JP4578672B2 - 質量分析用イオン化装置およびイオン化方法 - Google Patents

質量分析用イオン化装置およびイオン化方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4578672B2
JP4578672B2 JP2000369876A JP2000369876A JP4578672B2 JP 4578672 B2 JP4578672 B2 JP 4578672B2 JP 2000369876 A JP2000369876 A JP 2000369876A JP 2000369876 A JP2000369876 A JP 2000369876A JP 4578672 B2 JP4578672 B2 JP 4578672B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ionization
ion
ion emitter
region
gas
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2000369876A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2002170518A (ja
Inventor
善郎 塩川
亨 佐々木
恵 中村
敏博 藤井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Anelva Corp
Original Assignee
Canon Anelva Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Anelva Corp filed Critical Canon Anelva Corp
Priority to JP2000369876A priority Critical patent/JP4578672B2/ja
Publication of JP2002170518A publication Critical patent/JP2002170518A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4578672B2 publication Critical patent/JP4578672B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Other Investigation Or Analysis Of Materials By Electrical Means (AREA)
  • Electron Tubes For Measurement (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、質量分析用イオン化装置およびイオン化方法に関し、特に、高分子有機物を含む試料ガスの質量分析に好適に利用できる質量分析用イオン化装置およびイオン化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、公害成分または半導体製造プロセスガスに含まれる極微量不純物の分析などに質量分析法が広く用いられている。この質量分析法は、単数または複数のガス種(以下「分析目的物質」という)から構成される試料ガスをイオン化し、それぞれの分析目的物質イオンを電磁場の形成された領域を通過させることにより各質量(分子量)ごとに分別して解析するというものである。従って、この質量分析では、試料ガスを構成する各分析目的物質をそれぞれイオン化する必要がある。
【0003】
試料ガスをイオン化する方法として、古くから電子衝撃イオン化法が用いられてきた。この電子衝撃イオン化法は電子を高速で分析目的物質に衝突させるため、分析目的物質自身が分裂(解離)し、低分子量物質を生ずることがある。質量分析法において、低分子量物質の生成は分析目的物質の質量よりも低分子量のフラグメントピークとして検出され、分析結果から試料ガスの構成成分を特定することが非常に困難となるという問題があった。
【0004】
このようなことから、低分子量物質の発生を低減できるイオン化法の開発が進められている。化学イオン化法、大気圧イオン化法、イオン付着イオン化法などがあり、いずれも電子衝撃イオン化法に比べて分析目的物質の分裂を低減することができる。
【0005】
化学イオン化法は、メタンなどの反応ガスを電子衝撃によりイオン化して一次イオンを生成し、この一次イオンを分析目的物質に衝突させて、イオン/分子反応によりイオン化するというものである。また、大気圧イオン化法は、大気圧またはそれに近い圧力下でコロナ放電などを利用して一次イオンを生成し、この一次イオンを分析目的物質に衝突させ、イオン/分子反応によりイオン化するというものであって、化学イオン化法の原理を応用したものである。一次イオンを生成するために、化学イオン化法は電子衝撃を、大気圧イオン化法はコロナ放電を利用しているので、イオン化室内には一次イオンと同数以上の電子が存在する。従って、これらの方法では、電子と一次イオンが再結合することにより、一次イオンの濃度を十分満足し得る程度にまで高めることができない。
【0006】
これに対し、イオン付着イオン化法は、例えばアルミナシリケイトにアルカリ金属塩をドープしたイオン放出体を加熱することによってアルカリ金属イオンを生成し、この金属イオンを分析目的物質の電荷の偏った場所に穏やかに付着させてイオン化するというものである。従って、金属イオンのイオン化に寄与する電子はイオン放出体の内部にとどめられ、一次イオンとして放出された金属イオンと再結合することなく一次イオンの濃度を十分に高めることができる。
【0007】
ここで、イオン放出体に含有される金属塩としては、In,Cu,Alなどを含有する金属塩でも同様に金属イオンを生成することができるが、アルカリ金属は、このようなイオン化が最も生じやすいため、イオン放出体に含有する金属として最適である。
【0008】
さらに、金属イオンをLi+とした場合のイオン付着イオン化法は、一次イオンCH5 +のH+を付加する反応を利用した化学イオン化法の20〜40%程度のエネルギーで分析目的物質をイオン化することができる。従って、イオン付着イオン化法は、原子同士の弱い結合部を多く含む高分子有機物や極めて短時間にしか存在することのできない活性種(ラジカル)などの質量解析(定性分析)にも有効な方法である。
【0009】
このことは、イオン付着イオン化法を利用した質量分析方法および装置として例えば特公平7−48371号公報や特開平6−11485号公報などで開示されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のイオン付着イオン化法を利用した質量分析用のイオン化装置は、例えば原子同士の弱い結合部を多く含む有機物などをイオン化する場合、イオン化領域に気相状態の有機物を含む試料ガスが導入されることになるが、このために、イオン放出体と接触する気相状態の有機物が、そのイオン放出体からの伝達熱により分解および重合反応を引き起こしてしまう。
【0011】
この分解および重合反応により構成されたカーボンや高分子量の有機物であって、本来質量分析の対象とならない分析目的物質以外の物質を生成する。このカーボンや高分子量の有機物の量は、上述の電子衝撃イオン化法などによって生ずる分析目的物質以外の物質と比べて極めて微量であり、質量分析の測定でほとんど無視できる量である。
【0012】
しかし、測定時間(装置の動作時間)の経過に伴ってイオン放出体表面にこのカーボンや高分子量の有機物が堆積し蓄積される。その結果、イオン放出体の表面はこのカーボンや高分子量の有機物によって徐々に覆われ、測定時間が長くなると、金属イオンの放出量が低減し、イオン化効率が著しく低下する。すなわち、イオン放出体の機能が低下し、損傷を受けるという問題があった。
【0013】
このようなイオン放出機能が損なわれたイオン放出体は、加熱した状態で真空保管することによりその機能を回復することができるが、回復するまでに数十時間を必要とするものであった。
【0014】
本発明の目的は、上記の問題を鑑み、質量分析装置においてイオン付着イオン化を利用して原子同士の弱い結合部を多く含む有機物等をイオン化して分析する場合であって分析に要する時間が長くなる場合に、イオン放出体にカーボンや高分子量有機物の堆積および蓄積によるイオン放出体の機能の低下または損傷を短時間で回復し、あるいはイオン放出体の機能の低下または損傷を防止することができる質量分析用イオン化装置およびイオン化方法を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段および作用】
本発明に係る質量分析用イオン化装置およびイオン化方法は、上記の目的を達成するために、次のように構成される。
【0016】
第1の質量分析用イオン化装置(請求項1に対応)は、金属イオンを放出するイオン放出体を有するイオン化領域と、イオン放出体を加熱するイオン放出体加熱手段と、イオン化領域に気相状態の有機物を含む試料ガスを供給する試料ガス源と、この試料ガス源とイオン化領域の間の供給管に設けられた第1開閉バルブとを備え、第1開閉バルブを開いて試料ガス源からイオン化領域に供給された試料ガスに金属イオンを付着させてイオン化を行い、このイオン化で生成されたイオンを電磁場が形成された領域を通過させることにより質量分別する質量分析用イオン化装置において、イオン化領域に特定の温度および圧力条件の下でカーボンまたは有機物と反応して気相状態の物質を生成する活性ガスを供給する活性ガス源と、活性ガス源とイオン化領域の間の供給管に設けられた第2開閉バルブと、第1開閉バルブと第2開閉バルブの各々の開閉動作を独立に制御する制御手段とを備え、制御手段は、イオン放出体のイオン放出能力が低下したとき、第1開閉バルブを閉じかつ第2開閉バルブを開いてイオン化領域に活性ガスを供給し、かつイオン放出体加熱手段はイオン放出体を加熱し、イオン放出体のイオン放出能力を回復することで特徴づけられる。
【0017】
上記イオン化装置では、例えばイオン放出体によるイオン放出能力が低下するとき、第1開閉バルブを閉じかつ第2開閉バルブを開いて、円筒状容器内部の気相分子あるいは活性種をイオン化するイオン化領域に、化学的に活性な活性ガスを導入する。この活性ガスは、通常のイオン付着イオン化法の温度(イオン放出体が例えば600℃)および圧力(例えば100Pa程度以下)条件下においてカーボンや有機物と熱反応を起こし気相状態の物質を生成する化学的に活性なガスである。例えば酸素、水素、塩素、フッ素などである。イオン放出体の組成は、アルミナシリケイト(酸化物)にアルカリ金属塩をドープしたものが代表的である。この組成を考慮し、また扱いが容易でもあるという観点から、活性ガスとして酸素を採用することが好適である。
【0018】
上記の質量分析用イオン化装置によれば、イオン化領域に例えば酸素などの活性ガスを導入した状態でイオン放出体加熱手段によりイオン放出体を加熱すると、その表面に堆積および蓄積されたカーボンや高分子量の有機物は活性ガスと反応して気相状態の物質に変化し、それによって、イオン放出体上のカーボンや高分子量の有機物を除去し、金属イオンの放出量を回復することができる。
【0019】
第2の質量分析用イオン化装置(請求項2に対応)は、金属イオンを放出するイオン放出体を有するイオン化領域と、イオン放出体を加熱するイオン放出体加熱手段と、イオン化領域に気相状態の有機物を含む試料ガスを供給する試料ガス源と、この試料ガス源とイオン化領域の間の供給管に設けられた第1開閉バルブとを備え、第1開閉バルブを開いて試料ガス源からイオン化領域に供給された試料ガスに前記金属イオンを付着させてイオン化を行い、このイオン化で生成されたイオンを電磁場が形成された領域を通過させることにより質量分別する質量分析用イオン化装置において、イオン化領域に特定の温度および圧力条件の下でカーボンまたは有機物と反応して気相状態の物質を生成する活性ガスを供給する活性ガス源と、活性ガス源とイオン化領域の間の供給管に設けられた第2開閉バルブと、イオン化領域に化学的に安定な三体ガスを供給する三体ガス源と、三体ガス源とイオン化領域の間の供給管に設けられた第3開閉バルブと、第1開閉バルブと第2開閉バルブと第3開閉バルブの各々の開閉動作を独立に制御する制御手段とを備え、制御手段は、イオン放出体のイオン放出能力が低下したとき、第1開閉バルブを閉じかつ第2開閉バルブおよび第3開閉バルブを開いてイオン化領域に活性ガスと三体ガスを所定割合で供給し、かつイオン放出体加熱手段はイオン放出体を加熱し、イオン放出体のイオン放出能力を回復することで特徴づけられる。
【0020】
上記イオン化装置では、イオン放出体によるイオン放出能力が低下するとき、第1開閉バルブを閉じかつ第2開閉バルブおよび第3開閉バルブを開いて、イオン化領域に導入する例えば酸素などの活性ガスに加えて、アルゴンや窒素などの化学的に安定なガス(以下、「三体ガス」という)を所定割合で導入する。イオン付着イオン化法では、例えば窒素などの三体ガス中に微量の試料ガスを混合して導入するとイオン化が効率よく行うことができる。従って、本発明のイオン化装置においても例えば酸素などの活性ガスと窒素などを混合して導入する。この一例としては酸素:窒素の混合比が3:7である。また、イオン化効率の圧力依存性の観点から、酸素と窒素が導入されたイオン化領域の圧力は100Pa程度以下が好ましい。
【0021】
上記の質量分析用イオン化装置によれば、イオン放出体表面に堆積および蓄積したカーボンや高分子量の有機物を酸素などの活性ガスと反応させ、気相状態の物質として除去すると共に、これら除去された物質に金属イオンを付着させることにより、この物質を質量分析してその除去程度を知ることができる。
【0022】
第3の質量分析用イオン化装置(請求項3に対応)は、金属イオンを放出するイオン放出体を有するイオン化領域と、イオン放出体を加熱するイオン放出体加熱手段と、イオン化領域に気相状態の有機物を含む試料ガスを供給する試料ガス源と、この試料ガス源とイオン化領域の間の供給管に設けられた第1開閉バルブとを備え、第1開閉バルブを開いて試料ガス源からイオン化領域に供給された試料ガスの気相分子または活性種に金属イオンを付着させてイオン化を行い、このイオン化で生成されたイオンを電磁場が形成された領域を通過させることにより質量分別する質量分析用イオン化装置において、イオン化領域に特定の温度および圧力条件の下でカーボンまたは有機物と反応して気相状態の物質を生成する活性ガスを供給する活性ガス源と、活性ガス源と前記イオン化領域の間の供給管に設けられた第2開閉バルブと、イオン化領域に化学的に安定な三体ガスを供給する三体ガス源と、三体ガス源とイオン化領域の間の供給管に設けられた第3開閉バルブと、第1開閉バルブと第2開閉バルブと第3開閉バルブの各々の開閉動作を独立に制御する制御手段とを備え、この制御手段は、第1開閉バルブを開くと共に、第2開閉バルブおよび第3開閉バルブを開き、イオン化領域に、試料ガスを供給すると共に、活性ガスと三体ガスを所定割合で供給し、かつイオン放出体加熱手段はイオン放出体を加熱し、イオン放出体のイオン放出能力の低下を抑制しつつイオン化を行うことで特徴づけられる。
【0023】
上記イオン化装置は、第1開閉バルブと第2開閉バルブおよび第3開閉バルブを開いて、イオン化領域に、気相状態の有機物を含む試料ガスと、例えば窒素などの化学的に安定な三体ガスと、イオン付着イオン化法に適した温度および圧力条件の下で有機物と反応して気相状態の物質を生成する活性ガスとを所定割合で混合して導入する。例えば酸素などの活性ガスと窒素などの三体ガスとの混合比は、一例として3:7であり、さらに、この混合ガス中に気相状態の有機物を含む微量な試料ガスを混合して導入する。この質量分析用イオン化装置によれば、試料ガスをイオン化して質量分析できると共に、イオン放出体表面にカーボンや高分子量の有機物などの蓄積を防ぐことができる。
【0024】
第1の質量分析用イオン化方法(請求項4に対応)は、気相状態の有機物を含む試料ガス、すなわち気相分子または活性種(ラジカル)に正電荷の金属イオンを付着させてイオン化を行い、このイオン化で生成されたイオンを電磁場が形成された領域を通過させることにより質量分別する質量分析用イオン化方法において、金属イオンを放出するイオン放出体のイオン放出能力が低下したとき、イオン化を行うイオン化領域に、特定の温度および圧力条件の下でカーボンまたは有機物と反応して気相状態の物質を生成する活性ガスを導入し、イオン放出体を加熱し、イオン放出体のイオン放出能力を回復することで特徴づけられる。
【0025】
上記の質量分析用イオン化方法によれば、イオン化領域に例えば酸素などの活性ガスを導入した状態でイオン放出体を加熱すると、その表面に堆積および蓄積されたカーボンや高分子量の有機物は活性ガスと反応して気相状態の物質に変化し、それによって、イオン放出体上のカーボンや高分子量の有機物を除去し、金属イオンの放出量を回復することができる。
【0026】
第2の質量分析用イオン化方法(請求項5に対応)は、気相状態の有機物を含む試料ガスに金属イオンを付着させてイオン化を行い、このイオン化で生成されたイオンを電磁場が形成された領域を通過させることにより質量分別する質量分析用イオン化方法において、金属イオンを放出するイオン放出体のイオン放出能力が低下したとき、イオン化を行うイオン化領域に、化学的に安定な三体ガスと、特定の温度および圧力条件の下で有機物と反応して気相状態の物質を生成する活性ガスとを導入し、金属イオンを放出するイオン放出体を加熱し、イオン放出体のイオン放出能力を回復することで特徴づけられる。
【0027】
上記の質量分析用イオン化方法によれば、イオン放出体表面に堆積および蓄積したカーボンや高分子量の有機物を酸素などの活性ガスと反応させ、気相状態の物質として除去すると共に、これら除去された物質に金属イオンを付着させることにより、この物質を質量分析してその除去程度を知ることができる。
【0028】
第3の質量分析用イオン化方法(請求項6に対応)は、気相状態の有機物を含む試料ガスに金属イオンを付着させてイオン化を行い、このイオン化で生成されたイオンを電磁場が形成された領域を通過させることにより質量分別する質量分析用イオン化方法において、イオン化領域に、上記の試料ガスと、化学的に安定な三体ガスと、特定の温度および圧力条件の下で有機物と反応して気相状態の物質を生成する活性ガスとを導入し、金属イオンを放出するイオン放出体を加熱し、イオン放出体のイオン放出の低下を抑制しつつイオン化を行うことで特徴づけられる。
【0029】
この質量分析用イオン化方法によれば、試料ガスをイオン化して質量分析できると共に、イオン放出体表面にカーボンや高分子量の有機物などの蓄積を防ぐことができる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の好適な実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0031】
実施形態で説明される各構成、形状および配置関係については本発明が理解できる程度に概略的に示したものにすぎず、また数値および各構成の組成(材質)については例示にすぎない。従って本発明は、以下の実施形態に限定されず、その技術的思想の範囲内で様々な形態に変更可能である。
【0032】
図1は本実施形態による質量分析用イオン化装置の斜視図を示し、図2は質量分析用イオン化装置と制御系の内部構成図を示す。図1および図2に示すごとく、有底の円筒状容器10を利用して形成されたイオン化装置である。この容器10の右端は、開口11を有するアパーチャ12を介して質量分析部20と接続され、左端はガス導入手段であるガス導入配管13と接続されている。
【0033】
ガス導入配管13は、ガス配管13a,13b,13cが容器10の外部でガス導入配管13の一系統に統合された構造となっている。ガス配管13a,13b,13cは、それぞれ、開閉バルブ14a、開閉バルブ14b、開閉バルブ14cと、マスフローコントローラ34a、マスフローコントローラ34b、マスフローコントローラ34cとを備えている。各開閉バルブ14a,14b,14cはその開閉動作を電気式または空圧式にそれぞれ独立に制御する構成となっている。ガス配管13a,13b,13cの上部は、それぞれ、ジメチルフタレートなどの試料ガス源30a、窒素(N2)などの三体ガス源30b、活性ガス源30cに接続されている。開閉バルブ14a,14b,14cの開閉動作は、制御装置31から制御信号を増幅器(またはアクチュエータ)32a,32b,32cを通して送ることによって独立に制御して行われる。また、試料ガスと三体ガスおよび活性ガスの流量調節は、マスフローコントローラ34a,34b,34cを制御装置31によって制御して行われる。
【0034】
また、容器10の円筒壁部には板状の絶縁物15aを介して2つの金属端子16が貫通するように設けられている。これらの金属端子16はリード線16aを介して外部電源33と電気的に接続されている。イオン放出体17は、リチウム酸化物をドープしたアルミナシリケートからなる球状部材である。イオン放出体17はリード線18を介して2つの金属端子16と電気的に接続され、リード線18によって容器10内のほぼ中央の位置に配置されるように支持されている。上記アパーチャ12はリング状絶縁物15bを介して端板19に固定されている。容器10の右端に設けられた端板19は質量分析部20の開口20aの外側周囲にボルト21で固定されている。容器10の内部はアパーチャ12の開口11を介して通じている。
【0035】
上記のイオン化装置の内部を、質量分析部20に備えられたよく知られた真空ポンプ(図示せず)により真空排気する。この状態で、開閉バルブ14aと開閉バルブ14bを開き、ガス導入配管13によってジメチルフタレート(C10104)を含む微量の試料ガスと、窒素(N2)などの三体ガスを導入し、この導入量を円筒状容器10の内部22(以下「イオン化領域22」という)の圧力が100Pa程度となるように制御する。
【0036】
外部電源33により金属端子16を経由してリード線18に電圧を印加して電流を流しリード線18を内部抵抗発熱により加熱すると、イオン放出体17も加熱され、正電荷のリチウムイオンが生成される。なお加熱温度は外部電源によってイオン放出体17が600℃程度で維持されるように制御される。リード線18に印加する電圧を正電圧とし、アパーチャ12は接地電位に設定される。これによりイオン化領域22に電界が形成され、リチウムイオンをイオン放出体17の表面から質量分析部20側へ放出させると共に試料ガスを構成する気相分子すなわち分析目的物質に付着させてイオン化する。
【0037】
その後、イオン化した分析目的物質は、アパーチャ12に設けられた開口11から質量分析部20へ射出される。射出されたイオンは質量分析部20で質量ごとに分別し、これを検出測定することにより試料ガスの質量分析を行うことができる。
【0038】
図3は、有機物試料ガスとしてジメチルフタレートを用いて質量分析したときのリチウム金属イオンの放出量の時間変化を示す図である。図中の横軸は、積算時間を示し、縦軸は、リチウムイオンの放出量に対応したリチウムイオン電流値を示す。図に示すように上述の一連の工程を連続的または断続的に行うと、その積算時間に比してリチウムイオンの放出量は低下する。これは、イオン放出体からの伝達熱によりジメチルフタレートが分解および重合反応を起こし、カーボンやジメチルフタレートよりも高分子量の有機物(以下、「高分子量有機物」という)が生成され、これらの物質がイオン放出体の表面に堆積および蓄積(析出)されるためである。そこでイオン放出体17のイオン放出能力を回復させることが必要となる。
【0039】
次に、上記構成を有する質量分析用イオン化装置におけるイオン化法(イオン放出体回復方法)の第1の例を説明する。このイオン放出体回復方法では、上述のようなイオン放出の機能が損なわれた状態で、制御装置31から信号を送り、開閉バルブ14aと開閉バルブ14bを閉じ、開閉バルブ14cを開くことにより、イオン化装置に導入するガスを活性ガスである酸素のみに切り替え、イオン放出体17を通常通りに加熱する。このときのイオン化領域の圧力は100Pa以下とする。
【0040】
イオン放出体17の表面では、堆積および蓄積されたカーボン(C)や高分子量有機物(Cxyz)と酸素(O2)とが結合し、二酸化炭素(CO2)および水(H2O)を生成する反応が起こる。二酸化炭素と水は、気相状態でイオン化領域22に放出される。従って、この工程を続けると、次第にイオン放出体17の表面からカーボンや高分子量有機物が除去され、イオン放出の機能を回復することができる。
【0041】
次に、上記質量分析用イオン化装置におけるイオン化方法(イオン放出体回復方法)の第2の例を説明する。このイオン放出体回復方法では、イオン放出の機能が損なわれた状態となったイオン化装置に、制御装置31から信号を送り、第1開閉バルブ14aを閉じ、開閉バルブ14bは開いた状態に保たれ、さらに開閉バルブ14cを開くことにより、イオン化領域22の圧力が100Pa以下となるように酸素と窒素を導入する。このとき、酸素と窒素の混合比が3:7の割合になるように、マスフローコントローラ34bとマスフローコントローラ34cにより酸素と窒素の流量を調整する。
【0042】
イオン放出体17を600℃程度に加熱して、第1例と同様に、その表面でカーボンや高分子量有機物と酸素を反応させ、イオン放出の機能を回復する。さらにこの例では、窒素を導入していることにより、二酸化炭素および水などの生成物にリチウムイオンを効率よく付着することができる。従って、これらのイオンを質量分析部で検出することにより、イオン放出の機能を回復すると共にその回復の程度を知ることが可能となる。
【0043】
次に、上記質量分析用イオン化装置におけるイオン化方法の第3の例を説明する。このイオン化方法では、最初から制御装置31から信号を送ることにより開閉バルブ14aと開閉バルブ14bと開閉バルブ14cのすべてを開き、さらにマスフローコントローラ34a,34b,34cで配管13a,13b,13cを流れるガスの流量を調整することにより、イオン化領域22に、ジメチルフタレートを含む微量の試料ガスと、混合比が3:7の割合となるような酸素と窒素を導入する。このとき、イオン放出体を600℃程度に加熱してリチウムイオンを生成し、これを試料ガスに付着させてイオン化する。
【0044】
イオン放出体17の表面には、分解および重合反応によりカーボンや高分子量有機物が堆積するが、直ちに酸素と反応して二酸化炭素や水として除去される。従って、試料ガスをイオン化すると共に、カーボンや高分子量有機物の堆積によるイオン放出体のイオン放出機能の低下または損傷を抑制し防止することが可能となる。
【0045】
なお上述では、イオン化領域22の圧力が100Pa程度となる酸素を導入するとしたが、実際にこの圧力では0.1Paや1Paのときと比べてイオン放出機能の回復の程度は低い。しかし、100Paの場合、導入量の制御が容易なことから装置の簡略化を図ることができ、さらに活性ガスとカーボンまたは高分子量有機物の生成物質と金属イオンの付着効率が高いなどの利点もある。従って、酸素の導入量は、イオン化領域22の圧力が例えば0.01〜100Pa程度の範囲内で適宜に選択可能である。
【0046】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、本発明によれば、次の効果を奏する。気相分子あるいは活性種をイオン化するイオン化領域に、特定の温度および圧力条件の下でカーボンや有機物と反応して気相状態の物質を生成する活性ガスを導入し、正電荷の金属イオンを放出するイオン放出体を加熱するようにしたため、気相状態の有機物を含む試料ガスの質量分析などにおいて、イオン放出体表面に堆積および蓄積されたカーボンや高分子量有機物を、活性ガスと反応させて除去することができる。これにより、イオン放出体のイオン放出機能を回復することができ、試料ガスを効率よくイオン化するために必要な金属イオンの放出量を十分に確保することができる。
【0047】
また、活性ガスと同時に、所定の条件で三体ガスを導入することにより、イオン放出体のイオン放出機能を回復することができると共に、イオン化領域に存在する気相分子などに金属イオンが付着しやすい環境を作ることができる。これにより、カーボンや高分子量有機物と活性ガスとの反応によって生成した物質に金属イオンを付着させ、そのイオンを質量分析部で検出し、イオン放出機能の回復の程度をモニタすることができる。従って、所定以上の回復までに要する時間を正確に認識および把握し、メンテナンス時間を短縮することができる。
【0048】
さらにまた、イオン化領域に微量の試料ガスと三体ガスと活性ガスとを導入することにより、試料ガスをイオン化すると共に、同時にカーボンや高分子量有機物がイオン放出体表面に蓄積されることを防止する。これにより、定期的に必要不可欠であるイオン化装置のメンテナンスの一要因を取除くことができ、メンテナンスサイクルを長期化(稼働率の向上)することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る質量分析用イオン化装置の代表的実施形態を示し、一部を断面とした斜視図である。
【図2】図1に示した容器の要部の縦断面と関連する周辺部構成を示す図である。
【図3】有機物試料ガスとしてジメチルフタレートを用いて質量分析したときのリチウムイオン電流値の時間変化を示す図である。
【符号の説明】
10 容器
11 開口
12 アパーチャ
13 ガス導入配管
13a〜13c ガス配管
14a,14b,14c 開閉バルブ
15a,15b 絶縁物
16 金属端子
17 イオン放出体
18 リード線
20 質量分析部
30a 試料ガス源
30b 三体ガス源
30c 活性ガス源
31 制御装置
32a〜32c 増幅器
34a,34b,34c マスフローコントローラ

Claims (6)

  1. 金属イオンを放出するイオン放出体を有するイオン化領域と、前記イオン放出体を加熱するイオン放出体加熱手段と、前記イオン化領域に気相状態の有機物を含む試料ガスを供給する試料ガス源と、この試料ガス源と前記イオン化領域の間の供給管に設けられた第1開閉バルブとを備え、
    前記第1開閉バルブを開いて前記試料ガス源から前記イオン化領域に供給された前記試料ガスに前記金属イオンを付着させてイオン化を行い、このイオン化で生成されたイオンを電磁場が形成された領域を通過させることにより質量分別する質量分析用イオン化装置において、
    前記イオン化領域に特定の温度および圧力条件の下でカーボンまたは有機物と反応して気相状態の物質を生成する活性ガスを供給する活性ガス源と、
    前記活性ガス源と前記イオン化領域の間の供給管に設けられた第2開閉バルブと、
    前記第1開閉バルブと前記第2開閉バルブの各々の開閉動作を独立に制御する制御手段とを備え、
    前記制御手段は、前記イオン放出体のイオン放出能力が低下したとき、前記第1開閉バルブを閉じかつ前記第2開閉バルブを開いて前記イオン化領域に前記活性ガスを供給し、かつ
    前記イオン放出体加熱手段は前記イオン放出体を加熱し、
    前記イオン放出体のイオン放出能力を回復することを特徴とする質量分析用イオン化装置。
  2. 金属イオンを放出するイオン放出体を有するイオン化領域と、前記イオン放出体を加熱するイオン放出体加熱手段と、前記イオン化領域に気相状態の有機物を含む試料ガスを供給する試料ガス源と、この試料ガス源と前記イオン化領域の間の供給管に設けられた第1開閉バルブとを備え、
    前記第1開閉バルブを開いて前記試料ガス源から前記イオン化領域に供給された前記試料ガスに前記金属イオンを付着させてイオン化を行い、このイオン化で生成されたイオンを電磁場が形成された領域を通過させることにより質量分別する質量分析用イオン化装置において、
    前記イオン化領域に特定の温度および圧力条件の下でカーボンまたは有機物と反応して気相状態の物質を生成する活性ガスを供給する活性ガス源と、
    前記活性ガス源と前記イオン化領域の間の供給管に設けられた第2開閉バルブと、
    前記イオン化領域に化学的に安定な三体ガスを供給する三体ガス源と、
    前記三体ガス源と前記イオン化領域の間の供給管に設けられた第3開閉バルブと、
    前記第1開閉バルブと前記第2開閉バルブと前記第3開閉バルブの各々の開閉動作を独立に制御する制御手段とを備え、
    前記制御手段は、前記イオン放出体のイオン放出能力が低下したとき、前記第1開閉バルブを閉じかつ前記第2開閉バルブおよび前記第3開閉バルブを開いて前記イオン化領域に前記活性ガスと前記三体ガスを所定割合で供給し、かつ
    前記イオン放出体加熱手段は前記イオン放出体を加熱し、
    前記イオン放出体のイオン放出能力を回復することを特徴とする質量分析用イオン化装置。
  3. 金属イオンを放出するイオン放出体を有するイオン化領域と、前記イオン放出体を加熱するイオン放出体加熱手段と、前記イオン化領域に気相状態の有機物を含む試料ガスを供給する試料ガス源と、この試料ガス源と前記イオン化領域の間の供給管に設けられた第1開閉バルブとを備え、
    前記第1開閉バルブを開いて前記試料ガス源から前記イオン化領域に供給された前記試料ガスに前記金属イオンを付着させてイオン化を行い、このイオン化で生成されたイオンを電磁場が形成された領域を通過させることにより質量分別する質量分析用イオン化装置において、
    前記イオン化領域に特定の温度および圧力条件の下でカーボンまたは有機物と反応して気相状態の物質を生成する活性ガスを供給する活性ガス源と、
    前記活性ガス源と前記イオン化領域の間の供給管に設けられた第2開閉バルブと、
    前記イオン化領域に化学的に安定な三体ガスを供給する三体ガス源と、
    前記三体ガス源と前記イオン化領域の間の供給管に設けられた第3開閉バルブと、
    前記第1開閉バルブと前記第2開閉バルブと前記第3開閉バルブの各々の開閉動作を独立に制御する制御手段とを備え、
    前記制御手段は前記第1開閉バルブを開くと共に前記第2開閉バルブと前記第3開閉バルブを開き、前記イオン化領域に前記試料ガスを供給すると共に前記活性ガスおよび前記三体ガスを所定割合で供給し、かつ
    前記イオン放出体加熱手段は前記イオン放出体を加熱し、
    前記イオン放出体のイオン放出能力の低下を抑制しつつ前記イオン化を行うことを特徴とする質量分析用イオン化装置。
  4. 気相状態の有機物を含む試料ガスに金属イオンを付着させてイオン化を行い、このイオン化で生成されたイオンを電磁場が形成された領域を通過させることにより質量分別する質量分析用イオン化方法において、
    前記金属イオンを放出するイオン放出体のイオン放出能力が低下したとき、前記イオン化を行うイオン化領域に、特定の温度および圧力条件の下でカーボンまたは有機物と反応して気相状態の物質を生成する活性ガスを導入し、前記イオン放出体を加熱し、前記イオン放出体のイオン放出能力を回復することを特徴とする質量分析用イオン化方法。
  5. 気相状態の有機物を含む試料ガスに金属イオンを付着させてイオン化を行い、このイオン化で生成されたイオンを電磁場が形成された領域を通過させることにより質量分別する質量分析用イオン化方法において、
    前記金属イオンを放出するイオン放出体のイオン放出能力が低下したとき、前記イオン化を行うイオン化領域に、化学的に安定な三体ガスと、特定の温度および圧力条件の下で有機物と反応して気相状態の物質を生成する活性ガスとを導入し、前記金属イオンを放出するイオン放出体を加熱し、前記イオン放出体のイオン放出能力を回復することを特徴とする質量分析用イオン化方法。
  6. 気相状態の有機物を含む試料ガスに金属イオンを付着させてイオン化を行い、このイオン化で生成されたイオンを電磁場が形成された領域を通過させることにより質量分別する質量分析用イオン化方法において、
    前記イオン化を行うイオン化領域に、前記試料ガスと、化学的に安定な三体ガスと、特定の温度および圧力条件の下で有機物と反応して気相状態の物質を生成する活性ガスとを導入し、前記金属イオンを放出するイオン放出体を加熱し、前記イオン放出体のイオン放出能力の低下を抑制しつつイオン化を行うことを特徴とする質量分析用イオン化方法。
JP2000369876A 2000-12-05 2000-12-05 質量分析用イオン化装置およびイオン化方法 Expired - Fee Related JP4578672B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000369876A JP4578672B2 (ja) 2000-12-05 2000-12-05 質量分析用イオン化装置およびイオン化方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000369876A JP4578672B2 (ja) 2000-12-05 2000-12-05 質量分析用イオン化装置およびイオン化方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002170518A JP2002170518A (ja) 2002-06-14
JP4578672B2 true JP4578672B2 (ja) 2010-11-10

Family

ID=18839849

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000369876A Expired - Fee Related JP4578672B2 (ja) 2000-12-05 2000-12-05 質量分析用イオン化装置およびイオン化方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4578672B2 (ja)

Families Citing this family (25)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4627916B2 (ja) 2001-03-29 2011-02-09 キヤノンアネルバ株式会社 イオン化装置
JP4176532B2 (ja) 2002-09-10 2008-11-05 キヤノンアネルバ株式会社 反射型イオン付着質量分析装置
JP3971686B2 (ja) 2002-09-10 2007-09-05 キヤノンアネルバ株式会社 イオン付着質量分析方法
JP2004303579A (ja) 2003-03-31 2004-10-28 Anelva Corp イオン付着質量分析装置
JP4557266B2 (ja) 2008-04-30 2010-10-06 キヤノンアネルバ株式会社 質量分析装置及び質量分析方法
JP5451360B2 (ja) 2008-12-26 2014-03-26 キヤノンアネルバ株式会社 質量分析装置及び質量分析方法
JP5390343B2 (ja) 2008-12-26 2014-01-15 キヤノンアネルバ株式会社 質量分析方法およびそれに用いる質量分析装置
US9406491B2 (en) * 2014-03-20 2016-08-02 Lockheed Martin Corporation Multiple ionization sources for a mass spectrometer
EP4174906A1 (en) 2015-03-06 2023-05-03 Micromass UK Limited Improved ionisation of gaseous samples
GB2551294B (en) 2015-03-06 2021-03-17 Micromass Ltd Liquid trap or separator for electrosurgical applications
EP3265820B1 (en) 2015-03-06 2023-12-13 Micromass UK Limited Spectrometric analysis of microbes
US11289320B2 (en) 2015-03-06 2022-03-29 Micromass Uk Limited Tissue analysis by mass spectrometry or ion mobility spectrometry
WO2016142669A1 (en) 2015-03-06 2016-09-15 Micromass Uk Limited Physically guided rapid evaporative ionisation mass spectrometry ("reims")
EP3671216A1 (en) 2015-03-06 2020-06-24 Micromass UK Limited Imaging guided ambient ionisation mass spectrometry
CN108700590B (zh) 2015-03-06 2021-03-02 英国质谱公司 细胞群体分析
KR102092047B1 (ko) 2015-03-06 2020-03-24 마이크로매스 유케이 리미티드 생체내 내시경 조직 식별 도구
US10026599B2 (en) 2015-03-06 2018-07-17 Micromass Uk Limited Rapid evaporative ionisation mass spectrometry (“REIMS”) and desorption electrospray ionisation mass spectrometry (“DESI-MS”) analysis of swabs and biopsy samples
GB2552430B (en) 2015-03-06 2022-05-11 Micromass Ltd Collision surface for improved ionisation
US10777398B2 (en) 2015-03-06 2020-09-15 Micromass Uk Limited Spectrometric analysis
EP3741303A3 (en) 2015-03-06 2020-12-30 Micromass UK Limited Chemically guided ambient ionisation mass spectrometry
EP3265823B1 (en) 2015-03-06 2020-05-06 Micromass UK Limited Ambient ionization mass spectrometry imaging platform for direct mapping from bulk tissue
WO2016142690A1 (en) 2015-03-06 2016-09-15 Micromass Uk Limited Inlet instrumentation for ion analyser coupled to rapid evaporative ionisation mass spectrometry ("reims") device
GB201517195D0 (en) 2015-09-29 2015-11-11 Micromass Ltd Capacitively coupled reims technique and optically transparent counter electrode
EP3443354A1 (en) 2016-04-14 2019-02-20 Micromass UK Limited Spectrometric analysis of plants
JP6876668B2 (ja) * 2018-11-21 2021-05-26 日本電子株式会社 質量分析システム及びエミッタ電流制御方法

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0748371B2 (ja) * 1988-04-02 1995-05-24 国立環境研究所長 小泉 明 高圧質量分析法のためのイオン化方法及び装置
JP3236879B2 (ja) * 1991-11-20 2001-12-10 国立環境研究所長 中性活性種の検出方法とその装置
JPH087830A (ja) * 1994-06-24 1996-01-12 Shimadzu Corp 大気圧イオン化質量分析装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2002170518A (ja) 2002-06-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4578672B2 (ja) 質量分析用イオン化装置およびイオン化方法
EP2710623B1 (en) System for analyzing a sample
US8003959B2 (en) Ion source cleaning end point detection
US7888662B2 (en) Ion source cleaning method and apparatus
CN105990076B (zh) 离子束装置、离子注入装置、离子束放出方法
KR20150016580A (ko) 갈륨 이온 소스 및 그 재료들
CN1241022A (zh) 监测电荷中和过程的方法和装置
WO2007102204A1 (ja) 質量分析装置
JP5142273B2 (ja) 中性粒子質量分析装置及び分析方法
JP4028723B2 (ja) 電子付着質量分析法を利用した昇温脱離ガス分析装置及び分析方法
Jiao et al. Ion chemistry in boron trichloride BCl3
Hou et al. Development of a suitcase time‐of‐flight mass spectrometer for in situ fault diagnosis of SF6‐insulated switchgear by detection of decomposition products
JPH11307041A (ja) イオン化装置
CN113631916B (zh) 气体分析装置以及气体分析装置的控制方法
KR20220089616A (ko) 비행시간 기반 잔류가스 분석장치
Tsuji et al. Studies on chemical sputtering of silicon and carbon in Ar—H2 glow discharge plasma by optical emission spectroscopy
CN113678229B (zh) 离子分析装置
Peko et al. Measured cross sections and ion energies for a CHF 3 discharge
US12020919B2 (en) Method for analyzing isoaspartic acid and mass spectrometer
JP2848590B1 (ja) 電子ビーム励起プラズマ発生装置
Goeringer Factors influencing the analytical performance of an atmospheric sampling glow discharge ionization source as revealed via ionization dynamics modeling
JPH09236582A (ja) 質量分析方法および装置
CN117174569A (zh) 一种大气压二次电喷雾与电弧等离子体可切换离子源
JPH07118296B2 (ja) 高圧質量分析法のためのイオン化法
黃琪雄 et al. Characteristics of the Oxygen Plasma and Its Application to Photoresist Stripping

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20071203

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100416

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100506

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100630

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100824

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100825

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130903

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 4578672

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees