JP3236992B2 - コークス炉用高密度珪石れんが - Google Patents
コークス炉用高密度珪石れんがInfo
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Description
度珪石れんがに関し、特に、エネルギー効率が優れたコ
ークス炉の炉材に使用する珪石れんがに関するものであ
る。
である原料に少量の鉱化剤を添加して焼成することによ
って得られる、主にトリジマイト相とクリストバライト
相の混合相によって構成される珪石れんがが使用されて
いる。それは、トリジマイト相とクリストバライト相か
らなる珪石れんがは、コークス炉の使用温度範囲におい
て、低熱膨張、高熱伝導率、高耐火度、低クリープとい
ったコークス炉の炉材として要求される特性を高い次元
で満足するからである。
イト相あるいはクリストバライト相に相転移する時に大
きな体積変化を伴うので、素地嵩比重を大きくすると焼
成ヒビを発生させ、緻密なれんがを得ることが困難であ
る。通常、デンスれんがと称する珪石れんがでも、嵩比
重は1.9以下である。
の珪石れんがを得ることができれば、コークス炉のエネ
ルギー効率を高めることが可能となる。特開昭54−4
3218号公報には、さらに緻密な珪石れんがとして、
窒化珪素および/または炭化珪素を0.5〜10重量%
添加し、れんが焼成時に窒化珪素および/または炭化珪
素が酸化することにより生じる体積増加によって気孔内
を埋めて緻密化した珪石れんがが開示されている。
は、珪素を0.5〜10重量%と無定形火成二酸化珪素
を1.5〜8重量%添加し、れんが焼成時に珪素が酸化
することにより生じる体積増加によって気孔内を埋めて
緻密化した珪石れんがが開示されている。この時、無定
形火成二酸化珪素は、珪素の酸化を促進する働きがある
と示されている。
は、フェロシリコン等のシリコン系合金を添加し、れん
が焼成時にシリコン系合金が酸化することによって生じ
る体積増加により気孔内を埋めて緻密化した珪石れんが
が開示されている。シリコンとの合金成分としては、M
n、Fe、Co等が有り、それらはトリジマイト化、ク
リストバライト化を促進する作用を有することが示され
ている。
れも、珪石原料に添加したシリコン源の酸化による体積
増加により気孔内を埋めて緻密化しようとするものであ
ると言える。
54−43218号公報に開示された珪石れんがは、そ
の実施例で示されているように、嵩比重は1.96であ
り、緻密化が不十分である。これは、窒化珪素や炭化珪
素を酸化させるためには、酸素をれんがの内部まで供給
し、酸化反応で生じる窒素ガスや一酸化炭素ガスをれん
が外に排出しなければならないが、れんがが緻密化する
とれんがの気孔を通してのガスの移動が困難となるため
であり、この方法によるれんがの緻密化には限界がある
と考えられる。つまり、緻密化がある程度以上進むと、
ガスの移動、特にれんが内部からの窒素ガスや一酸化炭
素ガスの拡散速度が非常に遅くなり、れんが内部に窒化
珪素や炭化珪素が未酸化のまま残存し、緻密化はそれ以
上進まなくなると考えられる。
示された珪石れんがも、その実施例で示されているよう
に、嵩比重は最高で1.96であり、緻密化が不十分で
ある。一般に、ここで利用されているようなシリコンの
酸化は、非常に大きな体積増加を伴い、また、ガスの移
動は酸化で消費された酸素が外部から供給されるだけで
あり外に排出すべきガスを発生させないため、非常に有
効な珪石の緻密化方法であると言える。しかし、無定形
火成二酸化珪素は、シリコンの酸化を促進する働きが小
さいために、この方法での緻密化には限界があると考え
られる。
示された珪石れんがは、実施例によれば嵩比重が1.9
5〜2.14であり、非常に緻密なものとなっている。
これは、シリコン系合金として添加する合金が、(1)
シリコンの酸化を促進する作用と、(2)金属酸化物の
液相を形成して緻密化する作用を有しており、総合して
非常に緻密な珪石れんがが得られているものと考えられ
る。また、この合金は、石英質原料のトリジマイト化、
クリストバライト化を促進する作用も有しており、良好
な特性を有する珪石れんがが得られる。
える珪石れんがは、クリストバライト相とトリジマイト
相の低温相と高温相の相転移に伴う体積変化によってれ
んがに亀裂が入る可能性が高くなるので、コークス炉立
ち上げ時の昇温速度を極端に遅くしなければならない。
また、実施例に示されるような最大で13重量%にも達
するシリコン系合金を完全に酸化させるためには非常に
長時間の焼成が必要であり、工業的な製造は困難であ
る。
有利に解決して、コークス炉立ち上げ時に従来の珪石れ
んがと同等の速度で昇温してもれんがに亀裂が発生する
ことが無く、かつ、れんが使用時は熱効率が良好なコー
クス炉用高密度珪石れんがを提供することを目的とする
ものである。
問題点を種々研究した結果、れんがの製造時にれんが内
に金属相を残存させ、れんが使用時に生じる前記金属相
の酸化でれんがを緻密化させるならば、コークス炉立ち
上げ時に従来の珪石れんがと同等の速度で昇温してもれ
んがに亀裂が発生することが無く、かつ、れんが使用時
は熱効率が良好なコークス炉用高密度珪石れんがを得る
ことが可能であることを知見し、本発明を完成するに至
った。
ス炉用高密度珪石れんがは、嵩比重が1.95〜2.1
0で内部に金属相が0.5〜2.5体積%分散する高密
度珪石れんがであり、該れんがの大気雰囲気中、140
0℃、1000時間熱処理後の嵩比重の増加が0.01
〜0.05であることを特徴とする。
ス炉用高密度珪石れんがは、上記本発明の第1の発明に
おいて、分散する前記金属相が、Si金属相からなる、
若しくはSi金属相とFe金属相の混合相からなる、お
よび/またはSiとFeの合金相からなることを特徴と
する。
細に説明する。
は、焼成後の嵩比重を1.95〜2.10とする。これ
は、嵩比重が2.10を越えると、コークス炉立ち上げ
の昇温速度を極端に遅くしないと、クリストバライト相
とトリジマイト相の低温相と高温相の相転移に伴う体積
変化によってれんがに亀裂が発生するようになるためで
ある。また、本発明の珪石れんがは、使用中に嵩比重が
増加して熱伝導率が高くなるのであるが、出発の嵩比重
が1.95未満では、コークス炉のエネルギー効率の大
幅な向上は望めないためである。
んがは、マトリックス部に金属相が0.5〜2.5体積
%分散し、焼成後更に、大気雰囲気中、1400℃、1
000時間熱処理後の嵩比重の増加が0.01〜0.0
5である。
れんがの使用時に酸化し、体積増加して気孔内を埋め、
れんがの嵩比重を増加させるように働く。この金属相の
割合が2.5体積%を越えたり、あるいは、前記熱処理
後の嵩比重の増加が0.05を越えると、れんが使用時
の金属の酸化による体積膨脹が大き過ぎるためにれんが
に亀裂が発生したり、緻密化が進み過ぎてれんがの耐熱
衝撃性が極端に小さくなって操業時の温度変化にも耐え
られなくなるためにれんがに亀裂が発生するようになる
ので好ましくない。一方、金属相の割合が0.5体積%
未満であったり、あるいは、前記熱処理後の嵩比重の増
加が0.01未満では、れんが使用時の嵩比重の増加、
つまり熱伝導率の増加が不十分なために、コークス炉の
エネルギー効率の大幅な向上は望めない。コークス炉の
エネルギー効率向上の観点からは、金属相の割合が1体
積%以上で、前記熱処理後の嵩比重の増加が0.02以
上であることが好ましい。
Si金属相とFe金属相の混合相からなり、および/ま
たはSiとFeの合金相からなり、マトリックス相に5
〜100μmの粒径で均一に分布する。なお、前記各金
属相には、不可避的不純物が含まれるが、この不可避的
不純物による影響はない。
造時に、Si金属、若しくはSi金属とFe金属、およ
び/またはSiとFeの合金を添加する。この金属また
は合金の添加割合は、金属または合金の種類、れんがの
素地嵩比重と焼成時の最高温度保持時間によって決まる
が、焼成後の珪石れんがの嵩比重とれんが中に残存する
金属相の量が本発明の規定を満足するように、通常は、
およそ素地中で1.5〜13重量%となるように調整さ
れる。
応が生じ易いように0.2mm以下のものが好ましい。
焼成後にれんが内に分散する金属相の粒径は、この添加
する金属または合金の粒径に依存することになる。
は、前記の大気雰囲気中、1400℃、1000時間の
熱処理でそのほとんどが酸化し、れんがの緻密化は完了
する。したがって、それ以上熱処理を継続しても嵩比重
の増加はほとんどない。つまり、このれんがをコークス
炉に使用した場合、れんがの緻密化は、れんが使用期間
の極初期に完了し、それ以降は嵩比重の変化はほとんど
ない。
んがの気孔内を埋めるように、つまり、緻密化するよう
に生じるために、線変化はほとんど生じない。例えば、
前記の大気雰囲気中、1400℃、1000時間の熱処
理での線変化率は、0.05%以下と非常に小さい。
れんがを製造する成形装置および焼成炉等を使用して製
造できる。
の量、および、大気雰囲気中、1400℃、1000時
間熱処理後の嵩比重の増加量は、SiとFeの合金の組
成、Si金属、若しくはSi金属とFe金属、および/
またはSiとFeの合金の添加量、素地嵩比重、およ
び、焼成時の最高温度保持時間によって調整することが
できる。
は、通常の珪石れんがと同様に、白珪石、複合珪石等の
原料の他、天然の石英を含有するケイ岩と呼ばれる珪石
原料も使用できる。
ジマイト相やクリストバライト相への相転移を促進する
ために、通常通り鉱化剤として酸化カルシウムあるいは
カルシウム化合物を、酸化カルシウム換算で0.5〜
2.0重量%程度添加する。
に示す。
石の骨材と微粉、Si合金として200メッシュの篩を
貫通したJIS G 2302に記載のフェロシリコン
2号と3号、Si金属粉、Fe金属粉を、表1〜4に示
した割合で使用した。これらの原料に、鉱化剤として酸
化カルシウム換算+1.5重量%の石灰乳(+は前記原
料に対する外掛け添加を意味する)と、適量のバインダ
ーおよび水を添加して混練した後、油圧式一軸プレスに
より100〜150MPaの成形圧力で230×115
×100mmの形状に成形し、重油燃焼式単独窯内で1
450℃まで毎時7℃の割合で昇温加熱し、表に記載し
た時間保持した後、室温まで毎時7℃の割合で降温して
れんがを得た。
法で得られたれんがの嵩比重を「JIS R 220
5」により測定した値を示した。
んがの切断研磨面の反射顕微鏡写真の20視野より、画
像解析によって得た値の平均値を示した。
の切断研磨面をEPMAを用い、スポット分析して同定
した金属元素名を示した。
方法で得られたれんがを、電気炉で大気中400℃まで
毎時30℃の割合で昇温し、室温まで毎時10℃の割合
で降温した場合に、れんがに亀裂が発生しなかったもの
には「○」印を、亀裂が発生したものには「×」印を記
入した。
比重」は、前記方法で得られたれんがを、さらに、電気
炉で大気中、1400℃、1000時間熱処理後の嵩比
重を「JIS R 2205」により測定した値を示し
た。
伝導率」は、前記方法で得られたれんがを、さらに、電
気炉で大気中、1400℃、1000時間熱処理後のサ
ンプルを使用し、「JIS R 2618」に準拠して
測定した室温での熱伝導率が、2.0W/m・K以上で
あったものには「○」印を、2.0W/m・K未満であ
ったものには「×」印を記入した。
変化率」は、上記方法で得られたれんがを、さらに、電
気炉で大気中、1400℃、1000時間熱処理した時
の線変化率の絶対値が、0.05%以下であったものに
は「○」印を、0.05%より大きかったものには
「×」印を記入した。
熱衝撃性」は、上記方法で得られたれんがを、さらに、
電気炉で大気中、1400℃、1000時間熱処理後、
1000℃と500℃の間を毎時100℃の割合で10
回降温昇温を繰り返した場合に、れんがに亀裂が発生し
なかったものには「○」印を、亀裂が発生したものには
「×」印を記入した。
述無きところは室温〜400℃の間は毎時10℃、40
0〜1400℃の間は毎時50℃とした。
満足する例であり、室温からの昇温時の耐熱衝撃性が良
好であり、かつ、れんが使用時の熱伝導率が高いコーク
ス炉用高密度珪石れんがを得ることができている。
小さく、金属相の量が少なく、また、大気中1400℃
で1000時間熱処理後の嵩比重の増加が小さいため
に、本発明に比べると熱伝導率が小さく、コークス炉の
エネルギー効率の向上が望めない。
しているが、本発明の規定よりも金属相の量が少なく、
また、大気中1400℃で1000時間熱処理後の嵩比
重の増加が小さいために、本発明に比べると熱伝導率が
小さく、コークス炉のエネルギー効率の向上が望めな
い。
満足しているが、本発明の規定よりも嵩比重が小さいた
めに、本発明に比べると熱伝導率が小さく、コークス炉
のエネルギー効率の向上が望めない。
しているが、本発明の規定よりも金属相の量が多く、ま
た、大気中1400℃で1000時間熱処理後の嵩比重
の増加が大きいために、前記熱処理後の耐熱衝撃性が小
さく、使用時に亀裂が発生して強度が低下すると予想さ
れる。また、前記熱処理前後での線変化率が少し大き
い。
大きいために、耐熱衝撃性が小さく、コークス炉立ち上
げ時の昇温を通常よりも極端にゆっくりしなければれん
がに亀裂が発生して強度が低下すると予想される。
は、マトリックス部に均一に分散した金属相を有し、れ
んが使用時に生じる金属相の酸化によってれんがが緻密
化するため、使用前は長時間使用後よりも密度が小さい
ので、コークス炉立ち上げ時に従来の珪石れんがと同等
の速度で昇温してもれんがに亀裂が発生することを回避
でき、かつ、れんが使用時は緻密化して熱伝導率が高く
なるので、コークス炉のエネルギー効率を高めることが
できる。
Claims (2)
- 【請求項1】 嵩比重が1.95〜2.10で内部に金
属相が0.5〜2.5体積%分散する高密度珪石れんが
であり、該れんがの大気雰囲気中、1400℃、100
0時間熱処理後の嵩比重の増加が0.01〜0.05で
あることを特徴とするコークス炉用高密度珪石れんが。 - 【請求項2】 分散する前記金属相が、Si金属相から
なる、若しくはSi金属相とFe金属相の混合相からな
る、および/またはSiとFeの合金相からなることを
特徴とする請求項1記載のコークス炉用高密度珪石れん
が。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29499097A JP3236992B2 (ja) | 1997-10-14 | 1997-10-14 | コークス炉用高密度珪石れんが |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29499097A JP3236992B2 (ja) | 1997-10-14 | 1997-10-14 | コークス炉用高密度珪石れんが |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11116324A JPH11116324A (ja) | 1999-04-27 |
JP3236992B2 true JP3236992B2 (ja) | 2001-12-10 |
Family
ID=17814928
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP29499097A Expired - Fee Related JP3236992B2 (ja) | 1997-10-14 | 1997-10-14 | コークス炉用高密度珪石れんが |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3236992B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN107867868A (zh) * | 2017-12-02 | 2018-04-03 | 山东鲁桥新材料股份有限公司 | 一种超致密高导热硅砖及其制备方法 |
-
1997
- 1997-10-14 JP JP29499097A patent/JP3236992B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN107867868A (zh) * | 2017-12-02 | 2018-04-03 | 山东鲁桥新材料股份有限公司 | 一种超致密高导热硅砖及其制备方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH11116324A (ja) | 1999-04-27 |
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