JP3057547B2 - 緑色発光ダイオード - Google Patents
緑色発光ダイオードInfo
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Description
ダイオード(LED)に係り、特に高輝度で緑色発光を
生ずるGaP発光ダイオードに関するものである。
イオードの主なものとしては、窒素(N)を添加したG
aP(N- doped GaP)と、蒸気圧制御法によって成
長させた窒素無添加のGaP(N-free GaP)とがあ
る。前者の場合、その発光波長が570ナノメートル
(nm)で黄色味を帯びているのに対して、後者の発光
波長は550nmで純緑色を呈する。
め、発光中心となる不純物である窒素(N)が存在しな
いと、原理的に高輝度(高効率)発光は生じないとされ
ていた。さらに一般に、自由励起子の発光は、例えば次
の文献に記載されているように、半導体が高純度である
ほど高いとされ(M. G. Craford 著「高純度蒸気成長G
aPのエレクトロルミネセンス及び電子的特性」Journa
l of Applied Physics. 1979年、42巻,2751
頁)、また半導体が高純度であるほど自由励起子の発光
が強くなるということは、フォトルミネセンス測定によ
って、ZnSe等の他の半導体でもよく知られていた
が、基板と発光層の結晶性の改善が十分でないこと、発
光機構の解明が不十分なこと等のため、窒素を添加しな
い純緑色LEDの高輝度化が全く実現されていなかっ
た。
間接遷移型半導体のGaPの純緑色発光機構は、直接遷
移型半導体であるGaAlAsの赤色発光ダイオードと
全く異なり、自由励起子のフォノンを介した再結合によ
ることが明らかにされている(K. Suto and J. Nishiza
wa共著、「Radiative Recombination Mechanisms inSto
ichiometry-Controlled GaP Crystals 」(ストイキオ
メトリ制御されたGaP結晶における放射再結合機構)
Journal of Applied Physics. 1990年、67巻,4
59頁)。そして、本発明者等は、蒸気圧制御法・温度
差法でほぼ最適のリン(P)の蒸気圧を印加して成長さ
せた結晶完全性が極めて高いGaP半導体では、図13
に示すようにn型不純物としての硫黄(S)を添加した
場合、自由励起子の発光強度は、不純物濃度との関係で
は不純物濃度がある程度高い方が高効率となることを見
い出した(K. Suto and J. Nishizawa共著、「Free-Exc
iton Recombinationin Stoichiometry-Controlled Ga
P」(ストイキオメトリ制御されたGaPにおける自由
励起子再結合)Journal of Electrochem. Soc.1993
年、140巻,2682頁)。ここで図13は300K
におけるドナー不純物密度と自由励起子の発光強度の関
係を示す図である。
に、自由励起子の発光効率は、不純物濃度1×1017c
m-3までは一定の関係(線形)で上昇するが、それ以上
では殆ど変わらない。これは、n型(ドナー)不純物を
添加すると、その濃度が高くなるに従って結晶内に欠陥
が発生する傾向が強くなるからであるということがわか
ってきている。一方、GaAlAs系の発光ダイオード
では、発光ダイオードのヘテロ構造による設計原理が確
立しているが、GaP系の発光ダイオードでは、発光機
構について十分な解明がされていなかったこともあっ
て、ヘテロ構造における技術は確立されていないのが現
状である。
GaP発光ダイオードも、蒸気圧制御法による窒素無添
加のGaP発光ダイオードも、高輝度とは言うものの外
部量子効率は通常、1%以下であり、直接遷移型半導体
には遠く及ばない。しかし、緑色帯域では人間の視感度
が高いため、相対的に高輝度ということができるが、エ
ネルギ効率を高めて低電力で駆動する交通信号表示器
や、ファクシミリ等への応用のためには更に高い発光効
率が求められている。
のGaP発光ダイオード及び窒素無添加のGaP発光ダ
イオードよりも更に高い発光効率を有する、窒素無添加
GaP系の純緑色発光ダイオードを提供することを目的
とする。
に、請求項1記載の発明の緑色発光ダイオードは、窒素
を添加しない緑色発光ダイオードであって、GaP基板
上に、浅いエネルギ準位を有する不純物をn型の場合
0.5〜2×1017cm-3、p型の場合1〜3×1018
cm-3の高濃度で添加した結晶性のよいGaP発光層
と、このGaP発光層に高い格子整合度で形成して浅い
エネルギ準位を有する不純物を添加した結晶性のよい三
元混晶のAlx Ga1-x P層とを備えており、GaP発
光層とAlxGa1-x P層とでpn接合を形成し、この
組成xが0.22以下に設定されている構成とした。
は、窒素を添加しない緑色発光ダイオードであって、G
aP基板上に、浅いエネルギ準位を有する不純物を添加
した結晶性のよい三元混晶のAly Ga1-y P層と、こ
れに高い格子整合度で形成して浅いエネルギ準位を有す
る不純物をn型の場合0.5〜2×1017cm-3、p型
の場合1〜3×1018cm-3の高濃度で添加した結晶性
のよいGaP発光層と、このGaP発光層に高い格子整
合度で形成して浅いエネルギ準位を有する不純物を添加
した結晶性のよい三元混晶のAlx Ga1-x P層とを備
えており、GaP発光層とAlx Ga1-x P層とでpn
接合を形成し、この組成xと上記組成yが0.22以下
に設定されている構成とした。
発光ダイオードにあって、pn接合を形成するGaP発
光層とAlx Ga1-x P層との間に、なだらかなAl組
成変移領域を設ける構成とした。
ネルギ準位を有する不純物を10 18 cm -3 程度或いはそ
れ以上の高濃度で添加したGaP電極層を加える構成と
した。
オードは、窒素を添加しない緑色発光ダイオードであっ
て、GaP基板上に、浅いエネルギ準位を有する不純物
を低濃度で添加した結晶性のよい三元混晶のAly Ga
1-y P層と、これに高い格子整合度で形成して浅いエネ
ルギ準位を有する不純物をn型の場合1〜4×1017c
m-3の比較的高濃度で添加した結晶性のよいGaP発光
層と、このGaP発光層と反対の導電型であって浅いエ
ネルギ準位を有する不純物をGaP発光層より高濃度で
添加した結晶性のよいGaP層とを備えており、GaP
発光層と導電型の反対なGaP層とでpn接合を形成
し、組成yが0.22以下に設定されている構成とし
た。
いエネルギ準位を有する不純物を高濃度で添加した結晶
欠陥の極めて少ないGaP発光層において、順方向に電
圧を印加すると電子と正孔がGaP発光層に注入され、
これらの対により自由励起子が生じ、自由励起子のフォ
ノンの放出・吸収を伴う再結合によって室温で発光強度
の極めて大きい緑色発光が生じる。また、GaP基板と
GaP発光層との間に形成した結晶性のよいAly Ga
1- y P層により、自由励起子が結晶性の悪い基板側へ拡
散することを防止するとともに、Aly Ga1-y P層に
より形成される電位障壁によって電子及び正孔の拡散が
抑止されてGaP発光層内に効果的に閉じ込められ、自
由励起子の発光強度が格段に大きくなる。さらに、pn
接合を形成するGaP発光層とAlx Ga1-x P層との
間に設けたなだらかなAl組成変移領域により、ヘテロ
接合領域の電子の電位障壁が小さくなり、順方向電圧に
対する電子の注入効率が向上する。また、Alx Ga
1-x P層上に、浅いエネルギ準位を有する不純物を高濃
度で添加したGaP電極層を形成することにより低抵抗
電極層が形成されるので、電圧印加による注入効率が向
上する。
実施例を図面を参照して詳細に説明する。図1はこの緑
色発光ダイオードの第1の実施例における構成を示す断
面図である。図1において、緑色発光ダイオード10
は、Znをドープしたp型GaP基板12と、浅いエネ
ルギ準位を有する不純物をドープしたp型GaP発光層
14と、浅いエネルギ準位を有する不純物をドープした
n型Alx Ga1-x P層16とを有しており、p型Ga
P基板12には穴あきp電極11を形成し、この穴あき
p電極11に対応した緑色発光ダイオードの反対側のn
型Alx Ga1-x P層16に円板状のn電極17を形成
している。
p型の場合、浅いエネルギ準位を有する不純物としてZ
nを添加し、0.06eV程度の浅いアクセプタ準位を
形成している。またn型Alx Ga1-x P層も0.1e
V程度の浅いドナー準位を形成する。なお、GaP発光
層がn型の場合、浅いエネルギ準位を有する不純物とし
ては例えばS、Se又はTeを添加し、ドナー準位とし
て0.1eV程度の浅いエネルギ準位を形成し、またp
型Alx Ga1-x P層も0.06eV程度の浅いアクセ
プタを形成する。
次のようにして決定する。図2は、本発明による緑色発
光ダイオードの室温でのp型GaP発光層における自由
励起子の発光強度とアクセプタ不純物濃度との関係を示
す図である。図3は、本発明による緑色発光ダイオード
の液体窒素温度でのp型GaP発光層における自由励起
子の発光強度とアクセプタ不純物濃度との関係を示す図
である。p型不純物のZn(亜鉛)を添加したGaPエ
ピタキシャル発光層の場合、図2に示したように、自由
励起子の発光効率は、不純物濃度1×1018cm-3でも
飽和することなく上昇し続ける。また、図3から明らか
なように、Zn(亜鉛)添加のGaPエピタキシャル発
光層の場合は、液体窒素温度のような低温度では高純
度、即ち低不純物濃度の方が自由励起子の発光効率が高
い。そこで、第1の実施例に係るpn接合では、主に発
光効率を高めるために高不純物濃度のp型層で発光を生
じさせるものである。
注入効率は、およそn型層側の不純物濃度Nとp型層側
の不純物濃度Pの比で与えられるが(N/P)、p型層
側の不純物濃度Pを高くすると、n型層側の不純物濃度
Nも高くしなければ、p型層側で発光させることができ
ない。しかし、図13に関して説明したように、n型不
純物の場合、自由励起子の発光効率は不純物濃度を高濃
度にしたとき、1×1017cm−3までは一定の関係
(線形)で上昇するが、それ以上では殆ど変わらず、さ
らに濃度が高くなるに従って結晶内に欠陥が発生する傾
向が強くなることから、n型不純物濃度を1×1017
cm−3程度にするのが望ましい。したがって、ホモ接
合ではn型不純物濃度を1018cm−3程度以上にで
きないから、発光層であるp型GaP層を1018cm
−3の程度まで高不純物濃度にしても高効率発光は実質
的に得られない。そこで、この実施例では注入層として
n型GaP層を使用せず、n型AlxGa1−xP層を
注入層とするヘテロ接合構造とする。
格子欠陥の発生を防止するために、p型GaP層の不純
物濃度より低く1017cm-3の程度に形成する。この場
合p型GaP層の不純物濃度を1018cm-3の程度にし
ても、p型GaP層とn型Alx Ga1-x P層の価電子
帯に電位障壁が形成されるから、正孔がn型Alx Ga
1-x P層へ注入されることが阻止され、高い注入効率が
得られる。第1の実施例ではp型GaP発光層のp型不
純物濃度を1〜3×1018cm-3、n型Alx Ga1-x
P層のn型不純物濃度を1×1017cm-3に形成する構
成とした。
について説明する。緑色発光ダイオード10は、例えば
蒸気圧制御法と温度差法のエピタキシャル成長法を用い
て適当な温度におけるプロセス条件の下で結晶成長を行
うことにより製造される。本実施例では、Znドープp
型GaP基板単結晶上にZnドープp型GaP発光層を
30〜50μmの厚さで形成し、p型不純物濃度を1〜
3×1018cm-3の間の値にし高不純物濃度層としてエ
ピタキシャル成長させる。引き続いて、n型Alx Ga
1-x P層を、組成xが0.14、また不純物が硫黄
(S)又はテルル(Te)で、その不純物濃度が1×1
017cm-3の低不純物濃度層として、この場合厚さが5
μmでエピタキシャル成長させる。
るpn接合型発光ダイオードを得るためには、p型Ga
P発光層14とn型Alx Ga1-x P層16とを結晶性
よく高い格子整合度でエピタキシャル成長させる必要が
ある。この実施例ではAlの組成比x=0.14で、格
子不整合度が0.03%程度に形成されている。なお、
Alの組成比x=0.22以下、すなわち、格子不整合
度が4.8×10-4(0.048%)程度以下に格子整
合したとき、両層の界面に実質的に欠陥を生じることな
く、自由励起子を有効に閉じ込めることができる。
ャル成長された発光層は結晶性が極めてよい。この実施
例では、格子欠陥に起因する深い準位の密度が1014c
m-3以下であり、通常のGaP結晶中の深い準位密度1
015cm-3〜1016cm-3に比べて極めて結晶性がよく
形成されている。なお、本発明の実施例のように結晶性
の高いGaPは室温で深い準位に起因する発光(通常、
赤色〜赤外帯)を全く観測しない。これに対して結晶性
の悪い結晶ではバンドギャップ近くの波長に相当する純
緑色帯(550nm)で強く発光しないで、深い準位に
基づく赤色〜赤外帯の発光を呈する。
よい半導体とエピタキシャル層の組合せを選択すること
が重要である。GaP基板とAlGaP層との格子定数
の不整合度の最大値は、文献(「Semiconductor Raman
Lasers」,Ken Suto, Jun-ichi Nishizawa, Artech Hous
e, Inc. )によれば、2.2×10-3である。GaAs
基板上のAlGaAs層も1.6×10-3であり、同程
度に極めて小さな不整合度である。他の III−V族の3
元混晶と基板結晶の組合せでは格子不整合度の最大値は
10-2の程度であることに比べると、GaP基板上のA
lGaP層の格子整合度は大変高いが、このような優れ
た組合せにおいても、格子定数の差は発光効率を低下さ
せる格子欠陥を発生させる。しかし、Alx Ga1-x P
層の組成xを小さくすると格子不整合度は、ほぼ組成x
に比例して小さくなり、実質的に自由励起子発光に影響
を与えない程度までに格子欠陥を減らすことができる。
この場合、組成xを小さくしすぎると自由励起子や過剰
少数キャリアの拡散を阻止する電位障壁が小さくなりす
ぎる。
適な組成xは、緑色発光ダイオードの自由励起子発光強
度と上記格子整合する条件により決定する。図4は緑色
発光ダイオードのAlx Ga1-x P層のAl組成と自由
励起子の発光強度との関係を示す図である。図4に示す
ように 組成xが0.22以上になると、格子不整合の
度合いが大きくなり自由励起子の発光効率を阻害する欠
陥を生じる結果、発光効率は逆に減少に転じるため、組
成xを0.22以下に設定することが望ましい。また、
組成xの好適な範囲としては、図4から明らかなように
0.06〜0.15の範囲のとき最も自由励起子発光強
度が高い。
が、n型GaP基板を使用する場合、n型領域の不純物
濃度を十分高くすることは格子欠陥の発生原因となるの
で好ましくない。そこで、後述する第4の実施例と第5
の実施例のようにn型領域を十分狭く形成する。
5は第1の実施例の緑色発光ダイオードにおけるヘテロ
構造エネルギ帯を示す図である。図1及び図5を参照し
て、電極に順方向電圧を加えると、n型Alx Ga1-x
P層から電子eがヘテロ界面の電位障壁を越えてp型G
aP発光層の伝導帯に注入されるとともに、発光層の価
電子帯に正孔hが流入し、正孔hと過剰な電子eとが一
対になり自由励起子Aを形成する。一方、p型GaP発
光層の浅いエネルギ準位を有する不純物が高濃度である
ため、自由励起子がフォノンとフォトンを放出して消滅
し、GaP発光層のフォノンと自由励起子との相互作用
が生じて自由励起子のフォノンの放出及び吸収を伴う再
結合によって、室温で緑色発光が生じるようになる。ま
た、p型GaP発光層14とn型Alx Ga1-x P層1
6の格子整合度がよく、さらに結晶完全性が極めて高い
ため、自由励起子が格子欠陥に捕らえられずに発光する
ので、発光強度が大きくなる。
の場合、p型GaP発光層からのn型Alx Ga1-x P
層への正孔の拡散が抑止されるため注入効率を高めるこ
とができ、その結果自由励起子の発生効率が高まる。こ
の電位障壁52を高くするにはAl組成比xを大きくす
る方がよいが、格子整合度との関係もあり、xが0.2
2以下が望ましい。しかし、電子に対してはGaAs−
AlGaAs系ヘテロ接合の場合と全く異なり、伝導帯
のヘテロ接合面に実線で示したように、n型Alx Ga
1-x P層(x=0.22)とp型GaP発光層とをヘテ
ロ接合させたままでは電位障壁54がGaP発光層側で
高くなってしまい、発光層に電子を注入するとき順方向
電圧が大きくなってしまう。
ならないくらい小さくするには、図5中に点線で示した
ように、完全にシャープなへテロ界面とせずに、100
〜数100ÅのなだらかなAl組成変移領域を設けるこ
とが望ましい。液相成長ではこの変移領域は相互拡散に
よって自然に形成することが可能である。このようなn
型Alx Ga1-x P層(x=0.22)とp型GaP発
光層との間に、なだらかなAl組成変移領域を設けるこ
とにより、ヘテロ接合領域の電子の電位障壁54を小さ
くでき、順方向電圧に対する電子の注入効率が向上し、
その結果自由励起子の発光強度が大きくなる。
6は第2の実施例の構成を示す断面図である。なお、図
6では第1の実施例のような電極は図示を省略してお
り、以下に示す他の実施例についても同様である。図6
に示すように、第2の実施例は第1の実施例におけるp
型GaP基板とp型GaP発光層との間に、p型Aly
Ga1-y P層23を設ける構成である。この第2の実施
例では、p型GaP発光層24の厚さを20μmとし、
p型GaP基板22とp型GaP発光層24との間にp
型Aly Ga1-y P層23を、組成yが0.1、また不
純物がZn又はMgで、その不純物濃度が1×1017c
m-3になるように形成している。
比yは図4に基づき自由励起子発光強度と格子整合条件
により決定したものであり、0.22以下であればよい
が、n型Alx Ga1-x P層26の組成xと同じ値であ
る必要はない。また、p型GaP発光層24とn型Al
x Ga1-x P層26(x=0.22)は、第1の実施例
と同様に浅いエネルギ準位を有する不純物を添加して形
成され、その成長方法も同様である。
る。図7は第2の実施例のヘテロ構造エネルギ帯を示す
図である。図7に示すように、自由励起子のフォノンの
放出と吸収を伴う再結合によって室温で緑色発光が生
じ、第1の実施例と同様の作用効果を有している。しか
し、p型GaP基板22と発光層であるp型GaP層2
4との間に、更に結晶性と格子整合度が極めてよく電位
障壁としてのAly Ga1-y P層23を設けたことによ
り、自由励起子Aが結晶性の悪い基板に拡散することが
防止され、自由励起子の発光効率をいっそう高めること
ができる。
1-x P層26とAly Ga1-y P層23との狭い領域に
限定して形成されているので、発光層の正孔h及び自由
励起子Aは両側の電位障壁72,73によって有効に閉
じ込められ、さらに発光層に注入された電子eは電位障
壁Uによって拡散が抑止されるので、発光層で注入され
る電子eと正孔hの対が多くなり自由励起子Aの発光効
率が格段に向上する。なお、電位障壁UはAlGaP半
導体の禁制帯幅とGaP半導体の禁制帯幅の差程度であ
る。
実施例におけるGaP発光層の厚さと自由励起子の発光
強度との関係を示す図である。図8における■印は第1
の実施例におけるGaP発光層の厚さと自由励起子の発
光強度との関係を示し、▲印は第2の実施例におけるG
aP発光層の厚さと自由励起子の発光強度との関係を示
している。図8からわかるように、第2の実施例でp型
Aly Ga1-y P層23を設けることにより、図8にお
いて実線で示したように、GaP発光層の厚さが20μ
m以下でも効率よく発光させることができる。上記の作
用を持つ障壁層であるp型Aly Ga1-y P層が無い第
1の実施例の場合、図中の点線で示したように20μm
以下は殆ど発光しない。したがって、第2の実施例のよ
うに、GaP基板とGaP発光層との間に、障壁層であ
るAly Ga1-y P層を設ける構成とすることにより、
自由励起子の発光強度を高めることができるとともに、
上記障壁層のない構造に比べ発光層の厚さを薄く形成で
きる。
3の実施例の構成を示す断面図である。図9に示すよう
に、緑色発光ダイオード30は、p型GaP基板32上
に、厚さが5ミクロンでAl組成y=0.1で不純物濃
度が1×1017cm-3のp型Aly Ga1-y P層33
と、厚さが20μmで不純物濃度が1〜3×1018cm
-3のp型GaP発光層34と、厚さが5μmでAl組成
xが0.14で不純物濃度が1×1017cm-3のn型A
lx Ga1-x P層36とを備えている。さらにこの第3
の実施例では、第2の実施例のn型Alx Ga1-x P層
26が電極層としての抵抗が高いので、図9に示すn型
Alx Ga1-x P層36を形成後、更にn型GaP電極
層38を設ける構成である。
5μmで不純物が硫黄(S)又はテルル(Te)で、そ
の不純物濃度が5×1018cm-3になるように形成して
いるが、1〜5×1018cm-3程度でよい。その他の構
成及び成長方法は第2の実施例と同様である。
ことにより低抵抗電極層を形成することができる。な
お、第1の実施例においてもn型Alx Ga1-x P層1
6の上に、上記と同様のn型GaP電極層を設けてもよ
い。
第4の実施例の構成を示す断面図である。第4の実施例
は第3の実施例の伝導型を逆にしたものであるが、発光
層をn型としているため、図13に関して説明したよう
に不純物濃度は1017cm-3程度まで高濃度にできる
が、p型GaP発光層のように1018cm-3の程度まで
高濃度にすることは格子欠陥を発生させることから好ま
しくない。したがって、発光層の不純物濃度が1017c
m-3程度であっても自由励起子発光効率を格段に高める
ためには、n型発光層の厚さを20μmより十分狭く形
成するのが効果的である。以下、第4の実施例を詳細に
説明する。
は、n型GaP基板42上に、厚さが2〜5μmでAl
組成y=0.1〜0.17で不純物濃度が1〜4×10
17cm-3のn型Aly Ga1-y P層43と、厚さが2〜
20μmで不純物濃度が0.5〜2×1017cm-3のn
型GaP発光層44と、厚さが1〜3μmでAl組成y
=0.1〜0.17で不純物濃度が2〜8×1017cm
-3のp型Alx Ga1- x P層46と、厚さが0.1〜1
μmで不純物濃度が1〜5×1018cm-3のp型GaP
電極層48を備える構成である。n型領域の不純物は硫
黄(S)又はテルル(Te)、p型領域の不純物は亜鉛
(Zn)又はマグネシウム(Mg)であり、各不純物は
浅いエネルギ準位を形成している。なお、この第4の実
施例の製造方法等は第2の実施例と同様である。
る。図11は第4の実施例の緑色発光ダイオードにおけ
るヘテロ構造エネルギ帯を示す図である。図11に示す
ように、順方向電圧が印加されると、正孔hが発光層の
価電子帯に注入され、浅いエネルギ準位のドナーから伝
導帯に放出された電子と正孔hの対が自由励起子Aを形
成する。GaP発光層の浅いエネルギ準位を有する不純
物濃度が比較的高濃度であるため、GaP発光層のフォ
ノンと自由励起子との相互作用が生じ、自由励起子のフ
ォノンの放出及び吸収を伴う再結合によって、室温で緑
色発光が生じるようになる。
P層43を有しているから、自由励起子Aが結晶性の悪
い基板に拡散することが防止され、自由励起子の発光効
率が向上する。さらに、n型GaP発光層44がp型A
lx Ga1-x P層46とn型Aly Ga1-y P層43の
狭い領域に形成されているから、この狭い領域に閉じ込
められた自由励起子は自由熱運動により層内の不純物と
何度も衝突するので、この衝突がフォノンを放出する再
結合の機会となる。したがって、格子欠陥量を増大させ
ることなく不純物濃度を増大させたのと同様の効果が得
られ、自由励起子の発光効率が格段に向上する。また、
高濃度のp型GaP電極層48を形成しているから、極
めて低抵抗の電極層ができ、順方向電圧を有効に印加す
ることができ、電子及び正孔の注入効率が向上する。さ
らに、n型GaP発光層を有する第4の実施例の場合、
正孔の拡散を抑制する電位障壁Uがp型GaP発光層を
有する構造より大きくできるので、正孔の閉じ込めを効
果的に行うことができる。
12は第5の実施例の構成を示す断面図である。この第
5の実施例はn型GaP発光層を有するホモ接合型緑色
発光ダイオードである。図12において、緑色発光ダイ
オード50は、n型GaP基板52上に、厚さが5μm
でAl組成y=0.15のn型Aly Ga1-y P層53
と、厚さが20μmで不純物濃度が1〜4×1017cm
-3のn型GaP発光層54と、厚さが10μmで不純物
濃度が1〜2×1018cm-3のp型GaP層56を形成
した構成である。n型領域の不純物は硫黄(S)又はテ
ルル(Te)、p型領域の不純物は亜鉛(Zn)又はマ
グネシウム(Mg)であり、各不純物は浅いエネルギ準
位を形成している。第5の実施例は第1の実施例と同様
の成長方法により製造され、結晶性と格子整合度が極め
て良好に形成されている。
イオードは、浅いエネルギ準位を有する不純物を高濃度
でn型GaP発光層に添加しているから、GaP発光層
のフォノンと自由励起子との相互作用が生じ、自由励起
子のフォノンの放出及び吸収を伴う再結合によって、室
温で緑色発光が生じるようになる。また、n型AlyG
a1-y P層53が形成されているから、n型GaP発光
層に注入された正孔及び過剰の自由励起子が基板に拡散
して非発光再結合を生ずるのを防ぐことができ、発光層
の自由励起子の発光効率が格段に向上する。
aP系の発光ダイオードにおいて、自由励起子の発光効
率を格段に向上させ、これにより例えば特にファクシミ
リ等に対して有効に適用することができる等の利点があ
る。
図である。
型GaP発光層における自由励起子の発光強度とアクセ
プタ不純物濃度との関係を示す図である。
度でのp型GaP発光層における自由励起子の発光強度
とアクセプタ不純物濃度との関係を示す図である。
1-x P層のAl組成と自由励起子の発光強度との関係を
示す図である。
テロ構造エネルギ帯を示す図である。
す断面図である。
である。
光層の厚さと自由励起子の発光強度との関係を示す図で
ある。
す断面図である。
示す断面図である。
ヘテロ構造エネルギ帯を示す図である。
示す断面図である。
度と自由励起子の発光強度の関係を示す図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 窒素を添加しない緑色発光ダイオードで
あって、GaP基板上に、浅いエネルギ準位を有する不
純物をn型の場合0.5〜2×1017cm-3、p型の場
合1〜3×1018cm-3の高濃度で添加した結晶性のよ
いGaP発光層と、このGaP発光層に高い格子整合度
で形成して浅いエネルギ準位を有する不純物を添加した
結晶性のよい三元混晶のAlx Ga1-x P層とを備えて
おり、 上記GaP発光層と上記Alx Ga1-x P層とでpn接
合を形成し、この組成xが0.22以下に設定されてい
る、緑色発光ダイオード。 - 【請求項2】 窒素を添加しない緑色発光ダイオードで
あって、GaP基板上に、浅いエネルギ準位を有する不
純物を添加した結晶性のよい三元混晶のAly Ga1-y
P層と、これに高い格子整合度で形成して浅いエネルギ
準位を有する不純物をn型の場合0.5〜2×1017c
m-3、p型の場合1〜3×1018cm-3の高濃度で添加
した結晶性のよいGaP発光層と、このGaP発光層に
高い格子整合度で形成して浅いエネルギ準位を有する不
純物を添加した結晶性のよい三元混晶のAlx Ga1-x
P層とを備えており、 上記GaP発光層と上記Alx Ga1-x P層とでpn接
合を形成し、この組成xと上記組成yが0.22以下に
設定されている、緑色発光ダイオード。 - 【請求項3】 pn接合を形成する前記GaP発光層と
前記Alx Ga1-xP層との間に、なだらかなAl組成
変移領域を設けた、請求項1又は2に記載の緑色発光ダ
イオード。 - 【請求項4】 前記Alx Ga1-x P層上に、浅いエネ
ルギ準位を有する不純物を1018cm-3程度或いはそれ
以上の高濃度で添加したGaP電極層が形成されてい
る、請求項1乃至3の何れかに記載の緑色発光ダイオー
ド。 - 【請求項5】 窒素を添加しない緑色発光ダイオードで
あって、GaP基板上に、浅いエネルギ準位を有する不
純物を低濃度で添加した結晶性のよい三元混晶のAly
Ga1-y P層と、これに高い格子整合度で形成して浅い
エネルギ準位を有する不純物をn型の場合1〜4×10
17cm-3の比較的高濃度で添加した結晶性のよいGaP
発光層と、このGaP発光層と反対の導電型であって浅
いエネルギ準位を有する不純物を上記GaP発光層より
高濃度で添加した結晶性のよいGaP層とを備えてお
り、 上記GaP発光層と上記導電型の反対なGaP層とでp
n接合を形成し、上記組成yが0.22以下に設定され
ている、緑色発光ダイオード。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8717895A JP3057547B2 (ja) | 1995-04-12 | 1995-04-12 | 緑色発光ダイオード |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8717895A JP3057547B2 (ja) | 1995-04-12 | 1995-04-12 | 緑色発光ダイオード |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08288551A JPH08288551A (ja) | 1996-11-01 |
JP3057547B2 true JP3057547B2 (ja) | 2000-06-26 |
Family
ID=13907742
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8717895A Expired - Lifetime JP3057547B2 (ja) | 1995-04-12 | 1995-04-12 | 緑色発光ダイオード |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3057547B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6429583B1 (en) * | 1998-11-30 | 2002-08-06 | General Electric Company | Light emitting device with ba2mgsi2o7:eu2+, ba2sio4:eu2+, or (srxcay ba1-x-y)(a1zga1-z)2sr:eu2+phosphors |
JP4024994B2 (ja) | 2000-06-30 | 2007-12-19 | 株式会社東芝 | 半導体発光素子 |
-
1995
- 1995-04-12 JP JP8717895A patent/JP3057547B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
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JPH08288551A (ja) | 1996-11-01 |
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