JP3236740U - 温室の柱と梁の接合構造 - Google Patents

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英男 池田
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Abstract

【課題】屋根組立の高所作業を回避し、もって温室建設の作業安全性と工期の短縮をはかる温室の骨組み構造を提供する。【解決手段】温室のパイプ製の柱の上端開口に蓋部材6を嵌着して上端開口を塞ぎ、この蓋部材に柱の外径より幅広の受け板10を水平方向に固定し、この受け板に梁や桁のような屋根部の水平方向の部材を固定して、屋根部を柱5に接合する。柱を角パイプ製とすると共に、蓋部材の相対する両側部を下向きに直角に折り曲げて一対の連結片7を蓋部材に一体的に形成し、これら一対の連結片を柱の側面に固定することにより蓋部材を柱の上端開口に嵌着する。【選択図】図2

Description

本考案は農業用の温室(グリーンハウス)を構成する骨組みの構造に関し、特に柱と梁の接合構造に関する。
この温室は金属製の骨組みに合成樹脂フィルムを展張した構造である。骨組みの種類には、H形鋼などの鋼材や中空のパイプ材などがあるが、従来はこれらを棟木や桁材で接合して骨組みとする。
その接合構造の例が次の特許文献に開示されている。
特開2018-174799号公報この特許文献では、柱と垂木をくの字の形に一体化したH型鋼材21を向き合わせて対向部を棟木mで接合したり(図9)、アーチ状に形成したパイプ材22を向き合わせて対向部を棟木mで接合したりして(図10)骨組みを構成する。
このような従来の骨組みは、棟木mの接合が高所作業となり、作業能率が低いばかりでなく危険で工賃も嵩みやすいという問題点があった。
本考案はこのような問題点を解消するもので、棟木を含む屋根部を地上で組み立て屋根のモジュールを形成し、この屋根モジュールを揚重し、鉛直の柱の上に載せて接合して構成することにより、従来の高所作業を廃止した骨組みの構造を提供することを目的とする。
請求項1記載の骨組みの基本は次のとおりである。
温室のパイプ製の柱の上端開口に蓋部材を嵌着して上端開口を塞ぎ、この蓋部材に柱の外径より幅広の受け板を水平方向に固定し、この受け板に梁や桁のような屋根部の水平方向の部材を固定して、屋根部を柱に接合する構成である。
請求項2記載の考案は、請求項1記載の構成において、前記柱を角パイプ製とすると共に、前記蓋部材の相対する両側部を下向きに直角に折り曲げて一対の連結片を蓋部材に一体的に形成し、これら一対の連結片を前記柱の上端開口の側面に固定することにより、蓋部材を柱の上端開口に嵌着することを特徴とする。
次にこれらの効果を説明する。
請求項1記載の考案では、柱の上端に固定した水平方向の受け板を利用し、その上に屋根部の梁や桁のような水平方向の部材を載せて固定することにより屋根部と柱を接合する。このため予め屋根部をモジュール化して地上で組立てておけば、これを揚重して受け板の上に載せ受け板と固定するだけで屋根部を柱に接合でき温室の骨組みが完成する。
従って、従来のような高所で棟木を接合するような危険で高賃金の作業を回避でき、温室の骨組み全体が短い工期で安全且つ低コストで完成できる。
また蓋部材は柱の上端開口に嵌着するから位置のずれがなく、この蓋部材に受け板を載せて受け板を柱の高さにそろえて正しく設置でき、この受け板で屋根部全体を傾きなく安定して支持できる。
さらに屋根部の水平方向の部材を柱の外径より幅広の受け板に固定するから、固定個所を柱の外側にも確保でき両者を強固に固定できるばかりでなく、柱の外側の広い空間で固定作業ができ作業がしやすいなどの優れた効果を奏する。
請求項2記載の考案では、請求項1の柱を角パイプ製とし、その平らな側面に蓋部材の連結片を当て、連結片の面を柱の面に対し面接触の状態で固定するから、蓋部材を柱の上端開口に堅固に嵌着できるという効果を奏する。
次に考案の図面を説明する。
本考案の実施例における屋根部の斜視図 本考案を実施した接合構造の要部を分解して示す断面図 本考案の接合構造の要部正面図 は本考案の接合構造の違う例の要部平面図を示す。 本考案を実施した蓋部材の斜視図 本考案による温室の組立工程の説明図 及び は従来の温室の骨組みの例をそれぞれ示す。
本考案の実施の形態を図に示して説明する。
Rはモジュール化した屋根部で、基本的には棟木1を桁2と梁3で組んだ基礎部分で支持する構造である。4は垂木で、その上に合成樹脂フィルムを展張する(図示省略)。棟木1などは軽くて強い金属製の角パイプが好ましい。本考案ではこの屋根部Rを予め地上で組み立てて屋根モジュールとする。
他方、温室の柱5は断面方形の角パイプ製で、高さを揃えて地表に鉛直に起立させ、その上端開口に蓋部材6を嵌着する。
角パイプの代りに、2本のC型鋼を溝同士向き合せて1本に結合することにより中空のパイプ状に形成したものでもよい。角パイプは断面が4角形に限らず6角形や8角形でもよい。
蓋部材6は鋼板製で一対の連結片7を有する。連結片7は鋼板の左右を下向きに直角に折り曲げて蓋部材6と一体に形成する。8はネジ貫通孔で内周にネジ溝を形成するか、図2のように、内側にナットnを固着する。
そして連結片7を柱5の上端開口内に挿入して柱5の側面よりネジ9をねじ込んで蓋部材6を柱5に固定する。このとき蓋部材6の上面は柱5の上端開口と同じ高さにし、蓋部材6と柱5を面一にするのが好ましい。
次に蓋部材6の上に鋼板製の受け板10を重ね、ネジ11で受け板10を柱5の上端に水平に固定する。受け板10は柱5の外径より幅広な形状で、柱5の外側に張出し部12が張り出ている。張出し部12には予めネジの貫通孔13を加工しておく。
なお柱5の上端開口と蓋部材6の間に多少の隙間が生じても、その上を受け板10が覆うため柱内部への水の侵入などのおそれはない。要は蓋部材6で柱5の上端開口を実質的に塞いでいればよい。
また連結片7、7の間隔を広く形成して柱5の外側面に重ねてもよい。連結片7、7の間隔を柱5の内径または外径の寸法に合わせれば、連結片7を柱5の内側面または外側面に面接触できる。
また蓋部材6の別の例として連結片7を前後左右に2対計4片形成すると、柱5と蓋部材6の接合強度を強化できる。
そして屋根部Rをクレーン等で揚重し(図8)、その桁2や梁3の端部を受け板10の上に重ね、図4のように、ネジ14で固定する。なお15はアングル材でこれにより桁2や梁3の端部は直角に連結されている。
ネジ14の締結作業により、受け板10を介し屋根部Rと柱5の接合が完成する。
これらの接合はインパクトドライバーを使用してタッピングビスの打込みで行ってもよい。その場合、溶接は一切しないので、作業が早く安全にできる。
図4は温室の四遇部における受け板10と梁3等との接合例の平面図である。
図5は温室の側面部における受け板10と梁3等との接合例の平面図である。
図6は温室の内部における受け板10と梁3等との接合例の平面図である。
これらにおいて16は受け板に10に形成したブレス用の孔を示す。
本考案は連棟式にも適用でき、大規模な施設園芸が短工期且つ安全・低コストで実現できる。
Rは屋根部
1は棟木
2は桁
3は梁
4は垂木
5は柱
6は蓋部材
7は連結片
8はネジ貫通孔
9、11及び14はネジ
10は受け板
12は張出し部
21はH型鋼材
22はパイプ材

Claims (2)

  1. 温室のパイプ製の柱の上端開口に蓋部材を嵌着して上端開口を塞ぎ、この蓋部材に柱の外径より幅広の受け板を水平方向に固定し、この受け板に梁や桁のような屋根部の水平方向の部材を固定して、屋根部を柱に接合することを特徴とする温室の骨組み構造。
  2. 前記柱を角パイプ製とすると共に、前記蓋部材の相対する両側部を下向きに直角に折り曲げて一対の連結片を蓋部材に一体的に形成し、これら一対の連結片を前記柱の側面に固定することにより蓋部材を柱の上端開口に嵌着することを特徴とする請求項1記載の温室の骨組み構造。
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