JP6607770B2 - イオン化方法、イオン化装置及び質量分析計 - Google Patents

イオン化方法、イオン化装置及び質量分析計 Download PDF

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Description

本発明は、イオン化方法、イオン化装置及び質量分析計に関し、より具体的には、試料の極性に関わらず、試料に含まれる種々の分子を効率的にイオン化する方法及び装置に関する。
従来、質量分析における大気圧イオン化(API)法として、例えば、エレクトロスプレーイオン化(ESI)法、大気圧化学イオン化(APCI)法、大気圧光イオン化(APPI)法等が用いられている。
このうち、エレクトロスプレーイオン化(ESI)法は高極性分子、大気圧化学イオン化法(APCI)は中極性分子、大気圧光イオン化(APPI)法は低極性分子にそれぞれ適用可能である等、イオン化の手法毎に適用可能な試料が制限される。
このように、分子の極性によるイオン化手法の制限から、化学構造が全く予測できない分子を含む試料や、極性が異なる複数の分子の混合試料をイオン化するために、複数の大気圧イオン化(API)法を逐次的に組み合わせる方法が提案されている。例えば、エレクトロスプレーイオン化(ESI)法又は大気圧化学イオン化(APCI)法と、大気圧光イオン化(APPI)法とを組み合わせて用いる多モードイオン化技術により、低極性から高極性まで幅広い極性を有する試料分子のイオン化が可能となることが報告されている(例えば、特許文献1参照)。
このような手法において、低極性分子のイオン化をするために、真空紫外(VUV)ランプを利用した大気圧光イオン化(APPI)法を用いる。ここで、このVUVランプは、その構造からフッ化リチウムやフッ化マグネシウム等の結晶を通じてVUVを試料に照射するものであるが、これらの結晶は115〜120nmよりも小さな波長を有する光を吸収する。そのため、VUVランプにより照射可能な光の波長は、その下限が115〜120nmのものに制限される。また、試料を乾燥させるためのネブライザーガスとして、一般的に窒素が使われているが、窒素は120nm付近に吸収帯を有するため、このような波長において試料の感度が低下する。したがって、大気圧光イオン化(APPI)法を用いる場合、120nm程度又はそれよりも大きな波長の光が有するエネルギーよりも大きなイオン化エネルギーを有する分子を直接イオン化することが不可能である。
そこで、大気圧光イオン化(APPI)法において、より大きいイオン化エネルギーを有する分子をイオン化するために、有機溶媒等をドーパントとして試料に添加する方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。しかしながら、ドーパントの選択は分析対象となる試料によって最適な選択が必要であり、未知試料の場合は対応する適切なドーパントを選択することが困難である。仮に試料に対して不適切なドーパントを選択することによって効果を得られないばかりか、ドーパントと分析対象物質とが二次的な反応を起こすことによって分析対象物質そのものが変化するため、本来の試料を正確に質量分析できないことがある。
一方で、軟X線を試料に照射することで、試料をイオン化する方法が提案されている(例えば、特許文献3参照)。軟X線は、VUVに比べエネルギーが高いため、よりエネルギーを必要とする分子もイオン化できる点で、有利である。しかしながら、軟X線は、大気下で空気中の窒素や酸素等、気体分子に吸収されるため、軟X線照射によるイオン化の効率は著しく低い。そのため、軟X線照射により得られたイオンを質量分析に用いる場合、質量分析を行うのに充分なイオンが供給できず、質量分析の感度が低下する。
特開2011−82181号公報 特表2003−515105号公報 特開2008−77981号公報
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、試料の極性に関わらず、試料に含まれる種々の分子を効率的にイオン化する方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上述の目的を達成するために鋭意検討を重ねた。その結果、エレクトロスプレーイオン化(ESI)において、噴霧された試料に対し、軟X線を照射することで、上述の目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。具体的に、本発明は以下のものを提供する。
(1)本発明の第1の発明は、質量分析に用いるイオン化方法であって、0.5kPa以上300kPa以下の圧力条件下で、エレクトロスプレーイオン化(ESI)、大気圧化学イオン化(APCI)、ナノエレクトロスプレーイオン化(NANO−ESI)、コールドスプレーイオン化(CSI)、DARTイオン化(Direct Analysis in Real Time)、サーモスプレーイオン化(TSP)、ソニックスプレーイオン化(SSI)、脱離エレクトロスプレーイオン化(DESI)、レーザースプレーイオン化(LSI)、大気圧レーザーイオン化(AP−LDI)、大気圧マトリックス支援レーザー脱離イオン化(AP−MALDI)及び大気圧フリット赤外レーザーイオン化(AP−FRIT−IR−LDI)からなる群から選択される1種以上のイオン化法により荷電した試料を噴霧次いで、噴霧された前記試料に0.124nm以上12.4nm以下の波長を有する軟X線を照射し、イオン化された試料を得る、イオン化方法である。
(2)本発明の第2の発明は、第1の発明において、前記試料は、噴霧口から噴霧され、
前記軟X線は、前記噴霧口近傍に照射される、イオン化方法である。
(3)本発明の第3の発明は、第2の発明において、前記軟X線は、出力窓から照射され、記噴霧口、前記出力窓との間の距離が10.0cm以下となるように配置される、イオン化方法である。
(4)本発明の第4の発明は、第1乃至第3のいずれかの発明において、前記イオン化は、エレクトロスプレーイオン化(ESI)を含む、イオン化方法である。
(5)本発明の第5の発明は、第4の発明において、前記エレクトロスプレーイオン化(ESI)における印加電圧は、1500V以上2400V以下である、イオン化方法である。
(6)本発明の第6の発明は、第1乃至第5のいずれかの発明において、前記軟X線射が、空気の雰囲気下で行われる、イオン化方法である。
(7)本発明の第7の発明は、第6の発明において、前記軟X線射が、大気圧下で行われる、イオン化方法である。
(8)本発明の第8の発明は、第1乃至第5のいずれかの発明において、前記軟X線射が、不活性ガスの雰囲気下で行われる、イオン化方法である。
(9)本発明の第9の発明は、第1乃至第8のいずれかの発明において、ドーナツ型電極を用いて、前記イオン化された試料質量分析計のイオン導入口に誘導する、イオン化方法である。
(10)本発明の第10の発明は、第1乃至第9のいずれかの発明において、前記イオン化及び/若しくは前記軟X線射の開始並びに/又は停止を制御する工程をさらに含む、イオン化方法である。
(11)本発明の第11の発明は、第1乃至第10のいずれかの発明において、前記イオン化及び/又は前記軟X線射は、イオン化室でなされ、前記イオン化室内の部位に、0.124nm以上12.4nm以下の波長の軟X線を照射する工程をさらに含む、イオン化方法である。
(12)本発明の第12の発明は、質量分析に用いるイオン化装置であって、内部の圧力が、0.5kPa以上300kPa以下である、イオン化室と、エレクトロスプレーイオン化(ESI)、大気圧化学イオン化(APCI)、ナノエレクトロスプレーイオン化(NANO−ESI)、コールドスプレーイオン化(CSI)、DARTイオン化(Direct Analysis in Real Time)、サーモスプレーイオン化(TSP)、ソニックスプレーイオン化(SSI)、脱離エレクトロスプレーイオン化(DESI)、レーザースプレーイオン化(LSI)、大気圧レーザーイオン化(AP−LDI)、大気圧マトリックス支援レーザー脱離イオン化(AP−MALDI)及び大気圧フリット赤外レーザーイオン化(AP−FRIT−IR−LDI)からなる群から選択される1種以上のイオン化法により荷電した試料をイオン化室に噴霧する、試料噴霧部と、前記イオン化室内で、噴霧された前記試料に0.124nm以上12.4nm以下の波長を有する軟X線を照射してイオン化された試料を得る、軟X線照射部とを備えるイオン化装置である。
(13)本発明の第13の発明は、第12の発明において、前記試料は、試料噴射部が備える噴霧口から噴霧され、前記X線照射部は、X線を照射する出力窓を有し、前記出力窓が、前記噴霧口近傍に向けられている、イオン化装置である。
(14)本発明の第14の発明は、内部の圧力が、0.5kPa以上300kPa以下である、イオン化室と、エレクトロスプレーイオン化(ESI)、大気圧化学イオン化(APCI)、ナノエレクトロスプレーイオン化(NANO−ESI)、コールドスプレーイオン化(CSI)、DARTイオン化(Direct Analysis in Real Time)、サーモスプレーイオン化(TSP)、ソニックスプレーイオン化(SSI)、脱離エレクトロスプレーイオン化(DESI)、レーザースプレーイオン化(LSI)、大気圧レーザーイオン化(AP−LDI)、大気圧マトリックス支援レーザー脱離イオン化(AP−MALDI)及び大気圧フリット赤外レーザーイオン化(AP−FRIT−IR−LDI)からなる群から選択される1種以上のイオン化法により荷電した試料をイオン化室に噴霧する、試料噴霧部と、前記イオン化室内で、噴霧された前記試料に0.124nm以上12.4nm以下の波長を有する軟X線を照射しイオン化された試料を得る、軟X線照射部と、前記イオン化された試料の質量を分析する、質量分析部とを備える質量分析計である。
通常、LC/MS測定時に多用されるESI法を用いることで、低極性分子をイオン化することは一般的に困難である。このような分子は、ドーパント(イオン化促進剤)を添加し、APCIやAPPI法等を用いてイオン化するものであるが、本発明によれば、ESI法と軟X線照射とを併用することによって、ESI法単独でイオン化が困難な低極性分子だけでなく、極性分子まで、種々の極性を有する分子を含む試料をイオン化することができる。例えば、本発明によれば、低極性分子であり、通常のESI法を用いてイオン化することはできないベンズアルデヒド(M:106.12)等を、ドーパントを用いずにイオン化することができる。
ESIイオン源と軟X線照射を併用するイオン化装置の構造を示す図である。 Nano ESIイオン源と軟X線照射を併用するイオン化装置の構造を示す図である。 X線出力窓とキャピラリー先端との間の距離と、イオン化強度との関係を示す図である。 実施例1における試料のマススペクトル測定結果を示す図である。 実施例2における試料のマススペクトル測定結果を示す図である。 実施例3における試料のマススペクトル測定結果を示す図である。 実施例4における試料のマススペクトル測定結果を示す図である。 比較例1における試料のマススペクトル測定結果を示す図である。 比較例2における試料のマススペクトル測定結果を示す図である。
以下、本発明の実施の形態(以下、「本実施の形態」という)について、詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に制限されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において、適宜変更を加えて実施することができる。
なお、本明細書において、「極性」とは、分子内での正負の電荷の偏りの大きさをいう。また、「極性分子」とは、分子内での正負の偏りの大きな分子をいう。一方で、「低極性分子」とは、分子内での正負の偏りの小さな分子をいう。ここで、低極性分子の具体例としては、ヘキサン、ベンゼン類、アルキルベンゼン類、四塩化炭素、クロロホルム、二硫化炭素、シクロヘキサン、ジエチルエーテル、等の溶媒又は二酸化炭素、メタン、窒素等が挙げられる。
≪1.イオン化方法≫
本実施の形態に係るイオン化方法は、質量分析(Mass spectrometry)に用いるものであり、当該質量分析の対象である試料を、イオン化法により荷電させた後、特定の圧力に制御された空間内にその試料を噴霧する、イオン化処理工程と、特定の圧力に制御された空間内で、イオン化処理工程で噴霧した試料に軟X線を照射し、試料分子イオンを得る、軟X線照射工程とを含む。
<1−1.イオン化処理工程>
イオン化処理工程は、試料にイオン化のための前処理を施した後、その試料を噴霧する工程である。本工程により、試料の荷電エアロゾルを発生させることができる。
イオン化処理工程としては、大気圧付近、具体的には、0.5kPa以上300kPa以下の圧力条件下でなされるものであれば、特に制限されるものではない。例えば、エレクトロスプレーイオン化(ESI)、大気圧化学イオン化(APCI)、ナノエレクトロスプレーイオン化(NANO−ESI)、コールドスプレーイオン化(CSI)、DARTイオン化(Direct Analysis in Real Time)、サーモスプレーイオン化(TSP)、ソニックスプレーイオン化(SSI)、脱離エレクトロスプレーイオン化(DESI)、レーザースプレーイオン化(LSI)、大気圧レーザーイオン化(AP−LDI)、大気圧マトリックス支援レーザー脱離イオン化(AP−MALDI)、大気圧フリット赤外レーザーイオン化(AP−FRIT−IR−LDI)等を用いることができる。このような手法から選択される1種を単独で用いることも、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
ここで、本明細書において、「前処理」とは、試料を噴霧する前に施すイオン化のための処理をいう。例えば、エレクトロスプレーイオン化(ESI)法においては、電圧の印加処理、大気圧化学イオン化においては、加熱処理をいう。
エレクトロスプレーイオン化(ESI)法を用いる場合の印加電圧としては、特に制限されるものではなく、好ましくは1500V以上、より好ましくは1600V以上、さらに好ましくは1700V以上とする。印加電圧が1500V未満であると、イオンの発生が不安定となるおそれがある。一方、印加電圧の上限としては、好ましくは2400V以下、より好ましくは2300V以下、さらに好ましくは2200V以下とする。印加電圧が2200Vを超えると、コロナ放電が発生し、軟X線によるイオン化についての相乗効果が得られなくなるおそれがある。
噴霧方法としては、特に制限されるものではなく、上述のイオン化処理において採用される通常の方法を用いることができる。例えば、イオン化処理として、エレクトロスプレーイオン化処理を施す場合には、ESIスプレイヤーの金属キャピラリー先端の噴霧口から噴霧することができる。
スプレイヤーとしては、特に制限されるものではない。スプレイヤーの形状としては、例えば、中空状のスプレイヤーを用いることができる。
試料が噴霧される空間としては、特に制限されるものではなく、例えば、イオン化室としてチャンバー等を設け、閉じた空間とすることができる。また、後述の軟X線照射工程を行う空間と同一の空間に試料を噴霧することも、それらの空間と異なる空間に試料を噴霧することもできる。空間の移動等による生成イオンの損失を防ぐ観点から、軟X線照射工程を行う空間と同一の空間に噴霧することが好ましい。
<1−2.軟X線照射工程>
軟X線照射工程は、噴霧した試料に、0.124nm以上12.4nm以下の波長を有する軟X線を照射し、試料分子イオンを得る工程である。試料にイオン化の前処理を施し、荷電エアロゾルを生成させた後、さらにこの荷電エアロゾルに軟X線照射の処理を施すことで、試料の極性に関わらず、試料を効率良くイオン化することができる。
試料に照射する軟X線の波長としては、0.124nm以上12.4nm以下のものを用いる。このような範囲の波長を有する軟X線を照射することで、大気圧イオン化方法との相乗効果が得られる。なお、このような軟X線は、0.1keV以上10keV以下のエネルギーを有する。
軟X線の発生装置としては、特に制限されるものではなく、例えば、電子線、冷陰極線、電解電子放出現象等を利用したX線管球を用いたX線発生器、シンクロトロン放射光、X線レーザー光等を用いることができる。また、イオン源内部にレーザー光を導入し、金属表面等に照射してX線を直接発生させることもできる。
軟X線の照射箇所としては、特に制限されるものではないが、試料を噴霧する噴霧口近傍であることが好ましい。具体的には、噴霧口の半径2cm以内であることが好ましく、半径2cm以内であることがより好ましい。
試料を噴霧するための噴霧口と、軟X線を照射するための出力窓との間の距離としては、特に制限されるものではないが、好ましくは10.0cm以下、より好ましくは9.0cm以下、さらに好ましくは8.0cm以下、特に好ましくは7.0cm以下となるように軟X線を照射する。
軟X線照射処理を施す圧力条件としては、1kPa以上300kPa以下とする。圧力条件の下限値としては、好ましくは10kPa以上、より好ましくは20kPa以上、さらに好ましくは50kPaとする。また、圧力条件の上限値としては、好ましくは250kPa以下、より好ましくは200kPa以下、さらに好ましくは150kPa以下とする。上述したイオン化法は通常大気圧下付近で動作するものであり、圧力がこのような範囲内にないと、イオン化が適当になされないおそれがある。
軟X線照射処理を施す空間(以下、「イオン化室」ともいう)の雰囲気としては、特に制限されるものではなく、空気又は窒素やアルゴン等の不活性ガス雰囲気で軟X線を照射することができる。イオン化の前処理を試料に施し、予め荷電したエアロゾルの状態とすることで、試料のイオン化に要するエネルギーが低下するため、軟X線が空気や不活性ガス中の気体分子に吸収され、エネルギーが低下しても、試料のイオン化に充分なエネルギーを供給できる。
<1−3.イオン誘導工程>
必須の態様ではないが、本実施の形態に係るイオン化方法は、例えば、試料分子イオンを、ドーナツ型電極等のイオン誘導装置を用いて当該イオン誘導装置近傍へ誘導する、イオン誘導工程を含むことが好ましい。このように、試料分子イオンをイオン誘導装置近傍へ誘導し、さらに質量分析のための装置へ効率的に誘導することで、試料分子イオンの損失を抑え、試料分子イオンを感度良く分析することができる。また、ドーナツ電極の正負の電圧を切り替えることによって正負それぞれの試料分子イオンを選択的に質量分析装置へ導くことができる。
<1−4.洗浄工程>
必須の態様ではないが、本実施の形態に係るイオン化方法は、イオン化処理工程及び/又は軟X線照射工程がなされるイオン化室のうち、試料等の付着による汚れが生じた部分に特定の波長の軟X線を照射し、当該汚れを除去する洗浄工程を含むことが好ましい。イオン化法は、試料分子を破壊するものであり、使用に伴い、当該試料分子や破壊された分子によりイオン化室内に汚染が生じ得る。
そして、試料を噴霧するための噴霧口や、軟X線照射工程で得られたイオンを輸送するためのイオン導入口に、汚れが付着すると、分析すべき試料が汚染され、正確で且つ安定した分析がされなくなるおそれがある。また、大気圧光イオン化法(APPI)等のVUVランプを用いる試料のイオン化の手法においては、VUVランプ中の結晶の表面に汚れが付着すると、当該結晶を透過するVUVが汚れに吸収され、安定した測定が困難となるおそれもある。しかしながら、イオン化のための装置を分解し洗浄することは容易でない。そこで、汚染に軟X線を照射し分子をイオン化する洗浄工程を設けることで、装置の分解等を要さず、簡易に汚染を除去することができる。
洗浄工程においては、0.124nm以上12.4nm以下の波長の軟X線を照射する。このような波長の軟X線を照射することで、イオン化室内に発生した汚れを除去し、正確で且つ安定的な分析を行うことができる。
<1−5.イオン化処理制御工程、イオン化処理出力制御工程>
必須の態様ではないが、本実施の形態に係るイオン化方法は、イオン化処理工程及び/又は軟X線照射工程の開始及び/又は停止を制御する、イオン化処理制御工程を含むことが好ましい。
また、必須の態様イオン化処理工程及び/又は軟X線照射工程における、イオン化のための前処理等の出力を制御する、イオン化処理出力制御工程を含むことが好ましい。
制御する出力としては、特に制限されるものではないが、具体的には、エレクトロスプレーイオン化(ESI)法における印加電圧や、大気圧化学イオン化における加熱温度、軟X線の波長等が挙げられる。
制御の手段としては、特に制限されるものではなく、ハードウェア又はソフトウェアいずれを用いても、制御することができる。
≪2.イオン化装置≫
本実施の形態に係るイオン化装置は、質量分析(Mass spectrometry)に用いるものであり、内部の圧力が、0.5kPa以上300kPa以下である、イオン化室と、試料にイオン化のための前処理を施す、イオン化処理部と、試料をイオン化室に噴霧する、試料噴霧部と、試料に0.124nm以上12.4nm以下の波長を有する軟X線を照射する、軟X線照射部とを備える。
また、本実施の形態に係るイオン化装置は、ドーナツ型電極等の当該装置近傍へ誘導するイオン誘導部、試料等の付着による汚れが生じた部分に特定の波長の軟X線を照射する洗浄部、イオン化処理部及び/又は軟X線照射部の動作を制御するイオン化処理制御部やイオン化処理出力制御部を備えることが好ましい。
≪3.質量分析計≫
本実施の形態に係る質量分析計は、内部の圧力が、0.5kPa以上300kPa以下である、イオン化室と、試料にイオン化のための前処理を施す、イオン化処理部と、試料をイオン化室に噴霧する、試料噴霧部と、試料に0.124nm以上12.4nm以下の波長を有する軟X線を照射する、軟X線照射部と、質量分析部とを備える。
また、本実施の形態に係る質量分析計は、ドーナツ型電極等の当該装置近傍へ誘導するイオン誘導部、試料等の付着による汚れが生じた部分に特定の波長の軟X線を照射する洗浄部、イオン化処理部及び/又は軟X線照射部の動作を制御するイオン化処理制御部やイオン化処理出力制御部を備えることが好ましい。
<3−1.質量分析部>
質量分析部としては、特に制限されるものではなく、具体的には、磁場型、四重極型、イオントラップ型、飛行時間型、イオンサイクロトロン型等の一般的なイオン分離装置を用いることができる。
<3−2.その他の構成>
本実施の形態に係るイオン化装置は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)と接続し、LC/MS等として用いることができる。また、HPLC以外にも、例えば、キャピラリー電気泳動(CZE)、薄層クロマトグラフ(TLC)等を接続することができる。このように、任意のクロマトグラフィーを用いて、試料のMSスペクトル情報を同時に得ることができる。
≪4.本実施の形態に係る質量分析計の構成の具体例≫
以下では、本実施の形態に係る質量分析計の構成の一例として、イオン化処理部としてESIイオン源を用いた質量分析計について、図1を用いて具体的に説明する。
本発明の第1の態様に係る質量分析計は、イオン化室11と、ESIスプレイヤー12と、軟X線発生装置13と、ドーナツ型電極14と、イオン導入口15と、質量分析装置16とから構成される。
ここで、大気圧下のイオン化室11の中に設けられたESIスプレイヤー12の金属キャピラリー先端の噴霧口の向きと直角になるように、軟X線発生装置13の出力窓が設定される。また、ドーナツ型電極14及びイオン導入口15方向へ軟X線が照射されるように軟X線発生装置13を配置する。イオン導入口15を隔てて、イオン化室11及び質量分析装置16が接続される。ここで、軟X線発生装置13の出力窓は、ESIスプレイヤー12の金属キャピラリー先端との距離を10cm以下の距離を隔てて配置することによって安定的なイオンの発生が可能となる。
外部の高速液体クロマトグラフ(HPLC:High Performance Liquid Chromatography)からの試料溶液が送液用の配管を介して導入され、500〜2000V程度の電圧が印加されたESIスプレイヤー12の金属キャピラリー先端から、イオン化室内に噴霧される。同時に、軟X線発生装置13から軟X線が、噴霧された帯電液滴に対し照射される。軟X線の持つエネルギーが、試料分子のイオン化エネルギーを上回った際に、試料分子はイオン化される。このようにしてイオンとなった試料分子は、ドーナツ型電極14に誘導され、イオン導入口15から質量分析装置16の内部に導入される。このようにして、取り込まれたイオンは質量分析計によって質量分離された後、そのMSスペクトル情報が測定される。
また、例えば、図2に示すように、イオン化処理部として、Nano ESIイオン源を用いることができる。
本発明の第2の態様に係る質量分析計は、イオン化室21と、Nano ESIスプレイヤー22と、軟X線発生装置23と、イオン導入口24と、質量分析装置25とから構成される。
ここで、大気圧下のイオン化室21の中に設けられたNano ESIスプレイヤー22の金属キャピラリー先端の噴霧口が、イオン導入口25に方向を向くように、Nano ESIスプレイヤー22が配置する。一方、このNano ESIスプレイヤー22の向きと直角になるように、軟X線発生装置23の照射窓が設定される。また、イオン導入口15を隔てて、イオン化室11及び質量分析装置16が接続される。
以上では、イオン化処理部としての一種のイオン源に対して、軟X線照射を併用する例を示したが、例えば、ESI法/APCI法/APPI法等の複数のイオン源を組み合わせたイオン源に対して、軟X線照射を併用することもできる。
以下、実施例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に制限されるものではない。
<X線出力窓とキャピラリー先端との間の距離の検討>
まず、X線出力窓とキャピラリー先端間の距離と、イオン化強度との関係を検討した。質量分析計のイオン取り込み口(オリフィス)の先端から、それぞれ、2.6cm、4.1cm、6.4cm、10.0cm、11.0cmの距離を隔てて、軟X線光源をこのオリフィスに向けて配置した。オリフィスを隔てて、軟X線光源と反対側に、瓶又はNMR用チューブに、試料として、N−Methylpyrrolidone(CNO)を入れ静置し、自然気化させた。このようにして気化した試料に、大気圧下で軟X線を照射し、質量分析を行った。X線出力窓とキャピラリー先端との間の距離と、イオン化強度との関係を図3に示す。
図3に示すとおり、X線出力窓とキャピラリー先端との間の距離が10cmを超えると、質量分析計で測定されるイオン化強度が大きく低下するため、当該距離を10cm以下に維持する必要があることが分かった。また、本実施例は、大気圧下でのX線照射のみによりイオン化するものであるため、未知の試料等を質量分析するためには、感度は充分でなかった。
<イオン化及び質量分析>
図1に示す装置を構成し、以下の実施例1〜4及び比較例1〜2に従い、イオン化及び質量分析を行った。いずれの操作も、大気圧下で行った。ここで、ステンレス製中空状のESIキャピラリーの試料の噴霧方向と、軟X線の照射方向とは垂直となるよう配置されている。軟X線発生装置の出力窓は、ESIスプレイヤーの金属キャピラリー先端との距離を6.4cm以下の距離で配置されている。
〔実施例1〕
低極性試料としてベンゼン30μlと、高極性試料としてメチルアルコール(MeOH)70μlとを混合した試料溶液を作製し、これをHPLC用のバイアル瓶に充填した。
試料溶液を充填したバイアル瓶をHPLCにセットした後、0.1%のギ酸を含むアセトニトリルを移動相として、試料溶液10μLを流速50μl/minでESIキャピラリーへ送液した。この際のESIキャピラリーの印加電圧は2000Vであった。
HPLCから送液され、ESIキャピラリー先端から噴霧される移動相及び試料溶液に、波長0.13〜0.41nmの軟X線を照射し、発生したイオンの検出に質量分析計を使用して、フローインジェクション分析法(FIA:Flow injection analysis)を行い、データの蓄積を行った。このようにして得られたマススペクトルを図4に示す。
図4に示すとおり、ベンゼンの分子イオン[M](質量電荷比m/z:78.040)及びプロトン化分子イオン[M+H](質量電荷比m/z:79.050)の精密質量が確認された。また、MeOHの分子イオン[M](質量電荷比m/z:31.994)及びプロトン化分子イオン[M+H](質量電荷比m/z:33.039)の精密質量も確認された。
〔実施例2〕
低極性試料としてトルエン500μlと、MeOHで1ppmに調整したレセルピン500μlを混合した試料溶液を作製し、これをHPLC用のバイアル瓶に充填した。
試料溶液を充填したバイアル瓶をHPLCにセットした後、0.1%のギ酸を含むアセトニトリルを移動相にとして、試料溶液10μLを流量50μl/minでESIキャピラリーへ送液した。この際のESIキャピラリーの印加電圧は2000Vであった。
HPLCから送液され、ESIキャピラリー先端から噴霧される移動相及び試料溶液に、波長0.13〜0.41nmの軟X線を照射し、発生したイオンの検出に質量分析計を使用して、フローインジェクション分析法(FIA:Flow injection analysis)を行い、データの蓄積を行った。得られたマススペクトルを図5に示す。
図5に示すとおり、トルエンの分子イオン[M](質量電荷比m/z:92.048)、プロトン付加分子イオン[M+H](質量電荷比m/z:93.066)及びプロトン脱離分子イオン[M−H](質量電荷比m/z:91.048)の精密質量が確認された。また、レセルピンのプロトン付加分子イオン[M+H](質量電荷比m/z:609.255)の精密質量も確認された。
〔実施例3〕
無極性気体分子として窒素ガスを、ESIキャピラリー先端から噴霧した窒素ガスに、波長0.13〜0.41nmの軟X線を照射し、発生したイオンの検出に質量分析計を使用してデータ蓄積を行った。この際のESIキャピラリーの印加電圧は2000Vであった。このようにして得られたマススペクトルを図6に示す。
図6に示すとおり、窒素のプロトン付加分子イオン[M+H](質量電荷比m/z:29.017)の精密質量が確認された。また、イオン源内及びガス中に含まれていた高極性分子である水分子のプロトン付加分子イオン[M+H](質量電荷比m/z:19.021)の精密質量も確認された。
〔実施例4〕
低極性試料としてトルエン500μlと、高極性試料としてMeOH500μlとを混合し、MeOHの50%トルエン溶液1mlを作製した。
インフュージョン分析法(Infusion method)において、シリンジポンプを用い、試料溶液の流量を30μlに設定し、ESI法と、波長0.13〜0.41nmの軟X線照射とを併用するイオン化処理を施し、発生したイオンの検出に質量分析計を使用してデータ蓄積を行った。この際のESIキャピラリーの印加電圧は2000Vであった。このようにして得られたマススペクトルを図7に示す。
〔比較例1〕
試料のイオン化処理として、ESI法を単独で用いたこと以外、実施例4と同様の操作を行った。得られたマススペクトルを図8に示す。
〔比較例2〕
試料のイオン化処理として、波長0.13〜0.41nmの軟X線照射を単独で行ったこと以外、実施例4と同様の操作を行った。得られたマススペクトルを図9に示す。
図7〜9の結果から分かるように、ESI法や軟X線照射をそれぞれ単独で行った場合にはトルエンの分子イオン[M]の精密質量が確認されなかった。しかし、軟X線照射を単独で行ったイオン化処理ではプロトン脱離分子イオン[M−H]はわずかながら確認できたがESI法では確認できなかった。ESI法と軟X線照射とを併用するイオン化処理を行った場合には、トルエンの分子イオン[M](質量電荷比m/z:92.060)及びプロトン脱離分子イオン[M−H](質量電荷比m/z:91.048)の精密質量が確認された。プロトン脱離分子イオン[M−H](質量電荷比m/z:91.048)の精密質量について、ESIと軟X線との併用した場合のイオン化強度は、軟X線照射を単独で行った場合のイオン強度に対して約104倍のイオン強度で確認された。
MeOHに関して、ESIと軟X線との併用したイオン化処理では、メタノールの分子イオン[M]が確認されたが、一方、ESI単独のイオン化処理では、メタノールの分子イオン[M]は確認されなかった。軟X線単独でイオン化処理では、わずかにメタノールの分子イオン[M]が確認できた。
また、実施例4において、メチルアルコール(MeOH)に着目した場合、ESI単独のイオン化処理とESIと軟X線とを併用したイオン化処理のそれぞれのイオン化処理において、得られたイオンのイオン強度を比較すると、ESIと軟X線とを併用するイオン化処理は、ESI単独のイオン化処理に比べ、観測される[M+H]のイオン強度が約186倍となることがわかった。同一の試料について、軟X線単独でイオン化処理では、ESIと軟X線とを併用したイオン化処理に比べ、[M+H]のイオン強度は約1/56倍のイオン強度、[M]は1/14倍のイオン強度であったことから、ESIと軟X線との併用によるイオン生成に対する相乗効果が確認された。また、ESIで発生した多価イオン等に対し、次いで軟X線を照射しても、これらの多価イオンに対し、質量分析を行う上で悪影響を及ぼさないことが確認された。
以上のとおり、ESIと軟X線とを併用することにより、ESIや軟X線単独でのイオン化に比べ、発生するイオン量を数倍〜数百倍に増加させることができることがわかった。
1,2 質量分析計
11,21 イオン化室
12 ESIスプレイヤー
13,23 軟X線発生装置
14 ドーナツ型電極
15,24 イオン導入口
16,25 質量分析装置
22 Nano ESIスプレイヤー

Claims (14)

  1. 質量分析に用いるイオン化方法であって、
    0.5kPa以上300kPa以下の圧力条件下で、エレクトロスプレーイオン化(ESI)、大気圧化学イオン化(APCI)、ナノエレクトロスプレーイオン化(NANO−ESI)、コールドスプレーイオン化(CSI)、DARTイオン化(Direct Analysis in Real Time)、サーモスプレーイオン化(TSP)、ソニックスプレーイオン化(SSI)、脱離エレクトロスプレーイオン化(DESI)、レーザースプレーイオン化(LSI)、大気圧レーザーイオン化(AP−LDI)、大気圧マトリックス支援レーザー脱離イオン化(AP−MALDI)及び大気圧フリット赤外レーザーイオン化(AP−FRIT−IR−LDI)からなる群から選択される1種以上のイオン化法により荷電した試料を噴霧次いで、噴霧された前記試料に0.124nm以上12.4nm以下の波長を有する軟X線を照射し、イオン化された試料を得る、イオン化方法。
  2. 前記試料は、噴霧口から噴霧され、
    前記軟X線は、前記噴霧口近傍に照射される、請求項1に記載のイオン化方法。
  3. 前記軟X線は、出力窓から照射され、
    記噴霧口、前記出力窓との間の距離が10.0cm以下となるように配置される、請求項2に記載のイオン化方法。
  4. 前記イオン化は、エレクトロスプレーイオン化(ESI)を含む、請求項1乃至3のいずれか1項に記載のイオン化方法。
  5. 前記エレクトロスプレーイオン化(ESI)における印加電圧は、1500V以上2400V以下である、請求項4に記載のイオン化方法。
  6. 前記軟X線射が、空気の雰囲気下で行われる、請求項1乃至5のいずれか1項に記載のイオン化方法。
  7. 前記軟X線射が、大気圧下で行われる、請求項6に記載のイオン化方法。
  8. 前記軟X線射が、不活性ガスの雰囲気下で行われる、請求項1乃至5のいずれか1項に記載のイオン化方法。
  9. ドーナツ型電極を用いて、前記イオン化された試料質量分析計のイオン導入口に誘導する、請求項1乃至8のいずれか1項に記載のイオン化方法。
  10. 前記イオン化及び/若しくは前記軟X線射の開始並びに/又は停止を制御する工程をさらに含む、請求項1乃至9のいずれか1項に記載のイオン化方法。
  11. 前記イオン化及び/又は前記軟X線射は、イオン化室でなされ、
    前記イオン化室内の部位に、0.124nm以上12.4nm以下の波長の軟X線を照射する工程をさらに含む、請求項1乃至10のいずれか1項に記載のイオン化方法。
  12. 質量分析に用いるイオン化装置であって、
    内部の圧力が、0.5kPa以上300kPa以下である、イオン化室と、
    エレクトロスプレーイオン化(ESI)、大気圧化学イオン化(APCI)、ナノエレクトロスプレーイオン化(NANO−ESI)、コールドスプレーイオン化(CSI)、DARTイオン化(Direct Analysis in Real Time)、サーモスプレーイオン化(TSP)、ソニックスプレーイオン化(SSI)、脱離エレクトロスプレーイオン化(DESI)、レーザースプレーイオン化(LSI)、大気圧レーザーイオン化(AP−LDI)、大気圧マトリックス支援レーザー脱離イオン化(AP−MALDI)及び大気圧フリット赤外レーザーイオン化(AP−FRIT−IR−LDI)からなる群から選択される1種以上のイオン化法により荷電した試料をイオン化室に噴霧する、試料噴霧部と、
    前記イオン化室内で、噴霧された前記試料に0.124nm以上12.4nm以下の波長を有する軟X線を照射してイオン化された試料を得る、軟X線照射部と
    を備えるイオン化装置。
  13. 前記試料は、試料噴射部が備える噴霧口から噴霧され、
    前記X線照射部は、X線を照射する出力窓を有し、
    前記出力窓が、前記噴霧口近傍に向けられている、請求項12に記載のイオン化装置。
  14. 内部の圧力が、0.5kPa以上300kPa以下である、イオン化室と
    エレクトロスプレーイオン化(ESI)、大気圧化学イオン化(APCI)、ナノエレクトロスプレーイオン化(NANO−ESI)、コールドスプレーイオン化(CSI)、DARTイオン化(Direct Analysis in Real Time)、サーモスプレーイオン化(TSP)、ソニックスプレーイオン化(SSI)、脱離エレクトロスプレーイオン化(DESI)、レーザースプレーイオン化(LSI)、大気圧レーザーイオン化(AP−LDI)、大気圧マトリックス支援レーザー脱離イオン化(AP−MALDI)及び大気圧フリット赤外レーザーイオン化(AP−FRIT−IR−LDI)からなる群から選択される1種以上のイオン化法により荷電した試料をイオン化室に噴霧する、試料噴霧部と、
    前記イオン化室内で、噴霧された前記試料に0.124nm以上12.4nm以下の波長を有する軟X線を照射しイオン化された試料を得る、軟X線照射部と、
    記イオン化された試料の質量を分析する、質量分析部と
    を備える質量分析計。
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