JP3240827B2 - ダイオード - Google Patents
ダイオードInfo
- Publication number
- JP3240827B2 JP3240827B2 JP10515094A JP10515094A JP3240827B2 JP 3240827 B2 JP3240827 B2 JP 3240827B2 JP 10515094 A JP10515094 A JP 10515094A JP 10515094 A JP10515094 A JP 10515094A JP 3240827 B2 JP3240827 B2 JP 3240827B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- region
- concentration
- diode
- type region
- type
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Bipolar Integrated Circuits (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、大きな順方向電流と良
好な逆回復特性を得ることが可能なダイオードに関す
る。
好な逆回復特性を得ることが可能なダイオードに関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来のダイオードとしては、例えば図1
0に示すようなものがある(Pro ceeding of 1992 Inte
rnational Symposium on Power Semiconductor Devices
& ICs,Tokyo,pp.60〜65)。このダイオードは、Emitte
r Short Type Diode(ESD)と称される構造をしてお
り、高濃度N型基板11上に低濃度N型領域12が形成
され、低濃度N型領域12上にP型領域13が形成され
ている。P型領域13の表面部にはP型コンタクト領域
14と高濃度N型領域15が交互に形成され、このP型
コンタクト領域14と高濃度N型領域15とは共にアノ
ード電極Aにオーミック接続されている。また高濃度N
型基板11はカソード電極Kにオーミック接続されてい
る。P型コンタクト領域14−P型領域13−低濃度N
型領域12−高濃度N型基板11でPINダイオードが
形成され、高濃度N型領域15−P型領域13−低濃度
N型領域12−高濃度N型基板11でNPNバイポーラ
トランジスタが形成されている。NPNバイポーラトラ
ンジスタのベースとなるP型領域13はP型コンタクト
領域14を介してエミッタとなる高濃度N型領域15に
接続されている。図11は上記ダイオードを順バイアス
から逆バイアスにスイッチしたときのダイオードを流れ
る電流を時間の関数として示している。まず順バイアス
されている間に順方向電流If がダイオードを流れ、逆
バイアスにスイッチするとダイオードの逆回復時間trr
の間だけ逆方向電流がダイオードを流れる。この逆回復
時間trr中に流れる逆方向電流の時間積分(=電荷
Qrr)は順バイアスしていた期間中に低濃度N型領域に
蓄積された少数キャリアの正孔であり、If が大きけれ
ばQrrも大きくなり、ダイオードの逆回復特性が悪くな
る。図10に示すESDでは順バイアス期間中にPIN
ダイオードを流れる電流If1以外に電流If2(=If −
If1)がNPNバイポーラトランジスタを流れる。即
ち、P型領域13から低濃度N型領域12へ正孔が注入
されるとそれに応じて電子が低濃度N型領域12からP
型領域13へ注入される。注入された電子がP型領域1
3を流れ、高濃度N型領域15に達するとアノード電極
Aへと流れ出してアノード電流の一部となる。従って図
10に示す従来例は、高濃度N型領域15が形成されて
いない単純なPINダイオードと比べると同じ電荷Qrr
量でも大きな順方向電流If を流すことができる。単純
なPINダイオードの順方向電流を図10に示す従来例
と同じにすると、図11のXに示すように電荷Qrr量が
大きくなり、逆回復特性が悪化する。
0に示すようなものがある(Pro ceeding of 1992 Inte
rnational Symposium on Power Semiconductor Devices
& ICs,Tokyo,pp.60〜65)。このダイオードは、Emitte
r Short Type Diode(ESD)と称される構造をしてお
り、高濃度N型基板11上に低濃度N型領域12が形成
され、低濃度N型領域12上にP型領域13が形成され
ている。P型領域13の表面部にはP型コンタクト領域
14と高濃度N型領域15が交互に形成され、このP型
コンタクト領域14と高濃度N型領域15とは共にアノ
ード電極Aにオーミック接続されている。また高濃度N
型基板11はカソード電極Kにオーミック接続されてい
る。P型コンタクト領域14−P型領域13−低濃度N
型領域12−高濃度N型基板11でPINダイオードが
形成され、高濃度N型領域15−P型領域13−低濃度
N型領域12−高濃度N型基板11でNPNバイポーラ
トランジスタが形成されている。NPNバイポーラトラ
ンジスタのベースとなるP型領域13はP型コンタクト
領域14を介してエミッタとなる高濃度N型領域15に
接続されている。図11は上記ダイオードを順バイアス
から逆バイアスにスイッチしたときのダイオードを流れ
る電流を時間の関数として示している。まず順バイアス
されている間に順方向電流If がダイオードを流れ、逆
バイアスにスイッチするとダイオードの逆回復時間trr
の間だけ逆方向電流がダイオードを流れる。この逆回復
時間trr中に流れる逆方向電流の時間積分(=電荷
Qrr)は順バイアスしていた期間中に低濃度N型領域に
蓄積された少数キャリアの正孔であり、If が大きけれ
ばQrrも大きくなり、ダイオードの逆回復特性が悪くな
る。図10に示すESDでは順バイアス期間中にPIN
ダイオードを流れる電流If1以外に電流If2(=If −
If1)がNPNバイポーラトランジスタを流れる。即
ち、P型領域13から低濃度N型領域12へ正孔が注入
されるとそれに応じて電子が低濃度N型領域12からP
型領域13へ注入される。注入された電子がP型領域1
3を流れ、高濃度N型領域15に達するとアノード電極
Aへと流れ出してアノード電流の一部となる。従って図
10に示す従来例は、高濃度N型領域15が形成されて
いない単純なPINダイオードと比べると同じ電荷Qrr
量でも大きな順方向電流If を流すことができる。単純
なPINダイオードの順方向電流を図10に示す従来例
と同じにすると、図11のXに示すように電荷Qrr量が
大きくなり、逆回復特性が悪化する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ダイオードにあっては、NPNバイポーラトランジスタ
のコレクタ−エミッタが逆向きに使われており、電流増
幅率が低い。即ち、NPNバイポーラトランジスタのコ
レクタに当る低濃度N型領域12の電位がエミッタに当
る高濃度N型領域15の電位よりも低く、電子がコレク
タからベースに当るP型領域13へ注入されるようにな
っている。コレクタに当る低濃度N型領域12は不純物
濃度が低いので、低濃度N型領域12からP型領域13
へ電子が注入される注入効率が悪い。このため、P型領
域13から低濃度N型領域12へ多数の正孔が注入され
ても低濃度N型領域12からP型領域13へは少数の電
子しか注入されず、NPNバイポーラトランジスタの電
流増幅率が低い。その結果、NPNバイポーラトランジ
スタを流れる電流If2を十分大きくすることができない
という問題があった。
ダイオードにあっては、NPNバイポーラトランジスタ
のコレクタ−エミッタが逆向きに使われており、電流増
幅率が低い。即ち、NPNバイポーラトランジスタのコ
レクタに当る低濃度N型領域12の電位がエミッタに当
る高濃度N型領域15の電位よりも低く、電子がコレク
タからベースに当るP型領域13へ注入されるようにな
っている。コレクタに当る低濃度N型領域12は不純物
濃度が低いので、低濃度N型領域12からP型領域13
へ電子が注入される注入効率が悪い。このため、P型領
域13から低濃度N型領域12へ多数の正孔が注入され
ても低濃度N型領域12からP型領域13へは少数の電
子しか注入されず、NPNバイポーラトランジスタの電
流増幅率が低い。その結果、NPNバイポーラトランジ
スタを流れる電流If2を十分大きくすることができない
という問題があった。
【0004】本発明は、このような従来の問題に着目し
てなされたもので、順方向電流を大きくすることができ
るとともに良好な逆回復特性を得ることができるダイオ
ードを提供することを目的とする。
てなされたもので、順方向電流を大きくすることができ
るとともに良好な逆回復特性を得ることができるダイオ
ードを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、第1に、低濃度第1導電型領域と該低濃
度第1導電型領域上に形成した第2導電型領域との接合
でダイオード本体を形成し、前記第2導電型領域の表面
部に第1導電型アノード領域を形成し、該第1導電型ア
ノード領域の表面部の前記第2導電型領域に隣接しない
位置に高濃度第2導電型アノード領域を形成し、前記第
2導電型領域、第1導電型アノード領域及び高濃度第2
導電型アノード領域をアノード電極に接続してなること
を要旨とする。
に、本発明は、第1に、低濃度第1導電型領域と該低濃
度第1導電型領域上に形成した第2導電型領域との接合
でダイオード本体を形成し、前記第2導電型領域の表面
部に第1導電型アノード領域を形成し、該第1導電型ア
ノード領域の表面部の前記第2導電型領域に隣接しない
位置に高濃度第2導電型アノード領域を形成し、前記第
2導電型領域、第1導電型アノード領域及び高濃度第2
導電型アノード領域をアノード電極に接続してなること
を要旨とする。
【0006】第2に、前記第1導電型アノード領域の形
成部以外の前記第2導電型領域の表面部の少なくとも一
部の領域に、高濃度第2導電型領域を形成し、該高濃度
第2導電型領域を前記アノード電極に接続してなること
を要旨とする。
成部以外の前記第2導電型領域の表面部の少なくとも一
部の領域に、高濃度第2導電型領域を形成し、該高濃度
第2導電型領域を前記アノード電極に接続してなること
を要旨とする。
【0007】第3に、前記第1導電型アノード領域は複
数個形成し、前記高濃度第2導電型アノード領域は当該
複数個の第1導電型アノード領域の一部のみに形成して
なることを要旨とする。
数個形成し、前記高濃度第2導電型アノード領域は当該
複数個の第1導電型アノード領域の一部のみに形成して
なることを要旨とする。
【0008】
【作用】上記構成において、第1に、ダイオード内に
は、第2導電型領域と低濃度第1導電型領域との接合で
形成されるダイオード本体の他に、高濃度第2導電型ア
ノード領域をエミッタ、第1導電型アノード領域をベー
ス、第2導電型領域をコレクタとしたバイポーラトラン
ジスタが形成されている。このバイポーラトランジスタ
はエミッタの不純物濃度が高いため、ベースへのキャリ
アの注入効率が大きく、電流増幅率が大きい。このた
め、順バイアス時に、ダイオード本体を流れる順方向電
流に、このバイポーラトランジスタで増幅された電流が
加わり、順方向電流が大きくなる。また、順バイアス時
に、低濃度第1導電型領域に蓄積される電荷量はその順
バイアス電圧に依存するので、順方向電流値を同一とし
たとき、本発明のダイオードは、従来例よりも蓄積電荷
量が少なくなって逆回復時間が短かくなる。
は、第2導電型領域と低濃度第1導電型領域との接合で
形成されるダイオード本体の他に、高濃度第2導電型ア
ノード領域をエミッタ、第1導電型アノード領域をベー
ス、第2導電型領域をコレクタとしたバイポーラトラン
ジスタが形成されている。このバイポーラトランジスタ
はエミッタの不純物濃度が高いため、ベースへのキャリ
アの注入効率が大きく、電流増幅率が大きい。このた
め、順バイアス時に、ダイオード本体を流れる順方向電
流に、このバイポーラトランジスタで増幅された電流が
加わり、順方向電流が大きくなる。また、順バイアス時
に、低濃度第1導電型領域に蓄積される電荷量はその順
バイアス電圧に依存するので、順方向電流値を同一とし
たとき、本発明のダイオードは、従来例よりも蓄積電荷
量が少なくなって逆回復時間が短かくなる。
【0009】第2に、第1導電型アノード領域の形成部
以外の第2導電型領域の表面部の少なくとも一部の領域
に高濃度第2導電型領域を形成し、この高濃度第2導電
型領域をアノード電極に接続したので、順バイアス時
に、上記バイポーラトランジスタの高電流増幅率による
順方向電流の増大作用に加えて、第2導電型領域及び高
濃度第2導電型領域から低濃度第1導電型領域へ多数の
キャリアが注入されてダイオード本体側においても電流
が増大し、順方向電流が一層大きくなる。また、高濃度
第2導電型領域を形成することにより、キャリアに対す
る第2導電型領域の抵抗成分が小さくなり、ダイオード
が順バイアスから逆バイアスにスイッチされたとき、キ
ャリアが第2導電型領域からアノード電極へ速く流れ出
て、高濃度第2導電型アノード領域、第1導電型アノー
ド領域、第2導電型領域及び低濃度第1導電型領域で形
成されるサイリスタのターンオフが速くなり、その結
果、ダイオードの逆回復時間が一層短かくなる。
以外の第2導電型領域の表面部の少なくとも一部の領域
に高濃度第2導電型領域を形成し、この高濃度第2導電
型領域をアノード電極に接続したので、順バイアス時
に、上記バイポーラトランジスタの高電流増幅率による
順方向電流の増大作用に加えて、第2導電型領域及び高
濃度第2導電型領域から低濃度第1導電型領域へ多数の
キャリアが注入されてダイオード本体側においても電流
が増大し、順方向電流が一層大きくなる。また、高濃度
第2導電型領域を形成することにより、キャリアに対す
る第2導電型領域の抵抗成分が小さくなり、ダイオード
が順バイアスから逆バイアスにスイッチされたとき、キ
ャリアが第2導電型領域からアノード電極へ速く流れ出
て、高濃度第2導電型アノード領域、第1導電型アノー
ド領域、第2導電型領域及び低濃度第1導電型領域で形
成されるサイリスタのターンオフが速くなり、その結
果、ダイオードの逆回復時間が一層短かくなる。
【0010】第3に、高濃度第2導電型アノード領域
を、複数個の第1導電型アノード領域の一部の表面部に
のみ形成することにより、前記と同様にバイポーラトラ
ンジスタの高電流増幅率作用により順方向電流が大きく
なる。また、高濃度第2導電型アノード領域、第1導電
型アノード領域、第2導電型領域及び低濃度第1導電型
領域で形成されるサイリスタにおける高濃度第2導電型
アノード領域と第1導電型アノード領域に対し第1導電
型アノード領域が並列に接続された構造となって第1導
電型アノード領域におけるキャリアに対する抵抗成分が
小さくなる。この結果、ダイオードが順バイアスから逆
バイアスにスイッチされたとき上記サイリスタのターン
オフが速くなり、ダイオードの逆回復時間が第2の発明
と同様に一層短かくなる。
を、複数個の第1導電型アノード領域の一部の表面部に
のみ形成することにより、前記と同様にバイポーラトラ
ンジスタの高電流増幅率作用により順方向電流が大きく
なる。また、高濃度第2導電型アノード領域、第1導電
型アノード領域、第2導電型領域及び低濃度第1導電型
領域で形成されるサイリスタにおける高濃度第2導電型
アノード領域と第1導電型アノード領域に対し第1導電
型アノード領域が並列に接続された構造となって第1導
電型アノード領域におけるキャリアに対する抵抗成分が
小さくなる。この結果、ダイオードが順バイアスから逆
バイアスにスイッチされたとき上記サイリスタのターン
オフが速くなり、ダイオードの逆回復時間が第2の発明
と同様に一層短かくなる。
【0011】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図1乃至図6は、本発明の第1実施例を示す図で
ある。まず、図1を用いてダイオードの構成を説明す
る。高濃度N型基板1上に低濃度N型領域2が形成さ
れ、低濃度N型領域2上にP型領域3が形成されてい
る。P型領域3の表面部には複数のN型アノード領域4
が適宜間隔をおいて形成され、各N型アノード領域4の
表面部に高濃度P型アノード領域5がそれぞれ形成され
ている。P型領域3、N型アノード領域4及び高濃度P
型アノード領域5はアノード電極Aに共通にオーミック
接続されている。図2は、上記ダイオードの等価回路を
示している。P型領域3−低濃度N型領域2−高濃度N
型基板1でPINダイオード(ダイオード本体)7が形
成されている。また、N型アノード領域4−P型領域3
−低濃度N型領域2−高濃度N型基板1でNPNバイポ
ーラトランジスタ8が形成され、高濃度P型アノード領
域5−N型アノード領域4−P型領域3でPNPバイポ
ーラトランジスタ9が形成されている。PNPバイポー
ラトランジスタ9とNPNバイポーラトランジスタ8は
PNPNサイリスタを構成している。Rp はP型領域3
における正孔に対する抵抗成分、Rn はN型アノード領
域4における電子に対する抵抗成分である。
する。図1乃至図6は、本発明の第1実施例を示す図で
ある。まず、図1を用いてダイオードの構成を説明す
る。高濃度N型基板1上に低濃度N型領域2が形成さ
れ、低濃度N型領域2上にP型領域3が形成されてい
る。P型領域3の表面部には複数のN型アノード領域4
が適宜間隔をおいて形成され、各N型アノード領域4の
表面部に高濃度P型アノード領域5がそれぞれ形成され
ている。P型領域3、N型アノード領域4及び高濃度P
型アノード領域5はアノード電極Aに共通にオーミック
接続されている。図2は、上記ダイオードの等価回路を
示している。P型領域3−低濃度N型領域2−高濃度N
型基板1でPINダイオード(ダイオード本体)7が形
成されている。また、N型アノード領域4−P型領域3
−低濃度N型領域2−高濃度N型基板1でNPNバイポ
ーラトランジスタ8が形成され、高濃度P型アノード領
域5−N型アノード領域4−P型領域3でPNPバイポ
ーラトランジスタ9が形成されている。PNPバイポー
ラトランジスタ9とNPNバイポーラトランジスタ8は
PNPNサイリスタを構成している。Rp はP型領域3
における正孔に対する抵抗成分、Rn はN型アノード領
域4における電子に対する抵抗成分である。
【0012】次に、上述のように構成されたダイオード
の作用を説明する。カソード電極Kに対してアノード電
極Aに正の電圧を印加し、ダイオードを順バイアスした
ときを考える。まずP型領域3から正孔が低濃度N型領
域2へ注入され、順方向電流が流れる。正孔の注入によ
って電子が低濃度N型領域2からP型領域3へ注入され
る。注入された電子がP型領域3内を拡散し、N型アノ
ード領域4に到達する。順方向電流の小さい領域ではN
型アノード領域4に到達した電子がそのN型アノード領
域4を流れてアノード電極Aに達するとアノード電流と
して流れる。このとき電子が抵抗成分Rn を受ける。順
方向電流が大きくなると注入される電子が増え、抵抗成
分Rn による電圧降下が大きくなる。その結果、PNP
バイポーラトランジスタ9がターンオンし、電子が高濃
度P型アノード領域5へ注入される。この電子の注入に
よって高濃度P型アノード領域5からN型アノード領域
4へ正孔が注入される。即ち電流がPNPバイポーラト
ランジスタ9によって増幅される。PNPバイポーラト
ランジスタ9は、そのエミッタに当る高濃度P型アノー
ド領域5の不純物濃度が高いために、ベースに当るN型
アノード領域4への正孔の注入効率が大きく、従って電
流増幅率が大きくなる。その結果、大きな順方向電流I
f が流れる。
の作用を説明する。カソード電極Kに対してアノード電
極Aに正の電圧を印加し、ダイオードを順バイアスした
ときを考える。まずP型領域3から正孔が低濃度N型領
域2へ注入され、順方向電流が流れる。正孔の注入によ
って電子が低濃度N型領域2からP型領域3へ注入され
る。注入された電子がP型領域3内を拡散し、N型アノ
ード領域4に到達する。順方向電流の小さい領域ではN
型アノード領域4に到達した電子がそのN型アノード領
域4を流れてアノード電極Aに達するとアノード電流と
して流れる。このとき電子が抵抗成分Rn を受ける。順
方向電流が大きくなると注入される電子が増え、抵抗成
分Rn による電圧降下が大きくなる。その結果、PNP
バイポーラトランジスタ9がターンオンし、電子が高濃
度P型アノード領域5へ注入される。この電子の注入に
よって高濃度P型アノード領域5からN型アノード領域
4へ正孔が注入される。即ち電流がPNPバイポーラト
ランジスタ9によって増幅される。PNPバイポーラト
ランジスタ9は、そのエミッタに当る高濃度P型アノー
ド領域5の不純物濃度が高いために、ベースに当るN型
アノード領域4への正孔の注入効率が大きく、従って電
流増幅率が大きくなる。その結果、大きな順方向電流I
f が流れる。
【0013】図3に、本実施例のダイオード(図中、a
特性線)、図10に示したESD(b特性線)及び単純
なPINダイオード(c特性線)の順方向電流−電圧特
性を示す。順バイアス電圧Vf を一定にするとESDは
PINダイオードよりもNPNバイポーラトランジスタ
を流れる電流If2だけ多く電流が流れる。本実施例のダ
イオードは、そのESDよりもさらにPNPNサイリス
タを流れる電流If3だけ順方向電流If が大きくなる。
順バイアス電圧Vf によって低濃度N型領域2に蓄積さ
れる電荷Qrr量が決まるので、同一の順方向電流If の
値に対して本実施例のダイオードの方がESDよりもさ
らに蓄積電荷Qrr量が小さく逆回復特性が良くなる。ま
た、このときPNPバイポーラトランジスタ9の電流増
幅率が大きいためにIf3が大きい。
特性線)、図10に示したESD(b特性線)及び単純
なPINダイオード(c特性線)の順方向電流−電圧特
性を示す。順バイアス電圧Vf を一定にするとESDは
PINダイオードよりもNPNバイポーラトランジスタ
を流れる電流If2だけ多く電流が流れる。本実施例のダ
イオードは、そのESDよりもさらにPNPNサイリス
タを流れる電流If3だけ順方向電流If が大きくなる。
順バイアス電圧Vf によって低濃度N型領域2に蓄積さ
れる電荷Qrr量が決まるので、同一の順方向電流If の
値に対して本実施例のダイオードの方がESDよりもさ
らに蓄積電荷Qrr量が小さく逆回復特性が良くなる。ま
た、このときPNPバイポーラトランジスタ9の電流増
幅率が大きいためにIf3が大きい。
【0014】図4には、本実施例のダイオードの製造工
程の一例を示す。まず、高濃度N型基板1上にエピタキ
シャル成長法を用いて低濃度N型領域2を形成し、その
低濃度N型領域2の表面側に熱拡散法等を用いてP型領
域3を形成する(a)。熱酸化法等を用いてSiO2 膜
10を形成し、リソグラフィー法を用いてSiO2 膜1
0の所定部に窓10aを開ける(b)。窓10aを介し
てイオン注入法等によりP型領域3の表面部にリン又は
ヒ素を導入し、熱拡散法を用いてN型アノード領域4を
形成する(c)。再び窓10aを介してイオン注入法等
を用いてボロンを導入し、高濃度P型アノード領域5を
形成し、SiO2 膜10を除去する(d)。最後にアノ
ード電極及びカソード電極を形成する。
程の一例を示す。まず、高濃度N型基板1上にエピタキ
シャル成長法を用いて低濃度N型領域2を形成し、その
低濃度N型領域2の表面側に熱拡散法等を用いてP型領
域3を形成する(a)。熱酸化法等を用いてSiO2 膜
10を形成し、リソグラフィー法を用いてSiO2 膜1
0の所定部に窓10aを開ける(b)。窓10aを介し
てイオン注入法等によりP型領域3の表面部にリン又は
ヒ素を導入し、熱拡散法を用いてN型アノード領域4を
形成する(c)。再び窓10aを介してイオン注入法等
を用いてボロンを導入し、高濃度P型アノード領域5を
形成し、SiO2 膜10を除去する(d)。最後にアノ
ード電極及びカソード電極を形成する。
【0015】図5、図6には、図1に示した本実施例の
平面パターンの例を2種類示す。図5(b)は同図
(a)のA−A線断面図、図6(b)は同図(a)のB
−B線断面図である。図5はストライプパターンの例で
ある。ストライプパターンは設計容易性が得られるが密
度を上げにくい。図6は丸セル、6角配置パターンの例
である。丸セルパターンはセル密度を上げることができ
るという利点がある。
平面パターンの例を2種類示す。図5(b)は同図
(a)のA−A線断面図、図6(b)は同図(a)のB
−B線断面図である。図5はストライプパターンの例で
ある。ストライプパターンは設計容易性が得られるが密
度を上げにくい。図6は丸セル、6角配置パターンの例
である。丸セルパターンはセル密度を上げることができ
るという利点がある。
【0016】図7には、本実施例のダイオードの使用回
路例を示す。この回路はHブリッジ又は3相インバータ
の一部で、トランジスタT1,T2を用いて誘導負荷L
を流れる電流を制御するものである。各トランジスタT
1,T2のエミッタ・コレクタ間に本実施例のダイオー
ドD1,D2がそれぞれ並列接続されている。いま、例
えばトランジスタT1がオンしているとき、電流が図に
示すの方向に流れる。次にトランジスタT1がターン
オフすると誘導負荷Lの逆起電力によって図中の点の
電位が負に転じる。この負電位によってトランジスタT
2が破壊されないようにダイオードD2が用いられてい
る。即ちの電位が負に転じるとダイオードD2が順バ
イアスされて電流がの方向に流れる。その結果、点
の電位が−Vf にクランプされてトランジスタT2が保
護される。次にトランジスタT1が再びターンオンする
とダイオードD2の逆回復期間中だけ電流がの方向に
流れ、電源がトランジスタT1、ダイオードD2によっ
て短絡される。この期間中に流れる電流が大きいために
ダイオードD2の逆回復特性が悪いとトランジスタT1
が破壊される。しかるに本実施例のダイオードD2は前
述したように逆回復特性が良いので、電源短絡の期間を
短かくでき、トランジスタT1の破壊が防止される。
路例を示す。この回路はHブリッジ又は3相インバータ
の一部で、トランジスタT1,T2を用いて誘導負荷L
を流れる電流を制御するものである。各トランジスタT
1,T2のエミッタ・コレクタ間に本実施例のダイオー
ドD1,D2がそれぞれ並列接続されている。いま、例
えばトランジスタT1がオンしているとき、電流が図に
示すの方向に流れる。次にトランジスタT1がターン
オフすると誘導負荷Lの逆起電力によって図中の点の
電位が負に転じる。この負電位によってトランジスタT
2が破壊されないようにダイオードD2が用いられてい
る。即ちの電位が負に転じるとダイオードD2が順バ
イアスされて電流がの方向に流れる。その結果、点
の電位が−Vf にクランプされてトランジスタT2が保
護される。次にトランジスタT1が再びターンオンする
とダイオードD2の逆回復期間中だけ電流がの方向に
流れ、電源がトランジスタT1、ダイオードD2によっ
て短絡される。この期間中に流れる電流が大きいために
ダイオードD2の逆回復特性が悪いとトランジスタT1
が破壊される。しかるに本実施例のダイオードD2は前
述したように逆回復特性が良いので、電源短絡の期間を
短かくでき、トランジスタT1の破壊が防止される。
【0017】図8には、本発明の第2実施例を示す。本
実施例ではN型アノード領域4の形成部以外のP型領域
3の表面部に高濃度P型領域6が形成され、この高濃度
P型領域6もアノード電極Aにオーミック接続されてい
る。順バイアス電圧Vf が大きくなると、この高濃度P
型領域6及びP型領域3から多数の正孔が低濃度N型領
域2へ注入されるために、前記第1実施例よりも順方向
電流がさらに大きくなる。また高濃度P型領域6の不純
物濃度を変えることで前記図2に示した正孔に対する抵
抗成分Rp の値を設定することが可能となる。抵抗成分
Rp を低く設定するとダイオードに逆バイアスを印加し
てサイリスタがターンオフしようとするときに正孔がP
型領域3からアノード電極Aへ速く流れ出て、サイリス
タのターンオフを速くできる。その結果、ダイオードの
ターンオフ時間trrを短かくできる。また高濃度P型領
域6がない場合には、サイリスタが前記図1中のYで示
すエッジ部からターンオンし、電流が集中しやすいので
dI/dt耐量が小さくなることがある。しかし高濃度
P型領域6を設けることにより、エッジ部Yがターンオ
ンしにくくなり、dI/dt耐量が大きくなる。さらに
逆バイアス電圧が変化すると変位電流が抵抗成分Rp を
流れ、その結果、サイリスタが誤ターンオンすることが
考えられる。即ち、ダイオードのdV/dt耐量がサイ
リスタ構造を集積することにより小さくなる可能性があ
る。しかし抵抗成分Rp の値を小さくすることによって
dV/dt耐量を大きくできる。
実施例ではN型アノード領域4の形成部以外のP型領域
3の表面部に高濃度P型領域6が形成され、この高濃度
P型領域6もアノード電極Aにオーミック接続されてい
る。順バイアス電圧Vf が大きくなると、この高濃度P
型領域6及びP型領域3から多数の正孔が低濃度N型領
域2へ注入されるために、前記第1実施例よりも順方向
電流がさらに大きくなる。また高濃度P型領域6の不純
物濃度を変えることで前記図2に示した正孔に対する抵
抗成分Rp の値を設定することが可能となる。抵抗成分
Rp を低く設定するとダイオードに逆バイアスを印加し
てサイリスタがターンオフしようとするときに正孔がP
型領域3からアノード電極Aへ速く流れ出て、サイリス
タのターンオフを速くできる。その結果、ダイオードの
ターンオフ時間trrを短かくできる。また高濃度P型領
域6がない場合には、サイリスタが前記図1中のYで示
すエッジ部からターンオンし、電流が集中しやすいので
dI/dt耐量が小さくなることがある。しかし高濃度
P型領域6を設けることにより、エッジ部Yがターンオ
ンしにくくなり、dI/dt耐量が大きくなる。さらに
逆バイアス電圧が変化すると変位電流が抵抗成分Rp を
流れ、その結果、サイリスタが誤ターンオンすることが
考えられる。即ち、ダイオードのdV/dt耐量がサイ
リスタ構造を集積することにより小さくなる可能性があ
る。しかし抵抗成分Rp の値を小さくすることによって
dV/dt耐量を大きくできる。
【0018】図9には、本発明の第3実施例を示す。本
実施例は、複数個形成されたN型アノード領域4の一部
の表面部のみに高濃度P型アノード領域5を形成し、他
の残りのN型アノード領域4の表面部には高濃度P型ア
ノード領域5を形成しないようにしたものである。この
ような構成により、本実施例は、図1のダイオードに、
図10に示したESDを集積化したような構造となる。
このようにすると、本実施例のダイオードにおけるサイ
リスタを流れる電流の割合を任意に設定することが可能
となる。即ち、サイリスタとESDを集積することで前
記図2に示した電子に対する抵抗成分Rn が小さくな
る。その結果、サイリスタのターンオフ時間が短かくな
るとともに誤ターンオンしにくくなる。即ち、ダイオー
ドのターンオフ時間trrを短かくすることができ、また
dV/dt耐量を大きくすることができる。
実施例は、複数個形成されたN型アノード領域4の一部
の表面部のみに高濃度P型アノード領域5を形成し、他
の残りのN型アノード領域4の表面部には高濃度P型ア
ノード領域5を形成しないようにしたものである。この
ような構成により、本実施例は、図1のダイオードに、
図10に示したESDを集積化したような構造となる。
このようにすると、本実施例のダイオードにおけるサイ
リスタを流れる電流の割合を任意に設定することが可能
となる。即ち、サイリスタとESDを集積することで前
記図2に示した電子に対する抵抗成分Rn が小さくな
る。その結果、サイリスタのターンオフ時間が短かくな
るとともに誤ターンオンしにくくなる。即ち、ダイオー
ドのターンオフ時間trrを短かくすることができ、また
dV/dt耐量を大きくすることができる。
【0019】
【発明の効果】以上説明したように、各請求項記載の発
明によれば、それぞれ次のような効果を奏する。
明によれば、それぞれ次のような効果を奏する。
【0020】請求項1記載の発明によれば、低濃度第1
導電型領域と該低濃度第1導電型領域上に形成した第2
導電型領域との接合でダイオード本体を形成し、前記第
2導電型領域の表面部に第1導電型アノード領域を形成
し、該第1導電型アノード領域の表面部の前記第2導電
型領域に隣接しない位置に高濃度第2導電型アノード領
域を形成し、前記第2導電型領域、第1導電型アノード
領域及び高濃度第2導電型アノード領域をアノード電極
に接続したため、ダイオード内には、ダイオード本体の
他に、高濃度第2導電型アノード領域をエミッタ、第1
導電型アノード領域をベース、第2導電型領域をコレク
タとしたバイポーラトランジスタが形成され、このバイ
ポーラトランジスタはエミッタの不純物濃度が高いた
め、ベースへのキャリアの注入効率が大きく、電流増幅
率が大きくなり、順バイアス時に、ダイオード本体側の
順方向電流にこのバイポーラトランジスタで増幅された
電流が加わって順方向電流を大きくすることができる。
また順バイアス時に低濃度第1導電型領域に蓄積される
電荷量はその順バイアス電圧に依存するので、順方向電
流値を同一としたとき、本発明のダイオードは、従来例
よりも蓄積電荷量が少なくなって逆回復時間を短かくす
ることができる。
導電型領域と該低濃度第1導電型領域上に形成した第2
導電型領域との接合でダイオード本体を形成し、前記第
2導電型領域の表面部に第1導電型アノード領域を形成
し、該第1導電型アノード領域の表面部の前記第2導電
型領域に隣接しない位置に高濃度第2導電型アノード領
域を形成し、前記第2導電型領域、第1導電型アノード
領域及び高濃度第2導電型アノード領域をアノード電極
に接続したため、ダイオード内には、ダイオード本体の
他に、高濃度第2導電型アノード領域をエミッタ、第1
導電型アノード領域をベース、第2導電型領域をコレク
タとしたバイポーラトランジスタが形成され、このバイ
ポーラトランジスタはエミッタの不純物濃度が高いた
め、ベースへのキャリアの注入効率が大きく、電流増幅
率が大きくなり、順バイアス時に、ダイオード本体側の
順方向電流にこのバイポーラトランジスタで増幅された
電流が加わって順方向電流を大きくすることができる。
また順バイアス時に低濃度第1導電型領域に蓄積される
電荷量はその順バイアス電圧に依存するので、順方向電
流値を同一としたとき、本発明のダイオードは、従来例
よりも蓄積電荷量が少なくなって逆回復時間を短かくす
ることができる。
【0021】請求項2記載の発明によれば、前記第1導
電型アノード領域の形成部以外の前記第2導電型領域の
表面部の少なくとも一部の領域に、高濃度第2導電型領
域を形成し、該高濃度第2導電型領域を前記アノード電
極に接続したため、順バイアス時に、前記バイポーラト
ランジスタの高電流増幅率による順方向電流の増大作用
に加えて、第2導電型領域及び高濃度第2導電型領域か
ら低濃度第1導電型領域へ多数のキャリアが注入されて
ダイオード本体側においても電流が増大し、順方向電流
を一層大きくすることができる。また、高濃度第2導電
型領域を形成することにより、キャリアに対する第2導
電型領域の抵抗成分が小さくなり、ダイオードが順バイ
アスから逆バイアスにスイッチされたとき、キャリアが
第2導電型領域からアノード電極へ速く流れ出て、高濃
度第2導電型アノード領域、第1導電型アノード領域、
第2導電型領域及び低濃度第1導電型領域で形成される
サイリスタのターンオフが速くなり、ダイオードの逆回
復時間を一層短かくすることができる。
電型アノード領域の形成部以外の前記第2導電型領域の
表面部の少なくとも一部の領域に、高濃度第2導電型領
域を形成し、該高濃度第2導電型領域を前記アノード電
極に接続したため、順バイアス時に、前記バイポーラト
ランジスタの高電流増幅率による順方向電流の増大作用
に加えて、第2導電型領域及び高濃度第2導電型領域か
ら低濃度第1導電型領域へ多数のキャリアが注入されて
ダイオード本体側においても電流が増大し、順方向電流
を一層大きくすることができる。また、高濃度第2導電
型領域を形成することにより、キャリアに対する第2導
電型領域の抵抗成分が小さくなり、ダイオードが順バイ
アスから逆バイアスにスイッチされたとき、キャリアが
第2導電型領域からアノード電極へ速く流れ出て、高濃
度第2導電型アノード領域、第1導電型アノード領域、
第2導電型領域及び低濃度第1導電型領域で形成される
サイリスタのターンオフが速くなり、ダイオードの逆回
復時間を一層短かくすることができる。
【0022】請求項3記載の発明によれば、前記第1導
電型アノード領域は複数個形成し、前記高濃度第2導電
型アノード領域は当該複数個の第1導電型アノード領域
の一部のみに形成したため、前記と同様にバイポーラト
ランジスタの高電流増幅率作用により順方向電流を大き
くすることができる。また、高濃度第2導電型アノード
領域、第1導電型アノード領域、第2導電型領域及び低
濃度第1導電型領域で形成されるサイリスタにおける高
濃度第2導電型アノード領域と第1導電型アノード領域
に対し第1導電型アノード領域が並列接続された構造と
なって第1導電型アノード領域におけるキャリアに対す
る抵抗成分が小さくなり、ダイオードが順バイアスから
逆バイアスにスイッチされたとき上記サイリスタのター
ンオフが速くなってダイオードの逆回復時間を請求項2
記載の発明と同様に一層短かくすることができる。
電型アノード領域は複数個形成し、前記高濃度第2導電
型アノード領域は当該複数個の第1導電型アノード領域
の一部のみに形成したため、前記と同様にバイポーラト
ランジスタの高電流増幅率作用により順方向電流を大き
くすることができる。また、高濃度第2導電型アノード
領域、第1導電型アノード領域、第2導電型領域及び低
濃度第1導電型領域で形成されるサイリスタにおける高
濃度第2導電型アノード領域と第1導電型アノード領域
に対し第1導電型アノード領域が並列接続された構造と
なって第1導電型アノード領域におけるキャリアに対す
る抵抗成分が小さくなり、ダイオードが順バイアスから
逆バイアスにスイッチされたとき上記サイリスタのター
ンオフが速くなってダイオードの逆回復時間を請求項2
記載の発明と同様に一層短かくすることができる。
【図1】本発明に係るダイオードの第1実施例を示す縦
断面図である。
断面図である。
【図2】上記第1実施例の等価回路を示す回路図であ
る。
る。
【図3】上記第1実施例の順方向電圧−順方向電流特性
を比較例とともに示す特性図である。
を比較例とともに示す特性図である。
【図4】上記第1実施例の製造方法の一例を示す工程図
である。
である。
【図5】上記第1実施例の平面パターンの一例を示す図
である。
である。
【図6】上記第1実施例の平面パターンの他の例を示す
図である。
図である。
【図7】上記第1実施例の使用例を示す回路図である。
【図8】本発明の第2実施例を示す縦断面図である。
【図9】本発明の第3実施例を示す縦断面図である。
【図10】従来のダイオードを示す縦断面図である。
【図11】上記従来例のスイッチング特性を示す特性図
である。
である。
1 高濃度N型基板 2 低濃度N型領域 3 P型領域 4 N型アノード領域 5 高濃度P型アノード領域 6 高濃度P型領域 A アノード電極 K カソード電極
Claims (3)
- 【請求項1】 低濃度第1導電型領域と該低濃度第1導
電型領域上に形成した第2導電型領域との接合でダイオ
ード本体を形成し、 前記第2導電型領域の表面部に第1導電型アノード領域
を形成し、 該第1導電型アノード領域の表面部の前記第2導電型領
域に隣接しない位置に高濃度第2導電型アノード領域を
形成し、 前記第2導電型領域、第1導電型アノード領域及び高濃
度第2導電型アノード領域をアノード電極に接続してな
ることを特徴とするダイオード。 - 【請求項2】 前記第1導電型アノード領域の形成部以
外の前記第2導電型領域の表面部の少なくとも一部の領
域に、高濃度第2導電型領域を形成し、該高濃度第2導
電型領域を前記アノード電極に接続してなることを特徴
とする請求項1記載のダイオード。 - 【請求項3】 前記第1導電型アノード領域は複数個形
成し、前記高濃度第2導電型アノード領域は当該複数個
の第1導電型アノード領域の一部のみに形成してなるこ
とを特徴とする請求項1記載のダイオード。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10515094A JP3240827B2 (ja) | 1994-05-19 | 1994-05-19 | ダイオード |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10515094A JP3240827B2 (ja) | 1994-05-19 | 1994-05-19 | ダイオード |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07312427A JPH07312427A (ja) | 1995-11-28 |
JP3240827B2 true JP3240827B2 (ja) | 2001-12-25 |
Family
ID=14399701
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10515094A Expired - Fee Related JP3240827B2 (ja) | 1994-05-19 | 1994-05-19 | ダイオード |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3240827B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006518107A (ja) * | 2003-02-18 | 2006-08-03 | コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ | 半導体装置及びそのような装置の製造方法 |
JP7471192B2 (ja) | 2020-10-01 | 2024-04-19 | 三菱電機株式会社 | 半導体装置 |
-
1994
- 1994-05-19 JP JP10515094A patent/JP3240827B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07312427A (ja) | 1995-11-28 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US6054748A (en) | High voltage semiconductor power device | |
US9064923B2 (en) | Bipolar semiconductor component with a fully depletable channel zone | |
CN102593168B (zh) | 半导体器件和逆导igbt | |
JP5206541B2 (ja) | 半導体装置およびその製造方法 | |
US5369291A (en) | Voltage controlled thyristor | |
JPH0693512B2 (ja) | 縦形mosfet | |
JPS62115765A (ja) | 半導体装置 | |
JPH0534834B2 (ja) | ||
EP0043007B1 (en) | Saturation-limited bipolar transistor circuit structure and method of making | |
JP2970774B2 (ja) | 半導体デバイス | |
JPS6016753B2 (ja) | 半導体スイツチング素子およびその制御方法 | |
JPH08502858A (ja) | 電界効果により制御される半導体素子 | |
JP3240827B2 (ja) | ダイオード | |
CN115775829A (zh) | 半导体装置及半导体装置的制造方法 | |
US5872391A (en) | Bipolar junction transistors having an increased safe operating area | |
JPS63186475A (ja) | 電導度変調形mosfet | |
US4446611A (en) | Method of making a saturation-limited bipolar transistor device | |
JP3216315B2 (ja) | 絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ | |
KR100266388B1 (ko) | 반도체 장치 및 그 제조 방법 | |
JP2660001B2 (ja) | 導電変調型mosfet | |
JP2969778B2 (ja) | 高電子移動度複合トランジスタ | |
JPS6132828B2 (ja) | ||
JP2001144097A (ja) | 半導体装置 | |
JPS6025905B2 (ja) | 半導体装置 | |
JP3551153B2 (ja) | 半導体装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071019 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081019 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091019 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091019 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101019 Year of fee payment: 9 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |