JP3243768B2 - 半導体発光素子 - Google Patents
半導体発光素子Info
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Description
る化合物半導体発光素子用構造に関する。
注入発光を得るためには、p型及びn型電流注入層から
注入された電子及び正孔が発光領域内で効率よく発光性
再結合することが重要である。従来の
以下のような問題点があった。従来の
6にGaNホモ接合ダイオードの構成図を示す。図中、
11はサファイア基板、12はn型GaN層、13はp
型GaN層、14はn側電極、15はp側電極である。
n型層12にはアンドープあるいはSiドープGaN
を、p型層13にはMgドーピング後電子線照射あるい
は熱アニールにより低抵抗化したGaNを用いることが
一般的である。この構造では、pn接合界面に形成され
る空乏層が発光領域となり、空乏層内で発光性再結合し
た電子及び正孔のみが発光に寄与する。この構造の第1
の問題点は、空乏層内に注入された電子及び正孔のかな
りの部分が、空乏層内で再結合せずn型層12及びp型
層13へ拡散してしまうことである。この結果、この構
造では発光効率の向上が望めない。この構造の第2の問
題点は、シリーズ抵抗低減のためn型層12及びp型層
13に高濃度ドーピングを行うと、発光スペクトルに深
い準位からの発光が現れ純度の高いスペクトルが得られ
ないことである。この結果、良好な電流対電圧特性と良
好な発光スペクトル特性とを両立させることができな
い。
aAlN/GaNヘテロ接合ダイオードの構成図を示し
た。図中、21はサファイア基板、22はn型GaAl
N電流注入層、23はGaN発光層、24はp型GaA
lN電流注入層、25はn側電極、26はp側電極であ
る。この構造では、GaN発光層23をこれよりバンド
ギャップエネルギの大きいn型GaAlN電流注入層2
2及びp型GaAlN電流注入層24で挟んだ構造とな
っているため、GaN発光層23に注入された電子及び
正孔はn型GaAlN電流注入層22及びp型GaAl
N電流注入層24へ拡散することなくGaN発光層23
に閉じ込められる。また、シリーズ抵抗低減のためn型
GaAlN電流注入層22及びp型GaAlN電流注入
層24に高濃度ドーピングを行っても、GaN発光層2
3の発光スペクトルに影響を及ぼさないという利点を持
つ。図7の構造を改良した構造として、図7のGaN発
光層23の代わりにGaAlN/GaN単一量子井戸あ
るいは多重量子井戸を発光層として用い、発光効率の高
効率化を図った構造も公知である。この構造では、n型
GaAlN電流注入層22及びp型GaAlN電流注入
層24よりAl組成の低いGaAlN層をGaAlN/
GaN量子井戸のバリア層として選ぶ。しかし以上述べ
たように、図7の構造及びこれを改良した構造では、発
光層としてGaNあるいはGaAlN三元混晶を用いて
いるため、発光波長を200〜370nmの範囲内でし
か選択できない。
nGaAlN/InGaNヘテロ接合ダイオードの構成
図を図8に示す。図中、31はサファイア基板、32は
n型InGaAlN電流注入層、33はInGaN発光
層、34はp型InGaAlN電流注入層、35はn側
電極、36はp側電極である。ここで、n型InGaA
lN電流注入層32及びp型InGaAlN電流注入層
34の組成は、そのバンドギャップエネルギがInGa
N発光層33より大きく、かつその格子定数がInGa
N発光層33に整合するように選ぶ。この構造では、I
nGaN発光層33をこれよりバンドギャップエネルギ
が大きいn型InGaAlN電流注入層32及びp型I
nGaAlN電流注入層34で挟んだ構造となっている
ため、InGaN発光層33に注入された電子及び正孔
がn型InGaAlN電流注入層32及びp型InGa
AlN電流注入層34へ流出することなくInGaN発
光層33に閉じ込められる。また、シリーズ抵抗を低減
するためn型InGaAlN電流注入層32及びp型I
nGaAlN電流注入層34に高濃度ドーピングを行っ
ても、InGaN発光層33の発光スペクトルに影響を
及ぼさないという利点を持つ。さらにこの構造では、発
光層としてInGaAlN四元混晶を用いているため、
200〜600nmの範囲で発光波長を変化できる。さ
らにこの構造では、n型InGaAlN電流注入層3
2、InGaN発光層33及びp型InGaAlN電流
注入層34が互いに格子整合しているため、格子不整合
に起因する非発光再結合中心や結晶欠陥による素子劣化
が起こらない。しかし、Inを含む多元混晶
あり、発光スペクトル特性の良好な発光素子の作製が困
難であるという問題があった。
を解決するために提案されたもので、その目的は、可視
から紫外にわたる広い波長域における高効率半導体発光
素子を提供することにある。さらに詳述すれば、本発明
は、発光層内へ電子及び正孔を閉じ込めることが可能で
ある上、発光層に用いた
を提供することにある。
は、基板上に作製された半導体発光素子であって、発光
層よりバンドギャップエネルギーの大きいn型
流注入層、
1,0≦x,y≦1)で表される三元混晶または四元混
晶の層を少なくとも一層含む発光層、発光層よりバンド
ギャップエネルギーの大きいp型
流注入層を有し、前記発光層と前記Ga 1−x’ Al
x’ N層との界面は、格子不整合なヘテロ接合界面で
あることを特徴とする。従来のGaNホモ接合ダイオー
ド及びGaAlN/GaNヘテロ接合ダイオードとは、
発光層中にInを含む層を少なくとも一層含む点が異な
る。さらに、従来のホモ接合ダイオードとは、発光層に
ヘテロ接合界面を有する点が異なる。従来のInGaA
lN/InGaNヘテロ接合ダイオードとは、格子不整
合条件下で素子を作製する点が異なるものである。
の発光素子に比べて発光特性の優れた発光素子をうるこ
とができる。
及び図5に本発明にいたる研究において明らかになった
実験結果を示す。図4は、膜厚0.5μmのIn0.1 G
a0.9 N層のX線回折プロファイルを示す図であって、
(a)はIn0.1 Ga0.9 N層をサファイア上に直接成
長した場合、(b)はサファイア上に膜厚5μmのGa
Nを介して成長した場合に対応する。サファイア上に直
接成長したIn0.1 Ga0.9 N層のX線回折プロファイ
ルの半値全幅は20分であるのに対し、サファイア上に
GaNを介して成長したIn 0.1 Ga0.9 N層のX線回
折プロファイルの半値全幅は1.5分と大幅に低減す
る。
センス・スペクトルを示す図であって、(a)はIn
0.1Ga0.9N層をサファイア上に直接成長した場
合、(b)はサファイア上に膜厚5μmのGaNを介し
て成長した場合に対応する。サファイア上に直接成長し
たIn0.1Ga0.9N層のフォトルミネッセンス・
スペクトルには、深い準位からの発光が現れるのに対
し、サファイア上にGaNを介して成長したIn0.1
Ga0.9N層のフォトルミネッセンス・スペクトル
は、380nmをピークとするバンド端近傍からの発光
のみからなる。以上の効果はIn1−xGaxNの組成
xによらず、0≦x≦1のすべてのxに対して観測され
た。以上のように、InGaN層の膜質は、GaNを介
して成長することにより著しく向上する。また、
果が観測された。図4及び図5では、基板としてサファ
イア(0001)面を用いた場合の結果を示したが、他
の材料基板あるいは他の面方位基板を用いても、全く同
様の結果が得られた。このことは、Inを含む多元混晶
次に、上記の実験結果に基づいて行った本発明の実施例
を説明する。なお、実施例は一つの例示であって、本発
明の精神を逸脱しない範囲で、種々の変更あるいは改良
を行い得ることは言うまでもない。
造及び単一量子井戸構造) 図1は、本発明の第1の実施例の構造を示す図であっ
て、61はサファイア(0001)基板、62は膜厚5
μm及び電子濃度1019cm-3のSiドープn型GaN
電流注入層、63は膜厚0.5μmのアンドープIn
0.1 Ga0.9 N発光層、64は膜厚2μm及びホール濃
度1018cm-3のMgドープp型GaN電流注入層、6
5はn側電極、66はp側電極である。電極65に対し
て正の電圧を66に加えることにより、電子及び正孔を
発光層63に注入した。その結果、立ち上がり電圧4V
の電流対電圧特性が得られ、波長380nm帯にのみ発
光ピークを持つ発光を観測できた。最大光出力は1.6
mWであり、外部量子効率は2%であった。また、In
GaN発光層63の組成を変化することによって、発光
波長を600nmまで長波長化することができた。
0.9 N発光層63をこれよりバンドギャップエネルギが
大きいn型及びp型GaN電流注入層62及び64で挟
む構造となっているため、発光層63に注入された電子
及び正孔は電流注入層62または64に流出することな
く発光層63内に閉じ込められ、上記のように外部量子
効率の高い発光が得られる。このように発光領域と電流
注入領域とが明確に分離されているため、n型及びp型
電流注入層62及び64に1018〜1019cm-3という
高濃度ドーピングを行っても、発光スペクトルの純度に
影響を及ぼすことなく電流対電圧特性の良好な素子を作
製することができる。また、この構造では発光層として
InGaN層を用いているため、発光波長を360〜6
00nmの範囲で変化することができる。この構造にお
いてInGaNを発光層に用いているにも拘らず、上記
のような良好な特性が得られる最大の原因は、InGa
N発光層63を結晶性の良好なn型GaN電流注入層6
2上に成長している点にある。特に図1の構成におい
て、発光層63の膜厚を10nm以下にすると、格子不
整合に起因する結晶構造欠陥が発生する臨界膜厚以下と
なり、発光層63の結晶性が著しく向上する。この結
果、素子特性が向上し、素子寿命も延びる。このように
発光層の膜厚が薄い発光素子では、量子閉じ込め効果が
現れ、発光波長は375nmまでシフトした。ここで
は、62としてGaNを用いることを述べたが、
aNを用いたが、
構造) 図2は、本発明の第2の実施例の構造を示す図であっ
て、図において、71はサファイア(0001)基板、
72は膜厚5μm及び電子濃度5×1018cm-3のSi
ドープn型GaAlN電流注入及び光閉じ込め層、73
は膜厚2μm及び電子濃度1019cm-3のSiドープn
型GaNキャリア閉じ込め層、74は膜厚10nmのア
ンドープIn0.1 Ga0.9 N単一量子井戸発光層、75
は膜厚2μm及びホール濃度1018cm-3のMgドープ
p型GaNキャリア閉じ込め層、76は膜厚2μm及び
ホール濃度5×1017cm-3のMgドープp型GaAl
N電流注入及び光閉じ込め層、77はn側電極、78は
p側電極である。電極77に対して正の電圧を78に加
えることにより、電子及び正孔を発光層74に注入し
た。その結果、立ち上がり電圧4Vの電流対電圧特性が
得られ、波長375nm帯にのみ発光ピークを持つ発光
を観測できた。最大光出力は3mWであり、外部量子効
率は2%であった。また、InGaN発光層73の組成
を変化することによって、発光波長を600nmまで長
波長化することができた。
て、n型GaN層、InGaN層及びp型GaN層の上
下をp型GaAlN層及びn型GaAlN層で挟んだ構
造となっており、実施例1の構造で得られたと全く同様
の効果を期待できる。さらに、実施例1の構造におい
て、InGaN発光層の膜厚を10nmと薄くすると光
閉じ込めが不十分となるが、図2の構造ではn型GaN
層73、InGaN層74及びp型GaN層75よりも
屈折率の小さいn型及びp型GaAlN層72及び76
の存在により光閉じ込めの効果が現れ、上記のように大
きな光出力及び高い外部量子効率を得ることができる。
ここでは、素子を構成する各層にGaN,GalNを用
いたが、バンドギャップエネルギが図2において74<
73、75<72,76の関係を保つ限り、
構造) 図3は、本発明の第3の実施例の構造を示す図であっ
て、図において、81はサファイア(0001)基板、
82は膜厚5μm及び電子濃度5×1018cm-3のSi
ドープn型GaAlN電流注入及び光閉じ込め層、83
は膜厚2μm及び電子濃度1019cm-3のSiドープn
型GaNキャリア閉じ込め層、84は膜厚10nmのア
ンドープIn0.1 Ga0.9 Nと膜厚10nmのアンドー
プGaN層を交互に10層積層した多重量子井戸層、8
5は膜厚2μm及びホール濃度1018cm-3のMgドー
プp型GaNキャリア閉じ込め層、86は膜厚2μm及
びホール濃度5×1017cm-3のMgドープGaAlN
電流注入及び光閉じ込め層電流注入層、87はn側電
極、88はp側電極である。電極87に対して正の電圧
を88に加えることにより、電子及び正孔を多重量子井
戸層84に注入した。その結果、立ち上がり電圧6Vの
電流対電圧特性が得られ、波長375nm帯にのみ発光
ピークを持つ発光を観測できた。最大光出力は5mWで
あり、外部量子効率は6%であった。また、InGaN
発光層83の組成を変化することによって、発光波長を
600nmまで長波長化することができた。この構造
は、図2の構造のInGaN発光層74の代わりにIn
GaN/GaN多重量子井戸を導入した構造となってい
るため、図2の構造で得られたと全く同様の作用が働く
上、実質的な発光層であるInGaN井戸層の層数が増
加しているため上記のように大きな光出力を得ることが
できる。本実施例の各層に、
ファイア(0001)面を用いたが、他の材料基板ある
いは他の面方位基板を用いても、全く同様の効果を得る
ことができる。また、発光層と基板の間に存在するGa
1-x Alx N(0≦x,y≦1)の結晶性を向上するた
め、基板上にまず低温成長
光素子用構造では発光層中に
0nmの範囲で変化することができる。また、本発明の
半導体発光素子用構造では発光層と成長基板の間に
の優れた発光素子を作製することができる。特に、
陥が発生する臨界膜厚より薄ければ、結晶性はさらに著
しく向上し、極めて良好な発光素子を作製できると言う
利点を持つ。
て、InGaN/GaNダブルヘテロ構造を示す。
て、InGaN/GaN/GaAlN分離閉じ込め単一
量子井戸構造を示す。
て、InGaN/GaN/GaAlN分離閉じ込め多重
量子井戸構造を示す。
ロファイルを示す図であって、(a)はGaN層を介さ
ない場合、(b)はGaN層を介した場合に対応する。
ネッセンス・スペクトルを示す図であって、(a)はG
aN層を介さない場合、(b)はGaN層を介した場合
に対応する。
する図であって、GaNホモ接合ダイオードの構成図を
示す。
する図であって、GaAlN/GaNヘテロ接合ダイオ
ードの構成図を示す。
する図であって、InGaAlN/InGaNヘテロ接
合ダイオードの構成図を示す。
め層 73 Siドープn型GaNキャリア閉じ込め層 74 アンドープIn0.1 Ga0.9 N単一量子井戸発光
層 75 Mgドープp型GaNキャリア閉じ込め層 76 Mgドープp型GaAlN電流注入及び光閉じ込
め層 77 n側電極 78 p型電極 81 サファイア(0001)基板 82 n型GaAlN電流注入及び光閉じ込め層 83 n型GaNキャリア閉じ込め層 84 アンドープIn0.1 Ga0.9 N/GaN多重量子
井戸層 85 Mgドープp型GaNキャリア閉じ込め層 86 MgドープGaAlN電流注入及び光閉じ込め層
電流注入層 87 n側電極 88 p型電極
Claims (1)
- 【請求項1】 基板上に作製された半導体発光素子であ
って、 発光層よりバンドギャップエネルギーの大きいn型 【化2】Ga1−x’Alx’N(0≦x’≦1)電流
注入層、 【化1】In1−x−yGaxAly N(x+y<
1,0≦x,y≦1)で表される三元混晶または四元混
晶の層を少なくとも一層含む発光層、 発光層よりバンドギャップエネルギーの大きいp型 【化2】Ga1−x’Alx’N(0≦x’≦1)電流
注入層を有し、前記発光層と前記Ga 1−x’ Al x’ N層との界面
は、格子不整合なヘテロ接合界面である ことを特徴とす
る半導体発光素子。
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