JP2001174437A - ハロゲン化化合物の質量分析方法および質量分析装置 - Google Patents
ハロゲン化化合物の質量分析方法および質量分析装置Info
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Abstract
質量分析に応用し、地球温暖化に大きな影響を及ぼすフ
ッ化化合物等を正確に測定できるハロゲン化化合物の質
量分析方法および質量分析装置を提供する。 【解決手段】金属イオンを放出するエミッタ12と、被
検出ガスが導入されかつ金属イオンによって被検出ガス
がイオン化される反応室20と、イオン化された被検出
ガスの分子を誘導するアパーチャ26,27等と、誘導
された分子を測定する質量分析計34を備える。エミッ
タから放出された金属イオンを反応室に飛行させてここ
でイオン化が行われる。被検出ガスはハロゲン化化合物
である。このハロゲン化化合物を反応室に供給する試料
ガス供給源21と、反応室へハロゲン化化合物に比べて
金属イオンが付着しにくいガス(N2 等)を供給するN
2 ガス供給源22が備えられる。
Description
の質量分析方法および質量分析装置に関し、特に、質量
分析の目的でハロゲン化化合物をイオン化させるにあた
ってイオン付着法を利用するソフトイオン化技術を適用
したハロゲン化化合物の質量分析方法および質量分析装
置に関する。
o compounds :全フッ化化合物)、CHF3 などのHF
C(Hydrofluoro Carbon:フッ化炭素水素)、SF3 、
NF3等のガスは、各種の産業で利用されている。これ
らのフッ化化合物は非常に安定であるが、地球温暖化に
及ぼす影響は非常に大きく、世界的な規模でその排出量
削減が叫ばれている。特に半導体・電子部品製造装置で
は、これらのガスが必然的に分解され、排出される。こ
のため、どのような種類の成分のガスがどれだけの量で
排出されているかを正確に測定することが現在重視され
ている。
は質量分析法が利用されていた。質量分析法はガスの質
量(あるいは分子量)を計測してガスの成分を特定し、
かつガス量を測定する方法である。質量分析法では、電
気的に中性なガス分子に正電荷または負電荷を与えてイ
オン化し、その後、ガス分子を特定な電界または磁界の
空間に導き入れ、イオンに及ぶ電気力または磁気力を変
化させ、質量を横軸、イオン量を縦軸とした質量スペク
トルを得る。質量分析法としては、従来、利用されるイ
オン化の手段に応じて(1)電子衝撃を利用する方法、
(2)電子付着を利用する方法、(3)正イオン付着を
利用する方法が存在している。以下に、各質量分析法を
概説し、その問題点を指摘する。
I:Electron Impact)を利用する質量分析法では、例え
ば50〜100eV程度のエネルギを有した電子をガス
分子に衝突させ、ガス分子から電子を除去してガス分子
を正のイオンにする。この方法は、装置が簡単であるこ
とからもっとも一般的に利用されている。
法は近年になって開発されてきた方法であり、電子付着
(EA:Electron Attachment )の作用を利用する。つ
まり、10eV以下の低エネルギを有する電子をガス分
子に付着させ、ガス分子を全体として負に帯電させ、イ
オン化する。この方法は、電子衝撃に比較して余剰エネ
ルギが少なく、解離が少ないという利点を有する。この
方法は、本来、フッ化化合物の正確な質量分析を目指し
て開発された方法である。従来の技術文献として、応用
物理、第68巻、第10号、1148頁(1999)、およびRevi
ew of Scientific Instrument Vol.69No.1 P116 (1998)
を挙げることができる。
分析法は、前述の電子付着の代わりに、正イオンをガス
分子に付着させてイオン化する方法(IA:Ion Attach
ment)である。この方法は比較的に古くからあるもの
で、主に有機分析の分野で利用されてきた。この方法
は、解離を生じることなくガス分子の質量分析を正確に
行うことを目的とする。アルカリ金属による正電荷の金
属イオンを利用した方法が有効であり、実際に電子親和
力の小さな炭化水素物などで有効性が確認されている。
今までHodge (ホッジ)、Bombick (ボミビック)、藤
井等によって提案された各種の方式がある。次に各方式
を概説する。
ry(アナリティカル・ケミストリ)vol.48 No.6 P825
(1976) に記載される。Hodge によって提案される方式
はアルカリ金属のイオンとしてLi+ を利用する。Li
+ はLi酸化物を含むエミッタを加熱することによって
発生させられる。エミッタから発生したLi+ は飛行領
域を移動した後に検出対象のガス分子が存在する反応室
へ導かれる。従ってエミッタは反応室の外の領域に設置
される。反応室でイオン化が行われる。イオン化の結果
Li+ が付着したガス分子は反応室から引き抜かれ、質
量分離のための四重極型質量分析計に輸送される。この
方式は被検出ガス分子にLi+ を付着させる方法として
間接付着法である。この方式では、直接付着法は困難で
あることが言及されている。間接付着法はLi+ を最初
に反応ガスに付着させ、その後に、Li+ 付き反応ガス
から被検出ガスにLi+ を転移させる方法である。直接
付着法は、反応ガスを介在させることなくLi+ を直接
に被検出ガス分子に付着させる方法である。上記文献で
は実施データを示して上記のごとく間接付着方法である
ことを説明している。その理由として、被検出ガスによ
る感度(正イオンの付着しやすさ)の差が少ないこと、
解離が少ないことを挙げている。これに対して直接付着
法として用いる場合、被検出ガスをフッ化化合物等とす
るとき、解離が発生するので、困難であることを明示し
ている。上記の構成において反応室には多量の反応ガス
(イソブタンなどの炭化水素)が導入されている。
ry vol.56 No.3 P396 (1984)に記載される。Bombick に
よって提案される方式はアルカリ金属のイオンとしてK
+ を利用する。K酸化物を含むエミッタは反応室に設置
される構成を採用する。反応室には被検出ガスのみが導
入され、他の反応ガスは導入されない。従って反応室に
おいてエミッタから放出されたK+ は直接に被検出ガス
の分子に付着する。すなわちBombick の方式は直接付着
法である。
Li+ を使用し、Li酸化物を含むエミッタは反応室内
に設置され、エミッタの背後にはイオン押出し用リペラ
が配置されている。反応室には不活性ガス(He,
N2 )と共に被検出ガスが導入される。反応室内の圧力
は例えば133Pa程度の高い圧力に設定されている。
この方式では反応室に反応ガスの代わりに不活性ガスを
導入しているので、直接付着法となっている。藤井の方
式は、例えば文献Analytical Chemistry vol.64 No.7 P
775 (1992)、Journal of Applied Physics vol.82 No.5
P2095 (1997) などに記載される。この方式によれば、
反応室における被検出ガスの濃度を低くかつ不活性ガス
の圧力を高くすることにより、高いエミッタ電位であっ
ても、被検出ガスの解離やクラスタの発生を防止するこ
とができる。藤井の方式はBombick 式と同様に直接付着
法である。
析法の問題点:この方法は、電子衝撃が物理的作用であ
り、検出対象に高いエネルギを与える。従ってフッ化化
合物等のハロゲン化化合物のガス分子に電子衝撃法を用
いると、通常、ガス分子内での各原子の結合エネルギが
小さいので、電子衝撃の余剰エネルギが原因となってイ
オン化と共にガス分子が破片分子に解離される。そのた
め質量スペクトルにおいて解離しなかったガス分子によ
るピークを分子ピーク(または親ピーク)と呼び、解離
した破片分子によるピークをフラグメント(破片分子)
ピークと呼ぶが、上記ハロゲン化化合物のごとき多原子
分子では解離のためフラグメントピークが出現し、本来
の分子ピークをほとんど観測することができない。図4
に、フッ化化合物であるC4 F8 の分子を70eVの電
子エネルギによる電子衝撃でイオン化して得た質量スペ
クトルの例を示す。図4で、横軸は質量を意味し、縦軸
はイオン量を意味する。C4 F8 分子の質量は200a
mu(原子質量単位)であるが、質量スペクトルでは分
子ピークはほとんど現れず、C3 F5 ,C2 F4 ,CF
等のフラグメントピークのみが現れる。従来では、これ
らのフラグメントピークの出現状況に基づいて本来の分
子ピークすなわち分子の質量とその量を推測するように
していた。このように電子衝撃による質量分析法ではハ
ロゲン化化合物の正確な質量分析を行うことは困難であ
った。
方法は、現在のところ、実際にハロゲン化化合物で実用
レベルの計測感度を達成している。電子衝撃を利用する
方法に比較すると、確かに解離が少ない。しかしなが
ら、それでも解離を十分に抑制することはできない。電
子付着質量分析法によってもハロゲン化化合物の正確な
質量分析は困難である。
よび課題:この方法には、前述のごとく、Hodge 式、Bo
mbick 式、藤井式と各種の付着方式がある。Hodge 式は
その実施データに示すごとく間接付着法である。Hodge
式の場合、直接付着法は、フッ化化合物を使用すると、
Li+ 付着に伴い解離が生じ、Li+ は解離後のフラグ
メントにしか付着しないので、検出対象であるガス分子
の分子ピークを正確に測定することができない。またBo
mbick 式では、エミッタの電位が高くなる(5V以上)
場合には被検出ガスが反応することによる解離が発生
し、さらに被検出ガスの濃度が高くなることから被検出
ガス同士が結合して形成されるクラスタが発生しやすく
なるという問題が起きる。加えてエミッタダメージの問
題、すなわちエミッタ表面で解離した活性なフラグメン
トによりエミッタが大きなダメージが受けるという問題
も起きる。上記の方式に対して、藤井式は、正イオン付
着質量分析法に関する上記の諸問題を解消した構成上の
利点を有しており、炭化水素やそのラジカル等の不安定
な分子の正確な測定を可能にしている。さらに藤井式
は、大気圧下の反応室でイオン付着を行う発明(特公平
7−48371号)や中性活性種にイオンを付着させる
発明(特開平6−11485号)などに発展・応用され
ている。しかしながら、藤井式の正イオン付着法は、今
だ、前述したごとき地球温暖化に大きな影響を及ぼすフ
ッ化化合物を含むハロゲン化化合物の排出量測定のため
の質量分析に応用されていない状況にある。
み、藤井式の正イオン付着法をハロゲン化化合物の質量
分析に応用し、地球温暖化に大きな影響を及ぼすフッ化
化合物等を正確に測定できるハロゲン化化合物の質量分
析方法および質量分析装置を提供することにある。
ハロゲン化化合物の質量分析方法および質量分析装置
は、上記の目的を達成するために、次のように構成され
る。以下では、まず発明の原理を説明し、次に発明の構
成手段と作用を説明する。
が付着しやすい(電子親和力が大きい)ことがよく知ら
れていたので、フッ化化合物の実際の測定には電子付着
質量分析方法が適用されていた。同時に一般的に「負電
荷である電子が付着しやすいフッ化化合物には、正電荷
である正イオンは付着しにくい」と漠然と考えられてい
た。これは、通常負イオンであるF- に比べてF+ が圧
倒的に少ないという事実からもほぼ常識化していた。そ
のため、フッ化化合物へ正イオン付着質量分析法を適用
することは、質量分析法に関わる一般の人々には想定さ
えもされなかった。
正イオン付着質量分析法がフッ化化合物へ適用可能であ
ることが予測された。適用可能であることの正確な説明
は、スーパーコンピュータによる理論計算の結果からな
されるべきものである。しかしごく簡単には、化合物の
電子分布が片寄っているため、負電荷が付着しやすい場
所の反対側は正電荷が付着しやすくなっている、とのイ
メージで説明される。つまり正イオンの付着しやすさ
は、電子分布の片寄りによって決まるものであり、電子
の付着しやすさに反比例するものではない。従って電子
の付着しやすいフッ化化合物に対しても正イオンが十分
に付着することが予測された。
に、基本的に正イオン付着質量分析法がフッ化化合物に
適用できることの認識が示唆されている。しかしその場
合には、前述のごとく、直接付着法をフッ化化合物に適
用するとき解離が発生することから困難であり、反応ガ
スを利用した間接付着法が実現可能であると理解されて
いた。
おけるフッ化化合物の解離発生が原理的に不可避な現象
であるとは考えなかった。その理由は次の通りである。
が10-3Paと低いので、エミッタから放出されたLi
+ は雰囲気ガスによるエネルギ吸収(並進エネルギの低
減)なしに飛行する。また反応室の圧力は1.3Paと
高めになっているが、この圧力の平均自由工程は5mm
程度であって、衝突によるエネルギ吸収はほとんど期待
できない。従って、Li+ は被検出ガスへ1〜2eVも
の高いエネルギで衝突することになり、解離が発生しや
すくなっている。ちなみに高エネルギ衝突のため、衝突
後に再び脱離しない確率(付着効率)も大幅に劣化して
いる。
なエネルギが発生する。Li+ 付着により分子全体とし
てはエネルギ的に安定化する。すなわち内部エネルギが
低い状態となる。付着の前・後の内部エネルギ差が余剰
エネルギとなり、これが解離を引き起こすことになる。
特に直接付着法ではこの余剰エネルギが大きい。しかも
Hodge式では反応室の圧力は1.3Paと十分に高くな
いので、余剰エネルギは雰囲気ガスに発散・吸収される
ことなく分子内に残り、解離を発生させる。
化合物などで解離が発生しているのは、エミッタの設置
領域と反応室の圧力が十分に高くないためである、と本
発明者は判断した。従って、本発明者は、エミッタの設
置領域と反応室の圧力を十分に高くすることによって、
エミッタの設置領域ではLi+ の並進エネルギの低減、
反応室ではLi+ 付き被検出ガスの余剰エネルギ発散が
期待され、解離なしにフッ化化合物の測定が可能である
と判断した。エミッタの設置領域と反応室の圧力を十分
に高くする構成は、まさに藤井式の正イオン付着質量分
析法と実質的に同一のものであると予測された。
質量分析法がフッ化化合物へ適用可能であるという予測
を確認するため、次のような実験を行った。被検出ガス
を代表的なPFC(全フッ化化合物)のC4 F8 とし、
正イオンをLi+ とし、反応室の圧力を133Paと
し、不活性ガスはN2 とした。装置の構成は第2の実施
形態として詳述される。測定実験の結果として図3の質
量スペクトルで示されるごとくC4 F8 Li+ の207
amu、N2 の分子ピークに対応するN2 Li+の35
amu、不純物としてのガスに混入していたH2 Oの分
子ピークに対応するH2 OLi+ の25amu、および
末付着のLi+ の7amuのピークのみが出現し、フラ
グメントピークは全く出現しなかった。すなわち正イオ
ン付着質量分析法をフッ化化合物に用いても解離を生じ
ることなしに被検出ガスのガス分子の質量が正確に測定
されていることが確認された。なお133amuはエミ
ッタ自体に含まれていた不純物のCsである。なおエミ
ッタの設置領域と反応室の圧力を高くすることに関して
は望ましい条件であるが、将来的な発展を考慮すると必
然的な条件ではなく、例えば電気的な反応支援条件を与
えると、相対的に低い圧力条件でフッ化化合物へ正イオ
ン付着を行って質量分析を行うことが可能であると考え
られる。
合物の質量分析方法は次のように構成される。 請求項1:この質量分析方法は、被検出ガスをイオン化
し、その後に電磁気的な力を利用して被検出ガスの分子
の質量を計測する方法であり、被検出ガスはハロゲン化
化合物であって、このハロゲン化化合物に直接に正電荷
の金属イオンを付着させてイオン化することを特徴とす
る。この質量分析方法によれば、フッ化化合物等のハロ
ゲン化化合物を質量分析する手法として、正電荷の金属
イオンを直接にハロゲン化化合物に直接的にかつソフト
に付着し、その後、金属イオン付きハロゲン化化合物の
分子を四重極型質量分析計に輸送して測定を行うので、
解離を生じさせることなく分子ピークを質量スペクトル
上で直接に観察することが可能となる。 請求項2:上記の質量分析方法において、好ましくは、
イオン化を行う反応領域の雰囲気の主成分が、ハロゲン
化化合物に比べて金属イオンが付着しにくいガスである
ことを特徴とする。金属イオンが付着しにくいガスを反
応領域で主成分にすることにより試料ガスであるハロゲ
ン化化合部に金属イオンが直接に付着しやすくする。 請求項3:上記の各質量分析方法において、好ましく
は、上記主成分はHe,Ar,Ne,H2 ,N2 のうち
のいずれかによるガスであることを特徴とする。金属イ
オンが付着しにくいガスとしては安定な不活性ガスを用
いることが望ましい。 請求項4:上記の各質量分析方法において、好ましく
は、少なくとも反応領域の雰囲気の圧力は、主成分とな
るガスによって所定の高圧に保持されることを特徴とす
る。反応領域の雰囲気の圧力を高くする設定すること
は、発明の原理でものべた通り、フッ化化合物に直接付
着法で金属イオンを付着する場合には、解離の発生を防
止する観点から望ましい条件である。しかしながら、前
述したごとく当該圧力を低できる可能性も残っているか
ら必ずしも必要な条件であるとはいえない。 請求項5:上記の各質量分析方法において、好ましく
は、反応領域の雰囲気の圧力は10Pa以上であり、さ
らに好ましくは100Pa以上である。 請求項6:上記の各質量分析方法において、好ましく
は、金属イオンが反応領域に入射するまでに飛行する領
域の雰囲気の圧力が10Pa以上であることを特徴とす
る。反応領域の雰囲気の圧力を高くする関係上、金属イ
オンを放射するエミッタと反応領域の間の金属イオン飛
行領域の雰囲気の圧力も高くすることが望ましい。 請求項7:上記の各質量分析方法において、好ましく
は、ハロゲン化化合物はC原子とF原子を含むことを特
徴とする。 請求項8:上記の各質量分析方法において、好ましく
は、金属イオンはLi,K,Na,Rb,Cs,Al,
Ga,Inのうちのいずれかであることを特徴とする。
装置は次のように構成される。 請求項9:この質量分析装置は、金属イオンを放出する
エミッタと、被検出ガスが導入されかつ金属イオンによ
って被検出ガスがイオン化される反応室と、イオン化さ
れた被検出ガスの分子を誘導する電磁気的誘導部(アパ
ーチャ、集束レンズ等)と、この誘導部で誘導された分
子を測定する質量分析計(四重極型質量分析計等)を備
え、エミッタから放出された金属イオンを反応室に飛行
させてイオン化を行うように構成され、さらに、被検出
ガスはハロゲン化化合物であり、このハロゲン化化合物
を反応室に供給する第1ガス供給源(試料ガス供給源)
と、反応室へハロゲン化化合物に比べて金属イオンが付
着しにくいガスを供給する第2ガス供給源(N2 ガス供
給源)と備えるように構成されている。上記構成の装置
によれば、前述した本発明に係るハロゲン化化合物の質
量分析方法を実施することが可能で、正イオン付着法を
ハロゲン化化合物の質量分析に応用し、フッ化化合物等
を正確に測定することが可能となる。 請求項10:上記の質量分析装置において、好ましく
は、金属イオンが付着しにくいガスはHe,Ar,N
e,H2 ,N2 のうちのいずれかである。金属イオンが
付着しにくいガスとしては安定な性質を有する不活性ガ
スが望ましい。 請求項11:上記の各質量分析装置において、好ましく
は、反応室の内部圧力を所定の高圧に調整する圧力調整
手段を備え、圧力調整手段により反応室の内部圧力はガ
スによって高圧に保持されることを特徴とする。このよ
うな圧力条件を設定することによって金属イオンをハロ
ゲン化化合物の分子に直接に付着させることが容易とな
り、解離等を防ぎ、実用的な装置となる。 請求項12:上記の各質量分析装置において、好ましく
は、反応室の内部圧力は10Pa以上であることを特徴
とする。上記の高圧としては、10Pa以上が望まし
く、さらに100Pa以上が望ましい。 請求項13:上記の各質量分析装置において、好ましく
は、金属イオンが反応室に入射するまでに飛行する領域
に対しても第2ガス供給源からガスを供給し、当該領域
の圧力を10Pa以上に設定する。 請求項14:上記の各質量分析装置において、好ましく
は、上記反応室を別に設けず、エミッタの設置領域と飛
行領域と上記反応室に相当する反応領域とを共通の領域
として構成することを特徴とする。反応室を省略できる
ので構成が簡易となり、製作コストを低減できる。 請求項15:上記の各質量分析装置において、好ましく
は、ハロゲン化化合物はC原子とF原子を含むことを特
徴とする。 請求項16:上記の各質量分析装置において、好ましく
は、金属イオンはLi,K,Na,Rb,Cs,Al,
Ga,Inのうちのいずれかであることを特徴とする。
を添付図面に基づいて説明する。
実施形態を示す。この第1実施形態の質量分析装置はエ
ミッタ部分と反応室が分離された構成を有する。
置容器11の内部には、左端部に例えばLi酸化物を含
むエミッタ12が設けられる。エミッタ12にはエミッ
タ加熱制御電源13とエミッタ電位制御電源14が付設
されている。エミッタ12の背後にはリペラ15が配置
され、このリペラ15にはリペラ電位制御電源16が付
設されている。エミッタ12の右方に位置するエミッタ
前側空間にはエミッタ用レンズ17が配置される。この
エミッタ用レンズ17にも同様にレンズ電位制御電源1
8が付設されている。エミッタ用レンズ17の右方にL
i+ 飛行領域19が設けられ、さらに反応室20が設け
られている。従って、この質量分析装置では、エミッタ
12の設置領域と反応室20が分離された構造となって
いる。反応室20は装置容器11の左側内部空間11A
で隔離された反応空間を形成するべく設けられている。
この左側内部空間11Aは、エミッタ設置領域とLi+
飛行領域19を含んでいる。反応室20では、エミッタ
側の壁部とその反対側の壁部とにそれぞれLi+ 導入孔
20aおよびLi+ 付きガス分子を引き出す引出し孔2
0bが形成されている。また反応室20には試料ガス供
給源21とN2 ガス供給源22が配管21a,22aに
よって接続されている。試料ガス供給源21は試料ガス
としてハロゲン化化合物である被検出ガスを配管21a
を通して反応室20に供給する。N2 ガス供給源22は
不活性ガスであるN2 ガスを配管22aを通して反応室
20に供給する。なおN2 ガス供給源22はN2 ガスを
配管22aを通してLi+ 飛行領域19にも供給する。
なお反応室20に導入される不活性ガスとしてN2 ガス
を利用したが、これに限定されるものではない。
(特にLi+ 飛行領域19)に対しては当該空間を所定
の圧力状態に排気するための真空ポンプ23が設けら
れ、反応室20に対しては、電位制御電源24と、その
内部圧力を所定の圧力状態に排気するための真空ポンプ
25が設けられている。
パーチャ26と第2アパーチャ27が設けられる。第1
アパーチャ26と第2アパーチャ27は所要の距離で離
されて配置され、両者の間に空間(領域)28が形成さ
れている。この空間28に対しては排気のための真空ポ
ンプ30が付設されている。また第1と第2のアパーチ
ャ26,27のそれぞれには電位制御電源31,32が
設けられている。
束レンズ33、四重極型質量分析計34が配置される。
集束レンズ33には集束レンズ電位制御電源35が付設
され、四重極型質量分析計34には四重極型質量分析計
制御電源36が付設される。第2アパーチャ27から四
重極型質量分析計34までの空間11Bを排気する真空
ポンプ37が付設されている。
する。エミッタ加熱制御電源13により例えば600℃
程度に加熱されたエミッタ12から表面電離作用により
イオン化されたLi+ が直接放出される。放出されたL
i+ は、(1)エミッタ電位制御電源14により印加さ
れたエミッタ12の電位、(2)リペラ電位制御電源1
6により印加されたリペラ15の電位、(3)エミッタ
用レンズ電位制御電源18により印加されたエミッタ用
レンズ17の電位、(4)反応室電位制御電源24によ
り印加された反応室20の電位、の4つの電位によって
決められる電界に基づいてLi+ 飛行領域19を反応室
20に向って飛行する。
反応室20の間の装置容器11の軸方向の距離は例えば
70mm程度である。エミッタ12の電位は例えば16
0V、反応室20の電位は例えば60Vとなっている。
Li+ 飛行領域19の圧力は、N2 ガス供給源22から
N2 ガスをLi+ 飛行領域19に導入する配管22aを
経て導入されるN2 ガスの流量と、Li+ 飛行領域19
を排気する真空ポンプ23の排気速度により決められ、
10Pa以上、好ましくは100Pa以上に設定され
る。この実施形態では例えば100Pa程度に調整され
ている。
スであるN2 と衝突せずに進むことのできる平均自由行
程はほぼ70μm程度である。従って、Li+ がエミッ
タ12から反応室20まで飛行する間にLi+ はN2 と
1000回(=70mm÷70μm)程度も衝突する。
Li+ がN2 と衝突すると、大雑把にみれば、Li+は
並進エネルギを失って停止すると考えられる。従ってL
i+ は70μmごとの進行・停止を1000回繰り返す
ことになる。つまりLi+ がN2 に衝突するときの並進
エネルギは最大値であっても僅かに0.1eV(=(160
V−60V) ÷1000)にしかならない。
はそれぞれ例えば150V、50V程度とする。これら
は、Li+ を集束させてできるだけ多くのLi+ を反応
室20内に打ち込むように調整される。これらは前述の
軸方向の並進エネルギには影響しないので、Li+ の衝
突エネルギにはほとんど関係しない。
m程度である。反応室20内の圧力は、試料ガス供給源
21とN2 ガス供給源22から反応室20にそれぞれ供
給される試料ガスとN2 ガスの流量と、反応室20を排
気する真空ポンプ25の排気速度とにより決められる。
反応室20の内部圧力は10Pa以上、好ましくは10
0Pa以上に設定される。この実施形態では、例えば1
33Pa程度に調整されている。また反応室20におけ
る被検出ガスのN2 ガスに対する濃度が好ましくは0.
1%程度となるように、試料ガスとN2 ガスの流量割合
が調整されている。
も0.1eVの低い並進エネルギしか持たないこと、お
よび反応室20内には強い電界が存在しないことによ
り、反応室内でのLi+ の動きは熱によるランダムな運
動が主となる。従ってLi+ はN2 ガスや被検出ガスと
非常に多くの衝突を繰り返す。1個のLi+ は主成分で
あるN2 ガスとは1秒間に107 回、0.1%濃度の被
検出ガスとは104 回も衝突する。しかも、その平均衝
突エネルギは、気体分子運動論によれば熱エネルギによ
る0.04eVしかない。このような衝突ではLi+ は
被検出ガスに効率よく付着し、しかも衝突時に解離を発
生させない。
内部エネルギ差による余剰エネルギを持っており、これ
をそのままにしていると解離が発生する。しかし、Li
+ 付き被検出ガスは多数のN2 ガスと低エネルギ衝突を
繰り返すので、N2 ガスがエネルギを吸収してくれ、L
i+ 付き被検出ガスの余剰エネルギの発散が達成され
る。これにより安定なLi+ 付き被検出ガスとなり、解
離することなく存在し得ることになる。
パーチャ電位制御電源31により印加された第1アパー
チャ26の電位に引かれて反応室20から引き出され、
第1アパーチャ26に向って飛行する。反応室20と第
1アパーチャ26の間の軸方向の距離は例えば30mm
程度であり、第1アパーチャ26の電位は例えば10V
となっている。Li+ 付き被検出ガスは、Li+ 飛行領
域19でのLi+ と同じように0.1eV程度の低いエ
ネルギでN2 ガスと衝突しながら進行するが、この程度
のエネルギでは解離やLi+ の脱離は発生しない。
側)ではN2 ガスなどが圧力の低い第2アパーチャ27
の方向へ流れ込んでいる。そのため、第1アパーチャ2
6の孔付近にまで飛行してきたLi+ 付き被検出ガス
は、この流れに巻き込まれて第1アパーチャ26の孔を
通過し、第1アパーチャ26と第2アパーチャ27の間
の領域(空間28)に達する。その後、Li+ 付き被検
出ガスは、第1アパーチャ26の電位と第2アパーチャ
27の電位によって決められた電界により、第2アパー
チャ27に向って飛行する。
の間の軸方向の距離は例えば20mm程度、第2アパー
チャ27の電位は−100Vとなっている。第1アパー
チャ26と第2アパーチャ27の間の空間28の圧力
は、第1アパーチャ26の孔から流れ込む流量と空間2
8を排気する真空ポンプ30の排気速度で決められ、概
ね10-1Pa以下となるように設計されている。10-1
Paの平均自由行程は70mm程度となるので、Li+
付き被検出ガスは雰囲気ガスに衝突せずに110V(=
10−(−100)V)の並進エネルギで第2アパーチ
ャ28まで到達する。
れに巻き込まれて移動したLi+ 付き被検出ガスも第1
アパーチャ26以降ではガスの流れとは無関係に電界の
みによって移動する。すなわち第1アパーチャ26以降
のLi+ 付き被検出ガスの動きは、通常のEI法での質
量分析計とほぼ同じである。Li+付き被検出ガスは、
第2アパーチャ27を通過した後、集束レンズ電位制御
電源35により制御された集束レンズ33により集束さ
れ、四重極型質量分析計34へ輸送される。四重極型質
量分析計34は、四重極型質量分析計制御電源36によ
り制御され、Li+ 付き被検出ガスを含む試料ガスを質
量分析する。
ないということは、たとえ途中の領域に電位の変化があ
っても、最終的に四重極型質量分析計34に入射する並
進エネルギは第1アパーチャ26を出た時の並進エネル
ギに等しいことを意味している。また四重極型質量分析
計34にて質量分析が可能なイオンの並進エネルギは、
5〜15eVであることが知られていている。本実施形
態では、第1アパーチャ26の電位が10Vであるの
で、四重極型質量分析計34に入射するLi+ 付き被検
出ガスのイオンの並進エネルギは10eVとなり、正常
に質量分析を行うことができる。
と四重極型質量分析計34が存する空間11Bの圧力
は、第2アパーチャ28の孔から流れ込む流量と第2ア
パーチャ28からの四重極型質量分析計34までの空間
11Bを排気する真空ポンプ37の排気速度で決めら
れ、概ね10-3Pa以下となるように設計されている。
このため、Li+ 付き被検出ガスが雰囲気ガスと衝突す
るのを防止するだけでなく、四重極型質量分析計34を
ハロゲン化合物による汚染なしに長時間安定動作させる
ことができる。
装置の第2の実施形態を説明する。この第2実施形態の
質量分析装置はエミッタ部分と反応室が一体的となった
構成を有する。つまり第1実施形態で説明されたエミッ
タの設置領域とLi+ 飛行領域と反応室とが一体化され
ている。従って反応室は特別に設けられていない。その
他の構成は第1実施形態の構成と同じである。図2に示
された要素について第1実施形態で説明した要素には同
一の符号を付して説明を行う。左側内部空間11Aにお
いて、前述の反応室20と、これに関連する真空ポンプ
25等は除かれており、試料ガス供給源21とN2 ガス
供給源22はそれぞれ配管21a,22aを介して直接
に試料ガスおよびN2 ガスをLi+ 飛行領域19に導入
している。エミッタ12、リペラ15、エミッタ用レン
ズ17、Li+ 飛行領域19を含む空間等の条件は第1
実施形態で説明したものと実質的に同じである。
連する構成を省略することができるので、装置の構成を
簡略でき、製作コストを低減できる。
利用して行った測定実験の結果得られた質量スペクトル
を示す。この図3において横軸は質量を意味し、縦軸は
イオン量を意味する。この測定実験では、被検出ガスを
C4 F8 、正イオンをLi+、反応室内の圧力を133
Pa、不活性ガスはN2 とした。得られた質量スペクト
ルでは、C4 F8 Li+ (207amu)、N2 の分子
ピークに対応するN2Li+ (35amu)、不純物と
してのガスに混入していたH2 Oの分子ピークに対応す
るH2 OLi+ (25amu)、および末付着のLi+
(7amu)のピークのみが出現した。すなわち正イオ
ン付着質量分析法をフッ化化合物に用いても、解離を生
じることなしに被検出ガスのガス分子の質量を正確に測
定することが確認された。なお133amuはエミッタ
自体に含まれていた不純物のCsである。
ができる。上記の実施形態では、被検出ガスとして代表
的PFCであるC4 F8 としたが、本発明としてはPF
Cに限られることなく、大きな電子親和力などPFCと
同様の特性を持つSF6 ・NF3 などを含むすべてのフ
ッ化化合物に適用できる。さらにはフッ化化合物と同様
の特性を持つすべてのハロゲン化化合物にも適用でき
る。
気の主成分として最も一般的なN2としたが、本発明と
してはN2 に限られることなく、金属イオンが付着しに
くいHe,Ar,Ne,H2 などに適用できる。さらに
は、被検出ガスに比べて金属イオンが付着しにくいどん
なガスにでも適用できる。
も軽いLi+ を用いたが、本発明としてはLi+ に限ら
れることなく、金属イオンとして扱いやすいK+ ,Na
+ ,Rb+ ,Cs+ ,Al+ ,Ga+ ,In+ などを用
いることができる。さらにはハロゲン化化合物に付着し
得るどのような正の金属イオンにでも適用できる。
の数・配置は以上の実施形態に限定されない。金属イオ
ンの飛行領域と付着反応領域での圧力が10Pa以上、
好ましくは100Pa以上であればどんなものでも適用
できる。またこれらの圧力も、必要な測定性能が得られ
る範囲であれが10Paより小さい圧力であってもかま
わない。さらに反応領域で直接的なイオン付着を電気ま
たは磁気的な条件で促進することができるのであれば、
反応領域での圧力条件も10Paより小さい低圧に設定
することができる。さらに上記実施形態では、質量分析
方法および分析装置として四重極型質量分析計を用いた
が、本発明としてはこれに限られることなく、イオント
ラップ(3次元)型質量分析計、磁場セクター型質量分
析計、TOF(飛行時間)型質量分析計などを用いるこ
とができる。
れば、質量分析方法および質量分析装置において藤井式
の正イオン付着法を応用して試料ガスであるガス分子を
イオン化し質量分析を行うように構成したため、フッ化
化合物等のハロゲン化化合物を直接付着法によって解離
等を生じさせることなくイオン化することが可能とな
り、質量分析で得られた質量スペクトルにおいて測定対
象であるハロゲン化化合物の分子ピークを正確に観察す
ることができ、地球温暖化に大きな影響を及ぼすフッ化
化合物等を正確に測定することができる。
ルの一例を示す図である。
質量スペクトルの一例を示す図である。
源) 22 N2 ガス供給源(第2ガス供給
源) 34 四重極型質量分析計
Claims (16)
- 【請求項1】 被検出ガスをイオン化し、その後に電磁
気的な力を利用して前記被検出ガスの分子の質量を計測
する質量分析方法において、 前記被検出ガスはハロゲン化化合物であり、このハロゲ
ン化化合物に直接に正電荷の金属イオンを付着させてイ
オン化することを特徴とするハロゲン化化合物の質量分
析方法。 - 【請求項2】 イオン化を行う反応領域の雰囲気の主成
分が、前記ハロゲン化化合物に比べて前記金属イオンが
付着しにくいガスであることを特徴とする請求項1記載
のハロゲン化化合物の質量分析方法。 - 【請求項3】 前記主成分はHe,Ar,Ne,H2 ,
N2 のうちのいずれかによるガスであることを特徴とす
る請求項2記載のハロゲン化化合物の質量分析方法。 - 【請求項4】 少なくとも前記反応領域の雰囲気の圧力
は、主成分となる前記ガスによって所定の高圧に保持さ
れることを特徴とする請求項2または3記載のハロゲン
化化合物の質量分析方法。 - 【請求項5】 前記反応領域の雰囲気の圧力は10Pa
以上であることを特徴とする請求項4記載のハロゲン化
化合物の質量分析方法。 - 【請求項6】 前記金属イオンが前記反応領域に入射す
るまでに飛行する領域の雰囲気の圧力が10Pa以上で
あることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記
載のハロゲン化化合物の質量分析方法。 - 【請求項7】 前記ハロゲン化化合物はC原子とF原子
を含むことを特徴とする請求項1記載のハロゲン化化合
物の質量分析方法。 - 【請求項8】 前記金属イオンはLi,K,Na,R
b,Cs,Al,Ga,Inのうちのいずれかであるこ
とを特徴とする請求項1記載のハロゲン化化合物の質量
分析方法。 - 【請求項9】 金属イオンを放出するエミッタと、被検
出ガスが導入されかつ前記金属イオンによって前記被検
出ガスがイオン化される反応室と、イオン化された前記
被検出ガスの分子を誘導する電磁気的誘導部と、この誘
導部で誘導された前記分子を測定する質量分析計を備
え、前記エミッタから放出された前記金属イオンを前記
反応室に飛行させて前記イオン化を行うようにした質量
分析装置において、 前記被検出ガスはハロゲン化化合物であり、このハロゲ
ン化化合物を前記反応室に供給する第1ガス供給源と、 前記反応室へ前記ハロゲン化化合物に比べて前記金属イ
オンが付着しにくいガスを供給する第2ガス供給源と、 を備えることを特徴とするハロゲン化化合物の質量分析
装置。 - 【請求項10】 前記金属イオンが付着しにくい前記ガ
スはHe,Ar,Ne,H2 ,N2 のうちのいずれかで
あることを特徴とする請求項9記載のハロゲン化化合物
の質量分析装置。 - 【請求項11】 前記反応室の内部圧力を所定高圧に調
整する圧力調整手段を備え、前記反応室の内部圧力は前
記ガスによって前記所定高圧に保持されることを特徴と
する請求項9または10記載のハロゲン化化合物の質量
分析装置。 - 【請求項12】 前記反応室の内部圧力は10Pa以上
であることを特徴とする請求項11項記載のハロゲン化
化合物の質量分析装置。 - 【請求項13】 前記金属イオンが前記反応室に入射す
るまでに飛行する領域にも前記第2ガス供給源から前記
ガスを供給し、前記領域の圧力を10Pa以上とするこ
とを特徴とする請求項9〜12のいずれか1項に記載の
ハロゲン化化合物の質量分析装置。 - 【請求項14】 前記反応室を別に設けず、前記エミッ
タの設置領域と前記飛行領域と前記反応室に相当する反
応領域を共通の領域として構成することを特徴とする請
求項13記載のハロゲン化化合物の質量分析装置。 - 【請求項15】 前記ハロゲン化化合物はC原子とF原
子を含むことを特徴とする請求項9記載のハロゲン化化
合物の質量分析装置。 - 【請求項16】 前記金属イオンはLi,K,Na,R
b,Cs,Al,Ga,Inのうちのいずれかであるこ
とを特徴とする請求項9記載のハロゲン化化合物の質量
分析装置。
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