JP3236879B2 - 中性活性種の検出方法とその装置 - Google Patents

中性活性種の検出方法とその装置

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敏博 藤井
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国立環境研究所長
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、中性活性種の検出方
法とそのための装置に関するものである。さらに詳しく
は、この発明は、化学反応素過程の解明から新しい反応
設計を行うにあたり、さらには高感度分析方法として各
種の産業分野において有用な、新しい中性活性種の検出
方法とそのための装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術とその課題】従来より、ラジカル等の中性
活性種の検出法については各種の方法が検討されてきて
おり、これまでにも様々な改善および工夫が進められて
きている。たとえば、熱分解過程、マイクロ波放電、高
周波放電、CVDプロセス、イオンビームによるスパッ
タリング等により発生するラジカルは、物質創製にかか
わる反応素過程を左右するものとして極めて重要なファ
クターであると考えられている。このため、化学反応の
全ての素過程に関与していると考えられているこのラジ
カル等の中性活性種の挙動を解明することは大きな課題
となっていた。そこで、これまでにも、この中性活性種
を検出するための各種の方法が開発され、たとえば、吸
収スペクトル、発光スペクトル、蛍光リン光スペクトル
等を検知する分光学的方法や、Flash Spectroscopy法、
ESR法、LMN法、レーザーキャビテイー法、電子分
光法、質量分析法、化学的方法等が提案されている。
【0003】しかしながら、これまでの状況において
は、従来の方法は必ずしも充分なものでなく、中性活性
種の検出法として確かな信頼性を有する高感度検出法は
実現されていないのが実情である。このような状況は、
ラジカル等の中性活性種は極めて不安定で寿命が短いと
いう特徴にも帰因するものであった。一方、最近のプラ
ズマ工学の発展には目をみはるものがあり、特に材料科
学の分野では重要な基盤技術としての地位を確立してき
ている。
【0004】しかしながら、長足の進歩をとげているこ
のプラズマ技術においても、プラズマの本質には依然と
して不明な点が多く、特に、このプラズマを構成するラ
ジカル等の中性活性種については、反応の基礎過程にど
のように関わっているのかはほとんど解明されていな
い。このことも、プラズマにおけるラジカル等の検出が
難しく、実用的に使用することのできる高感度検出方法
が確立されていないことにその理由がある。
【0005】この発明は、以上の通りの事情に鑑みてな
されたものであって、従来の各種方法の欠点を解消し、
ラジカル等の中性活性種を高感度で検出することのでき
る、信頼性の高い新しい中性活性種検出方法と、そのた
めの装置を提供することを目的としてもいる。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記の課題
を解決するものとして、中性活性種を1価または2価の
金属イオンに付加し、この付加イオンを質量分析により
検出することを特徴とする中性活性種の検出方法を提供
する。そして、この発明は、この方法の実現のための装
置をも提供する。
【0007】すなわち、この発明は、金属イオンが種々
の化学種に付加する現象に着目し、ラジカル等の不安定
な化学種の検出に利用するものである。この場合の中性
活性種には、任意の物質、あるいは任意の発生源からの
ものを対象とすることができる。たとえばラジカル化学
種をRとすると、次の付加反応
【0008】
【化1】
【0009】が進行する。そこで、このRM+ を質量分
析により検知することにより、ラジカル(R)の高度検
出が可能となる。この場合の金属(M)としては、L
i,Na,K等のアルカリ金属や、Ag,Cu等の1価
もしくは2価の金属が使用できるが、これらのうちでも
特にLiが有用でもある。この金属のイオン(M+ )に
ついては、たとえば表面電離を利用して生成させること
ができる。この方法は、金属塩をドープした無機物、た
とえばアルミノシリケート等を加熱することにより実現
される。この方法で、豊富な金属イオンビームを簡便に
生成させることができる。熱分解過程、マイクロ波放
電、高周波放電、CVDプロセス、イオンビームによる
スパッタリング等において発生するラジカル(R)等の
中性活性種をサンプリングプローブとして取出し、これ
を前記した通りの金属イオン(M+ )と付加反応させ、
生成した付加イオンRM+ を質量分析法により検出同定
定量する。
【0010】図1は、この発明の方法の実現のための装
置構成を例示したものである。たとえばこの図1に例示
したように、この装置は、反応室(1)と質量分析装置
(2)とを有し、反応室(1)の反応域(11)には、
中性活性種導入部(12)と付加イオン放出部(1
3)、さらには、中性活性種と付加反応させる金属イオ
ン放出部(14)とを備えている。
【0011】また、反応室(1)には、ピラニゲージ
(15)、集束電界付与のためのレンズ(16)、フロ
ントフランジ(17)およびレペラ(repeller)(1
8)を備えてもいる。質量分析装置(2)には、スキー
マー(21)を設け、各種のタイプの質量分析手段を備
えることができる。もちろん、この発明には、さらに各
種の態様が可能であることは言うまでもない。
【0012】以下、実施例を示し、さらに詳しくこの発
明の方法と装置について説明する。
【0013】
【実施例】図1に沿って、試験装置を構成した。反応室
(1)の反応域(11)には、中性活性種導入部(1
2)として、メタンガスからのラジカル生成のために、
石英放電管(12)およびマイクロ波キャビテイ(12
2)を設け、導入口(123)よりラジカルを反応室
(11)内に導いた。
【0014】そしてこの導入口(123)の近傍には、
金属イオン放出部(14)としてLi+ エミッターを設
けた。このLi+ エミッターは、リチウム塩をアルミノ
シリケートにドープしてこれを加熱することによりLi
+ を放出させるようにしている。この放出部(14)か
らのリチウムイオンLi+ は、前記のラジカルと付加反
応させ、付加イオンRLi+ としてスキーマー(21)
より質量分析装置(2)に導き、ラジカル(R)の検出
固定を行なった。
【0015】反応室(11)内の内径は50mm、その長
さは500mmとし、Li+ エミッターは3mm径とした。
エミッターは約1000℃に加熱した。反応室(11)
は、0.1 〜1Torrに調整し、メタンガスを供給して5W
電力によりマイクロ波により放電させた。図2は、この
マイクロ波放電していない時のLi+ イオン付加マスス
ペクトルを示し、また、図3は、上記のマイクロ波放電
を行った時のLi+ イオン付加マススペクトルを示して
いる。
【0016】この図2および図3から明らかなように、
この発明の方法によって、OH,C 2 3 ,C2 5
のラジカルが正確に検出同定されていることがわかる。
【0017】
【発明の効果】この発明により、以上詳しく説明した通
り、これまでほとんど実現されていないラジカル等の中
性活性種の高感度での検出が可能となる。化学、物理、
電子等の各種の分野での新しい技術展開のための基盤技
術として有用となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の装置を例示した構成断面図である。
【図2】実施例における放電しない状態での付加イオン
のスペクトル図である。
【図3】実施例における放電した状態での付加イオンの
スペクトル図である。
【符号の説明】
1 反応室 11 反応域 12 中性活性種導入部 121 石英放電管 122 マイクロ波キャビテイ 123 導入口 13 付加イオン放出部 14 金属イオン放出部 15 ピラニゲージ 16 レンズ 17 フロントフランジ 18 レペラ 2 質量分析装置 21 スキーマー

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中性活性種を1価または2価金属イオン
    に付加し、この付加イオンを質量分析により検出するこ
    とを特徴とする中性活性種の検出方法。
  2. 【請求項2】 中性活性種がラジカルである請求項1の
    検出方法。
  3. 【請求項3】 金属塩をドープした無機物を加熱して金
    属イオンビームを生成させ、中性活性種に付加する請求
    項1の検出方法。
  4. 【請求項4】請求項1ないし3いずれかの方法のための
    装置であって、反応域に中性活性種導入部、およびこの
    導入部近傍に配置する1価または2価の金属イオン放出
    部とこの放出部より放出された金属イオンと中性活性種
    との付加イオン放出部を設け、さらに質量分析装置を備
    えてなることを特徴とする中性活性種の検出装置。
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