JP3176689B2 - 溶融金属精錬炉の内張り炭素含有耐火物 - Google Patents
溶融金属精錬炉の内張り炭素含有耐火物Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鉄鋼窯炉、中でも転炉
等の溶融金属精練炉の内張り炭素含有耐火物に関するも
のである。
等の溶融金属精練炉の内張り炭素含有耐火物に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】溶融金属精練炉の内張り耐火物として
は、耐スラグ性、耐熱衝撃性に優れたMgO−炭素系耐
火物が適用され、かなりの高成績をあげている。しかし
ながら、これらの耐火物は高温での耐酸価性に弱点を有
しており、これを改善するために各種金属の添加或いは
金属、炭化物等の併用添加が行われている(例えば、特
開昭54−163913号公報、特開平1−32026
2号公報)。
は、耐スラグ性、耐熱衝撃性に優れたMgO−炭素系耐
火物が適用され、かなりの高成績をあげている。しかし
ながら、これらの耐火物は高温での耐酸価性に弱点を有
しており、これを改善するために各種金属の添加或いは
金属、炭化物等の併用添加が行われている(例えば、特
開昭54−163913号公報、特開平1−32026
2号公報)。
【0003】これらの手法によれば、添加金属の耐火物
内部での反応による組織の緻密化によって耐食性、耐酸
化性の向上が認められる。しかしながら、これらの金属
添加法は、何れも金属を粉末の形態で添加しており、耐
火物組織内部へ均一に添加するという点で問題を有して
いる。
内部での反応による組織の緻密化によって耐食性、耐酸
化性の向上が認められる。しかしながら、これらの金属
添加法は、何れも金属を粉末の形態で添加しており、耐
火物組織内部へ均一に添加するという点で問題を有して
いる。
【0004】また、従来の金属添加法は、金属が耐火物
内部での反応によって体積膨張し、組織を緻密化するこ
とによって耐酸化性、耐食性向上の機能を発揮してお
り、耐火物を構成する炭素粒子に対して機能しているも
のではない。
内部での反応によって体積膨張し、組織を緻密化するこ
とによって耐酸化性、耐食性向上の機能を発揮してお
り、耐火物を構成する炭素粒子に対して機能しているも
のではない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の金属
添加法では得られなかった均一な組織を有し、耐火物を
構成している炭素粒子をコーティングすることによっ
て、効果的に耐酸化性、耐食性の向上が可能な炭素含有
耐火物を得ることである。
添加法では得られなかった均一な組織を有し、耐火物を
構成している炭素粒子をコーティングすることによっ
て、効果的に耐酸化性、耐食性の向上が可能な炭素含有
耐火物を得ることである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、黒鉛3〜30
重量部と耐火原料70〜97重量部からなる耐火物を、
熱処理を行った結果、Al 2 O 3 ,ZrO 2 ,ZrSi
O 4 ,TiO 2 ,CaZrO 3 又はCaOを生成する金属
アルコキシドで含浸処理したことを特徴とするもの及
び、黒鉛3〜30重量部と耐火原料70〜97重量部か
らなり、金属粉末、非酸化物粉末を含有する耐火物を、
熱処理を行った結果、Al 2 O 3 ,ZrO 2 ,ZrSi
O 4 ,TiO 2 ,CaZrO 3 又はCaOを生成する金属
アルコキシドで含浸処理したことを特徴とするものであ
る。
重量部と耐火原料70〜97重量部からなる耐火物を、
熱処理を行った結果、Al 2 O 3 ,ZrO 2 ,ZrSi
O 4 ,TiO 2 ,CaZrO 3 又はCaOを生成する金属
アルコキシドで含浸処理したことを特徴とするもの及
び、黒鉛3〜30重量部と耐火原料70〜97重量部か
らなり、金属粉末、非酸化物粉末を含有する耐火物を、
熱処理を行った結果、Al 2 O 3 ,ZrO 2 ,ZrSi
O 4 ,TiO 2 ,CaZrO 3 又はCaOを生成する金属
アルコキシドで含浸処理したことを特徴とするものであ
る。
【0007】
【作用】炭素含有耐火物に含浸処理した金属アルコキシ
ドは、以下のような反応によって耐酸化性、耐食性の向
上をもたらす。
ドは、以下のような反応によって耐酸化性、耐食性の向
上をもたらす。
【0008】金属アルコキシドは炭素材料に対して非常
に漏れ易く、耐火物の気孔を介して容易に耐火物内部へ
侵入する。耐火物内部に侵入した金属アルコキシドは、
炭素と漏れ易いことから、耐火物内部に均一に分布する
とともに、熱処理によって金属酸化物を生成する。
に漏れ易く、耐火物の気孔を介して容易に耐火物内部へ
侵入する。耐火物内部に侵入した金属アルコキシドは、
炭素と漏れ易いことから、耐火物内部に均一に分布する
とともに、熱処理によって金属酸化物を生成する。
【0009】この金属酸化物は非常に微細な結晶からな
っており、耐火物内部の気孔を充填するとともに、炭素
粒子の表面をコーティングする。気孔内部を充填した金
属酸化物は組織を緻密化することによって、耐火物内部
への酸化性ガス及びスラグの侵入を抑制し、耐酸化性、
耐食性を向上させる。
っており、耐火物内部の気孔を充填するとともに、炭素
粒子の表面をコーティングする。気孔内部を充填した金
属酸化物は組織を緻密化することによって、耐火物内部
への酸化性ガス及びスラグの侵入を抑制し、耐酸化性、
耐食性を向上させる。
【0010】また、金属アルコキシド種として、耐火物
を構成する骨材成分と反応し、体積膨張を伴うもので
は、この体積膨張によって耐火物組織の緻密化も可能と
なり、より大きな効果が得られる。
を構成する骨材成分と反応し、体積膨張を伴うもので
は、この体積膨張によって耐火物組織の緻密化も可能と
なり、より大きな効果が得られる。
【0011】さらに、金属酸化物が炭素粒子表面をコー
ティングすることから、酸化性ガスと炭素の接触を遮断
し、耐酸化性の飛躍的な向上をもたらす。
ティングすることから、酸化性ガスと炭素の接触を遮断
し、耐酸化性の飛躍的な向上をもたらす。
【0012】含浸するアルコキシド種としては、熱処理
を行った結果、Al2O 3 、ZrO2、ZrSiO4 、T
iO2 、CaZrO3 、CaO等を生成するアルコキシ
ドが使用可能であり、これらは、単独或いは複合して使
用することが出来る。
を行った結果、Al2O 3 、ZrO2、ZrSiO4 、T
iO2 、CaZrO3 、CaO等を生成するアルコキシ
ドが使用可能であり、これらは、単独或いは複合して使
用することが出来る。
【0013】一方、炭素配合量を3〜30重量部とした
のは、炭素が3重量部未満では、耐熱衝撃性、耐スラグ
浸潤性に劣り、30重量部を越えると耐酸化性が著しく
低下するためである。
のは、炭素が3重量部未満では、耐熱衝撃性、耐スラグ
浸潤性に劣り、30重量部を越えると耐酸化性が著しく
低下するためである。
【0014】炭素源は天然または人造黒鉛、メソフェー
ズカーボン、コークス、カーボンブラック等を指し、で
きるだけ高純度のものが望ましい。
ズカーボン、コークス、カーボンブラック等を指し、で
きるだけ高純度のものが望ましい。
【0015】耐火原料はできるだけ高純度であることが
好ましく、電融品、焼結品などが使用可能であるが、嵩
比重、結晶サイズの大きいものが望ましい。
好ましく、電融品、焼結品などが使用可能であるが、嵩
比重、結晶サイズの大きいものが望ましい。
【0016】以下、実施例に基づき本発明の効果につい
て説明する。但し、本発明はこれらの実施例に限定され
るものではない。
て説明する。但し、本発明はこれらの実施例に限定され
るものではない。
【0017】
【実施例】転炉用内張り耐火物としてのMgO−C質耐
火物に関する実施例を示す。表1に示す原料組成にそれ
ぞれ液状のフェノール系バインダーを適量添加して、混
練、真空フリクション成形、乾燥(90℃×24hr
s.)、硬化処理(250℃×10hrs.)、焼成を
実施して得たMgO−Cれんがに、各種金属アルコキシ
ドを含浸し、650℃×2hrs.の熱処理を実施し
た。
火物に関する実施例を示す。表1に示す原料組成にそれ
ぞれ液状のフェノール系バインダーを適量添加して、混
練、真空フリクション成形、乾燥(90℃×24hr
s.)、硬化処理(250℃×10hrs.)、焼成を
実施して得たMgO−Cれんがに、各種金属アルコキシ
ドを含浸し、650℃×2hrs.の熱処理を実施し
た。
【0018】ここでマグネシアクリンカーは電融マグネ
シアと焼結マグネシアを併用し、カーボンは純度99%
の天然黒鉛を使用した。
シアと焼結マグネシアを併用し、カーボンは純度99%
の天然黒鉛を使用した。
【0019】表1に示すように、金属アルコキシドを含
浸処理する事によって、組織の緻密化及び耐酸化性、耐
食性を向上する事が可能である。
浸処理する事によって、組織の緻密化及び耐酸化性、耐
食性を向上する事が可能である。
【0020】
【表1】
【0021】*1 アルコキシドの含浸、未含浸ともに1
000℃×1hr.熱処理後測定 *2 1400℃×3hrs.電気炉中にて焼成後の脱炭
層の厚みを測定し、未含浸サンプルを100として示
す。 *3 回転浸食法:1650℃×3hrs. スラグ:CaO/SiO2=3.3、CaF2=10%、
T.Fe=18%侵食試験後の最大溶損部の溶損量を測
定し、未含浸サンプルを100として示す。
000℃×1hr.熱処理後測定 *2 1400℃×3hrs.電気炉中にて焼成後の脱炭
層の厚みを測定し、未含浸サンプルを100として示
す。 *3 回転浸食法:1650℃×3hrs. スラグ:CaO/SiO2=3.3、CaF2=10%、
T.Fe=18%侵食試験後の最大溶損部の溶損量を測
定し、未含浸サンプルを100として示す。
【0022】
【発明の効果】本発明によって、以下の効果を奏するこ
とができる。炭素含有耐火物の耐用を向上させる一手段
として、金属アルコキシドを含浸処理することによっ
て、耐酸化性、耐食性を従来の金属添加法に対して飛躍
的に向上させたことは実用上非常に有効である。
とができる。炭素含有耐火物の耐用を向上させる一手段
として、金属アルコキシドを含浸処理することによっ
て、耐酸化性、耐食性を従来の金属添加法に対して飛躍
的に向上させたことは実用上非常に有効である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C04B 41/85
Claims (2)
- 【請求項1】 黒鉛3〜30重量部と耐火原料70〜9
7重量部からなる耐火物を、熱処理を行った結果、Al
2 O 3 ,ZrO 2 ,ZrSiO 4 ,TiO 2 ,CaZrO 3 又
はCaOを生成する金属アルコキシドで含浸処理したこ
とを特徴とする溶融金属精錬炉の内張り炭素含有耐火
物。 - 【請求項2】 黒鉛3〜30重量部と耐火原料70〜9
7重量部からなり、金属粉末、非酸化物粉末を含有する
耐火物を、熱処理を行った結果、Al 2 O 3 ,ZrO 2 ,
ZrSiO 4 ,TiO 2 ,CaZrO 3 又はCaOを生成
する金属アルコキシドで含浸処理したことを特徴とする
溶融金属精錬炉の内張り炭素含有耐火物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP05882092A JP3176689B2 (ja) | 1992-02-13 | 1992-02-13 | 溶融金属精錬炉の内張り炭素含有耐火物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP05882092A JP3176689B2 (ja) | 1992-02-13 | 1992-02-13 | 溶融金属精錬炉の内張り炭素含有耐火物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05221753A JPH05221753A (ja) | 1993-08-31 |
JP3176689B2 true JP3176689B2 (ja) | 2001-06-18 |
Family
ID=13095269
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP05882092A Expired - Fee Related JP3176689B2 (ja) | 1992-02-13 | 1992-02-13 | 溶融金属精錬炉の内張り炭素含有耐火物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3176689B2 (ja) |
-
1992
- 1992-02-13 JP JP05882092A patent/JP3176689B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05221753A (ja) | 1993-08-31 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20010327 |
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