JP5166606B2 - グロー放電イオン源 - Google Patents

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Description

本発明は、イオン源、質量分析計、イオン発生方法、および質量分析の方法に関する。
エレクトロスプレーイオン化イオン源は、よく知られており、HPLCカラムから溶出する中性ペプチドを気相分析種イオンに変換するのに用いられ得る。酸性水溶液中で、トリプシンペプチドが、アミノ末端とC末端アミノ酸の側鎖との両方でイオン化される。それに続いてペプチドイオンが質量分析計に入射すると、正の電荷を持つアミノ基が水素結合し、ペプチドの主鎖に沿ってプロトンがアミド基に移動する。
衝突ガスとの衝突によってペプチドイオンの内部エネルギーを増加させることによりペプチドイオンをフラグメンテーションすることが知られている。ペプチドイオンの内部エネルギーを、内部エネルギーが分子の主鎖に沿ったアミド結合を開裂するのに必要な活性化エネルギーを超えるまで増加させる。中性衝突ガスとの衝突によってイオンをフラグメンテーションするこのプロセスは、一般に、衝突誘起解離(「CID」)と呼ばれる。衝突誘起解離によって生じたフラグメントイオンは、一般に、b系列およびy系列のフラグメントイオンまたはプロダクトイオンと呼ばれ、b系列のフラグメントイオンはアミノ末端と1つ以上のアミノ酸残基とを含み、y系列のフラグメントイオンはカルボキシル末端と1つ以上のアミノ酸残基とを含む。
他にもペプチドをフラグメンテーションする方法が知られている。ペプチドイオンをフラグメンテーションする別の方法は、電子捕獲解離(「ECD」)として知られているプロセスによりペプチドイオンを熱電子と相互作用させることである。電子捕獲解離は、衝突誘起解離で観察されるフラグメンテーションプロセスとはかなり異なるようにペプチドを開裂させる。特に、電子捕獲解離は、主鎖N−Cα結合またはアミン結合を開裂し、結果として生じるフラグメントイオンは、一般に、c系列およびz系列のフラグメントイオンまたはプロダクトイオンと呼ばれる。電子捕獲解離は、非エルゴード的である、すなわち、移動されたエネルギーが分子全体に行き渡る前に開裂が起こる、と考えられている。また、電子捕獲解離は、隣接アミノ酸の性質にそれほど依存することなく起こり、電子捕獲解離開裂に100%抵抗性があるのはプロリンのN側だけである。
衝突誘起解離によってではなく電子捕獲解離によってペプチドイオンをフラグメンテーションすることの1つの利点は、衝突誘起解離は、翻訳後修飾(「PTM」)を開裂する傾向があり、修飾部位の同定を困難にしていることである。これとは対照的に、電子捕獲解離によってペプチドイオンをフラグメンテーションすると、例えばリン酸化およびグリコシル化による翻訳後修飾が保たれやすい。
しかしながら、電子捕獲解離技術には、熱運動エネルギーの近い正イオンと電子との両方を同時に閉じ込める必要があるという重大な問題がある。電子捕獲解離は、超電導磁石を用いて大きな磁場を発生させるフーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴(「FT−ICR」)質量分析部を用いて実証されている。しかしながら、このような質量分析計は、非常に大型で、質量分析の利用者の大多数には手が出せないほど高価である。
電子捕獲解離の代わりとして、リニアイオントラップ内で負の電荷を持つ試薬イオンを多価分析種カチオンと反応させることによってペプチドイオンをフラグメンテーションすることが可能であることが実証されている。正の電荷を持つ分析種イオンを負の電荷を持つ試薬イオンと反応させるプロセスは、電子移動解離(「ETD」)と呼ばれている。電子移動解離は、電子を負の電荷を持つ試薬イオンから正の電荷を持つ分析種イオンへ移動させる機構である。電子の移動後、電荷が減少したペプチドイオン又は分析種イオンは、電子捕獲解離によるフラグメンテーションの原因と考えられているのと同じ機構によって解離する。すなわち、電子移動解離は電子捕獲解離と同様にしてアミン結合を開裂すると考えられている。結果として、ペプチド分析種イオンの電子移動解離により生成されたプロダクトイオンまたはフラグメントイオンは、主にc系列およびz系列のフラグメントイオンまたはプロダクトイオンを含む。
電子移動解離の1つの特に有利な点は、このようなプロセスが、翻訳後修飾(「PTM」)の特定に特に適しているということである。これは、リン酸化またはグリコシル化のような結合の弱いPTMでも、アミノ酸鎖の主鎖の電子誘起フラグメンテーションに耐えられるからである。
試薬アニオンと分析種カチオンとの間のイオン−イオン反応を促進するように構成された二次元リニアイオントラップ中にカチオンおよびアニオンを相互に閉じ込めることによって電子移動解離を行うことが知られている。補助的な軸方向閉じ込め用RF擬似電位障壁を二次元リニア四重極イオントラップの両端に印加することにより、カチオンとアニオンとを同時に二次元リニアイオントラップ内にトラップする。
ある特定の極性を有するイオン(例えば試薬アニオン)をイオントラップ内に閉じ込めるために一定のDC軸方向電位を二次元リニア四重極イオントラップの両端に印加する、電子移動解離を行う別の方法が知られている。その後、イオントラップ内に閉じ込められたイオンとは反対の極性を有するイオン(例えば分析種カチオン)をイオントラップ内へ向かわせる。分析種カチオンは、イオントラップ内に既に閉じ込められていた試薬アニオンと反応する。
多価(分析種)カチオンが(試薬)アニオンと混合されると、緩く結合した電子が(試薬)アニオンから多価(分析種)カチオンへ移動し得ることが知られている。エネルギーが多価カチオン中へ放出され、多価カチオンは解離され得る。しかしながら、(分析種)カチオンのうちのいくらかは、解離しないことがあり、その代わりに電荷状態が低減し得る。カチオンは、2つのプロセスのうちの1つによって電荷が減少し得る。第一に、カチオンは、電子がアニオンからカチオンへ移動する電子移動(「ET」)によって電荷が減少し得る。第二に、カチオンは、プロトンがカチオンからアニオンへ移動するプロトン移動(「PT」)によって電荷が減少し得る。プロセスにかかわらず、電荷が減少したプロダクトイオンの存在度が質量スペクトル内に観測され、発生しているイオン−イオン反応(ETかPTのどちらか)の度合いを示す。
ボトムアッププロテオミクスまたはトップダウンプロテオミクスにおいては、電子移動解離の実験は、解離されたプロダクトイオンの存在度を質量スペクトル内で最大化することによって得られる情報を最大化するために行われ得る。電子移動解離によるフラグメンテーションの度合いは、カチオン(およびアニオン)のコンフォメーションとともに多くの他の機器要因に依存する。LC測定からアニオン−カチオンの組み合わせ毎に最適なパラメータを演繹的に知ることは困難であり得る。
電子移動解離フラグメンテーションセルを組み込んだ公知の質量分析計の一問題点は、分析種カチオンをフラグメンテーションさせるために用いられる試薬アニオンを、対象試料をイオン化するために用いられるイオン源(例えば、エレクトロスプレーイオン源)と並んで配置された追加的なイオン源(例えば、大気圧化学イオン化イオン源)によって発生させることである。2つのイオン源を質量分析計への入口のごく近傍に位置させることは問題である。さらに、公知の構成には、クロストークの問題がある。公知の構成のさらなる一問題点は、大気圧化学イオン化イオン源から発生される試薬が発癌性を有し得ることである。公知の構成の別の問題点は、試薬イオンを発生させるための大気圧化学イオン化イオン源の感受性が比較的低いことである。
したがって、改良された質量分析計および改良された電子移動解離用試薬イオン発生方法が望まれる。
問題を解決するための手段
本発明の一態様によると、
真空室と、
第1のイオンを発生させるための大気圧イオン源であって、大気圧イオン源によって発生される第1のイオンは、使用時に、サンプリングコーンまたは第1の開口を介して真空室内へ移送される大気圧イオン源と、
第2のイオンを発生させるためのグロー放電デバイスであって、グロー放電デバイスによって発生される第2のイオンは、真空室の内部で発生されるか、またはサンプリングコーンもしくは第1の開口を介さずに真空室内へ移送されるグロー放電デバイスと
を備える質量分析計が提供される。
図1は、試薬イオンを発生させるためのグロー放電イオン源が質量分析計の第1の真空室に隣接するハウジング内に設けられた本発明の一実施形態を示す。 図2は、質量分析計の第1の真空室に隣接するハウジング内に設けられたグロー放電イオン源に2つの試薬が供給され得る本発明の一実施形態を示す。 図3は、質量分析計の第1の真空室に隣接するハウジングの内部に固体試薬が準備され、固体試薬の一部がグロー放電によりイオン化されて、質量分析計を較正するためのロックマスイオンを提供する本発明の一実施形態を示す。 図4は、グロー放電が、直接に質量分析計の第1の真空室において開始され、揮発性の試薬が、グロー放電を発生させるために用いられる電極の下流にある第1の真空室へ送入され得る本発明の一実施形態を示す。 図5は、質量分析計からの調整ページを示すとともに、好ましいグロー放電イオン源によって発生させたセシウムロックマスイオンおよびエレクトロスプレーイオン源によって発生させたロイシンエンケファリンの分析種イオンの質量スペクトルを示す。 図6は、質量分析計からの調整ページを示すとともに、好ましいグロー放電イオン源によって発生させたセシウムロックマスイオンおよびジヨードメタンロックマスイオンならびにエレクトロスプレーイオン源によって発生させたロイシンエンケファリンの分析種イオンを示す質量スペクトルを示す。 図7は、グロー放電を発生させるための放電ピンが質量分析計の第1の真空室内に位置する隔離弁の本体の内部に設けられた一実施形態を示す。 図8は、本発明の一実施形態に係るグロー放電源によって発生させたアゾベンゼン試薬イオンによるフラグメンテーションを受けさせた三価のP物質の電子移動解離フラグメンテーションスペクトルを示す。 図9Aは、本発明の一実施形態に係るグロー放電源によって発生させたペルフルオロトリペンチルアミン(FC70)イオンおよびセシウムイオンを用いて行った較正質量スペクトルを示す。 図9Bは、実験に基づいた質量スペクトルと、参照質量スペクトルと、較正後の残留質量誤差の決定とを示す。
大気圧イオン源が大気圧未満エレクトロスプレーイオン化イオン源のような大気圧未満イオン源で置き換えられ得る、好ましさが劣る実施形態が考えられる。
コロナ放電デバイスおよびアーク放電デバイスまたはスパーク放電デバイスが本願における意味の範囲内の「グロー放電デバイス」を含むと解釈するべきではないことが当業者には理解されよう。グロー放電動作のための典型的な動作パラメータは、グロー放電デバイスを、好ましくは0.01〜15mbarの範囲の、大気圧未満の圧力で動作させることである。いったんグロー放電が開始されると、グロー放電デバイスのピンまたは電極への印加電圧は、好ましくは100〜2000Vの範囲であり、印加電流は、好ましくは0.1μA〜100μAの範囲である。これとは対照的に、コロナ放電デバイスは、典型的には、大気圧(または近大気圧)で、すなわち、>900mbarの圧力で動作させる。コロナ放電デバイスに関しては、印加電流は、典型的には5〜15μAの範囲であり、いったんコロナ放電が成立すると、印加電圧は、典型的には3000〜7000Vの範囲である。
コロナ放電は、幾何学的配置によりガスイオン化プロセスが活性電極の周囲の高電界イオン化領域に限定されるガス放電を含むと考えられ得る。すべての放電形態はイオン化領域を有するため、コロナ放電の特徴は、イオン化領域と最終的な低電場不活性電極とを接続する低電界ドリフト領域の存在であると考えられ得る。このドリフト領域において、イオンおよび電子が、ドリフトし、中性種と反応するのであるが、イオン化するにはエネルギーが低すぎ、他のイオン化粒子と反応するには密度が低すぎる。単極性の導電コロナ中、ドリフトイオン/電子は、コロナ極性を有し(すなわち、プラズマなし)、それらの空間電場は、コロナ電流/電圧特性と放電ギャップにおける電流密度分布との両方を決定する際の主要因子となる。
低密度、低温のグロー(またはプラズマ)放電(上記好ましい実施形態において用いられるものなど)においては、プラズマに印加される電圧が、使用されるガスのイオン化電位よりも大きい。プラズマ電圧降下のほとんどは、イオン化の大半が起こる陰極の近くで生じる。放電は、イオンまたは再結合放射が陰極にぶつかるときに発せられる二次電子によって持続する。電子は、陰極から離れるように加速され、放電内の中性ガスをイオン化する。
グロー放電デバイスは、電極またはピンを備えることが好ましく、質量分析計は、グロー放電を生じさせるかまたは発生させるために電極またはピンにDC電圧および/またはRF電圧を供給または印加するための電圧デバイスをさらに備えることが好ましい。
質量分析計は、1つ以上の試薬を、使用時に、グロー放電デバイスが生じさせるかまたは発生させるグロー放電によって当該1つ以上の試薬がイオン化されるように、グロー放電デバイスの近傍に分注するための1つ以上の分注デバイスをさらに備えることが好ましい。
1つ以上の試薬は、1つ以上の電子移動解離試薬および/または1つ以上のプロトン移動反応試薬および/または1つ以上のロックマス(lock mass)試薬もしくは較正試薬を含むことが好ましい。
好ましさが劣る実施形態によると、グロー放電デバイスは、真空室に隣接するハウジングに収容され得、グロー放電デバイスによって発生される第2のイオンは、ハウジングから第2の開口を通過して真空室に入り得る。
質量分析計は、固体状、粉末状、部分的に固体状、もしくはゲル状の物質、揮発性の液体、または気体のいずれかを備え得、当該物質、液体、または気体は、当該物質、液体、または気体からイオンがスパッタ、抽出、または放出されるように、グロー放電デバイスの近傍に配置または供給されていてもよい。一実施形態によると、物質はヨウ化セシウムを含み得、ヨウ化セシウムがグロー放電を受けると、セシウムロックマスイオンが放出されることになる。フルオランテン試薬蒸気を上記好ましいグロー放電デバイスによってイオン化し、本発明の一実施形態による参照イオンを供給してもよい。
質量分析計は、1つ以上の試薬および/または1つ以上のプロトン移動反応試薬および/または1つ以上の電子移動解離試薬および/または1つ以上のロックマス試薬をグロー放電デバイスの近傍に供給するための供給デバイスをさらに備えることが好ましい。
質量分析計は、真空室内に配置された隔離弁をさらに備えることが好ましい。隔離弁は、サンプリングコーンまたは第1の開口の下流に配置されることが好ましい。
好ましさの劣る実施形態によると、グロー放電デバイスは、隔離弁の上流に位置し得る。特に好ましい実施形態によると、グロー放電デバイスは、隔離弁の内部または隔離弁の下流に位置し得る。他に、グロー放電デバイスが質量分析計のノズル−スキマー間インターフェースの内部の大気圧未満の圧力領域に位置し得る実施形態が考えられる。
隔離弁は、第1の回転可能な口を備えることが好ましく、隔離弁を第1の位置まで回転させると、隔離弁の下流の真空室はサンプリングコーンまたは第1の開口と流体連通し、隔離弁を第2の位置まで回転させると、隔離弁の下流の真空室はサンプリングコーンまたは第1の開口と流体連通しなくなる。隔離弁は、好ましくは、不使用時に質量分析計の内部に真空が維持されることを可能にする。
グロー放電デバイスは、鋭利または尖鋭な先端を有する管を備えることが好ましい。
質量分析計は、1つ以上の試薬および/または1つ以上の電子移動解離試薬および/または1つ以上のプロトン移動反応試薬および/または1つ以上のロックマス試薬を上記管を通して供給するための供給デバイスをさらに備えることが好ましい。
グロー放電デバイスは、連続的またはパルス的に動作させることが好ましい。特に好ましい実施形態によると、グロー放電デバイスを、分析種イオン源(好ましくは、エレクトロスプレーイオン源のような大気圧イオン源か大気圧未満エレクトロスプレーイオン源のような大気圧未満イオン源かのどちらかを備える)と交互に、パルス的に動作させる。
一実施形態によると、グロー放電デバイスを、使用時に、一動作モードにおいて、(i)<−1kV、(ii)−900〜−800V、(iii)−800〜−700V、(iv)−700〜−600V、(v)−600〜−500V、(vi)−500〜−400V、(vii)−400〜−300V、(viii)−300〜−200V、(ix)−200〜−100V、(x)−100〜0V、(xi)0〜100V、(xii)100〜200V、(xiii)200〜300V、(xiv)300〜400V、(xv)400〜500V、(xvi)500〜600V、(xvii)600〜700V、(xviii)700〜800V、(xix)800〜900V、(xx)900〜1000V、および(xxi)>1kVからなる群から選ばれる電位にて維持するかまたは動作させる。
一実施形態によると、グロー放電デバイスを、使用時に、(i)>0.001mbar、(ii)>0.01mbar、(iii)>0.1mbar、(iv)>1mbar、(v)>10mbar、(vi)>100mbar、(vii)<0.001mbar、(viii)<0.01mbar、(ix)<0.1mbar、(x)<1mbar、(xi)<10mbar、(xii)<100mbar、(xiii)0.001〜0.01mbar、(xiv)0.01〜0.1mbar、(xiv)0.1〜1mbar、(xv)1〜10mbar、および(xvi)10〜100mbarからなる群から選ばれる圧力にて動作させる。上記好ましい実施形態によると、グロー放電デバイスは、0.01〜20mbarの範囲の圧力に維持される。
質量分析計は、第2の真空室内に配置された電子移動解離フラグメンテーションセルをさらに備えることが好ましく、第2の真空室は、真空室の下流に位置し、使用時に、グロー放電デバイスによって発生される少なくともいくらかの電子移動解離試薬イオンを、電子移動解離フラグメンテーションセルの内部で少なくともいくらかの分析種イオンと相互作用させ、分析種イオンのうちの少なくともいくらかを電子移動解離によりフラグメンテーションさせるようにする。
本発明の別の態様によると、
真空室を準備する工程と、
第1のイオンを発生させるための大気圧イオン源を準備する工程と、
大気圧イオン源によって第1のイオンを発生させ、第1のイオンを、サンプリングコーンまたは第1の開口を介して真空室内へ移送する工程と、
第2のイオンを発生させるためのグロー放電デバイスを準備する工程と、
グロー放電デバイスによって第2のイオンを発生させる工程であって、第2のイオンを、真空室の内部で発生させるか、またはサンプリングコーンもしくは第1の開口を介さずに真空室内へ移送する工程と
を含む質量分析の方法が提供される。
本発明の別の態様によると、
分析種イオンを発生させるための大気圧イオン源と、
質量分析計の真空室の内部に位置する、試薬イオンおよび/または参照イオンを発生させるためのグロー放電デバイスと
を備える質量分析計が提供される。
グロー放電デバイスは、大気圧未満の圧力に維持されることが好ましい。本発明の一実施形態によると、グロー放電デバイスは、<200mbar、さらに好ましくは<100mbarの圧力に維持される。
質量分析計は、好ましくは、
(i)電子移動解離反応セルであって、試薬イオンを当該反応セルの内部で分析種イオンと相互作用させて、分析種イオンのうちの少なくともいくらかを電子移動解離によりフラグメンテーションさせる電子移動解離反応セル、および/または、
(ii)プロトン移動反応反応セルであって、試薬イオンを当該反応セルの内部で分析種イオンと相互作用させて、分析種イオンのうちの少なくともいくらかの電荷状態をプロトン移動反応により低減するプロトン移動反応反応セル
をさらに備える。
本発明の別の態様によると、
分析種イオンを発生させるための大気圧イオン源を準備する工程と、
質量分析計の真空室の内部に位置する、試薬イオンおよび/または参照イオンを発生させるためのグロー放電デバイスを用いる工程と
を含む質量分析の方法が提供される。
上記の方法は、
(i)試薬イオンを電子移動解離反応セルの内部で分析種イオンと相互作用させて、分析種イオンのうちの少なくともいくらかを電子移動解離によりフラグメンテーションさせる工程、および/または、
(ii)試薬イオンをプロトン移動反応反応セルの内部で分析種イオンと相互作用させて、分析種イオンのうちの少なくともいくらかの電荷状態をプロトン移動反応により低減する工程
をさらに含むことが好ましい。
本発明の別の態様によると、
分析種イオンを発生させるための大気圧イオン源と、
真空室と、
真空室を大気圧イオン源から隔てるノズル−スキマー間インターフェースであって、大気圧イオン源によって発生される少なくともいくらかの分析種イオンが、使用時に、ノズル−スキマー間インターフェースを通って真空室内へ移送されるノズル−スキマー間インターフェースと、
真空室内に位置する隔離弁と、
隔離弁の内部または下流に位置する、試薬イオンおよび/または参照イオンを発生させるためのグロー放電デバイスと、
グロー放電デバイスに試薬を供給するためのデバイスと
を備える質量分析計が提供される。
上記デバイスは、グロー放電デバイスに試薬蒸気を供給するためのデバイスを含むことが好ましい。特に好ましい実施形態によると、試薬蒸気は、グロー放電デバイスを形成する中空管を通って供給され得る。
本発明の別の態様によると、
分析種イオンを発生させるための大気圧イオン源を準備する工程と、
真空室を準備する工程と、
真空室を大気圧イオン源から隔てるノズル−スキマー間インターフェースであって、大気圧イオン源によって発生される少なくともいくらかの分析種イオンが、ノズル−スキマー間インターフェースを通って真空室内へ移送されるノズル−スキマー間インターフェースを準備する工程と、
真空室内に位置する隔離弁を準備する工程と、
隔離弁の内部または下流に位置するグロー放電デバイスを用いて試薬イオンおよび/または参照イオンを発生させる工程と、
グロー放電デバイスに試薬を供給する工程と
を含む質量分析の方法が提供される。
本発明の別の態様によると、
真空室と、
分析種イオンを発生させるための大気圧未満イオン源と、
試薬イオンまたは参照イオンを発生させるためのグロー放電デバイスであって、グロー放電デバイスによって発生される試薬イオンまたは参照イオンを真空室の内部で発生させるグロー放電デバイスと
を備える質量分析計が提供される。
本発明の別の態様によると、
真空室を準備する工程と、
大気圧未満イオン源を用いて分析種イオンを発生させる工程と、
グロー放電デバイスを用いて試薬イオンまたは参照イオンを発生させる工程であって、グロー放電デバイスによって発生される試薬イオンまたは参照イオンを真空室の内部で発生させる工程と
を含む質量分析の方法が提供される。
本発明の別の態様によると、
分析種イオンを発生させるための大気圧イオン源または大気圧未満イオン源と、
真空室と、
真空室をイオン源から隔てるノズル−スキマー間インターフェースであって、イオン源によって発生される少なくともいくらかの分析種イオンが、使用時に、ノズル−スキマー間インターフェースを通って真空室内へ移送されるノズル−スキマー間インターフェースと、
試薬イオンおよび/または参照イオンを発生させるためのグロー放電デバイスであって、ノズル−スキマー間インターフェースの内部または下流に位置し、使用時に大気圧未満の圧力に維持されるグロー放電デバイスと、
グロー放電デバイスに試薬蒸気を供給するためのデバイスと
を備える質量分析計が提供される。
本発明の別の態様によると、
分析種イオンを発生させるための大気圧イオン源または大気圧未満イオン源を準備する工程と、
真空室を準備する工程と、
真空室をイオン源から隔てるノズル−スキマー間インターフェースであって、イオン源によって発生される少なくともいくらかの分析種イオンが、ノズル−スキマー間インターフェースを通って真空室内へ移送されるノズル−スキマー間インターフェースを準備する工程と、
ノズル−スキマー間インターフェースの内部または下流に位置し、大気圧未満の圧力に維持されたグロー放電デバイスを用いて試薬イオンおよび/または参照イオンを発生させる工程と、
グロー放電デバイスに試薬蒸気を供給する工程と
を含む質量分析の方法が提供される。
本発明の別の態様によると、
分析種イオンを発生させるための大気圧イオン源と、
第1の真空室と、
第1の真空室をイオン源から隔てるノズル−スキマー間インターフェースであって、イオン源によって発生される少なくともいくらかの分析種イオンが、使用時に、ノズル−スキマー間インターフェースを通って第1の真空室内へ移送されるノズル−スキマー間インターフェースと、
電子移動解離試薬イオンを発生させるためのグロー放電デバイスであって、ノズル−スキマー間インターフェースの内部または下流かつ第1の真空室の内部に位置し、使用時に0.01〜100mbarの範囲の圧力に維持されるグロー放電デバイスと、
使用時にグロー放電デバイスにより電子移動解離試薬イオンが形成されるように、グロー放電デバイスに試薬蒸気を供給するためのデバイスと、
第1の真空室の下流に位置する第2の真空室内に配置された電子移動解離フラグメンテーションセルであって、使用時に、電子移動解離試薬イオンのうちの少なくともいくらかを、電子移動解離フラグメンテーションセルの内部で少なくともいくらかの分析種イオンと相互作用させ、分析種イオンのうちの少なくともいくらかを電子移動解離によりフラグメンテーションさせるようにする電子移動解離フラグメンテーションセルと
を備える質量分析計が提供される。
本発明の別の態様によると、
分析種イオンを発生させるための大気圧イオン源を準備する工程と、
第1の真空室を準備する工程と、
第1の真空室をイオン源から隔てるノズル−スキマー間インターフェースを準備する工程と、
イオン源によって発生された少なくともいくらかの分析種イオンを、ノズル−スキマー間インターフェースを通して第1の真空室内へ移送する工程と、
ノズル−スキマー間インターフェースの内部または下流かつ第1の真空室の内部に位置するグロー放電デバイスを用いて電子移動解離試薬イオンを発生させる工程と、
グロー放電デバイスを0.01〜100mbarの圧力に維持する工程と、
グロー放電デバイスによって電子移動解離試薬イオンが形成されるように、グロー放電デバイスに試薬蒸気を供給する工程と、
第1の真空室の下流に位置する第2の真空室内に配置された電子移動解離フラグメンテーションセルを準備する工程と、
電子移動解離試薬イオンのうちの少なくともいくらかを、電子移動解離フラグメンテーションセルの内部で少なくともいくらかの分析種イオンと相互作用させ、分析種イオンのうちの少なくともいくらかを電子移動解離によりフラグメンテーションさせるようにする工程と
を含む質量分析の方法が提供される。
本発明の別の態様によると、質量分析計の制御システムによって実行可能なコンピュータプログラムが提供され、質量分析計は、真空室と、第1のイオンを発生させるための大気圧イオン源と、第2のイオンを発生させるためのグロー放電デバイスとを備え、コンピュータプログラムは、制御システムに、
(i)大気圧イオン源によって発生させた第1のイオンを、サンプリングコーンまたは第1の開口を介して真空室内へ移送させ、
(ii)第2のイオンを、グロー放電デバイスによって発生させ、ここで、第2のイオンは、真空室の内部で発生されるか、またはサンプリングコーンもしくは第1の開口を介さずに真空室内へ移送される
ように構成されている。
本発明の別の態様によると、質量分析計の制御システムによって実行可能なコンピュータプログラムが提供され、質量分析計は、大気圧イオン源と、質量分析計の真空室の内部に位置するグロー放電デバイスとを備え、コンピュータプログラムは、制御システムに、
(i)大気圧イオン源に分析種イオンを発生させ、
(ii)グロー放電デバイスに試薬イオンおよび/または参照イオンを発生させる
ように構成されている。
本発明の別の態様によると、質量分析計の制御システムによって実行可能なコンピュータプログラムが提供され、質量分析計は、分析種イオンを発生させるための大気圧イオン源と、真空室と、真空室を大気圧イオン源から隔てるノズル−スキマー間インターフェースと、真空室内に位置する隔離弁と、隔離弁の内部または下流に位置するグロー放電デバイスと、グロー放電デバイスに試薬を供給するためのデバイスとを備え、コンピュータプログラムは、制御システムに、
(i)大気圧イオン源によって発生させた少なくともいくらかの分析種イオンを、ノズル−スキマー間インターフェースを通して真空室内へ移送させ、
(ii)グロー放電デバイスに試薬イオンおよび/または参照イオンを発生させる
ように構成されている。
本発明の別の態様によると、質量分析計の制御システムによって実行可能なコンピュータプログラムが提供され、質量分析計は、真空室と、分析種イオンを発生させるための大気圧未満イオン源と、グロー放電デバイスとを備え、コンピュータプログラムは、制御システムに、
(i)グロー放電デバイスに真空室の内部で試薬イオンまたは参照イオンを発生させるように構成されている。
本発明の別の態様によると、質量分析計の制御システムによって実行可能なコンピュータプログラムが提供され、質量分析計は、分析種イオンを発生させるための大気圧イオン源または大気圧未満イオン源と、真空室と、真空室をイオン源から隔てるノズル−スキマー間インターフェースと、ノズル−スキマー間インターフェースの内部または下流に位置する、試薬イオンおよび/または参照イオンを発生させるためのグロー放電デバイスと、グロー放電デバイスに試薬蒸気を供給するためのデバイスとを備え、コンピュータプログラムは、制御システムに、
(i)イオン源によって発生させた少なくともいくらかの分析種イオンを、ノズル−スキマー間インターフェースを通して真空室内へ移送させ、
(ii)グロー放電デバイスを大気圧未満の圧力に維持させる
ように構成されている。
本発明の別の態様によると、質量分析計の制御システムによって実行可能なコンピュータプログラムが提供され、質量分析計は、分析種イオンを発生させるための大気圧イオン源と、第1の真空室と、第1の真空室をイオン源から隔てるノズル−スキマー間インターフェースと、ノズル−スキマー間インターフェースの内部または下流かつ第1の真空室の内部に位置する、電子移動解離試薬イオンを発生させるためのグロー放電デバイスと、グロー放電デバイスによって電子移動解離試薬イオンが形成されるようにグロー放電デバイスに試薬蒸気を供給するためのデバイスと、第1の真空室の下流に位置する第2の真空室内に配置された電子移動解離フラグメンテーションセルとを備え、コンピュータプログラムは、制御システムに、
(i)イオン源によって発生させた少なくともいくらかの分析種イオンを、ノズル−スキマー間インターフェースを通して第1の真空室内へ移送させ、
(ii)グロー放電デバイスを0.01〜100mbarの範囲の圧力に維持させ、
(iii)電子移動解離試薬イオンのうちの少なくともいくらかを、電子移動解離フラグメンテーションセルの内部で少なくともいくらかの分析種イオンと相互作用させ、分析種イオンのうちの少なくともいくらかを電子移動解離によりフラグメンテーションさせるようにする
ように構成されている。
本発明の別の態様によると、コンピュータ読み取り可能な媒体に記憶されたコンピュータで実行可能な命令を含むコンピュータ読み取り可能な媒体が提供され、当該命令は、質量分析計の制御システムによって実行可能に構成され、真空室と、第1のイオンを発生させるための大気圧イオン源と、第2のイオンを発生させるためのグロー放電デバイス、コンピュータプログラムは、制御システムに、
(i)大気圧イオン源によって発生させた第1のイオンを、サンプリングコーンまたは第1の開口を介して真空室内へ移送させ、
(ii)第2のイオンを、グロー放電デバイスによって発生させ、ここで、第2のイオンは、真空室の内部で発生されるか、またはサンプリングコーンまたは第1の開口を介さずに真空室内へ移送される
ように構成されている。
本発明の別の態様によると、コンピュータ読み取り可能な媒体に記憶されたコンピュータで実行可能な命令を含むコンピュータ読み取り可能な媒体が提供され、当該命令は、質量分析計の制御システムによって実行可能に構成され、質量分析計は、大気圧イオン源と、質量分析計の真空室の内部に位置するグロー放電デバイスとを備え、コンピュータプログラムは、制御システムに、
(i)大気圧イオン源に分析種イオンを発生させ、
(ii)グロー放電デバイスに試薬イオンおよび/または参照イオンを発生させる
ように構成されている。
本発明の別の態様によると、コンピュータ読み取り可能な媒体に記憶されたコンピュータで実行可能な命令を含むコンピュータ読み取り可能な媒体が提供され、当該命令は、質量分析計の制御システムによって制御可能に構成され、質量分析計は、分析種イオンを発生させるための大気圧イオン源と、真空室と、真空室を大気圧イオン源から隔てるノズル−スキマー間インターフェースと、真空室内に位置する隔離弁と、隔離弁の内部または下流に位置するグロー放電デバイスと、グロー放電デバイスに試薬を供給するためのデバイスとを備え、コンピュータプログラムは、制御システムに、
(i)大気圧イオン源によって発生させた少なくともいくらかの分析種イオンを、ノズル−スキマー間インターフェースを通して真空室内へ移送させ、
(ii)グロー放電デバイスに試薬イオンおよび/または参照イオンを発生させる
ように構成されている。
本発明の別の態様によると、コンピュータ読み取り可能な媒体に記憶されたコンピュータで実行可能な命令を含むコンピュータ読み取り可能な媒体が提供され、当該命令が、質量分析計の制御システムによって実行可能に構成され、質量分析計は、真空室と、分析種イオンを発生させるための大気圧未満イオン源と、グロー放電デバイスとを備え、コンピュータプログラムは、制御システムに、
(i)グロー放電デバイスに真空室の内部で試薬イオンまたは参照イオンを発生させるように構成されている。
本発明の別の態様によると、コンピュータ読み取り可能な媒体に記憶されたコンピュータで実行可能な命令を含むコンピュータ読み取り可能な媒体が提供され、当該命令は、質量分析計の制御システムによって実行可能に構成され、質量分析計は、分析種イオンを発生させるための大気圧イオン源または大気圧未満イオン源と、真空室と、真空室をイオン源から隔てるノズル−スキマー間インターフェースと、ノズル−スキマー間インターフェースの内部または下流に位置する、試薬イオンおよび/または参照イオンを発生させるためのグロー放電デバイスと、グロー放電デバイスに試薬蒸気を供給するためのデバイスとを備え、コンピュータプログラムは、制御システムに、
(i)イオン源によって発生させた少なくともいくらかの分析種イオンを、ノズル−スキマー間インターフェースを通して真空室内へ移送させ、
(ii)グロー放電デバイスを大気圧未満の圧力に維持させる
ように構成されている。
本発明の別の態様によると、コンピュータ読み取り可能な媒体に記憶されたコンピュータで実行可能な命令を含むコンピュータ読み取り可能な媒体が提供され、当該命令は、質量分析計の制御システムによって実行可能に構成され、質量分析計は、分析種イオンを発生させるための大気圧イオン源と、第1の真空室と、第1の真空室をイオン源から隔てるノズル−スキマー間インターフェースと、ノズル−スキマー間インターフェースの内部または下流かつ第1の真空室の内部に位置する、電子移動解離試薬イオンを発生させるためのグロー放電デバイスと、グロー放電デバイスによって電子移動解離試薬イオンが形成されるようにグロー放電デバイスに試薬蒸気を供給するためのデバイスと、第1の真空室の下流に位置する第2の真空室内に配置された電子移動解離フラグメンテーションセルとを備え、コンピュータプログラムは、制御システムに、
(i)イオン源によって発生させた少なくともいくらかの分析種イオンを、ノズル−スキマー間インターフェースを通して第1の真空室内へ移送させ、
(ii)グロー放電デバイスを0.01〜100mbarの範囲の圧力に維持させ、
(iii)電子移動解離試薬イオンのうちの少なくともいくらかを、電子移動解離フラグメンテーションセルの内部で少なくともいくらかの分析種イオンと相互作用させ、分析種イオンのうちの少なくともいくらかを電子移動解離によりフラグメンテーションさせるようにする
ように構成されている。
コンピュータ読み取り可能な媒体は、(i)ROM、(ii)EAROM、(iii)EPROM、(iv)EEPROM、(v)フラッシュメモリ、(vi)光学ディスク、(vii)RAM、および(viii)ハードディスクドライブからなる群から選ばれることが好ましい。
本発明の好ましい実施形態によると、多目的のグロー放電デバイスまたはイオン源が提供される。一実施形態によると、試薬イオンを、グロー放電イオン源によって質量分析計の真空室の内部で発生させる。試薬イオンは、質量分析計の本体の内部で発生させることが好ましく、有利には、グロー放電源は、分析種イオンを発生させるのに用いられることが好ましい大気圧イオン源の位置決めまたは動作を妨げないことが好ましい。
グロー放電イオン源によって発生される試薬イオンは、好ましくは、それらのイオンを発生させる真空室またはハウジングから、質量分析計における下流の真空室内に配置されることが好ましい衝突セルへ移送される。試薬イオンを、衝突セルの内部で分析種イオンと相互作用させることが好ましい。分析種イオンを、試薬イオンとのイオン−イオン反応によって、電子移動解離(ETD)のプロセスによりフラグメンテーションさせることが好ましい。分析種イオンは、当該衝突セルの内部でか、さらなる衝突セルの内部かのどちらかでのプロトン移動反応(PTR)により、電荷状態を低減させてもよい。
グロー放電イオン源は、さらに、または代わりに、較正用またはロックマス補正用のイオンを準備するために用いられ得る。
本発明の一態様によると、大気圧イオン源と、中間または大気圧未満の圧力にて準備または維持されることが好ましいグロー放電源とを備える質量分析計が提供される。グロー放電源は、好ましくは、試薬イオンを発生させるために用いられる。試薬イオンを質量分析計の反応セルの内部で用いて、電子移動解離による有機分析種イオンの解離またはフラグメンテーションを誘起し得る。
グロー放電源は、参照イオンを発生させるために用いられてもよい。参照イオンは、例えば、質量分析計の質量スケールを較正するために用いられてもよく、質量分析計の質量スケールの較正を補正するために用いられてもよい。
グロー放電源は、(i)<100mbar、(ii)<50mbar、(iii)<20mbar、(iv)<10mbar、(v)<5mbar、(vi)<2mbar、(vii)<1mbar、(viii)<0.5mbar、(ix)<0.2mbar、または(x)<0.1mbarの圧力にて動作させるように構成されることが好ましい。
グロー放電源は、(i)1〜100mbar、(ii)0.5〜50mbar、(iii)0.2〜20mbar、(iv)0.1〜10mbar、(v)0.1〜100mbar、(vi)0.2〜50mbar、(vii)0.5〜20mbar、(viii)1〜10mbar、または(ix)2〜5mbarの圧力にて動作するように構成され得る。
グロー放電源は、(好ましくは当該グロー放電源を取り囲む室に対して)(i)>50V、(ii)>100V、(iii)>200V、(iv)>500V、(v)>1000V、(vi)<1000V、(vii)<500V、(viii)<200V、(ix)<100V、(x)50〜1000V、および(xi)100〜500Vの電位に保持されることが好ましい電極を備えることが好ましい。
グロー放電イオン源は、大気圧イオン化イオン源と実質的に同時にかまたは交互に動作させ得る。大気圧イオン化イオン源は、好ましくは、実質的に大気圧で動作させる。
分析種イオンを発生させるために用いられるイオン源が、大気圧未満エレクトロスプレーイオン源のような大気圧未満イオン源を含み得る、さらなる実施形態が考えられる。分析種イオンを発生させるために用いられる大気圧未満イオン源は、(i)<100mbar、(ii)<50mbar、(iii)<20mbar、(iv)<10mbar、(v)<5mbar、(vi)<2mbar、(vii)<1mbar、(viii)<0.5mbar、(ix)<0.2mbar、(x)<0.1mbar、または(xi)<800mbarの圧力にて動作させ得る。大気圧未満イオン源は、(i)1〜100mbar、(ii)0.5〜50mbar、(iii)0.2〜20mbar、(iv)0.1〜10mbar、(v)0.1〜100mbar、(vi)0.2〜50mbar、(vii)0.5〜20mbar、(viii)1〜10mbar、(ix)2〜5mbar、または(x)100〜800mbarの圧力にて動作するように構成され得る。一実施形態によると、大気圧未満イオン源を、グロー放電イオン源の圧力よりも高い(または低い)圧力で動作させ得る。
大気圧イオン化イオン源は、例えば、エレクトロスプレーイオン源、APCIイオン源、APPIイオン源、DESIイオン源、DARTイオン源、または大気圧MALDIイオン源を含み得る。
質量分析計または質量分析部は、四重極質量分析部、三次元またはポールイオントラップ質量分析部、二次元またはリニアイオントラップ質量分析部、飛行時間質量分析部、直交加速式飛行時間質量分析部、磁場型質量分析部、フーリエ変換質量分析計(「FT−MS」)、フーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴(「FT−ICR」)質量分析部、フーリエ変換静電イオントラップ、またはオービトラップ(登録商標)質量分析部のいずれかを含み得る。
質量分析計の動作圧力は、好ましくは、(i)<10-3mbar、(ii)<10-4mbar、(iii)<10-5mbar、(iv)<10-6mbar、(v)<10-7mbar、(vi)<10-8mbar、(vii)<10-9mbar、または(viii)<10-10mbarとなるように構成される。
質量分析計は、好ましくは、ガス衝突セルを含む。ガス衝突セルを用いて、ガス分子との衝突、電子との相互作用、試薬イオンとの相互作用、負の電荷を持つ試薬イオンとの相互作用、準安定原子との相互作用、準安定分子との相互作用、または準安定イオンとの相互作用による有機分析種イオンの分解またはフラグメンテーションを誘起し得る。
一実施形態によると、質量分析計は、(i)エレクトロスプレーイオン化(「ESI」)イオン源、(ii)大気圧光イオン化(「APPI」)イオン源、(iii)大気圧化学イオン化(「APCI」)イオン源、(iv)マトリックス支援レーザ脱離イオン化(「MALDI」)イオン源、(v)レーザ脱離イオン化(「LDI」)イオン源、(vi)大気圧イオン化(「API」)イオン源、(vii)シリコンを用いた脱離イオン化(「DIOS」)イオン源、(viii)電子衝突(「EI」)イオン源、(ix)化学イオン化(「CI」)イオン源、(x)電界イオン化(「FI」)イオン源、(xi)電界脱離(「FD」)イオン源、(xii)誘導結合プラズマ(「ICP」)イオン源、(xiii)高速原子衝撃(「FAB」)イオン源、(xiv)液体二次イオン質量分析(「LSIMS」)イオン源、(xv)脱離エレクトロスプレーイオン化(「DESI」)イオン源、(xvi)ニッケル−63放射性イオン源、(xvii)大気圧マトリックス支援レーザ脱離イオン化イオン源、(xviii)サーモスプレーイオン源、(xix)大気サンプリンググロー放電イオン化(「ASGDI」)イオン源、(xx)グロー放電(「GD」)イオン源、(xxi)大気圧未満エレクトロスプレーイオン化イオン源、および(xxii)実時間直接分析(Direct Analysis in Real Time)(「DART」)イオン源からなる群から選ばれる1つ以上のイオン源を備え得る。
質量分析計は、1つ以上の連続イオン源またはパルス化イオン源をさらに備え得る。
質量分析計は、1つ以上のイオンガイドを備え得る。
一実施形態によると、上記質量分析計は、1つ以上のイオン移動度分離デバイスおよび/または1つ以上のフィールド非対称イオン移動度分光計デバイスをさらに備え得る。
質量分析計は、1つ以上のイオントラップまたは1つ以上のイオントラッピング領域を備え得る。
一実施形態によると、上記質量分析計は、(i)衝突誘起解離(「CID」)フラグメンテーションデバイス、(ii)表面誘起解離(「SID」)フラグメンテーションデバイス、(iii)電子移動解離(「ETD」)フラグメンテーションデバイス、(iv)電子捕獲解離(「ECD」))フラグメンテーションデバイス、(v)電子衝突または衝撃解離フラグメンテーションデバイス、(vi)光誘起解離(「PID」)フラグメンテーションデバイス、(vii)レーザ誘起解離フラグメンテーションデバイス、(viii)赤外放射誘起解離デバイス、(ix)紫外放射誘起解離デバイス、(x)ノズル−スキマー間インターフェースフラグメンテーションデバイス、(xi)インソースフラグメンテーションデバイス、(xii)インソース衝突誘起解離フラグメンテーションデバイス、(xiii)熱または温度源フラグメンテーションデバイス、(xiv)電界誘起フラグメンテーションデバイス、(xv)磁場誘起フラグメンテーションデバイス、(xvi)酵素消化または酵素分解フラグメンテーションデバイス、(xvii)イオン−イオン反応フラグメンテーションデバイス、(xviii)イオン−分子反応フラグメンテーションデバイス、(xix)イオン−原子反応フラグメンテーションデバイス、(xx)イオン−準安定イオン反応フラグメンテーションデバイス、(xxi)イオン−準安定分子反応フラグメンテーションデバイス、(xxii)イオン−準安定原子反応フラグメンテーションデバイス、(xxiii)イオンを反応させて付加イオンまたはプロダクトイオンを形成するイオン−イオン反応デバイス、(xxiv)イオンを反応させて付加イオンまたはプロダクトイオンを形成するイオン−分子反応デバイス、(xxv)イオンを反応させて付加イオンまたはプロダクトイオンを形成するイオン−原子反応デバイス、(xxvi)イオンを反応させて付加イオンまたはプロダクトイオンを形成するイオン−準安定イオン反応デバイス、(xxvii)イオンを反応させて付加イオンまたはプロダクトイオンを形成するイオン−準安定分子反応デバイス、(xxviii)イオンを反応させて付加イオンまたはプロダクトイオンを形成するイオン−準安定原子反応デバイス、および(xxix)電子イオン化解離(「EID」)フラグメンテーションデバイスからなる群から選ばれる1つ以上の衝突セル、フラグメンテーションセルまたは反応セルをさらに備え得る。
一実施形態によると、質量分析計は、(i)四重極質量分析部、(ii)二次元またはリニア四重極質量分析部、(iii)ポールまたは三次元四重極質量分析部、(iv)ペニングトラップ質量分析部、(v)イオントラップ質量分析部、(vi)磁場型質量分析部、(vii)イオンサイクロトロン共鳴(「ICR」)質量分析部、(viii)フーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴(「FTICR」)質量分析部、(ix)静電場またはオービトラップ質量分析部、(x)フーリエ変換静電場またはオービトラップ質量分析部、(xi)フーリエ変換質量分析部、(xii)飛行時間質量分析部、(xiii)直交加速式飛行時間質量分析部、および(xiv)直線加速式飛行時間質量分析部からなる群から選ばれる質量分析部を備え得る。
一実施形態によると、質量分析計は、1つ以上のエネルギー分析部または静電場エネルギー分析部をさらに備え得る。
一実施形態によると、質量分析計は、1つ以上のイオン検出器をさらに備え得る。
一実施形態によると、質量分析計は、(i)四重極質量フィルタ、(ii)二次元またはリニア四重極イオントラップ、(iii)ポールまたは三次元四重極イオントラップ、(iv)ペニングイオントラップ、(v)イオントラップ、(vi)磁場型質量フィルタ、(vii)飛行時間質量フィルタ、および(viii)ウィーンフィルタからなる群から選ばれる1つ以上の質量フィルタをさらに備え得る。
一実施形態によると、質量分析計は、イオンをパルス化するためのデバイスまたはイオンゲートをさらに備え得る。
一実施形態によると、質量分析計は、実質的に連続なイオンビームをパルス化イオンビームに変換するためのデバイスをさらに備え得る。
一実施形態によると、質量分析計は、C−トラップと、外側樽状電極およびこれと同心の内側紡錘状電極を含むオービトラップ質量分析部とを備え得、第1の動作モードにおいては、イオンは、C−トラップに移送され、次いでオービトラップ質量分析部に注入され、第2の動作モードにおいては、イオンは、C−トラップに移送され、次いで、少なくともいくらかのイオンがフラグメントイオンにフラグメンテーションされる衝突セルまたは電子移動解離デバイスに移送され、その後、フラグメントイオンが、C−トラップに移送された後でオービトラップ質量分析部に注入される。
一実施形態によると、質量分析計は、積層リングイオンガイドを備え得、積層リングイオンガイドは、使用時にイオンが移送される開口をそれぞれが有する複数の電極を含み、電極間隔はイオン経路の長さに沿って増大し、イオンガイドの上流部分における電極の開口は第1の直径を有し、イオンガイドの下流部分における電極の開口は第1の直径よりも小さな第2の直径を有し、使用時に、AC電圧またはRF電圧の互いに反対の位相が、連続した電極に印加される。
ここで、添付の図面を参照しながら、単なる例示として、本発明の種々の実施形態を説明する。
図1は、試薬イオンを発生させるためのグロー放電イオン源が質量分析計の第1の真空室に隣接するハウジング内に設けられた本発明の一実施形態を示し、
図2は、質量分析計の第1の真空室に隣接するハウジング内に設けられたグロー放電イオン源に2つの試薬が供給され得る本発明の一実施形態を示し、
図3は、質量分析計の第1の真空室に隣接するハウジングの内部に固体試薬が準備され、固体試薬の一部がグロー放電によりイオン化されて、質量分析計を較正するためのロックマスイオンを提供する本発明の一実施形態を示し、
図4は、グロー放電が、直接に質量分析計の第1の真空室において開始され、揮発性の試薬が、グロー放電を発生させるために用いられる電極の下流にある第1の真空室へ送入され得る本発明の一実施形態を示し、
図5は、質量分析計からの調整ページを示すとともに、好ましいグロー放電イオン源によって発生させたセシウムロックマスイオンおよびエレクトロスプレーイオン源によって発生させたロイシンエンケファリンの分析種イオンの質量スペクトルを示し、
図6は、質量分析計からの調整ページを示すとともに、好ましいグロー放電イオン源によって発生させたセシウムロックマスイオンおよびジヨードメタンロックマスイオンならびにエレクトロスプレーイオン源によって発生させたロイシンエンケファリンの分析種イオンを示す質量スペクトルを示し、
図7は、グロー放電を発生させるための放電ピンが質量分析計の第1の真空室内に位置する隔離弁の本体の内部に設けられた一実施形態を示し、
図8は、本発明の一実施形態に係るグロー放電源によって発生させたアゾベンゼン試薬イオンによるフラグメンテーションを受けさせた三価のP物質の電子移動解離フラグメンテーションスペクトルを示し、
図9Aは、本発明の一実施形態に係るグロー放電源によって発生させたペルフルオロトリペンチルアミン(FC70)イオンおよびセシウムイオンを用いて行った較正質量スペクトルを示し、図9Bは、実験に基づいた質量スペクトルと、参照質量スペクトルと、較正後の残留質量誤差の決定とを示す。
ここで、本発明の一実施形態について、質量分析計の入口兼サンプリングコーン8に隣接して配置された大気圧エレクトロスプレーイオン化イオン源7を示す図1を参照しながら説明する。電極またはピン4を備えるグロー放電源が、好ましくは、質量分析計の第1の真空室3に隣接するハウジング内に設けられる。電極またはピン4は、好ましくは、外部の高電圧源に接続される。ハウジングは、好ましくは、比較的高い圧力または中間の圧力に維持され、電極またはピン4への比較的高い電圧の印加によって、好ましくは、ハウジングの内部でグロー放電1が起こる。
揮発性の試薬6が、好ましくは、ハウジングに送入され、好ましくは、ハウジングの内部に形成されることが好ましいグロー放電空間1に注入される。試薬6の流れは、好ましくは、弁または微量投与デバイス(micro-dosing device)5によって制御される。放電電極またはピン4に高電圧が印加されると、好ましくは、グロー放電が開始され、これによりハウジングに送入された試薬が好ましくはイオン化し、その結果としてハウジングの内部に複数の試薬イオンが形成される。一実施形態によると、試薬イオンをグロー放電空間1から、またはハウジングから、開口2を介して第1の真空室3に入らせる試薬イオンの引き出しを向上させる手段が設けられることが好ましい。例えば、試薬イオンをハウジングから第1の真空室1内へ駆動する(前進させる)ために、ハウジングと第1の真空室1との間に電界を維持してもよい。ハウジングから開口2を介して第1の真空室3および質量分析計のその他のイオン光学部分に流入する中性試薬分子の流れを最小化するために、追加的な排気(図示せず)を、グロー放電空間1を発生させるハウジングに備えてもよい。ハウジングの内部で発生し、開口2を介して第1の真空室3に入る試薬イオンは、次いで、好ましくは、前方へ移送され、引き出しコーン10を通って第2の真空室に入る。第2の真空室は、好ましくは、第2の真空室を通してイオンを移送するように構成されていることが好ましいイオンガイド11を含む。試薬イオン(好ましくは試薬アニオン)は、次いで、好ましくは、第2の真空室の下流のさらなる真空室内に位置する衝突セル(図示せず)へと前方へ移送される。
本発明の好ましい実施形態によると、ハウジングの内部で作られ、好ましくは、衝突セルへと前方へ移送される試薬イオンを、好ましくは、分析種イオン(好ましくは分析種カチオン)と相互作用させる。試薬イオンを、電子移動解離(「ETD」)のプロセスによって分析種イオンをフラグメンテーションさせるように、分析種イオンと相互作用させることが好ましく、その結果、複数のフラグメントイオン、娘イオンまたはプロダクトイオンが、電子移動解離プロセスにより形成されるようにする。好ましさが劣る別の実施形態によると、分析種イオンを実質的にフラグメンテーションさせることなく、プロトン移動反応によって分析種イオンの電荷状態を低減するために、発生させた試薬イオンを分析種イオンと反応させ得る。
代替または追加の実施形態によると、グロー放電イオン源1は、質量分析計の質量較正に用いられることが好ましいイオンの源として作用し得る。本発明の特に好ましい態様は、質量分析計の本体の内部に位置するグロー放電イオン源を用いて、電子移動解離セルおよび/またはプロトン移動反応セルにおいて用いるための試薬イオンと、質量分析計を較正するための較正イオンまたはロックマスイオンとの両方を発生させ得ることである。
グロー放電源は、パルス的に動作させることが好ましく、ここで、高電圧パルスは、好ましくは、ロックマスサイクル中または試薬導入サイクル中にのみ、電極または放電ピン4に印加される。ロックマス化合物は、好ましくは、ロックマスサイクル中にのみハウジング内に入らせる。同様に、試薬は、好ましくは、試薬導入サイクル中にのみハウジング内に入らせる。
分析種イオンは、図1に示したようなエレクトロスプレーイオン化イオン源7のような、別個の大気圧イオン源によって発生させることが好ましい。分析種イオンを発生させるためのイオン源は、質量分析計の本体の外側にあることが好ましい。
公知の従来の質量分析計は、2つのイオン源を備える。第1のイオン源は、分析種イオンを発生させるためのエレクトロスプレーイオン源を含み、第2のイオン源は、試薬イオンまたは較正イオンを発生させるための大気圧化学イオン化イオン源を含む。2つの大気圧イオン源の使用が必要であることは、問題であり、イオン源の幾何学的配置を比較的複雑にする。2つのイオン源は、相互干渉することもあり得、クロストークによる問題を生じさせることもあり得る。したがって、上記好ましい実施形態は、単一のエレクトロスプレーイオン源だけを設ければよい点で特に有利である。このことにより、イオン源の幾何学的配置が単純になり、イオン源間のクロストークの問題がなくなる。
公知の質量分析計の特に重大な問題は、電子移動解離用の試薬イオンを生成するためにイオン化されるアゾベンゼンなどの試薬の多くが、発癌性を有することである。したがって、上記好ましい実施形態の1つの重要な利点は、試薬イオンを発生させるために用いられる試薬が、質量分析計の入口開口の外側(ひいては使用者の近く)に噴霧または放射されるのではなく、質量分析計の真空室の内部に噴霧または注入されることである。この結果、使用者が発癌性を有するかもしれない試薬にさらされることが著しく減少する。
上記好ましい実施形態のさらなる有利な特徴は、上記好ましいグロー放電デバイスが、発生させた試薬イオンの感受性および強度を、従来の質量分析計に比べて著しく向上させることである。
少なくともいくつかの試薬が、電子移動解離(および/またはプロトン移動反応)用の試薬イオンの源と、質量分析計較正用のロックマスイオンまたは参照イオンの源との両方として用いられ得ることも考えられる。イオン源7によって発生させた分析種イオンは、質量分析計のサンプリングコーン8を通して、好ましくは真空ポンプ9によって排気される質量分析計の第1の真空室3に引き込まれることが好ましい。第1の真空室3と質量分析計への入口とは、加熱されていることが好ましい。分析種イオン源および質量分析計の初期段は、z−スプレー(登録商標)イオン源を備え得る。
図2は、2種類の試薬6aおよび6bを、グロー放電空間1を発生させるハウジングに導入し得る本発明の別の実施形態を示す。一実施形態によると、一方の試薬6aは、電子移動解離のようなイオン−イオン反応に用いられる試薬イオンを発生させるために用いられる試薬を含み得る。他方の試薬6bは、較正物質イオンまたはロックマスイオンを発生させるために用いられ得る。試薬イオンの1つの種の選択は、好ましくは、1つ以上の弁または微量投与デバイス5aおよび5bを用いて実施または制御される。あるいは、不要なイオンを濾過して取り除き、かつ/または所望のイオンのみを前方へ移送するために、分解四重極ロッドセット質量フィルタのような質量選択的デバイスを、グロー放電源1の下流に配置または準備してもよい。
3種類、4種類、5種類、6種類、または6種類を超える試薬を、グロー放電1が作られるハウジングに選択的に導入し得るさらなる実施形態が考えられる。ガスの流れを、放電空間に向かって、またはより大まかには、グロー放電1が作られるハウジングに入らせ得る。このガスは、第1の真空段つまり真空室3に対して放電室つまりハウジングの内部の圧力を上げるために導入されることが好ましい不活性なメイクアップガスを含み得る。あるいは、ガスは、放電室つまりハウジングにおける試薬のイオン化を高めるために供給されることが好ましい化学イオン化(CI)ガスを含み得る。ガスは、グロー放電への試薬中性種の流入を制御する手段として、試薬のそばを通ってまたは試薬を通過して流れ得る。グロー放電1を発生させるハウジング内へのガスの追加は、好適または適切な差動排気と相まって、好ましくは、グロー放電1を発生させる放電室またはハウジングを質量分析計の他の真空領域と接続可能にする。
図2に示したような第1の真空室3と質量分析計への入口とは、加熱されていてもよい。分析種イオン源および質量分析計の初期段は、z−スプレー(登録商標)イオン源を備え得る。
ロックマスイオンを生成するための代替の実施形態を図3に示す。本実施形態によると、ヨウ化セシウム(CsI)のようなイオン性の高い固体材料12が、質量分析計の第1の真空室3に隣接して位置するハウジングの内部に置かれ得るかまたは位置し得る。ハウジングの内部でグロー放電1が生成されると、グロー放電1は、好ましくは、ヨウ化セシウム塊の表面からセシウムイオンを放出させる。セシウムイオンは、好ましくは、スパッタされ、好ましくは、ロックマス補正手段として用いるために放電空間1から引き出される。ハウジングに試薬を導入するために、試薬6と流体流路と弁5とを含む試薬導入系を設けてもよい。試薬イオンは、好ましくは、ハウジングの内部でのグロー放電1によって作られ、電子移動解離および/またはプロトン移動反応用の試薬イオンとして用いるために前方へ移送され得る。したがって、本実施形態によると、較正物質イオンまたはロックマスイオンと試薬イオンとの両方を、ハウジングの内部で発生させ得、質量分析計の第1の真空段3および後続の真空段内へと前方へ移送し得る。一実施形態によると、分解四重極ロッドセット質量フィルタをイオン−イオン反応セルの上流かつグロー放電源1の下流に設けて、所望の試薬イオン(好ましくは試薬アニオン)のみが反応セルに導入されることを確実にしてもよい。試薬イオンは、好ましくは、分析種イオン(好ましくは分析種カチオン)と相互作用し、好ましくは、電子移動解離によって分析種イオンをフラグメンテーションさせる。
図3に示した第1の真空室3と質量分析計への入口とは、加熱されていてもよい。分析種イオン源および質量分析計の初期段は、z−スプレー(登録商標)イオン源を備え得る。
図4は、グロー放電を、第1の真空室3に隣接するハウジングにおいてではなく、直接に、質量分析計の第1の真空領域3の内部で開始させる、さらなる実施形態を示す。図4に示す実施形態によると、揮発性の試薬6が、好ましくは、弁5を介して直接に質量分析計の第1の真空室3に送入される。試薬は、好ましくは、電極またはピン4の下流の位置で第1の真空室3に導入される。電極またはピン4は、好ましくは、電気的接続13を介して高電圧源に接続される。高電圧が、好ましくは、電気的接続13を介して電極またはピン4に印加され、このことにより、好ましくは、第1の真空室3の内部でグロー放電が起こる。
他に、揮発性の試薬6の代わりに、第1の真空室3の内部に位置することが好ましいヨウ化セシウム(CsI)のような固体が用いられ得る実施形態が考えられる。ヨウ化セシウム塊は、好ましくは、第1の真空室3の内部に、電極またはピン4への高電圧の印加により第1の真空室3の内部でグロー放電1が形成される領域に隣接して備えられる。
図4に示した第1の真空室3と質量分析計への入口とは、加熱されていてもよい。分析種イオン源および質量分析計の初期段は、z−スプレー(登録商標)イオン源を備え得る。
図5は、修正された、ウォーターズ(Waters)社のQ−Tof Premier(登録商標)質量分析計からの調整ページと、対応する質量スペクトルとを示す。この修正質量分析計は、正イオンモードで動作させた。また、第1の真空室3の内部に電極またはピン4に隣接して準備されたヨウ化セシウムの固体塊からセシウムロックマスイオンを発生させたこと以外は、ほぼ図4に示したように構成した。グロー放電源1は、定電流モードにおいて約+700Vの電圧にて約5μAの放電電流で動作するESCi(登録商標)電源を用いて発生させた。被検分析種としてロイシンエンケファリンを用い、従来のエレクトロスプレーイオン源によってイオン化した。質量電荷比556の被検分析種についての対応する質量スペクトルを図5に示す。ヨウ化セシウム塊をイオン化するグロー放電によって発生させた質量電荷比133のセシウムロックマス較正イオンを用いて、質量分析計を較正した。セシウムロックマスイオンを示す対応する質量スペクトルも図5に示す。1秒間の交互のデータ取得を0.1秒のスペクトル間遅延で行った。
図6は、さらなる調整ページと、追加的な較正化合物としてジヨードメタン蒸気をほぼ図4に示したように質量分析計に追加導入した場合に得られた対応する質量スペクトルとを示す。セシウムイオンも参照イオンの源として発せられるように、ヨウ化セシウムの塊も、第1の真空室3の内部にグロー放電1に隣接して備えた。エレクトロスプレーイオン源によって発生させた分析種イオンおよび本発明の一実施形態に係るグロー放電デバイスによって発生させた2種類のロックマスイオンについての質量スペクトルを図6に示す。
図7は、質量分析計の第1の真空室の内部に位置する隔離弁15に放電ピン14を組み込んだ本発明のさらなる実施形態を示す。隔離弁15は、質量分析計のスキマーーコーン17と引き出しコーン18との間に位置する。放電ピン14は、好ましくは、鋭利または尖鋭な先端を有するように構成されていることが好ましいステンレス鋼製キャピラリー管(外径0.0625インチ×内径0.5mm)を含む。図7に示した実施形態によると、試薬セル16からの蒸気は、好ましくは、試薬蒸気吐出管19を介して、放電ピン14の鋭利または尖鋭な先端のごく近傍に放射される。試薬セルは、試薬結晶(例えばアゾベンゼンまたはフルオランテン)のバイアルを含み得る。隔離弁15が、円筒形の穴または口を有し、この穴または口は、第1の真空室3の中央の円筒形の穴と一線上に揃うと、イオンを分析種サンプリングコーン17から第2の真空室内につながる引き出しコーン18に向かって通過させることが理解されよう。しかしながら、質量分析計が動作中でないときは、隔離弁15の円筒形の穴または口が第1の真空室3の円筒形の穴と一線上に揃わなくなるように、隔離弁を90°回転させ得る。この結果、隔離弁15は、質量分析計の真空室を大気から封止するように作用し、したがって、質量分析計が動作中でないときに質量分析計の内部の低圧を維持するのに役立つ。質量分析計の内部の低圧を維持することにより、質量分析計の動作を再開したいときの始動時間が大幅に短縮されることが理解されよう。
本発明の好ましい実施形態によると、試薬セル16は、試薬蒸気が、放電ピン14を形成することが好ましい管を通って流れ、放電ピン14の鋭利または先鋭な先端にて管から出射するように位置決めされ得る。一実施形態によると、試薬セル16は、試薬結晶のバイアルを含み得、例えば、アゾベンゼンまたはフルオランテンが、好ましくは管に接続された試薬セル16の内部に固体状で備えられ得る。窒素のようなメイクアップガス(好ましくは不活性である)を用いてもよい。メイクアップガスは、室温(〜20℃)に保持され得る結晶のそばを通って流れるように構成され得る。メイクアップガスは、約20ml/分の流量で供給され得る。
上記好ましい実施形態によると、酸素が放電領域を流れることが実質的に防止されるので好ましい。これは、酸素が放電領域を流れると、試薬信号の損失が生じ得るためである。上記好ましい実施形態によると、源空間は窒素でパージされ得る。
一実施形態によると、グロー放電を発生させるために放電ピンが好ましくは−500Vの電圧に維持されるように、−500Vの電圧が、放電ピン14と電気的に接触している電極20に印加され得る。
図8は、三価のP物質イオンをアゾベンゼン試薬アニオンと相互作用させることによって得られたETDフラグメンテーションスペクトルを示す。アゾベンゼン試薬アニオンは、アゾベンゼン試薬蒸気を、ほぼ図7に示したようにかつ上記のように、質量分析計の隔離弁の内部に位置する管状ピン14を通して導入することによって形成した。管状ピン14の先端は尖っており、グロー放電デバイスを形成していた。グロー放電を誘起するために電極またはピン14に高電圧を印加し、これによりアゾベンゼン蒸気のイオン化を生じさせてアゾベンゼン試薬アニオンを形成した。アゾベンゼン試薬イオンは、下流の真空室に位置する電子移動解離セルにおいて三価のP物質イオンと相互作用させると、三価のP物質イオンを電子移動解離によりフラグメンテーションさせた。
図9Aは、ペルフルオロトリペンチルアミン(「FC70」)イオンおよびセシウムイオンを用いて較正を行った、本発明の一実施形態によって得られた質量スペクトルを示す。ペルフルオロトリペンチルアミン(「FC70」)イオンおよびセシウムイオンは、ペルフルオロトリペンチルアミン蒸気を、ほぼ図7に示したようにかつ上記のように、質量分析計の隔離弁の内部に位置する管状ピン14を通して導入することによって発生させた。管状ピン14の先端は、尖っており、グロー放電デバイスを形成していた。グロー放電を誘起するために電極またはピン14に高電圧を印加し、これによりペルフルオロトリペンチルアミン蒸気のイオン化を生じさせてペルフルオロトリペンチルアミン参照イオンを形成した。セシウム参照イオンは、管状ピン14の端の周囲の領域をヨウ化セシウムで被覆することによって発生させた。
他に、ペルフルオロケロシン(「PFK」)、ペルフルオロトリヘキシルアミン、ペルフルオロトリブチルアミン(「FC43」)、ジヨードメタン、およびヨードテトラフルオロプロパンを含む他の較正/ロックマス用試薬がグロー放電デバイスに導入され得る実施形態が考えられる。
図9Bの上側の質量スペクトルは、質量分析計の較正前に実験データから得られたノミナル質量スペクトルを示す。質量または質量電荷比の値は、質量が飛行時間の二乗に比例するという推定較正方法を用いて計算されたものである。ペルフルオロトリペンチルアミン(「FC70」)イオンを、エレクトロスプレーイオン化イオン源によって発生させ、質量分析計に入らせ、続いて質量分析を行った。
中央の質量スペクトルは、ペルフルオロトリペンチルアミンについての参照質量スペクトルつまり理論上の質量スペクトルを示し、参照データに基づいている。
次いで、より高次(4次)の飛行時間多項式曲線を実験データに当てはめることによって、質量分析計をより正確に較正した。実験データに対する4次多項式曲線の最小二乗当てはめの残留誤差のRMSが、下側の図に示されており、0.6ppmであると決定された。
上記好ましい実施形態によると、試薬イオンを、好ましくは、第1の真空室3に隣接するハウジングにおいてかまたは直接に第1の真空室3において発生させるが、その他の好ましさが劣る実施形態によると、試薬イオンを、第2の真空室またはその後の真空室に隣接するハウジングにおいて発生させてもよく、第1の真空室3の下流に配置されることが好ましい第2の真空室またはその後の真空室において発生させてもよい。例えば、グロー放電イオン源を、電子移動解離反応セルと同じ真空室および/またはプロトン移動反応反応セルと同じ真空室に設け得ることが考えられる。
本発明の上記好ましい実施形態によると、グロー放電デバイスは、グロー放電1を発生させるためにDC電圧および/またはRF電圧が印加されるピンまたは電極4、14を備える。
本発明を好ましい実施形態を参照して説明したが、添付の特許請求の範囲に記載の本発明の範囲を逸脱することなく、上記特定の実施形態に対して形態および詳細において種々の変更が可能であることが当業者には理解されよう。

Claims (15)

  1. 分析種イオンを発生させるための大気圧イオン源と、
    第1の真空室と、
    前記第1の真空室を前記イオン源から隔てるノズル−スキマー間インターフェースであって、前記イオン源によって発生される少なくともいくらかの分析種イオンが、使用時に、前記ノズル−スキマー間インターフェースを通って前記第1の真空室内へ移送されるノズル−スキマー間インターフェースと、
    電子移動解離試薬イオンを発生させるためのグロー放電デバイスであって、前記ノズル−スキマー間インターフェースの下流かつ前記第1の真空室の内部に位置し、使用時に0.01〜100mbarの圧力に維持されるグロー放電デバイスと、
    使用時に前記グロー放電デバイスによって電子移動解離試薬イオンが形成されるように、前記グロー放電デバイスに試薬蒸気を供給するためのデバイスと、
    前記第1の真空室の下流に位置する、第2の真空室と、
    前記第1の真空室の下流の真空室内に配置された電子移動解離フラグメンテーションセルであって、使用時に、前記電子移動解離試薬イオンのうちの少なくともいくらかを、前記電子移動解離フラグメンテーションセルの内部で少なくともいくらかの分析種イオンと相互作用させ、前記分析種イオンのうちの少なくともいくらかを電子移動解離によりフラグメンテーションさせるようにする電子移動解離フラグメンテーションセルと
    を備える質量分析計であって、
    第2の真空室を通りぬける分析物イオンと試薬イオンの経路(第2の軸)が、第1の真空室を通り抜ける分析物イオンの経路(第1の軸)に対して直角であるを特徴とする質量分析計。
  2. 前記グロー放電デバイスが、電極またはピンを備え、前記質量分析計が、グロー放電を生じさせるかまたは発生させるために前記電極またはピンにDC電圧および/またはRF電圧を供給または印加するための電圧デバイスをさらに備える、請求項1に記載の質量分析計。
  3. 1つ以上の試薬を、使用時に、前記グロー放電デバイスが生じさせるかまたは発生させるグロー放電によって前記1つ以上の試薬がイオン化されるように、前記グロー放電デバイスの近傍に分注するための1つ以上の分注デバイスをさらに備える、請求項1または2に記載の質量分析計。
  4. 前記1つ以上の試薬が、1つ以上の電子移動解離試薬および/または1つ以上のプロトン移動反応試薬および/または1つ以上のロックマス(lock mass)試薬もしくは較正試薬を含む、請求項3に記載の質量分析計。
  5. 前記グロー放電デバイスが、前記第1の真空室に隣接するハウジングに収容され、前記グロー放電デバイスによって発生される第2のイオンが、前記ハウジングから第2の開口を通過して前記第1の真空室に入る、請求項1〜4のいずれかに記載の質量分析計。
  6. 固体状、粉末状、部分的に固体状、もしくはゲル状の物質、揮発性の液体、または気体のいずれかをさらに備え、前記物質、液体、または気体は、前記物質、液体、または気体からイオンがスパッタ、抽出、または放出されるように、前記グロー放電デバイスの近傍に配置または供給されている、請求項1〜5のいずれかに記載の質量分析計。
  7. 前記物質がヨウ化セシウムを含む、請求項6に記載の質量分析計。
  8. 1つ以上の試薬および/または1つ以上の電子移動解離試薬および/または1つ以上のプロトン移動反応試薬および/または1つ以上のロックマス試薬を前記グロー放電デバイスの近傍に供給するための供給デバイスをさらに備える、請求項1〜7のいずれかに記載の質量分析計。
  9. 前記第1の真空室内に配置され、かつ前記ノズル−スキマー間インターフェースの下流に配置された隔離弁をさらに備える、請求項1〜8のいずれかに記載の質量分析計。
  10. 前記グロー放電デバイスが、前記隔離弁の内部に位置する、請求項9に記載の質量分析計。
  11. 前記隔離弁が、第1の回転可能な口を備え、前記隔離弁を第1の位置まで回転させると、前記隔離弁の下流の前記第1の真空室が前記ノズル−スキマー間インターフェースと流体連通し、前記隔離弁を第2の位置まで回転させると、前記隔離弁の下流の前記第1の真空室が前記ノズル−スキマー間インターフェースと流体連通しなくなる、請求項9または10に記載の質量分析計。
  12. 前記グロー放電デバイスが、鋭利または尖鋭な先端を有する管を備える、請求項1〜11のいずれかに記載の質量分析計。
  13. 1つ以上の試薬および/または1つ以上の電子移動解離試薬および/または1つ以上のプロトン移動反応試薬および/または1つ以上のロックマス試薬を前記管を通して供給するための供給デバイスをさらに備える、請求項12に記載の質量分析計。
  14. 前記グロー放電デバイスを、使用時に、(i)>0.01mbar、(ii)>0.1mbar、(iii)>1mbar、(iv)>10mbar、(v)<0.1mbar、(vi)<1mbar、(vii)<10mbar、(viii)<100mbar、(ix)0.01〜0.1mbar、(x)0.1〜1mbar、(xi)1〜10mbar、(xii)10〜100mbar、および(xiii)0.01〜20mbarからなる群から選ばれる圧力にて動作させる、請求項1〜13のいずれかに記載の質量分析計。
  15. 分析種イオンを発生させるための大気圧イオン源を準備する工程と、
    第1の真空室を準備する工程と、
    前記第1の真空室を前記イオン源から隔てるノズル−スキマー間インターフェースであって、前記イオン源によって発生される少なくともいくらかの分析種イオンが、前記ノズル−スキマー間インターフェースを通って前記第1の真空室内へ移送されるノズル−スキマー間インターフェースを準備する工程と、
    グロー放電デバイスを用いて電子移動解離試薬イオンを発生させる工程であって、前記グロー放電デバイスは、前記ノズル−スキマー間インターフェースの下流かつ前記第1の真空室の内部に位置し、かつ、前記グロー放電デバイスは、0.01〜100mbarの範囲の圧力に維持されている工程と、
    前記グロー放電デバイスによって電子移動解離試薬イオンが形成されるように、前記グロー放電デバイスに試薬蒸気を供給する工程と、
    前記第1の真空室の下流に位置する、第2の真空室を、第2の真空室を通りぬける分析物イオンと試薬イオンの経路(第2の軸)が、第1の真空室を通り抜ける分析物イオンの経路(第1の軸)に対して直角であるように、準備する工程と、
    前記第1の真空室の下流の真空室内に配置された電子移動解離フラグメンテーションセルであって、前記電子移動解離試薬イオンのうちの少なくともいくらかを、前記電子移動解離フラグメンテーションセルの内部で少なくともいくらかの分析種イオンと相互作用させ、前記分析種イオンのうちの少なくともいくらかを電子移動解離によりフラグメンテーションさせるようにする電子移動解離フラグメンテーションセルを準備する工程と
    を含む質量分析の方法であって、
    前記第2の軸を前記第1の軸と直交するように配置する工程をさらに含むことを特徴とする質量分析の方法。
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