JP3241786B2 - 環状オレフィン系樹脂組成物 - Google Patents

環状オレフィン系樹脂組成物

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JP3241786B2 JP04149092A JP4149092A JP3241786B2 JP 3241786 B2 JP3241786 B2 JP 3241786B2 JP 04149092 A JP04149092 A JP 04149092A JP 4149092 A JP4149092 A JP 4149092A JP 3241786 B2 JP3241786 B2 JP 3241786B2
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、耐熱性、耐衝撃性、剛
性、強度、成形性、耐傷付性のバランスに優れ、しかも
高い帯電防止効果を有する環状オレフィン系樹脂組成物
に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】自動車、家電、OA機器、雑貨等
の用途における成形品の原料樹脂としては、従来、AB
S系樹脂(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹
脂)などが広く用いられてきた。ABS系樹脂は非晶性
であり、耐熱性、剛性、寸法精度等が優れているが、耐
光性に劣り、長期間の使用にあっては樹脂が劣化し、機
械強度が低下するという問題がある。一方、耐光性の優
れた樹脂として結晶性ポリプロピレンなどが使用されて
いるが、ABS樹脂に比べ、耐熱性、剛性、寸法精度等
が劣るという問題点がある。
【0003】ところで、環内にエチレン性二重結合を有
する環状オレフィンは、重合性を有しており、たとえば
エチレンなどのα−オレフィンと反応して環状オレフィ
ン・α−オレフィンランダム共重合体が得られることが
知られている。このような環状オレフィン系ランダム共
重合体は、優れた耐熱性、剛性、耐傷付性を有してお
り、この特長を生かすと、自動車、家電、OA機器、雑
貨等の成形用材料として好適な樹脂のひとつとなり得る
と考えらる。ところが環状オレフィン系ランダム共重合
体のみでは耐衝撃性が不充分であり、これを改良するた
め、既にゴム状弾性体との組成物が知られている(特開
平2−167318号公報)。このような組成物からな
る成形体を、特にOA機器などの電子・電気部品として
使用する場合には、その帯電性をいかにして低減するか
という技術的課題がクローズアップされる。従来の環状
オレフィン系樹脂組成物は、非晶性でありしかも高いガ
ラス転移点(Tg)を有する環状オレフィン系樹脂をベ
ースポリマーとしているため、帯電防止剤を添加しても
その効果が充分に得られなかったからである。
【0004】本発明者らは、このような課題を解決すべ
く鋭意検討したところ、下記一般式(Y)で表される化
合物
【0005】
【化5】
【0006】(式中、Rは炭素数8〜30のアルキル基
である)を環状オレフィン系樹脂組成物に配合すると、
環状オレフィン系樹脂組成物の帯電を効果的に防止でき
ることを見出して本発明を完成するに至った。
【0007】
【発明の目的】本発明は、上記のような課題に鑑みなさ
れたものであって、耐熱性、耐衝撃性、剛性、強度、成
形性、耐傷付性のバランスが優れ、しかも優れた帯電防
止効果を有する環状オレフィン系樹脂組成物を提供する
ことを目的としている。
【0008】
【発明の概要】本発明に係る環状オレフィン系樹脂組成
物は、 (a)下記の群(イ)〜(ニ)よりなる群から選ばれる
少なくとも1種の環状オレフィン系重合体;100重量
部と、 (b)弾性率が0.1kg/cm2〜20000kg/cm2であ
り、ガラス転移点(Tg)が0℃以下、結晶化度が30
%以下である、エチレン・α−オレフィン共重合体(前
記α−オレフィンの炭素数は3〜20である。)または
プロピレン・α−オレフィン共重合体(前記α−オレフ
ィンの炭素数は4〜20である。)から選ばれるゴム状
弾性体;0.5〜50重量部と、(d)下記一般式
(Y)で表される化合物
【0009】
【化6】
【0010】(式中、Rは炭素数8〜30のアルキル基
である);0.05〜5重量部とからなることを特徴と
している。 (イ)エチレンと次式[I]または[II]で表される環
状オレフィンとの共重合体であって、135℃のデカリ
ン中で測定した極限粘度[η]が0.05〜10dl/g
の範囲にあり、軟化温度(TMA)が70℃以上である
エチレン・環状オレフィン系共重合体; (ロ)次式[I]または[II]で表される環状オレフィ
ンの開環重合体であって、135℃のデカリン中で測定
した極限粘度[η]が0.05〜10dl/gの範囲にあ
り、軟化温度(TMA)が70℃以上である環状オレフ
ィン開環重合体; (ハ)次式[I]または[II]で表される環状オレフィ
ンの開環共重合体であって、135℃のデカリン中で測
定した極限粘度[η]が0.05〜10dl/gの範囲に
あり、軟化温度(TMA)が70℃以上である環状オレ
フィン開環共重合体; (ニ)上記(ロ)または(ハ)の水素添加物。
【0011】
【化7】
【0012】(式[I]中、nは0または1であり、m
は0または正の整数であり、qは0または1であり、R
1〜R18およびRa、Rbは、それぞれ独立に、水素原
子、ハロゲン原子および炭化水素基よりなる群から選ば
れる原子もしくは基を表し、R15〜R18は、互いに結合
して単環または多環を形成していてもよく、かつ該単環
または多環が二重結合を有していてもよく、また、R15
とR16とで、またはR17とR18とでアルキリデン基を形
成していてもよい。)
【0013】
【化8】
【0014】(ただし、式[II]において、pおよびq
は0または1以上の整数であり、mおよびnは0、1ま
たは2であり、R1〜R19はそれぞれ独立に水素原子、
ハロゲン原子、脂肪族炭化水素基、脂環族炭化水素基、
芳香族炭化水素基およびアルコキシ基よりなる群から選
ばれる原子もしくは基を表し、R9およびR10が結合し
ている炭素原子と、R13が結合している炭素原子または
11が結合している炭素原子とは直接あるいは炭素原子
数1〜3のアルキレン基を介して結合していてもよく、
また、n=m=0のときR15とR12またはR15とR19
は互いに結合して単環または多環の芳香族環を形成して
いてもよい)。
【0015】なお、本発明に係る環状オレフィン系樹脂
組成物は、必要に応じ、(c)弾性率が1kg/cm2〜3
0000kg/cm2であり、ガラス転移点(Tg)が0℃
以下であり、しかも結晶化度が30%以上であるポリエ
チレンもしくはエチレン・α−オレフィン系重合体が
0.5〜50重量部配合されていてもよい。
【0016】
【発明の具体的説明】以下、本発明に係る環状オレフィ
ン系樹脂組成物について具体的に説明する。本発明の環
状オレフィン系樹脂組成物は、環状オレフィン系重合体
(a)と、ゴム状弾性体(b)と、下記一般式(Y)で
表される化合物
【0017】
【化9】
【0018】(式中、Rは炭素数8〜30のアルキル基
である)(d)とを必須成分として含み、必要に応じポ
リエチレンもしくはエチレン・α−オレフィン系重合体
(c)を含んでいてもよい。なお、本発明において重合
体という場合には、重合体は、単独重合体および共重合
体の両者を含む概念で用いられる。
【0019】以下、この環状オレフィン系重合体
(a)、ゴム状弾性体(b)、ポリエチレンもしくはエ
チレン・α−オレフィン系重合体(c)および一般式
(Y)で表される化合物(d)について順次説明する。環状オレフィン系重合体(a) 本発明で用いる環状オレフィン系重合体(a)として
は、以下(イ)〜(ニ)に挙げる重合体または共重合体
を例示することができる。 (イ)エチレンと、下記式[I]または[II]で表され
る環状オレフィンとの共重合体であるエチレン・環状オ
レフィン系共重合体、(ロ)下記式[I]または[II]
で表される環状オレフィンの開環重合体、(ハ)下記式
[I]または[II]で表される環状オレフィンの開環共
重合体、(ニ)上記(ロ)または(ハ)の水素添加物。
【0020】これらの重合体または共重合体は1種単独
で、または2種以上を組み合わせて用いることができ
る。そして上記のような環状オレフィン系重合体として
は、135℃のデカリン中で測定した極限粘度[η]が
0.05〜10dl/gの範囲にあり、軟化温度(TM
A)が70℃以上である環状オレフィン系重合体を用い
る。
【0021】
【化10】
【0022】ただし上記式[I]において、nは0また
は1であり、mは0または正の整数であり、qは0また
は1である。なお、qが0の場合この環は5員環であ
る。また上記式[I]において、R1 〜R18ならびにR
a およびRb は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン
原子および炭化水素基よりなる群から選ばれる原子また
は基を表す。ここで、ハロゲン原子としては、たとえば
フッ素原子、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子を挙
げることができる。また、炭化水素基としては、それぞ
れ独立に、通常は、炭素原子数1〜20のアルキル基、
炭素原子数1〜20のハロゲン化アルキル基、炭素原子
数3〜15のシクロアルキル基および芳香族炭化水素基
を挙げることができ、アルキル基の具体的な例として
は、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル
基、アミル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ド
デシル基およびオクタデシル基などを挙げることがで
き、ハロゲン化アルキルの具体的な例としては、上記の
ようなアルキル基を形成している水素原子の少なくとも
一部がフッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原
子で置換された基を挙げることができる。また、シクロ
アルキル基の具体的な例としては、シクロヘキシル基を
挙げることができ、芳香族炭化水素基の具体的な例とし
てはフェニル基およびナフチル基を挙げることができ、
これらの基は低級アルキル基を有していてもよい。さら
に、上記式[I]において、R15とR16とが、R17とR
18とが、R15とR17とが、R16とR18とが、R15とR18
とが、あるいはR16とR17とがそれぞれ結合して(互い
に共同して)、単環または多環を形成していてもよく、
しかも、このようにして形成された単環または多環が二
重結合を有していてもよい。
【0023】ここで単環または多環の例としては、以下
に記載する基を挙げることができる。
【0024】
【化11】
【0025】なお上記の例示した基において、1および
2の番号を賦した炭素原子は、式[I]において、R15
〜R18で表される基が結合している脂環構造の炭素原子
を表す。また、R15とR16とで、またはR17とR18とで
アルキリデン基を形成していてもよい。このようなアル
キリデン基は、通常は炭素原子数2〜20のアルキリデ
ン基であり、このようなアルキリデン基の具体的な例と
しては、エチリデン基、プロピリデン基およびイソプロ
ピリデン基を挙げることができる。
【0026】
【化12】
【0027】ただし式[II]において、pおよびqは0
または1以上の整数であり、mおよびnは0、1または
2である。また、R1 〜R19はそれぞれ独立に、水素原
子、ハロゲン原子、脂肪族炭化水素基、脂環族炭化水素
基、芳香族炭化水素基およびアルコキシ基よりなる群か
ら選ばれる原子または基を表す。ここで、R9 およびR
10が結合している炭素原子と、R13が結合している炭素
原子またはR11が結合している炭素原子とは直接あるい
は炭素原子数1〜3のアルキレン基を介して結合してい
てもよい。すなわち、上記二個の炭素原子がアルキレン
基を介して結合している場合には、R9 およびR13で表
される基が、または、R10およびR11で表される基が互
いに共同して、メチレン基(-CH2-) 、エチレン基(-CH2C
H2-)またはプロピレン基(-CH2CH2CH2-) の内のいずれか
のアルキレン基を形成している。
【0028】さらに、n=m=0のとき、R15とR12
たはR15とR19とは互いに結合して単環または多環の芳
香族環を形成していてもよい。この場合の単環または多
環の芳香族環の例としては、n=m=0のときR15とR
12がさらに芳香族環を形成している以下に記載する基を
挙げることができる。
【0029】
【化13】
【0030】上記式において、qは式[II]におけるの
と同じ意味である。式[II]において、ハロゲン原子
は、上記式[I]におけるハロゲン原子と同じ意味であ
る。また、ここで脂肪族炭化水素基は、炭素原子数1〜
20のアルキル基あるいは炭素原子数1〜20のハロゲ
ン化アルキル基である。アルキル基の具体的な例として
は、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル
基、アミル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ド
デシル基およびオクタデシル基などを挙げることがで
き、ハロゲン化アルキル基の具体的な例としては、上記
のようなアルキル基を形成している水素原子の少なくと
も一部がフッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素
原子で置換された基を挙げることができる。また、脂環
族炭化水素基の具体的な例としては、シクロヘキシル基
を挙げることができ、芳香族炭化水素基の具体的な例と
してはフェニル基およびナフチル基を挙げることがで
き、これらの基は低級アルキル基を有していてもよい。
【0031】式[I]および[II]で表される環状オレ
フィンの例としては、ビシクロ[2,2,1]ヘプト-2-エン
誘導体、テトラシクロ[4,4,0,12.5,17.10]-3-ドデセ
ン誘導体、ヘキサシクロ[6,6,1,13.6,110.13,02.7,0
9.14]-4-ヘプタデセン誘導体、オクタシクロ[8,8,0,1
2.9,14.7,111.18,113.16,03.8,012.17]-5-ドコセン誘
導体、ペンタシクロ[6,6,1,13.6,02.7,09.14]-4-ヘキ
サデセン誘導体、ヘプタシクロ-5-エイコセン誘導体、
ヘプタシクロ-5-ヘンエイコセン誘導体、トリシクロ
[4,3,0,12.5]-3-デセン誘導体、トリシクロ[4,3,0,1
2.5]-3-ウンデセン誘導体、ペンタシクロ[6,5,1,
13.6,02.7,09.13]-4-ペンタデセン誘導体、ペンタシク
ロペンタデカジエン誘導体、ペンタシクロ[7,4,0,
12.5,19.12,08.13]-3-ペンタデセン誘導体、ペンタシR
>クロ[8,7,0,1,3,6,110.17,112.15,02.7,011.16]-4-
エイコセン誘導体、ノナシクロ[10,9,1,14.7,113.20,1
15.18,03.8,02.10,012.21,014.19]-5-ペンタコセン誘
導体、ペンタシクロ[8,4,0,12.3,19.12,08.13]-3-ヘ
キサデセン誘導体、ペンタシクロ[8,8,0,14.7,111.18,
113.16,03.8,012.17]-5-ヘンエイコセン誘導体、ノナ
シクロ[10,10,1,15.8,114.21,116.19,02.11,04.9,0
13.22,015.20]-5-ヘキサコセン誘導体、ビシクロ[2,
2,1]ヘプト-2-エン誘導体、1,4-メタノ-1,4,4a,9a-テ
トラヒドロフルオレン誘導体、1,4-メタノ-1,4,4a,5,1
0,10a-ヘキサヒドロアントラセン誘導体およびシクロペ
ンタジエン-アセナフチレン付加物などを挙げることが
できる。
【0032】以下にこのような環状オレフィンの具体的
な例を示す。
【0033】
【化14】
【0034】
【化15】
【0035】
【化16】
【0036】
【化17】
【0037】
【化18】
【0038】
【化19】
【0039】
【化20】
【0040】
【化21】
【0041】
【化22】
【0042】
【化23】
【0043】
【化24】
【0044】
【化25】
【0045】
【化26】
【0046】
【化27】
【0047】
【化28】
【0048】
【化29】
【0049】
【化30】
【0050】
【化31】
【0051】この上記のような環状オレフィン類とエチ
レンとの共重合体である環状オレフィン系ランダム共重
合体(イ)は、エチレンおよび前記環状オレフィンを必
須成分とするものであるが、該必須の二成分の他に本発
明の目的を損なわない範囲で、必要に応じて他の共重合
可能な不飽和単量体成分を含有していてもよい。任意に
共重合されていてもよい該不飽和単量体として、具体的
には、たとえば生成するランダム共重合体中のエチレン
成分単位と等モル未満の範囲のプロピレン、1-ブテン、
4-メチル-1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテン、1-デ
セン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、
1-オクタデセン、1-エイコセンなどの炭素原子数が3〜
20のα−オレフィンなどを例示することができる。
【0052】上記のような環状オレフィン系ランダム共
重合体(イ)では、エチレンに由来する繰り返し単位
は、40〜85モル%、好ましくは50〜75モル%の
範囲で存在しており、また該環状オレフィンに由来する
繰り返し単位は15〜60モル%、好ましくは25〜5
0モル%の範囲で存在しており、エチレンに由来する繰
り返し単位および該環状オレフィンに由来する繰り返し
単位は、ランダムに実質上線状に配列している。なお、
エチレン組成および環状オレフィン組成は13C−NMR
によって測定される。この環状オレフィン系ランダム共
重合体が実質上線状であり、ゲル状架橋構造を有してい
ないことは、該共重合体が135℃のデカリン中に完全
に溶解することによって確認できる。
【0053】このような環状オレフィン系ランダム共重
合体(イ)の135℃のデカリン中で測定した極限粘度
[η]は、0.05〜10dl/g 、好ましくは0.08
〜5dl/g の範囲にある。また環状オレフィン系ランダ
ム共重合体(イ)のサーマル・メカニカル・アナライザ
ーで測定した軟化温度(TMA)は、70℃以上、好ま
しくは90〜250℃、さらに好ましくは100〜20
0℃の範囲にある。なお軟化温度(TMA)は、デュポ
ン社製Thermomechanical Analyser を用いて厚さ1mmの
シートの熱変形挙動により測定した。すなわちシート上
に石英製針をのせ、荷重49gをかけ、5℃/分で昇温
していき、針が0.635mm侵入した温度をTMAとし
た。また、該環状オレフィン系ランダム共重合体のガラ
ス転移温度(Tg)は、通常50〜230℃、好ましく
は70〜210℃の範囲にあることが望ましい。
【0054】また、この環状オレフィン系ランダム共重
合体(イ)のX線回折法によって測定した結晶化度は、
0〜10%、好ましくは0〜7%、とくに好ましくは0
〜5%の範囲である。本発明において用いる環状オレフ
ィン系重合体は、特開昭60−168708号公報、特
開昭61−120816号公報、特開昭61−1159
12号公報、特開昭61−115916号公報、特開昭
62−252406号公報、特開昭62−252407
号公報、特開昭61−271308号公報、特開昭61
−272216号公報などにおいて本出願人が提案した
方法に従い適宜条件を選択することにより、製造するこ
とができる。
【0055】このような環状オレフィン系ランダム共重
合体(イ)中において、前記式[I]または[II]で表
される環状オレフィンから導かれる構成単位(b)は、
下記式[III ]または[IV]で表される構造の繰り返し
単位を形成していると考えられる。
【0056】
【化32】
【0057】(式[III ]中、m、n、qおよびR1
18ならびにRa、Rbは前記式[I]における定義と同
様である。)
【0058】
【化33】
【0059】 (式[IV]中、p、m、nおよびR1〜R 19 は前記式[I
I]における定義と同様である。) 本発明では、環状オレフィン系重合体として上記のよう
な環状オレフィン系ランダム共重合体(イ)の他に、式
[I]または[II]で表わされる環状オレフィンの開環
重合体(ロ)、開環共重合体(ハ)またはこれら開環重
合体(ロ)、開環共重合体(ハ)の水素添加物(ニ)を
用いることもできる。
【0060】環状オレフィン系重合体(ロ)〜(ニ)
の、135℃のデカリン中で測定した極限粘度[η]、
軟化点(TMA)、ガラス転移温度(Tg)および結晶
化度は、環状オレフィン系ランダム共重合体(イ)と同
様である。このような環状オレフィン開環重合体
(ロ)、開環共重合体(ハ)およびこれらの水素添加物
(ニ)について、前記式[I]で表される環状オレフィ
ンを例にして説明すると、開環(共)重合体およびこれ
らの水素添加物は、以下に記載するような反応によって
形成されていると考えられる。
【0061】
【化34】
【0062】なお、本発明においては、上記のような開
環重合体、開環共重合体、これらの水素添加物および環
状オレフィン系ランダム共重合体の一部が無水マレイン
酸等の不飽和カルボン酸等で変性されていてもよい。こ
のような変性物は、上記のような環状オレフィン系樹脂
などと、不飽和カルボン酸、これらの無水物、および不
飽和カルボン酸のアルキルエステル等の誘導体とを反応
させることにより製造することができる。なお、この場
合の環状オレフィン系樹脂の変性物中における変性剤か
ら導かれる構成単位の含有率は、通常は10モル%以下
であることが望ましい。このような環状オレフィン系樹
脂変性物は、所望の変性率になるように環状オレフィン
系樹脂に変性剤を配合してグラフト重合させて製造する
こともできるし、予め高変性率の変性物を調製し、次い
でこの変性物と未変性の環状オレフィン系樹脂とを混合
することによっても製造することができる。
【0063】本発明において、上記の開環重合体、開環
共重合体、これらの水素添加物および環状オレフィン系
ランダム共重合体ならびにその変性物は、単独で、ある
いは組み合わせて使用することができる。さらに、本発
明においては、上記のような環状オレフィン系ランダム
共重合体を製造するに際して、得られる重合体等の物性
を損なわない範囲で、前記式[I]または[II]で表さ
れる環状オレフィン以外の環状オレフィンを重合させる
こともできる。このような環状オレフィンとしては、た
とえば、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセ
ン、3,4-ジメチルシクロヘキセン、3-メチルシクロヘキ
セン、2-(2-メチルブチル)-1-シクロヘキセン、2,3,3
a,7a-テトラヒドロ-4,7- メタノ-1H-インデン、3a,5,6,
7a-テトラヒドロ-4,7- メタノ-1H-インデンなどを挙げ
ることができる。このような他の環状オレフィンは単独
で、あるいは組み合わせて使用することができ、通常、
0〜50モル%の量で用いられる。
【0064】また本発明においては、上記のような13
5℃のデカリン中で測定した極限粘度[η]が0.05
〜10dl/gの範囲にあり、軟化温度(TMA)が70
℃以上である環状オレフィン系重合体の他に、所望によ
り、135℃のデカリン中で測定した極限粘度[η]が
0.05〜5dl/gの範囲にあり、軟化温度(TMA)
が70℃未満である他の環状オレフィン系重合体を配合
して用いてもよい。
【0065】ゴム状弾性体(b) 本発明において使用されるゴム状弾性体(b)は、弾性
率が0.1kg/cm2〜20000kg/cm2であり、好まし
くは10kg/cm2〜15000kg/cm2であり、特に好ま
しくは10kg/cm2〜10000kg/cm2である。なお弾
性率は、試験片形状をASTM TYPE IVに準拠し、厚さを2
mmとし、チャック間を64mm、引張速度を50mm/分と
して測定された値である。
【0066】このようなゴム状弾性体(b)のガラス転
移温度(Tg)は、通常0℃以下、好ましくは−10℃
以下、さらに好ましくは−20℃以下の範囲内にある。
さらに、このゴム状弾性体(b)の135℃、デカリン
中で測定した極限粘度[η]は、0.01〜10dl/g
、好ましくは0.08〜7dl/gであることが望まし
い。さらに、このゴム状弾性体(b)のX線回折法によ
って測定した結晶化度は、通常、30%以下、好ましく
は20%以下であり、このゴム状弾性体(b)は、低結
晶性または非晶性であることが好ましい。
【0067】本発明で使用されるゴム状弾性体(b)と
しては、具体的には、エチレン・α−オレフィン共重合
体ゴム、プロピレン・α−オレフィン共重合体ゴムが例
示できる。上記のエチレン・α−オレフィン共重合体ゴ
ムおよびプロピレン・α−オレフィン共重合体ゴムは単
独で使用することもできるし、さらに両者を組み合わせ
て使用することもできる。
【0068】上記のエチレン・α−オレフィン共重合体
ゴムを構成するα−オレフィンとしては、通常、炭素数
3〜20のα−オレフィン、たとえばプロピレン、1-ブ
テン、1-ペンテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテ
ン、1-オクテン、1-デセンおよびこれらの混合物を挙げ
ることができる。このうち特に炭素数3〜10のα−オ
レフィンが好ましい。
【0069】またプロピレン・α−オレフィン共重合体
ゴムを構成するα−オレフィンとしては、通常、炭素数
4〜20のα−オレフィン、たとえば1-ブテン、1-ペン
テン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、1-オクテ
ン、1-デセンおよびこれらの混合物を挙げることができ
る。このうち特に炭素数4〜10のα−オレフィンが好
ましい。
【0070】なお、本発明で使用されるα−オレフィン
共重合体は、α−オレフィン共重合体の特性を損なわな
い範囲内で、ジエン化合物から誘導される成分単位等の
ようなα−オレフィンから誘導される成分単位以外の成
分単位を含んでいてもよい。例えば、本発明で使用され
るα−オレフィン共重合体に含まれることが許容される
成分単位としては、1,4-ヘキサジエン、1,6-オクタジエ
ン、2-メチル-1,5-ヘキサジエン、6-メチル-1,5-ヘプタ
ジエン、7-メチル-1,6-オクタジエンなどの鎖状非共役
ジエン;シクロヘキサジエン、ジシクロペンタジエン、
メチルテトラヒドロインデン、5-ビニルノルボルネン、
5-エチリデン-2-ノルボルネン、5-メチレン-2-ノルボル
ネン、5-イソプロピリデン-2-ノルボルネン、6-クロロ
メチル-5-イソプロペニル-2-ノルボルネンなどの環状非
共役ジエン;2,3-ジイソプロピリデン-5-ノルボルネ
ン、2-エチリデン-3-イソプロピリデン-5-ノルボルネ
ン、2-プロペニル-2,2-ノルボルナジエンなどのジエン
化合物から誘導される成分単位を挙げることができる。
このようなジエン成分は、単独であるいは組み合わせて
使用できる。このようなジエン成分の含有量は、通常は
1〜20モル%、好ましくは2〜15モル%である。
【0071】本発明で使用されるエチレン・α−オレフ
ィン共重合体においては、エチレンとα−オレフィンと
のモル比(エチレン/α−オレフィン)は、α−オレフ
ィンの種類によっても異なるが、一般に1/99〜99
/1、好ましくは30/70〜95/5である。また本
発明で使用されるプロピレン・α−オレフィン共重合体
においては、プロピレンとα−オレフィンとのモル比
(プロピレン/α−オレフィン)は、α−オレフィンの
種類によっても異なるが、一般に30/70〜95/5
であることが好ましい。
【0072】本発明においては、上記のようなα−オレ
フィン共重合体の中でも、エチレン含有量30〜95モ
ル%、結晶化度10%以下のエチレン・プロピレンラン
ダム共重合体またはエチレン・α−オレフィンランダム
共重合体を使用することが特に好ましい。さらに本発明
で使用するゴム状弾性体(b)としては、上記のような
α−オレフィン共重合体を、不飽和カルボン酸またはそ
の誘導体でグラフト変性したグラフト変性α−オレフィ
ン共重合体も使用することができる。グラフト変性α−
オレフィン共重合体は衝撃強度等の機械的特性の改良効
果に優れているので好ましい。
【0073】上記のグラフト変性α−オレフィン共重合
体を製造するために用いられるグラフトモノマーとして
は、不飽和カルボン酸またはその誘導体を使用すること
が好ましい。このような不飽和カルボン酸の例として
は、アクリル酸、マレイン酸、フマール酸、テトラヒド
ロフタル酸、イタコン酸、シトラコン酸、クロトン酸、
イソクロトン酸、ナジック酸(エンドシス−ビシクロ
[2,2,1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボン酸)を挙げる
ことができる。さらに、上記の不飽和カルボン酸の誘導
体としては、不飽和カルボン酸無水物、不飽和カルボン
酸ハライド、不飽和カルボン酸アミド、不飽和カルボン
酸イミドおよび不飽和カルボン酸のエステル化合物を挙
げることができる。このような誘導体の具体的な例とし
ては、塩化マレニル、マレイミド、無水マレイン酸、無
水シトラコン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸ジ
メチル、グリシジルマレエートを挙げることができる。
【0074】これらのグラフトモノマーは、単独で使用
することもできるし、組み合わせて使用することもでき
る。上記のようなグラフトモノマーのうちでは、不飽和
ジカルボン酸またはその酸無水物が好ましく、さらにマ
レイン酸、ナジック酸またはこれらの酸無水物が特に好
ましい。
【0075】本発明で使用されるグラフト変性α−オレ
フィン共重合体は、例えば上記のようなグラフトモノマ
ーとα−オレフィン共重合体とを、従来公知の種々の方
法を採用して変性することにより製造することができ
る。たとえば、前記α−オレフィン共重合体を溶融さ
せ、グラフトモノマーを添加してグラフト重合させる方
法、あるいは溶媒に溶解させグラフトモノマーを添加し
てグラフト共重合させる方法がある。さらに、グラフト
変性α−オレフィン共重合体を製造する方法としては、
未変性α−オレフィン共重合体を所望のグラフト変性率
になるようにグラフトモノマーを配合して変性する方
法、あるいは予め高グラフト変性率のグラフト変性α−
オレフィン共重合体を調製し、この高変性率のα−オレ
フィン共重合体を未変性α−オレフィン共重合体で希釈
して所望の変性率のグラフト変性α−オレフィン共重合
体を製造する方法がある。本発明においては、いずれの
方法により製造したグラフト変性オレフィン共重合体を
使用することもできる。そして、本発明において使用さ
れるグラフト変性α−オレフィン共重合体は、変性率
が、通常は、0.01〜5重量%、好ましくは0.1〜
4重量%の範囲内にある共重合体である。
【0076】このような反応は、前記グラフトモノマー
を効率よくグラフト共重合させるためには、ラジカル開
始剤の存在下に反応を実施することが好ましい。グラフ
ト反応は、通常60〜350℃の温度で行なわれる。ラ
ジカル開始剤の使用割合は、未変性α−オレフィン弾性
共重合体100重量部に対して通常0.001〜5重量
部の範囲である。
【0077】ラジカル開始剤としては、有機ペルオキシ
ド、有機ペルエステルが好ましく使用され、このような
ラジカル開始剤の具体的な例としては、ベンゾイルペル
オキシド、ジクロルベンゾイルペルオキシド、ジクミル
ペルオキシド、ジ-tert-ブチルペルオキシド、2,5-ジメ
チル-2,5-ジ(ペルオキシドベンゾエート)ヘキシン-3,
1,4-ビス(tert-ブチルペルオキシイソプロピル)ベン
ゼン、ラウロイルペルオキシド、tert-ブチルペルアセ
テート、2,5-ジメチル-2,5-ジ(tert-ブチルペルオキ
シ)ヘキシン-3、2,5- ジメチル-2,5-ジ(tert-ブチル
ペルオキシ)ヘキサン、tert-ブチルペルベンゾエー
ト、tert-ブチルペルフェニルアセテート、tert-ブチル
ペルイソブチレート、tert-ブチルペル-sec-オクトエー
ト、tert-ブチルペルピバレート、クミルペルピバレー
トおよびtert-ブチルペルジエチルアセテートを挙げる
ことができる。さらに本発明においてはラジカル開始剤
としてアゾ化合物を使用することもでき、このアゾ化合
物の具体的な例としては、アゾビスイソブチロニトリル
およびジメチルアゾイソブチレートを挙げることができ
る。
【0078】これらのうちでは、ラジカル開始剤とし
て、ベンゾイルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、
ジ-tert-ブチルペルオキシド、2,5-ジメチル-2,5- ジ
(tert-ブチルペルオキシ)ヘキシン-3、2,5- ジメチル
-2,5-ジ(tert-ブチルペルオキシ)ヘキサン、1,4-ビス
(tert-ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン等の
ジアルキルペルオキシドが好ましく用いられる。
【0079】本発明で使用されるグラフト変性α−オレ
フィン共重合体としては、通常は、上述のグラフト変性
エチレン・α−オレフィン共重合体およびグラフト変性
プロピレン・α−オレフィン共重合体が単独であるいは
組み合わせて使用されるが、グラフト変性α−オレフィ
ン弾性共重合体の特性を損なわない範囲内で上記のグラ
フト変性弾性共重合体が他の重合体あるいは共重合体あ
るいは他のグラフト共重合体を含んでいてもよい。
【0080】本発明において、このような他の重合体あ
るいは共重合体の例としては、芳香族ビニル系炭化水素
・共役ジエン共重合体またはその水素化物を挙げること
ができる。具体的にはこのような芳香族ビニル系炭化水
素・共役ジエン共重合体またはその水素化物としては、
スチレン・ブタジエン共重合体ゴム、スチレン・ブタジ
エン・スチレン共重合体ゴム、スチレン・イソプレンブ
ロック共重合体ゴム、スチレン・イソプレン・スチレン
ブロック共重合体ゴム、水添スチレン・ブタジエン・ス
チレンブロック共重合体ゴムおよび水添スチレン・イソ
プレン・スチレンブロック共重合体ゴムを挙げることが
できる。
【0081】本発明において、上記のようなゴム状弾性
体(b)は、前記環状オレフィン系重合体(a)100
重量部に対して0.5〜50重量部、好ましくは1〜4
0重量部の量で用いられる。ポリエチレンもしくはエチレン・α−オレフィン共重合
本発明において、必要に応じて使用されるポリエチレン
もしくはエチレン・α−オレフィン共重合体(c)は、
弾性率が1kg/cm2〜30000kg/cm2であり、好まし
くは10kg/cm2〜20000kg/cm2であり、特に好ま
しくは10kg/cm2〜15000kg/cm2である。
【0082】ポリエチレンもしくはエチレン・α−オレ
フィン共重合体(c)のガラス転移温度(Tg)は、通
常0℃以下の範囲にある。さらに、このポリエチレンも
しくはエチレン・α−オレフィン共重合体(c)の13
5℃、デカリン中で測定した極限粘度[η]は、0.0
1〜10dl/g 、好ましくは0.08〜7dl/gである
ことが望ましい。さらに、このポリエチレンもしくはエ
チレン・α−オレフィン共重合体(c)のX線回折法に
よって測定した結晶化度は、30%以上である。
【0083】上記のうち、エチレン・α−オレフィン共
重合体を構成するα−オレフィンとしては、通常、炭素
数3〜20のα−オレフィン、たとえばプロピレン、1-
ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテ
ン、1-オクテン、1-デセンおよびこれらの混合物を挙げ
ることができる。このうち特に炭素数3〜10のα−オ
レフィンが好ましい。
【0084】なお、上記ポリエチレンもしくはエチレン
・α−オレフィン共重合体(c)は、ポリエチレンもし
くはエチレン・α−オレフィン共重合体(c)の特性を
損なわない範囲内で、ジエン化合物から誘導される成分
単位等のようなα−オレフィンから誘導される成分単位
以外の成分単位を含んでいてもよい。例えば、本発明で
使用されるポリエチレンもしくはエチレン・α−オレフ
ィン共重合体(c)に含まれることが許容される成分単
位としては、1,4-ヘキサジエン、1,6-オクタジエン、2-
メチル-1,5-ヘキサジエン、6-メチル-1,5-ヘプタジエ
ン、7-メチル-1,6- オクタジエンのような鎖状非共役ジ
エン;シクロヘキサジエン、ジシクロペンタジエン、メ
チルテトラヒドロインデン、5-ビニルノルボルネン、5-
エチリデン-2-ノルボルネン、5-メチレン-2-ノルボルネ
ン、5-イソプロピリデン-2-ノルボルネン、6-クロロメ
チル-5-イソプロペニル-2-ノルボルネンのような環状非
共役ジエン;2,3-ジイソプロピリデン-5-ノルボルネ
ン、2-エチリデン-3-イソプロピリデン-5-ノルボルネ
ン、2-プロペニル-2,2-ノルボルナジエン等のジエン化
合物から誘導される成分単位を挙げることができる。こ
のようなジエン成分は、単独であるいは組み合わせて使
用できる。このようなジエン成分の含有量は、通常は1
〜20モル%、好ましくは2〜15モル%である。
【0085】本発明で使用されるエチレン・α−オレフ
ィン共重合体(c)においては、エチレンとα−オレフ
ィンとのモル比(エチレン/α−オレフィン)は、α−
オレフィンの種類によっても異なるが、一般に1/99
〜99/1、好ましくは50/50〜95/5である。
上記モル比は、α−オレフィンがプロピレンである場合
には、50/50〜90/10であることが好ましく、
α−オレフィンが炭素数4以上のα−オレフィンである
場合には80/20〜95/5であることが好ましい。
【0086】さらに本発明で使用するポリエチレンもし
くはエチレン・α−オレフィン共重合体(c)として
は、上記のようなポリエチレンもしくはα−オレフィン
共重合体を、不飽和カルボン酸またはその誘導体でグラ
フト変性したグラフト変性ポリエチレンもしくはグラフ
ト変性エチレン・α−オレフィン共重合体も使用するこ
とができる。グラフト変性ポリエチレンもしくはグラフ
ト変性エチレン・α−オレフィン共重合体は、衝撃強度
等の機械的特性の改良効果に優れているので好ましい。
【0087】上記のグラフト変性ポリエチレンもしくは
グラフト変性α−オレフィン共重合体を製造するために
用いられるグラフトモノマーとしては、前述した不飽和
カルボン酸またはその誘導体を使用することが好まし
い。そして、本発明において好ましく使用されるグラフ
ト変性ポリエチレンもしくはグラフト変性エチレン・α
−オレフィン共重合体は、変性率が、通常は、0.01
〜5重量%、好ましくは0.1〜4重量%の範囲内にあ
る共重合体である。
【0088】このような反応は、前記グラフトモノマー
を効率よくグラフト共重合させるためには、ラジカル開
始剤の存在下に反応を実施することが好ましい。グラフ
ト反応は通常60〜350℃の温度で行なわれる。ラジ
カル開始剤の使用割合は、未変性ポリエチレンもしくは
未変性エチレン・α−オレフィン共重合体100重量部
に対して通常0.001〜5重量部の範囲である。
【0089】ラジカル開始剤としては、有機ペルオキシ
ド、有機ペルエステルが好ましく使用され、このような
ラジカル開始剤の具体的な例としては、前述したゴム状
弾性体を製造する際に用いるラジカル開始剤と同様の物
を例示できる。本発明で使用されるグラフト変性ポリエ
チレンもしくはグラフト変性エチレン・α−オレフィン
共重合体には、その特性を損なわない範囲内で上記のグ
ラフト変性弾性共重合体が他の重合体あるいは共重合体
あるいは他のグラフト共重合体を含んでいてもよい。
【0090】本発明において、このような他の重合体あ
るいは共重合体の例としては、芳香族ビニル系炭化水素
・共役ジエン共重合体またはその水素化物を挙げること
ができる。具体的には前述したゴム状弾性体に添加する
ことができる芳香族ビニル系炭化水素・共役ジエン共重
合体またはその水素化物を例示できる。本発明に係る環
状オレフィン系樹脂組成物において、上記のようなポリ
エチレンもしくはエチレン・α−オレフィン共重合体
(c)は、前記(a)成分100重量部に対して0.5
〜50重量部、好ましくは1〜40重量部の量で用いら
れることが好ましい。
【0091】一般式(Y)で表される化合物 本発明に係る環状オレフィン系樹脂組成物は、上記
(a)と(b)と、または(a)と(b)と(c)と下
記一般式(Y)
【0092】
【化35】
【0093】で表される化合物(d)とからなってい
る。上記式(Y)で表される化合物は、たとえば1,2-エ
ポキシアルカンとモノエタノールアミンとを反応して得
られる。このような上記の反応は、従来公知の方法を用
いることができ、たとえば1,2-エポキシアルカン 1モ
ルとモノエタノールアミン 1〜6モルを、不活性ガス
雰囲気下、110〜150℃の温度で行われる。
【0094】本発明で使用される下記一般式(Y)で表
される化合物
【0095】
【化36】
【0096】においては、式中、Rは炭素数8〜30好
ましくは10〜28のアルキル基であることが望まし
く、このようなアルキル基としては、具体的には、オク
チル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル
基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、
ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノ
ナデシル基、イコシル基、ヘンイコシル基、ドコシル基
等の直鎖アルキル基;メチルヘプチル基、メチルオクチ
ル基、メチルノニル基、メチルデシル基、メチルウンデ
シル基、メチルドデシル基、メチルトリデシル基、メチ
ルテトラデシル基、メチルペンタデシル基、メチルヘキ
サデシル基、メチルヘプタデシル基、メチルオクタデシ
ル基、メチルノナデシル基、メチルイコシル基、メチル
ヘンイコシル基等のメチル基を有する分枝アルキル基;
エチルヘキシル基、エチルヘプチル基、エチルオクチル
基、エチルノニル基、エチルデシル基、エチルウンデシ
ル基、エチルドデシル基、エチルトリデシル基、エチル
テトラデシル基、エチルペンタデシル基、エチルヘキサ
デシル基、エチルヘプタデシル基、エチルオクタデシル
基、エチルノナデシル基、エチルイコシル基等のエチル
基を有する分枝アルキル基等を例示することができる。
【0097】このような下記一般式(Y)
【0098】
【化37】
【0099】で表される化合物(d)は、前記環状オレ
フィン系重合体(a)100重量部に対して、0.05
〜5重量部、好ましくは0.1〜2重量部、特に好まし
くは0.2〜1.5重量部の割合で用いられる。上記し
た化合物(d)を環状オレフィン系樹脂組成物に添加す
ることにより、得られる環状オレフィン系樹脂組成物の
帯電防止効果が向上する。
【0100】その他の添加剤 本発明に係る環状オレフィン系樹脂組成物は、上記成分
を、後述するような適当な方法により混合することによ
り製造することができる。接触の際に、得られる樹脂組
成物の特性を損なわない範囲で、後述するような他の添
加剤を添加することができる。
【0101】〔 架 橋 剤 〕上記成分を接触する際
に、適当な架橋剤を添加することにより、樹脂成分相互
間で架橋を行なうことができる。この際に用いる架橋剤
としては、有機過酸化物、カチオン重合開始剤、アミノ
基含有化合物を好ましく用いることができる。
【0102】上記各成分を接触させる際に、架橋剤は上
記各成分の合計100重量部に対して0.01〜5重量
部、好ましくは0.05〜1重量部の量で用いられる。
接触の方法としては、公知の方法が適用でき、たとえば
各成分を同時に混合することができるが、各成分を混合
した後、架橋剤を混合する方法が好ましい。各成分に混
合した際、架橋剤も充分に混合されているのが好まし
い。
【0103】上記各成分を含む組成物は、各々の成分を
押出機でブレンドして製造する方法、あるいは各々の成
分を適当な溶媒、たとえばヘプタン、ヘキサン、デカ
ン、シクロヘキサンのような飽和炭化水素、トルエン、
ベンゼン、キシレンのような芳香族炭化水素に充分溶解
または分散して行うブレンド法、さらには樹脂成分を別
個の重合器で合成して得られるポリマーを別の容器で
(d)成分とブレンドする方法などにより製造すること
ができる。こうして得られた組成物には、そのまま引続
いて架橋剤を加えてブレンドし、架橋生成物を得る。
【0104】架橋生成物は、架橋剤が分解または反応す
る温度で反応させることにより得ることができる。有機
過酸化物、カチオン重合開始剤、アミノ基含有化合物、
について具体的に例を挙げて説明する。 〔有機過酸化物〕上記有機過酸化物としては、具体的に
は、メチルエチルケトンパーオキシド、シクロヘキサノ
ンパーオキシド等のケトンパーオキシド類;1,1-ビス
(t-ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2-ビス(t-
ブチルパーオキシ)オクタン等のパーオキシケタール
類;t-ブチルヒドロパーオキシド、クメンヒドロパーオ
キシド、2,5-ジメチルヘキサン-2,5-ジヒドロキシパー
オキシド、1,1,3,3-テトラメチルブチルヒドロパーオキ
シド等のヒドロパーオキシド類;ジ-t-ブチルパーオキ
シド、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘ
キサン、2,5-ジメチル-2,5-(t-ブチルパーオキシ)ヘ
キシン-3等のジアルキルパーオキシド類;ラウロイルパ
ーオキシド、ベンゾイルパーオキシド等のジアシルパー
オキシド類;t-ブチルパーオキシアセテート、t-ブチル
パーオキシベンゾエート、2,5-ジメチル-2,5-ジ(ベン
ゾイルパーオキシ)ヘキサン等のパーオキシエステル類
等を挙げることができる。このような有機過酸化物は1
種単独で、または2種以上を組み合わせて用いることが
できる。また上記の有機過酸化物を用いる際には、ラジ
カル重合性の官能基を分子内に2個以上有する化合物を
併用することが好ましい。ラジカル重合性の官能基を分
子内に2個以上有する化合物としては、たとえばジビニ
ルベンゼン、アクリル酸ビニル、メタクリル酸ビニル、
トリアリールイソシアヌレート、ジアリールフタレー
ト、エチレンジメタクリレート、トリメチロールプロパ
ントリメタクリレートなどを挙げることができる。
【0105】〔カチオン重合開始剤〕上記カチオン重合
開始剤としては、「東村敏延著、講座重合反応論第3
巻”カチオン重合”、化学同人、1974年」の2章に
あげられている開始剤、すなわちプロトン酸、金属酸化
物、ハロゲン、ハロゲン化金属、有機金属化合物、安定
カチオンがあげられ、これらの中ではプロトン酸とハロ
ゲン化金属が好ましい。プロトン酸としては、具体的に
はH3PO3、H2SO4、HClO4、HCl、HBr、
CCl3CO2H、CHCl2CO2H、CF3CO2H、H
(CF26CO2H、ClSO3H、FSO3H、p-トル
エンスルホン酸、CF3SO3H、CH3COClO4(過
塩素酸アセチル)などを例示することができる。またハ
ロゲン化金属としては、Be,Mg,Zn,Cd,H
g,B,Al,Ga,Ti,Zr,Sn,P,Sb,N
b,Bi,Ta,U,Re,Fe等の金属のハロゲン化
物が挙げられ、これらの中では特にB,Al,Ti,S
n,Feのハロゲン化物が好ましい。具体的には、三フ
ッ化ホウ素(BF3)、三フッ化ホウ素・ジエチルエー
テル錯体(BF3O(C252)、三フッ化ホウ素・フ
ェノール錯体(BF3・HOC65)、一般式RnAlX
3-nで示される有機アルミニウム化合物(xは塩素、臭
素、ヨウ素、フッ素のいずれかであり、nは0≦n<3
を満足する値、Rはアルキル基を示す)、四塩化チタン
(TiCl4)、四塩化スズ(SnCl4)、三塩化鉄
(FeCl3)などがあげられる。
【0106】前記RnAlX3-nで示される有機アルミニ
ウム化合物としては、例えばジエチルアルミニウムクロ
リド、ジエチルアルミニウムブロミド、エチルアルミニ
ウムセスキクロリド、エチルアルミニウムセスキブロミ
ド、エチルアルミニウムジクロリド、エチルアルミニウ
ムジブロミドなどがあげられる。組成物がRnAlX3 -n
になる限り、各種の有機アルミニウム化合物の混合物を
用いてもよい。
【0107】これらカチオン重合開始剤は1種単独で、
または2種以上を組み合わせて用いることができる。 〔アミノ基含有化合物〕アミノ基含有化合物としては、
分子内に少なくとも2個のアミノ基を有する化合物を使
用することができる。
【0108】このようなアミノ基含有化合物としては、
例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキ
サメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチ
レンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、イミノビ
スプロピルアミン、ビス(ヘキサメチレン)トリアミ
ン、1,3,6-トリスアミノメチルヘキサン、トリメチルヘ
キサメチレンジアミン、ビスプロピレンジアミン、ジエ
チルアミノプロピルアミンなどの脂肪族アミン;メンセ
ンジアミン、イソフォロンジアミン、ビス(4-アミノ-3
-メチルシクロヘキシル)メタン、N-アミノエチルピペ
ラジン、1,3-ジアミノシクロヘキサンなどの脂環族アミ
ン;メタキシリレンジアミンなどの脂肪芳香族アミン;
o-、m-、p-フェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメ
タン、ジアミノジフェニルスルホン、2,4-ジアミノアニ
ソール、2,4-トルエンジアミン、2,4-ジアミノジフェニ
ルアミン、4,4'-メチレンジアニリン、ジアミノジキシ
リルスルホンなどの芳香族アミン;3,9-ビス(3-アミノ
プロピル)-2,4,8,10-テトラスピロ[5,5]ウンデカン
などのビススピロ環ジアミンなどを挙げることができ
る。
【0109】このようなアミノ基含有化合物は1種単独
で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することがで
きる。 〔安定剤その他〕また本発明に係る環状オレフィン系樹
脂組成物に、衝撃強度を向上させるためのゴム成分を配
合したり、耐熱安定剤、耐候安定剤、スリップ剤、アン
チブロッキング剤、防曇剤、滑剤、染料、顔料、天然
油、合成油、ワックスなどを配合することができ、その
配合割合は適宜量である。たとえば、任意成分として配
合される安定剤として具体的には、テトラキス[メチレ
ン-3(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピ
オネート]メタン、β−(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキ
シフェニル)プロピオン酸アルキルエステル、2,2'-オ
キザミドビス[エチル-3(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキ
シフェニル)]プロピオネートなどのフェノール系酸化
防止剤、ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4-ピペリジル)
セバケート、2-(2'-ヒドロキシ-3'-tert-ブチル-5'-メ
チルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾールなどの耐
候安定剤;ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウ
ム、12-ヒドロキシステアリン酸カルシウムなどの脂肪
酸金属塩、グリセリンモノステアレート、グリセリンモ
ノラウレート、グリセリンジステアレート、ペンタエリ
スリトールモノステアレート、ペンタエリスリトールジ
ステアレート、ペンタエリスリトールトリステアレート
等の多価アルコールの脂肪酸エステルなどを挙げること
ができる。これらは単独で配合してもよいが、組み合わ
せて配合してもよく、たとえば、テトラキス[メチレン
-3(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオ
ネート]メタンとステアリン酸亜鉛とグリセリンモノス
テアレートとの組合せ等を例示することができる。
【0110】〔充 填 剤〕本発明においては、本発明
の目的を損なわない範囲で、環状オレフィン系樹脂組成
物にシリカ、ケイ藻土、アルミナ、酸化チタン、酸化マ
グネシウム、軽石粉、軽石バルーン、水酸化アルミニウ
ム、水酸化マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウム、ド
ロマイト、硫酸カルシウム、チタン酸カリウム、硫酸バ
リウム、亜硫酸カルシウム、タルク、クレー、マイカ、
アスベスト、ガラス繊維、ガラスフレーク、ガラスビー
ズ、ケイ酸カルシウム、モンモリロナイト、ベントナイ
ト、グラファイト、アルミニウム粉、硫化モリブデン、
ボロン繊維、炭化ケイ素繊維、ポリエチレン繊維、ポリ
プロピレン繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維等
の充填剤を配合してもよい。
【0111】〔その他の重合体〕上記のような環状オレ
フィン系樹脂組成物は、前述したように優れた特性を示
すが、本発明の樹脂組成物においては、樹脂組成物の特
性を損なわない範囲でさらに種々の重合体をブレンドす
ることができる。環状オレフィン系樹脂組成物にブレン
ドすることができる重合体としては以下の(1)〜(1
7)のものを例示することができる。
【0112】(1)1個または2個の不飽和結合を有す
る炭化水素から誘導される重合体 具体的には、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポ
リメチルブテン-1、ポリ4-メチルペンテン-1、ポリブテ
ン-1およびポリスチレンのようなポリオレフィンなど。
なおこれらのポリオレフィンは架橋構造を有してもよ
い。 (2)ハロゲン含有ビニル重合体 具体的にはポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ
フッ化ビニル、ポリクロロプレン、塩素化ゴムなど。
【0113】(3)α,β−不飽和酸とその誘導体から
誘導される(共)重合体、具体的にはポリアクリレー
ト、ポリメタクリレート、ポリアクリルアミド、ポリア
クリロニトリル、アクリロニトリル・ブタジエン・スチ
レン共重合体、アクリロニトリル・スチレン共重合体、
アクリロニトリル・スチレン・アクリル酸エステル共重
合体など。
【0114】(4)不飽和アルコールおよびアミンまた
はそのアシル誘導体またはアセタールから誘導された重
合体、具体的にはポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニ
ル、ポリステアリン酸ビニル、ポリ安息香酸ビニル、ポ
リマレイン酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリアリ
ルフタレート、ポリアリルメラミン、または前記重合体
を構成するモノマーとの共重合体、たとえばエチレン、
酢酸ビニル共重合体など。
【0115】(5)エポキシドから誘導された重合体、 具体的にはポリエチレンオキシドまたはビスグリシジル
エーテルから誘導された重合体など。 (6)ポリアセタール、 具体的にはポリオキシメチレン、ポリオキシエチレン、
コモノマーとしてエチレンオキシドを含むようなポリオ
キシメチレンなど。
【0116】(7)ポリフェニレンオキシド。 (8)ポリカーボネート。 (9)ポリスルフォン。 (10)ポリウレタンおよび尿素樹脂。 (11)ジアミンおよびジカルボン酸および/またはア
ミノカルボン酸または相応するラクタムから誘導された
ポリアミドおよびコポリアミド、具体的にはナイロン
6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12など。
【0117】(12)ジカルボン酸およびジアルコール
および/またはオキシカルボン酸または相応するラクト
ンから誘導されたポリエステル、具体的にはポリエステ
ルテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ
1,4-ジメチロール・シクロヘキサンテレフタレートな
ど。 (13)アルデヒドとフェノール、尿素またはメラミン
から誘導された架橋構造を有した重合体、具体的には、
フェノール・ホルムアルデヒド樹脂、尿素・ホルムアル
デヒド樹脂、メラミン・ホルムアルデヒド樹脂など。
【0118】(14)アルキッド樹脂、 具体的にはグリセリン・フタル酸樹脂など。 (15)飽和および不飽和ジカルボン酸と多価アルコー
ルとのコポリエステルから誘導され、架橋剤としてビニ
ル化合物を使用して得られる不飽和ポリエステル樹脂な
らびにハロゲン含有改質樹脂。
【0119】(16)天然重合体、 具体的にはセルロース、ゴム、蛋白質、あるいはそれら
の誘導体たとえば酢酸セルロース、プロピオン酸セルロ
ース、セルロースエーテルなど。 (17)イソブチレンまたはイソブチレン・共役ジエン
からなる軟質重合体または共重合体。
【0120】具体的には、ポリイソブチレンゴム、ポリ
イソプレンゴム、ポリブタジエンゴム、イソブチレン・
イソプレン共重合体ゴムなど。環状オレフィン系樹脂組成物の製法 本発明に係る環状オレフィン系樹脂組成物の製法として
は、公知の方法が適用でき、前記各成分ならびに所望に
より添加される他の成分を押出機、ニーダー等で機械的
にブレンドする方法、あるいは各成分を適当な良溶媒、
たとえばヘキサン、ヘプタン、デカン、シクロヘキサ
ン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素溶媒に
同時に溶解または分散し、またはそれぞれ別々に溶解ま
たは分散した後混合し、溶媒を除去する方法さらにはこ
れらの二つの方法を組み合わせて行う方法等を挙げるこ
とができる。
【0121】
【発明の効果】本発明によれば、耐熱性、耐衝撃性、剛
性、強度、成形性、耐傷付性のバランスに優れ、しかも
高い帯電防止効果を有する環状オレフィン系樹脂組成物
を提供することが可能になる。また、本発明に係る環状
オレフィン系樹脂組成物は、上記のような特性に優れる
だけでなく、各種樹脂および金属等の異種材料に対する
熱接着性に顕著に優れているため、各種樹脂との積層
体、金属被覆などの用途に好適に使用することができ
る。具体的には、下記(1)〜(3)に例示される自動
車部品、機械ハウジング、機械部品や、その他建材用ガ
スケット、土木または建築用防水シート、工業用ホース
もしくはチューブ類、家電用ハウジング、スポーツ用
品、事務用品などの用途に広く利用することができる。
【0122】(1)自動車部品 インストゥルメントパネル、コンソールボックス、ドア
トリム、ピラー、メータークラスター、コラムカバー、
グリルドアミラー、フェンダー、ボンネット、ラジエタ
ーグリル、サイドプロテクトモール、バンパー、ソフト
フェイシア、マッドガード、グラスランチャネル、ウイ
ンドシールドガスケット。
【0123】(2)機械ハウジング 工具(電動工具)、事務器(ワープロ、パソコン、複写
機、プリンター、FDD、CRT)、精密機器(カメ
ラ)、家電製品(電子レンジ、電気釜、冷蔵庫、ポッ
ト、掃除機)。 (3)機械部品 エアコン用シロッコファン。
【0124】
【実施例】以下本発明を実施例によって説明するが、本
発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、
本発明において、帯電防止性の評価は下記のようにして
行なった。 帯電防止性の測定(表面抵抗):タケダ理研製TR−8
4型表面抵抗測定器を用いて、温度23℃、湿度65%
で表面抵抗の経時変化を測定した。表面抵抗値が小さい
ほど帯電防止性が高い。
【0125】
【実施例1】環状オレフィン系重合体(a)として、13
C−NMRで測定したエチレン含量が64モル%であ
り、260℃で測定したMFR(260℃)が35g/
10分であり、135℃のデカリン中で測定した極限粘
度[η]が0.47dl/gであり、軟化温度(TMA)
が150℃であり、ガラス転移点(Tg)が135℃で
あるエチレンとテトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]-3-
ドデセン(構造式:
【0126】
【化38】
【0127】以下TCD−3と略す)のランダム共重合
体のペレット4.25kgと、ゴム状弾性体(b)とし
て、エチレン・プロピレンゴム(エチレン含量=80モ
ル%、Tg=−50℃、MFR(230℃)=0.4g
/10分、極限粘度[η]=2.5dl/g、引張弾性率
150kg/cm2 、結晶化度0%)のペレット0.7
5kgとを充分に混合してなる組成物に、(d)成分と
して
【0128】
【化39】
【0129】を40g加え、押出機によりブレンドし、
ペレット化した。このペレットより12cm×10cm×2
mmの角板を射出成形機により成形して表面抵抗測定用試
料とした。この試料を室温で2日間放置した後、上記の
方法により表面抵抗値を測定した。また角板を水洗後8
0℃で7日間放置した後、同様に表面抵抗値を測定し
た。
【0130】結果を表1に示す。
【0131】
【実施例2】(d)成分として
【0132】
【化40】
【0133】を40g用いた以外は、実施例1と同様の
操作を行なった。結果を表1に示す。
【0134】
【比較例1】(d)成分を添加しなかった以外は、実施
例1と同様の操作を行なった。結果を表1に示す。
【0135】
【比較例2】実施例1において化合物(d)の代わりに
ドデシルアミンのエチレンオキサイド付加物(エレクト
ロストリッパーEA、花王(株)製)を1重量部添加し
た以外は、実施例1と同様に試験した。結果を表1に示
す。
【0136】
【実施例3】エチレン・TCD−3共重合体(a):1
00重量部(温度135゜Cのデカリン中で測定した極
限粘度[η]が0.60dl/g、荷重 2.16kg、
温度260゜Cにおけるメルトフローレート7.6g/
分、軟化温度150゜C)と、エチレン・プロピレン共
重合体(b):12重量部(エチレン含量80モル%、
引張弾性率150kg/cm2、荷重2.16Kg、温度2
30℃におけるメルトフローレート0.4g/10分、
極限粘度[η]=2.5dl/g、結晶化度0%、ガラス
転移点 −50℃)と、エチレン−ブテン-1共重合体
(c):11重量部(ブテン−1含量=3.8モル%、
引張弾性率5000Kg/cm2、荷重2.16Kg、温度1
90℃におけるメルトフローレート 20g/10分、
密度 0.920g/cm3、結晶化度40%)とを混合
し、得られた混合物100重量部に、2,5-ジメチル-2,5
- ジ-t-ブチルペルオキシ)ヘキシン-3を0.1重量部
およびジビニルベンゼンを0.3重量部添加して、2軸
押出機により260℃で混練し、部分架橋した。
【0137】得られた樹脂混合物100重量部に、
(d)成分として
【0138】
【化41】
【0139】を1重量部、押出機によりブレンドしてペ
レット化した。このペレットより実施例1と同様の試験
を行なった。結果を表1に示す。
【0140】
【実施例4】化合物(d)の添加量を0.5重量部とし
た以外は、実施例3と同様に試験した。結果を表1に示
す。
【0141】
【比較例3】実施例3において化合物(d)の代わりに
ドデシルアミンのエチレンオキサイド付加物(エレクト
ロストリッパーEA、花王(株)製)を1重量部添加し
た以外は、実施例3と同様に試験した。結果を表1に示
す。
【0142】
【比較例4】実施例3において化合物(d)を添加しな
かった以外は、実施例3と同様に試験した。結果を表1
に示す。
【0143】
【表1】
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C08L 23:16) C08L 23:16) (C08L 23/26 (C08L 23/26 23:16) 23:16) (C08L 65/00 (C08L 65/00 23:16) 23:16)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)下記の群(イ)〜(ニ)よりなる群
    から選ばれる少なくとも1種の環状オレフィン系重合
    体;100重量部と、 (b)弾性率が0.1kg/cm2〜20000kg/cm2であ
    り、ガラス転移点(Tg)が0℃以下、結晶化度が30
    %以下である、エチレン・α−オレフィン共重合体ゴム
    (前記α−オレフィンの炭素数は3〜20である。)ま
    たはプロピレン・α−オレフィン共重合体ゴム(前記α
    −オレフィンの炭素数は4〜20である。)から選ばれ
    ゴム状弾性体;0.5〜50重量部と、 (d)下記一般式(Y)で表される化合物 【化1】 (式中、Rは炭素数8〜30のアルキル基である) ;0.05〜5重量部とからなることを特徴とする環状
    オレフィン系樹脂組成物; (イ)エチレンと次式[I]または[II]で表される環
    状オレフィンとの共重合体であって、135℃のデカリ
    ン中で測定した極限粘度[η]が0.05〜10dl/g
    の範囲にあり、軟化温度(TMA)が70℃以上である
    エチレン・環状オレフィン系共重合体; (ロ)次式[I]または[II]で表される環状オレフィ
    ンの開環重合体であって、135℃のデカリン中で測定
    した極限粘度[η]が0.05〜10dl/gの範囲にあ
    り、軟化温度(TMA)が70℃以上である環状オレフ
    ィン開環重合体; (ハ)次式[I]または[II]で表される環状オレフィ
    ンの開環共重合体であって、135℃のデカリン中で測
    定した極限粘度[η]が0.05〜10dl/gの範囲に
    あり、軟化温度(TMA)が70℃以上である環状オレ
    フィン開環共重合体; (ニ)上記(ロ)または(ハ)の水素添加物。 【化2】 (式[I]中、nは0または1であり、mは0または正
    の整数であり、qは0または1であり、 R1〜R18およびRa、Rbは、それぞれ独立に、水素原
    子、ハロゲン原子および炭化水素基よりなる群から選ば
    れる原子もしくは基を表し、 R15〜R18は、互いに結合して単環または多環を形成し
    ていてもよく、かつ該単環または多環が二重結合を有し
    ていてもよく、 また、R15とR16とで、またはR17とR18とでアルキリ
    デン基を形成していてもよい。) 【化3】 (ただし、式[II]において、pおよびqは0または1
    以上の整数であり、mおよびnは0、1または2であ
    り、R1〜R19はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原
    子、脂肪族炭化水素基、脂環族炭化水素基、芳香族炭化
    水素基およびアルコキシ基よりなる群から選ばれる原子
    もしくは基を表し、R9およびR10が結合している炭素
    原子と、R13が結合している炭素原子またはR11が結合
    している炭素原子とは直接あるいは炭素原子数1〜3の
    アルキレン基を介して結合していてもよく、また、n=
    m=0のときR15とR12またはR15とR19とは互いに結
    合して単環または多環の芳香族環を形成していてもよ
    い)。
  2. 【請求項2】(a)下記の群(イ)〜(ニ)よりなる群
    から選ばれる少なくとも1種の環状オレフィン系重合
    体;100重量部と、 (b)弾性率が0.1kg/cm2〜20000kg/cm2であ
    り、ガラス転移点(Tg)が0℃以下、結晶化度が30
    %以下である、エチレン・α−オレフィン共重合体(前
    記α−オレフィンの炭素数は3〜20である。)または
    プロピレン・α−オレフィン共重合体(前記α−オレフ
    ィンの炭素数は4〜20である。)から選ばれるゴム状
    弾性体;0.5〜50重量部と、 (c)弾性率が1kg/cm2〜30000kg/cm2であり、
    ガラス転移点(Tg)が0℃以下、結晶化度が30%以
    上であるポリエチレンもしくはエチレン・α−オレフィ
    ン系重合体;0.5〜50重量部と、 (d)下記一般式(Y)で表される化合物 【化4】 (式中、Rは炭素数8〜30のアルキル基である) ;0.05〜5重量部とからなることを特徴とする環状
    オレフィン系樹脂組成物; (イ)エチレンと上式[I]または[II]で表される環
    状オレフィンとの共重合体であって、135℃のデカリ
    ン中で測定した極限粘度[η]が0.05〜10dl/g
    の範囲にあり、軟化温度(TMA)が70℃以上である
    エチレン・環状オレフィン系共重合体; (ロ)上式[I]または[II]で表される環状オレフィ
    ンの開環重合体であって、135℃のデカリン中で測定
    した極限粘度[η]が0.05〜10dl/gの範囲にあ
    り、軟化温度(TMA)が70℃以上である環状オレフ
    ィン開環重合体; (ハ)上式[I]または[II]で表される環状オレフィ
    ンの開環共重合体であって、135℃のデカリン中で測
    定した極限粘度[η]が0.05〜10dl/gの範囲に
    あり、軟化温度(TMA)が70℃以上である環状オレ
    フィン開環共重合体; (ニ)上記(ロ)または(ハ)の水素添加物。
  3. 【請求項3】前記(d)成分の含有量が、0.1〜2重
    量部であることを特徴とする請求項1または2に記載の
    環状オレフィン系樹脂組成物。
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