JP3238075B2 - 鉄道軌道の切替え工法 - Google Patents

鉄道軌道の切替え工法

Info

Publication number
JP3238075B2
JP3238075B2 JP22859096A JP22859096A JP3238075B2 JP 3238075 B2 JP3238075 B2 JP 3238075B2 JP 22859096 A JP22859096 A JP 22859096A JP 22859096 A JP22859096 A JP 22859096A JP 3238075 B2 JP3238075 B2 JP 3238075B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
girder
track
pulleys
construction girder
construction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP22859096A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH1072801A (ja
Inventor
武 中島
敏行 菊池
修 坪井
英樹 阿川
秋夫 千葉
忠生 梶江
三千隆 安田
浩史 小山
秀敏 奥原
直居 風間
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Obayashi Corp
Original Assignee
Obayashi Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Obayashi Corp filed Critical Obayashi Corp
Priority to JP22859096A priority Critical patent/JP3238075B2/ja
Publication of JPH1072801A publication Critical patent/JPH1072801A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3238075B2 publication Critical patent/JP3238075B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Machines For Laying And Maintaining Railways (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、鉄道軌道の切替
え工法に関し、特に、現状の鉄道軌道の上方に工事桁と
ともに仮置きした新設軌道を、予め前記現状の鉄道軌道
の両側に沿って構築した支持桁に向かって降下架設する
ことにより、現状の鉄道軌道をこれの上方に切替える工
法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、地上に敷設された鉄道軌道と交
差するようにして、新たに道路や鉄道を設ける際には、
現状の鉄道軌道を上方に切替えて、立体交差とすること
が必要となったり、また便利な場合がある。
【0003】そして、このような現状の鉄道軌道を上方
に切替える際には、通常このような鉄道は、運行中であ
って住民の貴重な足となっているため、かかる切替えの
ための工事や作業は、終電から始発までの限られた時間
内に行う必要がある。
【0004】また、このような切替えのための工事は、
軌道上を走行する列車の占有領域であるいわゆる建築限
界の外側の構築物に対しては、各夜間毎に一旦作業を終
了して列車の走行を確保しながら、徐々に構築作業を行
ってゆくこともできるが、上方に構築した高架などに地
上の軌道をすりつけるための斜めの鉄道軌道を設ける作
業は、かかる斜めの鉄道軌道は建築限界内に位置する構
造物であるため、一晩で作業を終了して、翌朝は、切り
替えた後の鉄道軌道に沿って列車を走行させることがで
きるようにする必要がある。
【0005】このため、このような建築限界内の軌道を
一晩で設置するための方法としては、例えば、現状の鉄
道軌道の上方の建築限界外の領域において、建築限界内
に設置すべき新設軌道を予め工事桁等とともに組み立て
ておき、現状の鉄道軌道の両側に沿って構築した工事桁
の支持台となる支持桁に向かって、一晩でこれを降下架
設することにより、現状の鉄道軌道をこれの上方に切替
えるという工法が採用されている。
【0006】すなわち、かかる降下作業(扛下作業とも
いう。)は、例えば、現状の鉄道軌道の上方に設けた構
台の下方に、新設軌道を、工事桁に載置した状態で予め
仮置きしておき、終電の後に、この工事桁を、多数のチ
ェーンブロックやジャッキ等を用いて上方から支持桁に
向かって降下させてゆくことにより行われていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる
従来の降下作業によれば、数十メートルから数百メート
ルに至る長大な工事桁を、一体としてバランス良く降下
させるには、多くの労力や手間、あるいは費用等を必要
とすることになるという課題があった。
【0008】すなわち、チェーンブロックによる方法で
は、工事桁を吊り下げる多数の支持点毎に各々複数の作
業員を必要とし、しかも工事桁を水平に降下させたり、
工事桁に過大な応力を作用させないように降下させるた
めに、これらの多数の支持点の間で連絡を密にとりなが
ら作業を行わなければならず、したがってその作業が煩
雑になるとともに、重量の過大な工事桁を吊り下げた状
態にあるチェーンブロックの操作が重労働となる。
【0009】また、ジャッキを用いた方法によれば、そ
の制御が容易であるためチェーンブロックの場合と比較
して管理がしやすい反面、高価な装置であることから、
長大でかつ重量の過大な工事桁を支持する多数の支持点
毎に、このような高価なジャッキを各々取り付けて作業
を行うことは、費用がかかるとともに、多くの作業員や
作業時間を必要とすることになる。
【0010】そこで、この発明は、このような従来の課
題に着目してなされたもので、作業員や高価な装置を多
数必要とすることなく、かつ簡易な作業によって、長大
な工事桁をバランス良く短時間で降下させてゆくことの
できる鉄道軌道の切替え工法を提供することを目的とす
るものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記目的を
達成するためになされたもので、その要旨は、現状の鉄
道軌道の上方に工事桁とともに仮置きした新設軌道を、
予め前記現状の鉄道軌道の両側に沿って構築した支持桁
に向かって降下架設することにより、現状の鉄道軌道を
これの上方に切替える切替え工法において、前記新設軌
道を載置した前記工事桁を、これの上方に設けた構台か
ら、当該構台及び前記工事桁に取り付けた多数の滑車と
該多数の滑車に連続して巻回されるワイヤーとを用いて
吊り下げ、前記構台に取り付けられたウィンチにより前
記ワイヤーを巻き出して、前記多数の滑車が取り付けら
れた工事桁の全体を徐々に降下してゆくことにより、前
記工事桁を前記支持桁上に架設設置することを特徴とす
る鉄道軌道の切替え工法にある。また、他の要旨は、現
状の鉄道軌道の上方に工事桁とともに仮置きした新設軌
道を、予め前記現状の鉄道軌道の両側に沿って構築した
支持桁に向かって降下架設することにより、現状の鉄道
軌道をこれの上方に切替える切替え工法において、前記
構台上に該構台に沿って走行可能に設置されるジブクレ
ーンを使用することにより前記工事桁および前記新設軌
道を組立て、前記新設軌道を載置した前記工事桁を、こ
れの上方に設けた構台から、当該構台及び前記工事桁に
取り付けた多数の滑車と該多数の滑車に連続して巻回さ
れるワイヤーとを用いて吊り下げ、ウィンチにより前記
ワイヤーを巻き出して、前記多数の滑車が取り付けられ
た工事桁の全体を徐々に降下してゆくことにより、前記
工事桁を前記支持桁上に架設設置することを特徴とする
鉄道軌道の切替え工法にある。
【0012】また、この発明の鉄道軌道の切替え工法に
よれば、前記工事桁に取り付けた多数の滑車を、前記工
事桁の両側部に沿って配設するとともに、前記構台に取
り付けた多数の滑車を、前記工事桁の両側部の直上に沿
って配設し、かつ少なくとも一対のワイヤーを、各側部
に配置した前記多数の滑車に各々連続して巻回し、少な
くとも一対のウィンチにより前記各ワイヤーを各々巻き
出すことにより、前記多数の滑車を取り付けた工事桁の
全体を徐々に降下してゆくようにすることが好ましい。
【0013】そして、この発明の鉄道軌道の切替え工法
によれば、構台及び工事桁に対して、工事桁をバランス
良く吊り下げることができるように、全体にわたって略
均等に多数の滑車を配置するとともに、一本ないしは少
数のワイヤーを、工事桁に取り付けられる滑車と構台に
取り付けられる滑車とを交互に巻回するようにして順次
連続して仕込むようにすれば、工事桁に取り付けた滑車
は、動滑車の働きをしてワイヤーにかかる荷重を分散す
るとともに、滑車を取り付けた工事桁が、上記一本ない
しは少数のワイヤーによって、一体となってバランス良
く支持された状態となる。
【0014】したがって、このようして多数の滑車に
連続して仕込まれたワイヤーを、ウィンチを用いて巻き
出してゆけば、当該ワイヤーが仕込まれた滑車が取り付
けられた工事桁の複数の支持点が、ウィンチによる巻き
出し量を均等に分散する形で、同期した状態で徐々に下
方に移動することになり、これによって、工事桁の全体
が一体となってバランス良く降下してゆくことになる。
【0015】すなわち、この発明の鉄道軌道の切替え工
法によれば、現状の鉄道軌道の上方の建築限界外の領域
において、新設軌道を載置した状態で仮置きされている
工事桁に対して、滑車を取り付けたり、ワイヤーを仕込
む作業を終了した後、ウィンチを回動してワイヤーを巻
き出してゆけば、工事桁の全体が、これに取り付けた多
数の滑車の作用によって一様にバランス良く降下してゆ
くので、各支持点毎の作業員や多数の高価な装置を必要
とすることなく、しかもワイヤーを巻き出すだけの簡易
な作業により、短時間に、かつ容易に降下作業を行って
ゆくことが可能になる。
【0016】また、工事桁に対して多数の滑車を当該工
事桁の両側部に沿って取り付けるとともに、構台に対し
て多数の滑車を工事桁の両側部の直上に沿って取り付
け、かつ少なくとも一対のワイヤーを、各々、各側部に
配置した前記多数の滑車に連続して巻回するようにすれ
ば、各ワイヤーを巻き出す少なくとも一対のウィンチに
よる巻き出し量が等しくなるようにこれらのウィンチ
制御することにより、各ワイヤーによって工事桁の両側
部を吊り下げ支持した状態で、さらに安定して工事桁を
降下してゆくことが可能になる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、この発明の好ましい実施の
形態すなわち実施例について、添付図面を参照しつつ詳
細に説明する。この実施例にかかる鉄道軌道の切替え工
法は、一例として、図1に示すように、地表面に敷設さ
れた現状の鉄道軌道50と交差するようにして新たに道
路40を設ける場合に、これを立体交差とするために、
現状の鉄道軌道50を新設軌道10として上方にかさ上
げすることを目的として採用されたものである。
【0018】そして、この切替え工法によれば、現状の
鉄道軌道50を上方に切り替えるための前段階の作業と
して、軌道50に沿って走行する列車の占有領域を確保
しつつ、新設軌道10を載置した工事桁13を架設する
ための高架構造物である支柱30や支持桁31、あるい
はこれらを支持する支持杭34等を構築する作業を行う
とともに、これらの構造物によって支持されるようにし
て、これらの上方に、工事桁13を降下設置する作業の
ための構台11(図2(g)参照)を設ける作業を行
う。
【0019】すなわち、これらの作業は、例えば図2
(a)〜(g)に示すように、地表面において、鉄道軌
道50を適宜盛り替えて列車の占有領域51を確保しな
がら行われるとともに、構台11は、支柱30に沿うよ
うにして取り付けられて上方に延長する、2列一組とな
ったH鋼支柱12により支持されて、現状の鉄道軌道5
0の上方の高い位置に設置され、また、構台11上に
は、工事桁13や新設軌道10の組立作業などを行う際
に使用するジブクレーン20が、構台11に沿って走行
可能に設置されることになる。
【0020】なお、中央上端に位置して占有領域51す
なわち建築限界の外側の構造物となる部分の新設軌道1
0は、例えば支柱30や支持桁31とともにラーメン構
造を構成しつつ、鋼製部材や鉄筋コンクリートにより構
築された高架構造物15上に敷設されて、後述する工事
桁13を降下する作業を行う前に、事前組立部35とし
て予め設置されることになる(図1参照)。
【0021】そして、この実施例の鉄道軌道の切替え工
法によれば、図3に示すように、現状の鉄道軌道50の
上方において、新設軌道10を載置して仮置きされてい
る工事桁13を、多数の滑車16やワイヤー17を使用
して構台11から吊り下げ、ウィンチ18によりワイヤ
ー17を巻き出しながら、現状の鉄道軌道50の両側に
沿って構築した支持桁31に向かって降下架設すること
により、終電から始発までの時間を利用して、一晩で鉄
道軌道の切り替え作業が行われることになる。
【0022】すなわち、この実施例によれば、まず、建
築限界51外の高さにおいて、各H鋼支柱12には、仮
受けブラケット25により支持されるようにして仮受梁
21を設け、この仮受梁21上に載置されるようにして
工事桁13が仮置きされることになる。
【0023】ここで、工事桁13は、図4(a)及び
(b)にも拡大して示すように、新設軌道10の延長方
向に延長する4列の縦桁22と、この縦桁22と垂直方
向に交差して設けられる横桁23とを、適宜連結プレー
ト等を介して溶接やボルト接合などによって強固に組み
付けて形成されたもので、各横桁23の両端部が各仮受
梁21と上方から係止することにより、工事桁13は、
安定した状態で鉄道軌道50の上方に仮置きされること
になる。
【0024】また、この工事桁13には、各2列の縦桁
22間に架設されるようにして多数の枕木26が配置さ
れるとともに、この多数の枕木26上には、各4本の縦
桁22の直上に沿って延長するようにして、4本すなわ
ち2対のレール24が新設軌道10として敷設載置され
ている。
【0025】なお、このような縦桁22と横桁23との
組み付け作業や、工事桁13の仮受梁21への設置作
業、レール24や枕木26の取り付け作業などは、ジブ
クレーン20を使用して、例えば構台11等における作
業として容易に行うことができる(図3参照)。
【0026】また、仮受けブラケット25は、図5
(a)〜(c)に拡大して示すように、H鋼支柱12か
ら溶接やボルト接合により張り出し固定されるもので、
ブレース材36により補強されて新設軌道10の延長方
向に突出する第1ブラケット32やこれと垂直方向に突
出する第2ブラケット33を含み、複数の第2ブラケッ
ト33にわたって載置したH形鋼からなる仮受梁21
を、第2ブラケット33の上面に沿ってこれの突出方向
に進退スライドさせることができるようになっている。
したがって、横桁23の両端が仮受梁21の上面に係止
されて、工事桁13が仮置きされている状態から、工事
桁13を弱冠吊り上げて仮受梁21を外側にスライド移
動させれば、第2ブラケットの間の隙間を介して横桁2
3ないしは工事桁13を下方に降下移動させることがで
きるように構成されている。
【0027】さらに、選択された一部の横桁23には、
図4(a)に示すようにその両端部分に吊り金具27が
取り付けられており、この吊り金具27には、工事桁1
3を吊り下げるために用いる滑車16が取り付けられる
ことになる。
【0028】そして、このようにして、横桁23の両端
を仮受梁21の上面に係止した状態で、工事桁13及び
これの上面に敷設された新設軌道10を、鉄道軌道50
の上方の建築限界51外の領域に仮置きする作業が終了
したら、次に、工事桁13を構台11から吊り下げるた
めの準備作業を行う。
【0029】すなわち、かかる吊り下げのための準備作
業は、図3及び図6に示すように、構台11及び工事桁
13に取り付けられる多数の滑車16に順次ワイヤー1
7を巻回して仕込んでゆくとともに、これらの滑車16
を所定の支持点すなわち吊り金具27に各々係止するこ
とにより行われる。
【0030】ここで、滑車16は、工事桁13を構成す
る多数の横桁23のうちバランス良く選択された一部の
横桁23のみに取り付けられるとともに、工事桁13の
両端部に沿って各2列、すなわち二対合計4列取り付け
られることになる。また、滑車16は、図7に概念的に
に示すように、各横桁23の両端部分に設置した支持点
としての各吊り金具27に対しては、各々4車のシーブ
がとまった2つのブロックとして取り付けられることに
なるとともに、この横桁23に設けた各吊り金具27の
直上に位置するようにして構台11に設けた支持点とし
ての吊り金具28には、各々3車のシーブがとまった2
つのブロックとして取り付けられることになる。また、
この構台11には、隣接する支持点に順次ワイヤー17
を案内するための案内滑車16’も取り付けられること
になる。
【0031】そして、このような多数の滑車16に対し
てワイヤー17を仕込んでゆくには、例えば、まず構台
11の下方に作業用の吊り足場を設け、横桁23の両端
部分に沿った4列の各列ごとに、構台11の下側に仮置
されている多数の滑車16に対して、二対合計4台の段
取り用単胴ウィンチ18と接続する径9mm程度の4本
の段取り用のワイヤーを、工事桁13に取り付けられる
滑車1と構台11に取り付けられる滑車1とを交互
に巻回するようにして、各列ごとに各々順次連続して仕
込んでゆく。
【0032】このようにして、段取り用のワイヤーを仕
込んだら、その端部を例えば巻出機に巻き回されている
二対合計4本のワイヤー17に各々接続するとともに、
段取り用のウィンチを駆動して段取り用のワイヤーを巻
き戻せば、これに引っ張られるようにして各ワイヤー1
7が、各列の多数の滑車16に各々順次容易に巻回され
てゆくことになる。
【0033】そして、このようにして二対合計4本のワ
イヤー17を各列の滑車16に仕込む作業が終了した
ら、各ワイヤー17の端部を固定するとともに、巻出
構台11に設けた一対の降下作業用の復胴ウィンチ1
8に各々盛り替え、さらにこの復胴ウィンチ18を回転
駆動して各々2本のワイヤー17を巻き出すことによ
り、横桁23の各吊り金具27に連結されるべき滑車1
6を下方に移動して、これを各々吊り金具27に係止す
ることにより、工事桁13を構台11から吊り下げ降下
するための準備作業が終了する。
【0034】かかる準備作業が終了したら、現状の鉄道
軌道50の側方に沿って所定の計画高さに予め構築され
た支持桁31に向かって、工事桁13を降下架設するこ
とにより、現状の鉄道軌道50をこれの上方の新設軌道
10に切替えるための作業を、終電から始発までの一晩
の間に行う。
【0035】すなわち、かかる降下作業は、一対のウィ
ンチ18(図6参照)を回転駆動してワイヤー17を巻
き戻すことにより、工事桁13を一旦吊り上げた後、仮
受梁21を外側にスライド移動させ、しかる後に各ウィ
ンチ1を同期するように回転駆動してワイヤー17を
巻き出してゆくことにより行われる(図5(b)参
照)。
【0036】ここで、工事桁13に取り付けられた多数
の滑車16は、動滑車としての働きをして、工事桁13
を吊り下げるワイヤー17にかかる荷重を分散するとと
もに、ワイヤー17の巻き出し量を、滑車16が取り付
けられた各支持点において均等に分散する。また、二対
合計4本の各ワイヤー17は、工事桁13の両側部に沿
って配置された各列の滑車16に各々巻き回されている
ことから、工事桁13は、その両端をバランス良く支持
された状態となり、しかも、二対のワイヤー17が同期
して巻き出されるので、これらによって、略水平な状態
を保持しつつ、工事桁13は、安定した状態で下方に向
かってゆっくりと降下してゆくことになる。
【0037】そして、このような降下作業により、支持
桁31に向かって徐々に下方に移動してゆく工事桁13
は、上方部分に位置する支持桁31に設置されることに
なる横桁23から、図5(b)に示すように、支承ブロ
ック37を介して両側の支持桁31間に順次架設支持さ
れてゆくとともに、かかる降下作業を所定のスパン毎に
適宜繰り返しつつ、やがて最下部に位置する支持桁31
への架設作業が終了したら、工事桁13に載置されてい
る新設軌道10を、予め上記事前組立部35上に敷設さ
れている新設軌道10や、地上に敷設されている現状の
鉄道軌道50と接続する作業を行うことにより、鉄道軌
道の切替え作業が終了する。
【0038】すなわち、この実施例の鉄道軌道の切替え
工法によれば、建築限界51外の領域において所定の準
備作業を行った後、ウィンチ18を回動してワイヤー1
7を巻き出してゆけば、工事桁13の全体が、これに取
り付けた多数の滑車16の作用によって一様にバランス
良く降下してゆくので、各支持点毎の作業員や多数の高
価な装置を必要とすることなく、しかもワイヤー17を
巻き出すだけの簡易な作業により、短時間に、かつ容易
に降下作業を行うことができ、これによって、鉄道軌道
の切替え作業を限られた時間内に容易に終了することが
できる。
【0039】なお、この発明は、上記実施例の実施の態
様のものに限定されるものではなく、各請求項に記載さ
れた構成の範囲内において、種々変更して採用すること
ができる。例えば、多数の滑車に巻回すワイヤーは、必
ずしも二対用いる必要はなく、滑車に対してバランス良
く仕込んでゆくことができれば、一対あるいは一本のワ
イヤーを使用して工事桁を吊り下げることもでき、ま
た、工事桁を安定して吊り下げることができれば、滑車
は、必ずしも工事桁の両側部に沿って取り付ける必要は
ない。
【0040】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、この発明の
鉄道軌道の切替え工法によれば、構台上に該構台に沿っ
て走行可能に設置されるジブクレーンを使用することに
より前記工事桁および前記新設軌道を組立て、または、
新設軌道を載置した工事桁を、これの上方に設けた構台
から、当該構台及び工事桁に取り付けた多数の滑車とこ
の多数の滑車に連続して巻回されるワイヤーとを用いて
吊り下げておき、前記構台に取り付けられたウィンチに
よりワイヤーを巻き出して、多数の滑車が取り付けられ
た工事桁の全体を徐々に降下してゆくことにより工事桁
の降下作業を行うので、作業員や高価な装置を多数必要
とすることなく、かつ簡易な作業によって、長大な工事
桁をバランス良く短時間で降下させてゆくことができ、
これによって鉄道軌道の上方への切替え作業を迅速かつ
経済的に行うことができる。
【0041】また、工事桁に対して多数の滑車を当該工
事桁の両側部に沿って取り付けるとともに、構台に対し
て多数の滑車を工事桁の両側部の直上に沿って取り付
け、かつ少なくとも一対のワイヤーを、各々、各側部に
配置した多数の滑車に連続して巻回するようにすれば、
各ワイヤーを巻き出す少なくとも一対のウィンチによる
巻き出し量が等しくなるようにこれらのウィンチ制御
することにより、各ワイヤーによって工事桁の両側部を
吊り下げ支持した状態で、さらに安定して工事桁を降下
してゆくことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例により切り替えられる現状
の鉄道軌道と新設軌道との位置関係を説明する、縦横で
縮尺が異なる側面図である。
【図2】(a)〜(g)この発明の一実施例により鉄道
軌道を切り替える際の、準備段階の作業工程を示す説明
図である。
【図3】この発明の一実施例により鉄道軌道を切り替え
る状況を説明する横断面図である。
【図4】(a)は工事桁の構成を拡大して示す横断面
図、(b)は(a)のA−Aからみた断面図である。
【図5】(a)は工事桁の仮置きする状況を拡大して示
す側面図、(b)は(a)のB−Bからみた正面図、
(c)は(a)のC−Cからみた上面図である。
【図6】構台及び工事桁に取り付けた滑車にワイヤーを
仕込んだ状況を説明する破断側面図である。
【図7】構台及び工事桁に取り付けた滑車の構成を説明
する概念図である。
【符号の説明】
10 新設軌道 11 構台 12 H鋼支柱 13 工事桁 16 滑車 17 ワイヤー 18 ウィンチ 20 ジブクレーン 21 仮受梁 22 縦桁 23 横桁 25 仮受けブラケット 26 枕木 27,28 吊り金具 30 支柱 31 支持桁 50 現状の鉄道軌道
フロントページの続き (72)発明者 坪井 修 東京都千代田区神田司町2丁目3番地 株式会社大林組東京本社内 (72)発明者 阿川 英樹 東京都千代田区神田司町2丁目3番地 株式会社大林組東京本社内 (72)発明者 千葉 秋夫 東京都千代田区神田司町2丁目3番地 株式会社大林組東京本社内 (72)発明者 梶江 忠生 神奈川県横浜市中区弁天通2−22 株式 会社大林組横浜支店内 (72)発明者 安田 三千隆 東京都千代田区神田司町2丁目3番地 株式会社大林組東京本社内 (72)発明者 小山 浩史 東京都千代田区神田司町2丁目3番地 株式会社大林組東京本社内 (72)発明者 奥原 秀敏 東京都北区西ヶ原1丁目46番13号 横河 工事株式会社内 (72)発明者 風間 直居 東京都北区西ヶ原1丁目46番13号 横河 工事株式会社内 (56)参考文献 特公 昭57−50209(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E01B 37/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 現状の鉄道軌道の上方に工事桁とともに
    仮置きした新設軌道を、予め前記現状の鉄道軌道の両側
    に沿って構築した支持桁に向かって降下架設することに
    より、現状の鉄道軌道をこれの上方に切替える切替え工
    法において、 前記新設軌道を載置した前記工事桁を、これの上方に設
    けた構台から、当該構台及び前記工事桁に取り付けた多
    数の滑車と該多数の滑車に連続して巻回されるワイヤー
    とを用いて吊り下げ、前記構台に取り付けられたウィン
    チにより前記ワイヤーを巻き出して、前記多数の滑車が
    取り付けられた工事桁の全体を徐々に降下してゆくこと
    により、前記工事桁を前記支持桁上に架設設置すること
    を特徴とする鉄道軌道の切替え工法。
  2. 【請求項2】 現状の鉄道軌道の上方に工事桁とともに
    仮置きした新設軌道を、予め前記現状の鉄道軌道の両側
    に沿って構築した支持桁に向かって降下架設することに
    より、現状の鉄道軌道をこれの上方に切替える切替え工
    法において、 前記構台上に該構台に沿って走行可能に設
    置されるジブクレーンを使用することにより前記工事桁
    および前記新設軌道を組立て、 前記新設軌道を載置した前記工事桁を、これの上方に設
    けた構台から、当該構台及び前記工事桁に取り付けた多
    数の滑車と該多数の滑車に連続して巻回されるワイヤー
    とを用いて吊り下げ、ウィンチにより前記ワイヤーを巻
    き出して、前記多数の滑車が取り付けられた工事桁の全
    体を徐々に降下してゆくことにより、前記工事桁を前記
    支持桁上に架設設置することを特徴とする鉄道軌道の切
    替え工法。
  3. 【請求項3】 前記工事桁に取り付けた多数の滑車が、
    前記工事桁の両側部に沿って配設されるとともに、前記
    構台に取り付けた多数の滑車が、前記工事桁の両側部の
    直上に沿って配設され、かつ少なくとも一対のワイヤー
    が、各側部に配設した前記多数の滑車に各々連続して巻
    回され、少なくとも一対のウィンチにより前記各ワイヤ
    ーを各々巻き出すことにより、前記多数の滑車を取り付
    けた工事桁の全体を徐々に降下してゆくことを特徴とす
    る請求項1または2に記載の鉄道軌道の切替え工法。
JP22859096A 1996-08-29 1996-08-29 鉄道軌道の切替え工法 Expired - Fee Related JP3238075B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22859096A JP3238075B2 (ja) 1996-08-29 1996-08-29 鉄道軌道の切替え工法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP22859096A JP3238075B2 (ja) 1996-08-29 1996-08-29 鉄道軌道の切替え工法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH1072801A JPH1072801A (ja) 1998-03-17
JP3238075B2 true JP3238075B2 (ja) 2001-12-10

Family

ID=16878753

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP22859096A Expired - Fee Related JP3238075B2 (ja) 1996-08-29 1996-08-29 鉄道軌道の切替え工法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3238075B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7045304B2 (ja) * 2018-11-29 2022-03-31 鹿島建設株式会社 架設方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH1072801A (ja) 1998-03-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4799279A (en) Method of constructing the approach and main spans of a cable stayed segmental bridge
CN214220561U (zh) 建筑倾斜立面变向轨式吊篮施工平台
WO2022252829A1 (zh) 爬式脚手架及其爬升和安装方法、装配式建筑的施工方法
JP4188170B2 (ja) 鉄骨構造物の建方工法及びその装置
JP3238075B2 (ja) 鉄道軌道の切替え工法
JP2000045231A (ja) アーチ橋梁の架設方法
CN116949946A (zh) 小半径曲线桥梁架桥施工方法
CN109057309B (zh) 一种悬挂式操作平台及其装拆方法
CN111705682A (zh) 一种跨电气化铁路加宽桥梁上部结构拆除与重建的施工方法及其设备
JPH10195826A (ja) 橋梁架設工法とその装置
CN111851725A (zh) 一种超长劲性悬挂多层结构的顺作施工方法
CN112609578A (zh) 一种斜拉桥桥塔墩顶段钢桁梁的安装方法
JPH11269825A (ja) 橋桁の架設方法及び引揚装置
JP2903076B2 (ja) 軌道上空間上部における人工地盤の建設方法
CN217458540U (zh) 一种通航桥梁上部结构拆除用组合门吊
CN221142500U (zh) 一种钢桁梁落梁施工工装
JPS5847803A (ja) 橋梁クレ−ン
JP2938682B2 (ja) 重層建物のトラベリング工法
JP7158304B2 (ja) 搬送システムおよび設置方法
JPH07315740A (ja) エスカレータトラスの搬出方法
JP3848758B2 (ja) 構造物の直吊り構築方法
CN113047340A (zh) 一种地下大跨度站台无柱车站结构及其施工方法
JP2873396B2 (ja) 軌道仮受け施工方法
CN113307147A (zh) 一种龙门吊安装方法
JPH08284418A (ja) 工事用昇降機の設置方法

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081005

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081005

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091005

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101005

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101005

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111005

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111005

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121005

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131005

Year of fee payment: 12

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees