JP3242050B2 - ワークの結晶方位調整方法 - Google Patents

ワークの結晶方位調整方法

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JP3242050B2 JP31519697A JP31519697A JP3242050B2 JP 3242050 B2 JP3242050 B2 JP 3242050B2 JP 31519697 A JP31519697 A JP 31519697A JP 31519697 A JP31519697 A JP 31519697A JP 3242050 B2 JP3242050 B2 JP 3242050B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、半導体材料、磁
性材料、セラミック等の結晶構造を有するワークの結晶
方位調整方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、ワイヤソーにおいては、複数の
加工用ローラが所定間隔おきに配設され、それらのロー
ラの外周には複数の環状溝が所定ピッチで形成されてい
る。また、各加工用ローラ間において、環状溝には1本
のワイヤが順に巻回されている。さらに、加工用ローラ
間のワイヤに対応してワーク支持機構が配設され、この
ワーク支持機構の下部にワークが着脱可能に取り付けら
れている。そして、ワイヤが走行されながら、そのワイ
ヤ上に遊離砥粒を含むスラリが供給され、この状態でワ
ーク支持機構により、ワイヤに対しワークが押し付け接
触されて、ワークに切断等の加工が施されるようになっ
ている。
【0003】この種のワイヤソーにおいては、ワークの
結晶方位を予め測定し、その測定結果に応じて、結晶方
位がワイヤの走行方向と所定の位置関係をもって対応す
るように、ワークの向きを調整する必要があった。この
ため、従来のワイヤソーにおいては、ワーク支持機構に
ワークの回転方向及び水平方向の結晶方位を調整するた
めの方位調整機構が設けられていた。なお、この明細書
においては、結晶方位の向きの調整を単に結晶方位の調
整ということにする。そして、ワーク支持機構にワーク
を装着した後、この方位調整機構により、ワークをその
長手方向に沿う軸線の周りで回転させて、回転方向の結
晶方位を調整するとともに、ワークの軸線を水平面内で
変移させて、水平方向の結晶方位を調整していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、この方法に
おいては、ワークの回転方向及び水平方向の結晶方位を
調整するための方位調整機構を、ワーク支持機構に設け
る必要がある。このため、ワイヤソーの構成が複雑にな
るという問題があった。
【0005】この発明は、このような従来の技術に存在
する問題点に着目してなされたものである。その目的と
するところは、ワークの回転方向の結晶方位を調整する
ための方位調整機構を、ワイヤソーのワーク支持機構に
装備する必要がなく、ワイヤソーの構成を簡単にするこ
とができるワークの結晶方位調整方法を提供することに
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1に記載の発明は、ワイヤソーのワーク支
持機構へのワークの装着に先立って、結晶構造を有する
ワークの回転方向及び水平方向の結晶方位を測定し、そ
の回転方向の結晶方位の測定値に応じてワークをその長
手方向に沿う軸線の周りで回転させて、回転方向の結晶
方位を調整し、この状態でワークの外周面に中間板を介
してワーク取付板を接着し、そのワーク取付板を前記ワ
ーク支持機構に装着して、ワークをワーク支持機構に支
持し、その後、ワーク支持機構に設けられた方位調整機
構により、ワークの軸線を水平面内で変移させて、水平
方向の結晶方位を調整するようにしたことを要旨とす
る。
【0007】請求項2に記載の発明は、ワイヤソーのワ
ーク支持機構へのワークの装着に先立って、結晶構造を
有するワークの鉛直方向及び水平方向の結晶方位を測定
し、その鉛直方向の結晶方位の測定値に応じて、ワーク
の外周面に中間板を介してワーク取付板を接着すること
により、ワークを鉛直面内で変位させて、鉛直方向の結
晶方位を調整し、そのワーク取付板を前記ワーク支持機
構に装着して、ワークをワーク支持機構に支持し、その
後、ワーク支持機構に設けられた方位調整機構により、
ワークの軸線を水平面内で変位させて、水平方向の結晶
方位を調整するようにしたことを要旨とするものであ
る。
【0008】請求項3に記載の発明は、請求項1又は請
求項2に記載のワークの結晶方位調整方法において、同
一ワーク取付板に水平方向の結晶方位が略等しい2個以
上のワークを取り付けるようにしたことを要旨とするも
のである。
【0009】請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求
項3のうち何れか一項に記載のワークの結晶方位調整方
法において、前記ワークの結晶方位の測定はX線方位測
定装置により行うようにしたことを要旨とするものであ
る。
【0010】請求項5に記載の発明は、請求項2に記載
のワークの結晶方位調整方法において、前記ワークの鉛
直方向の結晶方位の調整は、中間板に形成された傾斜面
にワークが接着されることにより行われることを要旨と
するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】(第1実施形態)以下、この発明
の第1実施形態を図面に基づいて説明する。
【0012】まず、ワイヤソーの構成について説明する
と、図1及び図2に示すように、装置基台11上にはコ
ラム12が立設されている。コラム12の一側には切断
機構13がブラケット14を介して装設されている。こ
の切断機構13は所定間隔をおいて平行に延びる複数の
加工用ローラ15,16,17を備え、それらの外周に
は環状溝15a,16a,17aが所定ピッチで形成さ
れている。なお、図面においては理解を容易にするため
に、環状溝15a,16a,17aの数を実際よりも少
なく描いてある。
【0013】前記加工用ローラ15,16,17の各環
状溝15a,16a,17aには、1本の線材よりなる
ワイヤ18が連続的に巻回されている。ブラケット14
にはワイヤ走行用モータ19が配設され、このモータ1
9により図示しない伝達機構を介して加工用ローラ1
5,16,17が回転される。そして、これらの加工用
ローラ15,16,17の回転によって、ワイヤ18が
所定の走行速度で走行される。このワイヤ18の走行
は、一定量前進及び一定量後退を繰り返し、全体として
歩進的に前進するように行われる。
【0014】前記切断機構13の上方に位置するよう
に、ブラケット14上にはスラリ供給機構20が配設さ
れ、このスラリ供給機構20から加工用ローラ15,1
6,17間のワイヤ18上に、遊離砥粒を含む水性また
は油性のスラリが供給される。スラリ供給機構20の上
方において、コラム12にはワーク支持機構21が上下
動可能に支持され、その下部には硬脆材料よりなる結晶
構造を有する複数のワーク22が着脱自在にセットされ
る。コラム12上にはワーク昇降用モータ23が配設さ
れ、このモータ23により図示しないボールスクリュー
等を介してワーク支持機構21が上下動される。
【0015】そして、このワイヤソーの運転時には、ワ
イヤ18が切断機構13の加工用ローラ15,16,1
7間で走行されながら、ワーク支持機構21が切断機構
13に向かって下降される。このとき、スラリ供給機構
20からワイヤ18上へ遊離砥粒を含むスラリが供給さ
れるとともに、そのワイヤ18に対し各ワーク22が押
し付け接触され、ラッピング作用によって各ワーク22
がウエーハ状にスライス加工される。
【0016】前記装置基台11上にはリール機構24が
装設され、ワイヤ18を繰り出すための繰出しリール2
5と、ワイヤ18を巻き取るための巻取りリール26と
を備えている。装置基台11には回転方向及び回転速度
を変更可能なサーボモータよりなる一対のリール回転用
モータ27,28が配設され、それらのモータ軸にはリ
ール25,26が連結されている。尚、ワイヤ18の一
方のリール26への巻き取り完了後は、そのリール26
がワイヤ繰り出し側に、他方のリール25が巻き取り側
に変わるものである。
【0017】前記装置基台11上にはリール機構24に
隣接してトラバース機構29が装設され、繰出しリール
25からのワイヤ18の繰出し及び巻取りリール26へ
のワイヤ18の巻取りを、上下にトラバースしながらワ
イヤ18を案内する。そして、前記リール機構24の両
リール25,26の回転により、繰出しリール25から
切断機構13へワイヤ18が繰り出されるとともに、加
工後のワイヤ18が巻取りリール26に巻き取られる。
【0018】前記リール機構24と切断機構13との間
には、張力保持機構30及びガイド機構31が配設され
ている。そして、切断機構13の加工用ローラ15,1
6,17間に巻回されたワイヤ18の両端が、ガイド機
構31の各ガイドローラ32を介して張力保持機構30
に掛装されている。この状態で、張力保持機構30によ
り、加工用ローラ15,16,17間のワイヤ18に所
定の張力が付与されるようになっている。
【0019】次に、前記ワーク22の結晶方位を調整す
る方法について説明する。さて、この結晶方位調整方法
においては、図3に示すように、第1工程P1で、ワー
ク支持機構21へのワーク22の装着に先立って、X線
方位測定装置35により、ワーク22の回転方向及び水
平方向の結晶方位を測定する。この測定値が記録された
バーコード等をワーク22の外面に付設する。第2工程
P2では、回転方向の結晶方位の測定値に応じて、方位
調整装置36によりワーク22をその長手方向に沿う軸
線の周りで回転させ、回転方向の結晶方位を調整する。
【0020】第3工程P3では、ワーク22の回転方向
の結晶方位を調整した状態で、接着装置37により、ワ
ーク22の外周面に中間板としてのカーボン板38及び
ガラス板39を介して、ワーク取付板40を接着する。
この場合、カーボン板38、ガラス板39及びワーク取
付板40は、予め接着固定された状態にある。そして、
カーボン板38をワーク22の外周面に接着することに
よって、そのワーク22が回転方向の結晶方位調整状態
で、ワーク取付板40の下面に支持される。なお、ワー
ク22の長さが小さいものであれば、同一ワーク取付板
40に対し、2個以上のワーク22を取り付けることも
可能である。この場合、互いに水平方向の結晶方位が略
等しい複数のワーク22が選ばれ、それぞれ回転方向の
結晶方位調整状態で、同一ワーク取付板40に取り付け
られる。
【0021】第4工程P4では、ワーク取付板40をワ
イヤソーのワーク支持機構21に装着して、ワーク22
をワーク支持機構21に支持する。第5工程P5では、
ワーク支持機構21に設けられた方位調整機構41によ
り、水平方向の結晶方位の測定値に応じて、ワーク22
の軸線22aを水平面内で変移させて、水平方向の結晶
方位を調整する。
【0022】そこで、前記各装置について詳述すると、
図4に示すように、X線方位測定装置35の側部には基
台43が配設され、その上面には一対のレール44を介
して移動板45が移動可能に支持されている。移動板4
5上には支持台46が配設され、その上面には方位調整
装置36を介してワーク22が支持されている。基台4
3上には移動用モータ47が配設され、このモータ47
によりボールねじ48を介して移動板45が移動され
る。これにより、支持台46上のワーク22が、X線方
位測定装置35の外側位置と内側位置とに移動配置され
る。
【0023】前記X線方位測定装置35は、ワーク22
が内側位置に移動配置された状態で、そのワーク22の
外周面に対向配置される照射ヘッド49及び測定器50
を備えている。そして、照射ヘッド49からワーク22
の外周面にX線が照射されるとともに、ワーク22上か
ら生じるX線の波長や強度等に基づいて、測定器50に
よりワーク22の回転方向及び水平方向の結晶方位が測
定される。
【0024】前記方位調整装置36は、ワーク22を支
持する複数本の回転支持ローラ51と、それらローラ5
1を回転させる回転用モータ52とを備えている。そし
て、ワーク22の結晶方位が測定された後、このモータ
52により回転支持ローラ51が回転され、回転方向の
結晶方位に応じてワーク22がその長手方向に沿う軸線
の周りで接触回転されて、ワーク22の回転方向の結晶
方位が調整される。
【0025】前記接着装置37は外側位置のワーク22
と対向するように、基台43の上方に配設されている。
そして、この接着装置37によりワーク22の外周面の
所定位置に、カーボン板38及びガラス板39を介し
て、ワーク取付板40が接着固定される。この場合、必
要に応じて図3に示すように、水平方向の結晶方位の測
定値が近似している2つのワーク22が、1枚のワーク
支持板40の下面に並設支持される。
【0026】前記X線方位測定装置35の外側位置に移
動配置されたワーク22と対向するように、基台43上
にはコンベア53が装設されている。そして、台車54
により基台43の側方位置に搬送されるワーク22が、
このコンベア53上を経て支持台46上に搬入されると
ともに、ワーク取付板40を接着したワーク22が、こ
のコンベア53上を経て台車54上に搬出される。
【0027】次に、前記ワイヤソーのワーク支持機構2
1に対するワーク取付板40の取付構成、及びワーク支
持機構21に設けられた方位調整機構41の構成につい
て詳細に説明する。
【0028】図1、図5及び図6に示すように、前記コ
ラム12の側部には昇降台56が昇降可能に支持され、
その下面には支持ベース57が配設されている。支持ベ
ース57には一対の回動軸58が、ベアリング59を介
して回動可能に支持されている。各回動軸58の下端に
はクランプ枠60が固定され、それらの両端下部には保
持部60aが形成されるとともに、両側上面には円弧状
の長孔60bが形成されている。
【0029】前記支持ベース57には各一対の付勢ピン
61が上下動可能に貫通支持され、各クランプ枠60の
長孔60bに挿通されている。また、各付勢ピン61の
上下両端には頭部61a,61bが形成されている。各
付勢ピン61の上方頭部61aと支持ベース57との間
において、各付勢ピン61の外周にはばね62が嵌挿さ
れている。そして、これらのばね62により、各付勢ピ
ン61が上方に移動付勢され、両クランプ枠60が支持
ベース57の下面に圧接されて、所定の回動位置に保持
されるようになっている。
【0030】前記各クランプ枠60の両側にはクランプ
用シリンダ63が配設されている。そして、各クランプ
枠60の保持部60a上に、ワーク22を接着固定した
ワーク取付板40が支持された状態で、各シリンダ63
が突出動作されたとき、それらのピストンロッド63a
がワーク取付板40の両端に係合して、ワーク取付板4
0がクランプ枠60にクランプされる。
【0031】前記支持ベース57上には、方位調整機構
41を構成する一対の調整用モータ64が配設されてい
る。そして、ワーク22の水平方向の結晶方位の測定値
に応じて、これらのモータ64により、ウォーム65及
びウオームホイール66を介して回動軸58が回動され
て、各クランプ枠60が回動される。これにより、ワー
ク取付板40に接着固定されているワーク22の軸線2
2aが水平面内で回動変移され、水平方向の結晶方位
と、ワイヤ18の走行方向とが所定の位置関係、すなわ
ち本実施形態では、一致するように調整される。
【0032】次に、前記のように構成されたワイヤソー
において、ワーク22の結晶方位を調整するとともに、
そのワーク22をワーク支持機構21に装着する場合の
動作について説明する。
【0033】さて、ワーク支持機構21へのワーク22
の装着に先立って、図3及び図4に示すように、X線方
位測定装置35により、ワーク22の回転方向及び水平
方向の結晶方位が測定される。その後、方位調整装置3
6により、回転方向の結晶方位の測定値に応じて、ワー
ク22がその長手方向に沿う軸線の周りで回転されて、
回転方向の結晶方位が調整される。
【0034】この状態で、ワーク22の外周面にカーボ
ン板38及びガラス板39を介して、ワーク取付板40
が接着固定される。この場合、水平方向の結晶方位の測
定値が近似している2つのワーク22が、1枚のワーク
支持板40の下面に並設支持される。
【0035】その後、一対のワーク取付板40が、ワイ
ヤソーのワーク支持機構21における各クランプ枠60
に支持されて、クランプ用シリンダ63によりクランプ
される。これにより、複数のワーク22がワーク支持機
構21の下部に、ワイヤ18の走行方向へ所定間隔をお
いて2列で、各列に2個ずつ配置される。
【0036】このワーク22の装着状態で、方位調整機
構41の調整用モータ64により、ワーク22の水平方
向の結晶方位の測定値に応じて、クランプ枠60が回動
される。これにより、各ワーク22の軸線22aが水平
面内で回動変移されて、水平方向の結晶方位がワイヤ1
8の走行方向に対して所定の位置関係を有するように調
整される。
【0037】従って、この状態でワイヤソーの運転を開
始すると、ワイヤ18がリール機構24の繰出しリール
25から繰り出され、切断機構13の加工用ローラ1
5,16,17間において歩進的に走行された後、巻取
りリール26に巻き取られる。そして、スラリ供給機構
20により、加工用ローラ15,16,17間のワイヤ
18上に遊離砥粒を含むスラリが供給されながら、ワー
ク支持機構21の下降により、ワイヤ18に対して複数
のワーク22が押し付け接触される。これにより、各ワ
ーク22が所定の厚さに同時に切断加工される。
【0038】第1実施形態によって期待できる効果につ
いて、以下に記載する。・ 第1実施形態のワークの結
晶方位調整方法では、ワーク支持機構21へのワーク2
2の装着に先立って、X線方位測定装置35により、ワ
ーク22の回転方向及び水平方向の結晶方位を測定す
る。回転方向の結晶方位の測定値に応じて、方位調整装
置36によりワーク22をその長手方向に沿う軸線の周
りで回転させて、回転方向の結晶方位を調整する。この
状態で、接着装置37によりワーク22の外周面に、カ
ーボン板38を介してワーク取付板40を接着する。ワ
ーク取付板40をワーク支持機構21に装着して、ワー
ク22をワーク支持機構21に支持する。その後、ワー
ク支持機構21に設けられた方位調整機構41により、
ワーク22の軸線を水平面内で変移させて、水平方向の
結晶方位を調整するようになっている。
【0039】このため、ワーク22の回転方向の結晶方
位を調整するための方位調整機構を、ワイヤソーのワー
ク支持機構21に装備する必要がなく、ワイヤソーの構
成を簡単にすることができる。また、ワーク支持機構2
1にワーク22を装着支持した後、ワーク22の水平方
向の結晶方位を調整しているので、ワーク22の結晶方
位をワイヤ18の走行方向と所定の位置関係を有するよ
うに正確に調整することができる。
【0040】・ 第1実施形態のワークの結晶方位調整
方法では、ワーク22の結晶方位の測定はX線方位測定
装置35により行うようにしている。このため、X線方
位測定装置35により、ワーク22の回転方向及び水平
方向の結晶方位を容易かつ正確に測定することができ
る。
【0041】・ ワイヤソーにはワーク22の水平方向
の結晶方位を調整する機構のみが設けられ、他の方向の
結晶方位を調整する機構は不要である。このため、ワイ
ヤソーの構成を簡素化することができる。ワーク支持機
構21に複数個の方位調整機構41を配置することが容
易であり、ワーク22を複数個同時に加工することが可
能となり、生産性を向上させることができる。
【0042】・ ワーク22がワイヤソー上でワイヤ1
8の走行方向に対して水平面内において方位合わせが行
われる。従って、ワイヤ18とワーク22の結晶方位と
を所定の位置関係をもって正確に合わせることができ、
高精度加工を達成できる。
【0043】なお、第1実施形態は、次のように変更し
て具体化することも可能である。 ・ ワーク支持機構21のクランプ枠60に、ワーク取
付板40をクランプする構成において、クランプ用シリ
ンダ63に代えて、クランプねじを設けること。
【0044】(第2実施形態)次に、第2実施形態につ
いて説明する。但し、前記第1実施形態と同一構成なる
ものについてはその説明を省略し、同一符号を付すもの
とする。
【0045】この実施形態においては、X線方位測定装
置35の照射ヘッド49から照射されるX線の波長や強
度等に基づいて、測定器50によりワーク22の鉛直方
向及び水平方向の結晶方位が測定される。また、この実
施形態では、ワーク22の回転方向の結晶方位が測定さ
れないため、前記第1実施形態で示した方位調整装置3
6は省略されている。
【0046】図8に示すように、この実施形態における
中間板としてのカーボン板38の下面には傾斜面38a
が形成されている。カーボン板38は、傾斜面38aの
傾斜角度の異なるものが多数種類予め用意されている。
【0047】次に、前記のように構成されたワイヤソー
において、ワーク22の結晶方位を調整するとともに、
そのワーク22をワーク支持機構21に装着する場合の
動作について説明する。
【0048】図7に示すように、第1工程P11におい
て、ワーク支持機構21へのワーク22の装着に先立っ
て、X線方位測定装置35により、ワーク22の鉛直方
向及び水平方向の結晶方位が測定される。第2工程P1
2において、鉛直方向の結晶方位の測定値に応じて、傾
斜面38aの異なる複数種類のカーボン板38の中から
適正なものを選択する。その後、接着装置37にてワー
ク22の外周面にカーボン板38及びガラス板39を介
してワーク取付板40が接着される。この接着により、
ワーク22が鉛直面内で変位され、鉛直方向の結晶方位
が調整される。即ち、カーボン板38の傾斜面38aの
傾きに沿って、鉛直方向のワーク22の結晶方位が変位
することにより、鉛直方向の結晶方位が調整される。よ
って、第2工程P12では、第1実施形態と異なり、ワ
ーク22を方位調整装置36にて回転させることなく、
ワーク22が鉛直方向の結晶方位調整状態でワーク取付
板40の下面に支持される。ここでは、同一なるワーク
取付板40に対し、互いに水平方向の結晶方位が略等し
い2個のワーク22を取り付けている。
【0049】第3工程P13において、ワーク取付板4
0をワイヤソーのワーク支持機構21に装着して、ワー
ク22をワーク支持機構21に支持する。第4工程P1
4において、ワーク支持機構21に設けられた方位調整
機構41により、水平方向の結晶方位の測定値に応じ
て、ワーク22の軸線22aが水平面内で変移され、水
平方向の結晶方位がワイヤ18の走行方向と所定の位置
関係を有するように調整される。この状態でワイヤソー
の運転を開始すると、上記第1実施形態で説明したよう
に、加工用ローラ15,16,17間のワイヤ18上に
遊離砥粒を含むスラリが供給されながら、ワイヤ18に
対して複数のワーク22が押し付け接触され、各ワーク
22が所定の厚さに同時に切断加工される。
【0050】第2実施形態によって期待できる効果につ
いて、以下に記載する。 ・第2実施形態のワークの結晶方位調整方法では、ワー
ク支持機構21へのワーク22の装着に先立ち、ワーク
22の鉛直方向の結晶方位の測定値に応じて、ワーク2
2の外周面にカーボン板38を介してワーク取付板40
を接着することにより、ワーク22を鉛直面内で変位さ
せて、鉛直方向の結晶方位を調整した。そのため、ワー
ク22の鉛直方向の結晶方位を調整するための方位調整
機構を、ワイヤソーのワーク支持機構21に装備する必
要がなく、ワイヤソーの構成を簡単にすることができ
る。また、ワーク支持機構21にワーク22を装着支持
した後、ワーク22の水平方向の結晶方位を調整してい
るので、ワーク22の結晶方位をワイヤ18の走行方向
と所定の位置関係を有するように正確に調整することが
できる。
【0051】・ 第2実施形態のワークの結晶方位調整
方法では、第1実施形態と異なり、ワーク22を回転さ
せて回転方向の結晶方位を調節するという工程を省略し
た。そして、その工程を省略した代わりに、ワーク22
にガラス板39を接着するのに伴い、ワーク22の鉛直
方向の結晶方位を調整するようにした。従って、少ない
工程数でワーク22の結晶方位を調整できるので、調整
効率の向上を図ることができる。
【0052】・ ワーク22の回転方向の結晶方位を調
節するための、前記第1実施形態で示した方位調整装置
36を省略できる。従って、簡単な構成の装置をもって
ワーク22の結晶方位を調整することができる。
【0053】
【発明の効果】この発明は、以上のように構成されてい
るため、次のような効果を奏する。請求項1に記載の発
明によれば、ワークの回転方向の結晶方位を調整するた
めの方位調整機構を、ワイヤソーのワーク支持機構に装
備する必要がなく、ワイヤソーの構成を簡単にすること
ができる。また、ワーク支持機構にワークを装着支持し
た後、ワークの水平方向の結晶方位を調整しているの
で、ワークの結晶方位をワイヤの走行方向と所定の位置
関係を有するように正確に調整することができる。
【0054】請求項2に記載の発明によれば、ワークの
鉛直方向の結晶方位を調整するための方位調整機構を、
ワイヤソーのワーク支持機構に装備する必要がなく、ワ
イヤソーの構成を簡単にすることができる。また、ワー
ク支持機構にワークを装着支持した後、ワークの水平方
向の結晶方位を調整しているので、ワークの結晶方位を
ワイヤの走行方向とを所定の位置関係を有するように正
確に調整することができる。
【0055】請求項3に記載の発明によれば、請求項1
又は請求項2に記載の発明の効果に加え、長さの短いワ
ークの場合、同一のワーク取付板に複数個のワークを取
り付けて、水平方向の方位調整を同時に行うことによ
り、複数個同時に加工を行うことができ、生産性を向上
させることができる。又、ワーク支持機構に複数個の方
位調整機構を配置することが容易になるため、ワークを
複数個同時に加工することが可能となり、生産性を向上
させることができる。
【0056】請求項4に記載の発明によれば、請求項1
〜請求項3のうち何れか一項に記載の発明の効果に加
え、X線方位測定装置により、ワークの結晶方位を容易
かつ正確に測定することができる。
【0057】請求項5に記載の発明によれば、請求項2
に記載の発明の効果に加え、鉛直方向の結晶方位を調節
するための装置を必要とすることがないので、低コスト
でワークの結晶方位を調節することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の第1実施形態を示すワイヤソーの
正面図。
【図2】 そのワイヤソーの平面図。
【図3】 ワークの結晶方位の調整方法を順に示す説明
図。
【図4】 ワークの結晶方位の方位測定装置の関連構成
を示す斜視図。
【図5】 ワーク支持機構へのワークの取付状態を示す
拡大側断面図。
【図6】 図5の6−6線における断面図。
【図7】 第2実施形態を示すワークの結晶方位の調整
方法を示す説明図。
【図8】 そのワークの取付状態を示す拡大側断面図。
【符号の説明】
13…切断機構、15,16,17…加工用ローラ、1
8…ワイヤ、21…ワーク支持機構、22…ワーク、2
2a…軸線、35…X線方位測定装置、36…方位調整
装置、37…接着装置、38…中間板としてのカーボン
板、38a…傾斜面、40…ワーク取付板、41…方位
調整機構、P1〜P5…工程、P11〜P14…工程。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/304 611 B28D 7/04 B28D 5/04

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ワイヤソーのワーク支持機構へのワーク
    の装着に先立って、結晶構造を有するワークの回転方向
    及び水平方向の結晶方位を測定し、その回転方向の結晶
    方位の測定値に応じてワークをその長手方向に沿う軸線
    の周りで回転させて、回転方向の結晶方位を調整し、こ
    の状態でワークの外周面に中間板を介してワーク取付板
    を接着し、そのワーク取付板を前記ワーク支持機構に装
    着して、ワークをワーク支持機構に支持し、その後、ワ
    ーク支持機構に設けられた方位調整機構により、ワーク
    の軸線を水平面内で変移させて、水平方向の結晶方位を
    調整するようにしたワークの結晶方位調整方法。
  2. 【請求項2】 ワイヤソーのワーク支持機構へのワーク
    の装着に先立って、結晶構造を有するワークの鉛直方向
    及び水平方向の結晶方位を測定し、その鉛直方向の結晶
    方位の測定値に応じて、ワークの外周面に中間板を介し
    てワーク取付板を接着することにより、ワークを鉛直面
    内で変位させて、鉛直方向の結晶方位を調整し、そのワ
    ーク取付板を前記ワーク支持機構に装着して、ワークを
    ワーク支持機構に支持し、その後、ワーク支持機構に設
    けられた方位調整機構により、ワークの軸線を水平面内
    で変位させて、水平方向の結晶方位を調整するようにし
    たワークの結晶方位調整方法。
  3. 【請求項3】同一ワーク取付板に水平方向の結晶方位が
    略等しい2個以上のワークを取り付けるようにした請求
    項1又は請求項2に記載のワークの結晶方位調整方法。
  4. 【請求項4】 前記ワークの結晶方位の測定はX線方位
    測定装置により行うようにした請求項1〜請求項3のう
    ち何れか一項に記載のワークの結晶方位調整方法。
  5. 【請求項5】 前記ワークの鉛直方向の結晶方位の調整
    は、中間板に形成された傾斜面にワークが接着されるこ
    とにより行われる請求項2に記載のワークの結晶方位調
    整方法。
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