JP3238247U - 上下架装置 - Google Patents
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Abstract
Description
新規性喪失の例外適用申請有り
本考案の実施形態は、上下架装置に関する。
例えば高所に設置されている機械設備等に経年劣化による故障等が生じて交換が必要となった場合、周囲に十分な空間が確保できる場合であれば、クレーンやレッカー等を使って対象物を吊り下げて交換作業を行うことが考えられる。しかし、対象物が建築物に設置されており、特に対象物の周囲に建築物や配管等の既存の構造物が存在する場合や、天井から設置場所までの距離が短い場合等においては、クレーンやレッカー等を動かすための作業空間の確保が難しい。
このような事情から、従来、クレーンやレッカー等を動かすための作業空間の確保が難しい場合には、周囲の構造物を撤去して作業空間を確保する必要があった。しかしながら、このような交換作業のためにまだ使用可能な既存の構造物を取り壊し除去することは、経済的な面からの環境負荷の面からも好ましくない。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、狭い空間であっても対象物の上げ下げが可能な上下架装置を提供することにある。
実施形態による上下架装置は、対象物を上架及び下架するための装置であって、複数の分割支柱を積み上げて構成され、頂部に前記対象物を固定可能な支柱と、前記支柱を載置可能な台座機構と、前記台座機構に設けられ、前記台座機構に載置された前記支柱のうち最下部の前記分割支柱を支持して前記最下部の分割支柱と前記台座機構との間に少なくとも1つの前記分割支柱が入る高さ範囲で前記支柱全体を昇降可能な昇降機構と、を備える。
以下、一実施形態について図面を参照しながら説明する。図1に示す上下架装置1は、重量物等の対象物を上架及び下架するための装置である。なお、本明細書において、上架とは、対象物を所定の高さ位置まで持ち上げることを意味する。また、下架とは、所定の高さ位置から地表や床面付近まで降ろすことを意味する。本実施形態の上下架装置1は、図1に示すように、例えば重量が数t~数十t程度の重量物である対象物90を、高さ10m~20m程度の範囲内で上げ下ろし可能に構成されている。
上下架装置1は、支柱10、台座機構20、昇降機構30、及び移動機構40を備える。支柱10は、台座機構20、昇降機構30、及び移動機構40とは分離可能に構成されている。支柱10は、例えば最大で高さが10m~20m程度となる柱状の部材であり、頂部に対象物90を着脱可能に構成されている。対象物90は、上下架装置1による上げ下ろしの対象となる物であり、本実施形態の場合、例えば重量が数t~数十t程度の重量物を想定している。
支柱10は、いわゆるベントと称される複数の分割支柱11を積み上げて構成される。1つの分割支柱11は、例えば高さ数mであり、重量は数t程度のものを想定している。分割支柱11は、例えば鋼製の棒状の部材を立方体状に組み立てたもので構成することができる。本実施形態の支柱10は、例えば12個の分割支柱11を積み上げて構成されている。各分割支柱11は、例えばボルト及びナット等の締結部材によって相互に着脱可能に固定される。
なお、以下の説明において、支柱10のうち頂部を構成する分割支柱11を、頂部の分割支柱11Tと称し、支柱10における最下部を構成する分割支柱11を、最下部の分割支柱11Bと称することがある。支柱10が1つの分割支柱11で構成されている場合、頂部の分割支柱11Tと最下部の分割支柱11Bとは同一となる。
支柱10は、回転台12を有している。回転台12は、いわゆる回転テーブル又はロータリーテーブルと称されるものであり、支柱10の頂部つまり上端部に設けられている。回転台12は、例えば電気モータを含んで構成されており、回転台12の外部からの制御信号を受けて回転駆動する。回転台12は、対象物90を載置した状態で所定の角度、例えば360°回転することができる。
台座機構20は、支柱10を載置可能に構成されている。台座機構20は、台座本体21と載置部22とを有している。台座本体21は、台座機構20の大部分を占める構成であり、例えば鋼製の部材を組み立てたもので構成することができる。載置部22は、台座本体21に設けられており、支柱10を支持可能に構成されている。
台座機構20は、外部からの力を受けずに自ら走行可能に構成されている。すなわち、上下架装置1は、自走可能に構成されている。台座機構20は、自走のための構成として、例えば車輪23及び走行駆動部24を有している。車輪23は、台座本体21に対して回転可能に設けられており、例えばゴム製のタイヤで構成することができる。走行駆動部24は、車輪23に回転力つまり駆動力を与えて車輪23を回転させる機能を有する。走行駆動部24は、例えば電気モータで構成することができる。なお、車輪23は、金属製でレール上を走行する構成でも良い。
また、台座機構20は、アウトリガー25を更に有して構成することができる。アウトリガー25は、台座本体21の側方に張り出して接地させることで、上下架装置1による作業時に台座機構20を安定させるための構成である。アウトリガー25は、電気モータや油圧ジャッキ、若しくはメカニカルジャッキ等を含んで構成されており、アウトリガー25の外部からの制御信号を受けて上下動作が行われる。そして、上下架装置1による作業時には、アウトリガー25が下降されて接地することで、台座本体21の水平が維持されて転倒が防止される。
昇降機構30は、台座機構20に設けられている。昇降機構30は、支柱10を支持して昇降させる機能を有する。この場合、昇降機構30は、台座機構20に載置された支柱10のうち最下部の分割支柱11Bを支持する。そして、昇降機構30は、最下部の分割支柱11Bと台座機構20との間に少なくとも1つの分割支柱11が入る高さの範囲で支柱10全体を昇降可能に構成されている。
昇降機構30は、図3から図10にも示すように、載置部22の両側に、それぞれ取付部31、フォーク部32、昇降ガイド部33、チェーン34、及び昇降駆動部35を有して構成することができる。本実施形態の場合、載置部22を挟んだ両側の昇降機構30を、左右の昇降機構301、302と称することがある。左右の昇降機構301、302は相互に対向している。
取付部31は、フォーク部32、昇降ガイド部33、チェーン34、及び昇降駆動部35を取り付けるための構成である。フォーク部32は、取付部31に対して上下移動可能に設けられている。フォーク部32は、鋼材等で構成されて剛性を有する例えば板状又は棒状の部材であり、対向する他方の昇降機構301、302へ向かって水平方向に延びている。フォーク部32は、支柱10を昇降させる際に分割支柱11に挿入されて分割支柱11を支持する機能を有する。
昇降ガイド部33は、取付部31に設けられて上下方向に延びており、フォーク部32の上下方向の移動を案内する機能を有する。チェーン34は、剛性を有する例えば金属製のチェーンであり、一方の端部がフォーク部32に接続されており、他方の端部が取付部31に接続されている。昇降駆動部35は、フォーク部32を上下方向に移動させる機能を有する。昇降駆動部35は、上下方向に長い棒状で上下方向に伸縮可能な例えば電動又は油圧ジャッキで構成することができる。昇降駆動部35の上端部にはプーリ351が回転可能に設けられているとともに、チェーン34を支持している。
例えば図5及び図6に示すように、昇降駆動部35が伸びて昇降駆動部35の上端部のプーリ351が上昇すると、プーリ351の上昇がチェーン34を介してフォーク部32に伝達されて、フォーク部32が上昇する。また、例えば図8及び図9に示すように、昇降駆動部35が縮んでプーリ351が下降すると、フォーク部32は、チェーン34に支持された状態で自重によって下降する。
移動機構40は、載置部22の両側に設けられた昇降機構301、302を、水平方向であって載置部22に対して接近する方向及び離れる方向へ移動させる機能を有する。すなわち、移動機構40は、昇降機構301、302を、各フォーク部32が分割支柱11に差し込まれる方向、及び各フォーク部32が分割支柱11から抜き出される方向に移動させる機能を有する。
移動機構40は、例えばガイドレール41、スライダ42、及び移動駆動部43を有して構成することができる。ガイドレール41は、スライダ42の移動を案内する機能を有し、台座機構20の台座本体21に固定されている。スライダ42は、例えばガイドレール41に沿って摺動可能に構成されており、取付部31に固定されている。移動駆動部43は、例えば電気モータや油圧シリンダ等で構成されており、ガイドレール41に沿って昇降機構30を移動させる。
次に、図2を参照して上下架装置1の電気的構成について説明する。上下架装置1は、制御装置50及び操作端末60を更に備えている。制御装置50は、CPU501や、ROM、RAM、不揮発性メモリなどの記憶領域502を有するマイクロコンピュータを主体として構成されている。また、制御装置50は、マイクロコンピュータを主体とした構成に限られず、例えばリレーを主体とした電気回路で構成することもできる。制御装置50は、上下架装置1の動作を制御するものであり、例えば台座機構20に設けられている。回転台12、走行駆動部24、アウトリガー25、昇降駆動部35、及び移動駆動部43は、制御装置50に電気的に接続されており、制御装置50からの制御に基づいて動作する。
操作端末60は、作業者が制御装置50に対して上下架装置1の動作内容を入力するための構成である。操作端末60は、無線又は有線によって制御装置50と通信可能に接続されている。制御装置50は、操作端末60に対して作業者が入力した操作内容に基づいて、回転台12、走行駆動部24、アウトリガー25、昇降駆動部35、及び移動駆動部43を動作させる。制御装置50がリレーを主体としたものである場合、操作端末60は、例えばペンダントスイッチで構成することができる。
次に、図3から図10を参照して、上下架装置1による対象物90の上架の動作及び下架の動作について説明する。まず、作業者は、操作端末60を操作して走行駆動部24を動作させ、上下架装置1を作業場所まで走行させる。その後、作業者は、操作端末60を操作してアウトリガー25を動作させて、図4に示すようにアウトリガー25を接地させる。
次に、作業者は、図4に示すように、回転台12を有する分割支柱11を台座機構20の載置部22に載置する。回転台12を有する分割支柱11は、支柱10の頂部を構成するため分割支柱11Tと称することができる。また、分割支柱11Tの下方に他の分割支柱11が接続されていない場合、頂部の分割支柱11Tは、最下部の分割支柱11Bと称することもできる。
次に、作業者は、操作端末60を操作して移動駆動部43を動作させ、図5に示すように両側の昇降機構301、302が相互に近づく方向へ移動させる。これにより、フォーク部32は、最下部の分割支柱11Bでありかつ頂部の分割支柱11Tとなる分割支柱11に差し込まれる。
次に、作業者は、図6に示すように、操作端末60を操作して昇降駆動部35を動作させ、昇降駆動部35を伸ばす、つまりプーリ351を上昇させる。これにより、フォーク部32が最下部の分割支柱11Tを持ち上げることで、支柱10全体を垂直方向の上側に持ち上げる。このとき、昇降機構30が支柱10を持ち上げる距離Hは、支柱10の最下部の分割支柱11Bと載置部22との間に少なくとも1つの分割支柱11が入る距離である。
次に、作業者は、図7に示すように、最下部の分割支柱11Bの下方に新たな分割支柱11を配置し、上下方向に隣接する分割支柱11をボルト等によって相互に結合する。次に、作業者は、操作端末60を操作して移動駆動部43を動作させ、図8に示すように両側の昇降機構301、302を、相互に離れる方向へ移動させる。これにより、フォーク部32は、最下部の分割支柱11Bから抜き出される。
次に、作業者は、操作端末60を操作して昇降駆動部35を動作させ、図9に示すように昇降駆動部35を縮める、つまりフォーク部32を下降させる。その後、作業者は、操作端末60を操作して移動駆動部43を動作させ、図10に示すように両側の昇降機構301、302が相互に近づく方向へ移動させる。これにより、フォーク部32は、新に追加された最下部の分割支柱11Bに差し込まれる。そして、作業者は、新たに追加された最下部の分割支柱11Bに対し、図6から図10の作業を再度行う。
このように、作業者は、現在の支柱10の下方に分割支柱11を追加していくことで、支柱10の全長を伸ばす、つまり支柱10の頂部に固定された対象物90を垂直方向の上側へ持ち上げることができる。そして、作業者は、対象物90が所望の高さ位置に到達するまで上記の手順を繰り返す。なお、対象物90を下架する際、作業者は、上記した手順とは逆の手順を行うことで、対象物90を所定の高さ位置から地表付近つまり台座機構20付近まで降ろすことができる。
作業者は、本実施形態の上下架装置1を用いることで、例えば図11の破線矢印で示すような経路で対象物90を上架又は下架することができる。図11の例においてハッチングを付して示す領域は、建屋等の既存の構造物を示している。作業者は、本実施形態の上下架装置1を用いることで、例えば開始地点Psから通過地点Pxを通過して目標地点Peまで対象物90を移動させることができる。
この場合、通過地点Pxは、開始地点Psを通る鉛直線と目標地点Peを通る水平線との交点である。作業者は、上下架装置1を用いることで、対象物90を、開始地点Psと通過地点Pxとの間では垂直方向に直線的に移動させることができ、通過地点Pxと目標地点Peとの間では水平方向へ直線的に移動させることができる。
以上説明した実施形態によれば、上下架装置1は、対象物90を上架及び下架するための装置である。上下架装置1は、支柱10と、台座機構20と、昇降機構30と、を備える。支柱10は、複数の分割支柱11を積み上げて構成され、頂部に対象物90を固定可能に構成されている。台座機構20は、支柱10を載置可能に構成されている。昇降機構30は、台座機構20に設けられており、台座機構20に載置された支柱10のうち最下部の分割支柱11Bを支持して最下部の分割支柱11Bと台座機構20との間に少なくとも1つの分割支柱11が入る高さ範囲で支柱10全体を昇降可能に構成されている。
これによれば、作業者は、上下架装置1を用いることで、例えば図11に示すように、対象物90を、開始地点Psと通過地点Pxとの間、及び通過地点Pxと目標地点Peとの間で、それぞれ直線的に移動させることができる。このため、クレーン等で対象物90を吊り下げて上架又は下架を行う場合に比べて、上下架装置1の動作に必要な空間が小さくて済む。また、上下架装置1は、対象物90の上方に対象物90を吊り下げるためのクレーン等の構造物を必要としない。このため、例えば目標地点Peと天井との間が近く大きな空間が確保し難い場合でも、既存の構造物を除去することなく、対象物90の上架又は下架を行うことができる。このように、本実施形態の上下架装置1によれば、狭い空間であっても対象物90の上架及び下架が可能となる。
また、台座機構20は、走行可能に構成されている。これによれば、上下架装置1を作業場所まで移動させることができるため、作業性の向上を図ることができる。
また、支柱10は、頂部に回転可能な回転台12を有して構成されている。これによれば、例えば通過地点Pxにおいて回転台12を回転させることで、地表付近この場合開始地点Psにおける対象物90の向きと、目標地点Peにおける対象物90の向きとを、異ならせることができる。この回転台12は、例えば対象物90の形状が一方向に長いものであり、また、地表付近の構造物等の制約によって、地表付近この場合開始地点Psにおける対象物90の向きを、目標地点Peに設置する際の向きと同一にすることが難しい場合等においてより有効である。すなわち、回転台12によって対象物90を回転させることで、対象物90の向きを、開始地点Ps及び目標地点Peでそれぞれ適したものに合わせることができる。その結果、本実施形態の上下架装置1によれば、より狭い空間であっても対象物90の上げ下げが可能となる。
本開示は、実施例に準拠して記述されたが、本開示は当該実施例や構造に限定されるものではないと理解される。本開示は、様々な変形例や均等範囲内の変形をも包含する。加えて、様々な組み合わせや形態、さらには、それらに一要素のみ、それ以上、あるいはそれ以下、を含む他の組み合わせや形態をも、本開示の範疇や思想範囲に入るものである。
1…上下架装置、10…支柱、11、11B、11T…分割支柱、12…回転台、20…台座機構、30、301、302…昇降機構、90…対象物
Claims (3)
- 対象物を上架及び下架するための装置であって、
複数の分割支柱を積み上げて構成され、頂部に前記対象物を固定可能な支柱と、
前記支柱を載置可能な台座機構と、
前記台座機構に設けられ、前記台座機構に載置された前記支柱のうち最下部の前記分割支柱を支持して前記最下部の分割支柱と前記台座機構との間に少なくとも1つの前記分割支柱が入る高さ範囲で前記支柱全体を昇降可能な昇降機構と、
を備える上下架装置。 - 前記台座機構は、走行可能に構成されている、
請求項1に記載の上下架装置。 - 前記支柱は、頂部に回転可能な回転台を有して構成されている、
請求項1に記載の上下架装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2022001561U JP3238247U (ja) | 2022-05-13 | 2022-05-13 | 上下架装置 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2022001561U JP3238247U (ja) | 2022-05-13 | 2022-05-13 | 上下架装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP3238247U true JP3238247U (ja) | 2022-07-11 |
Family
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Family Applications (1)
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JP2022001561U Active JP3238247U (ja) | 2022-05-13 | 2022-05-13 | 上下架装置 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP3238247U (ja) |
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2022
- 2022-05-13 JP JP2022001561U patent/JP3238247U/ja active Active
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