JP4408507B2 - ハロゲン化化合物の質量分析装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ハロゲン化化合物の質量分析装置に関し、特に、質量分析の目的でハロゲン化化合物をイオン化させるにあたってイオン付着法を利用するソフトイオン化技術を適用したハロゲン化化合物の質量分析装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
CF4 ,C4 F8 等のPFC(Perfluoro compounds :全フッ化化合物)、CHF3 などのHFC(Hydrofluoro Carbon:フッ化炭素水素)、SF3 、NF3 等のガスは、各種の産業で利用されている。これらのフッ化化合物は非常に安定であるが、地球温暖化に及ぼす影響は非常に大きく、世界的な規模でその排出量削減が叫ばれている。特に半導体・電子部品製造装置では、これらのガスが必然的に分解され、排出される。このため、どのような種類の成分のガスがどれだけの量で排出されているかを正確に測定することが現在重視されている。
【0003】
従来、一般的に、ガスの成分や量の測定では質量分析法が利用されていた。質量分析法はガスの質量(あるいは分子量)を計測してガスの成分を特定し、かつガス量を測定する方法である。質量分析法では、電気的に中性なガス分子に正電荷または負電荷を与えてイオン化し、その後、ガス分子を特定な電界または磁界の空間に導き入れ、イオンに及ぶ電気力または磁気力を変化させ、質量を横軸、イオン量を縦軸とした質量スペクトルを得る。質量分析法としては、従来、利用されるイオン化の手段に応じて(1)電子衝撃を利用する方法、(2)電子付着を利用する方法、(3)正イオン付着を利用する方法が存在している。以下に、各質量分析法を概説し、その問題点を指摘する。
【0004】
(1)電子衝撃質量分析法:
電子衝撃(EI:Electron Impact)を利用する質量分析法では、例えば50〜100eV程度のエネルギを有した電子をガス分子に衝突させ、ガス分子から電子を除去してガス分子を正のイオンにする。この方法は、装置が簡単であることからもっとも一般的に利用されている。
【0005】
(2)電子付着質量分析法:
この質量分析法は近年になって開発されてきた方法であり、電子付着(EA:Electron Attachment )の作用を利用する。つまり、10eV以下の低エネルギを有する電子をガス分子に付着させ、ガス分子を全体として負に帯電させ、イオン化する。この方法は、電子衝撃に比較して余剰エネルギが少なく、解離が少ないという利点を有する。この方法は、本来、フッ化化合物の正確な質量分析を目指して開発された方法である。従来の技術文献として、応用物理、第68巻、第10号、1148頁(1999)、およびReview of Scientific Instrument Vol.69No.1 P116 (1998)を挙げることができる。
【0006】
(3)正イオン付着質量分析法:
この質量分析法は、前述の電子付着の代わりに、正イオンをガス分子に付着させてイオン化する方法(IA:Ion Attachment)である。この方法は比較的に古くからあるもので、主に有機分析の分野で利用されてきた。この方法は、解離を生じることなくガス分子の質量分析を正確に行うことを目的とする。アルカリ金属による正電荷の金属イオンを利用した方法が有効であり、実際に電子親和力の小さな炭化水素物などで有効性が確認されている。今までHodge (ホッジ)、Bombick (ボミビック)、藤井等によって提案された各種の方式がある。次に各方式を概説する。
【0007】
Hodge の方式は、文献Analytical Chemistry(アナリティカル・ケミストリ)vol.48 No.6 P825 (1976) に記載される。Hodge によって提案される方式はアルカリ金属のイオンとしてLi+ を利用する。Li+ はLi酸化物を含むエミッタを加熱することによって発生させられる。エミッタから発生したLi+ は飛行領域を移動した後に検出対象のガス分子が存在する反応室へ導かれる。従ってエミッタは反応室の外の領域に設置される。反応室でイオン化が行われる。イオン化の結果Li+ が付着したガス分子は反応室から引き抜かれ、質量分離のための四重極型質量分析計に輸送される。この方式は被検出ガス分子にLi+ を付着させる方法として間接付着法である。この方式では、直接付着法は困難であることが言及されている。間接付着法はLi+ を最初に反応ガスに付着させ、その後に、Li+ 付き反応ガスから被検出ガスにLi+ を転移させる方法である。直接付着法は、反応ガスを介在させることなくLi+ を直接に被検出ガス分子に付着させる方法である。上記文献では実施データを示して上記のごとく間接付着方法であることを説明している。その理由として、被検出ガスによる感度(正イオンの付着しやすさ)の差が少ないこと、解離が少ないことを挙げている。これに対して直接付着法として用いる場合、被検出ガスをフッ化化合物等とするとき、解離が発生するので、困難であることを明示している。上記の構成において反応室には多量の反応ガス(イソブタンなどの炭化水素)が導入されている。
【0008】
Bombick の方式は文献Analytical Chemistry vol.56 No.3 P396 (1984)に記載される。Bombick によって提案される方式はアルカリ金属のイオンとしてK+ を利用する。K酸化物を含むエミッタは反応室に設置される構成を採用する。反応室には被検出ガスのみが導入され、他の反応ガスは導入されない。従って反応室においてエミッタから放出されたK+ は直接に被検出ガスの分子に付着する。すなわちBombick の方式は直接付着法である。
【0009】
藤井の方式は、アルカリ金属イオンとしてLi+ を使用し、Li酸化物を含むエミッタは反応室内に設置され、エミッタの背後にはイオン押出し用リペラが配置されている。反応室には不活性ガス(He,N2 )と共に被検出ガスが導入される。反応室内の圧力は例えば133Pa程度の高い圧力に設定されている。この方式では反応室に反応ガスの代わりに不活性ガスを導入しているので、直接付着法となっている。藤井の方式は、例えば文献Analytical Chemistry vol.64 No.7 P775 (1992)、Journal of Applied Physics vol.82 No.5 P2095 (1997) などに記載される。この方式によれば、反応室における被検出ガスの濃度を低くかつ不活性ガスの圧力を高くすることにより、高いエミッタ電位であっても、被検出ガスの解離やクラスタの発生を防止することができる。藤井の方式はBombick 式と同様に直接付着法である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
(1)電子衝撃質量分析法の問題点:
この方法は、電子衝撃が物理的作用であり、検出対象に高いエネルギを与える。従ってフッ化化合物等のハロゲン化化合物のガス分子に電子衝撃法を用いると、通常、ガス分子内での各原子の結合エネルギが小さいので、電子衝撃の余剰エネルギが原因となってイオン化と共にガス分子が破片分子に解離される。そのため質量スペクトルにおいて解離しなかったガス分子によるピークを分子ピーク(または親ピーク)と呼び、解離した破片分子によるピークをフラグメント(破片分子)ピークと呼ぶが、上記ハロゲン化化合物のごとき多原子分子では解離のためフラグメントピークが出現し、本来の分子ピークをほとんど観測することができない。図4に、フッ化化合物であるC4 F8 の分子を70eVの電子エネルギによる電子衝撃でイオン化して得た質量スペクトルの例を示す。図4で、横軸は質量を意味し、縦軸はイオン量を意味する。C4 F8 分子の質量は200amu(原子質量単位)であるが、質量スペクトルでは分子ピークはほとんど現れず、C3 F5 ,C2 F4 ,CF等のフラグメントピークのみが現れる。従来では、これらのフラグメントピークの出現状況に基づいて本来の分子ピークすなわち分子の質量とその量を推測するようにしていた。このように電子衝撃による質量分析法ではハロゲン化化合物の正確な質量分析を行うことは困難であった。
【0011】
(2)電子付着質量分析法の問題点:
この方法は、現在のところ、実際にハロゲン化化合物で実用レベルの計測感度を達成している。電子衝撃を利用する方法に比較すると、確かに解離が少ない。しかしながら、それでも解離を十分に抑制することはできない。電子付着質量分析法によってもハロゲン化化合物の正確な質量分析は困難である。
【0012】
(3)正イオン付着質量分析法の問題点および課題:
この方法には、前述のごとく、Hodge 式、Bombick 式、藤井式と各種の付着方式がある。Hodge 式はその実施データに示すごとく間接付着法である。Hodge 式の場合、直接付着法は、フッ化化合物を使用すると、Li+ 付着に伴い解離が生じ、Li+ は解離後のフラグメントにしか付着しないので、検出対象であるガス分子の分子ピークを正確に測定することができない。またBombick 式では、エミッタの電位が高くなる(5V以上)場合には被検出ガスが反応することによる解離が発生し、さらに被検出ガスの濃度が高くなることから被検出ガス同士が結合して形成されるクラスタが発生しやすくなるという問題が起きる。加えてエミッタダメージの問題、すなわちエミッタ表面で解離した活性なフラグメントによりエミッタが大きなダメージが受けるという問題も起きる。上記の方式に対して、藤井式は、正イオン付着質量分析法に関する上記の諸問題を解消した構成上の利点を有しており、炭化水素やそのラジカル等の不安定な分子の正確な測定を可能にしている。さらに藤井式は、大気圧下の反応室でイオン付着を行う発明(特公平7−48371号)や中性活性種にイオンを付着させる発明(特開平6−11485号)などに発展・応用されている。しかしながら、藤井式の正イオン付着法は、今だ、前述したごとき地球温暖化に大きな影響を及ぼすフッ化化合物を含むハロゲン化化合物の排出量測定のための質量分析に応用されていない状況にある。
【0013】
本発明の目的は、上記の問題・課題に鑑み、藤井式の正イオン付着法をハロゲン化化合物の質量分析に応用し、地球温暖化に大きな影響を及ぼすフッ化化合物等を正確に測定できるハロゲン化化合物の質量分析装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段および作用】
本発明に係るハロゲン化化合物の質量分析装置は、上記の目的を達成するために、次のように構成される。以下では、まず発明の原理を説明し、次に発明の構成手段と作用を説明する。
【0015】
[発明の原理]
従来フッ化化合物には電子が付着しやすい(電子親和力が大きい)ことがよく知られていたので、フッ化化合物の実際の測定には電子付着質量分析方法が適用されていた。同時に一般的に「負電荷である電子が付着しやすいフッ化化合物には、正電荷である正イオンは付着しにくい」と漠然と考えられていた。これは、通常負イオンであるF- に比べてF+ が圧倒的に少ないという事実からもほぼ常識化していた。そのため、フッ化化合物へ正イオン付着質量分析法を適用することは、質量分析法に関わる一般の人々には想定さえもされなかった。
【0016】
しかし、本発明者が厳密に検討した結果、正イオン付着質量分析法がフッ化化合物へ適用可能であることが予測された。適用可能であることの正確な説明は、スーパーコンピュータによる理論計算の結果からなされるべきものである。しかしごく簡単には、化合物の電子分布が片寄っているため、負電荷が付着しやすい場所の反対側は正電荷が付着しやすくなっている、とのイメージで説明される。つまり正イオンの付着しやすさは、電子分布の片寄りによって決まるものであり、電子の付着しやすさに反比例するものではない。従って電子の付着しやすいフッ化化合物に対しても正イオンが十分に付着することが予測された。
【0017】
また前述のHodgeの文献から明らかなように、基本的に正イオン付着質量分析法がフッ化化合物に適用できることの認識が示唆されている。しかしその場合には、前述のごとく、直接付着法をフッ化化合物に適用するとき解離が発生することから困難であり、反応ガスを利用した間接付着法が実現可能であると理解されていた。
【0018】
上記に対して、本発明者は、直接付着法におけるフッ化化合物の解離発生が原理的に不可避な現象であるとは考えなかった。その理由は次の通りである。
【0019】
Hodge式では、エミッタの設置領域の圧力が10-3Paと低いので、エミッタから放出されたLi+ は雰囲気ガスによるエネルギ吸収(並進エネルギの低減)なしに飛行する。また反応室の圧力は1.3Paと高めになっているが、この圧力の平均自由工程は5mm程度であって、衝突によるエネルギ吸収はほとんど期待できない。従って、Li+ は被検出ガスへ1〜2eVもの高いエネルギで衝突することになり、解離が発生しやすくなっている。ちなみに高エネルギ衝突のため、衝突後に再び脱離しない確率(付着効率)も大幅に劣化している。
【0020】
さらにLi+ が付着した後の分子には余剰なエネルギが発生する。Li+ 付着により分子全体としてはエネルギ的に安定化する。すなわち内部エネルギが低い状態となる。付着の前・後の内部エネルギ差が余剰エネルギとなり、これが解離を引き起こすことになる。特に直接付着法ではこの余剰エネルギが大きい。しかもHodge式では反応室の圧力は1.3Paと十分に高くないので、余剰エネルギは雰囲気ガスに発散・吸収されることなく分子内に残り、解離を発生させる。
【0021】
つまりHodge式による直接付着法でフッ化化合物などで解離が発生しているのは、エミッタの設置領域と反応室の圧力が十分に高くないためである、と本発明者は判断した。従って、本発明者は、エミッタの設置領域と反応室の圧力を十分に高くすることによって、エミッタの設置領域ではLi+ の並進エネルギの低減、反応室ではLi+ 付き被検出ガスの余剰エネルギ発散が期待され、解離なしにフッ化化合物の測定が可能であると判断した。エミッタの設置領域と反応室の圧力を十分に高くする構成は、まさに藤井式の正イオン付着質量分析法と実質的に同一のものであると予測された。
【0022】
そこで本発明者は、藤井式の正イオン付着質量分析法がフッ化化合物へ適用可能であるという予測を確認するため、次のような実験を行った。被検出ガスを代表的なPFC(全フッ化化合物)のC4 F8 とし、正イオンをLi+ とし、反応室の圧力を133Paとし、不活性ガスはN2 とした。装置の構成は第2の実施形態として詳述される。測定実験の結果として図3の質量スペクトルで示されるごとくC4 F8 Li+ の207amu、N2 の分子ピークに対応するN2 Li+ の35amu、不純物としてのガスに混入していたH2 Oの分子ピークに対応するH2 OLi+ の25amu、および末付着のLi+ の7amuのピークのみが出現し、フラグメントピークは全く出現しなかった。すなわち正イオン付着質量分析法をフッ化化合物に用いても解離を生じることなしに被検出ガスのガス分子の質量が正確に測定されていることが確認された。なお133amuはエミッタ自体に含まれていた不純物のCsである。なおエミッタの設置領域と反応室の圧力を高くすることに関しては望ましい条件であるが、将来的な発展を考慮すると必然的な条件ではなく、例えば電気的な反応支援条件を与えると、相対的に低い圧力条件でフッ化化合物へ正イオン付着を行って質量分析を行うことが可能であると考えられる。
【0024】
[発明の構成]
本発明に係るハロゲン化化合物の質量分析装置は次のように構成される。
請求項1:
金属イオンを放出するエミッタと、
被検出ガスが導入されかつ金属イオンによって被検出ガスがイオン化される反応室と、
エミッタと反応室との間に位置し、エミッタから放出された金属イオンが反応室に向かって飛行する空間である飛行領域と、
イオン化された被検出ガスの分子を誘導する電磁気的誘導部と、
この誘導部で誘導された分子を測定する質量分析計と、
被検出ガスを反応室に供給する第1ガス供給源と、
被検出ガスに比べて金属イオンが付着しにくいガスを反応室および飛行領域に供給する第2ガス供給源と、を備え、
第1ガス供給源から供給される被検出ガスはハロゲン化化合物であり、
第2ガス供給源は、金属イオンが付着しにくいガスを、反応室および飛行領域のいずれにも直接供給可能なガス導入手段を有するように構成されている。
上記構成の装置によれば、正イオン付着法をハロゲン化化合物の質量分析に応用し、フッ化化合物等を正確に測定することが可能となる。
請求項2:上記の質量分析装置において、好ましくは、飛行領域および反応室は、それぞれ異なる真空ポンプによって真空排気可能に構成されている。
請求項3:上記の質量分析装置において、好ましくは、金属イオンが付着しにくいガスはHe,Ar,Ne,H2 ,N2 のうちのいずれかである。金属イオンが付着しにくいガスとしては安定な性質を有する不活性ガスが望ましい。
請求項4:上記の各質量分析装置において、好ましくは、反応室の内部圧力を所定の高圧に調整する圧力調整手段を備え、圧力調整手段により反応室の内部圧力はガスによって高圧に保持されることを特徴とする。このような圧力条件を設定することによって金属イオンをハロゲン化化合物の分子に直接に付着させることが容易となり、解離等を防ぎ、実用的な装置となる。
請求項5:上記の各質量分析装置において、好ましくは、反応室の内部圧力は10Pa以上であることを特徴とする。上記の高圧としては、10Pa以上が望ましく、さらに100Pa以上が望ましい。
請求項6:上記の各質量分析装置において、好ましくは、金属イオンが反応室に入射するまでに飛行する領域に対しても第2ガス供給源からガスを供給し、当該領域の圧力を10Pa以上に設定する。
請求項7:上記の各質量分析装置において、好ましくは、ハロゲン化化合物はC原子とF原子を含むことを特徴とする。
請求項8:上記の各質量分析装置において、好ましくは、金属イオンはLi,K,Na,Rb,Cs,Al,Ga,Inのうちのいずれかであることを特徴とする。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の好適な実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0026】
図1は本発明に係る質量分析装置の第1の実施形態を示す。この第1実施形態の質量分析装置はエミッタ部分と反応室が分離された構成を有する。
【0027】
最初に構成を説明する。図1において、装置容器11の内部には、左端部に例えばLi酸化物を含むエミッタ12が設けられる。エミッタ12にはエミッタ加熱制御電源13とエミッタ電位制御電源14が付設されている。エミッタ12の背後にはリペラ15が配置され、このリペラ15にはリペラ電位制御電源16が付設されている。エミッタ12の右方に位置するエミッタ前側空間にはエミッタ用レンズ17が配置される。このエミッタ用レンズ17にも同様にレンズ電位制御電源18が付設されている。エミッタ用レンズ17の右方にLi+ 飛行領域19が設けられ、さらに反応室20が設けられている。従って、この質量分析装置では、エミッタ12の設置領域と反応室20が分離された構造となっている。反応室20は装置容器11の左側内部空間11Aで隔離された反応空間を形成するべく設けられている。この左側内部空間11Aは、エミッタ設置領域とLi+ 飛行領域19を含んでいる。反応室20では、エミッタ側の壁部とその反対側の壁部とにそれぞれLi+ 導入孔20aおよびLi+ 付きガス分子を引き出す引出し孔20bが形成されている。また反応室20には試料ガス供給源21とN2 ガス供給源22が配管21a,22aによって接続されている。試料ガス供給源21は試料ガスとしてハロゲン化化合物である被検出ガスを配管21aを通して反応室20に供給する。N2 ガス供給源22は不活性ガスであるN2 ガスを配管22aを通して反応室20に供給する。なおN2 ガス供給源22はN2 ガスを配管22aを通してLi+ 飛行領域19にも供給する。なお反応室20に導入される不活性ガスとしてN2 ガスを利用したが、これに限定されるものではない。
【0028】
上記構成において、左側内部空間11A(特にLi+ 飛行領域19)に対しては当該空間を所定の圧力状態に排気するための真空ポンプ23が設けられ、反応室20に対しては、電位制御電源24と、その内部圧力を所定の圧力状態に排気するための真空ポンプ25が設けられている。
【0029】
図1において反応室20の右方には第1アパーチャ26と第2アパーチャ27が設けられる。第1アパーチャ26と第2アパーチャ27は所要の距離で離されて配置され、両者の間に空間(領域)28が形成されている。この空間28に対しては排気のための真空ポンプ30が付設されている。また第1と第2のアパーチャ26,27のそれぞれには電位制御電源31,32が設けられている。
【0030】
第2アパーチャ27の右方には、さらに集束レンズ33、四重極型質量分析計34が配置される。集束レンズ33には集束レンズ電位制御電源35が付設され、四重極型質量分析計34には四重極型質量分析計制御電源36が付設される。第2アパーチャ27から四重極型質量分析計34までの空間11Bを排気する真空ポンプ37が付設されている。
【0031】
次に上記装置の動作条件および作用を説明する。エミッタ加熱制御電源13により例えば600℃程度に加熱されたエミッタ12から表面電離作用によりイオン化されたLi+ が直接放出される。放出されたLi+ は、(1)エミッタ電位制御電源14により印加されたエミッタ12の電位、(2)リペラ電位制御電源16により印加されたリペラ15の電位、(3)エミッタ用レンズ電位制御電源18により印加されたエミッタ用レンズ17の電位、(4)反応室電位制御電源24により印加された反応室20の電位、の4つの電位によって決められる電界に基づいてLi+ 飛行領域19を反応室20に向って飛行する。
【0032】
Li+ 飛行領域19であるエミッタ12と反応室20の間の装置容器11の軸方向の距離は例えば70mm程度である。エミッタ12の電位は例えば160V、反応室20の電位は例えば60Vとなっている。Li+ 飛行領域19の圧力は、N2 ガス供給源22からN2 ガスをLi+ 飛行領域19に導入する配管22aを経て導入されるN2 ガスの流量と、Li+ 飛行領域19を排気する真空ポンプ23の排気速度により決められ、10Pa以上、好ましくは100Pa以上に設定される。この実施形態では例えば100Pa程度に調整されている。
【0033】
100Paの圧力では、イオンが雰囲気ガスであるN2 と衝突せずに進むことのできる平均自由行程はほぼ70μm程度である。従って、Li+ がエミッタ12から反応室20まで飛行する間にLi+ はN2 と1000回(=70mm÷70μm)程度も衝突する。Li+ がN2 と衝突すると、大雑把にみれば、Li+ は並進エネルギを失って停止すると考えられる。従ってLi+ は70μmごとの進行・停止を1000回繰り返すことになる。つまりLi+ がN2 に衝突するときの並進エネルギは最大値であっても僅かに0.1eV(=(160V−60V) ÷1000)にしかならない。
【0034】
リペラ15とエミッタ用レンズ17の電位はそれぞれ例えば150V、50V程度とする。これらは、Li+ を集束させてできるだけ多くのLi+ を反応室20内に打ち込むように調整される。これらは前述の軸方向の並進エネルギには影響しないので、Li+ の衝突エネルギにはほとんど関係しない。
【0035】
反応室20の軸方向の厚み(幅)は10mm程度である。反応室20内の圧力は、試料ガス供給源21とN2 ガス供給源22から反応室20にそれぞれ供給される試料ガスとN2 ガスの流量と、反応室20を排気する真空ポンプ25の排気速度とにより決められる。反応室20の内部圧力は10Pa以上、好ましくは100Pa以上に設定される。この実施形態では、例えば133Pa程度に調整されている。また反応室20における被検出ガスのN2 ガスに対する濃度が好ましくは0.1%程度となるように、試料ガスとN2 ガスの流量割合が調整されている。
【0036】
反応室20に打ち込まれるLi+ は最大でも0.1eVの低い並進エネルギしか持たないこと、および反応室20内には強い電界が存在しないことにより、反応室内でのLi+ の動きは熱によるランダムな運動が主となる。従ってLi+ はN2 ガスや被検出ガスと非常に多くの衝突を繰り返す。1個のLi+ は主成分であるN2 ガスとは1秒間に107 回、0.1%濃度の被検出ガスとは104 回も衝突する。しかも、その平均衝突エネルギは、気体分子運動論によれば熱エネルギによる0.04eVしかない。このような衝突ではLi+ は被検出ガスに効率よく付着し、しかも衝突時に解離を発生させない。
【0037】
Li+ が付着したLi+ 付き被検出ガスは内部エネルギ差による余剰エネルギを持っており、これをそのままにしていると解離が発生する。しかし、Li+ 付き被検出ガスは多数のN2 ガスと低エネルギ衝突を繰り返すので、N2 ガスがエネルギを吸収してくれ、Li+ 付き被検出ガスの余剰エネルギの発散が達成される。これにより安定なLi+ 付き被検出ガスとなり、解離することなく存在し得ることになる。
【0038】
安定したLi+ 付き被検出ガスは、第1アパーチャ電位制御電源31により印加された第1アパーチャ26の電位に引かれて反応室20から引き出され、第1アパーチャ26に向って飛行する。反応室20と第1アパーチャ26の間の軸方向の距離は例えば30mm程度であり、第1アパーチャ26の電位は例えば10Vとなっている。Li+ 付き被検出ガスは、Li+ 飛行領域19でのLi+ と同じように0.1eV程度の低いエネルギでN2 ガスと衝突しながら進行するが、この程度のエネルギでは解離やLi+ の脱離は発生しない。
【0039】
第1アパーチャ26の孔付近(エミッタ側)ではN2 ガスなどが圧力の低い第2アパーチャ27の方向へ流れ込んでいる。そのため、第1アパーチャ26の孔付近にまで飛行してきたLi+ 付き被検出ガスは、この流れに巻き込まれて第1アパーチャ26の孔を通過し、第1アパーチャ26と第2アパーチャ27の間の領域(空間28)に達する。その後、Li+ 付き被検出ガスは、第1アパーチャ26の電位と第2アパーチャ27の電位によって決められた電界により、第2アパーチャ27に向って飛行する。
【0040】
第1アパーチャ26と第2アパーチャ27の間の軸方向の距離は例えば20mm程度、第2アパーチャ27の電位は−100Vとなっている。第1アパーチャ26と第2アパーチャ27の間の空間28の圧力は、第1アパーチャ26の孔から流れ込む流量と空間28を排気する真空ポンプ30の排気速度で決められ、概ね10-1Pa以下となるように設計されている。10-1Paの平均自由行程は70mm程度となるので、Li+ 付き被検出ガスは雰囲気ガスに衝突せずに110V(=10−(−100)V)の並進エネルギで第2アパーチャ28まで到達する。
【0041】
第1アパーチャ26の孔付近ではガスの流れに巻き込まれて移動したLi+ 付き被検出ガスも第1アパーチャ26以降ではガスの流れとは無関係に電界のみによって移動する。すなわち第1アパーチャ26以降のLi+ 付き被検出ガスの動きは、通常のEI法での質量分析計とほぼ同じである。Li+付き被検出ガスは、第2アパーチャ27を通過した後、集束レンズ電位制御電源35により制御された集束レンズ33により集束され、四重極型質量分析計34へ輸送される。四重極型質量分析計34は、四重極型質量分析計制御電源36により制御され、Li+ 付き被検出ガスを含む試料ガスを質量分析する。
【0042】
第1アパーチャ26以降でガスとの衝突がないということは、たとえ途中の領域に電位の変化があっても、最終的に四重極型質量分析計34に入射する並進エネルギは第1アパーチャ26を出た時の並進エネルギに等しいことを意味している。また四重極型質量分析計34にて質量分析が可能なイオンの並進エネルギは、5〜15eVであることが知られていている。本実施形態では、第1アパーチャ26の電位が10Vであるので、四重極型質量分析計34に入射するLi+ 付き被検出ガスのイオンの並進エネルギは10eVとなり、正常に質量分析を行うことができる。
【0043】
第2アパーチャ27以降の集束レンズ33と四重極型質量分析計34が存する空間11Bの圧力は、第2アパーチャ28の孔から流れ込む流量と第2アパーチャ28からの四重極型質量分析計34までの空間11Bを排気する真空ポンプ37の排気速度で決められ、概ね10-3Pa以下となるように設計されている。このため、Li+ 付き被検出ガスが雰囲気ガスと衝突するのを防止するだけでなく、四重極型質量分析計34をハロゲン化合物による汚染なしに長時間安定動作させることができる。
【0044】
次に図2を参照して本発明に係る質量分析装置の第2の実施形態を説明する。この第2実施形態の質量分析装置はエミッタ部分と反応室が一体的となった構成を有する。つまり第1実施形態で説明されたエミッタの設置領域とLi+ 飛行領域と反応室とが一体化されている。従って反応室は特別に設けられていない。その他の構成は第1実施形態の構成と同じである。図2に示された要素について第1実施形態で説明した要素には同一の符号を付して説明を行う。左側内部空間11Aにおいて、前述の反応室20と、これに関連する真空ポンプ25等は除かれており、試料ガス供給源21とN2 ガス供給源22はそれぞれ配管21a,22aを介して直接に試料ガスおよびN2 ガスをLi+ 飛行領域19に導入している。エミッタ12、リペラ15、エミッタ用レンズ17、Li+ 飛行領域19を含む空間等の条件は第1実施形態で説明したものと実質的に同じである。
【0045】
上記の第2実施形態によれば、反応室に関連する構成を省略することができるので、装置の構成を簡略でき、製作コストを低減できる。
【0046】
図3に本発明の第2実施形態による装置を利用して行った測定実験の結果得られた質量スペクトルを示す。この図3において横軸は質量を意味し、縦軸はイオン量を意味する。この測定実験では、被検出ガスをC4 F8 、正イオンをLi+ 、反応室内の圧力を133Pa、不活性ガスはN2 とした。得られた質量スペクトルでは、C4 F8 Li+ (207amu)、N2 の分子ピークに対応するN2 Li+ (35amu)、不純物としてのガスに混入していたH2 Oの分子ピークに対応するH2 OLi+ (25amu)、および末付着のLi+ (7amu)のピークのみが出現した。すなわち正イオン付着質量分析法をフッ化化合物に用いても、解離を生じることなしに被検出ガスのガス分子の質量を正確に測定することが確認された。なお133amuはエミッタ自体に含まれていた不純物のCsである。
【0047】
前述の実施形態は次のように変形することができる。上記の実施形態では、被検出ガスとして代表的PFCであるC4 F8 としたが、本発明としてはPFCに限られることなく、大きな電子親和力などPFCと同様の特性を持つSF6 ・NF3 などを含むすべてのフッ化化合物に適用できる。さらにはフッ化化合物と同様の特性を持つすべてのハロゲン化化合物にも適用できる。
【0048】
上記の実施形態では、付着する領域の雰囲気の主成分として最も一般的なN2 としたが、本発明としてはN2 に限られることなく、金属イオンが付着しにくいHe,Ar,Ne,H2 などに適用できる。さらには、被検出ガスに比べて金属イオンが付着しにくいどんなガスにでも適用できる。
【0049】
上記の実施形態では、金属イオンとして最も軽いLi+ を用いたが、本発明としてはLi+ に限られることなく、金属イオンとして扱いやすいK+ ,Na+ ,Rb+ ,Cs+ ,Al+ ,Ga+ ,In+ などを用いることができる。さらにはハロゲン化化合物に付着し得るどのような正の金属イオンにでも適用できる。
【0050】
本発明におけるガス供給配管と真空ポンプの数・配置は以上の実施形態に限定されない。金属イオンの飛行領域と付着反応領域での圧力が10Pa以上、好ましくは100Pa以上であればどんなものでも適用できる。またこれらの圧力も、必要な測定性能が得られる範囲であれが10Paより小さい圧力であってもかまわない。さらに反応領域で直接的なイオン付着を電気または磁気的な条件で促進することができるのであれば、反応領域での圧力条件も10Paより小さい低圧に設定することができる。さらに上記実施形態では、質量分析方法および分析装置として四重極型質量分析計を用いたが、本発明としてはこれに限られることなく、イオントラップ(3次元)型質量分析計、磁場セクター型質量分析計、TOF(飛行時間)型質量分析計などを用いることができる。
【0051】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように本発明によれば、質量分析方法および質量分析装置において藤井式の正イオン付着法を応用して試料ガスであるガス分子をイオン化し質量分析を行うように構成したため、フッ化化合物等のハロゲン化化合物を直接付着法によって解離等を生じさせることなくイオン化することが可能となり、質量分析で得られた質量スペクトルにおいて測定対象であるハロゲン化化合物の分子ピークを正確に観察することができ、地球温暖化に大きな影響を及ぼすフッ化化合物等を正確に測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示す構成図である。
【図2】本発明の第2実施形態を示す構成図である。
【図3】本発明に係る質量分析方法で得た質量スペクトルの一例を示す図である。
【図4】電子衝撃法でイオン化する質量分析方法で得た質量スペクトルの一例を示す図である。
【符号の説明】
11 装置容器
12 エミッタ
15 リペラ
17 エミッタ用レンズ
19 飛行領域
20 反応室
21 試料ガス供給源(第1ガス供給源)
22 N2 ガス供給源(第2ガス供給源)
34 四重極型質量分析計
Claims (8)
- 金属イオンを放出するエミッタと、
被検出ガスが導入されかつ前記金属イオンによって前記被検出ガスがイオン化される反応室と、
前記エミッタと前記反応室との間に位置し、前記エミッタから放出された前記金属イオンが前記反応室に向かって飛行する空間である飛行領域と、
イオン化された前記被検出ガスの分子を誘導する電磁気的誘導部と、
この誘導部で誘導された前記分子を測定する質量分析計と、
前記被検出ガスを前記反応室に供給する第1ガス供給源と、
前記被検出ガスに比べて前記金属イオンが付着しにくいガスを前記反応室および前記飛行領域に供給する第2ガス供給源と、を備え、
前記第1ガス供給源から供給される前記被検出ガスはハロゲン化化合物であり、
前記第2ガス供給源は、前記金属イオンが付着しにくいガスを、前記反応室および前記飛行領域のいずれにも直接供給可能なガス導入手段を有することを特徴とするハロゲン化化合物の質量分析装置。 - 前記飛行領域および前記反応室は、それぞれ異なる真空ポンプによって真空排気可能に構成されていることを特徴とする請求項1記載のハロゲン化化合物の質量分析装置。
- 前記金属イオンが付着しにくい前記ガスはHe,Ar,Ne,H2,N2のうちのいずれかであることを特徴とする請求項1または2に記載のハロゲン化化合物の質量分析装置。
- 前記反応室の内部圧力を所定高圧に調整する圧力調整手段を備え、前記反応室の内部圧力は前記ガスによって前記所定高圧に保持されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のハロゲン化化合物の質量分析装置。
- 前記反応室の内部圧力は10Pa以上であることを特徴とする請求項4記載のハロゲン化化合物の質量分析装置。
- 前記金属イオンが前記反応室に入射するまでに飛行する領域にも前記第2ガス供給源から前記ガスを供給し、前記領域の圧力を10Pa以上とすることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のハロゲン化化合物の質量分析装置。
- 前記ハロゲン化化合物はC原子とF原子を含むことを特徴とする請求項1記載のハロゲン化化合物の質量分析装置。
- 前記金属イオンはLi,K,Na,Rb,Cs,Al,Ga,Inのうちのいずれかのイオンであることを特徴とする請求項1記載のハロゲン化化合物の質量分析装置。
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