備えられており、インクタンク127から供給されたインクの吐出が可能となっている。インクタンク127内には、第2供給口129からインクを充填することが可能である。すなわち、第2供給口129には、ジョイントシールプレート139によって、インク漏れを防ぎかつインク充填を可能とするジョイントシール138がタンク収納室130の下部の開口141をシールするように固定されている。ジョイントシール138は可撓性のゴム部材等により構成されており、このジョイントシール138には、ニードル状の供給管を挿入可能なスリット開口が設けられている。インクタンク127内へのインク供給時には、そのニードル状の供給管をジョイントシール138のスリット開口に挿入し、その供給管を通して、インクタンク127内にインクを供給する。インクタンク127内にインクを供給しない非インク供給時には、そのスリット開口がジョイントシール138の弾性によって閉じられているため、インクの漏れは発生しない。140は、第2の供給口129に連通する連通路であり、フレーム115の内側に予め貫通形成しておくことができる。
【0078】
さらに、蓋132によって準密閉構造とされたインクタンク収容室130は、小孔の連通口142のみによって外部と連通している。この連通口142を塞ぐことによりインクタンク収容室130内を大気から遮断したり、この連通口142からインクタンク収容室130内の空気を排出することによって、インクタンク収容室130内を減圧して、インクタンク127内の負圧を高めることが可能である。
【0079】
また、インクタンク収容室130内の減圧と増圧を繰り返すことにより、第2インク供給口129からインクタンク127内に、インクを自動的に吸引補給することもできる。その際、インクタンク収容室130内の圧力変化に応じて、バネ107が応答性よく弾性変形するため、インクが頻繁に補給される小型のインクタンクとして好適に用いることができる。
【0080】
(その他の実施形態)
対のバネ107の代わりに、それらを結合したときと同様の形態を成す1つのバネを備えてもよい。その場合には、その1つのバネを対のタンクシート106の一方に取り付けた上、そのタンクシート106をフレーム115に結合させておいてから、その1つのバネを圧縮させつつ、他方のタンクシート106をフレーム115に結合させることもできる。その際、その1つのバネを対のタンクシート106の一方に取り付けず、単に、対のタンクシート106の間にバネを挟むようにしてもよい。
【0081】
また、対のタンクシート106は、少なくとも一方が可撓性部材によって形成されていればよい。
【0082】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば真空成形型に設けられる真空孔をスリット形状にすることにより、高機能かつ薄膜シートを凸型シート部材として用いる液体収納容器(インクタンク)において、シート部材が有する水蒸気バリア性やガスバリア性等の機能を損なうことなく、液体収納容器の負圧変動や初期負圧だし機能に影響を与える凸型シートを、安定的に製造することが可能となり、結果として、液体収納容器の容量及び機能性の安定化、また、製造工程における歩留まりの向上に効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のシート真空成形工程(雄型タイプ)を説明するための断面図であり、(a)は、シートを加熱している工程、(b)は、加熱されたシートを成形型にあてる工程、(c)は、空気吸引工程、(d)は、凸型シートを成形型から取り外す工程を示している。
【図2】図1の真空成形工程の概略斜視図であり、(a)は、シートを成形型にあてる工程、(b)は、シートに凸型形状が成形された状態、(c)は、凸型シートを示す。
【図3】従来のシート真空成形工程(雌型タイプ)を説明するため断面図であり、(a)は、シートを加熱している工程、(b)は、加熱されたシートを成形型にあてる工程、(c)は、空気吸引工程、(d)は、凸型シートを成形型から取り外す工程を示している。
【図4】図3の真空成形工程の概略斜視図であり、(a)は、シートを成形型にあてる工程、(b)は、シートに凸型形状が成形された状態、(c)は、凸型シートを示す。
【図5】従来のシート真空成形により成形される代表的な凸型シートおよびその問題点を説明するための該シートの断面図であり、(a)、(b)は、凸タイプの成形型で現れ易い凸型シートの断面図、(c)、(d)は、凹タイプの成形型に現れやすい凸型シートの断面図である。
【図6】本発明のシート真空成形工程(雄型タイプ)を説明するため図であり、(a)は、シートを加熱している工程、(b)は、加熱されたシートを成形型にあてる工程、(c)は、空気吸引工程、(d)は、凸型シートを成形型から取り外す工程を示している。
【図7】図1の真空成形工程の概略斜視図であり、(a)は、シートを成形型にあてる工程、(b)は、シートに凸型形状が成形された状態、(c)は、凸型シートを示す。
【図8】本発明のシート真空成形工程(雌型タイプ)を説明するため図であり、(a)は、シートを加熱している工程、(b)は、加熱されたシートを成形型にあてる工程、(c)は、空気吸引工程、(d)は、凸型シートを成形型から取り外す工程を示している。
【図9】図8の真空成形工程の概略斜視図であり、(a)は、シートを成形型にあてる工程、(b)は、シートに凸型形状が成形された状態、(c)は、凸型シートを示す。
【図10】本発明のシート真空成形により成形される代表的な凸型シートを示し、(a)は、該凸型シートの断面図、(b)、(c)は、インクタンク製造段階における凸型シートの断面図である。
【図11】本発明に係る実施例としてのインクタンクの斜視図である。
【図12】図7のインクタンクの製造を説明するための図であり、(a)は、図7のインクタンクにおけるバネユニットの製造工程の説明図であり、(b)は、図7のインクタンクにおけるバネ・シートユニットの製造工程の説明図である。
【図13】(a)は、図11のインクタンクにおけるバネ・シート・フレームユニットの製造を説明するための図、(b)は、該バネ・シート・フレームユニットを仕上げる工程を示す図である。
【図14】図11のインクタンクにおけるバネ・シートユニットとバネ・シート・フレームユニットとの結合工程を説明するための図である。
【図15】図14における結合工程の要部断面図であり、(a)は、結合前、(b)は、結合後を示す。
【図16】図11に示されるインクタンクをタンク収納容器に取り付ける工程の説明図である。
【図17】インクタンクをタンク収納容器内に取り付けた状態における要部の断面図である。
【符号の説明】
10     ヒーター
11     固定治具
101    樹脂シート
101A   頂部稜線
101B   底面部稜線
101C   凸型形状周辺部
102    成形型
102A   形状型(成形型部材)
102B   土台型(成形型部材)
102C   位置調整用スペーサ
102D   (雄型成形部材としての形状型の)切頭四角錐形型部
102E   (雄型成形部材としての形状型の)柱状連結部
102F   (雄型成形部材としての形状型の)ベース部
102G   (雄型成形部材としての土台型の)頂面部
102H   (雄型成形部材としての土台型の)開口部
102I   (雄型成形部材としての土台型の)収容部
102J   (雌型成形部材としての形状型の)頂面部
102K   (雌型成形部材としての形状型の)型部
102L   (雌型成形部材としての形状型の)第1収容部
102M   (雌型成形部材としての形状型の)第2収容部
102N   (雌型成形部材としての土台型の)平面成形部
102P   (雌型成形部材としての土台型の)ベース部
103    凸型形状
103A   (凸型形状の)頂部平面領域
103B   (凸型形状の)底面部領域
104    真空孔
105    スリット状吸引口
105A   吸引通路
106    タンクシート(凸型シート、可撓性部材)
106A   平面部
107    バネ部材
107A、107B (バネ部材の)先端部
109    圧力板
110    熱接着材
112    バネユニット
114    バネ・シートユニット
115    フレーム
119    バネ・シート・フレームユニット
121    押さえ治具
122    ヒートヘッド
127    インクタンク
128    第1インク供給口
129    第2インク供給口
130    インクタンク収容室
133    ヘッドチップ

Claims (18)

  1. シートを軟化し、軟化された前記シートを成形されるべき凸型形状を有する成形型に外接させ、前記シートと前記成形型との間を真空引きし、前記シートを前記成形型に密着させることにより凸型シートを製造する凸型シートの製造方法であって、
    前記成形型には、少なくとも一部がスリット形状である、前記真空引きのための真空吸引口が形成されていることを特徴とする凸型シートの製造方法。
  2. 前記真空吸引口は、少なくとも前記凸型形状の稜線に沿って開口し、該稜線に沿って開口する真空吸引口は、全てスリット形状であることを特徴とする請求項1に記載の凸型シートの製造方法。
  3. 前記成形型は、2つの成形型部材からなり、前記スリット形状の真空吸引口は、前記2つの成形型部材の間に形成されることを特徴とする請求項2に記載の凸型シートの製造方法。
  4. 前記成形型は、雄型成形型であり、前記スリット形状の真空吸引口は、前記凸型形状の底面部稜線に沿って開口していることを特徴とする請求項2又は3に記載の凸型シートの製造方法。
  5. 前記成形型は、雌型成形型であり、前記スリット形状の真空吸引口は、前記凸型形状の頂部稜線に沿って開口していることを特徴とする請求項2又は3に記載の凸型シートの製造方法。
  6. 前記スリット形状の真空吸引口は、水平方向に開口していることを特徴とする請求項2乃至5のいずれかに記載の凸型シートの製造方法。
  7. 前記スリット形状の真空吸引口は、垂直方向に開口していることを特徴とする請求項2乃至5のいずれかに記載の凸型シートの製造方法。
  8. 前記シートの厚さが0.1mm以下であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の凸型シートの製造方法。
  9. シートをクランプするための固定治具、シートを軟化するためのヒーター、成形されるべき凸型形状が形成されている成形型及び前記シートと前記成形型との間を真空引きするための真空源を備える凸型シート製造装置であって、
    前記成形型には、少なくとも一部がスリット形状である、前記真空引きのための真空吸引口が形成されていることを特徴とする凸型シートの製造装置。
  10. 前記真空吸引口は、少なくとも前記凸型形状の稜線に沿って開口し、該稜線に沿って開口する真空吸引口は、全てスリット形状であることを特徴とする請求項9に記載の凸型シートの製造装置。
  11. 前記成形型は、2つの成形型部材からなり、前記スリット形状の真空吸引口は、前記2つの成形型部材の間に形成されることを特徴とする請求項10に記載の凸型シートの製造装置。
  12. 前記成形型は、雄型成形型であり、前記スリット形状の真空吸引口は、前記凸型形状の底面部稜線に沿って開口していることを特徴とする請求項10又は11に記載の凸型シートの製造装置。
  13. 前記成形型は、雌型成形型であり、前記スリット形状の真空吸引口は、前記凸型形状の頂部稜線に沿って開口していることを特徴とする請求項10又は11に記載の凸型シートの製造装置。
  14. 前記スリット形状の真空吸引口は、水平方向に開口していることを特徴とする請求項10乃至13のいずれかに記載の凸型シートの製造装置。
  15. 前記スリット形状の真空吸引口は、垂直方向に開口していることを特徴とする請求項10乃至13のいずれかに記載の凸型シートの製造装置。
  16. 前記シートの厚さが0.1mm以下であることを特徴とする請求項9乃至15のいずれかに記載の凸型シートの製造装置。
  17. 可撓性を有する凸型シート、容器内部に負圧を発生させるバネ部材及び容器内部の液体を外部に供給するための供給口を備える液体収納容器であって、
    該凸型シートは、真空成形され、該真空成形に用いられる成形型に形成される真空吸引口は、前記凸型シートの稜線に沿って開口し、スリット形状であることを特徴とする液体収納容器。
  18. インクジェット記録ヘッドに搭載されることを特徴とする請求項17に記載の液体収納容器。
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