JP2016187900A - カートリッジおよび液体供給方法 - Google Patents

Abstract

【課題】可撓性の液体容器内の液体の量が少なくなった場合でも、この液体を液体噴射装置に安定して供給できるカートリッジを提供する。【解決手段】カートリッジ１はインクジェットプリンターに装着されて顔料インクを供給する。カートリッジ１は、インクパック９と、インクパック９に当接可能なエアーバッグ１０と、インクパック９およびエアーバッグ１０を収容する加圧室１１を備える。インクパック９内のインク量が減った場合には、エアーバッグ１０に加圧された空気を導入して、エアーバッグ１０によりインクパック９を押圧してインクパック９の内圧を上昇させる。しかる後に、加圧室１１に加圧した空気を導入して、加圧室１１の内圧を上昇させて、インクパック９を外側から加圧する。これにより、インクパック９内のインクをインク供給口１２からインクジェットプリンターに供給する。【選択図】図５

Description

本発明は、液体噴射装置に装着されて液体を供給するカートリッジおよび液体供給方法
に関する。

プリンターに装着されてインクを供給するカートリッジは特許文献１に記載されている
。特許文献１のカートリッジは、ケースと、ケース内に収容されたインクパックと、イン
クパックに取り付けられた平板と、この平板を付勢するバネを備える。インクパックは、
インクを収容する可撓性の収容袋と、収容袋内のインクを外部に供給するためのインク供
給管を備える。平板は収容袋に取り付けられている。バネは、平板とケースの底板との間
に配置されており、平板を介してインクパックをケースの天井板に押し付ける。これによ
り、収容袋が平板と天井板の間で潰れるので、インクパック内のインクはインク供給管を
介してプリンターの側に供給される。

特開２００９−２２６８０９号公報

特許文献１のカートリッジでは、インク量が減少するのに伴ってインクパックの上下方
向の厚みが減少する。ここで、インクパックの厚みが減少すると、厚みが減少した分だけ
バネが伸張するので、バネが平板を上方に付勢する付勢力が減衰する。従って、特許文献
１のカートリッジでは、インク量が減少するのに伴ってインクをプリンターに供給する圧
力が低下し、その供給が不安定になるという問題がある。

本発明の課題は、このような点に鑑みて、可撓性の液体容器内の液体の量が少なくなっ
た場合でも、この液体を液体噴射装置に安定して供給できるカートリッジを提供すること
にある。また、このようなカートリッジを用いた液体供給方法を提供することにある。

上記の課題を解決するために、本発明は、液体噴射装置に装着されて液体を供給するカ
ートリッジにおいて、前記液体を収容する可撓性の液体容器を備える液体収容部と、前記
液体容器に当接可能な可撓性の容器を備える押圧部と、前記液体収容部および前記押圧部
を収容する加圧室と、を有し、前記液体収容部は、前記液体容器から液体を外部に供給す
るための液体供給口を備え、前記押圧部は、前記容器に流体を導入するための押圧部側流
体流通口を備え、前記加圧室は、前記加圧室に流体を導入する加圧室側流体流通口を備え
ることを特徴とする。

本発明では、液体噴射装置に液体を供給する際には、加圧室側流体流通口を介して加圧
室に流体を導入する。これにより、可撓性の液体容器は外側から加圧される。従って、液
体容器内の液体は液体供給口を介して液体噴射装置の側に供給される。ここで、液体容器
内の液体の量が少なくなってきた場合には、押圧部側流体流通口を介して容器に流体を導
入すれば、押圧部（容器）によって液体容器を押圧できる。従って、押圧部の押圧力およ
び加圧室に導入される流体の圧力によって、液体供給口から外部に供給される液体の圧力
を上昇させることができる。これより、液体を液体噴射装置に供給する圧力が低下するこ
とを回避できるので、液体を安定して供給できる。

本発明において、前記液体供給口は、前記液体容器における装着方向の前端部分に取り
付けられており、前記押圧部は、前記装着方向における前記液体容器の後側部分に当接可
能であることが望ましい。このようにすれば、液体容器における液体供給口から遠い部分
を押圧部によって押圧できる。従って、液体噴射装置に供給されずに液体収容部に残留し
てしまう液体の量を低減できる。

本発明において、流体の導入によって前記押圧部が前記液体容器を押圧する押圧力が前
記加圧室の内圧以上とされることが望ましい。このようにすれば、加圧室に流体を導入す
ることによって液体容器を外側から加圧しているときに、流体を導入した状態の容器によ
って液体容器を押圧できる。

次に、本発明は、上記のカートリッジを液体噴射装置に装着して液体を供給する液体供
給方法において、前記押圧部側流体流通口を介して前記容器に流体を導入して前記容器を
拡張させて前記液体容器を押圧し、前記加圧室側流体流通口を介して前記加圧室に流体を
導入して前記液体容器を収縮させて前記液体供給口から前記液体噴射装置に液体を供給す
ることを特徴とする。

本発明によれば、加圧室の内圧が低い状態のときに、容器に流体を導入して容器を拡張
させる。従って、容器を拡張させることが容易である。よって、押圧部によって液体容器
を押圧することが容易となる。

この場合において、前記容器に流体を導入する前に、前記加圧室側流体流通口を大気に
連通させて前記加圧室を大気開放することが望ましい。このようにすれば、容器を拡張さ
せることがより容易となる。

本発明において、前記液体収容部内の前記液体の液体量が予め設定した設定液体量を下
回った後に前記押圧部側流体流通口を介して前記容器に流体を導入することが望ましい。
このようにすれば、加圧室内に容器を拡張させる空間を設けることができるので、容器を
拡張させることが容易である。

本発明を適用したカートリッジの斜視図および正面図である。 図１のカートリッジの分解斜視図とエアーバッグの斜視図である。 カートリッジのインクジェットプリンターへの装着状態の説明図である。 インク量が多い場合のインク供給動作の説明図である。 インク量が少ない場合のインク供給動作の説明図である。

以下に、図面を参照して、本発明の実施の形態であるカートリッジを説明する。

（カートリッジの全体構成）
図１（ａ）はカートリッジの外観斜視図であり、図１（ｂ）はカートリッジの正面図で
ある。図２（ａ）はカートリッジの分解斜視図であり、図２（ｂ）はエアーバッグの斜視
図である。

カートリッジ１は、インクジェットプリンター２の装着部３に装着されて顔料インクを
インクジェットプリンター２に供給する。図１（ａ）に示すカートリッジ１の姿勢は、カ
ートリッジ１が装着部３に装着される際の装着姿勢である。以下の説明では、装着姿勢に
おける左右方向をカートリッジ１の幅方向Ｘとする。幅方向Ｘと直交する方向であってカ
ートリッジ１を装着部３に装着する際の装着方向をカートリッジ１の前後方向Ｙとする。
また、装着姿勢における上下方向をカートリッジ１の上下方向Ｚとする。カートリッジ１
の前方（前側）は、装着方向における前方（前側）であり、後方（後側）は、その反対方
向である。カートリッジ１の左右は、カートリッジ１を前方から見た場合の左右である。

図１（ａ）に示すように、カートリッジ１は、直方体形状のケース５を備える。ケース
５は、前後方向Ｙの長さ寸法に対して幅寸法および高さ寸法が短い。また、ケース５は、
高さ寸法に対して幅寸法が短い扁平形状である。ケース５は左側に位置する箱型のケース
本体６と、右側に位置する蓋体７を備える。ケース本体６および蓋体７は樹脂製である。

図２（ａ）に示すように、ケース本体６は、その開口を右側に向けている。ケース本体
６の開口は、ケース本体６の開口縁に熱溶着されたフィルム８により塞がれている。ケー
ス本体６とフィルム８によって囲まれた空間は加圧室１１である。加圧室１１には、イン
クパック（液体収容部）９、エアーバッグ（押圧部）１０が収容されている。インクパッ
ク９はエアーバッグ１０の右側に位置する。エアーバッグ１０はケース５の後側に配置さ
れており、インクパック９の後側部分に当接可能である。蓋体７は、フィルム８を右側か
ら被うようにして、ケース本体６に固定されている。

図１（ｂ）に示すように、ケース５の前面５ａ（ケース本体６の前面）には、インク供
給口１２、エアーバッグ用空気流通口（押圧部用流体流通口）１３、および、ケース用空
気流通口１４が形成されている。ケース用空気流通口１４（加圧室側流体流通口）は、エ
アーバッグ用空気流通口１３の右側に設けられている。また、ケース５の前面５ａには、
インク供給口１２、エアーバッグ用空気流通口１３、および、ケース用空気流通口１４を
上下方向Ｚで間に挟んだ両側に位置決め穴１７、１８が設けられている。

ケース５の前面５ａにおける上端部分には、基板取り付け部１９が設けられている。基
板取り付け部１９は前方に向かって下方に傾斜する基板取り付け面１９ａを備える。基板
取り付け面１９ａには、メモリー２１とメモリー２１に接続された端子２２を実装したメ
モリー基板２３が固定されている。メモリー２１には、インクパック９に充填されたイン
クの容量やインクをインクパック９に充填した充填日などの情報が記憶保持されている。

ここで、インクパック９に収容されたインクは顔料インクである。顔料インクは顔料が
粒子として溶媒中に分散している。

（インクパック）
図２に示すように、インクパック９は、インクを収容する可撓性のインク収容袋２５と
、インク収容袋２５からインクを外部に供給するためのインク供給管（液体供給口）２６
を備える。

インク収容袋２５は、左側に位置する第１側面部２７と、右側に位置する第２側面部２
８と、第１側面部２７の下端部分と第２側面部２８の下端部分を接続する下側マチ部２９
と、第１側面部２７の上端部分と２側面部２８の上端部分を接続する上側マチ部３０を備
える。インク収容袋２５は、上側マチ部３０および下側マチ部２９を内側に折り畳んだ平
面形状が前後方向Ｙに長い長方形をしている。

ここで、インク収容袋２５は、第１側面部２７を構成する第１フィルム３１、第２側面
部２８を構成する第２フィルム３２、下側マチ部２９を構成する第３フィルム３３、上側
マチ部３０を構成する第４フィルム３４から形成されている。各フィルム３１〜３４は、
互いに隣り合う縁部分が溶着され、開口を前方に向ける袋状とされている。各フィルム３
１〜３４は、それぞれ、水分バリア層およびガスバリア層を備える複合バリア層と、接合
に用いられる溶着層を含む積層構造体である。複合バリア層は、例えば、無機酸化物を蒸
着した樹脂フィルムから形成された水分バリア層およびＥＶＯＨ（エチレンビニルアルコ
ール共重合樹脂）からなるガスバリア層を含む。溶着層は、ＰＥ（ポリエチレン）やＣＰ
Ｐ（無延伸ポリプロピレン）からなる。

インク供給管２６はインク収容袋２５の前端部分に取り付けられている。より具体的に
は、インク供給管２６は、第１フィルム３１の前端縁と第２フィルム３２の前端縁の間（
インク収容袋２５の開口）に挿入されて、これら第１フィルム３１および第２フィルム３
２に熱溶着されている。インク供給管２６の中心軸線Ｌ１は、前後方向Ｙ（装着方向）に
延びる。

インク供給管２６は、ケース５の前面５ａのインク供給口１２に接続される。ここで、
インクパック９は、インク供給管２６を介してインクが外部に供給されることによりイン
ク量が減少すると、下側マチ部２９および上側マチ部３０を内側に折り畳みながら、その
容積を減少させる。

（エアーバッグ）
エアーバッグ１０は、空気を収容可能な可撓性のエアーバッグ本体（容器）４１と、エ
アーバッグ本体４１への空気の導入とエアーバッグ本体４１と大気との連通を行うための
空気流通管４２を備える。エアーバッグ１０の前後方向Ｙの長さ寸法は、インクパック９
の前後方向Ｙの長さ寸法の半分以下である。エアーバッグ１０の高さ寸法はインクパック
９の高さ寸法と同一である。エアーバッグ１０は、インクパック９の左側から、インク収
容袋２５の後側部分に当接している。

エアーバッグ本体４１は、図２（ｂ）に示すように、幅方向Ｘの左側に位置する第１側
面部４５と、右側に位置する第２側面部４６と、第１側面部４５の下端部分と第２側面部
４６の下端部分を接続する下側マチ部４７と、第１側面部４５の上端部分と第２側面部４
６の上端部分を接続する上側マチ部４８を備える。

ここで、エアーバッグ本体４１は、第１側面部４５を構成する第１フィルム４９、第２
側面部４６を構成する第２フィルム５０、下側マチ部４７を構成する第３フィルム５１、
および、上側マチ部４８を構成する第４フィルム５２から形成されている。各フィルム４
９〜５２は、互いに隣り合う縁部分が溶着され、開口を前方に向ける袋状とされている。
各フィルム４９〜５２は、インクパック９のインク収容袋２５を構成する各フィルム３１
〜３４と同一の構造を備える。

空気流通管４２はエアーバッグ本体４１の前端部分に取り付けられている。より具体的
には、第１フィルム４９と第２フィルム５０の間に挿入されて、これら第１フィルム４９
および第２フィルム５０に熱溶着されている。空気流通管４２の中心軸線Ｌ２は、前後方
向Ｙ（装着方向）に延びる。

エアーバッグ１０の空気流通管４２は、連結管４３を介して、ケース５の前面５ａのエ
アーバッグ用空気流通口１３に接続される。

（カートリッジの装着部への装着）
図３はカートリッジ１がインクジェットプリンター２の装着部３に装着された状態の説
明図である。インクジェットプリンター２の装着部３は、カートリッジ１の前面５ａと対
向する対向面３ａに、当該対向面３ａから突出するインク導入口６１、装着部側第１空気
流通口６２および装着部側第２空気流通口６３を備える。また、装着部３は、一対の位置
決めピン６４、６５および接点機構６６を備える。

インク導入口６１はインクをインクジェットヘッド６７に供給するためのインク供給路
６８の上流端である。装着部側第１空気流通口６２はインクジェットプリンター２に搭載
された空気供給機構６９の第１空気流通路７０の下流端である。装着部側第２空気流通口
６３は空気供給機構６９の第２空気流通路７１の下流端である。一対の位置決めピン６４
、６５は、上下方向Ｚでインク導入口６１、装着部側第１空気流通口６２および装着部側
第２空気流通口６３を間に挟んだ両側に設けられている。各位置決めピン６４、６５は対
向面３ａからカートリッジ１の装着方向（前後方向Ｙ）に突出する。

空気供給機構６９は、加圧ポンプ７２、第１空気流通路７０、第２空気流通路７１、第
１空気流通路７０の途中に設けられた第１バルブ７３、第２空気流通路７１の途中に設け
られた第２バルブ７４を備える。加圧ポンプ７２は第１空気流通路７０および第２空気流
通路７１の上流端に接続されている。加圧ポンプ７２、第１バルブ７３および第２バルブ
７４は、印刷動作を司るインクジェットプリンター２の制御部７８により駆動制御される
。

第１バルブ７３は、第１空気流通路７０を遮断する閉位置と、加圧ポンプ７２と装着部
側第１空気流通口６２を連通させる開位置と、当該第１バルブ７３を介して装着部側第１
空気流通口６２を大気と連通させる大気開放位置の間で変位する。第２バルブ７４は、第
２空気流通路７１を遮断する閉位置と、加圧ポンプ７２と装着部側第２空気流通口６３を
連通させる開位置と、当該第２バルブ７４を介して装着部側第２空気流通口６３を大気と
連通させる大気開放位置の間で変位する。

カートリッジ１が装着部３に装着される際には、まず、一対の位置決めピン６４、６５
の先端がカートリッジ１の位置決め穴１７、１８に挿入される。これにより、カートリッ
ジ１は上下方向Ｚおよび幅方向Ｘの位置を規制された状態となる。その後、カートリッジ
１が前方に押し込まれると、カートリッジ１のインク供給口１２がインク導入口６１に接
続される。これに並行して、カートリッジ１のエアーバッグ用空気流通口１３が装着部側
第１空気流通口６２に接続され、ケース用空気流通口１４が装着部側第２空気流通口６３
に接続される。

また、カートリッジ１が装着部３に装着された状態では、接点機構６６がメモリー基板
２３の端子２２と電気的に接続する。これにより、制御部７８は、メモリー２１からの情
報の読み出しおよびメモリー２１への情報の書き込みが可能となる。

（インク供給動作）
次に、図３乃至図５を参照してカートリッジ１からインクジェットプリンター２へのイ
ンク供給動作を説明する。図４はインクパック９内のインク量が多い場合の第１インク供
給動作の説明図である。図５はインクパック９内のインク量が少ない場合の第２インク供
給動作の説明図である。図４および図５ではカートリッジ１を上下方向Ｚと直交する平面
で切断した断面を示す。図４（ａ）はインクを供給する前の状態であり、図４（ｂ）はイ
ンクを供給している状態である。

まず、インクジェットプリンター２が印刷データの供給を待つ待機状態では、第１バル
ブ７３および第２バルブ７４は大気開放位置に配置される。従って、図４（ａ）に示すよ
うに、エアーバッグ１０および加圧室１１は大気開放されている。

印刷時に、カートリッジ１からインクジェットプリンター２にインクＩを供給する際に
は、制御部７８は第１インク供給動作または第２インク供給動作を行う。第１インク供給
動作はインク量が予め定めた規定量（設定液体量）よりも多い場合に行われる。第２イン
ク供給動作はインク量が規定量を下回った後に行われる。

第１インク供給動作では、制御部７８は、第２バルブ７４を開位置に配置して、加圧ポ
ンプ７２と装着部側第２空気流通口６３を連通させる。また、制御部７８は加圧ポンプ７
２を駆動する。これにより、加圧された空気が第２空気流通路７１から、装着部側第２空
気流通口６３、ケース用空気流通口１４を介して、ケース５に導入される。これにより、
加圧された空気が加圧室１１に導入される。なお、第１バルブ７３は大気開放位置に配置
されている。

加圧室１１に空気が導入されると、図５（ｂ）に矢印で示すように、インクパック９は
外側から加圧される。従って、インク収容袋２５内のインクＩは、インク供給管２６、イ
ンク供給口１２、装着部３のインク導入口６１およびインク供給路６８を介してインクジ
ェットヘッド６７に供給される。

印刷が終了すると、制御部７８は加圧ポンプ７２を停止させる。また、制御部７８は、
第２バルブ７４を大気開放位置に配置する。従って、装着部側第２空気流通口６３は大気
に連通し、加圧室１１が大気開放される。これにより、インクジェットプリンター２は図
４（ａ）に示す待機状態に戻る。

第２インク供給動作では、制御部７８は、まず、第１バルブ７３を開位置に配置する。
すなわち、制御部７８は、第１バルブ７３を駆動して加圧ポンプ７２と装着部側第１空気
流通口６２を連通させる。その後、制御部７８は加圧ポンプ７２を駆動する。これにより
、加圧された空気が第１空気流通路７０から、装着部側第１空気流通口６２、エアーバッ
グ用空気流通口１３を介して、エアーバッグ１０に導入される。ここで、第２バルブ７４
は大気開放位置に配置される。従って、加圧室１１は大気開放される。

エアーバッグ１０に空気が導入されると、図５（ａ）に示すように、エアーバッグ１０
の内圧がケース５の内圧よりも高くなり、エアーバッグ１０のエアーバッグ本体４１が拡
張する。従って、エアーバッグ１０はインクパック９の後側部分を押圧する。これにより
、インクパック９は蓋体７（フィルム８）に押し付けられて、その後側部分が押し潰され
た状態となる。この結果、インクパック９内のインクＩは後側部分から前側部分に移動す
る。また、インクパック９の内圧が上昇する。

次に、制御部７８は第１バルブ７３を閉位置に配置して、第１空気流通路７０を遮断す
る。これにより、エアーバッグ１０は内圧が高まった状態で維持される。また、第１空気
流通路７０の遮断と並行して、制御部７８は、第２バルブ７４を開位置に配置して、加圧
ポンプ７２と装着部側第２空気流通口６３を連通させる。これにより、加圧された空気が
第２空気流通路７１から、装着部側第２空気流通口６３、ケース用空気流通口１４を介し
て、加圧室１１に導入される。

ケース５に空気が導入されると、図５（ｂ）に矢印で示すように、インクパック９は外
側から加圧される。従って、インク収容袋２５内のインクＩは、インク供給口１２から、
装着部３のインク導入口６１およびインク供給路６８を介してインクジェットヘッド６７
に供給される。

ここで、加圧室１１の内圧（加圧室１１に導入された空気による圧力）は、エアーバッ
グ１０の内圧（エアーバッグ１０に導入された空気の圧力）以下に制御される。換言すれ
ば、エアーバッグ１０の内圧は加圧室１１の内圧以上に維持される。従って、エアーバッ
グ１０は加圧室１１への空気の導入によって収縮することがない。

この結果、インクパック９は、エアーバッグ１０によって後側部分が押し潰された状態
のままで、外側から加圧される。すなわち、インクパック９はエアーバッグ１０によりそ
の内圧が高められた状態で、さらに外側から加圧される。よって、インクパック９内のイ
ンク量が少なくなった場合でも、インクジェットプリンター２にインクを供給する圧力が
低下することがない。

また、本例では、大気開放により加圧室１１の内圧が低い状態となっているときに、エ
アーバッグ１０に空気を導入してエアーバッグ本体４１を拡張させ、その後に加圧室１１
の内圧を上昇させる。従って、エアーバッグ本体４１を拡張させることが容易である。よ
って、エアーバッグ１０によりインクパック９を押圧することが容易である。

さらに、本例では、エアーバッグ１０への空気の導入と加圧室１１への空気の導入を同
一の加圧ポンプ７２により行うので、インクジェットプリンター２の構造を簡易なものと
して、その製造コストを抑制できる。

（その他の実施の形態）
なお、第２インク供給動作で加圧した空気を加圧室１１に導入する際に、制御部７８が
第１バルブ７３を開位置に配置してもよい。この場合には、エアーバッグ１０への空気の
導入を継続することにより、エアーバッグ１０の内圧を加圧室１１の内圧以上に維持する
ものとする。

また、上記の例では、第２インク供給動作において、エアーバッグ１０への空気の導入
が終了した後（エアーバッグ１０の加圧が完了した後）に、加圧室１１への空気の導入を
行っているが、エアーバッグ１０への空気の導入と加圧室１１への空気の導入を同時に開
始してもよい。この場合には、エアーバッグ１０に導入される空気の圧力損失を、加圧室
１１に導入される空気の圧力損失よりも小さくして、エアーバッグ１０の加圧が完了する
時点を、加圧室１１の加圧が完了する時点よりも早くする。

例えば、第１バルブ７３を開位置に配置したときの第１空気流通路７０の流路面積を、
第２バルブ７４を開位置に配置したときの第２空気流通路７１の流路面積よりも広くして
おく。そして、第２インク供給動作を開始する際には、第１バルブ７３と第２バルブ７４
を同時に開位置に配置して、エアーバッグ１０への空気の導入と加圧室１１への空気の導
入を同時に行う。このようにすれば、エアーバッグ１０の加圧が完了した後に、加圧室１
１の加圧を完了させることができる。

なお、上記の例では、エアーバッグ１０をインクパック９の後側部分の側方に配置して
いるが、エアーバッグ１０をインクパック９の後側部分の上方に配置して、エアーバッグ
１０がインクパック９を上方から押し潰すものとしてもよい。

また、複数のエアーバッグによりインクパック９を押圧することもできる。ここで、エ
アーバッグ１０を複数備える場合には、インクパック９を幅方向Ｘで間に挟んだ両側に複
数のエアーバッグ１０を配置することができる。或いは、インクパック９を上下方向Ｚで
間に挟んだ両側に複数のエアーバッグ１０を配置することができる。

１・・カートリッジ、２・・インクジェットプリンター（液体噴射装置）、３・・装着部
、３ａ・・対向面、５・・ケース、５ａ・・前面、６・・ケース本体、７・・蓋体、８・
・フィルム、９・・インクパック（液体収容部）、１０・・エアーバッグ（押圧部）、１
１・・加圧室、１２・・インク供給口、１３・・エアーバッグ用空気流通口、１４・・ケ
ース用空気流通口、１７・１８・・位置決め穴、１９・・基板取り付け部、１９ａ・・基
板取り付け面、２１・・メモリー、２２・・端子、２３・・メモリー基板、２５・・イン
ク収容袋（液体容器）、２６・・インク供給管（液体供給口）、２７・・第１側面部、２
８・・第２側面部、２９・・下側マチ部、３０・・上側マチ部、３１〜３４・・フィルム
、４１・・エアーバッグ本体、４２・・空気流通管（押圧部側流体流通口）、４３・・連
結管、４５・・第１側面部、４６・・第２側面部、４７・・下側マチ部、４８・・上側マ
チ部、４９〜５２・・フィルム、６１・・インク導入口、６２・・装着部側第１空気流通
口、６３・・装着部側第２空気流通口、６４・６５・・位置決めピン、６６・・接点機構
、６７・・インクジェットヘッド、６８・・インク供給路、６９・・空気供給機構、７０
・・第１空気流通路、７１・・第２空気流通路、７２・・加圧ポンプ、７３・・第１バル
ブ、７４・・第２バルブ、７８・・制御部、Ｉ・・インク、Ｌ１・・インクパックの中心
軸線、Ｌ２・・エアーバッグの中心軸線、Ｘ・・幅方向、Ｙ・・前後方向、Ｚ・・上下方
向

Claims (6)

1. 液体噴射装置に装着されて液体を供給するカートリッジにおいて、
   前記液体を収容する可撓性の液体容器を備える液体収容部と、
   前記液体容器に当接可能な可撓性の容器を備える押圧部と、
   前記液体収容部および前記押圧部を収容する加圧室と、を有し、
   前記液体収容部は、前記液体容器から液体を外部に供給するための液体供給口を備え、
   前記押圧部は、前記容器に流体を導入するための押圧部側流体流通口を備え、
   前記加圧室は、前記加圧室に流体を導入する加圧室側流体流通口を備えることを特徴と
   するカートリッジ。
2. 請求項１において、
   前記液体供給口は、前記液体容器における装着方向の前端部分に取り付けられており、
   前記押圧部は、前記装着方向における前記液体容器の後側部分に当接可能であることを
   特徴とするカートリッジ。
3. 請求項１または２において、
   流体の導入によって前記押圧部が前記液体容器を押圧する押圧力が前記加圧室の内圧以
   上とされることを特徴とするカートリッジ。
4. 請求項１に記載のカートリッジを液体噴射装置に装着して液体を供給する液体供給方法
   において、
   前記押圧部側流体流通口を介して前記容器に流体を導入して前記容器を拡張させて前記
   液体容器を押圧し、
   前記加圧室側流体流通口を介して前記加圧室に流体を導入して前記液体容器を収縮させ
   て前記液体供給口から前記液体噴射装置に液体を供給することを特徴とする液体供給方法
   。
5. 請求項４において、
   前記容器に流体を導入する前に、前記加圧室側流体流通口を大気に連通させて前記加圧
   室を大気開放することを特徴とする液体供給方法。
6. 請求項４または５において、
   前記液体収容部内の前記液体の液体量が予め設定した設定液体量を下回った後に前記押
   圧部側流体流通口を介して前記容器に流体を導入することを特徴とする液体供給方法。
   

Images